東京近郊で食べられる旨い汁なし麺(最終回:ニューウェイブ編)

東京近郊で食べられる旨い汁なし麺(最終回:ニューウェイブ編)

最近のラーメン屋さんでよく見る「汁なし」「油そば」「和えそば」「まぜそば」というキーワード。一体何が違うの? 今回は、東京近郊で食べられる種々の「汁なし麺」のうち、特定のジャンルにカテゴライズされない「新しき汁なしの一杯」にフォーカスしてみます。

キーワード
みそラーメン
醤油ラーメン
おしゃれ
油そば
名物
肉料理
担々麺

記事作成日:2015/01/05

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ニューウェイブ系汁なしとは?

これまで紹介してきた「武蔵野油そば」およびその進化系、「二郎系」「中華系」「台湾まぜそば」といったカテゴリに囚われず、店主の独創性で他にないユニークな汁なし麺料理を提供するお店も増えています。
シリーズ最終回のこの回では、そういった唯一無二の一杯をご紹介しつつ、これからの汁なしラーメンの可能性に思いを馳せたいと思います。

アジトイズム

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初めて来る方は地図がないとまず辿りつけないであろう、大井町の細い路地裏にひっそりと佇む名店。

イタリアンをはじめとする様々な外食産業を経験した店主が2007年に開店した、自称「創作麺料理の店」。ラーメン業界関係者からの評価も非常に高いです。

レギュラーメニューにラーメンはなく、つけ麺、つけ麺ロッソ(トマトベースのスープ)、そしてピザ風汁なしである「ピザソバ」を提供しています。
日替わりの「イレギュラーメニュー」も提供されており、何度行っても飽きないのも魅力の一つ。

ピザソバ(800円)+〆のリゾット(200円)

赤いソースとミックススパイスで和えられた麺の上には、サラミ、ダイストマト、クレソン、ピーマン、パプリカ、オリーブ、アンチョビ、フライドエシャロット等が。
普通の「ラーメン」を見慣れた目には衝撃の美しいビジュアル。

何よりその美しさに見惚れる

トマトソースやサラミの赤、タマネギや麺の白、ピーマンやクレソンの緑が実に鮮やかなトリコロール。そこにアンチョビやブラックオリーブの黒が色彩を引き締めます。
こんな鮮やかなラーメン、これまでありました?

よく混ぜて食べれば、口の中は完全に「ピザ」!

麺はパスタのようなパツパツ、モチモチとした食感の極太麺。
そこにトマトと各種野菜を煮込んだソースとチーズが絡みつきます。
店主さん曰く「手がつるまで混ぜる」のがポイントとのこと。

見た目ナポリタンっぽいですが、実際食べてみれば全く違うことがわかると思います。

ajito独自のねっとりベジ&背脂ソースにトマト風味が加わり、そこにチーズ、ミックススパイス、アンチョビ、魚粉等の風味が混ざり合って、ピザのようでピザじゃない、いや、ピザより旨いかも?という風味が口中を支配。

出典:http://tam6000.blog.fc2.com/blog-entry-1488.html

いろいろな素材が入ってますが、どれか一つが欠けてもこの味にならないんだろうなぁ。。ピザソバの魅力は、素材単体の旨さではなく、この全体の見事な一体感なんですよね。

出典:http://tam6000.blog.fc2.com/blog-entry-1488.html

トマトリゾットで〆

麺を食べ終わった後に丼を上げて「リゾットお願いします」と申告すると、丼にライス、トマトソース、とろけるチーズに半熟玉子を入れてくれます。
ajito ismに来てこれをやらずに帰るのはもったいない!絶品の「〆のリゾット」です。

玉子を割って、チーズが溶けたらもうそこはパラダイス。

出典:http://tam6000.blog.fc2.com/blog-entry-1239.html

うん、間違いねぇw
味玉は基本ゼリー系が好きですが、リゾットにはやはりこのくらいのトロッとした黄身がいいですね。シャキシャキのタマネギのアクセントも絶妙です。
夢中で食べ進み、完飲完食でごちそうさま。

出典:http://tam6000.blog.fc2.com/blog-entry-1401.html

破顔

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ラーメンの名店が多い桜台ですが、その中でもひときわ引きの強い汁なしを出すお店がこちら「破顔」さん。2008年開店。
現在、江古田(二郎系主体)と大塚(本店の汁なしを提供)に支店を構えています。

個性的で、一度食べたら他店で代用が効かない唯一無二の「汁なし」が有名ですが、つけ麺とラーメンも提供しています。

また限定メニューの開発にも熱心で、ユニークな食材をトッピングした汁なしを期間限定で提供してくれます。

塩汁なし・中盛(650円)

少なめのタレに浸かった太麺の上には、味玉、たっぷりの白ネギ、揚げエシャロットにメンマ。
そして麺に次ぐ主役と言っても過言ではない炙りチャーシューがゴロゴロ。

シンプルながらキレのある塩ダレと太麺の相性が抜群

中太角断面ストレート麺(三河屋製麺製)は200gと300gが同料金。
パツンとした硬めの食感の麺に、シンプルながらキレのある塩ダレが絡みつきます。

三河屋の麺は固茹でぎみでの提供。あつもりなので熱々。300gとたっぷり。
ゴワッとした口当たりで、噛み締めるとゴツゴツとした食感が特徴の固めのもの。

出典:http://tam6000.blog.fc2.com/blog-entry-1276.html

ここに絡みつくタレは、そこそこ粘度があるキリッとした塩ダレ。旨味もしっかり後から付いてきます。
どこかコンソメのような香りもして、黒胡椒を大量に降るとかなり「洋」な雰囲気になり絶品!

出典:http://tam6000.blog.fc2.com/blog-entry-1276.html

塩ダレは、胡椒、唐辛子と軽くニンニクが香る、シャープな味わい。ここに魚粉、フライドオニオンの香りと甘みが加わり、なかなかおいしいですね~。
ネギのシャキッ、フライドオニオンのサクサクッとした食感は、いいアクセントになります。

出典:http://tam6000.blog.fc2.com/blog-entry-47.html

もう一つの主役は炭火炙りチャーシュー

厨房の七輪で、注文の度に炭火で炙られるチャーシューはホロホロで香ばしく、一発でヤミツキになる絶品。

こちら名物、提供直前に炭火で炙られたサイコロ状のバラ角煮チャーシュー。
しっかり炙られているので、風味的には完全に焼肉wそして脂身がネットリして旨い!

出典:http://tam6000.blog.fc2.com/blog-entry-1276.html

脂身多めの厚切りバラチャーは炙ってあって、さらに香ばしくなってます。
このチャーシュー、当然単体で食べてもうまいのですが、麺とタレに対し、油とスモークの香りをプラスする方向でもいい働きしてますね。

出典:http://tam6000.blog.fc2.com/blog-entry-47.html

〆は割りスープでさっぱり

ラスト、麺や具が多少残った状態で卓上のポットでセルフスープ割をするのがオススメ。

あっという間に食べ進め、ラスト1/5くらいでスープ割。
割りスープを飲んでみると、薄い鶏ガラ。あまり入れるとシャバシャバになってしまうので、味見しつつちょっとずつ入れていきます。
スープにより麺に絡みついたタレが流れ落ち、素の麺の美味しさが感じられ、これはこれでいい感じ。

出典:http://tam6000.blog.fc2.com/blog-entry-1276.html

これまで味わった全部の味がスープに包まれて、一気に口に入ってきます。
魚粉のザラザラ感、油のギットリ感が洗い流された麺を素で味わえるのはおもしろいです。

出典:http://tam6000.blog.fc2.com/blog-entry-47.html

醤油レス、厚切りベーコンに近い香りのチャーシュー、そして胡椒の効いた塩ダレとフライドオニオン、という味の組み立てのせいか、どこか「洋」な雰囲気が漂う汁なしです。

出典:http://tam6000.blog.fc2.com/blog-entry-47.html

「塩汁なし」はシャープなキレが特徴ですが、「醤油汁なし」は一転して甘口となります。こちらは甘じょっぱい系の油そばが好きな方にオススメです。

味噌麺処 花道

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「東京で旨い味噌ラーメンが食べられる店」といえばたいてい此方の名前が上がる、味噌の名店です。
札幌系の味噌ラーメンの手法を用いつつ、オリジナリティを付加したボリュームたっぷりの仕上がりはさすがの一言。

実はこちらでも汁なしを2種類(あえめんと油そば)提供しています。味噌の汁なしは珍しいので、ここでは「あえめん」を紹介します。

あえめん(800円)

小さめの丼にはたっぷりの麺と具が。
純粋な汁なしかと思いきや、意外とスープはしっかり入っており、麺がちょっと顔を出すくらいの量はあります。
麺の上には、モヤシ、ニラちょびっと、刻みチャーシュー、メンマ、そして味玉。中心には刻みネギの姿が。

このメニューは大盛無料ですが、普通盛でよい方は味玉がサービスとなります。

味噌ダレが抜群に旨い

麺に絡みつくタレは、甘めの白味噌+たっぷりの一味唐辛子+卵の黄身をブレンドしたもの。卵効果で、麺同士はスルリと離れ食べやすいですね。
唐辛子の辛さはしっかり感じますが、味噌の甘さも強いので、全体のバランスはイーブン。
辛さレベルは「ピリ辛」程度でしょうか。スープが入らない分、辛味噌ラーメン等よりも辛さはストレートに舌に届く感じです。辛いのが苦手な方はちょっと注意かな。

出典:http://tam6000.blog.fc2.com/blog-entry-287.html

麺は硬めの極太麺

麺は黄色っぽい中太ストレート。茹で具合は固めで、ちょっとゴワッとした口当たりです。茹で上げてそのままタレを絡めているようで、熱々ですね。
歯ごたえはもっちり系。最後にシコシコッと噛み切れる歯切れのよさが気持ちいいです。

出典:http://tam6000.blog.fc2.com/blog-entry-287.html

白味噌の甘みと一味の直線的な辛さだけだとちょっと単調になってしまう所を、卵黄によってコクを稼ぐことで厚みを持たせているのはいいアイデア。
こちらのお店の看板「(辛)味噌ラーメン」をソツなく上品な汁なし風にアレンジした、とても食べやすい逸品という印象。

出典:http://tam6000.blog.fc2.com/blog-entry-287.html

なんと、常にこれしか頼まない常連さんもいるんだとか。
かなり中毒性の高いメニューだと思います。

そして、実はこちら、チャーハンも絶品です。
ピリ辛のチャーハン「チンピラチャーハン」もオススメ。

蔦の葉

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ミシュランビブグルマンにも掲載された名店「蔦」の支店となります。
こちらの主役メニューは鴨を中心にしたラーメンですが、夜限定で鴨の油を使ったオシャレな汁なしメニューも提供されています。

鴨脂そば(800円)

レモンや酢橘はよくあるけど、混ぜそばのど真ん中にオレンジっていうのが新しいです。
確かに、肉料理(鴨や牛等、濃い味の肉)にはオレンジソースを合わせることがありますもんね。

味、食感全てがハイレベル

麺は中太平打ストレート。
加水は高めで、瑞々しくプリッとした口当たり。噛めばパツンと小気味良く切れる感触も気持ちいいいですね。
鴨油と醤油ダレの旨味をしっかり引き上げてきます。

ジュルリン!と、軽めの脂を纏った麺が口になだれ込んでくる時の食感がなんともエロい!ここらへんは蔦のラーメンにも通じる独特の感覚。

出典: タム6000さんの口コミ

鴨脂の芳醇で深みのある甘みが効いており、こりゃ抜群に旨いですね~。動物油にありがちな融点の高さ故のベタッとした食感は全くなく、サラリとした口当たり。
醤油ダレは鴨の風味を殺さない甘口のもので、全体的にキレよりコクで持っていくタイプ。

出典: タム6000さんの口コミ

チャーシューは豚ロース。低温調理でムチムチの歯ごたえ。バルサミコ酢が塗られており、僅かな酸味がいいアクセントに。

オレンジを絞ると雰囲気激変

ここにオレンジをギュッと絞ると。。。
おぉっ、オレンジの甘みと酸味が加わり、醤油と鴨脂の油そばから、一気にフルーティなオイルヌードル(なんだそりゃw)に!オレンジと肉の相性、やっぱりバツグンです。

出典: タム6000さんの口コミ

抜群のセンスで和洋の食材を巧みに使いこなした、絶品「オイルヌードル」でした。
当然しょっぱなから旨いんですが、オレンジを入れた後の独特の甘酸っぱさ、ハマる人はかなりハマると思います。

出典: タム6000さんの口コミ

江戸川橋大勝軒

「大勝軒」というと、クラシカルなラーメンを想像する方も多そうですが、オーセンティックな中華そば&もりそばにとどまらないチャレンジングな創作メニューを開発する「変態大勝軒」と呼ばれる(私的な造語です)御三家が新橋、神田、そして此方江戸川橋となります。

江戸川橋は御三家の中でも大将格。
券売機を見るとわかりますが「ばそカレー」「ばそリタン」「ニラばそ」「ばそゲティ」「青ばそ」。。。どこに行こうとしているんだこの大勝軒は(笑)!

禁断のばそカレー(830円)

ほとんどカレーライスのライスが麺になっただけですよね(笑)
大きな丼には麺半分。カレールー半分というレイアウト。
また、カレーの上には生クリーム(コーヒー用ポーション?)、チャーシュー、玉子、カクテキ。カレールーにはたっぷりのお肉の姿が確認できます。ルーの中にはソーセージ。

「禁断」とは「牛スジ」

こちらのお店には普通の「ばそカレー」もあるのですが、「禁断のばそカレー」は牛スジたっぷりのカレーになります。

一見「キーマか!」というほどの肉片がたっぷり入っており、しかしそのほとんどはプルプルの牛すじ!

出典: タム6000さんの口コミ

カレーは市販カレー粉ではなく、さすが「漢方大勝軒」と名乗っていた時代もあるこちら、自家調合のスパイスをふんだんに使用しているようです。
それほどスパイシーさは強くはありませんが、なるほど、そこらのカレーとは一味違う奥深い仕上がり。

出典: タム6000さんの口コミ

麺は安定の大勝軒仕様

形状は中太角断面ストレート。
あつもりですがひっつくことはありません。

加水は中程度で、ざらつきのある麺肌、モチモチとした弾力ある食感です。
麺の風味は控えめですね。

出典: タム6000さんの口コミ

江戸川橋って、以前はもっと加水低めのゴキゴキの硬麺だった記憶があるのですが、今日はちょうどいい茹で具合で、典型的な東池系の麺に近い風情です。

出典: タム6000さんの口コミ

数ある大勝軒の中でも、これほど独自路線に走っているお店は珍しいですよね。この先もこのまま突っ走ってほしいです。

出典: タム6000さんの口コミ

竹三郎

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2013年に浅草にオープンしたばかりの家系ラーメンのお店です。

ただしこちら、豚骨醤油ラーメンだけでなく、超個性的な汁なし麺を出すことで有名。
その名は。。。下を御覧ください(笑)!

満州トロトロ担々汁あり油そば 燃えよドラゴン(750円)

・・・満州、トロトロ、担々、汁あり、油そばって単語同士のつながりが正直全然わからないんですがwww

出典: タム6000さんの口コミ

大ぶりな陶板には麺とネギとひき肉、そして激しくグツグツ言ってる赤いスープ。

そう、担々麺を鉄板焼きしてしまおう、という超ユニークなメニューなんです。

このグツグツっぷりは本気なやつで、白いシャツなんて着ていった日にはすぐに水玉模様になってしまう系。これは動画で撮りたかったw
そしてその隣には、茶碗一杯のライス、生卵が付いてきます。こいつは楽しい予感がビンビンです!

出典: タム6000さんの口コミ

食べ方は自由自在

最初から玉子を入れてマイルドにしてもよいのですが、溶き卵に麺を浸ける「すきやきスタイル」もオススメ。

家系の麺としては比較的太めの中太平打麺で、陶板で煮込む前提なので茹で上げも固めなのでしょう。
ゴワッとした口当たりでコシが強く、なかなかいい感じ。麺は150g程度。

出典: タム6000さんの口コミ

グッツグツに煮えたぎった汁は、いわゆる担々麺の汁ですね。
おそらく家系で使う動物系濃厚スープをベースに、芝麻醤と唐辛子、花椒等をブレンドしたもので、既成品感はあるものの、意外に花椒がビシッと効いていて旨いもの。塩梅はちょい強め。

単品要素だけでは正直たいしたことないんですが(失礼w)、ここからがこのメニューの魅力開眼。
全体をグリッグリに混ぜて行くと、最初はスープ多めなのですが、陶板の熱でどんどん煮詰まってきてドロッとしたソース状態に。
これが具材と一体化し、そして麺にねっとり絡む!
結果、なんともユニークな「担々石焼そば」みたいな雰囲気になってくるのです。

出典: タム6000さんの口コミ

ラストは石焼担々雑炊で〆

麺をおかずにライスを食べてもよいのですが、やはりラストに取っておいた方が幸せになれそうです。

麺がなくなったら、付属ライスをドボン。
さらに、残っていた溶き玉子も全量かけて。。。石焼担々雑炊!

出典: タム6000さんの口コミ

うん、これは「家系」の枠を飛び越えた遊び心溢れる一杯だと思います。
各素材は正直たいしたことないんだけど、それらを組み合わせること、およびその調理方法により俄然魅力的なメニューになるという見本。このアイデアは素晴らしいですね!また、これだけ楽しめて750円ならC/Pも優秀。

出典: タム6000さんの口コミ

いかがでしたか?

武蔵野油そばの紹介からスタートしたこのシリーズ、ついに最終回で最新の汁なし麺たちをご紹介することができました。
タレと油だけで和える油そばからスタートした汁なし麺が、様々な料理の影響を受けつつどんどん進化していることがわかりますね。
次回ラーメン屋さんに行った際は、王道のラーメンだけでなく、こういった汁なし麺にも目を向けてみてはいかがでしょうか?

「東京近郊で食べられる旨い汁なし麺」シリーズ
その1:武蔵野油そば編はこちら
→ http://tabelog.com/matome/861/
その2:武蔵野進化系編はこちら
→ http://tabelog.com/matome/875/
その3:二郎系編はこちら
→ http://tabelog.com/matome/1113/
その4:中華系編はこちら
→ http://tabelog.com/matome/1131/
その5:台湾まぜそば編はこちら
→ http://tabelog.com/matome/1163/

※本記事は、2015/01/05に作成されています。内容、金額、メニュー等が現在と異なる場合がありますので、訪問の際は必ず事前に電話等でご確認ください。

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