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新井氏の関数
日曜日の夜です。
銀座八丁目です。
今夜は四ヶ月ぶりの″鮨 あらい″さん。
ラッコとおんなじくらい呑んでも全く乱れない、いつもの裏紀香嬢とご一緒します。
誤解しないで下さいね。
呑んでも乱れない、というのは、つまり、いつも乱れているかも、ということと一緒ですから、アハッ\(//∇//)\
それはともかく、地下のカウンターではご常連の裏紀香、いや元峰不二子嬢。二階のラッコの左隣の指定席が空席になったことを天佑とばかり、『アハッ、座っちゃった』・・・!
まっ、気が合うのでラッコからお誘いしたんですけどね、グフッ(^◇^)
思いのほか涼しくなった八時半、お店の外で待ち合わせ、二階に入店。
カウンターの奥に座り、新井氏にご挨拶。
日高見の夏吟醸をお願いして、今宵の晩げのスタートです。
さてさてそれではいただいたコース内容は以下の通り。
マグロとお酒以外は撮影禁止なので、駄文でフォローさせていただきます。
そしてご馳走さまでした。
<まとめ>
やはり、新井氏も格が違う!
カツオのやま山葵和え、葛粉素麺、カマスジ大トロの冷製シャブシャブ仕立てなどなど、他店には無いオリジナリティに感服。
これは新井氏独自の鮨関数が有るに違いない!
おまけに下関は安岡(日本海側です)と由良の赤ウニの食べ比べ、気仙沼の延縄のピンピンの本鮪には悶絶。
だって赤ウニの産地の香りの違いに覚醒すれば、パサパサ感が皆無のやま幸ピンピンピン鮪にも目が点。
前日の″こま田″さんも素晴らしかったけれど、やはり″鮨あらい″さんも本物。都内の他店とは明らかに格が違う!
<つまみ>
⚫︎三つ葉とお揚げの焚き物:
こちらはここんところの定番。
カツオと昆布の優しいお出汁に触れ、ゆっくりと目の覚めるラッコのカワユイ胃。
⚫︎赤ウニ:山口、安岡
つまみで三房ほど。山口産とお聞きし、すかさず『長門ですか?』と確認するラッコ。
ニヤリと笑い『安岡っす。豊洲にはまず入らないっす』と、ドヤ顔の新井氏。
⚫︎アマテ鰈:明石
いわゆる眞子鰈。
ラッコの故郷の広島では、ホソクチ、と呼んでおりました。鴨頭ネギのポン酢でいただきます。
⚫︎新ワカメ:鳴門
旬ものです。
丁寧に正方形のミルフィーユ状に切り分けます。
これもポン酢でいただきました。
⚫︎新銀杏:
枝から落ちていない銀杏です。小さな落花生くらいの大きさ。苦味はほとんどなく青い味わいでした。
⚫︎鰹やま山葵漬け丼:
オリジナリティ溢れるひと皿。
カツオとやま山葵がこんなに合うなんて、まさしく目が点。
⚫︎葛粉素麺:シラス、生唐墨、オリーブオイル
鰹節と昆布のお出汁に数滴の薄口醤油。生唐墨の塩味でいただく逸品。鴨頭ネギと青いオリーブオイルの香りが器の中で見事なまでにマリアージュしておりました。
⚫︎カマスジ大トロ:冷シャブ
スジの多いカマスジは大抵の場合、炙って握りますが、まさかの冷シャブで無駄な脂を落とすとは・・・、ただただ絶句!
大根おろしと薬味の生柚子胡椒が良い仕事をしております。なんて贅沢なツマミやねん!
⚫︎マナ鰹:炙り
淡路産です。肉厚の旬ものです。ほのかな塩味と酢橘の酸味で爽快にいただきました。
<握り>
マグロは全て気仙沼の延縄。
やま幸さんのピンピンのピンです。
だって全くパサついていない!
前夜の″こま田″さんの小泊も凄かったけれど、こちらも全く遜色無し。
加えて、蒸した黒鮑、由良の赤ウニにも悶絶。
⚫︎本アラ
⚫︎鱚:昆布〆
⚫︎鯵:浅葱、生姜
⚫︎黒鮑:蒸し
⚫︎赤身
⚫︎中トロ:腹カミ
⚫︎大トロ:腹カミ
⚫︎大トロ:蛇腹
⚫︎小肌
⚫︎車海老:長崎
⚫︎蜆汁
⚫︎赤ウニ:由良
⚫︎穴子
⚫︎干瓢巻き
⚫︎玉子
<お酒>
・日高見:夏吟醸、宮城
・田中六五:福岡
・五凛:石川
・喜久酔:静岡
・飛露喜:福島
・Gevrey-Chambertin:Gran Vin de Bourgogne ,
Synfonie, Jean-Luck & Eric Burguet, 2014
・Champagne:Delamotte, Blanc de Blance, 2014
木佐の香りに悶絶した夜なのだ、の巻
木曜日の夜です。
今夜はフォロワー女史がご用意してくださったこちら、鮨あらいさんの地下、臼井氏のカウンターにお伺いしました。
昨年末以来なので、凡そ中二ヶ月。
数日前に二階のカウンターにお伺いしているので、これは間違いなく、新井親方と臼井親方のツマミと握りの食べ比べ。
さてさてそれでは本題です。
いただいた内容は以下の通り。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお楽しみいただければ幸いです。
そしてご馳走さまでした。
<まとめ>
概ね数日前の二階と比べ、九絵の塩焼きと渡り蟹の日本酒漬けは無く、代わりに鮃と縁側が登場。
この鮃、2.8kgの大物の下身でしたが、その弾力たるやJK並みの肌質。触ったこと無いけど、アハッ\(//∇//)\
縁側も肉厚で初っ端から鼻息の昂るラッコ。
握りに移れば、木佐(赤貝)の香りに悶絶。
『香りが飛ばないように捌きたてでご用意しました』と、何だか嬉しそうな臼井氏。
だってこの木佐、奥からパッドに入れて運ばれてきた時点で、何とも言えない胡瓜香が漂います。
それを斬り付け丁寧に包丁目を入れると、更に立ち上がるヘモグロビン系の高貴な香気。
調子にのったラッコ達二人は追加で紐胡巻きもお願いし、返す刀で天端と三つ葉の山葵和えも所望。
このツマミ、ラッコにとっては思い出の逸品なんです。
奈可久の鈴木親方の男伊達の笑顔を思い起こしながら、凡そ三時間半の宴。
〆シャンを決めて、ノテノテと銀座の夜に漂うラッコでした。
<ツマミ>
産地は秘密です。
●煮牡蠣
●鮃
●縁側
●メジマグロ
●帆立:磯辺焼き、天然、七味醤油
<握り>
産地は秘密です。
●細魚:生姜
●赤貝
●墨烏賊
●鯖
●赤身:定置網
●中トロ:腹カミ
●小肌
●蛤
●おはぎ
●車海老
●ムラサキウニ
●穴子
●玉子
●お味噌汁:蜆
----- 追加 -----
●紐キュウ
●赤身と三つ葉の山葵和え
<お酒>
・黒龍:しずく、大吟醸、福井
・雪漫漫:出羽桜、大吟醸、山形
・賀茂金秀:広島
・廣戸川:福島
・喜久酔:静岡
・而今:三重
・七本槍:滋賀
・Champagne:Richard Cheurlin, 2014
渡り蟹の日本酒漬けはヤバかったのだ、の巻
日曜日の夜です。
銀座八丁目です。
今宵は凡そ三ヶ月振りの鮨あらいさん、二階のカウンターにいつもの女子と二人でお伺いしました。
『どこでもお好きなところにお座りください』との新井氏のお言葉に甘え、正面に女子をエスコート。
早速、生ビールで唇を湿らします。
目の前には皮目を炙ったメジマグロの塊が板の上に鎮座。ゆっくりと丁寧に斬り付ける新井氏。薬味となる鬼おろしの大根にオリーブオイルを振りかけ、味わいを整えます。
小鉢に盛り付け、今宵のツマミのスタート。
さてさてそれでは本題です。
いただいたものは以下の通り。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお楽しみいただければ幸いです。
なおネタの産地は、新井氏とのお約束に従い敢えて記載しておりません。
注目度の高いお店だけに、同じ産地のネタを求めてその取り合いに拍車がかかり、無駄に卸値が跳ね上がるのだとか。
そんな事態はお客としても不本意なので、ラッコの胸に仕舞い込みます。なにとぞご容赦くださいませ。
そしてご馳走様でした。
<まとめ>
やはり二階は違う。
ツマミの完成度、シャリの美味さ、握りの姿かたちの美しさ、全てがラッコのハートを捉えて離しません。
<ツマミ>
●めじ鮪:タタキ、鬼おろし、オリーブオイル、日本海
●帆立:磯辺
●牡蠣:蒸し
●鮟肝:奈良漬
●クエ:塩焼き、黒七味
●渡り蟹:日本酒漬け
<握り>
●墨烏賊
●閂
●鳥貝
●赤貝
●紐キュウ
●赤身
●背カミ
●腹カミ
●腹カミ一番
●小肌
●車海老
●蛤
●ムラサキウニ
●穴子
●蜆汁
<お酒>
・生ビール
・出羽桜:雪漫漫、手造り大吟醸、山形
・五凛:石川
・上喜元:こぶし、山形
・喜久酔:静岡
・飛露喜:福島
・Pino Noir:マグロと穴子用
・日高見:宮城
日本酒は三合くらい
地下一階カウンターは臼井親方の独壇場なのだ、の巻
月曜日の夜です。
銀座八丁目です。
先週の六丁目のお鮨屋さんに、見事なまでの肩透かしをくらったラッコ。
『そんなところに行くからよぉ〜』とか、『鮨屋アルアルですなぁ〜』とか色んなコメントをいただきましたが、出来ればお伺いする前に言って欲しかった、グフッ\(//∇//)\
まっ、それは無理な話だし、元々人の話を聞かないラッコ。何を言われても恐らくお伺いしたに違いない。だって、自分の舌で味わわないと、結局は納得しないんだもんね。
その点こちらは、二番手と言えど、臼井さんの握りもツマミも『鮨 あらい』の暖簾に恥ずべきところ無し。
そりゃあ、総合点では新井親方に比べるまでも無いけれど、独自の色を出されたツマミもネタもシャリの味わいも、一流を気取るそこらへんの半端なお店より遥かに、ウ・ン・マ・イ!
取り分け今夜は、北海縞海老の利尻昆布〆を軽く叩いた握りに、唖然、呆然、愕然とするラッコ。おまけに津軽海峡の一本釣りの霜降りに至っては、溢れる吐息に荒ぶる鼻息と加齢臭、グフッ。
お陰様で、日本酒を六種類、〆にはロゼのシャンパンを聞こし召したラッコと裏紀香嬢。
週の初っ端からこんなに飛ばしてええんやろか?
『いいんです!』
だって2022年の最終週やもん、ダハッ。
さてさてそれではいただいたものは以下の通り。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお楽しみいただければ幸いです。
そしてご馳走さまでした。
<つまみ>
●鰆:蕪蒸し
●真鯛:淡路
●北寄貝:長万部
●太刀魚:走水→まさかの撮影漏れ
●鮟肝奈良漬
●北寄貝:柱と紐の串焼き
●天然帆立:磯辺、野付
<握り>
●金目鯛:利尻昆布〆、勝浦
●墨烏賊
●鰯:岩手
●赤身:大間、一本釣り、135kg
●霜降り:大間、一本釣り、135kg
●おはぎ:背ナカの背鰭下
●小肌:二日目
●北海縞海老:利尻昆布〆
●鯵:出水
●ムラサキウニ
●金目鯛皮の握り:勝浦
●穴子:対馬
●玉子
<追加>
●ネギトロ
●干瓢巻き→まさかの撮影漏れ
<お酒>
・田中六五:特別発泡純米、福岡
・伯楽星:特別純米、宮城
・喜久酔:純米、静岡
・七本槍:純米、辛口、滋賀
・白隠正宗:純米吟醸、沼津
・飛露喜:純米吟醸、福島
・Champagne:L’incandescent, Rose de Saignee,
Verzy Grand Cru, PN100%, 2017,
Mouzon Leroux
活の香箱日本酒漬けに朦朧とした銀八の夜なのだ、の巻
水曜日の夜です。
銀座八丁目です。
今夜はこちらの″鮨 あらい″さん。
二階の本店カウンターに、いつもの女子と二人でお伺いしました。
凡そ三ヶ月振りになるでしょうか。
その間、地下一階のカウンターに二度ほどお伺いする機会を得ましたが、ふう〜っ、やはり二階の本店は凄い。
何かが違う。
言葉では言いあらわせない。
新井親方のハートフルな接遇も良し。
凛としているけど冷たくはない。どのお客さんの会話も聞き逃さず、適切な間合いで、合いの手や新たな会話を仕掛けるその笑顔。
やはり、多くの方々ご贔屓にされるのも宜なるかな。
取り分け今夜の出色は、寿都の寒鰤の辛み大根添えと間人の活の香箱の日本酒漬け。
余った日本酒漬けの内子を酒のつまみにコッソリと目の前に置かれて、アイヤァ(^◇^)
『身体には悪いっすけど、お酒にはメチャクチャ合います』なんて、まん丸なご尊顔にこれまたまん丸なお目目で呟かれると、ラッコも隣の女子もあえなく昇天。
次回は週末二人縛りなので来年の弥生。
早くも待ち遠しさが募ります。
さてさていただいたお皿は以下の通り。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお楽しみいただければ幸いです。
そしてご馳走さまでした。
<つまみ>
これまでより品数の増えた今夜。
出色は、全て。
本アラの健全な脂に朦朧。
佐島の初冬の蛸の旨味に悶絶。
無洗浄故に薬品臭が皆無な北海道の真鱈のタチに茫然。
寿都の寒鰤の爽快な身質に愕然。
にたり鯨の中トロのような食感に満面の笑み。
20kgの九絵のタタキのふわふわ食感に唖然。
鮟肝と奈良漬けの好相性にニンマリ。
極め付けは、間人の活の香箱日本酒漬け。
これはもう理性が崩壊するほどの美味さ。煌めく熟柿色と深い紅色の内子に、無限に続きかねない猪口と唇の往復運動。
●三つ葉のお浸し
●本アラ:銚子
●蛸:佐島
●真鱈の白子:無洗浄
●鰤:寿都、辛み大根
●にたり鯨:尾の身、生姜醤油、アイスランド
●活の香箱:間人、日本酒漬け
●活の香箱:内子、日本酒漬け
●九絵:尾鷲、タタキ、黒七味
●鮟肝:余市、奈良漬け
<握り>
塩味の強い仕立てが口に合う。これが昔ながらの江戸前のシャリだよ。
●細魚:閂
●墨烏賊
●白甘鯛:昆布〆
●小柱:軍艦
●中トロ:背トロ
●大トロ:腹カミ
●おはぎ
●小肌
●煮蛤
●車海老
●イクラ丼
●穴子
●蜆汁
●玉子
<お酒>
マグロの握りの前に表の女史から赤ワインのご提案。
ブルゴーニュのピノノワールが、マグロの脂や蛤穴子などの煮物に合うとのこと。
分かっちゃいるけど、懐と相談しながら禁断の扉を敢えて閉じていたのに、『開けぇ、ピノノワ』の掛け声と共に怒涛の赤ワインに突入。
おかげで諭吉が五人半も登場したけど、でも美味しかったし、確かにバッチリ合うし、何より隣の娘さんが喜んでいたので、それが全て。
・サッポロ:小瓶
・伯楽星:特別純米、宮城
・貴:特別純米、山口
・出羽桜 雪漫漫:大吟醸、山形
・喜久酔:特別純米、静岡
・Claude Dugat La Gibryotte Bourgogne Rouge:
ABC, 2018, PN100%, 二杯
地下一階カウンターは臼井親方の庭なのだ、の巻
水曜日の夜です。
銀座七丁目です。
今夜は″鮨 あらい″さんの地下カウンターにお伺いしました。二階の本店に新井親方がどっしりと陣取る中、地下にはメイさんの個室、そして臼井さんのカウンターが、数多のお客さんを迎え入れます。
いわば″鮨 あらい″の士官学校のような位置づけ。
地下を預かるそのお二人は、最終卒業試験に向け独自の色を試行錯誤しながら調色する毎日。
シャリの仕立ても異なれば、ツマミの味付けにも独自の工夫を施し、いつの日か訪れる独立に向け、じっと腰だめしている揺籃期。
深く低く腰を折れば折るほど、飛躍時のパワーは二乗関数と同一曲線。いやいやこれはもうお二人の卒業後の艶姿が楽しみですね。
さてさてそれではいただいたものは以下の通り。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお楽しみいただければ幸いです。
そしてご馳走さまでした。
<まとめ>
『xxxさんにお越しいただけて嬉しいです』と、マスクをとって生真面目にご挨拶される臼井親方。さらに磨きのかかる接遇に、なんだかくすぐったいぞ。
つまみは鰯の磯辺とハタの甘み、喉黒の酒蒸しかんずり乗せが特に秀逸。真鱈の白子にしたって、芝海老のチャンクと出汁で包んだ黒七味仕立てに荒ぶる吐息。
ウナボーンならぬアナボーンまで登場すれば、そっと出される秘密のアテ(これは掲載禁止)にお酒が♪もうぉ〜、どうにも止まらない!♪と山本ラッコリンダに変身しちゃったりして、アハッ。
シャリは赤酢三種のブレンドと塩のみ。
好きっす、このシャリ。
砂糖はコクが出るけど、キリッとした爽快な味わいにはなんないですもんね。それに二階よりやや硬めの炊き上がりも口に合う。
<つまみ>
敢えて書けないツマミが一種類あります。
秘密です。
●真鱈白子:芝海老、黒七味
●真旗:お腹、秋田、4kg
●鰯:磯辺巻き、北海道
●喉黒:酒蒸し、かんずり
●アナボーン:アナのの背骨の素揚げ
●鮟肝と奈良漬
●かんずり:ワガママを言って追加
<握り>
この日はシケの影響で貝は全滅とのこと。残念!
でもその分、青魚が充実しておりました。
●真旗:背中、利尻昆布締め
●墨烏賊:塩、酢橘、出水
●真鯖:青森
●赤身:大間
●蛇腹:大間
●おはぎ:大間
●鯵
●車海老:養殖、大分、秘密
●イクラ
●穴子
●馬糞ウニ
●鮟肝巻き
●干瓢巻き
●玉子
<お酒>
隣の裏紀香嬢が『アタイは絶対〆シャン派』とはしゃぐので、ラッコも初体験。
アアッ、呑んだ呑んだ。
でも二次会に続く。
次のレビューをお楽しみに、アハッ\(//∇//)\
・賀茂金秀:特別純米、広島
・喜久酔:特別純米、藤枝
・白隠正宗:特別純米、沼津
・飛露喜:特別純米、福島
・出羽桜:雪漫漫、天童
・而今:特別純米、三重
・帰農:特別純米、三重
・不老泉:特別純米、滋賀
・Champagne:Chartogne-Taillet, Sainte Anne
日本酒は四合くらい
地下一階カウンターは臼井親方の城なのだ、の巻
火曜日の夜です。
銀座七丁目、鮨あらいさんの地下一階カウンターを仕切る臼井親方の席にお伺いしました。
一週間前にならないと開店されるか否か確約できないとのこと。でもその訳は、二階の個室の予約状況や出張握りの注文に応える臼井親方の一人三役にあり。
なるほど、それは仕方ないねんな。
今夜はそのプラチナシートを、持ち前の引きの強さで手繰り寄せた裏紀香嬢に感謝。
『ワタシィ、二階にはまだお伺いしたことないのぉ〜』と、舌ったらずな唇で上目遣いの裏紀香。
ううっ、これはいわゆる世間様で言うところのバーターか?
『あっ、そなの、そいでは二階はその内ね』なんて空手形を乱発せざるを得ないラッコ。乱発し過ぎてその太い首が絞まっちゃんやないかい、アハッ\(//∇//)\
さてさてそれでは本題です。
臼井親方に確認したところ、二階とは異なりマグロ以外の写真もSNSアップがオッケーとのこと。
そのご好意に従い、全ての写真をアップしましたので、お時間のある時にご覧いただければ幸いです。
ひとつひとつのコメントはその写真欄に記載しておりますので、画像と合わせてお読みいただければ幸いです。
そしてご馳走さまでした。
<まとめ>
二階の新井親方のカウンター。地下一階の個室のメイさん。そして地下一階の臼井親方のカウンター。
その三箇所がすべて″鮨あらい″の暖簾を掲げます。といってもネタ、仕込み、コースの量などは統一されてはおらず、その内容は三者で情報共有こそされながらも、独自の仕立てなのだとか。
いわば将来的な独立を見越した、独立採算性の士官学校のようなものか?
確かに、メイさんのツマミと握りは未経験ですが、二階のヘッドクォーターとは微妙に異なる臼井流がそこかしこに顔を覗かせておりました。
どちらが、と言われれば、どちらも、なんて詮無いお答えしかできませんが、少なくともこれだけ呑んで、お会計も二階の八掛けかな、というのはひとつの事実でした。
これは通います。
<つまみ>
暖簾をくぐると臼井氏と視線が交錯します。
『あっ!』という表情の臼井氏。
『デヘッ』
『ようこそ、おいでくださいました』
『彼女に連れてきてもらいました』
・・・と軽くご挨拶。
臼井氏、ラッコの丸顔を覚えていらしてようです。
もうこれだけでツマミと握りの美味さが倍増。
●真鱈の白子:
・北海道産
・芝海老のそぼろ餡掛け:昆布と鰹節の出汁
・薬味:黒七味
●真鯛:
・明石産、1.5kg
・薬味:山葵、酢橘
●鰯:
・磯辺巻き:丸山、こんとび
・北海道
・薬味:ガリ、胡瓜
●カマス:
・茨城産
・タタキ:レアカマス
●小鉢:
・鮟肝:北海道
・奈良漬
●揚げ物:
・穴子の中骨
●炙り物:
・北寄貝紐と柱
・薬味:七味醤油炙り
<握り>
ネタとシャリのバランスも程よく、ほのかな酸味も口に合う。新井氏のそれも菅谷氏のそれも好きだけど、臼井氏のシャリもことのほか口に合いました。
●春子鯛:甘酢
●鰤:羅臼
●泥障烏賊:生姜
●小肌:佐賀
●天端:大間、延縄
●大トロ:大船渡、定置網
●おはぎ
●鯵:鹿児島
●北寄貝:長万部
●甘海老:
・白糸昆布〆
・薬味:海老味噌と殻焼
●新イクラ
●馬糞ウニ:小川
●穴子
●玉子
●蜆汁
----- 追加 -----
●甘海老
●縞鯵:漬け、お腹
●カッパ巻
●干瓢巻
<お酒>
お猪口は全て江戸切子
黒川昭男氏の手になる逸品です。
・賀茂金秀:広島
・田中六五:福岡
・帰農:三重
・乾坤一:宮城
・七本槍:滋賀
・十四代:山形!愛山
・羽根屋:富山
・不老泉:滋賀
お酒は一合ずつをシェアしたので、凡そ四合
間人の赤ウニ、出水の新イカ、羅臼の鰤に悶絶した夜なのだ、の巻
土曜日の夜です。
銀座です。
今夜は”鮨あらい”さん。
先月お伺いしたばかりですが、魚は変わっているかなぁ、なんて興味津々。
隣に座るのは、大手町女子のじゅんちゃん。瓜実顔の典型的な色白美人です。
なんだか新井さんも嬉しそう。
そりゃそうですよね。
色白肌に漆黒な瞳で、『ムッフゥゥゥ~』なんて甘い吐息(鼻息かもしれなかったっす)を洩らされたら、どんな男子も金縛りは必定。『アザッス』なんて声も上ずっているがな、アハッ。
この夜はお休みだったのか、クマモンこと由夏さんは不在。代わりに、大きなメガネのアラレちゃん女子が登場。
『この娘はアッシがスキーできねぇ、と思ってんでさぁ』といじる新井さん。
『親方がスキーなんて、とっても想像できませ~ん』なんて、ニコニコしながら呟くアラレちゃん。
そのやり取りを見ていて思わず目を細めるラッコ。いやぁ、最近の若い娘さんは物怖じしないっすね。
さてさてそれでは本題です。
今夜の肴と魚は以下の通り。
写真はマグロとお酒限定なので文字で補足します。
長めのレビューとなりますが、簡潔に記載しているので、是非お読みいただき、想像を膨らませていただければ嬉しいです。
そしてご馳走様でした。
<まとめ>
タイトルに記載した逸品の他に、白甘鯛の蒸し物、利尻のバフンウニ、天草のシンコ、やま幸さんからのピンピンの佐渡の本マグロなどなど、全てが他店を凌駕する味わい。
シャリは季節柄塩味を強め、酢もやや立ち上がった仕上がりに変化しておりました。
ネタとの相性も完璧。こちらのような握りをいただいてしまうと、巷のお鮨屋さんで半端なお値段を支払うのが、実にもったいなく感じてしまいます。
嫌味に感じられたらすいません。正直な話、食べ比べて初めて分かった事実です。
<つまみ>
●糸三つ葉とお揚げの炊き物
冷房の効いた店内で温かい焚き物。胃が落ち着きます。
●アマテ鰈
●アマテ鰈:縁側
恐らく明石産。迸る旨味。縁側から滲み出る健全な脂を堪能します。
●赤ウニ:間人
ズワイ蟹で有名な丹後の間人。
赤ウニも抜群の旨味です。
●新若布:鳴門
口直しに最適かも。ちょっとした箸休めです。
●真蛸:三浦
素材の地味を活かした薄味が持ち味。塩とお酒だけでしょうか、生の身のように真っ白な仕上がりでした。
食感は硬くもなく柔らかくも無く、ちょうど良い歯応え。タウリンが充満しているので、元気もりもり、還暦なんて吹っ飛ばせ、アハッ\(//∇//)\
●新銀杏
はしりですね。青い香りが好き。
●葛素麺:生唐墨、鴨頭ネギ
冷製の小鉢です。葛で固めた麺の食感が抜群。生の唐墨が塩味を補填し、鴨頭ネギの青い香りが爽快さを演出しておりました。
これは日本酒を呼ぶ!
●岩牡蠣:三重
軽く蒸した岩牡蠣におろし大根を纏わせました。牡蠣独特な香りが消えて、これはどなたのお口にも合うはず。
●鰹
土佐醤油とタップリの山わさびでいただきます。今年は鰹が豊漁ですね。
●ばちこ
海鼠の卵巣の干物。こんな旨味の塊は他に無い。
ちょっとずつ齧りながら、口中で日本酒と合体。至福の時間の到来です。
●白甘鯛:酒蒸し、ポン酢
隣のジュンちゃんはお腹部位。ラッコは肉厚の背中部位をいただきました。皮は剥がしてあるけど、皮裏の脂がゼラチン質の薄膜に変化して、白甘鯛独特の動物系の身を優しく包んでおりました。
ポン酢も残さず飲み干します。これはウンマイ!
<握り>
●アラ
スズキ科のアラです。九州で言うところのアラ(クエ)では有りません。
●墨烏賊
包丁目を入れず、ツルンとした食感で供します。
●新子:天草
三枚付けでした。酢が入っているのに酸っぱくない。今年一番の新子でした。
●新イカ:ゲソ、出水
はしりですね。当初はキロ75千円だったとのこと。それが今は一杯英世一枚だそうです。まだまだお高いですね。
●鰤:羅臼
今夜のナンバーワンは間違いなく、この鰤。
斬り付けているサクから鰤とは分かりましたが、いざ握りで目の前に届くと、まるで中トロのような見た目。味わいも本鮪にそっくり。
ブラインドでいただいたら、思わず『背トロっすか?』と呟いちゃいそうです。
●鯵
鯵だけど鯵じゃない。酢〆しているのに酸っぱくない。これもブラインドで出されたら、鯵とは分からないかも。
●赤身:佐渡
●背トロ:佐渡
●中トロ:佐渡
●蛇腹:佐渡
マグロカルテットの登場。佐渡なので、恐らく定置網かな。近海物の延縄だと身焼けリスクが高いけど、やはりなんと言ってもやま幸さんのピンオブピン。夏らしく爽快な脂をまとっておりました。
●馬糞ウニ:利尻
ツマミの間人の赤ウニは繊細すぎて此方の丸山の海苔の香りに負けてしまいますが、利尻の箱ウニは旨味も香りも強く、有明一番海苔に負けない味わいでした。
●新イクラ
粒はまだ小さめですが、まさしく海の宝石。
上質な卵黄をギュッと濃縮したような味わいは、この時期だけの贅沢です。
●穴子
煮て炙ってアツアツを供します。
お昼に食べた交詢社ビルの穴子専門店より百倍ウンマイ。
●玉子
カステラ仕立てです。
●蜆汁
肝臓ケアは還暦オヤジの定石。
<お酒>
・生ビール
・愛宕の松:大崎
・十四代:純米吟醸、村山
・貴:特別純米、宇部
・喜久酔:特別純米、藤枝
・上喜元:拳、超辛口、特別純米、酒田
日本酒は二人でシェアしたので、三合くらい
掟破りの同日師弟食べ比べ:昼の部なのだ、の巻
土曜日のお昼です。
銀座です。
木曜日の夜、いつもお世話になっている御朱印女子からラインが入ります。
恵比寿の焼き鳥カウンターで良い感じに酔っ払っているラッコがスマホ画面を見ると、アイヤァ、これはアカン、そりゃあ非常事態やねん。土曜日の鮨の予約のことなぞ気にしている場合じゃないやん。
実は土曜のお昼の”鮨あらい”さんへの代打依頼。
しかしラッコのその夜は”すが弥”さんの予定あり。
悩ましいところですが、女子の心理的な負担を軽くしようと即断即決。
禁断の、というか掟破りの同日師弟食べ比べ、という暴挙と相成りました。
先ずはお昼の部。
何度かご一緒しているフォロワー男子と二人、暖簾をくぐります。
『こんにちは。すいません。ちょっとチョメチョメで私がお伺いすることになりました』と、先ずは新井さんにお断り。
予約の持ち回りは禁止ですものね。
一応、訳を説明すると、
『そりゃあ、仕方ありやせんすよ。気になさらずお楽しみください』と真ん丸な瞳で爽快な笑顔。
その一言で、今日がお初の隣の男子の緊張もほぐれます。
前置きが長くなりました。
それでは本題です。
いただいたものはランチの握りコース。因みにこの日の八名、みなさん握りコースでした。
内容は以下の通り。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお楽しみいただければ幸いです。
そしてご馳走様でした。
<まとめ>
いやぁ、参りました。
手の込んだツマミも好きだけど、握りコースはお鮨屋さんの真価が発露する場。
昔はみんなこちらのような仕立てだったよなぁ、と昭和の旧き善き鮨屋の雰囲気に気持ち良く漂います。
『ウチの蛸は塩しか使いませんから。ツメを塗って海苔で縛るなんてね、少なくなりましたね、このような仕事を施すところは』と佐島の真蛸の太い脚を切り分けながら呟く新井氏。
ウンウンウン。これだよこれ。
この真蛸はウンマイ。ちゃんとタウリンの味がする。
煮物、炊き物に甘いツメ。これぞ昭和。
由夏さんの所作も板につき、クリックリな瞳でニコヤカに笑顔を振りまくその姿はクマモンそのもの。
あっ、ゴメン、また書いちゃった。許して。だってクマモンって教えてくれたのはメイさんだもんね、アハッ\(//∇//)\
新井氏の気風と由夏さんの愛嬌。
実に心地良い銀座のランチと相成りました。
<握りコース>
●前菜:
・三つ葉とお揚げの炊き物
・ジュンサイ:白神山地
●アマテカレイ(眞子鰈)
●泥障烏賊:生姜
●本ミル貝
●赤貝:閖上
●赤貝の紐:閖上
●鯵:生姜
●真蛸:塩茹で、ツメ、海苔、佐島
●赤身:舞鶴
●背トロ:舞鶴
●中トロ:舞鶴
●砂擦り:境港
●小肌
●鰹:鶏頭ネギ、生姜、大葉
●蜆汁
●車海老
●馬糞ウニ:利尻、丸山こんとび
●穴子
●玉子
<追加>
●おはぎ
<お酒>
・黒ラベル:小瓶
<余談>
夜にお伺いする”すが弥”さんに親方から伝言を頼まれました。
『オレは昼からこんなに働いている』
師弟愛溢れるその一言には深い意味が有りますが、それは文字に起こせません。
菅谷氏の反応や如何に。
それは次のレビューで。
銀座鮨の馬良白眉か泰山北斗なのだ、の巻
土曜日の夜です。
銀座です。
今夜はおよそ三か月ぶりの”鮨 あらい”さん。
八時半から二席ご用意いただき、食べ友の外資系女子、ジュンちゃんと二人で新井さんの正面に座ります。
『いやぁ、眺めが良いっす』と新井氏。
『えっ、オヤジの丸顔でっか?』とラッコ。
『いやいや、スッピン美女、大好きっす』
マスクを外して微笑むジム帰りのジュンちゃんをニコニコ見つめながら、『前回はね、ゆっくりとお話しできませんでしたから、アッシも今日はノリノリっす』と実に嬉しそう。
そして親方の左隣には、めえさんと由夏さんが並びます。
『今夜はうちの女子ツートップを用意しました。めいにはね、女帝のように由夏を指導してもらわないとね。女子には女子の距離感が有りますから、グフッ』と新井氏。
『女帝じゃないですぅ~』と口を尖らせるめいさん。
地下はお休みなのかな?
もうひと方の由夏さんは、ちょうど一年が経過したところ。愛くるしい目元と所作が魅力です。
『クマモンに似ていませんか?』と呟くめい女帝。
『おおっ、確かにぬいぐるみが動いているみたいや。でもこんだけいじられても、まったく気にしていないところがすごい』とラッコ。
『物怖じしないAB型ですから。それにね、これからウチをしょってってもらわないとアキやせんからね、グフッ』と新井氏。
その温かい眼差しの底には、女子のひとり立ちを後押しする気概が満ち溢れておりました。
職人さんのなり手が減る今、女子も貴重な戦力ですもの。新井氏に鍛えられ、その薫陶を直に受けて卒業される日を楽しみに、ラッコの目も実の父親のように、思わず細くなりました。
『よっしゃぁ、シャリ、用意してぇ~』と新井氏。
ひときわ大きな鬨の声。絶品ツマミの余韻も冷めやらぬ中、珠玉の握りがスタートします。
ジュンちゃんは今夜はラッコと同じく、日本酒をグビグビグビッ。追加も三品ほどお願いし、『いやぁ、こんだけ呑んで食べていただけると、アッシも嬉しいっす』と新井氏。
ゆっくりと流れる時間に漂い、気が付いたら十一時過ぎ。次回も夜の八時半の席を確保し、急ぎ赤坂までタクります。
写真は鮪とお酒のみ。
ちょっと長めになりますが、ひとつひとつを言葉で捕捉しますので、お時間のある時にお読みいただければ幸いです。
そしてご馳走様でした。
<まとめ>
やはり、なんだろう・・・、ひとつひとつの質が明らかに違う。
比べればわかるピンピンの素材とその地味を活かしきる技量に深く頷きます。
とりわけ、愛知の鳥貝、本ミル貝、閖上の赤貝、明石のアマテ、三陸岩手のムラサキ、この日から始まった萩の赤ウニ達に、荒ぶる鼻息、漏れる吐息、こぼれる笑顔。
そして接遇も実に心地良い。
これが銀座鮨の馬良白眉か泰山北斗。
間違いなし。
<ツマミ>
●浅利と白ネギ:炊き合わせ、愛知
●お揚げと三つ葉:炊き合わせ
はじめの炊き合わせの二品で、ゆっくりと胃が温まります。動き始めたぞ。覚醒したな。計算された流れに深く納得。
●アマテ鰈:明石
すが弥さんと一緒の筈。関西ではアマテと呼びますが、いわゆる眞子鰈。好みで酢橘塩か山葵と煮切り醤油でいただきます。
甘美な肉質に朦朧。中心部位の縁側が二切れづつ、ジュンちゃんとラッコの目の前に。シャン(美女)とご一緒するとおこぼれに与かれます。これ、外食の基本、アハッ。
●若布:鳴門
綺麗に切りそろえられた旬の逸品。箸休めに山葵を包んで一枚づつ舌の上に。清廉な潮の香りが味蕾を優しく愛撫します。
●鳥貝:愛知
これはデッカイ。舞鶴の畜養特大サイズより大きい天然物なんて、これはラッコも初めて。
軽く炙って素材の地味と滋味を引き出します。まさに口福。新井氏自慢の逸品でした。
●バチコ:炙り
海鼠の卵巣を小さな手毬状に丸め、軽く表面を炙りました。
『ちょっとづつチビチビ齧るんだよん』とアドヴァイスする間もなく、隣のジュンちゃんはひと口でパクッ。
アイヤァ、肉団子やないんやゾォ~!
でも、真ん丸な両目を見開きながら『美味っしぃ~。初めてですぅ、こんな旨味の塊』とサガリ眉で呟きます。呆然としながらも苦笑いを浮かべる新井氏。シャンは何をしても得やなぁ、アハッ。
●鰹:山ワサビ
めいさんが綺麗にトリミングした迷い鰹。ムッチリ、ポッテリ、ルビー色に煌めく地肌に悶絶。山ワサビとの相性も抜群でした。
●鰻:天然、地焼き、玄界灘
これは太い、デカい、分厚い。
しかも地焼きとは言え、痩せた硬さはなくフワフワの仕上がり。健全で豊潤な脂を皮裏に湛えておりました。
●鮟肝:奈良漬
真冬の鮟肝と比べると明らかに若い脂。無駄なくどさが皆無。日本酒と合わせてチビチビと摘まみますが、舌の上で自由に溶けてしまいました。
『すが弥さんと対極の仕込みですよね』とラッコ。
『アイツのは濃ゆいんでさぁ。素材の味が消えかねないんっすけど、でもウンマイっすよね』と、かつての右腕を見守ります。
<握り>
●春子鯛:
完璧な脱水。その隙間に酢と塩が入り込み、ちょうど良い塩梅。由夏さんの繰り出す振り柚子の香りも心地良い。
●本ミル貝:愛知
白ミルとは明らかに異なる香りと甘味。水管の先端部位のコリコリ食感もまた嬉し。
ラッコが『一番好きな貝が本ミルなんだよね』と呟くと『私は赤貝が好きです』とジュンちゃん。
その会話を由夏さんが聞き逃すはずもなく、『赤貝もございますよぉ~』と絶妙な営業トーク。
勿論、最後に追加で所望しました。
●鯵:
鯵だけに味が濃ゆい、なんちゃって、アハッ。
ヘタなダジャレはともかく、この鯵の旨味は群を抜いておりました。産地よりも塩〆、酢〆の技量で差がつくのかな?
●中トロ:鉄火巻
トリミングした部位を細巻きに仕上げました。小鉢に煮切りが用意され、山葵をたっぷりとトッピングしていただきます。海苔と鮪と山葵と醤油は仲の良いクァルテット。
●赤身:湯霜
●中トロ:血合い岸
●中トロ:腹カミ
●大トロ:砂摺り
鮪はやま幸さんのピンピン。宮崎の延縄です。
『宮崎といっても外洋ではなく、陸に近いところですね。延縄だけど延縄とは思えない身質ですよ』と新井氏。
湯霜の赤味はちょっとだけパサつき感がありましたが、中トロ二貫と大トロの砂摺りは文句無し。
初夏の鮪にしては確かにピンの中のピンでした。
●小肌:
ほど良いサイズ感。酢も塩もきつくなく、なぜだか旨甘い仕上がり。これは好きやわぁ!
●平貝:愛知
厚切りを磯辺焼きでいただきます。
噛むと現れる柱状節理。一味で辛味を補填したり煮切りが強すぎて焦げた苦さを感じるお店もままありますが、他の素材と同様、最低限の足し算で素材本来の旨味を引き立てます。
●車海老:
これも小肌と同様、ほど良い大きさ。こちらのようなサイズが一番旨味を湛えていると感じます。
●ムラサキウニ:岩手
三陸のウニもウンマイ。卵黄のようなねっとり感が口中を支配します。先日ブラ散歩した築地場外の箱ウニを思い出し、これで一貫いくらなんやろ、なんてゲスなラッコに変身してしまいそう。
●煮蛤:鹿島
蛤の汗をたっぷりと含んだ煮上げ。蛤ってこんなに美味しかったんですね、アハッ。
●海苔巻き:
やはり〆は干瓢でしょう。
●玉子:
カステラ仕立てでした。
<追加>
●赤貝:閖上
●赤貝:紐胡、細巻き
ジュンちゃんとの会話をちゃんと把握し、すかさず『赤貝もございますぅ』と勧めてくれた由夏さん。
お客さんに喜んでもらいたい、という思いが伝わります。
産地は閖上とのこと。噛むと広がる甘く心地良い鉄分の香りに、溜息の連続でした。
●赤ウニ:萩
まってましたの赤ウニ。これから旬を迎えますね。
今夜は萩産。日本海に面した海岸線が美しい土地。
淡路や唐津も良いけど、山吹色に艶めく萩の赤ウニが好き。
<お酒>
・生ビール
・愛宕の松:大崎
・飛露喜:会津若松
・出羽桜 雪漫々:大吟醸、天童
・上喜元 こぶし:超辛口、純米、酒田、二杯
・乾坤一:特別純米、宮城県柴田郡
日本酒は三合くらい。
江戸前の仕事を感じるなら、あらいさんで間違いなしなのだ、の巻
土曜日の夜です。
今夜は昨年末、本郷の江戸前晋作さんでお隣になった女子と二人で、此方の″鮨 あらい″さんにお伺いしました。
もともとの予定は、敬愛するドラミちゃんとご一緒する予定が、オミクロンの影響もあり、一旦、リセット。
どないしよっかなぁ〜?
一人でお伺いするかなぁ~?
でもでも、周りはカップルだらけやろうし、オヤジ一人だと頭頂部の毛髪と一緒で、なんだか物哀しいんだよなぁ・・・!
涙目でグフッグフッ呻くラッコに愛の手を差し伸べてくれたのが、ご一緒するジュンちゃん。
レッツゴー三匹のじゅんちゃんじゃ無いっすよ。ジュンちゃんですよぉ〜!
列記とした外資系女子。
歳の差は30プラスαやから、アイヤァ、まるで自分の娘さんやないかい。今、気がついてしもうた、アハッ。
その美白と艶やかな眼差しは、″のん″ちゃんこと能年玲奈さんにソックリ。控え目な笑顔は、まるで黒木華さんやないかい。
お酒もガフガフお呑みになるし、ラッコとおんなじくらい食も太いし、これは良え方とお友達になれたのねん。
『お強いのですね?』なんて、色香漂う吐息に我を忘れるラッコ。
えっ、何が?
あっ、お酒ね、アハッ。
もうね、浴びるように呑んでやる、カモン、ユンケル黄帝液、グフッ\(//∇//)\
現実と妄想の境目は不明。
皆様、勝手に想像しておくんなまし。文字にしているうちは、別に何でも無いんですからぁ〜、なんちゃって、アハッ
さてさて、それでは本題。
いただいたものは以下の通り。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しましたので、画像と一緒にお読みいただければ幸いです。
そしてご馳走さまでした。
<まとめ>
予約の一時間前にジュンちゃんからSOSが届きます。
上司に呼び出されたテレビ会議が長引いているとのこと。
こんな時こそ、オヤジの懐の深さを見せんとアカン。早速新井さんに相談し、七時スタートに変更してもらいます。
外待ちしようとしていたら、『寒いから中でお待ちくださいませ』と、イタズラっぽく呟く新井氏。
ご好意に甘えると、これがまたシンドイ。
まるで拷問、折檻部屋、いやいや『ステイ!』の声に従い、お預けを食らったワンコみたいやん。
だって真ん前でさ、他の六名のお客様向けにご用意されるツマミの数々。
見てるだけぇ~、やなんて、これが噂に聞く銀座の座敷牢かい、アハッヾ(≧▽≦)ノ
グゥ、グフフフフッ、オウア~ッ、蒸し鮑の香りに悶絶、朦朧、もうすぐ意識不明か?
ワンコの前脚のように、丸くした両の掌をカウンターに置くこと小一時間。タクシーで大手町から駆けつけたジュンちゃんの入場。
一瞬でカウンターの空気をかっさらいます。
固まる親方。言葉を失うお弟子さん。
どやねん?
ビックリポンやろ。ラッコは嘘つかへんで。
それはともかく、ハイボールと生ビールで乾杯。
なんだか嬉しそうに真鯛を斬り付ける新井氏。
取り置きや作り置きではなく、新たにすべてのツマミを一から準備していただきます。
これがザギンのシースーのプライド。
『お安くはないお値段をいただきますし、数か月もお待ちになったんだもん、楽しんでいただかないと、グフッ』とハニカミながらも大らかに呟く新井氏。
そうか、プライド以前の自然な所作ですね。これは惚れるな。
<つまみ>
真鯛は旨味が充満。恐らくすが弥さんと同じく、淡路島か明石辺りでしょうか。
三陸の蒸し鮑も絶妙な仕立て。この時期の肝は使わず丁寧に剥がしとり、四つ割りに斬り付けます。デカい、デッカい。口中に充満する磯の香りに鼻腔を擽られながら、モグモグモグ。ウンメェ!
●茶碗蒸し:このこ
●真鯛
●煮蛸
●蒸し鮑:三陸
●中トロ:細巻き、舞鶴
●帆立:磯辺巻き
●喉黒:炙り、島根
●鮟肝:メロンの奈良漬添え
<握り>
塩〆、酢〆、昆布〆の江戸前の仕事を施された珠玉のネタが、控え目な赤酢の旨味を包み込みます。
こんなに粋で丁寧な仕込みをされた魚は本望かも。
しばしばピンオブピンの鮪が話題に上りますが、昆布の旨味がほど良く浸透した閂の細魚、鴨川のハタ、筋肉の盛り上がったコク深い〆鯖にも大満足。
まさに口福な時間に漂えた幸せを噛み締めました。
●細魚:閂
●ハタ:鴨川
●〆鯖:外房
●酢牡蠣:長崎
●小柱
●赤身
●背ナカ
●背カミ
●剥がし
●小肌
●車海老
●馬糞ウニ
●穴子
●干瓢巻き
●蜆汁
●卵焼き
●べったら漬け
<お酒>
●ハイボール
●日高見:石巻
●飛露喜:福島
●喜久酔:藤枝
新井氏の気風に惚れた銀座の夜なのだ、の巻
土曜日の夜です。
銀座です。
日比谷で映画を鑑賞しました。
監督の前作『スパイの妻』にガッカリしていたので、正直、まったく期待はしていなかったのですが、最新作の『ドライブ・マイ・カー』は、良い。
ホンモノの役者、通奏低音のように重く響く脚本、洗練されたカメラワーク、どれをとっても超一級品。
西島秀俊の妻役の霧島れいか。
まるで和製モニカ・ベルッチ。真珠のような乳白色の煌めきと匂い立つ色香に眼も心も眩みます。
パク・ユリムの強い目力にもズッキュン。
韓国女優ってみなさん切ってんのかなぁ、と思い込んでおりましたが、これだよこれ、スッピンの美しさに敵うものなし。
ラッコの故郷、広島がロケ地と言うことも有り、あっという間の三時間。感動に高揚したラッコは足取りも軽く八丁目に向かいます。
予約は六時から。
敬愛するフォロワー女子と待ち合わせ、二階の暖簾をくぐると『へいっ、らっしゃい。xxxさん、こちらにどうぞぉ~』と真ん丸な眼で呟く、いや違うな、軽く叫ぶように声出しする新井氏。
まるで鬨(とき)の声。
これから八人の客人との真剣勝負。
お弟子さんたちの士気を高めます。今宵はいったいどんな武器を仕込んで、ラッコ達の舌と胃を席捲する御積りか?
答えは以下の通り。
<まとめ>
写真は鮪限定なので、長くなりますが、ちょっと言葉で捕捉します。
新井氏の鬨の声がカウンターに響きます。
お弟子さんの一人が法螺貝を手に持ち、いやいや、そんな訳ない、その勝鬨に背筋を伸ばす一厘刈りのお弟子さんたち。
実に爽快。
お江戸の気風を感じます。
眼の前では、横須賀は海自出身のボディビルダーが山葵を摺りおろします。
全国わさび品評会で多くの受賞歴を誇る、御殿場は瀬戸久志さんの山葵。本数も少なくその入手は困難を極めます。
この香りと柔らかい刺激、エメラルド色の艶に惚れ込んだ新井氏。なんとか分けてもらおうと他の野菜を爆買いして卸に記憶を植え付け、ようやく入手されたとのこと。
『狙った山葵は逃がさねぇ~っす』と意気込む新井氏。
ほどなく黒崎の晩成豆が手元に供されます。
酒肴豆と呼ぶのだそうです。
香りが違う。
ちょうど良い塩梅。
鼻腔の奥でその香りを愛でていると、名残の明石の眞子鰈が、黒漆の付け台にそって横たわります。
アイヤァ、まるでゴヤの『裸のマハ』
コリコリとシットリ食感のサンドイッチ責め。ハシリも良いけど名残もウンマイ。
蛸は佐島産。地味を生かすために塩茹でして提供。まさに蛸の香り。思わず仰け反ります。これから産卵期を迎え次第に痩せていくのだそう。名残の味を惜しみながらモグモグモグ。
ボタン海老は増毛の大物。太い、甘い、香り良し。
後ほど頭の部位を軽く炙ります。舌の上でxxxと転がします。
ここで冬瓜の登場。
イリコ出汁をはったお椀に毛蟹とその味噌が脇を固め、これはもう、悶絶級の美味しさ。ラッコは広島育ちなので、子供の頃からお味噌椀、うどんツユで舌に馴染んだ小魚の風味。深いため息とともに胃を鎮めます。
寿都の鮟肝と奈良漬けで微睡んでいると、アイヤァ、やはりというか何と言うか、岩手産の松茸が登場。それもフライで。薬味は酢橘。
頭の片隅を福沢諭吉が駆け抜けますが、理性もぶっとぶウンマさ。こりゃあもう堪らんぜよぉ~。
それにしても今夜のツマミのラインアップ。すべてが四番打者の面々。
参ったぁ。やられたぁ。その魅力に完膚なきまでに叩きのめされました
さてさて、松茸の香りに朦朧としながら、新井氏の手による握りの登場です。
鮪のコメントは写真欄に記載しましたので、画像と共にお楽しみくださいませ。
撮影禁止の他のネタで出色なものは、なんと小鰯と唐津の赤ウニ。
小鰯の酢〆なんて、とんでもなく手間のかかる仕事をきっちりとこなすところに、銀座の鮨の矜持を感じます。
手開きも出来ない繊細な身質。
包丁の金属臭を嫌うので、竹串で三枚におろした握りは、『ウニはねぇ、ただ乗っけるだけでしょ。この小鰯は手間だけで言うとウニの倍のお値段をいただいても良いんじゃないっすかねぇ~』と呟く新井氏。
そして赤ウニ。なんやろう、ハシリの頃のちょっとしたエグみとクドさが全くない。ウズラ卵の黄身のような柔らかな甘みと旨味。これは上物。由良も萩も良いけど、今宵の唐津産は今シーズンのナンバーワンでした。
長々と駄文を書いてしまいました。
ここまでお付き合いいただき、有難うございます。
こちらはお値段も張りますが、中身を考えるとすとんと腑に落ちます。
それに気の合う女子。
ひとりも良いけど、二人もまた楽し。
ラッコと同じくらいに食べて呑めて、そして弾む会話。
得難い時間に非日常を感じながら、このお鮨をカウンターにまで届ける全ての方達に、心より感謝申し上げます。
そしてご馳走様でした。
<つまみ>
●酒肴豆:新潟黒崎産の晩成豆
●眞子鰈:名残の明石
●蛸:佐島の塩茹で
●ボタン海老:巨大な増毛
●新イカのゲソ:炙り、薬味は七味
●鰹:気仙沼、山わさびで
●中トロ巻き:塩釜
●椀物:毛蟹と冬瓜、毛ガニ味噌のイリコ出汁
●鮟肝奈良漬け:寿都
●松茸フライ:岩手
●ボタン海老の頭:炙り
<握り>
●アラ:能登、ハタ科ではなくスズキ科のアラ
●墨烏賊
●春子鯛:振り柚子、酢〆、茨城
●小鰯:愛知
●新イクラ:三陸
●赤身:塩釜
●中トロ:背ナカ
●剥がし:背ナカ
●大トロ:蛇腹
●おはぎ:沢庵と白ネギ
●小肌:天草
●車海老:大分、天然
●赤ウニ:唐津、玄界灘
●蜆汁
●寛平巻き
●玉子
<ドリンク>
割愛させていただきます
これから末永くお付き合いさせていただきます、の巻
日曜日の夕方です。
都知事の制止を振り切り、都内に出てきた神奈川西部在住の小デブ。不要不急かと問われれば、ノンノンノン。
小デブにとっては予約困難店との貴重な細い糸。
ここでスキップしては、ご紹介いただいたフォロワー様への恩を仇で返すようなもの。築き上げつつある親方との関係も途切れてしまいかねません。
今はじっと自宅に籠るのが確かに最善の策。
都内には出てきたものの、感染リスクをミニマイズすべく、ひたすら外を散策し、予約時間の五分前にビルの前に到着します。
既に前回もご一緒したフォロワー女子がお待ち。
エレベータで新装された二階に昇ります。
ほおおおっ、小粋な空間。
地階と比べ、天井も高く、ゆとりのある設え。
六時ちょい前にお店の女子がご案内。
木の香る空間に第一歩。
新井氏と目が合います。
『いらっしゃいやし~、お好きな場所にどうぞぉ~』
『ええっ、良いんすか。そいじゃ正面に座っちゃお』
『ぐへへっ、いかがっすか?』と、漆黒の付け台を撫でながら呟く親方。
『ほお~っ、これが京の職人さんの手になる漆塗りっすね。もうね、ピッカピカ。顔が反射しちゃいますよ。三原橋の二葉さんと一緒や。粋ですね、こいつは...』
『グフッ、これね、嵌め込みなんで取り外して塗り直したり、修繕したりすることが出来るんでさぁ』としたり顔の親方。
『分厚いカウンターも素晴らしいっすね』
『六メーターのしろもんでね、端材を扉や引き戸にも使ってるんっすよぉ』
『天井も、アイヤッ、この木目は彫りですか?』
『へいっ、大工さんがね、この目がでるように手で掘ってんでさぁ~。おしぼりの置台もね、ほらっ、同じでしょ。端材で作ったんすよ、アハッ』
秋田杉と京都の北山杉の逸品、これはもう作品ですね、にウットリする建築好きなラッコ。
職人さんの仕事は美しい。
ただただ溜息の連続です。
『これって高級レクサスでも足りないっすね』とゲスの勘繰り。
『グフッ、全部でイクラっ、すからねぇ~、細けえことは分かりやせんや』と煙に巻かれてしまいました。
『回収しないとアキやせんからね、末永~~~っく、骨の髄まで、ズズズイ~っと、お付き合いくださいね』と、ラッコをガン見しながら悪戯っぽく口角を挙げる親方。
腰が引けながらも『勿論っす』と破顔一笑のラッコ。
さてさて、それではツマミと握りの紹介です。
今はまだ、写真撮影はマグロのみ。
『コロナもありやしてね、なかなかお越しいただけないご常連の方も多くいらっしゃるんで、何でもかんでも載っけちゃうとね、申し訳ありやせんから...』
なるほど。繊細な気配り。
ネタやツマミだけではなく、お店の運営全体にしかと目配りの効くその懐の深さが新井氏の真骨頂。
いただいたものは以下の通りです。
そしてご馳走様でした。
<ツマミ>
いずれも口に合います。
とりわけ、鰈はウンマかった。縁側から脂が滲み出ておりました。
●三つ葉とお揚げの炊き合わせ
●鰈:明石産
●鰹:山わさびと煮切りで
●浅利:白ネギの炊き合わせ
●中トロ:細巻き。海苔が最高
●金目鯛:シャブシャブ
●喉黒:酒蒸し。このサイズは紅瞳かな?
●鮟肝:奈良漬添え
<握り>
此方のシャリがことのほか口に合います。濃い目の赤酢ですが、それは色だけで、ツンとした揮発香は皆無。嫋やかな旨味だけが舌に残ります。
●イサキ:昆布締め
●本ミル貝:愛知
●牡蠣:酢〆、長崎
●赤身:下田
●中トロ:下田
●中トロ:部位違い、下田
●大トロ:下田
●おはぎ:下田
●小肌
●蛸
●車海老
●しじみ汁
●干瓢巻き
●玉子
立春が過ぎれば春告貝の季節なのだ、の巻
日曜日の夜です。
京橋のアーティゾン美術館から、夕暮れ迫る中央通りを銀座八丁目まで、のんびりと歩きます。
今夜はおよそ三か月ぶりの”鮨 あらい”さん。
”紀尾井町 三谷”さんや”鮨 しゅんすけ”さんに初めてお連れいただいたお礼を兼ね、フォローワー女子と二人でお伺いします。
六時ちょうどにカウンターのど真ん中に着席。
『いらっしゃいやしぃ~』と、ひときわ通る高音で頭を下げられる新井氏。
一見、豪放磊落な親方ですが、実は鮨に取り組む姿勢は繊細そのもの。
つまみの味付けは、素材の地味を最大限の高みにまで昇華させた仕立て。口に含むと最初は控え目な印象ですが、ゆっくり、やんわり、じんわり、ピンの中のピンの滋味が凛とした輝きを放ち始めます。
ネタを斬り付ける姿も美しい。
フッと微かに息を吐き、静かに息を止め、すうぅ~と手前に包丁を引きます。丁寧かつ慎重なその所作は、まさに精妙巧緻の極み。
ふうううっ。
好きだなぁ、新井さん。
いただいたものは以下の通り。
とりわけ、淡路島産の鳥貝に感動しました。大きく肉厚でウリ系の香りも清々しく、今夜のナンバーワンと感じました。
なおコメントは写真欄に記載しましたので、画像と合わせてご一読いただければ幸いです。
次回は五月。
既にはやる気持ちを抑えきれません。
そしてご馳走様でした。
<つまみ>
●本三つ葉とお揚げの炊き合わせ
●牡丹海老:増毛
●メジマグロ:氷見
●中トロの細巻き
●虎河豚白子の炙り
●天然帆立の磯辺焼き
●鮟肝の奈良漬添え
●このこの茶碗蒸し
<握り>
●真鯛:明石
●ホウボウ:昆布締め
●真蛸
●鳥貝:淡路島
●墨烏賊
●酢牡蠣:長崎
●漬け
●中トロ
●中トロ:部位違い
●おはぎ
●小肌
●車海老
●馬糞ウニ:根室
●煮蛤
●寛平巻き
●玉子:山芋+芝海老+白身魚
●細魚:追加です
<お酒>
●ハイボール
●廣戸川:特別純米、福島
●黒牛:純米、和歌山
●乾坤一:辛口特別純米、一火入、宮城
●飛露喜:特別純米、会津
やはりお師匠はんは凄かった、の巻
土曜日の夜です。
銀座です。
日本橋からのんびりと銀座八丁目まで散策。
一丁目のNewYorkerでハウスタータンのマスクを購入し、これで真冬も完全防備。
予約時間の六時前にお店のビルに到着します。
今宵はこちらのご常連フォローワー様からお誘いいただいたひと席。振り返れば昨年の一月以来なので、およそ二年弱ぶりの再訪問となります。
時間丁度に二人で地下に降り、正面のカウンターに着席。
『おっ、随分とお久しぶりですねぇ~』と新井氏。
周囲を魅了する笑顔を湛えながら、いきなりの先制ジャブ。
ええっ、覚えてんのかよぉ~、と訝りながらも、
『あいやぁ、一年以上、ご無沙汰しておりました』と早くもTKO寸前のラッコ。
でもここで怯んでは新井氏のペースに巻き込まれてしまいます。
『すいません。菅谷氏に浮気しておりました』と、右クロス。
フフッ、これは効いたやろ、アハッっヾ(≧▽≦)ノ
しかし新井氏もさるもの。
『アタイにヤキモチを焼かせないでくださいよぉ~』とクリンチ攻め。
参りました。
早くも白旗を掲げるラッコ。
ここから先の戯言は記録に残せません。
ただただ、しばらくぶりのラッコの肩をほぐそうと繰り出す会話の妙、そつのない応接に深く感嘆してしまいます。
腕もネタも勿論ですが、やはり喋りも重要。
さすが銀座で若くしてお店を持ち、同じビルの階上に店舗を拡げられる今の勢いも納得です。
『すが弥はミシュランをの星がつくそうですよ』と親方が呟きます。
『アッシのところはね、「新規の予約を入れるようにしてくれ」って言われてんだけど、それって常連さんを減らせってことじゃないっすか。今のキャパだとそれはできないんでねぇ、別に星は無くても良いっすよ...。でもね、菅谷んとこが星を貰うって、そりゃあ嬉しいですよ、ハッハッハ』と破顔一笑。
訊けば今の地下の店舗はお弟子さんに任せ、来年には階上の新たなお店で、ひとり、お鮨と向き合われるそうです。
中洲の"鮨 さかい"さんにも通じる、お弟子さんへの暖かな目線、同時に江戸前のお鮨を盛り立てようとするその心意気に、思わず腹の中で喝采を贈ります。
ところでその新店ですが、付け台を京都の漆職人さんが仕上げの真っ最中。具体的な開店時期は未定のようですが、漆黒、それとも朱の付け台に、ポンッと置かれる腰高、俵型の新井氏の握りを思わず想像してしまいます。
楽しみだなぁ。良い子にしながら、じっと我慢して待ってよ、アハッ。
さて、いただいたものは以下の通りです。
”鮨 すが弥”さんのお鮨も口に合いますが、やはりお師匠はんは上手(うわて)でした。
違いは、引き出しの数と深さとその奥行き。
いつの間にかお鮨のものさしがブレておりました。
これからは新井氏のお鮨を基準にさせていただきます。
そしてご馳走様でした。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しました。
画像と一緒にお読みいただければ臨場感がより伝わるかと思います。
<つまみ>
●本三つ葉とお揚げの炊き合わせ
●真鯛
●真蛸
●牡丹海老
●中落ち:細巻き
●鮪:肩肉煮込み
●喉黒:大根おろし餡掛け
●牡丹海老:頭の炙り
●鮟肝:奈良漬
<握り>
●鰆:昆布〆
●墨烏賊
●赤貝
●赤身
●中トロ:背ナカ
●中トロ:血合い岸
●大トロ:蛇腹
●おはぎ
●小肌
●真鯖
●車海老
●小柱
●穴子
●干瓢巻き
●玉子
<お酒>
●生ビール
●而今:特別純米、三重
●黒牛:純米、和歌山
●廣戸川:特別純米、福島
●Beaune Les Tuvilains:ピノノワール,2017
●乾坤一:特別純米、宮城
日曜日の夜の銀座はハイテンションだったの巻
日曜日の夜です。
ラッコの習慣では、自宅で料理に腕を振るういつもの夜のはずが、鮨 あらいさんに如何ですか? と誘われて、断る勇気なぞ持ち合わせておりません。
五時半集合なので、それまで時間をつぶそうと、上野のムンク展を訪れますが、よもやの80分待ち。とてもとても並んで大人しく待つ気にもなれません。
地下鉄で三越前まで移動し、のんびりと銀座八丁目まで散策します。
日曜日の夕方とはいえ、相変わらずの人波。十分前にお店のビルに到着し、エレベーターで地下におりますが、まだ何方もいらっしゃっておりません。狭いところが苦手な小デブは、一旦地上に戻り、御三方の到着を待つことに決めました。
しばらくすると、銀座シックス方面から真っ白なコートに身を包まれた女子が、おみ足をやや内側に交差させながら、しずしずと歩み寄られます。
その歩き方はまるで、宝塚劇場の大階段を悠然と降りるヅカ男女子そのもの。違いは背中に羽根を背負ってないだけか?
勝手に妄想を膨らませ興奮する小デブ。
程なく二人の紳士もご到着。皇女と三人の衛兵の完成です。
私を除いた御三方はこちらのご常連。
カウンターに座るなり、新井さんとフランス修行?から帰国されたメイさん女子の顔がほころびます。
銀座のお鮨屋さんなので、慣れていないお店の場合、やはりご常連の方とご一緒出来るに越したことは有りません。
新井さんのセクハラギリギリトークを軽くいなすメイさん。新喜劇でも見ているかのような、賑やかな時間が流れます。
ラッコもその場の空気を察し、ちょっとはしゃぎ過ぎてしまったかも?
詰めに山葵を乗っけてツマミにしたり、鮟肝奈良漬けに手巻き用の海苔を所望したり、高級鮨屋のしきたりを無視するかのような暴挙の数々。
どうしようかなぁ、もう少し馴染みになってからにしようかなぁ、なんて考えておりましたが、新井さんのにこやかな笑顔に、ついつい甘えてしまいました。
いただいたものは以下の通りです。
コメントは写真とともにどうぞ。
日本酒のお値段はやや高めなのかな?
お会計は、ラッコの試算を軽く上回っておりました。
<おつまみ>
●鰆のかぶら蒸し
●真鯛
●真蛸
●ボタン海老
●ホタテ磯辺
●虎河豚白子の炙り
●めじ鮪
●紅瞳
●鮟肝奈良漬け
●車海老の頭の炙り
●唐墨
●烏賊の塩辛
●梅干しの茶碗蒸し
<握り>
米酢と塩主体のシャリ。若干の砂糖と薄く希釈した赤酢を添加。風味といい、やや大きめの姿といい、ラッコのどストライク。
●鰆の昆布〆
●墨烏賊
●赤身
●中トロ
●砂ずり
●大トロ:カマスジに近い部位
●大トロ:どこやろう、別の柵
●小肌
●車海老
●細魚
●小柱
●煮蛤
●キタムラサキウニ
●穴子
●背トロの手巻き
●卵
<お酒>
●生ビール:中サイズ
●ハイボール
●乾坤一:宮城県
●飛露喜:福島県
●而今:三重県
●出羽桜 雪漫漫:山形県
●開運:静岡県
日本酒は各半合
いまここにある耽溺
土曜日のお昼です。
今夜は待ちに待ったあらいさん。
こちらの親方と懇意にされているフォローアー様からお誘いいただいたのが昨年の11月。
別のお鮨屋さんでしっぽりと盃を傾けていたところ『今度は私が懇意にしているお店の予約を取りますね...』と有り難いお申し出。小デブが断る筈もありません。
『出来れば土曜日で...』と縛りを入れたせいもあり、今日のこの日と相成りました。
正午からオープンということで、その数分前にビルの入り口で待ち合わせます。早めに到着した小デブが日陰で休んでいると、大陸とタイのYOU達が地下へのエレベータに続々と乗り込みます。
壁の看板を見ると地下のお店はこちらのあらいさんのみ。えーっ! 既に五人のYOUが降りていったけど、カウンターのほとんどがまさかのYOU達なの?
バブル時代のパリの三ツ星レストランも日本人だらけでしたから、まあっ、そんなもんなのかな。予約がとれないのもそりゃそうだ、とのんびり構えます。
ほどなく築地方面からフォロワー様がいらっしゃいます。小デブを見つけたようです。小走りになります。
ああっ、走らなくても良いのに。この時点ですでにハートを支配されました。ニコニコの笑顔ですね。こんな素敵な女子なら、たとえ立ち食いソバでもお茶漬けでもラーメンでも、なんでもご一緒したい。
数か月ぶりの再会の挨拶もほどほどに、ゆっくりと地下に降ります。
左手に暖簾がかかります。YOU達は更に左側の部屋にご案内。私たちは正面の八席のカウンターに通されます。フォロアー様はお店のかたとも旧知の間柄らしく、にこやかに談笑。カウンターの右端が指定席のようですね。
やはり右斜め45度。小デブも得意だったシュートコース。親方の手元を注視するには絶好のポジショニングです。
親方がフォロアー様にご挨拶。距離の近さが彷彿とします。
小デブと眼が合いました。
どこかで会ったかなぁ? 久兵衛、四谷?そんな訝しむような視線を感じます。
すかさず『はじめまして』と小デブ。『xxxさんにお誘いいただきました』と挨拶をすませます。
四十路の手前でしょうか。まさに働き盛りの手練れですね。
これは期待を確実に凌駕すると察します。
フォロアー様にお聞きすると、握りコースをお願いしているとのこと。食い意地の張った小デブはたまらず『夜のオールインコースに変更できるかなぁ』と我儘な子供に変身します。
もうっ、仕方ないわねぇ、この子は...、といった感じでフォロアー様が親方に『夜のコースに変更できますか?』とニッコリ光線。親方は二番板さんに『できるよなァ』と一言。職人世界は上意下達。佐々木蔵之介似の二番板さんが『はい。大丈夫です』と爽やかに呟きます。
ああっ。有り難い。そしてこの空気も美味い。
結論。
果報は寝て待て!
その格言通り、そして待っただけの価値がありました。
正午から夜のコースでお酒漬け。
贅沢やなぁ、奢侈が過ぎたかなぁ。いやいやお連れいただいたご常連女子のハニカミがちな笑顔を見れば、そんな気の迷いも吹き飛びます。
予約をお取りいただいたフォロアー様、心より感謝いたします。
また握りコースでの予約のところ、夜のオールインコースへの変更を快諾いただいたお店の皆様にも感謝いたします。
いただいたものは以下の通りです。
そしてご馳走様でした。
<おつまみ>
●枝豆:湯がきたて。ほんのりと温かい。塩味も絶妙
●冬瓜の餡かけ:車海老の包丁叩き添え
●蒸し鮑:蒸し加減上等
●煮蛸:味付けは薄く蛸の旨味を満喫
●ボタン海老:大サイズ、ネットリに悶絶
●真子鰈:鮟肝入りのポン酢で
●平貝の磯部:
水平薄切りではなく垂直厚切り。繊維の柱状列柱が細切れにならないので歯ごたえが別物。青混ぜの海苔との相性も抜群
●鮟肝と奈良漬け:四谷時代の修行の成果
●喉黒の炙り:うん。特大サイズ。健全な脂に悶絶
<握り>
●伊佐木:強めの赤酢の香りと皮目の炙り臭に初っ端からTKO
●障泥烏賊:熟成ネットリ、シャリはやはり米酢。赤酢だと繊細な障泥の香りが消えるので
●赤身:能登産、酸味の際立つ上物
●背トロ:肌理細かな身質。まったく歯に触らない
●血合いぎし:中トロに近い部位、というか中トロと言っても良いのでは
●中トロ:弱めの赤酢の香りとの相性が抜群
●蛇腹:この時期で筋も解ける。ああっ、この蛇腹で剥がしをいただきたい
●鳥貝:三重産、特大サイズ
●車海老:湯がきたて、甘い
●小柱:道南産、剥きは千葉のお母様
●蝦蛄:三重産、小ぶり。軽自動車の車庫か(笑)
●春子鯛:薬味は朧、柚子香をまといます
●鯵:酢洗い加減が上等、悶絶
●ムラサキウニ:超特大サイズ。聞けばソフトボール大の殻から更に厳選
●ネギトロ:青混ぜの海苔の香りとマリアージュ
●卵:中心がトロトロ、表面はカリッカリ。卓越した技量ですね
●蜆汁:ほーっ、と長い溜息
<お酒>
●ビール:サッポロ黒星の小瓶
●上喜元:こぶし、超辛口特別純米、酒田
●喜久酔:純米、藤枝
●貴:純米、宇部
●飛露喜:純米、会津若松
●出羽桜:雪漫々、大吟醸、天童
日本酒は恐らく八匁程度なので合計約四合
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店名 |
鮨 あらい
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---|---|
受賞・選出歴 |
2024年Gold受賞店
The Tabelog Award 2024 Gold 受賞店
2023年Gold受賞店
The Tabelog Award 2023 Gold 受賞店
2022年Gold受賞店
The Tabelog Award 2022 Gold 受賞店
2021年Gold受賞店
The Tabelog Award 2021 Gold 受賞店
2020年Gold受賞店
The Tabelog Award 2020 Gold 受賞店
2019年Silver受賞店
The Tabelog Award 2019 Silver 受賞店
2018年Silver受賞店
The Tabelog Award 2018 Silver 受賞店
2017年Gold受賞店
The Tabelog Award 2017 Gold 受賞店
寿司 百名店 2022 選出店
食べログ 寿司 TOKYO 百名店 2022 選出店
寿司 百名店 2021 選出店
食べログ 寿司 TOKYO 百名店 2021 選出店 |
ジャンル | 寿司 |
予約・ お問い合わせ |
03-6264-5855 |
予約可否 |
予約可 |
住所 | |
交通手段 |
東京メトロ「銀座駅」A5出口から徒歩5~6分 銀座駅から443m |
営業時間 |
|
予算 |
¥50,000~¥59,999 ¥50,000~¥59,999 |
予算(口コミ集計) |
¥40,000~¥49,999
¥40,000~¥49,999
|
支払い方法 |
カード可 (JCB、AMEX、Diners) 電子マネー不可 QRコード決済不可 |
席数 |
14席 (カウンター7席、個室7席) |
---|---|
個室 |
有 (4人可、6人可) 個室料金別途10,000円 4名~利用可能 |
貸切 |
可 |
禁煙・喫煙 |
全席禁煙 |
駐車場 |
無 近くに100円パーキング多数 |
空間・設備 | 落ち着いた空間、カウンター席あり |
ドリンク | 日本酒にこだわる、焼酎にこだわる、ワインにこだわる |
---|---|
料理 | 魚料理にこだわる |
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
ロケーション | 隠れ家レストラン |
お子様連れ |
子供可 個室(カウンター席)は子供可 |
ホームページ | |
オープン日 |
2015年10月21日 |
初投稿者 |
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土曜日の夜です。
銀座八丁目です。
今夜は凡そ四ヶ月ぶりのこちら、【鮨 あらい】さん。いつもと変わらず、夜の二回転目にお伺いしました。
ご一緒するのは、これもまた前回と変わらず、自称:元峰 不二子嬢。
『男子の誰もが振り向く、ボン、キュッ、パッ、だったんだからぁ〜』が決まり文句。
『ウフフフッ・・・』と、力なく愛想笑いを浮かべるラッコ。
薄目で透かすと、そのような面影が有るような無いような・・・、でも目を見開くと、前後左右に偏倍がかっているような気がするのは、ラッコの見間違いか?
『背中にジッパーが付いてんじゃ無いの?』
『意味、分かんない!』
『着ぐるみ、着てる、ちゅうことやねん、アハッ』
『グッ、グフッ \(//∇//)\』
まっ、自称ですしね、言ったモン勝ち、アハッ。
そんな話題で仲良く駄弁っていると、ちょうど内扉が開きます。
先陣を切って暖簾をくぐると、『先輩、お久しぶりっす』と、ひときわ威勢の良い掛け声。見ると色白のまあるいお顔で新井氏がご挨拶。先輩って、単に年長ってだけなんやけどな、でもなんだか嬉しい、アハッ(^◇^)
いつもの奥のカウンターでぬる燗を所望し、後ろを気にする必要のない宴がスタート。
さてさてそれでは本題です。
マグロ以外は撮影禁止なので、駄文で補足いたします。少々長くなりますが、お時間のある時にでもお読みいただければ幸いです。
そしてご馳走さまでした。
<まとめ>
新井氏の信条は、いわゆる顧客中心主義。
ツマミや握りへ注ぐ情熱と根性だけでは無く、部屋の設えにも様々な工夫が施されております。
①ゆとりのある贅沢な空間
②匂いのしない完璧な空調
③作り手は手が届きにくいけれど、顧客はつまみやすい手前側にスラントした黒漆の付け台
④足を軽く乗せるカウンター下の段差
⑤バーキン(ザギンなので)の入る高さの膝前の棚
⑥女子に嬉しい膝下の壁暖房
他のお客様がお帰りになったあと、しばらく新井氏と談笑している際にご説明いただきました。
『ネタはね、どこのお店も良い物、持っているじゃ無いですか。豊洲だって変なものは出しませんよ。なので、違いを生むのはね、根性と愛っす。ウチはお昼を含めて三回転でしょ。そりゃキツいっすよ。でも今の若い子に言うんですが、♪72時間、働けますかぁ〜、リゲイン、リゲイン、ぼくらのリゲイン♪
お客様の喜ぶ顔が見てえぇんだろ。今がそん時なんだよ、根性だよ、根性ってね』
恐らくお弟子さんに聞かせたかったのかな?
電通女子のあの悲しい出来事があってから、働き方改革が法律にまでなりましたが、でも職種や状況が異なれば働き方も違って当然。
職人さんの世界は、若い時の厳しい修練が必ず血となり肉となる、と言うことなのでしょう。リーマンだって、ホントはそうなんですけどね・・・ヾ(≧▽≦)ノ
『♪愛が一番〜、アイフル〜♪』
道行く人も少ない深夜の花椿通りにご機嫌な鼻唄が・・・!
歌わないでくれ、元峰不二子嬢。
ちゃんと『不二子しゃ〜ん』って呼んであげるから、グフッ\(//∇//)\
<つまみ>
いずれもが卓越した味わい。地味と滋味を引き出す丁寧で手抜きの無い仕込みとそのオリジナリティに感服。
例えば今が旬の香箱蟹。
どのお店も蒸して剥いて甲羅に収め直し、内子と外子で綺麗に飾りつけるのが常道。正直に言えば、まぁ、これだよね・・・と食傷気味。
比べてこちらは醤油と酒のxx時間(秘密です)漬け。いわば和風のケ・ジャン。お酒が進む進む。
『おんなじモンだとつまんないっしょ』と親方が呟きます。
激しく、御意!
白子にもその独創性がいかんなく発露。
鮨屋や懐石だと、炙って塩酢橘かそのままポン酢が当たり前。それがなんと、なんと、透明感あふれる雑炊にてご提供。擦り流しだと偶に血の匂いが残るお店も有りますが、この透徹した味わいは仕込みに一切の手抜きなし、ということか。
うん、親方とお弟子さんたちの愛を感じるヾ(≧▽≦)ノ
⚫︎本みつば(根三つ葉)とお揚げの炊き物:
水耕栽培の糸三つ葉ではありません。根付きの本みつばです。茎の太さで一目瞭然。シャキシャキ食感と風味の強さが出汁とお揚げの油、糸目の鮪節?と渾然一体の妙味を演出。
胃が安らぐとはまさのこのことか!
黒漆の付け台に四種類のツマミが並びます。
⚫︎真鯛:
明石産かな?
ほど良い熟成にワガママな舌も喜びます。塩と本山葵でいただきました。
⚫︎真鯛:皮
湯引きで供します。皮裏の脂と本山葵の香りを合わせました。くるっと丸まっていないのは鮮度の証か絶妙な湯加減ゆえか?
⚫︎ボタン海老:
大ぶりなサイズです。ネットリ感が半端ない。塩と本山葵でいただきました。
⚫︎若布:
恐らく鳴門産。鴨頭ネギがタップリのポン酢でいただきます。もちろん、恥ずかしげもなくポン酢も飲み干してしまいました。
⚫︎真蛸:佐島
夏の佐島の真蛸はプライドフィッシュに選定されておりますが、香りは水温の下がった冬場の佐島に勝るものなし。身質も柔らかく、香りとその豊潤な旨味を楽しめました。
⚫︎ボタン海老:カシラ、炙り
お造りでいただいたボタンエビの頭部です。硬い殻と頭の中に潜む心臓やエラ、脳みそなどを綺麗に掃除し、親指くらいの大きさにトリミング。これもまたお酒を呼ぶ。
⚫︎イクラ:秋田産
イクラを先ずは一粒二粒、アンムッ。
薄味です。黄身というより白身のような味わい。そのままなのか、軽く漬けてあるのか判然としません。
しかし、付け添えの手で千切った海苔(恐らく丸山の佐賀のはしり?)と合わせると激変。イクラの奥深くに充満していた旨味が、有明の香りとともに爆発してしまいました。隣の女史の鼻息で左の手の甲がくすぐったい、グフッ( ̄▽ ̄)
⚫︎クエ:尾鷲産
揚げて鬼おろしを添えました。周囲に温かい三杯酢を張り、鬼おろしを崩していただきます。
このクエ、なにより身質が素晴らしい。超太の筋肉繊維がラッコの歯茎を押し返します。三杯酢もウンマイなぁ。お出汁が裏で大活躍しているんですね。
⚫︎ニタリクジラ:生姜醤油
板の上に濃ゆい茜色の塊が登場。
形状からして天端・・・、いやいやいや、それにしてはサシがっ入っている、ということは鯨肉に違いない。
新井親方が静かに、丁寧かつ慎重に適度な厚みで斬りだします。薬味は生姜醤油。一切れ、ハムッ。
うっふぅぅぅ、この撓りはエロい。健全な脂に唇まで濡れちゃいそう。
⚫︎香箱蟹:日本酒と醤油漬け、xx時間
ちょうど一年前にもいただきました。その時もわずかに残る理性が崩壊してしまいましたが、今夜はその理性に加え、かすかな良識まで雲散霧消。それほどにまで美味!
<握り>
七月にも仰っておりましたが、シャリの塩味が強めに変化。それまではスフマートのような柔らかな輪郭でしたが、よりエッジの効いた仕上がりに。
もちろん、ラッコのドストライク。
⚫︎中トロ:
⚫︎背トロ?:
部位の異なる中トロがいきなりの二連発。その肌理細やかな薄紅色の柔肌に朦朧とするラッコ。やはりこちらの鮪はピンピンの中の逸品。
⚫︎小肌:
舌に残った中トロの脂の残滓を酢が中和。提供される順番には理屈が有ります。
⚫︎墨烏賊:
厚めになりました。それに仄かに感じるコウイカ系の甘さ。そのシャリシャリ食感に舌も喜びます。
⚫︎松川鰈:
恐らく函館かな?
皮の分厚い高級魚です。いつものアマテ(眞子)が旬を過ぎたので、これからは北の鰈でしょうか?運が良ければ星鰈も登場したりして、アハッヾ(≧▽≦)ノ
⚫︎細魚:閂
これは分厚い。噛み締めるのにちょうど良い厚さ。明らかに閂サイズ。
⚫︎鱚:
昆布にはあてていないような。その分、ちょっと土臭いような鱚固有の地味を堪能することが出来ました。
⚫︎車海老:
湯がきたてをお弟子さんたちが丁寧に殻剥き。塩加減と湯がき時間が絶妙なのでしょう、ものすごく甘い。
⚫︎赤身:
⚫︎蛇腹:
ここで再度、本マグロの登板。
赤身といっても限りなく中トロに近い部位。大トロは泣く子も黙る蛇腹。
舌の上に乗っけて上顎に押し付けます。口中に充満する旨味と塩味の塊。
⚫︎白子雑炊:
完璧な血抜き。まったく嫌な香りが残っておりません。お出汁の切れでマグロの脂の残滓が消えました。
⚫︎馬糞ウニ:
ウニにはやはり海苔が必要。大親友の二人でした。
⚫︎蜆汁:
穴子を炙る間に蜆汁で一服。
⚫︎穴子:
周囲を焦がさずにここまで熱く仕上げる技量っていったい何なんやろ?
特製のサラマンダーなのかな・・・、それはともかく、焼け火鉢のような穴子の身を掌に乗っけて握るなんて、これはもう、お客への愛に他なりません。良いお値段のお店でもバーナーで炙るところがありますが、それはやはり、ダメダメダメ\(//∇//)\
<お酒>
・日高見:ぬる燗、宮城
・伯楽星:宮城
・飛露喜:福島
・出羽桜:雪漫漫、大吟醸、山形
・喜久酔:静岡
お酒は三合くらい