【あべの・天王寺】香ばしさが魅力!上方の鰻【地焼き】

出典:kurodaさん

【あべの・天王寺】香ばしさが魅力!上方の鰻【地焼き】

お店での調理に向いている江戸焼き鰻の勢力拡大に押され、最近は影の薄くなりつつある上方風地焼き鰻。しかしその独特の香ばしさは地焼き鰻にしかない魅力です。 あべの・天王寺周辺で、鰻は地焼きに限る!っと信じて疑わないレビュアー・KURODAが選ぶ、上方風地焼き鰻の佳店をここに紹介します。

更新日:2025/02/06 (2018/03/31作成)

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このまとめ記事は食べログレビュアーによる608の口コミを参考にまとめました。

江戸焼きにない香ばしさをもつ鰻

  関東の江戸焼き鰻は背開きにして頭を落とし、焼く際に蒸しの工程が入ります。いっぽう関西では鰻を腹開きにし、頭を残したまま蒸さずにそのまま焼き上げます。
 江戸焼き の方は蒸すことにより脂が抜けるので、さっぱりとした風味でふんわりした食感が楽しめること、さらにある程度の下拵えができるのでお店で素早く提供できることから、最近では関西でも江戸焼きのお店が多くなってきています。
 いっぽう、じっくり丁寧に焼くことで脂を落とす上方地焼きは、何度も何度も裏返す必要があることから、手間がかかるし時間もかかるので、提供してくれるお店が少なくなってきました。
 しかし、炭火に落ちた脂が煙となり、一種の燻製ともいえる上方地焼きは、その独特の香ばしさがあることから、江戸焼きでは物足りなく感じる方もおられます。

[まむし]
 関西では昔から鰻丼のことを「まむし」といいます。鰻の上にご飯を塗すことから「まぶし」 転じて「まむし」という説や、「飯(まま)で蒸す」から「ままむし」から転じたという説など、諸説あります。けっしてヘビのマムシではないので、安心して召し上がってください。
 まむしを注文し、期待に胸膨らませて丼の蓋を開けると……無いっ!!ってことがあります。ご飯だけしか入っていない丼に一瞬たじろぐが、肝心の鰻はご飯の中に埋もれています。これが大阪の「まむし」。鰻がご飯に包まれて蒸された状態になる。こうすると鰻から脂が抜けるし、ご飯にはコクが移るしの一石二鳥。実に合理的です。

[半助]
 大阪ではウナギの頭を半助と呼び、お店で安く売ってもらえることがあります。江戸焼きでは焼く前に頭を落とすところ、 関西は1匹丸ごと火にかけ、焼き上がってから頭を落とします。そうすると、香ばしく焼き上がった鰻の頭が副産物として発生する訳です。半助という名前の由来は、諸説あるが、1円(明治、大正時代に円助と呼んだ)の半分の50銭で売っていたからとされています。
 この半助と豆腐を一緒に炊いたのが「半助豆腐」。半助の旨みが豆腐に移って、まろやかで香ばしい味わいとなります。また、いささか貧乏くさいが、半助をしゃぶると、わずかに付いた身も味わえて、意外な旨さに出会えます。この半助、食材を無駄なく使う始末の精神を象徴しています。

舟屋

舟屋

 大阪環状線の寺田町駅から東へすぐのところにある鰻屋さんです。
 店の入り口あたりはお持ち帰りようの販売スペースで、その奥が厨房とテーブル席が並列なっている、まさしくうなぎの寝床のような奥行きの深い店内です。

上方地焼きと江戸焼きのいいとこ取り

舟屋

 うな重の上は3,390円。ここの鰻は関西風の腹開きになっているが、蒸しの工程の入る上方地焼きと江戸焼きとの折衷。脂のカリッとした感触も残しながら、ふっくら感もかなりあります。この旨い鰻が、やや固めのご飯の上に贅沢に乗っかっている。値段以上の贅沢感がありますね。

舟屋

 ここのう巻きが絶品。ぷるんぷるんでジューシー。こんなに柔らかく焼くのは相当な技量なんでしょうね。
 このお店のテーブルに置いてある山椒がフレッシュで実にいい香り。これを一降りすると、爽やかな味わいに変化する。これぞ山椒マジック。

川与祢

川与祢

 地下鉄四天王寺前夕陽ヶ丘駅から四天王寺の参詣道を南へすぐのところにある鰻屋さんです。
 今風にリニューアルされたお店はカウンターとテーブル席が少し。2階にも席があるようです。

四天王寺の参道に潜む名店

川与祢

 メインの鰻丼は関西風の腹開きで、蒸さないながらもふっくら仕上がっています。タレは軽い口当たりで、実山椒と一緒に口に入れると実に奥行きのある風味になります。これは旨い!さらにこの鰻丼、特上でも1,500円なんです。コストパフォーマンスも抜群ですね。

川与祢

 さらにハズせないと思うのが白焼きです。タレが掛かっていないので鰻本来の甘みが引き出されています。

近江今津 西友 あべのハルカス店

近江今津 西友 あべのハルカス店

 近鉄・大阪阿部野橋駅の直下、各線・天王寺駅の直近。あべのハルカス近鉄本店・ウイング館地下2階の食品売り場内にある、鰻・川魚など、琵琶湖の湖の幸を取り扱うお店です。
 店頭には名物の鰻の茶漬けや、小鮎の醤油煮などが並び、時にはあの鮒寿司が置いてあったりします。

白焼きうなぎの佃煮でお茶漬け

近江今津 西友 あべのハルカス店

 店頭には名物の鰻の茶漬けや、小鮎の醤油煮などが並び、時にはあの鮒寿司が置いてあったりします。
 「鰻の茶漬け」は、プラ容器には白焼きにしてタレで煮込まれた鰻が並んでいます。身は小さめながら肉厚。オーブントースターで軽く熱し、熱々のご飯に乗せてお茶を掛けると、山椒の香りがふわっと立ち上がってきました。

近江今津 西友 あべのハルカス店

 ぞわぞわっといただきます。佃煮のように甘辛に煮込まれた鰻は、お茶を吸って柔らかくなるとともに、鰻の旨味が滲み出してきます。山椒の風味もいいですね。
 少しだけ山葵を乗せても風味が引き締まります。

すし処 漁場 近鉄百貨店 阿倍野店

すし処 漁場 近鉄百貨店 阿倍野店

 近鉄大阪あべの橋駅直結、各線天王寺駅直近。あべのハルカス近鉄本店のウイング館B2Fにある寿司店です。
 ここは近鉄百貨店系列の食品会社が運営するいわゆるデパ地下・総菜売り場の寿司店で、イートインも併設されています。

鰻は寿司でも

すし処 漁場 近鉄百貨店 阿倍野店

 「鰻盛り合せ」(918円)はにぎりとうな胡がセットされています。鰻のにぎりはしっかり鰻の味があるし、ツメとのバランスも良好。

すし処 漁場 近鉄百貨店 阿倍野店

 「うな胡」はふわっ とした鰻とハリハリしたキュウリの食感の対比が良い。こちらもしっかり鰻の旨みが感じられます。

うなぎ屋 ハレルヒ

うなぎ屋 ハレルヒ

 あべのハルカス近鉄本店のウイング館B2F、近鉄線からは東コンコースの改札からハルカスに入ってすぐのところ、いわゆるデパ地下・総菜売り場にあるお店です。
 ショーケースの中には大小の鰻の蒲焼や白焼が並ぶとともに、鰻重などのサンプルが並んでいます。

「地焼き」の鰻はやっぱり旨い

うなぎ屋 ハレルヒ

 節分の日限定の「恵方弁当」(1,944円)は、縦長の折箱に半身の鰻が並べられ、奈良漬と追加のタレが添えられています。
 鰻は関西風のいわゆる「地焼き」。じっくり焼かれた鰻は独特のこんがりとした焼き色があり、スモーキーで芳しい。

うなぎ屋 ハレルヒ

 その食感は、ふわっとは言い難い歯ごたえのあるもの。皮の焦げたところの香ばしさといったら…やはり鰻は地焼きに限る。
 タレは旨みの強い深みある味となっており、ご飯に鰻の脂とタレが馴染んで上品な甘味があります。

双葉

双葉

 あべのキューズモールの北側の一角、ヴィアあべのウォークにあるお店です。
 ここは昔から阿倍野筋にあった老舗ながら、阿倍野再開発の影響で、しばらくの間、近隣で転々と仮営業されていたんだが、ようやく元の位置に戻ってこられました。

これぞ大阪の「まむし」

双葉

 「【上】鰻丼セット」(2,790円)は、トレイの上に丸い器に収められた鰻丼と、きも吸い、香の物が並びます。丼の蓋を開けると、黒光りしたご飯の上に鰻が二切れ載っています。

双葉

 もちろん鰻は蒸しの入らない腹開きの関西風。炭火でしっかり焼きが入った鰻は、自身の脂で燻されて実に香ばしく、さりとて堅くならずにふっくら。地焼きの力強さを感じる仕上がりです。

双葉

 ご飯をほじくったら中からさらに鰻が現れます。これぞ「まむし」。
 関西風の腹開きの鰻はしっかり焼けた身が実に香ばしく、脂も乗っている。堅さを保ちながらも、口に含むとふんわり感もある…ウーン、これこれ!やっぱり鰻はこうでなくっちゃ。

双葉

 きも吸いは大ぶりの肝がひとつ。独独の食感に出汁の旨みが合わさって、こちらも上々。

※本記事は、2025/02/06に更新されています。内容、金額、メニュー等が現在と異なる場合がありますので、訪問の際は必ず事前に電話等でご確認ください。

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