crescendo(クレッシェンド)...「ペレグリーノ」、珠玉の一皿に向けて高まる音階 : ペレグリーノ

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2024年Gold受賞店

The Tabelog Award 2024 Gold 受賞店

イタリアンTOKYO百名店2023選出店

食べログ イタリアン TOKYO 百名店 2023 選出店

この口コミは、紅茶に浸したマドレーヌさんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

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4.9

¥60,000~¥79,9991人
  • 料理・味4.9
  • サービス4.9
  • 雰囲気4.9
  • CP4.9
  • 酒・ドリンク4.9

4.9

¥50,000~¥59,9991人
  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気4.9
  • CP4.9
  • 酒・ドリンク4.9
2021/12訪問13回目

4.9

  • 料理・味4.9
  • サービス4.9
  • 雰囲気4.9
  • CP4.9
  • 酒・ドリンク4.9
¥60,000~¥79,9991人

crescendo(クレッシェンド)...「ペレグリーノ」、珠玉の一皿に向けて高まる音階

ペレグリーノはいつも素晴らしい。どんな一皿が出されようと、コースがどんな風に組み立てられようと毎回裏切られることがない。

その日仕入れた食材の状態を見てコースの主軸となるお皿を2部から1部に微妙にズラしてみたり、白トリュフを粉雪のようにまとわせて、コース全体に時節柄の薄化粧を施してみたり、まさに毎回多面体ともいうべき表情の豊かさによって食べ手を迎え入れてくれるのがペレグリーノの特徴であり、過去、そのもてなしが裏切られた試しがない。

しかし、2021年12月10日(金)のディナーは、その多面体ともいうべきペレグリーノのもてなしの中に、水脈のように力強く流れる"もてなしの幹"のようなものがあることを強く思わせてくれるようなディナーであった。

生ハムのお店として名高いこのイタリアレストランについてよく耳にする話に「生ハム以外のお皿のクオリティの高さ」というものがある。なるほど、確かに、コースの1部に組み入れられることの多い"白甘鯛の紀州備長炭炭火焼"やら"墨イカのポレンタ"、"神戸フィレ肉の炭火焼"などは、毎回頭が下がるくらい素晴らしい出来栄えなのだけれど、とにかくこの日は、"クラッテッロ ネロ"が出色の出来栄えで、コースの流れがこの宝石のような一皿をめがけて収斂していくような感覚を覚えたのだ。

まず、スライス前に調理台に載せられた"クラッテッロ ネロ"の肉塊がすでに凄みを放っていた。その色味の鮮やかさに思わず息を飲む。これはただ物ではないという緊張感が一気に押し寄せる。そして通常"クラッテッロ ネロ"は、最後に平焼きパンとあわせていただくのだけれど、この日はシェフの計らいで、アルバ産白トリュフにまとわせていただく"クラッテッロ ネロ"を最後の一皿にご用意いただいている。

これを最後に置くことによって、白トリュフコースの引き締まり方が全然違うし、また、ペレグリーノがクラテッロに照準を合わせているイタリアレストランであることを、言葉で説明するのではなく一皿の表現で示そうとされていることに深い感動を覚える。


以下、素晴らしかった昨年末のディナーの中身について、詳細に書き綴ってみたい。

◇第1部 季節の食材のコース
1.【初めの料理】長野のぎたろう軍鶏、丸ごと一羽煮出した "ブロート" 詰め物をした小さなラヴィオリ"カペレッティ"を浮かべて
水と軍鶏だけで一度も沸騰させることなく20時間以上煮だしたペレグリーノのスペシャリテである。うまみが強く澄んだ味わいである。

この日は、カペレッティの整形を目の前で見せていただけた。ぎりぎりを狙って調理の直前に打っていただいているのだ。小麦、卵、水とパスタ生地とはちょっと配合を変えているそうだ。ぎたろう軍鶏のもも肉と卵黄、アルバの白トリュフをふんだんに入れてある。香りと味を存分に愉しむ。

2.【旬の一皿】大間の黒鮪のクルード
"クルード"とはイタリア語で"生"という意味である。鮪は赤身の強い、少し酸味とも捉えられるような強い固体をと選択し、指定して仕入れたものだそうである。ちなみに鮪は、石司商店から仕入れた背上である。腹上一番のような脂が乗りまくったものではなく、血の香りを感じる最高に粋な鮪である。その中トロの部分を少し寝かせて、血の味を落ち着かせ、ほんの少量塩をかけて、そのあとにアルバの白トリュフをふんだんにかけて饗される。

見た目は豪華そのものだけれど、鮪の味わいの強さとのバランスに配慮して、白トリュフをふんだんにかけられている。

3.【前菜】北海道 熊石の 縞海老 を優しく繊細な調理、縮みほうれん草添え
縞海老を優しく繊細に調理したものに、群馬県産の縮みほうれん草を蒸し煮にして甘みを引き出したものが添えられている。群馬県の縮みほうれん草は、とにかく茎が美味しい。だからお皿の盛り付けは均等に茎がいくように配慮されている。お皿のソースは、ほうれん草の煮汁にほんの数滴、海老から出た焼き汁を加えたものである。上質な発酵バターの香りをほのかに感じながら、縞海老の繊細な味わいとほうれん草の甘みを愉しむ。

この縮みほうれん草は素晴らしかったが、本日のペレグリーノは、野菜がどれも素晴らしかった。この後饗されるジャガイモ、サツマイモ、ラディッキオロッソ、いずれも素晴らしかった。

4.【第一の料理】めん棒でのばす手打ちパスタ
メニューには、「めん棒」と記載があるが、この日は少し湿度が高めなので、パスタマシンを使ってのばしますとシェフからご説明がある。この湿度で、めん棒でのばすとパスタに触れる時間が長くなってパスタにストレスがかかりすぎてしまうからとのことだ。

タリアテッレ。ピエモンテの良質な発酵バターとゆで汁を合わせたもの。ここにシンプルに白トリュフを添えてある。また、本日の白トリュフのタリアテッレには名古屋コーチンの温泉卵が添えてある。粉の風味を存分に愉しむ。卵とトリュフは非常に相性がよい。

5.【季節の特別料理】仏 ランド産 フォアグラ と 徳島産さつまいもの組合せ
ここまでが、白トリュフコースで白トリュフがかかる料理。後は(基本的に)素材の味を愉しむ料理となる。フォアグラのテリーヌとココットに入れて火を入れ続けてローストしたさつまいも。縦にナイフを入れて、フォアグラとさつまいもを合わせて愉しむ。

北イタリア ピエモンテの3大シャルドネとよばれる、アルドコンテルノという造り手のシャルドネ・ブッシアドール。アルコンとの相性が抜群であった。
徳島産さつまいも(さとむすめ)は、ペレグリーノでは定番の食材であるけれど、使う度に仕込みに工夫を加えているとのことだ。去年までは、アルミホイルで包んで芋をオーブンに入れて、何分かおきに上下入れ替えて焼いていたそうだけれど、今回は、芋をココット鍋に入れて、バーミキュラ(Vermicular:無水調理ができるホーロー鍋)で密封して、オーブンの中でじっくり火入れしたとのことである。密封度合いを上げることによって、さとむすめの香りがいつもより強く感じる。

フォアグラもかなり良い。フォアグラも近年良い状態で来るようになっているそうで、鴨から取り出して、すぐに紙に巻いて(トルセ)空輸されてくるそうで、フォアグラ自体のうまみを引き出しやすくなっているとのことだ。常識的には、フォアグラ処理は砂糖と塩とマデラ酒とかでマリネして、テリーヌにするのが伝統的な作り方だけれど、その処理をひとつひとつそぎ落としていき、最低限の塩と甘口の白ワインを入れるだけでフォアグラの旨さが引き立だせる素晴らしい状態のものとのことである。

6.【魚料理】愛媛宇和島より 白甘鯛 炭火焼と 伊産のカルチョーフィ・スピネのプラザート 北イタリア伝統のサルサヴェルデのアクセント
2週間くらい寝かせた白甘鯛。イタリアの鰯の魚醤(コラトゥーラ)の香りがふわりと心地よく漂う。ミディアムからミディアムレアの状態で火入れしている。合わせは、イタリア野菜のアーティチョークを、京都のフルーツトマトをドライトマトにしたものと一緒に煮込んだものである。北イタリア伝統のサルサヴェルデソースを添えてある。

これも申し分ない出来栄えである。ペレグリーノに来たら、この繊細な白身魚の一皿がどうしてもいただきたくなる。

7.【メイン料理】兵庫県 神戸ビーフ フィレ肉の紀州備長炭 炭火焼き 南イタリア産野菜 "プンタレッレ"のインサラータ
この神戸牛は、先ほどの鮪と似たような血の味がするような赤身のよいもの。ラディッキオをローストしたものと台湾の山の胡椒マーガオを添えたもの。苦味ほのかなラディッキオが一皿を引き締めていた。素晴らしいセコンドピアットの一皿であった。

◇第2部 手動ハムスライサーを使った肉加工品のコース
1.パルマ産 "プロシュート・ディ・パルマ" :長期熟成の味わいを楽しむ :パルマの定番
30カ月以上熟成の"プロシュート・ディ・パルマ"でスタートとなる。まずは、手の甲においていただいたものをすぐにいただく。

2.ボローニャ特産 "モルタデッラ" :香りと余韻を楽しむ食べ方
まずは、岩手県遠野市の遠野4号というお米をモルタデッラで巻いて。
極上の生ハムの塩味を、日本米の暖かい甘みが優しく溶かしていく素晴らしい一品である。以前から、このお米は研いで使われているのではないかと気になっていたので、シェフに確認してみると、やはり研いでおられるとのお答えであった。イタリア米で洗わなくやったら、きっと野暮ったくなるからとのことだけれど、この見極めは決定的に正しいと思う。

通常のイタリアのリゾット製法で作ったいわゆるアルデンテのパスタを思わせるお米であったら、絶対に、この一品の真骨頂(食感はリゾットで、かつ優しい日本米の甘みが生ハムの塩味を溶かしこんでいく)は実現できないと思うからだ。


自家製のフォカッチャとモルタデッラの組合せ。フォカッチャは、本来はジャガイモが入っていないとフォカッチャとは呼べない。なので、ジャガイモに北海道の雪下で2年近く熟成した"インカの目覚め"を通常の2倍以上生地に練りこんでフォカッチャを作っている。

3.中部イタリアトスカーナのチンカセネーゼ黒豚の背脂、ラルド
イタリア野菜ウイキョウ(フィノッキオ)に載せて出していただく。ラルドの甘みからウイキョウの仄かな苦みが顔を出す加減が素晴らしかった。

4.パルマ産 "プロシュート・ディ・パルマ"
パルマ産"プロシュート・ディ・パルマ"と揚げパイのトルタフリッタの組み合わせ。空気を包み込んだフリッタの薄さが引き立たせる小麦粉の香ばしい風味。そこにふわりと最高の生ハム。

5.ジベッロ村の"クラッテッロ ネロ"希少なパルマ黒豚の幻の逸品
平焼きパン"チャバッタ"といただくけれど、まず深みがある。美しい。その美しさは、王侯貴族のような傲慢な揺るぎのない圧倒性を獲得しているように思う。舌に絡みつくようなテクスチャー。そして香り、少しミルキーさ感じさせるまろやかな香りの中に、はっきりとした熟成香を感じる。

そして最後に感動的な、クラテッロに白トリュフを包んで。良く咀嚼してこの高貴な組合せの余韻を愉しむ。


フィナーレ 季節の特別なデザート :長野 小布施の栗をふんだんに使った"モンテ ビアンコ"
"モンテ ビアンコ"とは、イタリア語で"モンブラン"の意味だけれど、いわゆるモンブランでイメージするお菓子とは少しイメージが異なる。長野の小布施の栗を9月の末に収穫したものを今時分まで低温の熟成度でじっくり寝かせることによってそれ自体の甘みを引き出したものとのご説明がある。

その栗を、店のオーブンで低温でじっくり5時間から6時間ローストしてそれを剥いて解したものとのことだ。塩も砂糖も入れていないけれど、栗を凝縮させた香りと味が感じられる。合わせているジェラートには、栗と相性がよいように、白トリュフを少し利かせて、白トリュフのジェラートにしている。

素晴らしいドルチェである。

これで、本日のコースは一通りとなる。どの料理も素晴らしかったけれど、本日は最後の"クラッテッロ ネロ"を照準を合わせ、まるで「クラテッロを出すためにやっている」と言わんばかりのペレグリーノの"もてなしの幹"をしっかりと感じ取れた素晴らしいディナーであった。シェフ、ありがとうございました!

  • ペレグリーノ - ジベッロ村の"クラッテッロ ネロ"希少なパルマ黒豚の幻の逸品

    ジベッロ村の"クラッテッロ ネロ"希少なパルマ黒豚の幻の逸品

  • ペレグリーノ - 【旬の一皿】大間の黒鮪のクルード

    【旬の一皿】大間の黒鮪のクルード

  • ペレグリーノ - 【初めの料理】長野のぎたろう軍鶏、丸ごと一羽煮出した "ブロート" 詰め物をした小さなラヴィオリ"カペレッティ"を浮かべて

    【初めの料理】長野のぎたろう軍鶏、丸ごと一羽煮出した "ブロート" 詰め物をした小さなラヴィオリ"カペレッティ"を浮かべて

  • ペレグリーノ - 【季節の特別料理】仏 ランド産 フォアグラ と 徳島産さつまいもの組合せ

    【季節の特別料理】仏 ランド産 フォアグラ と 徳島産さつまいもの組合せ

  • ペレグリーノ - PELLEGRINO

    PELLEGRINO

  • ペレグリーノ - 【初めの料理】長野のぎたろう軍鶏、丸ごと一羽煮出した "ブロート" 詰め物をした小さなラヴィオリ"カペレッティ"を浮かべて

    【初めの料理】長野のぎたろう軍鶏、丸ごと一羽煮出した "ブロート" 詰め物をした小さなラヴィオリ"カペレッティ"を浮かべて

  • ペレグリーノ - 【旬の一皿】大間の黒鮪のクルード

    【旬の一皿】大間の黒鮪のクルード

  • ペレグリーノ - 【前菜】北海道 熊石の 縞海老 を優しく繊細な調理、縮みほうれん草添え

    【前菜】北海道 熊石の 縞海老 を優しく繊細な調理、縮みほうれん草添え

  • ペレグリーノ - 【第一の料理】めん棒でのばす手打ちパスタ

    【第一の料理】めん棒でのばす手打ちパスタ

  • ペレグリーノ - 【季節の特別料理】仏 ランド産 フォアグラ と 徳島産さつまいもの組合せ

    【季節の特別料理】仏 ランド産 フォアグラ と 徳島産さつまいもの組合せ

  • ペレグリーノ - 【魚料理】愛媛宇和島より 白甘鯛 炭火焼と 伊産のカルチョーフィ・スピネのプラザート 北イタリア伝統のサルサヴェルデのアクセント

    【魚料理】愛媛宇和島より 白甘鯛 炭火焼と 伊産のカルチョーフィ・スピネのプラザート 北イタリア伝統のサルサヴェルデのアクセント

  • ペレグリーノ - 【メイン料理】兵庫県 神戸ビーフ フィレ肉の紀州備長炭 炭火焼き 南イタリア産野菜 "プンタレッレ"のインサラータ

    【メイン料理】兵庫県 神戸ビーフ フィレ肉の紀州備長炭 炭火焼き 南イタリア産野菜 "プンタレッレ"のインサラータ

  • ペレグリーノ - ボローニャ特産 "モルタデッラ" :香りと余韻を楽しむ食べ方

    ボローニャ特産 "モルタデッラ" :香りと余韻を楽しむ食べ方

  • ペレグリーノ - ボローニャ特産 "モルタデッラ" :香りと余韻を楽しむ食べ方

    ボローニャ特産 "モルタデッラ" :香りと余韻を楽しむ食べ方

  • ペレグリーノ - ボローニャ特産 "モルタデッラ" :香りと余韻を楽しむ食べ方

    ボローニャ特産 "モルタデッラ" :香りと余韻を楽しむ食べ方

  • ペレグリーノ - 中部イタリアトスカーナのチンカセネーゼ黒豚の背脂、ラルド

    中部イタリアトスカーナのチンカセネーゼ黒豚の背脂、ラルド

  • ペレグリーノ - パルマ産 "プロシュート・ディ・パルマ"

    パルマ産 "プロシュート・ディ・パルマ"

  • ペレグリーノ - ジベッロ村の"クラッテッロ ネロ"希少なパルマ黒豚の幻の逸品

    ジベッロ村の"クラッテッロ ネロ"希少なパルマ黒豚の幻の逸品

  • ペレグリーノ - ジベッロ村の"クラッテッロ ネロ"希少なパルマ黒豚の幻の逸品

    ジベッロ村の"クラッテッロ ネロ"希少なパルマ黒豚の幻の逸品

  • ペレグリーノ - フィナーレ 季節の特別なデザート :長野 小布施の栗をふんだんに使った"モンテ ビアンコ"

    フィナーレ 季節の特別なデザート :長野 小布施の栗をふんだんに使った"モンテ ビアンコ"

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2021/08訪問12回目

4.9

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気4.9
  • CP4.9
  • 酒・ドリンク4.9
¥50,000~¥59,9991人

繊細で美しい絵画のような...「ペレグリーノ」、お皿からこぼれる吐息のような美しい響きに耳を澄まそう

「ペレグリーノ」のもてなし...そこには繊細で美しい水彩画を鑑賞しているような快感がある。ぜひ、その一皿一皿からこぼれる、吐息のような美しい響きに耳を澄ましていただきたい。余分な演出や、食べ手を混乱させるような味の足し算などとは縁遠い、純粋で繊細な世界が目の前に広がること請け合いである。

2021年8月12日(水)12:00。「ペレグリーノ」で過ごした素晴らしいひと時を書き綴っていきたい。


◇第1部 季節の食材のコース
1.【初めの料理】長野のぎたろう軍鶏、丸ごと一羽煮出した "ブロード"
水と塩だけで一度も沸騰させることなく、延べ20時間以上煮だして旨みを抽出したものである。饗する直前に、香りと味が飛ばないように極弱火で火を入れて、65度に差し掛かるところで火を止めて軽く塩を入れたもの。味わいが澄み切っている。毎回思うけれど、こんなに美しいブロードは「ペレグリーノ」以外に存在しない。

2.【イタリア料理】北海道島牧の縞海老とズッキーニのコンビネーション
縞海老に2種類のズッキーニを合わせてある。蒸気で蒸らした北海道の花ズッキーニに、花ズッキーニの軸を水と塩だけで優しく煮込んでピューレ状にしたもの(花の香りがするようなピューレ)を添え、さらにイタリアの今が旬のズッキーニトロンベッタという、カボチャの味に近いような凝縮感があるズッキーニをローストして添えてある。

縞海老が滅法良い。甘みも旨みも極めて上品である。そこにズッキーニの優しく繊細な味わいが寄り添う。

3.【夏の料理】新潟県かがやき農園のトウモロコシの冷たいスープ
ここで、穴子のローストと順番を入れ替えて、トウモロコシの冷たいスープが饗される。「ペレグリーノ」の夏のスペシャリテである。

トウモロコシと塩と水を合わせた液体を、熱伝導率の良い鍋で、強火ではなく(強火すると鍋肌の温度が乱暴な温度になってしまう)、弱火で約1時間かけてゆっくりと沸点まで持っていく。それをいったん落ち着かせた上でミキサーで回して、薄手のガーゼにくるんで、牛の乳を搾るように優しく濾して抽出したのがこのスープだ。

全く粘度がない。生涯でいただいたトウモロコシのスープの中でダントツに一番純粋で一番旨いスープである。


4.【前菜】穴子のロースト、京都綾部産 賀茂茄子添え
脂の乗った穴子の紀州備長炭のローストに、京都綾部産の賀茂茄子を皮付きのままじっくりとローストしたものを添えたもの。台湾の山胡椒マーガオが添えられてある。

穴子の皮目から漂う香ばしい香りを、マーガオのさわやかさが断ち切るのが心地よい。紀州備長炭で焼いた魚と野菜の香ばしさを愉しむ逸品である。

5.【季節の料理】めん棒でのばす手打ちパスタ 熊本天草より赤うにのせ
ここで、(魚物が続いてしまうということで)また、順番を入れ替え、パスタを饗していただく。パスタマシンを使うと金気に風味を取られてしまうので、木の綿棒で延ばして調理する。その際、極力力を入れないで、余計なグルテンを発生させないようにしているとのこと。北イタリアのおばあちゃんの製法だ。

イタリアの軟質小麦は、小麦粉の精製の度合いで、00粉、0粉、1粉、2粉、全粒粉と5種類に分類されるが、ペレグリーノのパスタは、2粉を使われているそうだ。千葉県八街で作られているものだそうだ。精製しすぎていない、より小麦の香りを感じられるものとの工夫である。

タリアテッレ。粉の風味を存分に愉しむ。フォークで一巻きしたパスタを頬張ると、パスタを茹でる際、パスタにストレスを与えていないのがよくわかる。もちろん鍋の中を覗いたことなどないけれど、おそらくボコボコ沸騰しないくらいの温度、...おそらく90度~100度未満くらいの温度で丁寧に茹であげているに違いないと思う。

...このパスタのように、素材である小麦の甘みや香りに耳を澄ますようにしていただくのが、「ペレグリーノ」のお皿の特徴だ。だから、このレストランでの主役はあくまでも料理で、断じておしゃべりなどではない。...たまにお客さんの中には、まるで居酒屋に来たみたいに、世間話に花咲かせている方がいらっしゃるが、それはあまりにも残念な「ペレグリーノ」の過ごし方というほかない。


6.【魚料理】旨みの乗った魚、本日仕立て
日本海ののどぐろである。熟成させすぎていないのどぐろ。皮目主体で焼いて、中心はミディアムからウェルダンくらいで火を入れたしっかりとした身質を愉しむ逸品である。少し酸味を効かせたバジルのペーストと北海道で2年近く熟成させたインカの眼覚めを付け合わせてある。

「ペレグリーノ」の魚料理にのどぐろが選択されるのは、珍しいように思う。「ペレグリーノ」の魚料理は右に出るものがないくらいに素晴らしいが、いつも選択される魚は、白甘鯛や墨イカ、穴子、太刀魚など、天ぷら種になってもおかしくないような繊細な身質の魚が多い。本日ののどぐろという選択は新鮮な驚きを覚える。

7.【メイン料理】神戸ビーフ フィレ肉の紀州備長炭 炭火焼
メインで肉を使うこと自体、最近多くはなかったが、本日は丁度よい熟成加減でよい味が出ているものがあったのでビーフをメインに持ってきたとのこと。普段は、肉は個体を限定してもらっているわけではないそうだけれど、今回は生産者さんからたまたまどうしても素晴らしい味だからというご案内があったとのことだ。

それに添えてあるのは、先ほど北海道から届いた今が旬の五寸アスパラ。皮が柔らかく、甘みが強い。蓄えているアスパラの水分が野菜の甘みと瑞々しさを伝えてくる。詳しくは、RV末尾の【高橋シェフとの立ち話コーナー】をお読みいただきたい。

この一皿、とにかく神戸ビーフが素晴らしかった。「ペレグリーノ」で肉料理というと、マーガオが添えてあるイメージがあるけれど、この一皿にはマーガオが添えられていない。その意味が痛いほどわかる。マーガオは、焼き物の脂をさわやかに切ってくれる効果がある素晴らしい引き立て役なのだけれど、この一皿には、おそらくそれが邪魔になるくらい、神戸ビーフそのものが光り輝くように素晴らしかった。フィレ赤身といい、赤身に蓄えられた脂といい、そのバランスが文句がつけようがないくらい完璧であった。

後でシェフに伺ったところ、今日の神戸牛は、年に1回か2回しか入ってこない本物の神戸牛とのことだ!


◇第2部 手動生ハムスライサーを使った肉加工品のコース
1.サンダニエーレ産 "プロシュート"
:極く薄くスライスしそのままに
塩味が少なく純粋なプロシュートである。しかし、同じプロシュートの原木を使っても絶対に「ペレグリーノ」の味わいはだせない。それはまさに唯一無二の「ペレグリーノ」のカッティング技術に支えられているといってよい。

:特別な組み合わせ
これも「ペレグリーノ」の定番といってよい、遠野4号とプロシュートの組み合わせである。お米の熱で米にプロシュートが溶け、お米の甘みに肉の旨みが溶け合う加減が素晴らしい。

2.ボローニャ特産 "モルタデッラ"
:香りと余韻を楽しむ食べ方
今回は"モルタデッラ"と平焼きパンを合わせていただく。こちらも新鮮な驚きがあった。

3.パルマ産 "プロシュート・ディ・パルマ"
:長期熟成の味わいを楽しむ
36か月熟成の特別のもの。強い味わいだ。「ペレグリーノ」の生ハムショーは、クレッシェンド記号が書きつけられた楽譜のように次第に音階が高まっていく。

:パルマの定番
トルタフリットと合わせる定番だ。間違いない。スパークリングワインと合わせたら最高の逸品である。

ここで表記に書いていないトスカーナの白豚のグアンチャーレ(頬肉)とフェンネルを合わせた逸品を饗していただく。グアンチャーレを出すのは、本当に久しぶりとのことだ。

4.ジベッロ村の"クラテッロ ネロ"希少なパルマ黒豚の幻の逸品
:ジベッロでの仕立て
年間日本に10本しか入ってこないパルマ黒豚の"クラテッロ ネロ"。その10本はすべて「ペレグリーノ」で抑えている。まさに「ペレグリーノ」でしか味わえない逸品である。

クラテッロは、豚の腿肉の一番美味しい外腿肉の部位だけを足から外して、それを豚の膀胱に詰めてから吊るして熟成させる。そして熟成後、豚の膀胱を取るために赤ワインと白ワインに漬けてふやかして膀胱を取る工程(「戻し」)を行う。このパルマ黒豚の"クラテッロ ネロ"は、特別で、その「戻し」に使うときのワインもバローロを使うのだ。

味わいといい、香りといい、王侯貴族のような優雅な逸品である。やはり、これが生ハムショーの最後を飾るに相応しい逸品である。


フィナーレ
出来立ての練りたてジェラート "ジェラート 自信の組み合わせ
ふんわりとした空気を含んだ仕上がりになっている。最高のジェラートの香りが口中に立ち籠める。添え物はあえて横においてある。初めはジェラート単体でいただき、最後にヘーゼルナッツを混ぜていただく。

これで本日の一通りとなる。...やはり、ここは特別なレストランである。

【高橋シェフとの立ち話コーナー】
神戸ビーフに添えられたアスパラガスが瑞々しく申し分なかったという話になった際、畑の野菜が生きるために蓄えた水分を、調理にあたってどこまで残すか(ニンニクなどのように、水分が残ったまま調理すると臭味になってしまうケースもある)、どういう匙加減で決めているんですか?と質問してみた。これにたいする高橋シェフのご回答が素晴らしかった。

「確かに、今日のアスパラでいうと、届いて最初に生で口にした段階で理想のモノが届いたという印象を持ちました。ただ、そこからが調理の始まりで、ペレグリーノにいらっしゃるお客様は、別に生のアスパラを待ち望んでいたのではなく、ペレグリーノを待ち望んでいたわけだから、あくまでもこの素材をペレグリーノのコースに組み込んだ場合を想定して、何にこのアスパラをあわせ一皿を構成し、だからこそアスパラにどのくらい水分を残して、瑞々しさを演出するかを頭の中でイメージしていくんです」とのこと。

これぞプロ!素晴らしい。決して教則本で伝えることのできない、この指先の繊細な技術が「ペレグリーノ」の唯一無二を支えているのだ。

  • ペレグリーノ - 【メイン料理】神戸ビーフ フィレ肉の紀州備長炭 炭火焼

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  • ペレグリーノ - 【イタリア料理】北海道島牧の縞海老とズッキーニのコンビネーション

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  • ペレグリーノ - 【前菜】穴子のロースト、京都綾部産 賀茂茄子添え

    【前菜】穴子のロースト、京都綾部産 賀茂茄子添え

  • ペレグリーノ - 【季節の料理】めん棒でのばす手打ちパスタ 熊本天草より赤うにのせ

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  • ペレグリーノ - パルマ産 "プロシュート・ディ・パルマ"とトルタフリット

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  • ペレグリーノ - 出来立ての練りたてジェラート "ジェラート 自信の組み合わせ

    出来立ての練りたてジェラート "ジェラート 自信の組み合わせ

  • ペレグリーノ - PELLEGRINO

    PELLEGRINO

  • ペレグリーノ - PELLEGRINO

    PELLEGRINO

  • ペレグリーノ - 【初めの料理】長野のぎたろう軍鶏、丸ごと一羽煮出した "ブロート"

    【初めの料理】長野のぎたろう軍鶏、丸ごと一羽煮出した "ブロート"

  • ペレグリーノ - 【イタリア料理】北海道島牧の縞海老とズッキーニのコンビネーション

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  • ペレグリーノ - 【夏の料理】新潟県かがやき農園のトウモロコシの冷たいスープ

    【夏の料理】新潟県かがやき農園のトウモロコシの冷たいスープ

  • ペレグリーノ - 高橋シェフ

    高橋シェフ

  • ペレグリーノ - 【前菜】穴子のロースト、京都綾部産 賀茂茄子添え

    【前菜】穴子のロースト、京都綾部産 賀茂茄子添え

  • ペレグリーノ - めん棒でのばした手打ちパスタ

    めん棒でのばした手打ちパスタ

  • ペレグリーノ - 【季節の料理】めん棒でのばす手打ちパスタ 熊本天草より赤うにのせ

    【季節の料理】めん棒でのばす手打ちパスタ 熊本天草より赤うにのせ

  • ペレグリーノ - 【魚料理】旨みの乗った魚、本日仕立て

    【魚料理】旨みの乗った魚、本日仕立て

  • ペレグリーノ - 【メイン料理】神戸ビーフ フィレ肉の紀州備長炭 炭火焼

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2021/06訪問11回目

4.9

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気4.9
  • CP4.9
  • 酒・ドリンク4.9
¥50,000~¥59,9991人

さりげなく非凡に輝く...「ペレグリーノ」、このレストランには何を語るかではなく、何を語らずにおくかを知っている創造的な寡黙さが息づいている

それにしても、この茴香(ういきょう)のエキゾチックな甘い香りはどうだろう。そして、その茴香と滑らかなラルドを組み合わせて饗される一皿は傑作と呼ぶのが惜しいくらいの一皿であるのだけれど、何より感動的なのは、茴香という香草を、香りと旨みだけの蠱惑の塊にさりげなく仕立て上げてしまう高橋シェフの手際そのものにある。

茴香に限られないけれど、生きている香草や野菜は多くの水分を蓄えている。水分というのは生物が生きるために必要なものであるから、自然界に無駄なものは何ひとつないとも言えるけれど、料理においては食材が身内に蓄える水分は、不要なものである。なぜなら調理で食材が蓄えた水分を残してしまうと、それは臭味に直結してしまうからだ。逆に、料理人の確実な技術によって適切な水抜きを施した場合、野菜は新しい生を受け、輝くばかりの最高の素材となって一皿の上で再び躍動することになる。


プロの中のプロと呼ばれる料理人の仕事には、水抜きひとつを取っても、妙手が冴えわたっている。2021年6月2日(水)、日本の最高峰のレストラン「ペレグリーノ」で"加減の妙"を堪能したひとときについて以下書き綴っていきたい。

◇第1部 季節の食材をふんだんに取り入れたコース
1.【初めの料理】長野県産伊那産ぎたろう軍鶏を丸ごと一羽煮出した "ブロート"
水と、身ごとまるごとの軍鶏だけで延べ24時間、1度も沸騰させることなく火入れして旨みを抽出したブロート。火入れ後は、丁寧に濾して一度温度を冷してから、もう一度小鍋にとって再び温める。そのときも強火を使ってしまうと味と香りが変わってしまうから、ごく弱火で65度を上回るところで火を止めて、フランスの塩を入れて味を整える。だから、そんなに熱々ではない。

この世で最も美しい"ブロート"である。いつも溜息しか出ない。

2.【前菜】牡丹海老の低温ロースト 花ズッキーニとズッキーニのピュレア添え
北海道の古平(ふるびら)の牡丹海老。牡丹海老はこのくらいの時期(6月)になると、あまり状態がよくなくなって、別の食材を使うことが多いそうだけれど、今年は、どういうわけか海老の状態が大変良いので本日は牡丹海老を使うことにしたとのこと。付け合わせには熊本の花ズッキーニの蒸し焼きを添えている。

また、それに合わせてローストした緑色の小さな輪切りのズッキーニが添えてある。また黄色いピューレ状のものも黄色いズッキーニで作ったものである。ズッキーニを香りがなくならないように弱火で火入れして、水分を飛ばして、ズッキーニの旨みを閉じ込めたピューレだ。ズッキーニの香りが存分に愉しめるソースである。

花ズッキーニの柔らかい味が包み込む、食べ応えのある大きな甘みのある海老である。前菜に相応しい、カドのないふくよかな一品である。

3.【魚料理1】太刀魚の炭火焼、加茂茄子
神奈川県横須賀の走水の太刀魚。シェフに思うところがあって、当初予定のオーブン焼きから、炭火に切り替えて、ミディアムレアの状態で仕上げていただく。付け合わせも、当初予定のアスパラソバージュから、京都の加茂茄子に変更にされている。加茂茄子は、身のしまった充実したものをオーブンで3時間強焼き上げたものである。

紀州備長炭炭火焼の太刀魚に、加茂茄子のオーブン焼きと北イタリア伝統のパセリが主体のサルサヴェルデが添えてある。丁度すり鉢で摺ったばかりで、パセリの香りが立っている。(ペレグリーノのサルサヴェルデは、ミキサーではなく、すり鉢で丁寧に摺って饗される。ひょっとするとここにも金氣臭さを嫌う高橋シェフの思いが宿っているのかもしれない)

炭火の通った太刀魚は香り立つ。舌の上でほどけながら、太刀魚もつ品の良い脂と身肉の香りが口中に広がる。サルサヴェルデのパセリの香りが香りのアクセントとなって、一皿を引き締めている。

4.【イタリア料理】カーチョーフィ・イン・ウーミド(アーティチョークの軽い煮込み)
アーティチョークは、普段は何かの付け合わせで出すことが多いが、この時期のアーティチョークは味が強いので、それを魚や肉に合わせようとすると合わなくなってしまう、なので思い切ってメインに持ってきたとシェフからご説明がある。

トマトの酸味との相性よく、アーティチョークの質朴だけれど強い味わいが感じ取れる。

5.【魚料理2】赤甘鯛の"アルフォルノ(オーブン焼き)"、アスパラソバージュ添え、"サルサ アチド"(酸味のソース)
四国愛媛の宇和島の赤甘鯛をローストしたもの。"アルフォルノ(オーブン焼き)"である。オーブン焼きとはいってもオーブンから何度か出しながら、断続的に火入れしているので、焼き目が付いたものではなく、丁度良い状態で火入れされたものだ。

それに旬のアスパラソバージュを付け合わせてある。"サルサ アチド"(酸味のソース)は、フランスのブールブランソースと同じ作り方で、白ワインとエシャロットを20分の1くらいまで煮詰めて、最後にバターを入れて乳化させている。自然派の白ワインを使っているので、茶褐色のソースになっている。

赤甘鯛のローストは、何とも豪奢な旨みの塊である。白身魚の王様といってよい高貴な香り高さを、程よい酸味のソースに絡めながら堪能する。

6.【第1の料理】めん棒でのばす手打ちパスタ 熊本天草より紫うにと共に
パスタの風味や甘みを生かすために綿棒でのばしていただく。ソースは、イタリア、ピエモンテの良質な発酵バターと、北イタリア、ベネトの良質なオリーブオイルを入れて、ほんの少しの塩を入れたものがソースとなっている。

パスタとソースを合わせた鍋を1回軽く仰いで、もうそれだけで終了。その上にミョウバンも塩水も使っていない、熊本天草産の殻から剥きたての紫うにをそっと乗せてある。

ペレグリーノのパスタの凄さとは何か。それは、"小麦の香り"と"小麦の臭さ"の違いを、シェフがはっきり理解していて、"小麦の臭さ"を料理から徹底して排除している点にある。

一般的に、パスタを茹でる際にぐりぐり混ぜて、煮汁に小麦のとろみをつけてソースにあわせて粘度を出す(世間的に「乳化」と言われるアレ)ということが行われるけれど、それは、単にパスタに、グルテンが発生した汁を纏わせているに過ぎない。そしてグルテンは、端的にいって小麦の嫌味である。つまり小麦臭さを体現するものだ。

ペレグリーノにおいては、そんなものをパスタに絶対に纏わせない。さっとシンプルなソースにパスタを纏わせて、パスタ本来の"小麦の香り"を愉しませるのだ。


この日も、このシンプルな一皿で手打ちパスタの"小麦の香り"を存分に愉しむ。

7.【第2の料理】ドイツ産ホワイトアスパラガスの紀州備長炭火焼き 長期熟成された伝統的なモデナ産バスサミコ添え
6月中旬までが旬のドイツのアスパラガス。これは、フランス産のものと味わいの出方が違って、キレイな甘みと旨みが感じられるもの、とのシェフからのご案内がある。

このアスパラをシンプルに紀州備長炭で炭火焼にしている。黒く焼けているけれど、これは決してネガティブな失敗ではない。

添えてある調味料は3つ。
 ・手前に良質なオリーブオイル
 ・スプーンに乗っているのが、25年熟成させたモデナ産のバルサミコ
 ・奥手には、塩とドレッシングを組み合あせたドレッシング
このまま、左から右にかけて、味が淡いものから強いものに推移していくのを愉しみながらいただく。最後、全てソースを合わせていただくと、より豊饒感が増して愉しい。

◇第2部 店内中央の手動生ハムスライサーにてスライスしてサーブする生ハムのバリエーションを順番に
8.北イタリア フリウリ・ヴェネチア・ジューリア州 サンダニエーレ産の"プロシュート"
1)先ずは極く薄くスライスしたものをフラットにそのままに
腿肉一本の塩漬け。これは生ハムの第2部スタートのお馴染みであるが、本日の"プロシュート"は抜きんでた旨さがある。おろしたてとのことで、腿肉の脂が、赤身の旨みを引き出す効果を発揮している。最良の熊肉の個体をいただいたときを思わせる素晴らしい品質である。これは新鮮な驚きがあった!

2)異素材と組み合わせてより魅力を引き出します
小さなココットで炊きあがったばかりのお米と"プロシュート"をお鮨のように巻いた一品。イタリア料理のリゾットのような感覚で味わえる一品だ。お米は遠野4号。昔から品種改良を施していないお米である。

炊き立てのお米が、最良の"プロシュート"脂に触れて融解して口中を満たす素晴らしさ!スゴイ。

9.ボローニャ産 "モルタデッラ"
3)香りと余韻を楽しむ食べ方をします
モルタデッラというのは、現地で比較的ぞんざいに扱われる傾向があるそうだけれど、これは化学調味料、添加物を全く使っていない純正の本物のモルタデッラで、現地でも丁寧に扱われ、一目置かれる逸品である。

いつもいつも、香りが本当に素晴らしい。

4)状態を変えて魅力を引き出します
熱々のお皿の上に載せて饗していただくごく薄いモルタデッラ。瞬時の香りの変化を愉しむ逸品である。3つ数えたうえで、すべてを横から小さいフォークで掬い取っていただく。心地よい香りがふわりと舞う。

10.トスカーナ チンタゼネーゼ黒豚 背脂 塩漬け生ハム "ラルド"
5)茴香(フェンネル)との組み合わせ
イタリア野菜はこの時期最強の濃密な香りと味わいの茴香(フェンネル)である。蕪の部分を串切りにしてオーブンでじっくりとローストしたもの。余分な水分や雑味がすっかり抜けていて、フェンネルの香りと味わいの塊と化している。冒頭に記したようにこの一皿は素晴らしい出来栄えであった。

6)自家製平焼きパン "チャパッタ"との組み合わせ
北海道の"春よ来い"という小麦を100%使って焼いた焼きたての"チャパッタ"。先ほどのパスタ同様、最高の小麦の自然の旨みと甘みを感じることができる。有機栽培をして作られた小麦である。

チンタゼネーゼ黒豚のラルドは、豚肉の脂だけれど、味わってみると思わず豚肉に存在しもしない"豚の白身"とでも呼びたくなるような旨みと甘みを備えた食材である。この滑らかな食材と焼きたての"チャパッタ"の合わせを愉しむ。北イタリア、ピエモンテの白ワインビネガーを振りかけてバランスが取られている。

11.パルマのランギラーノの山のふもとのフェリーノ村特産の"サラーメ・フェリーノ"
塩味が穏やか。キレイな味わいのサラミである。久しぶりにペレグリーノでサルミを愉しむ。

12.エミリアロマーニャ パルマ産 "プロシュート・ディ・パルマ"
7)長期熟成の味わいを切り分けただけで
30か月熟成のもの。まずはそのままで。第2部が進むほどにどんどん生ハムが成熟してくる。薄い一片が重さを感じるほどに舌先に纏わりつく。

8)パルマでの組み合わせで
"トルタ・フリッタ"と合わせていただく。これは定番。わたしは、シェフのこの揚物"トルタ・フリッタ"が大好物だ。軽やかだけれど香ばしいものでこれ以上のものがあるだろうか!そこに熟成"プロシュート・ディ・パルマ"が纏わりつく。

13.イタリアの生ハムの王様 パルマ ジベッロ村の"クラテッロ ディ ジベッロ"
現地でも稀少なものである。"クラテッロ ネロ"。lこれは、生ハムの王者。"プロシュート・ディ・パルマ"を超える、酔いが回るような豪奢な旨みがあるのだ。その日、幸運にもメニューに乗っていたなら、追加料金を払ってでも絶対的に頼むべき逸品である!チャンスがあれば、ぜひご賞味いただきたい!

◇第3部 デザート
14.出来立ての練りたてジェラート "ジェラート フィオーレ ディ ラテ"
ふんわりとした空気を含んだ仕上がりになっている。最高のジェラートの香りが口中に立ち籠める。添え物はあえて横においてある。初めはジェラート単体でいただき、最後にヘーゼルナッツを混ぜていただく。

これで本日の一通りとなる。

赤甘鯛や生ハムといった高級食材も問答無用で素晴らしいが、それに加えてペレグリーノは、野菜や、小麦といった、一見凡庸な素材の旨さの引き出し方に、非凡なものがきらりと光る。このレストランは、食材を使って何かを派手に語ろうとするのではなく、何を語らずにおくかを知っている創造的な寡黙さが生きられているレストランだ。

  • ペレグリーノ - めん棒でのばす手打ちパスタ 熊本天草より紫うにと共に

    めん棒でのばす手打ちパスタ 熊本天草より紫うにと共に

  • ペレグリーノ - カーチョーフィ・イン・ウーミド(アーティチョークの軽い煮込み)

    カーチョーフィ・イン・ウーミド(アーティチョークの軽い煮込み)

  • ペレグリーノ - 太刀魚の炭火焼、加茂茄子

    太刀魚の炭火焼、加茂茄子

  • ペレグリーノ - 赤甘鯛の"アルフォルノ(オーブン焼き)"、アスパラソバージュ添え、"サルサ アチド"(酸味のソース)

    赤甘鯛の"アルフォルノ(オーブン焼き)"、アスパラソバージュ添え、"サルサ アチド"(酸味のソース)

  • ペレグリーノ - 牡丹海老の低温ロースト 花ズッキーニとズッキーニのピュレア添え

    牡丹海老の低温ロースト 花ズッキーニとズッキーニのピュレア添え

  • ペレグリーノ - ドイツ産ホワイトアスパラガスの紀州備長炭火焼き 長期熟成された伝統的なモデナ産バスサミコ添え

    ドイツ産ホワイトアスパラガスの紀州備長炭火焼き 長期熟成された伝統的なモデナ産バスサミコ添え

  • ペレグリーノ - エミリアロマーニャ パルマ産 "プロシュート・ディ・パルマ"

    エミリアロマーニャ パルマ産 "プロシュート・ディ・パルマ"

  • ペレグリーノ - イタリアの生ハムの王様 パルマ ジベッロ村の"クラテッロ ディ ジベッロ"

    イタリアの生ハムの王様 パルマ ジベッロ村の"クラテッロ ディ ジベッロ"

  • ペレグリーノ - PELLEGRINO

    PELLEGRINO

  • ペレグリーノ - PELLEGRINO

    PELLEGRINO

  • ペレグリーノ - PELLEGRINO

    PELLEGRINO

  • ペレグリーノ - 最初の一品を用意する高橋シェフ

    最初の一品を用意する高橋シェフ

  • ペレグリーノ - 長野県産伊那産ぎたろう軍鶏を丸ごと一羽煮出した "ブロート"

    長野県産伊那産ぎたろう軍鶏を丸ごと一羽煮出した "ブロート"

  • ペレグリーノ - 牡丹海老の低温ロースト 花ズッキーニとズッキーニのピュレア添え

    牡丹海老の低温ロースト 花ズッキーニとズッキーニのピュレア添え

  • ペレグリーノ - 太刀魚の炭火焼、加茂茄子

    太刀魚の炭火焼、加茂茄子

  • ペレグリーノ - カーチョーフィ・イン・ウーミド(アーティチョークの軽い煮込み)

    カーチョーフィ・イン・ウーミド(アーティチョークの軽い煮込み)

  • ペレグリーノ - 赤甘鯛の"アルフォルノ(オーブン焼き)"、アスパラソバージュ添え、"サルサ アチド"(酸味のソース)

    赤甘鯛の"アルフォルノ(オーブン焼き)"、アスパラソバージュ添え、"サルサ アチド"(酸味のソース)

  • ペレグリーノ - めん棒でのばす手打ちパスタ

    めん棒でのばす手打ちパスタ

  • ペレグリーノ - めん棒でのばす手打ちパスタ 熊本天草より紫うにと共に

    めん棒でのばす手打ちパスタ 熊本天草より紫うにと共に

  • ペレグリーノ - ドイツ産ホワイトアスパラガスの紀州備長炭火焼き 長期熟成された伝統的なモデナ産バスサミコ添え

    ドイツ産ホワイトアスパラガスの紀州備長炭火焼き 長期熟成された伝統的なモデナ産バスサミコ添え

  • ペレグリーノ - 先ずは極く薄くスライスしたものをフラットにそのままに

    先ずは極く薄くスライスしたものをフラットにそのままに

  • ペレグリーノ - 異素材と組み合わせてより魅力を引き出します

    異素材と組み合わせてより魅力を引き出します

  • ペレグリーノ - 香りと余韻を楽しむ食べ方をします

    香りと余韻を楽しむ食べ方をします

  • ペレグリーノ - 状態を変えて魅力を引き出します

    状態を変えて魅力を引き出します

  • ペレグリーノ - 茴香(フェンネル)との組み合わせ

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  • ペレグリーノ - 自家製平焼きパン "チャパッタ"との組み合わせ

    自家製平焼きパン "チャパッタ"との組み合わせ

  • ペレグリーノ - 自家製平焼きパン "チャパッタ"との組み合わせ

    自家製平焼きパン "チャパッタ"との組み合わせ

  • ペレグリーノ - パルマのランギラーノの山のふもとのフェリーノ村特産の"サラーメ・フェリーノ"

    パルマのランギラーノの山のふもとのフェリーノ村特産の"サラーメ・フェリーノ"

  • ペレグリーノ - 長期熟成の味わいを切り分けただけで

    長期熟成の味わいを切り分けただけで

  • ペレグリーノ - パルマでの組み合わせで

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  • ペレグリーノ - イタリアの生ハムの王様 パルマ ジベッロ村の"クラテッロ ディ ジベッロ"

    イタリアの生ハムの王様 パルマ ジベッロ村の"クラテッロ ディ ジベッロ"

  • ペレグリーノ - 出来立ての練りたてジェラート "ジェラート フィオーレ ディ ラテ"

    出来立ての練りたてジェラート "ジェラート フィオーレ ディ ラテ"

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2020/12訪問10回目

4.9

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気4.9
  • CP4.9
  • 酒・ドリンク4.9
¥50,000~¥59,9991人

ダ・ヴィンチの晩餐のように...「ペレグリーノ」、この食卓の風景が感動的でなくしてなんであろう

ペレグリーノの食卓は物静かに進む。...まず、わたくしも含め、ほとんどの食べ手はもれなく、このレストランへの訪問がかなった悦びに胸膨らませて、一列に並んだ白い食卓に着席することになる。まるでダ・ヴィンチの晩餐に招かれた使徒たちのように...

そして戸外から持ち込んだ興奮を、ようやく胸元に呑み込んだくらいのタイミングで、至上のブロートが饗される。食卓の面々はまず、この一品に優しく慰められながら、胸元深く呑み込んだ興奮を徐々に解きほぐしていく。そしてその後は、選び抜かれたお魚とお肉の素晴らしい料理の連綿が続き、さらに2部において名高い生ハムの極上の連なりをシャワーのように浴び続けていくことになる...


この料理の組み立てと、料理と料理の間に差し込まれる高橋シェフの前のめり感のない料理の説明に耳朶を委ねていると、ついうっかり、ああ、ペレグリーノにやってきたという自堕落な安堵感にぬくぬくと居座りたい感覚が鎌首をもたげてくる。しかしでも、実際に饗される1品1品と正面から向き合ってみると、その安堵感に浸ることが、はしたなくも貧しい振る舞いであることがハッキリする。

というのも、仮に"自分が知っているペレグリーノ"なるものがあったとして、その傍らに、今こうしてライブで饗されているペレグリーノの1品1品を並べてみると、それが、自分が知っているペレグリーノ的なものにちっとも似てくれないからなのだ。

ブロートからはじまり、コース仕立ての第1部と生ハムメインの第2部の2部構成という大雑把な要約に対して、ライブで味わうペレグリーノは、そんな要約には収まりが付かない豊かな饗応の場としてひとのこころを震わせてくる。そしてそれがペレグリーノの最大の魅力である。では、それは具体的にどういうことなのか...

...たとえば、今、テーブルクロスの上に、茹で上げたばかりのシンプルなパスタと一杯のグラスワインが饗されているとする。

なまじ知識があると、これは、綿棒で延ばして、包丁を使って手動で切り分け、パスタと粉の風味を最大限に引き出したペレグリーノの定番パスタに違いないだろう...とすると本日これに合わせるワインもまた、かつて味わったことのあるあの芳醇なシャブリなるのだろうか...などとイメージを先行させた先読みをしてしまう。

しかしでも、実際にテーブルの上に置かれる本日のワインは、北イタリアのピエモンテのネッビオーロを使ったバローロ。しかも、バローロの中でも、ジュゼッペ・リナルディというピエモンテ地区を代表する名門の作り手のものだ。うむ。どうやらここまでの展開ですでに、さきほどの先読みが、自分勝手な勇み足であったことを受け入れざるを得ない状況に陥ってしまっているようだ...そしてさらにそれに追い打ちをかけるように、本日シェフは手切りではなくパスタマシンを使って、麺を切り分けている...果たしてこれはどういうことか。

そんな内心のざわつきと共に、いったん、この一皿のイメージを宙につったまま、高橋シェフの料理のご説明に耳を傾けつつ、饗されたパスタの一皿と、バルバレスコの一杯をゆっくりと味わっていく...と、次第次第に本日の趣向が雪が解けるように明らかになっていく。

...時節柄、本日のパスタは、芳醇な白トリュフを添えたものである。とすると、そもそも白トリュフ自体、香りが強い食材なので、そこにさらに手打ちでパスタの風味を立たせて、トリュフとパスタの良さがぶつかって、一皿の主張がぼやけることだけは避けたい。...であれば、今回のパスタは、手切りでパスタの凹凸を際立たせるのではなく、パスタマシンでさっぱり立体的に仕立てるのが正しいやり方だろう。では、これに合わせるワインはどうするか。

自己主張を抑え、さっぱりと仕上げた端正なパスタは、必然的にトリュフとパルミジャーノ・レッジャーノの存在感を際立たせるものになるだろうから、味わい、香りともに綺麗なシャブリを合わせるより、タンニンを感じさせるバルバレスコを太く合わせて、主張のある食材たちを、赤の深みのある滋味で懐深く受け止めてもら方が正しいやり方に違いない...

アルドコンテルノのシャブリは、確かに非常にリッチで活力がある。でも、なるほど、そう考えると、今日のパスタには、アルコンより、ときに"退廃した土"などと表現されることもある、石灰質感、粘土質感を感じさせるバローロを合わせる方が、白トリュフの強い存在感と似た者同士のような相性のよさを演じたててくれるに違いない...

こんなふうに、脳内に打ち寄せては引き、引いては打ち寄せる言葉たちのさざめきに耳を傾けながら、このパスタとバローロのマリアージュが演じたてる不意撃ちを、全身で受け止めるこの一瞬の躍動感がたまらない!それはまるで、ベースボールの好カードの息詰まる展開を、手に汗握って観戦している時に感じる高揚感にも似ているのだ!

...さて、「ペレグリーノ」というレストランがなぜ感動的なのか、と改めて自問してみる。

それは過去に口にしたはずのシンプルなパスタとワインの組み合わせが、目の前の料理を口にした途端、過去のイメージをするりとすり抜け、白トリュフとバローロが演じたてる石灰質と土くれとの、綺麗という表現ではとても収まりがつかない美しい組み合わせに姿を変えてしまっている、そのしなやかな変貌ぶりにこそある。そしてそこに無粋でくだくだしい説明はまったくないのもまた素晴らしいのだ。

...そもそも「ペレグリーノ」では、一皿に多くの食材を盛るということはない。また、見たこともない調理法を駆使したり、今まで扱ったことのない食材を果敢に取り入れて新規性を追求するという肩に力の入った姿勢もみられない。そういう意味でいうとペレグリーノが好む食材というのは、ある程度限られているといえなくもない。でも、季節とその日の湿度を見て扱う食材の産地を変えたり、食材の組み合わせや火入れや調理の匙加減を微妙に操って、毎回これまで見たことのない食卓の風景を、食べ手の目の前に見事な手際で繰り広げてくれる。それが、このペレグリーノというレストランの素晴らしさなのだ。

2020年12月19日(土)。本日は、そのペレグリーノ醍醐味に照明をあててレビューしてみたい。一見完成されているように見えるペレグリーノが、毎回豊かに不断の"再生"を生き続けていることにフォーカスして、以下出来るだけ丁寧にレビューを書き進めて見たいのだ。

◇第1部 季節の食材をふんだんに取り入れたコース
1.【初めの料理】長野県産伊那産ぎたろう軍鶏を丸ごと一羽煮出した "ブロート"
さあ、まずは冒頭で若干触れた1品目の珠玉のブロートだ。

澄み切ったブロート。水と身ごとまるごとの軍鶏だけを塩も入れずに、一度も沸騰させないで、延べ24時間火入れして旨みを抽出したものです、と冒頭にシェフからご説明がある。そして火入れのあと、スープを綿で優しく濾して、冷ましてから、もう一度土鍋にとって、優しく香りが飛ばないように火入れしているとのことだ。さらに今日は寒いのであえて80度まで温度を上げて、最後に少し塩を入れて味を整えて饗しているとのことである。

このブロートは、ペレグリーノの定番といってもよいくらいの一品だけれど、しかしでも、今しがたさらっとメモした、"長野県産伊那産ぎたろう軍鶏"や、"24時間"というキーワードは、実は毎回、ペレグリーノの工夫の坩堝の中で、流動的なキーワードなのである。

たったカップ一杯のブロートだけれど、食材と調理技術を、毎回細かく微調整して、安定ではなく"再生"を追求するシェフの指先の妙が冴え渡る逸品であるという意味で、これはペレグリーノの定番料理である。

...そして、ブロートを半分くらい飲み干したところで、シェフがブロートの中にトリュフをスライスしてくださる。糸を引くような鶏の美しい余韻を、トリュフの太い香りが包み込み、円柱形の小さなカップの薄い飲み口を色濃く太く縁どっていく。

2.【前菜】京都より 鱸の紀州備長炭火焼 根セロリのピュレアと共に
2週間寝かせた京都産の5.6kgの鱸。...しかしでも、シェフが炭火に当てている時点で漂ってくる鱸の力強い香りはどうだろう!はちきれんばかりにイキのよい鱸だ。

饗された一皿の鱸はミディアムレアな仕上げ。そしてお魚に寄り添うように青森県産のセロリを水と塩だけで柔らかく煮て、ピューレ状に滑らかにしたピュレアが添えられ、そこにイタリア産のラ・ロッカ ガエタオリーブがごろりと朴訥によりそっている。さらに、その奥手には、北イタリアのベネト産の良質なオリーブオイルが多めに添えてある。

ペレグリーノの魚料理は(この後の白甘鯛もそうだけれど)、とにかく素晴らしい。最上級のお鮨屋さんに匹敵するくらい、魚が香りのものであることを実感させてくれるのが、ペレグリーノの魚料理である。

3.【白トリュフを感じる料理】フランス産鴨フォアグラの"ティエピド" 徳島鳴門里浦町より"里むすめ"との組み合わせ、白トリュフと共に
ここで、イタリアの三大シャルドネ、アルドコンテルノのシャルドネ・ブッシアドール。

お料理の方は、ペレグリーノが移転前から作り続け、毎年少しずつマイナー・バージョンアップをかけ続けている一品。フランス産の鴨フォアグラのテリーヌ。フォアグラは、実に良質な香り高いフォアグラである。
そのフォアグラの下には、徳島県、鳴門市里浦町からの"里むすめ"を熱々にローストして、皮を剥いたものを載せている。いま徐々にフォアグラに芋の熱がじんわりと伝わっているところだ。

そして、上には、やや存在感がある厚さで大ぶりなスライスしたトリュフが3枚ほどのっている。

上からスッと小さいバターナイフで刃を入れて、フォークでトリュフ、フォアグラ、芋を包み込んでいただく。芋の熱が通ったフォアグラと、上に乗った白トリュフの食感を同時に愉しむ。トリュフは、薄く細かく削ったときの立ち騒ぐような華やぎは影をひそめ、静かでしっとりと湿り気を帯びた面持ちだ。フォアグラは塩だけで火入れしてテリーヌにしたもの。ピュアだけど、しっかりと味がある。

"里むすめ"の自然の甘さが包みこむこの湿り気を帯びた艶のある逸品を、シャブリの豊かなミネラル感で味わう至福...素晴らしい。

4.【魚料理】熊本天草より 白甘鯛、北海道産無農薬のポロ葱との組み合わせ
甘鯛は、レンゲですっと入るくらいの柔らかさである。そしてポロ葱。うん、この葱はかなり存在感がある。そしてフルーツトマトの酸味がアクセントになっている。葱の強い甘さと、"清澄"という言葉を汲み上げたような甘鯛の味わいのマリアージュを、聞き耳を澄ますようにゆっくりと愉しむ。

ポロ葱は塩と水でじっくりと炊いて、葱の甘さを引き出した後に、鍋に水分を足してあたためて、蒸気が出始めたあたりで、魚と合わせて葱の出汁で仕上げているそうだ。

これは旨味の塊のような逸品である。熊本天草で上がる甘鯛は脂がのっているので、最後にイタリアの白ワインビネガーを少し入れて、味を締めてバランスを取っているとのこと。まさに、九州は食材の宝庫だ。

5.【パスタ料理】手打ちパスタ "タリオリーニ" ピエモンテ アルバの白トリュフと共にシンプルな仕立てで
ここで、最前レビューした素晴らしいパスタが饗される。

6.【旬料理】鹿児島より網どりされた真鴨雌のブラーチェ(炙り焼き)、イタリア産アーティチョーク、北イタリア伝統のサルサヴェルデと共に
ここにも、本日のペレグリーノの工夫が冴えわたっている。今回は、生ハムのコース内容とのバランスを考え、肉料理は通常より1品多い組み立て(鴨ジビエと牛フィレ)となっている。(本日は珍しくクラテッロ・ジベッロの入荷がないとのことだ)

まずは最初の鴨の一品が饗される。鴨は鹿児島県産の網撮りされた雌の真鴨である。食材のレベルとしては一級品である。その炙り焼きにイタリア産のこの時期一番灰汁が少ないアーティチョークを、なにもマスキングせずにピュアに鍋で乾煎りしたものを合わせ、さらに北イタリア伝統のパセリベースのサルサヴェルデを添えている。

乾煎りしたアーティチョークはまるで茹でたての枝豆みたいにふくよかで香ばしい。そして、問題の真鴨のブラーチェだ。わたくしは鴨の炙り焼きで、ペレグリーノの右に出る店を知らない。ジューシーに仕上げる絶妙な火入れで、まるで飲み物のような艶やかさがあるのだけれど、本日の鴨の火入れは少し違う。

ジューシーさより、鴨の野趣あふれる鶏の主張の方が強いのだ。皮目にいつもより強く火入れすることによって、焔立つような鴨本来の存在感が押し寄せてくる。そしてそのジビエの野趣ともいうべき香りの周辺を、枝豆のようなアーティチョークの香りが立ち騒ぐ、そんな一皿である。

このジビエ本来の薫香を立たせた工夫がどんな意味を持っているか、次の牛フィレの炭火備長ん焼きをいただくことによって、明らかになる。

7.【肉料理】熊本和牛フィレ肉の紀州備長炭火焼き、宮城産 旬のイタリア野菜 ブンタレッレのインサラータ添え
熊本で育てられたA5ランクの黒毛和牛。赤牛ではない。どのくらい赤身の質が良いかを業者と細かく打ち合わせて仕入れたものとのことだ。紀州備長炭炭火焼き。付け合わせは、宮城県産イタリア野菜、プンタレッレのサラダ仕立て。

肉には特製のソースを焚きつけながら焼いているので、一皿に仕立てるにあたって別途ソースを添えることなく、代わりに少しだけのアクセントとして、台湾の先住民が山で昔から栽培している山の胡椒マーガオが皿に散らされている。

牛フィレは炭で燻された炭火焼独特の香りを纏っていて香ばしい。藁のコーティングではなく、あくまで炭である。火入れの際に、焼き台の狭間から真っ赤な炭にこぼれて、炭の表面で焼かれた香ばしい肉の脂の香りが、再び炭熱と共に上昇し、焼き台の上の牛フィレを包み込んで肉の薫香をさらに豊饒なものとする。これこそ炭火焼の醍醐味だ。

炭火でコーティングされた牛フィレ肉を一口頬張ると、牛フィレそのものの旨みと香りで口腔が溢れかえる。

先ほどの鴨、そしてこの牛フィレと、肉としての存在感を際立たせた今回の組み合わせの工夫が面白い。いつもより少し火入れを強くした鴨と、牛フィレの備長炭焼きと合わせることにより、鳥と牛という2種の肉のタイプの違いを愉しんでもらおうといういつものペレグリーノとは少し違った趣向である。まためぐり合う可能性があるとは断言できない、今日この日のペレグリーノの工夫(ファインプレー)に心が震える。

さぁ、ここから以下がお待ちかねの第2部である!

◇第2部 店内中央の手動生ハムスライサーにて最適な状態でサーブする生ハムのバリエーションを順番に
8.北イタリア フリウリ・ヴェネチア・ジューリア州 サンダニエーレ産の"プロシュート" ※質感、食感、味わいの楽しみ
味が淡いものから順次濃いものを饗していくのがペレグリーノの生ハムコースのスタイルである。
最初は、味の繊細な"プロシュート"。22か月熟成のものになる。ペレグリーノでは若い部類に属するけれども、作り手が北イタリアのサンダニエーレ産の生ハムで、あんまり熟成に塩を使わないで仕上げているので、22か月と若くても、パルマのプロシュートと比較して柔らかい味わいのものになるとのご説明がある。

こちらを、3度にわけていただく。まず第1周目。こちらはごく薄く切ったものを、できるだけ熱を伝えないよう、手の甲で受け止めて、間を置かず即座に味わってもらうようシェフからご案内がある。一口でいただくと、雪のように淡く、くちどけがよくて、最後にハムの香りが舌先にほんの少し残って消える。美しい。

続いて第2周目。今度は、同じ薄さのものをちょっとに変化をつけていただく。一般的にオリーブオイル・テイスティングをするときは、手をお皿に見立て、少し手を揉んで掌に熱を持たせたところにオイルを1滴載せて、手にうっすらオイルを馴染ませてからテイスティングする。この2周目は、そのオリーブオイル・テイスティングの要領で、軽く熱を持たせた掌の方で生ハムを受け止めて、少し時間をおいてからいただく。先ほどと比較して、香りといい味わいといい、ハムそのものの存在感がずしりと豊かに花開いたように感じる。

この手の甲と掌と両方を使い分けた生ハムのいただき方にも、ペレグリーノの工夫がある。手の甲で受け止めた方は、生ハムの純粋な風味を損なわないよう、手の熱を伝えない工夫が感じられるし、掌で受け止めた方は、まるでおにぎりみたいに、たなごごろのやさしさを生ハムに通わせる工夫が感じられる。

最後には、小さなココットで炊きあがったばかりのお米と"プロシュート"をお鮨のように巻いた一品。お米は、今、火から外したばかりで蒸らしもなにもしていない。だから、外側は少し粘り気があって、中心はまだ歯ごたえを感じるような仕上がりになっている。イタリア料理のリゾットのような感覚で味わえる一品だ。お米は遠野4号。昔から品種改良を施していないお米である。

米自体の旨さ、そしてしっとりとしたリゾット感を、"プロシュート"が極上の質感と香りで包み込む。この3回の工夫によって、たったひとつの"プロシュート"が、クレッシェンドのような音階の高まりを見せながら食べ手を包み込んでいくのだ。

9.ボローニャ特産 "モルタデッラ"
ペレグリーノの"モルタデッラ"は絶品である。旨みが詰まっていて素晴らしい。化学調味料が一切入っていないのも特徴だ。ソーセージの最高峰といってもよいこの逸品を掌でいただく。これにはランブルスコ!といいたいところだけれど、昨今なかなかいいものが入らないそうだ。でもやはり"モルタデッラ"に相性のよい良質な美発砲のワインをあわせていただく。

続いては、トリュフを"モルタデッラ"で巻き込んだものがサーブされる。一口で口に含むと、"モルタデッラ"の最上のソーセージの香りの後を追いかけるようにして、トリュフの香りが追いかけてくる。本日のトリュフは圧倒的に香りが強い。

10.トスカーナ産の チンタセネーゼ黒豚の"ラルド"
黒豚の脂身であるけれど、こんなに美しい脂身をいただけるのはペレグリーノだけである。脂というより、白身のような透明感と味わいの奥行きがあるのだ。

11.トスカーナ コロンターナ村の 豚頬肉の生ハム "グアンチャーレ" ※リグーリアでの定義に基づいて作られた、フォカッチャに乗せて
2種類の"グアンチャーレ"のフォカッチャのせ。
フォカッチャはリグーリアでの定義に基づいて作られた、焼きあがったばかりの自家製フォカッチャだ。ペレグリーノでは、インカの眼覚めをふんだんに練りこんだ甘みの立ったフォカッチャを作る。ここに2種類の"グアンチャーレ"をあわせていただく。

ひとつは、脂と赤身が夾雑した、また先ほどの"ラルド"と違った食感・脂の溶け具合の"グアンチャーレ"。少し茜射す美しい"グアンチャーレ"だ。仄かに豚の赤身を感じさせる一品である。

もうひとつは、中部イタリアトスカーナの白豚の頬肉の生ハムの"グアンチャーレ"。これはとろけるように自家製フォカッチャの香ばしさととまぐわう。

12.エミリアロマーニャ パルマ産"プロシュート・ディ・パルマ"※パルマでの組み合わせで
36か月熟成のプロシュート・ディ・パルマと揚げパイのトルタフリッタの組み合わせ。空気を包み込んだフリッタの薄さが引き立たせる小麦粉の香ばしい風味。そこにふわりと最高の生ハム。

13.フィナーレ 出来立て 練りたて 濃縮ミルクのジェラート "ジェラート フィオーレ ディ ラテ" 秋の特選の組み合わせで
白いジェラートの山の上にふんだんに栗を組み合わせたモンテ・ビアンコ。モンテ・ビアンコ=モンブランはもともと白い山という意味。9月末に収穫した栗を長野小布施で低温の熟成庫で1か月以上寝かせて糖度をましたものをオーブンでじっくり3時間火入れして、自然の栗の旨みだけをだしたもの。砂糖は一切加えていない。

栗をたっぷりとのせている。栗の風味が素晴らしい。ペレグリーノのドルチェは一級品である。

これで本日は一通りとなる。...これがペレグリーノの食卓の風景である。少し長いレビューになってしまったけれど、もし仮にほんの少しでもこのレストランの素晴らしさがお伝えできたなら幸いである。大げさでもなんでもなく、このレストランのレビューを書かせていただくことはわたくしの生きることの悦びのひとつであるのだから。

  • ペレグリーノ - 【魚料理】熊本天草より 白甘鯛、北海道産無農薬のポロ葱との組み合わせ

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  • ペレグリーノ - 【白トリュフを感じる料理】フランス産鴨フォアグラの"ティエピド" 徳島鳴門里浦町より"里むすめ"との組み合わせ、白トリュフと共に

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  • ペレグリーノ - 北イタリア フリウリ・ヴェネチア・ジューリア州 サンダニエーレ産の"プロシュート" ※質感、食感、味わいの楽しみ

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  • ペレグリーノ - エミリアロマーニャ パルマ産"プロシュート・ディ・パルマ"※パルマでの組み合わせで

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  • ペレグリーノ - 【パスタ料理】手打ちパスタ "タリオリーニ" ピエモンテ アルバの白トリュフと共にシンプルな仕立てで

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  • ペレグリーノ - 本日のパスタマシンを使って切り分けたパスタ

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  • ペレグリーノ - これが以前饗していただいた手切りで切り分けた香り立つパスタ

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  • ペレグリーノ - ペレグリーノ

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  • ペレグリーノ - 【初めの料理】長野県産伊那産ぎたろう軍鶏を丸ごと一羽煮出した "ブロート"

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  • ペレグリーノ - 本日の手打ちパスタ

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  • ペレグリーノ - 本日のパスタマシンを使って切り分けたパスタ

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  • ペレグリーノ - 【パスタ料理】手打ちパスタ "タリオリーニ" ピエモンテ アルバの白トリュフと共にシンプルな仕立てで

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  • ペレグリーノ - 【旬料理】鹿児島より網どりされた真鴨雌のブラーチェ(炙り焼き)、イタリア産アーティチョーク、北イタリア伝統のサルサヴェルデと共に

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  • ペレグリーノ - 【肉料理】熊本和牛フィレ肉の紀州備長炭火焼き、宮城産 旬のイタリア野菜 ブンタレッレのインサラータ添え

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  • ペレグリーノ - 北イタリア フリウリ・ヴェネチア・ジューリア州 サンダニエーレ産の"プロシュート" ※質感、食感、味わいの楽しみ

    北イタリア フリウリ・ヴェネチア・ジューリア州 サンダニエーレ産の"プロシュート" ※質感、食感、味わいの楽しみ

  • ペレグリーノ - 北イタリア フリウリ・ヴェネチア・ジューリア州 サンダニエーレ産の"プロシュート" ※質感、食感、味わいの楽しみ

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  • ペレグリーノ - ボローニャ特産 "モルタデッラ"

    ボローニャ特産 "モルタデッラ"

  • ペレグリーノ - ボローニャ特産 "モルタデッラ"

    ボローニャ特産 "モルタデッラ"

  • ペレグリーノ - トスカーナ産の チンタセネーゼ黒豚の"ラルド"

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  • ペレグリーノ - トスカーナ コロンターナ村の "グアンチャーレ" 

    トスカーナ コロンターナ村の "グアンチャーレ" 

  • ペレグリーノ - トスカーナ コロンターナ村の "グアンチャーレ" 

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  • ペレグリーノ - エミリアロマーニャ パルマ産"プロシュート・ディ・パルマ"※パルマでの組み合わせで

    エミリアロマーニャ パルマ産"プロシュート・ディ・パルマ"※パルマでの組み合わせで

  • ペレグリーノ - エミリアロマーニャ パルマ産"プロシュート・ディ・パルマ"※パルマでの組み合わせで

    エミリアロマーニャ パルマ産"プロシュート・ディ・パルマ"※パルマでの組み合わせで

  • ペレグリーノ - フィナーレ 出来立て 練りたて 濃縮ミルクのジェラート "ジェラート フィオーレ ディ ラテ" 秋の特選の組み合わせで

    フィナーレ 出来立て 練りたて 濃縮ミルクのジェラート "ジェラート フィオーレ ディ ラテ" 秋の特選の組み合わせで

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2020/07訪問9回目

4.9

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気4.9
  • CP4.9
  • 酒・ドリンク4.9
¥50,000~¥59,9991人

珠玉の料理に深く心うたれる...「ペレグリーノ」、初の"昼ペレ"の破壊力がとにかく凄かった!

毎回襟を正して身構えていっても、実際卓について料理を口にした途端、あっという間に武装を解かれ、至福の時空へと連れて行かれてしまう珠玉のレストランというものが存在する。

わたしにとって、それが「ペレグリーノ」である。「ペレグリーノ」で過ごすひととき。...それは、幾重もの手間ひまからこぼれ落ちた最高の食材の旨味を、数時間かけてゆったりと受け入れる実に優雅な時間なのだ。


2020年7月14日(火)12:00。素晴らしかった初の"昼ペレ"の体験について、以下できるだけ詳細に書き綴っていきたい。

◇第1部 季節の食材をふんだんに取り入れたコース
1.【ちいさな一品】長野県産伊那産ぎたろう軍鶏を丸ごと一羽煮出した "ブロート"
長野県産の"ぎたろう軍鶏"という旨みの強い軍鶏。水と軍鶏だけで、一度も沸騰させることなく30時間以上煮た、澄んだ味わいのスープだ。こちらを、味と香りが壊れない60度に保って丁寧に饗していただく

...美味しい。ふわりと鼻先に良質な香りが漂ったかと思うと、スープが岩に沁み入る清水のように、すーっと喉元から胃の腑へと落ちていく。一片のササクレもない美しい逸品だ。

2.【メニューにない素敵な逸品】北海道の噴火湾で定置網で獲れた生の鮪
生の鮪。ぽつんと添えられているソースは北イタリア伝統のパセリを主体として酸味を効かせた"サルサヴェルデ"。ソースはほんの少量だけ添えられ、鮪の甘みの強い部分を引き立たせる工夫がなされている

もうひとつの分厚めの切りつけは、"かま"と"トロ"の間の身のしまった部位。これは、ソースをつけずにそのままいただく。
この小さな一片(ひとひら)で、赤身と脂が、手を取りあって鮪の旨味を謳いあげている

...ちなみに「ペレグリーノ」のカトラリー(対象はスプーンとフォーク)は、すべて琺瑯(ほうろう)の誂えとなっている。金物ではなく、琺瑯(焼き物)を使うことで、食材の味や風味に微細な金気臭が移ることがないようにとの配慮である。

3.【季節の前菜】長崎壱岐の赤うに、自家製のライ麦パンとの組み合わせ
焼きあがったばかりのライ麦パン。赤うには、メニュー表記は"長崎壱岐"となっているが、今朝の仕込みのときの目利きで、より旨みが強い"佐賀唐津"のものに差し替えられている。嬉しい配慮だ。

赤うには、茜射す夕陽の色調を帯びていて、こってりと濃厚な味わいがある。そしてその後味は、消え入りそうな渋みがいつまでも舌に残る最高級品である。こういうものに触れると、海苔など余計なものと合わせてしまう愚をひしひしと感じる。

4.【季節の料理】福井より 黒鮑のロースト、鮑の肝とネッビオーロのピュレア、バジリコ風味
福井県の黒鮑。肉厚のものを選んでいるけれど、かまぼこのような蒸した歯切れのよい食感はない。限りなく生に近いものをフライパンでシンプルにバターでソテーしたものである。

噛み締めるたびに、濃縮した牛乳を、潮の香りで包み込んだような風味が口中に広がる。肝の滋味との相性は抜群である。そこにイタリア産のズッキーニと小さなバジルがアクセントとして添えられている。

5.【イタリア料理】愛媛宇和島より脂の乗った白甘鯛の紀州備長炭火焼き イタリア産カルチョーフィのブラッザート添え
ミディアムの火入れ。香りが高く旨味がパチッと決まっている。この料理も見事なまでに無駄な付け足しがないまさに、ここしかないという着地点で繊細に震えるような感度を食べ手に伝えてくる高橋シェフの白身魚の凄さは常に進化を続けている

6.【野菜料理】京都産赤万願寺とうがらしのペペロナータ、北海道産のフレッシュリコッタと共に
ここで、メニューの入れ替えがある。メニュー上、次はパスタの順番なのだけれど、その後にラインアップされている野菜料理と順番が入れ替えられる

...「ペレグリーノ」にお伺いすると、毎回、シェフにワインペアリングをお願いするのだけれど、時に、ライブならではの意想外の偏差が生まれることがある...

饗されるワインの進み具合によって料理の相性との間に微妙な誤差が生まれ、メニューのラインナップに微妙な揺さぶりがかかるというわけだ。

これは、まるでジャズ・セッションみたいに、音が微妙にずれて、いつしか計算されていない即興プレーに入り込んでいく躍動感にも似ている。これも「ペレグリーノ」の醍醐味のひとつだ

...この日、この6品目を饗するタイミングで饗されたのは、バルバレスコ。ブドウ品種は、バローロと同じネッビオーロであるけれど、バローロが丸みがあるのに対して、バルバレスコはとてもエレガントこれは、パスタよりも野菜料理の方が相性がよいということで、素早くメニューを入れ替えたというわけだ

この野菜料理は、きわめてシンプルな料理。11月くらいまでが旬の京都産の完熟した赤万願寺唐辛子。色鮮やかである。苦みも辛味もない。これを、極低温のオーブンで、焼きの香りが付かないように細心の注意を払って1時間強焼き上げる

赤万願寺唐辛子そのものの旨みを出そうとする「ペレグリーノ」の工夫である。これに、北海道のフレッシュリコッタと少量のフランスの塩をシンプルに合わせている

赤万願寺唐辛子は優しく甘い。これにフレッシュリコッタの獲れたてのような瑞々しさが、一皿を驚くほどさわやかにまとめ上げる。バルバレスコのエレガントさと相俟って、的確なメニューの入れ替えに改めて舌を巻く

7.【パスタ料理】手打ちのパスタ ごくシンプルなブッロ・エ・パルミジャーノ和え
...今回、この一品がとにかく凄かった!

一言でいうと、パスタの原点ともいうべき逸品である手打ちのパスタに、発酵バターと、パルミジャーノ・レッジャーノをあわせただけのシンプルなパスタである。これを琺瑯のフォークとスプーンでいただく。

まず、手打ちならではのパスタの凸凹感がよい。舌触りがざらっとした向こう側に小麦の香りが的確に感じ取れる。そしてそこに濃密なパルミジャーノ・レッジャーノが絡みつき、あわせて高い香りを放ちながら、陽の光みたいな陽気な発酵バターが、パスタとパルミジャーノのマリアージュを誉めそやすように口中に溶けるのだ

...ひょっとすると、お読みいただいている方の中には、あの"カルボナーラ"や"アマトリチャーナ"の原型として名高い"カーチョエ・ペペ"を想像される方もおられるかと思う。でも、この「ペレグリーノ」のパスタはまったく別物だとお断りしたい。"カーチョエ・ペペ"は、トンナレッリ(四角いロングパスタ)にチーズを合わせて、黒コショウをふんだんに振りかけていただくラツィオ州の名高いパスタである。

チーズとパスタでシンプルに仕上げられているという点では、この「ペレグリーノ」のパスタと共通点はあるけれど、まずそもそも使われているチーズが異なる。"カーチョエ・ペペ"が、羊乳を原料とした、やや塩辛さの立ったペコリーノ・ロマーノを使用するのに対して、「ペレグリーノ」で使われるチーズは、バランスの良いパルミジャーノ・レッジャーノである。

それに何よりも異なるのが、黒コショウの有無である。"カーチョエ・ペペ"の名前の"ぺぺ"(pepe)=胡椒に示されるように、"カーチョエ・ペペ"には胡椒が必須である。濃密なチーズの味わいと、エッジの効いた香辛料の力強い風味を混然とさせるのが、"カーチョエ・ペペ"のパスタの特徴である。塩味と小粒なパンチのある胡椒の刺激を際立たせたパスタが"カーチョエ・ペペ"の特徴なのである。

これに対して「ペレグリーノ」のこのパスタは、塩味や香辛料のような夾雑物の混在を一切拒んで、パスタの旨味とチーズの旨みを純粋に追求したものになっている"カーチョエ・ペペ"と「ペレグリーノ」の手打ちパスタとは、そもそも向かおうとしている目的地が異なる。...わたしは、個人的にこの「ペレグリーノ」の手打ちパスタを"カーチョエ・ペレ"と呼びたい!

そして、併せて強調しておきたいのが、手打ちパスタに合わせていていただいたワインの素晴らさである。合わせていただいたのは、北イタリア ピエモンテの3大シャルドネとよばれる、アルドコンテルノという造り手のシャルドネ・ブッシアドール

白ワインであるが、非常にリッチで活力がある。ひとくちいただくと非常に太い存在感がドンとくる。そして、その後、長い余韻がどこまでもずっと続いていく雑味を削りとったシンプルなチーズのパスタに、このワインのマリアージュを想像していただきたい!このマリアージュは、食べ手を至極の境地に誘ってくれる

こういうワインと料理の至極のマリアージュと出会うと、お酒が飲めない人が本当にかわいそうだと思ってしまう。

...ところで、これまで「ペレグリーノ」では、パスタはパスタマシーンを使って作っていた。これをこの6月からシェフの工夫で手打ちに切り替えたとのこと。パスタマシーンを使えば、金属で衣と味が失われると思い、このコロナ禍の2か月間(4月、5月)のお休みの期間を利用して、試作を繰り返されたそうだ。

「よっぽどのことがなければ、うちの店ではこれを出し続ける」とシェフはおっしゃていたが、その自信のほどを圧倒的に感じさせる驚きの手打ちパスタであった

...この手打ちパスタから受けた感動を他のものに例えることができるだろうかと、しばし自分の過去の経験をまさぐってみる。...第1感で脳裏にふっと浮かんでくるのは、とある一匹の可憐な鮎である。

この日本には"金鮎"と呼ばれる至宝の鮎が生息している。これは、青森で獲れる市場に出回らない鮎で、尽きることのない白神山地の原生林の水脈が育む美しい苔を一年中食んで育つ鮎である。この鮎は、太古の昔から生息し、現在の日本の鮎の原型といわれている。

見た目も通常の鮎のようにゴツゴツしておらず瀟洒で美しい。そしてひとたびそれを炭焼きにして食べれば一抹の雑味もなく、柔らかな身質から万華鏡のような緻密さで口中に鮎の旨み全てが口中に溢れ出すのだ。

鮎の原初体験。それを感じさせてくれる点で、非常に感動的な鮎なのだけれど、今回の「ペレグリーノ」の手打ちパスタは、わたしにとって、この太古の鮎から受けた感動と極めて似た感動を与えてくれたことを言い添えておきたい

...冬場、この手打ちパスタに白トリュフがかかったものも是非ともいただいてみたい!

8.【メイン料理】静岡御前崎から 羽太(ハタ) 伊産サマーポルチーニ茸のローストと共に
素晴らしい火入れである。塩加減といい絶妙である。

ポルチーニというと秋のイメージがあるけれど、このサマーポルチーニは飛び切り素晴らしかった。香も高き王者の風格を備えた秋のポルチーニと少し趣が違うけれど、若武者のような瑞々しく峻烈な存在感にひとしきり好感を持てた

...この1週間後、美樹さんのレストランにもお伺いしたけれど、美樹さんも、今年今時期のポルチーニを絶賛されていた!

さぁ、ここから以下がお待ちかねの第2部である!

◇第2部 店内中央の手動生ハムスライサーにて最適な状態でサーブする生ハムのバリエーションを順番に
9.まずは第2部の幕あけに最適なお楽しみの一品を用意
まず1品目に、新潟県の"カガヤキ農園"の新鮮なトウモロコシを水と塩だけでスープにした冷静スープが饗される。

ひと匙いただく。...うん。言ってみれば、これは第1部冒頭の"ぎたろう軍鶏のブロート"と双生児の姉妹のように似ている一品である。

...無論、似ているといっても、素材や味が似ているわけではない。使われている食材は全く異なる。でも、この2品の料理には同じ血液が流れていることが最初の一口をいただいただけで伝わってくるという点で、双生児の姉妹みたいな印象を受けるのだ。

トウモロコシを水で煮出したスープを、金属の網で濾すと、金気臭さが移ってしまうので、ネルドリップみたいに綿の布袋で丁寧に濾している。雑味を徹底して取り除いて抽出した逸品なので、高橋シェフの"手間は足し算、味は引き算の哲学"が冴えわたっているという点で、"ぎたろう軍鶏のブロート"と双生児の姉妹のように似ているのだ

そして、ひと口いただいたときに感じる素晴らしい甘さ。これ以上の甘さはないのではないかという甘さである

10.北イタリア フリウリ・ヴェネチア・ジューリア州 サンダニエーレ産の"プロシュート" ※質感、食感、味わいの楽しみ
シェフから、掌ではなく、手の甲で受け止めることをお薦めいただく。よく和食の料理人などが、味見をする際に手の甲で受け止めるシーンを見かけるけれど、それにはちゃんとした理屈がある。掌は汗の線があるので、微妙に味が変わるというのがその理由だ。

「ペレグリーノ」でも、より純な生ハムの味わいを味わってほしいという想いから、手の甲で受け止める方式に切り替えたとのことである。こういう細部の配慮が高橋シェフならはの工夫である

"プロシュート"は旨い。生ハムの程よく脂の乗った滑らかな艶めかしさと香り。これが"プロシュート"の醍醐味である

手の甲でいただいた後に、今度は炊き上げたお米を"プロシュート"でくるっとくるんだ「ペレグリーノ」の"握り"を饗していただく。
これが凄かった!このメニューは、以前から「ペレグリーノ」のスペシャリテであるけれど、今日のものは以前のものと全く違う印象を受けた

お米はこれまでと同様に、岩手県遠野市の遠野4号というお米。ただし炊き加減が今回は違った。これまでのものは、どちらかというと、柔らかいリゾットっぽい仕上げになっていたが、今日のものは、しっかり目の炊き上げで、一粒一粒のお米からしっかりとお米の旨みが感じ取れる一品に仕上がっていた。これには新鮮な驚きがあった

11.ボローニャ産 "モルタデッラ" ※温度の違いを味わって
世界最高に繊細な味わいのソーセージである。化学調味料が一切使われていない。香りを愉しむ逸品である。これを、手の甲と温かいお皿で熱を入れたものと比較していただく。

手の甲でいただいたものは、若々しい鮮度で迫ってくるのに対して、熱を通したお皿のものは、脂質が赤身に程よく溶けた妖艶な存在感と、世界最高のソーセージの香りで食べ手に迫ってくる

12.トスカーナ シエナ産 チンタセネーゼ黒豚背脂の生ハム "ラルド" ※濃密な味わいの季節の野菜と共に
季節の野菜には、夏野菜の茄子が使われている。「ペレグリーノ」を訪問された方はお分かりいただけると思うけれど、ここは年間を通して、野菜や果物と生ハムの合わせが秀逸である。(秋口のペルシューと完熟イチジクの合わせなど最強である!)

これも茄子の力強い瑞々しさと、"ラルド"の香りが最高のマリアージュを演じたてる

13.エミリアロマーニャ パルマ産 "プロシュート・ディ・パルマ" ※パルマでの組み合わせで
熟成加減が深い"プロシュート・ディ・パルマ"が饗される。ここに合わせるのが、太白胡麻油で揚げたトルタフリッタである。この組み合わせは罪なほどに旨い!「ペレグリーノ」の生ハムの饗宴は、徐々に味わいが深く濃密になっていくのが醍醐味である

14.パルマ ジベッロ村特産 イタリアの生ハムの王様 "クラテッロ ディ ジベッロ" ※極少量生産の パルマ黒豚 で造られたvery special versionでのご用意
...ここで高橋シェフに、本当に感謝をしないといけないことがある。"クラテッロ ディ ジベッロ"のパルマ黒豚というのは、年間に何本も入ってこない稀少品なのである。過去の訪問を振り返ってみたら、ここ5回くらいは全て"クラテッロ ディ ジベッロ"はパルマ黒豚"でご提供いただいているのだ!シェフ、本当に本当にありがとうござます!

本日の"クラテッロ ディ ジベッロ"も最強であった

"クラテッロ ディ ジベッロ"は、豚の腿肉の一番美味しい外腿肉の部位だけを足から外して、豚の膀胱に詰めて吊るして作る。クラテッロ地方は湿地帯で湿り気の多い土地のため、豚の膀胱の外側にカビを繁殖させ、菌をまとわせて中に影響が及ばないように熟成させるのだ。

そして、戻す際には、黒豚のもののみ、バローロを使って戻すこだわりようだ。

毎回、平焼きパン"チャバッタ"といただくけれど、まず深みがある。美しい。その美しさは、王侯貴族のような傲慢な揺るぎのない圧倒性を獲得しているように思う

15.フィナーレ 出来立て 練りたて 濃縮ミルクのジェラート "ジェラート フィオーレ ディ ラテ" 最適な組み合わせで
最後に、「ペレグリーノ」の最強のジェラートで締めて一通りとなる

...毎回「ペレグリーノ」は凄い。でも、今回は"禍"でお休みされていた分の迫力のようなものを感じた。そしてなにより凄いのは、高橋シェフの、今日より明日をよりよいものにするための細かい工夫が随所に抜かりなく張り巡らされている点なのだ。

物静かな人ととなりとは異なり、高橋シェフは、間違いなく"運動"のひとであり、日本最高の料理人であることを確信した昼のひと時であった

  • ペレグリーノ - 【季節の料理】福井より 黒鮑のロースト、鮑の肝とネッビオーロのピュレア、バジリコ風味

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  • ペレグリーノ - 【季節の前菜】長崎壱岐の赤うに、自家製のライ麦パンとの組み合わせ

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  • ペレグリーノ - 【パスタ料理】手打ちのパスタ ごくシンプルなブッロ・エ・パルミジャーノ和え

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  • ペレグリーノ - 【イタリア料理】愛媛宇和島より脂の乗った白甘鯛の紀州備長炭火焼き イタリア産カルチョーフィのブラッザート添え

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  • ペレグリーノ - エミリアロマーニャ パルマ産 "プロシュート・ディ・パルマ" ※パルマでの組み合わせで

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  • ペレグリーノ - パルマ ジベッロ村特産 イタリアの生ハムの王様 "クラテッロ ディ ジベッロ" ※極少量生産の パルマ黒豚 で造られたvery special versionでのご用意

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  • ペレグリーノ - 北イタリア フリウリ・ヴェネチア・ジューリア州 サンダニエーレ産の"プロシュート" ※質感、食感、味わいの楽しみ

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  • ペレグリーノ - トスカーナ シエナ産 チンタセネーゼ黒豚背脂の生ハム "ラルド" ※濃密な味わいの季節の野菜と共に

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  • ペレグリーノ - ペレグリーノ

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  • ペレグリーノ - ペレグリーノ

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  • ペレグリーノ - 【ちいさな一品】長野県産伊那産ぎたろう軍鶏を丸ごと一羽煮出した "ブロート"

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  • ペレグリーノ - 【メニューにない素敵な逸品】北海道の噴火湾で定置網で獲れた生の鮪

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  • ペレグリーノ - 【メイン料理】静岡御前崎から 羽太(ハタ) 伊産サマーポルチーニ茸のローストと共に

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  • ペレグリーノ - まずは第2部の幕あけに最適なお楽しみの一品を用意

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  • ペレグリーノ - 北イタリア フリウリ・ヴェネチア・ジューリア州 サンダニエーレ産の"プロシュート" ※質感、食感、味わいの楽しみ

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  • ペレグリーノ - 北イタリア フリウリ・ヴェネチア・ジューリア州 サンダニエーレ産の"プロシュート" ※質感、食感、味わいの楽しみ

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  • ペレグリーノ - ボローニャ産 "モルタデッラ" ※温度の違いを味わって

    ボローニャ産 "モルタデッラ" ※温度の違いを味わって

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  • ペレグリーノ - トスカーナ シエナ産 チンタセネーゼ黒豚背脂の生ハム "ラルド" ※濃密な味わいの季節の野菜と共に

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  • ペレグリーノ - エミリアロマーニャ パルマ産 "プロシュート・ディ・パルマ" ※パルマでの組み合わせで

    エミリアロマーニャ パルマ産 "プロシュート・ディ・パルマ" ※パルマでの組み合わせで

  • ペレグリーノ - エミリアロマーニャ パルマ産 "プロシュート・ディ・パルマ" ※パルマでの組み合わせで

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  • ペレグリーノ - パルマ ジベッロ村特産 イタリアの生ハムの王様 "クラテッロ ディ ジベッロ" ※極少量生産の パルマ黒豚 で造られたvery special versionでのご用意

    パルマ ジベッロ村特産 イタリアの生ハムの王様 "クラテッロ ディ ジベッロ" ※極少量生産の パルマ黒豚 で造られたvery special versionでのご用意

  • ペレグリーノ - フィナーレ 出来立て 練りたて 濃縮ミルクのジェラート "ジェラート フィオーレ ディ ラテ" 最適な組み合わせで

    フィナーレ 出来立て 練りたて 濃縮ミルクのジェラート "ジェラート フィオーレ ディ ラテ" 最適な組み合わせで

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2020/02訪問8回目

4.9

  • 料理・味4.9
  • サービス4.9
  • 雰囲気4.9
  • CP4.9
  • 酒・ドリンク4.9
¥60,000~¥79,9991人

食材たちがきらきら光る...「ペレグリーノ」、すべての料理が、純白な皿の上で繊細に震えている

「ペレグリーノ」。...ここは、"味は引き算、手間は足し算"の創造性が、寡黙に美しく結晶された稀少なレストランである。普通の感覚であれば、調理の過程で安易に味を足していってしまうところを、味の足し算を頑なに禁じて、その代わり、気の遠くなるような手間をかさねながら、素材のここしかないという一点にまで旨味を引き出して、そっと優しく提供される一皿一皿。

..."ぎたろう軍鶏のブロート"にしても、"穴子と白アスパラガスのロースト"にしても、"鴨胸肉の紀州備長炭焼"にしても、そして名高い生ハムの連なりにしても、すべての料理が、純白な皿の上で繊細に震えている。


2020年2月28日(金)。「素晴らしい」という評価が追い付かないことに、いつも苛立ちを覚える「ペレグリーノ」体験について、以下詳細に書き綴っていきたい。

◇第1部 季節の食材をふんだんに取り入れたコース

1.【初めのおつまみ】エミリアロマーニャで日常的に食べられる ニョッコ・アルフォルノ
シェフの修行先のエミリアロマーニャ州で日常的に食べられるおつまみ。パンの中に伝統的なハムを練りこんで作るが、本日は、ラルド(背脂の肉)とプロシュート・デ・パルマを使って、自家製の天然酵母とともに発酵させて作ったものとのことである。ニョッコは、開店直前で焼き上げて、少し温めたものだ。

柔らかい香りがあって、空腹に沁みる。

2.【ちいさな前菜】長野県伊那産ぎたろう軍鶏を丸ごと一羽煮出したブロート
旨味の強い軍鶏を、身ごとまるごと一羽煮出してつくった澄んだ味わいのスープである。水と軍鶏だけで、一度も沸騰させることなく、延べ20時間以上煮詰めて旨みを抽出したもの最終段階で少し塩を加えて味を整えたものとのことだ

シャンパーニュとの相性が素晴らしい。

「ペレグリーノ」はこれだけの名店であるにも関わらず、試行錯誤を止めない。個々の食材のみならず、鍋を変えてみたりと、試行錯誤を繰り返しているという。この謙虚さが、この店の屋台骨なのだと思う。

3.【季節の野菜料理】イタリア産 ピゼッリ(グリーンピース)のスフォルマート、スペアミント風味
たったいま焼きあがったスフレとのこと。イタリア産の今が旬の野菜、ピゼッリ(グリーンピースに近いもの)は、しっかりと旨みと甘みが凝縮された青野菜だ。これを塩と水で調理した後に、ピューレ状にした後、卵黄、卵白と合わせてさっくりと焼き上げてスフレ状にしたもの。("スフォルマート"とは、スフレのことである)

スフレの上には、さわやかな側面をだすためにスペアミントを刻んで乗せて、さらにさわやかなソフトクリームを乗せてある。

これは、「ペレグリーノ」ではじめていただく味わいである。青い香りを愉しむ。


4.【メニューにない今日のペレグのおすすめ!】穴子と白アスパラガスのシンプルなロースト
季節の食材とのことで、メニューにはない穴子のローストを出していただく。フランスロワール産の白アスパラガスのローストと長崎県、対馬産の穴子のローストの組み合わせだ。

別々にローストして、味付けも別々にしているとのことである。そこにオリーブオイルとビネガーをあわせたソースをほんのちょっと添えてある。後半に少しつけて味わいの変化を愉しむ。

イタリア料理にあまりないけれど、香りと、身の弾力を愉しんでいただければ...とのご案内である。

これが見事というほかない逸品であった!これを食せば、ひとは穴子の臭いが、穴子の旨みを閉じ込めた絶品な"香り"に変わっていることに深く感動することに間違いない。

調理法は、そのまま焼いただけで、あとは塩加減でだけで出しているとのことである。これこそ「ペレグリーノ」の真骨頂である!


5.【前菜】北海道上ノ国より牡丹海老の繊細な調理 イタリア産 冬トリュフとの組み合わせ
これは、日本の誇るべき繊細な甘すぎない和菓子を思わせる逸品であった。

北海道の"インカの瞳"(有名な"インカの眼覚め"ではない!)というジャガイモをピューレ状にしたものの上に、同じく北海道の牡丹海老に繊細に火入れしたものが添えられている。そしてその上からイタリアのフレッシュな冬トリュフトリュフがふんだんに振りかけられている。

"インカの瞳"はそれだけで食べるとサツマイモみたいに甘みが強いので、塩と水で少し溶いて延ばしたもの、とのことだ。
牡丹海老の甘みと"インカの瞳"の甘みのマリアージュを存分に愉しむ。


6.【魚料理】熊本天草よりスジあらのロースト 北イタリア伝統のサルサヴェルデをアクセントに
熊本天草の5kgから6kgの良質な"スジあら"を2週間寝かせて、最高の旨味を身肉にかちっと装填(そうてん)した状態で、紀州備長炭で外側を軽く火入れして、身肉はミディアムレアで仕上げた逸品である。

「ペレグリーノ」で魚料理というとどうしても白甘鯛を思い出してしまうが、こちらもなかなかに素晴らしい。白甘鯛のような豪奢で王様のような風格はないけれど、森深き朝まだきの湖面に、針の先ほどの樹木の雫がぽたりと落ちたような静謐(せいひつ)で楚々とした佇まいが心に刺さる!

7.【特選パスタ】手打ちパスタ タリオリーニ 鹿島産ハマグリとフランス産 遮光栽培で葉を軟化させたタンポポ"ピンサリ"和え
ハマグリは、2種類の仕立てだ。ひとつは藁で燻したものを細かく刻んでソースにしてある。もうひとつは、そのままのハマグリのオリーブオイルでじっくりとオイル煮にしたもの。そこに"ピンサリ"を添えて、上からパルミジャーノ・レッジャーノをふんだんにふりかけてある。付け合わせにはアメーラトマトの小さいものが添えてある。

ハマグリを炙ったスモーキーな感じがすっと鼻腔に漂う。ただし、全部炙ってしまわないでオイル煮も添えられているためハマグリそのものの風味もしっかりと感じる。貝類にパルミジャーノ・レッジャーノを添えるのは去年からやってお客さんに受けがよかったのでやっているとのことだ。

ペレグのパスタは抜群に旨い!


8.【肉料理】鹿児島より雌の尾長鴨 胸肉 紀州備長炭焼 イタリア産 アーティチョークのブラッザート添え
色見は赤く生っぽく見えるけれど、本当のレアの仕上げで、きちっと芯まで火入れしてある。添えてあるのはアーティチョーク。自家製のソースを吹き付けながら焼いている。左手前に添えてあるのは台湾の山胡椒(マーガオ)である。

ペレグリーノでは鴨は雌のものしか使わない。脂がのったもののみを仕入れているとのことだ。しかしでも「ペレグリーノ」の鴨は、悩ましいほどに艶めかしい。そしてその艶めかしさに山胡椒(マーガオ)がきらめく。

◇第2部 店内中央の手動生ハムスライサーにて最適な状態でサーブする生ハムのバリエーション
さぁ!ここからが生ハムタイムである!生ハムの連なりは、味の淡いものから強いものに遷移していく...

9.北イタリア フリウリ・ヴェネチア・ジューリア州 サンダニエーレ産の"プロシュート"
最初は、一番繊細な味わいのサンダニエーレ村の"プロシュート"。これは掌で味わう。繊細で優しい。瞳を閉じて味わいたい。
24か月の熟成加減のもの。羽衣のような"プロシュート"から漂う優しい味わいと、ランブルスコの相性が素晴らしい。

10.サンダニエーレ産の"プロシュート"をココット米で巻いて、握り風に
お米の粒がたっていて、途方もなく柔らかく旨い。炊き立てのお米の熱気で、プロシュートの脂が融点に達し、お米の旨みと生ハムの旨みが融合する。

11.ボローニャ産 "モルタデッラ"
添加物一切なし!エミリア・ロマーニャ州の最良のモルタデッラ。これが好きなんだ!世界最強のソーセージである。香りと余韻を愉しむ逸品。

まずは掌で受け止めていただく。これは切りたての生々しい迫力に強かにやられる。

続いて、熱々に熱したお皿の上で瞬時に"モルタデッラ"に熱を伝えていただく。皿にのってから、3秒数えていただく。今度は熱を受け止めて、切りたての迫力が溶けて甘みが倍増している!

12.トスカーナ シエナ産 チンタネーゼ黒豚背脂の生ハム"ラルド"
フィノッキオ(ウイキョウ)の蕪の部分をローストして水分を凝縮させて甘みと香りを出したものと、"ラルド"のあわせ。フィノッキオはローストしたのみで、調味料は一切使っていない。"ラルド"の塩味と甘みだけで一品にまとめている。

まずはそのままで。脂がシルクのように上品である。町中華でよく使われるラードとはまったく別物である。

続いては、握り風に。
お米は岩手県遠野市の遠野4号というしっかりとした昔のお米。米の粒はちょっと小さ目で、固めに炊いてある。そこにイタリアの白ワインビネガーと塩を加えてる。酸味を加えたお米と"ラルド"の脂が最高のマリアージュを演じたてる。実にキレイな味わいである。

13.エミリアロマーニャ パルマ産 "プロシュート・ディ・パルマ"
サンダニエーレ産の"プロシュート"と同じ名前だけれど、熟成時間と産地が異なる。世界三大ハムのパルマ産のもので、サンダニエーレ産が24か月熟成であったのに対して、こちらは30か月以上の熟成をかけたもの。

お皿にそのまま。まず一品。産地と熟成期間が違うとこれだけ違うか、という驚きがある。生ハムの力強さが弥増す!

続いて、太白胡麻油で揚げたトルタフリッタと合わせた定番のあわせ。現地で定番の合わせである。トルタフリッタは揚げたてで一番うまい状態で出される!この"プロシュート・ディ・パルマ"の塩味とトルタフリッタの香ばしさが凄すぎる!

14.イタリアの生ハムの王様 "クラテッロ・ディ・ジベッロ"
黒豚の"クラテッロ・ディ・ジベッロ"!凄い!王様の中の王様!"クラテッロ・ネロ"!年間10本くらいしかこない凄いもの!最高級の生ハム。自家製の平打ちパン="チャバッタ"の上に、北イタリア、ピエモンテの良質な濃厚バターを乗せてその上の"クラテッロ・ディ・ジベッロ"。

もはや、これ自体が、濃厚な赤ワインをいただいているみたいに人を酔わせる迫力がある。滑らかでシルキーなのだけれど、湿地帯で長期間をかけて熟成された生ハムが、感情を内に秘めたように緻密に濃縮された力強い香気に満ちていて、思わず吐息が漏れる。

これとバローロとの相性がまた凄い!バローロの土の香りとの相性が素晴らしい!


15.【デザート】出来立て 練り立て 濃縮ミルクのジェラート "ジェラート フィオーレ ディ ラテ"
ペレグのジェラートは本当に凄い。

16.【小さな焼き菓子】トルタ・サッビオーザ、季節の仕立て
サブレ。これが旨い。砂のようなもろさが素晴らしい。

今日もペレグは素晴らしかった。...あえて触れなかったけれど、最後に一言だけ。...今年のアワードの結果などは涼しく忘れておくのが最も精神衛生上健康的である。それにしても「ペレグリーノ」も「木邑」も「長谷川 稔」も「と村」もGOLDから漏れている世界なんて、何度冷静に考えてみたって野蛮な世界としか言いようがない。

...ま、でもこれ以上は語るのは止めよう。世の評価というものは、こんなにも愚かで貧しくて破廉恥めいているけれど、今日この日のような贅沢が許されているのだから、この世もなかなか捨てたもんじゃない、それを今日の締めくくりの言葉としてみたい。

  • ペレグリーノ - エミリアロマーニャ パルマ産 "プロシュート・ディ・パルマ"

    エミリアロマーニャ パルマ産 "プロシュート・ディ・パルマ"

  • ペレグリーノ - イタリアの生ハムの王様 "クラテッロ・ディ・ジベッロ"

    イタリアの生ハムの王様 "クラテッロ・ディ・ジベッロ"

  • ペレグリーノ - イタリアの生ハムの王様 "クラテッロ・ディ・ジベッロ"

    イタリアの生ハムの王様 "クラテッロ・ディ・ジベッロ"

  • ペレグリーノ - 穴子と白アスパラガスのシンプルなロースト

    穴子と白アスパラガスのシンプルなロースト

  • ペレグリーノ - 北海道上ノ国より牡丹海老の繊細な調理 イタリア産 冬トリュフとの組み合わせ

    北海道上ノ国より牡丹海老の繊細な調理 イタリア産 冬トリュフとの組み合わせ

  • ペレグリーノ - 手打ちパスタ タリオリーニ

    手打ちパスタ タリオリーニ

  • ペレグリーノ - 手打ちパスタ タリオリーニ 鹿島産ハマグリとフランス産 遮光栽培で葉を軟化させたタンポポ"ピンサリ"和え

    手打ちパスタ タリオリーニ 鹿島産ハマグリとフランス産 遮光栽培で葉を軟化させたタンポポ"ピンサリ"和え

  • ペレグリーノ - ペレグリーノ

    ペレグリーノ

  • ペレグリーノ - エミリアロマーニャで日常的に食べられる ニョッコ・アルフォルノ

    エミリアロマーニャで日常的に食べられる ニョッコ・アルフォルノ

  • ペレグリーノ - 長野県伊那産ぎたろう軍鶏を丸ごと一羽煮出したブロート

    長野県伊那産ぎたろう軍鶏を丸ごと一羽煮出したブロート

  • ペレグリーノ - イタリア産 ピゼッリ(グリーンピース)のスフォルマート、スペアミント風味

    イタリア産 ピゼッリ(グリーンピース)のスフォルマート、スペアミント風味

  • ペレグリーノ - 穴子と白アスパラガスのシンプルなロースト

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  • ペレグリーノ - 北海道上ノ国より牡丹海老の繊細な調理 イタリア産 冬トリュフとの組み合わせ

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  • ペレグリーノ - 熊本天草よりスジあらのロースト 北イタリア伝統のサルサヴェルデをアクセントに

    熊本天草よりスジあらのロースト 北イタリア伝統のサルサヴェルデをアクセントに

  • ペレグリーノ - 手打ちパスタ タリオリーニ 鹿島産ハマグリとフランス産 遮光栽培で葉を軟化させたタンポポ"ピンサリ"和え

    手打ちパスタ タリオリーニ 鹿島産ハマグリとフランス産 遮光栽培で葉を軟化させたタンポポ"ピンサリ"和え

  • ペレグリーノ - 鹿児島より雌の尾長鴨 胸肉 紀州備長炭焼 イタリア産 アーティチョークのブラッザート添え

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  • ペレグリーノ - 北イタリア フリウリ・ヴェネチア・ジューリア州 サンダニエーレ産の"プロシュート"

    北イタリア フリウリ・ヴェネチア・ジューリア州 サンダニエーレ産の"プロシュート"

  • ペレグリーノ - 北イタリア フリウリ・ヴェネチア・ジューリア州 サンダニエーレ産の"プロシュート"

    北イタリア フリウリ・ヴェネチア・ジューリア州 サンダニエーレ産の"プロシュート"

  • ペレグリーノ - 北イタリア フリウリ・ヴェネチア・ジューリア州 サンダニエーレ産の"プロシュート"

    北イタリア フリウリ・ヴェネチア・ジューリア州 サンダニエーレ産の"プロシュート"

  • ペレグリーノ - ボローニャ産 "モルタデッラ"

    ボローニャ産 "モルタデッラ"

  • ペレグリーノ - ボローニャ産 "モルタデッラ"

    ボローニャ産 "モルタデッラ"

  • ペレグリーノ - ボローニャ産 "モルタデッラ"

    ボローニャ産 "モルタデッラ"

  • ペレグリーノ - トスカーナ シエナ産 チンタネーゼ黒豚背脂の生ハム"ラルド"

    トスカーナ シエナ産 チンタネーゼ黒豚背脂の生ハム"ラルド"

  • ペレグリーノ - トスカーナ シエナ産 チンタネーゼ黒豚背脂の生ハム"ラルド"

    トスカーナ シエナ産 チンタネーゼ黒豚背脂の生ハム"ラルド"

  • ペレグリーノ - トスカーナ シエナ産 チンタネーゼ黒豚背脂の生ハム"ラルド"

    トスカーナ シエナ産 チンタネーゼ黒豚背脂の生ハム"ラルド"

  • ペレグリーノ - エミリアロマーニャ パルマ産 "プロシュート・ディ・パルマ"

    エミリアロマーニャ パルマ産 "プロシュート・ディ・パルマ"

  • ペレグリーノ - エミリアロマーニャ パルマ産 "プロシュート・ディ・パルマ"

    エミリアロマーニャ パルマ産 "プロシュート・ディ・パルマ"

  • ペレグリーノ - イタリアの生ハムの王様 "クラテッロ・ディ・ジベッロ"

    イタリアの生ハムの王様 "クラテッロ・ディ・ジベッロ"

  • ペレグリーノ - イタリアの生ハムの王様 "クラテッロ・ディ・ジベッロ"

    イタリアの生ハムの王様 "クラテッロ・ディ・ジベッロ"

  • ペレグリーノ - イタリアの生ハムの王様 "クラテッロ・ディ・ジベッロ"

    イタリアの生ハムの王様 "クラテッロ・ディ・ジベッロ"

  • ペレグリーノ - 出来立て 練り立て 濃縮ミルクのジェラート "ジェラート フィオーレ ディ ラテ"

    出来立て 練り立て 濃縮ミルクのジェラート "ジェラート フィオーレ ディ ラテ"

  • ペレグリーノ - トルタ・サッビオーザ、季節の仕立て

    トルタ・サッビオーザ、季節の仕立て

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2019/12訪問7回目

4.9

  • 料理・味4.9
  • サービス4.9
  • 雰囲気4.9
  • CP4.9
  • 酒・ドリンク4.9
¥50,000~¥59,9991人

痛快にそして透明に香る...「ペレグリーノ」、ごく薄く切り取られたひとひらの生ハムの美しさに打ちのめされよう!

「ペレグリーノ」は痛快極まりない。なぜなら、ここは、旨さに国籍などあり得ないことを軽やかに愉しげに感じさせてくれるレストランだからだ。こちらでお食事をしていると、お料理に、やれイタリアンだとか、フレンチだとか、和食だとかといったカテゴリーがあること自体が鼻白んだものに見えてしまう。

...それはどういうことか。

ここではイタリア料理自体が、シェフの旨みを追求する姿勢そのものの前に平伏している。この恵比寿の小さなレストランで料理を堪能していると、イタリア料理という国籍性自体が、旨みを追求するシェフのこだわりと調理の躍動感に支えられることでかろうじて生き延びられてるのではないかと感じさせるのである。...この素晴らしさこそが「ペレグリーノ」なのだと思う。


2019年12月6日(金)。半年ぶりの素晴らしいペレグ体験について、以下詳細に書き綴っていきたい。

1.エミリア=ロマーニャ州特有のパン"クレッシェンド"
北イタリアのエミリア=ロマーニャ州で日常的に食べられる、生ハムを細かく刻んで練りこんみ、豚のラードを入れた"クレッシェンド"というパン。スナック的な感じで摘めるパンだ。細かくまぶされた生ハムが香ばしい。

2.長野県伊那産ぎたろう軍鶏を丸ごと煮出した澄んだ味わいのブロート
水と塩と軍鶏だけで16時間沸騰させることなく煮込んだブロート。その中に野生の真鴨のささみとモモ肉を使って作ったカペレッティ(ラビオリ)が入っている。

一口いただくけれど、ブロートの透明感にしばしうろたえる。存在感を主張するのではなく、ひたすら透明感を追求した一品である。そして口に含んだ2種類のラビオリの違いは決定的だ。

3.北海道産のボタンエビとカルチョッフィマモーレ
北海道古平町(小樽の西、積丹半島の北東側の小さな町である)産の良質なボタンエビ。優しく繊細に火を入れて、付け合わせにイタリア野菜のカルチョッフィマモーレ(アーティチョーク)が添えられている。こういった逸品をいただくにつけ、「ペレグリーノ」の、料理のジャンルというものを超越した、料理の抜き身の素晴らしさに打ちのめされる。

4.フォアグラとさつまいもとアルバの白トリュフ
ローストしたての徳島産の鳴門の里娘(さつまいも)と、冷たいフランス=ランド産の鴨フォアグラのテリーヌの組み合わせ。そこに白トリュフがふんだんにスライスされている。出したては、まだ、里娘の火が全体に回っていないので、トリュフの自然な香りが感じ取れる。この白トリュフのガスの香りが何ともたまらない。

5.タリオリーニの白トリュフあえ
手打ちのタリオリーニ。北イタリアのピエモンテのアルバの白トリュフあえ。パスタはあえて短く切ってあって、柔らかな食感を残ししつつ、ソースと馴染みがよいように仕立てられている。そしてかわりにトリュフは少し厚めに切ってある。パスタは尺が短いので、フォークとスプーンで巻き込んでいただく。

タリオリーニの優しい食感の中で、白トリュフの存在感を存分に愉しめる逸品である。

6.白甘鯛
まず脂がのっている。1週間程度熟成を効かせた5kgの個体の熊本天草の白甘鯛を紀州備長炭で炭火焼にしてあるとのことだけれど、素晴らしくまろやかで、そしてなめらか。...その身肉から立ち上るつつましやかな甘鯛の極上の香りに思わずうっとりしてしまう。本日のものは、ミディアムからミディアムレアで火入れしているとのことだ。そこに、北海道の無農薬で作られたポロネギの蒸し煮と、アクセントとして、北イタリアの酸味を効かせたサルサヴェルデを添えてある。

エロティックなほどに悩ましい旨みをたたえた逸品である。

7.鹿児島網獲りの野生のマガモ
九州の鹿児島から網獲りされた野生のマガモ。シェフ出身の新潟ではない。雌である。(ペレグリーノでは、雌しか使わない)そして、むね肉である。紀州備長炭の炭火焼。ヴィネグレットソース(バルサミコっぽい風味)を添えて、香ばしく焼き上げたビスタチオを上に振りかけてある。
わたしは、いろいろなところで鴨料理をいただいてきたけれど、ここにひとつだけ断言できる。何といっても「ペレグリーノ」の鴨がダントツに一番旨い!素材といい、火入れといい、艶やかに抜群である。これだけは譲れない。

8.プロシュート
ここから生ハムとなる。イタリアの黒豚を使った生ハムから。南イタリアのカラブリア州の黒豚を使ったプロシュート。熟成は若く18か月のものを仕入れている。

薄くスライスすることによって香るこのハムの香りが凄い!掌にそっと舞い落ちたそれを口腔に運んだ至福感は、舞い落ちた天女の羽衣を口腔に含んだよう...

9.プロシュートとココット米のお鮨
もう一度この黒豚を別の食べ方でいただく。小さなココットで炊きあがったお米と一緒に合わせていただく。手渡しでお寿司のようにいただく。

お米は、岩手県遠野市の遠野4号というお米。これは、ひとつぶひとつぶが主張してくるようなお米。日本産の生ハムではなく、現地の主張のある生ハムを使っているため、お米もしっかりしたものを使われている。

遠野4号は、岩手の松本酒造が酒米としてお酒を作るのに使っているそうで、東京ではお寿司屋がシャリに採用しているそうだ。米本来の旨みが効いており、18か月のプロシュートの存在感と双方が豊饒化される挑発的な逸品に仕上がっている。


10.モルタデッラ
科調ゼロ。本物のモルタデッラ。厚く切ると凡庸な味になってしまうのだ。これも香りが感じられる薄さが素晴らしい。

11.ラルドとフォカッチャ
トスカーナ産、チンタセネーゼ黒豚の背脂(ラルド)。これを自家製のフォカッチャと一緒に。

フォカッチャは、北イタリア・リグーリア特産の(本来の定義で作られた)フォカッチャ。本来フォカッチャは、ジャガイモを混ぜ込んであるのものが正しい。だからペレグでは、北海道産のキタアカリというインカの目覚めを混ぜこんである。

舌に媚びる旨みと、陽気を吸い込んでどこまでも屈託のないフォカッチャが素晴らしい。これは間違いなく、この店でしか食べられないものである!


12.サルミ・フィオッキオーナ
チンタセネーゼ黒豚のサルーミに、フィノッキオ(ういきょう)という野菜の種(フェンネルシード)を一緒に練りこんだサルミ・フィオッキオーナ。ウイキョウのタネを煮込んだもので、ほんの少し脂を融解するように温めている。

13.プロシュート・ディ・パルマ まずはそのまま
30か月熟成のもの。まずはそのままで出す。ワインを熟成させたものを漬けて熟成させたもの。バランスがとれて美味しい。

14.プロシュート・ディ・パルマ トルタフリットとあわせて
現地パルマで一番美味しくいただく。揚げたてのトルタフリットとあわせて。「ペレグリーノ」の門をくぐったなら、これは絶対にいただきたい逸品だ。素晴らしい。

15.クラテッロ・ジベッロ
なんと本日は、年間に10本も入ってこない黒豚のクラテッロジベッロ。凄い。

そもそもクラテッロ・ジベッロは生ハムの王様なのだけれど、この黒豚のものは、少し沈んだような、深い懐で受け止めるような奥行きを感じさせてくれるのだ。これにピエモンテの発酵バターを組み合わせていただく。まるで枯淡の域に達しような旨さにしばし言葉を失う。


16.ドルチェ
濃縮ミルクのジェラートに砕いたヘーゼルナッツを散らして。ペレグのジェラートをいただいて一通りとなる。

一連のお料理をいただいて、その素晴らしさに打ちのめされてされて、しばし背もたれに深く深く身を沈めてしまう。

いずれも素晴らしいお料理の連綿だったけれど、黒豚のクラテッロ・ジベッロに痺れた!
これをご用意いいただいたことに、高橋シェフに言葉にならないほどの感謝を噛み締めた一夜であった。ありがとうございました!

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  • ペレグリーノ - クラテッロ・ジベッロ

    クラテッロ・ジベッロ

  • ペレグリーノ - クラテッロ・ジベッロ

    クラテッロ・ジベッロ

  • ペレグリーノ - ドルチェ

    ドルチェ

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2019/07訪問6回目

4.9

  • 料理・味4.9
  • サービス4.9
  • 雰囲気4.9
  • CP4.9
  • 酒・ドリンク4.9
¥30,000~¥39,9991人

吐息が洩れる晩餐...「ペレグリーノ」、ここの一品一品は瞳を伏せたまま味わうにふさわしい

純白のテーブルクロスがかけられた6席の小さな空間で、静かにコースの幕が開く。わたしたちは少し襟を正して、素晴らしい料理の連綿を待ち受ける。固唾をのむようなこの時間こそ、食べ歩きの最高のひと時である。しかもそれを「ペレグリーノ」という名店で過ごせるというのだからこんな贅沢な瞬間はない!

2019年7月20日(土)、19:30。本日の「ペレグリーノ」のメニューは2部構成である。

第1部は、季節の食材をふんだんに取り入れたコースと題して、前菜、旬の料理、パスタ、メイン料理と続く旬の食材を使ったイタリア料理のコースである。

そして第2部が、店内中央の手動生ハムスライサーにて最適な状態でサーブする生ハムのバリエーションと題された生ハムの饗宴となる。生ハムはごく薄くスライスされていて、1部でお腹いっぱいになっても、女性でも最後まで食べられるようなコース内容になっている。さぁ、今日も高橋シェフの料理一品一品と真剣に向き合っていこう!

第1部 季節の食材をふんだんに取り入れたコース
1.天草大王地鶏を身ごと丸ごと一羽煮出した"ブロート"
旨みが強い。そしてとても澄んだ味わいである。16時間煮出して旨みを抽出している。まず天草大王地鶏の太い旨みがドンときて、その余韻がずっと続く感じだ。こんなに有名店になっても、よりよい食材を開拓し続けるシェフのプロ魂に、のっけから圧倒される。

2.メニューにはない逸品 真イワシにフィノッキオを添えて
旬の魚で、愛知の真イワシを開いて軽く身の方にだけ塩をあててある。皮目には白ワインビネガーを吹き付けて、イタリアのウイキョウ、フィノッキオを薄くスライスしたものを添えてドレッシングしてある。小さなフォークでいただく。
...魅力は、なんといっても他の魚と一線を画す、存在感ある鰯の香りである。仄かな金気臭と鰯の中から溢れ出す芳醇な脂の旨みに陶然とする。

3.小さな逸品 長崎県 壱岐の赤ウニ、少し酸味の効いた 自家製ライ麦パンとの クロスティーニ
手で持っていただく。茜射す赤ウニの甘み、ほのかに酸味の効いたライ麦パンの香ばしさ。これには瞳を閉じて思わずありがとうと呟いてしまう。

4.前菜 ~季節の組み合わせ~ 北海道 古平(ふるびら)より 牡丹海老を優しい火入れで調理 イタリア産カルチョーフィマモーレとの組み合わせ
カルチョーフィマモーレとは、アーティチョークである。ボタン海老とカルチョーフィマモーレをナイフとフォークで切り分けて一緒にいただく。香りが素晴らしい。そして海老の甘みも楚々として好感が持てる。

5.旬の特別料理 千葉の房州の黒鮑のロースト、鮑の肝とバローロのピュレア添え
千葉の房州の黒鮑。この時期の最高級品である。鮑にしかないあの噛み応えとともに白をゆっくりといただく贅沢感といったらない。

6.特選パスタ 手打ちパスタ タリオリーニ 広島産 無農薬レモンとコラトゥーラ(いわしの魚醤)和え 南半球オーストリアより フレッシュ冬トリュフがけ
スプーンとフォーク両方使って具材と一緒にいただく短いパスタ。下のパスタからざっくりとあわせていただく格好だ。
決して華美ではない。シンプルな食材だけで勝負しているお皿だ。あえて饒舌を廃し、胸元に呑み込まれた旨みの余韻で静かに食べ手に語りかける逸品である。わたしはこういう料理が大好きだ!

7.メイン料理 天草産 白甘鯛の紀州備長炭火焼 北イタリア伝統のサルサヴェルデ添え
3.6kgの白甘鯛。白甘鯛は8日寝かせてある。7月の前半に新留さんと木村さんと天草に行って、物色して手に入れた逸品だそうだ。ミディアムでピンク色にしっとりと火入れしてある。そこにフランスのジロール茸とトロンベッタ(ズッキーニ)を付け合わせている。しめやかな白甘鯛の旨みを堪能する。


第2部 店内中央の手動生ハムスライサーにて最適な状態でサーブする生ハムのバリエーション
1.エミリアロマーニャ州ボローニャ特産 "モルタデッラ"
香りが高く、味わいの余韻が大変長いソーセージである。化学調味料が全く使われていない。薄さからくる香りとソーセージの旨みの余韻を愉しむ。

2.フリウリ ヴェネツィア ジューリア州 サンダニエーレ産 "プロシュート・ディ・サンダニエーレ"
サンダニエーレという村で作られた生ハム。20か月の熟成のもの。羽衣のように軽やかだけれど、きっちりとした存在感がある。

これを炊きあがったばかりのココット米に巻き付かせていただく柔らかくて旨い。蒸らしも何もしていないお米。外側はお米粘り気があるけれど中は芯がある。手でいただくのが最高のいただき方である。

3.モデナ産 モーラロマニョーラ黒豚 前うで肉の生ハム "スパッラ・クルーダ"
下に添えてあるパンは、北イタリアのリグーリア特産のフォカッチャ。フォカッチャは定義があって、ジャガイモが入ってないと本当はフォカッチャとはいえない。その意味でこれは一年熟成させた北海道産のインカの眼覚めをしのばせた正当なフォカッチャである。フォカッチャの甘みに合わせ、"スパッラ・クルーダ"から立ち上る生ハムの最上級の塩味を愉しむ。

4.トスカーナ州 シエナ産 チンタセネーゼ黒豚 背脂の生ハム "ラルド"
低温で3時間以上煮て、中心部分だけくり抜いた、京都の鴨ナスを背脂で包む。ナスの瑞々しさと上質な背脂が柔らかさが絶妙のハーモニーを演じたてる。

5.ほんの少しオーブンに入れて脂を融解させたサルーミ・クラテッロ
サラミとは言え、熟成加減20日程度の生肉に近い本当に生肉に近いフレッシュな味わいのサラミである。名前が示すように、イタリアの生ハムの王様、クラテッロ地方の生ハムで作られたサラミで、本格的なクラテッロを仕込むときにできる端肉(はしにく)から作られるそうだ。

6.エミリアロマーニャ パルマ産 "プロシュート・ディ・パルマ"
36か月熟成のもの。まずはそのままでいただく。世界三大ハムのひとつの存在感が圧倒的だ。これに、パルマ風揚げパイ、トルタフリッタを合わせていただき、さらにサービスで、時節柄甘みを存分に蓄えたとうもろこしとの一品も饗していただく。

7.イタリアの生ハムの王様"クラテッロ・ディ・ジベッロ"
ジベッロ村で作られたクラテッロ。ジベッロ村は川沿いの湿地帯で、本来生ハムを作るのに適していないけれど、そこでも美味しい生ハムを作ろうと試行錯誤して、外腿肉だけを使って膀胱に詰めて熟成させたもの。赤ワインをかけながら熟成させている。今回はクラテッロネロ。年間日本に10本も入ってこない逸品である。

北イタリアのピエモンテの良質な発酵バターと平焼きパンの組み合わせ。この素晴らしさ!クラテッロ・ジベッロはまさに生ハムの王様である。王侯貴族のような絢爛な佇まいを存分に堪能する。

8.出来立て 練りたて 濃縮ミルクのジュエラート "ジェラート フィオーレ ディ ラテ"
香ばしくローストしたヘーゼルナッツ。ただ単純につぶすと油が出て酸化して美味しくなくなるので、切れる包丁で薄くスライスされている。するとヘーゼルナッツの旨みがそのまま際立つ。「ペレグリーノ」開業からの人気の逸品である。

9.季節の食材を使ったサブレ
サブレの語源そのまま、砂のように口中でほどける。その上でマンゴーの甘みが悩ましく溶ける。

何度お伺いしても素晴らしい!
また、今日もコースが終わってから、少しシェフとワインをご一緒させていただく。メインのコースが素晴らしいのはいうまでもないけれど、わたしはコースが終わってからの15分~30分程度のシェフとの気の置けない会話が大好きだ!仕事が一区切りしたシェフが、いささか緊張をほどきつつ優しい語り口で料理への思いを語るのを聞くと、本当に幸せな気分になる。高橋シェフ、今日も本当にありがとうございました♪

  • ペレグリーノ - 小さな逸品 長崎県 壱岐の赤ウニ、少し酸味の効いた 自家製ライ麦パンとの クロスティーニ

    小さな逸品 長崎県 壱岐の赤ウニ、少し酸味の効いた 自家製ライ麦パンとの クロスティーニ

  • ペレグリーノ - メイン料理 天草産 白甘鯛の紀州備長炭火焼 北イタリア伝統のサルサヴェルデ添え

    メイン料理 天草産 白甘鯛の紀州備長炭火焼 北イタリア伝統のサルサヴェルデ添え

  • ペレグリーノ - エミリアロマーニャ パルマ産 "プロシュート・ディ・パルマ"とトルタフリッタ

    エミリアロマーニャ パルマ産 "プロシュート・ディ・パルマ"とトルタフリッタ

  • ペレグリーノ - イタリアの生ハムの王様"クラテッロ・ディ・ジベッロ"と平焼きパン

    イタリアの生ハムの王様"クラテッロ・ディ・ジベッロ"と平焼きパン

  • ペレグリーノ - 特選パスタ 手打ちパスタ タリオリーニ 広島産 無農薬レモンとコラトゥーラ(いわしの魚醤)和え 南半球オーストリアより フレッシュ冬トリュフがけ

    特選パスタ 手打ちパスタ タリオリーニ 広島産 無農薬レモンとコラトゥーラ(いわしの魚醤)和え 南半球オーストリアより フレッシュ冬トリュフがけ

  • ペレグリーノ - モデナ産 モーラロマニョーラ黒豚 前うで肉の生ハム "スパッラ・クルーダ"とフォカッチャ

    モデナ産 モーラロマニョーラ黒豚 前うで肉の生ハム "スパッラ・クルーダ"とフォカッチャ

  • ペレグリーノ - フリウリ ヴェネツィア ジューリア州 サンダニエーレ産 "プロシュート・ディ・サンダニエーレ"と炊きあがったばかりのココット米

    フリウリ ヴェネツィア ジューリア州 サンダニエーレ産 "プロシュート・ディ・サンダニエーレ"と炊きあがったばかりのココット米

  • ペレグリーノ - 出来立て 練りたて 濃縮ミルクのジュエラート "ジェラート フィオーレ ディ ラテ"

    出来立て 練りたて 濃縮ミルクのジュエラート "ジェラート フィオーレ ディ ラテ"

  • ペレグリーノ - ペレグリーノ

    ペレグリーノ

  • ペレグリーノ - 天草大王地鶏を身ごと丸ごと一羽煮出した"ブロート"

    天草大王地鶏を身ごと丸ごと一羽煮出した"ブロート"

  • ペレグリーノ - メニューにはない逸品 真イワシにフィノッキオを添えて

    メニューにはない逸品 真イワシにフィノッキオを添えて

  • ペレグリーノ - 小さな逸品 長崎県 壱岐の赤ウニ、少し酸味の効いた 自家製ライ麦パンとの クロスティーニ

    小さな逸品 長崎県 壱岐の赤ウニ、少し酸味の効いた 自家製ライ麦パンとの クロスティーニ

  • ペレグリーノ - 前菜 ~季節の組み合わせ~ 北海道 古平(ふるびら)より 牡丹海老を優しい火入れで調理 イタリア産カルチョーフィマモーレとの組み合わせ

    前菜 ~季節の組み合わせ~ 北海道 古平(ふるびら)より 牡丹海老を優しい火入れで調理 イタリア産カルチョーフィマモーレとの組み合わせ

  • ペレグリーノ - 旬の特別料理 千葉の房州の黒鮑のロースト、鮑の肝とバローロのピュレア添え

    旬の特別料理 千葉の房州の黒鮑のロースト、鮑の肝とバローロのピュレア添え

  • ペレグリーノ - 特選パスタ 手打ちパスタ タリオリーニ

    特選パスタ 手打ちパスタ タリオリーニ

  • ペレグリーノ - 特選パスタ 手打ちパスタ タリオリーニ 広島産 無農薬レモンとコラトゥーラ(いわしの魚醤)和え 南半球オーストリアより フレッシュ冬トリュフがけ

    特選パスタ 手打ちパスタ タリオリーニ 広島産 無農薬レモンとコラトゥーラ(いわしの魚醤)和え 南半球オーストリアより フレッシュ冬トリュフがけ

  • ペレグリーノ - メイン料理 天草産 白甘鯛の紀州備長炭火焼 北イタリア伝統のサルサヴェルデ添え

    メイン料理 天草産 白甘鯛の紀州備長炭火焼 北イタリア伝統のサルサヴェルデ添え

  • ペレグリーノ - エミリアロマーニャ州ボローニャ特産 "モルタデッラ"

    エミリアロマーニャ州ボローニャ特産 "モルタデッラ"

  • ペレグリーノ - エミリアロマーニャ州ボローニャ特産 "モルタデッラ"

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  • ペレグリーノ - フリウリ ヴェネツィア ジューリア州 サンダニエーレ産 "プロシュート・ディ・サンダニエーレ"

    フリウリ ヴェネツィア ジューリア州 サンダニエーレ産 "プロシュート・ディ・サンダニエーレ"

  • ペレグリーノ - フリウリ ヴェネツィア ジューリア州 サンダニエーレ産 "プロシュート・ディ・サンダニエーレ"とココット米

    フリウリ ヴェネツィア ジューリア州 サンダニエーレ産 "プロシュート・ディ・サンダニエーレ"とココット米

  • ペレグリーノ - モデナ産 モーラロマニョーラ黒豚 前うで肉の生ハム "スパッラ・クルーダ"

    モデナ産 モーラロマニョーラ黒豚 前うで肉の生ハム "スパッラ・クルーダ"

  • ペレグリーノ - トスカーナ州 シエナ産 チンタセネーゼ黒豚 背脂の生ハム "ラルド"と京都の鴨ナス

    トスカーナ州 シエナ産 チンタセネーゼ黒豚 背脂の生ハム "ラルド"と京都の鴨ナス

  • ペレグリーノ - ほんの少しオーブンに入れて脂を融解させたサルーミ・クラテッロ

    ほんの少しオーブンに入れて脂を融解させたサルーミ・クラテッロ

  • ペレグリーノ - エミリアロマーニャ パルマ産 "プロシュート・ディ・パルマ"

    エミリアロマーニャ パルマ産 "プロシュート・ディ・パルマ"

  • ペレグリーノ - エミリアロマーニャ パルマ産 "プロシュート・ディ・パルマ"とトルタフリッタ

    エミリアロマーニャ パルマ産 "プロシュート・ディ・パルマ"とトルタフリッタ

  • ペレグリーノ - エミリアロマーニャ パルマ産 "プロシュート・ディ・パルマ"とトルタフリッタ

    エミリアロマーニャ パルマ産 "プロシュート・ディ・パルマ"とトルタフリッタ

  • ペレグリーノ - エミリアロマーニャ パルマ産 "プロシュート・ディ・パルマ"ととうもろこし

    エミリアロマーニャ パルマ産 "プロシュート・ディ・パルマ"ととうもろこし

  • ペレグリーノ - イタリアの生ハムの王様"クラテッロ・ディ・ジベッロ"

    イタリアの生ハムの王様"クラテッロ・ディ・ジベッロ"

  • ペレグリーノ - イタリアの生ハムの王様"クラテッロ・ディ・ジベッロ"と平焼きパン

    イタリアの生ハムの王様"クラテッロ・ディ・ジベッロ"と平焼きパン

  • ペレグリーノ - 出来立て 練りたて 濃縮ミルクのジュエラート "ジェラート フィオーレ ディ ラテ"

    出来立て 練りたて 濃縮ミルクのジュエラート "ジェラート フィオーレ ディ ラテ"

  • ペレグリーノ - 季節の食材を使ったサブレ

    季節の食材を使ったサブレ

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2018/12訪問5回目

4.9

  • 料理・味4.9
  • サービス4.9
  • 雰囲気4.9
  • CP4.9
  • 酒・ドリンク4.9
¥50,000~¥59,9991人

ゆっくりと回転し始めるBerkel社製の最高級スライサー...「ペレグリーノ」、その素晴らしさの前では、傑作だとか、感動的だとか、美しいといった最高の形容詞さえ色褪せる...

2018年12月時点で、いまだ全世界に17台しか出荷されていないイタリアBerkel(ベルケル)社製の最高級のフライホイール式生ハムスライサーのハンドルがゆっくりと回転し始める。...そのスライシングと繰り出しの優雅なまでの運動に思わずうっとりと見とれてしまう。...それはまるで深紅のドレスをまとった淑女のダンスのように優雅である。

そしてその深紅の舞から、はらりはらりとこぼれ落ちる、向こうが透けて見えるくらいに薄い生ハムの美しさといったらない。...チューブから絞り出された原色の絵の具みたいに濃厚に旨みが凝結した生ハムの力強い塊を、まるで上澄みを掬(すく)いとるような薄さで削り取って、その一片(ひとひら)に、塩気と旨みのここしかないという一点を魔法のように閉じ込めていく。...この過つことのない職人技と名器の奇跡的な融合が感動的でなくして何であろう!

さらなる高みへ純潔なまでの情熱で駆け上がる「ペレグリーノ」に触れてしまった感動を、以下できるだけ詳細に書き綴っていきたい。


...2018年12月16日(日)19:15。高橋シェフに招き入れられて恵比寿の店内に入店する。と、いきなり、真新しいスライサーのハンドルに刻まれた"VAN BERKEL INTERNATIONAL"の綴りが、ひときわ眩く視界に飛び込んでくる。

今、目の前に輝いているそれは、現時点購入できる地球上でNO1の生ハムスライサーである。そしてこれと高橋シェフの技術が相俟った場合、はたしてどうなるか。...こんな稀少な出会いに胸ときめかない人間とは、今後永遠に縁を絶ちたいと思う。

...興奮を胸に折り畳みつつ、シェフお薦めの自然に作られたフランスのシャンパーニュで胸の高揚を落ち着かせながら、コースの始まりを待つ。

1.長野県伊那の"ぎたろう軍鶏"の煮だしたブロート
水と塩と軍鶏だけで一度も沸騰させることなく15時間煮だしたもの。雲一つない青空のように澄み切っていて美しい。これを最初にいただくと、「ペレグリーノ」に来たという実感が沸く。何度いただいてもため息が出るほどに旨い。...いつものごとく、"ぎたろう軍鶏"のブロート1杯で、小さな店内が6名のため息で満たされる。

2.長崎県の壱岐産の迷い鰹
鰹の背かみの部分を少し寝かせて味を凝縮させてから、備長炭で周りを炭火焼にしたもの。添え物は、イタリア野菜のほろ苦いプンタレッラに酸味を効かせたサラダ仕立て。手前のソースは、パセリが主体のサルサ・ヴェルデという組み合わせである。

迷い鰹は不思議な鰹だ。太平洋の銀の弾丸を思わせる血と鉄の威勢のよい鰹の香りとは袂を別って、まろやかに舌に媚びてくるような佇まいを持っている。

ここで、北イタリア、フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州の土着のヴィトフスカ種を使った白ワインで、次のポレンタを待ち受ける。

3.墨イカのポレンタ
明石の墨イカのエンペラ、ゲソ、イカの身を外側だけそっと焼いたものに、アーティチョークを煮込んだものが添えてある。スープには魚の骨で取った魚貝の澄んだスープと、この時期に北イタリアでよく食べられるポレンタ粉を合わせてトロっと仕上げてある。

...とにかくこの一品、墨イカの香りが素晴らしい!墨イカの風味、香りを蓄えて胸が詰まるような素晴らしい出来栄えである。...確かに「ペレグリーノ」といえば生ハムという先入観があるけれど、実際にうかがってこういう素晴らしい料理の数々に触れてしまうと、その先入観がいかに貧しいものか改めて思い知らされる。それが本当の「ペレグリーノ」体験なのだ!

次のワインは、茶褐色のワイン。赤ワインが熟成したような色をしているけれど、これは立派な白ワイン。フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州のピノ・グリージョという品種を使って作ったワインで、実に芳醇な味わいである。

4.フランスランド産の鴨フォアグラと四国徳島の里浦産のサツマイモ(里娘)をローストしたもの
ここで、本日の眼玉の1つの白トリュフのお目見えとなる!...温かいサツマイモの上に正真正銘のアルバの白トリュフを摺りかけ、その上にフォアグラを載せている。また、フォアグラの上には、アルバの白トリュフを砕いて漬け込んだアカシアの蜂蜜が添えられている。

里娘と蜂蜜の甘味とフォアグラの相性が素晴らしい。フォアグラはやっぱり甘味と合わせると抜群である。...そして更にそこに、プロパンガスのような息詰まるような白トリュフの狂おしいまでの熱(いき)れが、香りの化粧を施して回る。...文句のない逸品である。

...ここで、もう一品ワインが足される。シャルドネがメインの、これも茶褐色の白ワイン。

5.本日の魚料理、静岡御前崎のハタ
本日の魚料理は静岡御前崎からハタである。10日くらい寝かした若い感じのハタだそうである。合わせるのは、北海道産の無農薬で作られるポロねぎ(=西洋ネギ)。これらを一緒に蒸し煮にしてある。...そしてこれもまた、白トリュフをふんだんに摺りかけて仕上げられている。大変キレイな味わいの魚料理である。

6.生ハム
さぁ、ここから世界最高峰の生ハムスライサーの出番となる!...新しい"深紅の淑女"の導入で、これまでの「ペレグリーノ」の生ハムの組み立てが変わっていることに是非注目していただきたい!経験したことのない生ハムと食材の組み合わせと、生ハムの提供のされ方がいよいよ明るみになる!

1)17か月以上熟成の多田昌豊さんのペルシュー
手で渡される。ハムを透かして指と指の狭間が透けて見えるほどに薄造りである。羽衣のような逸品を口中に放り込むと、しっかりとした塩味と旨みが伝わってくる。

2)24か月熟成の多田昌豊さんのペルシュー
これも最初は手渡しでいただく。...これは今までになかったスタイルである。大体これまで、多田さんのペルシューで深い熟成のものは、お皿でいただくのが慣例であったけれど、今日の最初は手渡しでお鮨のようにスッといただく。

くるまったり捩れていない生ハムの素の薄さが伝わってくる。24か月のものはやはり落ち着きがあってまろやかである。清水が喉を通るようなささくれのないテクスチャと、深い旨みに、はからずも涙腺が緩む。...わたしは個人的に「ペレグリーノ」でいただく多田昌豊さんのペルシューは、熟成の深いものの方が好みである。

そして、次には温めたお皿の上に数枚切り分けたものをフォークでいただく。これもあまり巻かずにいただくのがコツである。さっとフォークでひきあげていただく。皿の熱を抱きかかえた生ハムが、まろやかに口中で香り立つ。

3)パルマ産のプロシュート・ディ・パルマ
パルマで作られたプロシュートである。34か月以上の熟成をかけたもの。これをスッとスライスしてお皿の上にシンプルに饗される。...実に芳醇である。そもそも日本の豚とは餌の原料が違うそうだ。そしてこの薄さで切れないと塩が強く感じたり、獣臭を感じたりするものだという。

これまでプロシュート・ディ・パルマはトルタフリットと合わせたり、ココットで炊き上げたリゾットと合わせて、という饗され方がお馴染みであったが、今回のこのシンプルな饗し方は、まさに今回の"深紅の淑女"のなせる業に違いない。

4)パルマ産のプロシュート・ディ・パルマと岐阜の龍の瞳というお米をココット鍋で炊き上げたリゾットとあわせて
香り高く仕上がっている。良質な脂がお米の余熱で溶ける。これも前回まではお皿に饗していただいたところを、リゾットをくるりと巻いて手渡しでいただく。リゾットの温かみに熟成たっぷりのプロシュートの脂が程よくほどける感じがたまらない。

ここで、しっかりとした赤ワインが饗される。2000年ビンテージのロンバルディア州で作られる赤ワインだ。

5)全く化学調味料を使っていないボローニャ特産のモルタデッラ
これがわたしは大好きだ!繊細だけれど、美しい香りと、純白なソーセージの旨みが共存している。

6)白トリュフにモルタデッラを巻いて
白トリュフの季節の「ペレグリーノ」さん定番のひとつである。モルタデッラの旨みと白トリュフの相性が抜群なのだ。感情を内に秘めた白トリュフのガスの香りを、陽気で柔らかなソーセージの旨みが包み込む感じである。この合わせはまさに最強である。

7)背脂の生ハム(ラルド・ディ・コロンナータ)にフォカッチャ
ラルド・ディ・コロンナータ。リグーリア州で作られるフォカッチャを添えてある。本来のフォカッチャの定義通りインカの眼覚め(ジャガイモ)を加えて作られている。透き通るような純白の輝き、胸のすくような香草の香り、絶妙な甘塩と絡まった瑞々しい脂のとろけるさまが素晴らしい。

これも、わたしは「ペレグリーノ」さんで始めての一品である。でも、これと"深紅の淑女"と関連性があるかはどうかはわからない(笑)。

次いで次のワイン。エミリアロマーニャのサンジョベーゼ、酸化防止剤が一切使われていない。力強いがキレイな味わいのワインだ。

8)モデナの山奥で飼育されるモーラ・ロマニョーラ黒豚の腿肉の生ハムに、トルタフリットをあわせて
やはりこの逸品をいただかないと「ペレグリーノ」ではない!モーラ・ロマニョーラ黒豚は旨みが強く、ハッキリとした主張を持った豚肉である。これにどこまでも軽快なパルマ風揚げパイ、トルタフリットを合わせていただく。トルタフリットの陽気な軽快感に、湿り気を帯びたような深く悩ましい黒豚の旨みがまとわりつく。...いついただいても凄い...

そして、エミリアロマーニャのカヴェルネソービニョンを使った赤ワイン。

9)パルマ黒豚で作られた最高のクラテッロ・ジベッロ(クラテッロ・ネロ)と北イタリアのピエモンテの良質な発酵バターと平焼きパンの組み合わせ
クラテッロ・ジベッロ。...これは、豚の腿肉の一番美味しい外腿肉の部位だけを足からまず外して、それでそれを豚の膀胱に詰めて、吊るして熟成させて作る。パルマ=クラテッロは湿地帯だそうだ。この土地で熟成させるためには、まず豚の膀胱に詰めて、外側にカビを生えさせ、菌をまとわせて中に影響がないように熟成させるという。

そして、最後は豚の膀胱を取るために赤ワインと白ワインに漬けてふやかして膀胱をとって、そのあとにさらにその膀胱と肉の間にある腐敗した部分を全部削ぎ落として、さらにワインに漬けて頃合になるまで、店でしばらく置いておいてから出すという。

...これをいただくと、漬け込んだワインの風味を感じるからだろうか...いつも何か王侯貴族のような優雅さを感じるのだ。

ここで、イタリアワインの女王、バルバレスコ。

7.アルバの白トリュフとバターとパルミジャーノを和えたタリオリーニ
シンプルなバターとパルミジャーノ和え。その上にアルバの白トリュフをかけている。チーズはより薫り高くなるようにお皿の下に敷き詰めてある。下から上に持ち上げるようにいただくと香りが舞う。ふくよかである。

実に美しい見栄えと、シンプルだけれど旨みそのものの結晶ともいうべき逸品である。文句のつけようがない素晴らしいパスタである。今年食べまくったパスタの中で間違いなく1番といってよい!

ピエモンテ州のバローロ。

8.新潟三条で網獲りで獲られた野生の青首鴨のむね肉のロースト
ベネト州のラディッキオ、50年以上熟成のモデナ産のバルサミコ酢が添えられている。「ペレグリーノ」の鴨は間違いなく都内1番である。新潟の鴨はお米を食べているので、脂が豊富で旨い。それに絶妙な焼きの技術があわさった奇跡の逸品である!

トスカーナのキャンティクラシコの甘口の白ワイン(デザートにあわせて)。

9.和栗のジェラート
濃縮ミルクのジェラートに長野の小布施の和栗を低温でゆっくりローストしたものを添えている。栗の風味を壊さないように。栗は熟成させている。ほのかな自然の甘みが素晴らしい。

10.アルバの白トリュフを加えたサブレ
サブレは、焼き菓子であるが、本来の意味が砂である。ごくごく薄く焼いてさらさらとした焼き上がりになっている。添えてあるクリームもジャージークリームに白トリュフを砕いたものを加えて香りづけた白トリュフクリームになる。小菓子だけれど、これが滅法素晴らしかった!トリュフ尽くしのコースの幕引きにふさわしい逸品である。

...はたして「ペレグリーノ」はどの高みまで駆け上がっていくのだろうか。...コースのすべてが終わって、しばらく高橋シェフと歓談させていただいた。その静かな語り口にもちろん気負いなどないけれど、会話の端々から感じる最高級スライサーを手に入れたシェフの純粋な悦びを目の当たりにして、食べログAward Goldという評価をはるかに飛び越えて飛翔する"隼(はやぶさ)"の鳥影を垣間見た1日となった。

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  • ペレグリーノ - パルマ産のプロシュート・ディ・パルマと岐阜の龍の瞳というお米をココット鍋で炊き上げたリゾットとあわせて

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  • ペレグリーノ - 全く化学調味料を使っていないボローニャ特産のモルタデッラ

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  • ペレグリーノ - いまだ全世界に17台しか出荷されていないイタリアBerkel社製の最高級のフライホイール式生ハムスライサー

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  • ペレグリーノ - ロットナンバーを見よ!

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  • ペレグリーノ - 本日の魚料理、静岡御前崎のハタ

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  • ペレグリーノ - 17か月以上熟成の多田昌豊さんのペルシュー

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  • ペレグリーノ - 24か月熟成の多田昌豊さんのペルシュー

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  • ペレグリーノ - パルマ産のプロシュート・ディ・パルマ

    パルマ産のプロシュート・ディ・パルマ

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  • ペレグリーノ - パルマ産のプロシュート・ディ・パルマと岐阜の龍の瞳というお米をココット鍋で炊き上げたリゾットとあわせて

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  • ペレグリーノ - パルマ産のプロシュート・ディ・パルマと岐阜の龍の瞳というお米をココット鍋で炊き上げたリゾットとあわせて

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  • ペレグリーノ - 全く化学調味料を使っていないボローニャ特産のモルタデッラ

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  • ペレグリーノ - 全く化学調味料を使っていないボローニャ特産のモルタデッラ

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  • ペレグリーノ - 白トリュフにモルタデッラを巻いて

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  • ペレグリーノ - 背脂の生ハム(ラルド・ディ・コロンナータ)にフォカッチャ

    背脂の生ハム(ラルド・ディ・コロンナータ)にフォカッチャ

  • ペレグリーノ - 背脂の生ハム(ラルド・ディ・コロンナータ)にフォカッチャ

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  • ペレグリーノ - モデナの山奥で飼育されるモーラ・ロマニョーラ黒豚の腿肉の生ハム

    モデナの山奥で飼育されるモーラ・ロマニョーラ黒豚の腿肉の生ハム

  • ペレグリーノ - モデナの山奥で飼育されるモーラ・ロマニョーラ黒豚の腿肉の生ハムに、トルタフリットをあわせて

    モデナの山奥で飼育されるモーラ・ロマニョーラ黒豚の腿肉の生ハムに、トルタフリットをあわせて

  • ペレグリーノ - モデナの山奥で飼育されるモーラ・ロマニョーラ黒豚の腿肉の生ハムに、トルタフリットをあわせて

    モデナの山奥で飼育されるモーラ・ロマニョーラ黒豚の腿肉の生ハムに、トルタフリットをあわせて

  • ペレグリーノ - パルマ黒豚で作られた最高のクラテッロ・ジベッロ(クラテッロ・ネロ)

    パルマ黒豚で作られた最高のクラテッロ・ジベッロ(クラテッロ・ネロ)

  • ペレグリーノ - パルマ黒豚で作られた最高のクラテッロ・ジベッロ(クラテッロ・ネロ)と北イタリアのピエモンテの良質な発酵バターと平焼きパンの組み合わせ

    パルマ黒豚で作られた最高のクラテッロ・ジベッロ(クラテッロ・ネロ)と北イタリアのピエモンテの良質な発酵バターと平焼きパンの組み合わせ

  • ペレグリーノ - 自家製タリオリーニ

    自家製タリオリーニ

  • ペレグリーノ - アルバの白トリュフとバターとパルミジャーノを和えたタリオリーニ

    アルバの白トリュフとバターとパルミジャーノを和えたタリオリーニ

  • ペレグリーノ - 新潟三条で網獲りで獲られた野生の青首鴨のむね肉のロースト

    新潟三条で網獲りで獲られた野生の青首鴨のむね肉のロースト

  • ペレグリーノ - 和栗のジェラート

    和栗のジェラート

  • ペレグリーノ - アルバの白トリュフを加えたサブレ

    アルバの白トリュフを加えたサブレ

  • ペレグリーノ - 本日のワイン

    本日のワイン

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2018/10訪問4回目

4.9

  • 料理・味4.9
  • サービス4.9
  • 雰囲気4.9
  • CP4.9
  • 酒・ドリンク4.9

大胆さと繊細さの貴重な遭遇...「ペレグリーノ」、やはりここは人の心を騒がせる美しいレストランだ!

今回の「ペレグリーノ」体験ばかりは、存分に語らせていただきたい!大胆さと繊細さが同居する今回のお食事体験は、深く深く感動的であった。

この日の「ペレグリーノ」の献立は意表を突くものがあった。というのも、この日、最初に生ハムからスタートして、お魚、お肉のメイン料理と続く、いわゆるわたしが知っている「ペレグリーノ」の料理の組み立てはすっかり影を潜め、高橋シェフは、生ハムの連なりを中核に、両脇を極上の魚料理でしっかりと固め、メインとなる肉料理を涼しく封印するというコースの大胆な再構築をこともなげにやってのけてしまったからだ。

最初は、その変貌ぶりに少し戸惑いもしたけれど、お料理をいただくうちに、その一品一品の品質と、献立の組み立てを通して表現される料理のコンセプトに、どうしようもなく心が揺さぶられてしまう。

しかしその心の揺れについて語る前に、今回「ペレグリーノ」の魚料理がさらなる進化を遂げ、とことん素晴らしくなっていたことについて、触れておかねばならないと思う。...もちろん、これまでも徳島産の白甘鯛を使ったメインなど、シェフの魚料理は大変素晴らしかったけれど、今回の魚料理は明らかにこれまでとは違う品格を備えていた。

では、その品格とは何か?...端的に言おう。「魚が香る」のである。赤雲丹にしても、鰹にしても、クエにしても、鰻にしてもその素材の持つ香りが存分に引き出されている印象を受けるのだ(特に鰹が凄かった!)。その仕事は、まるで鮨職人のそれを彷彿とさせるものがある。

この卓越した魚料理が軸となって、コース全体に魔法をかけてまわる。...一連のお料理をひとつひとつ味わっていくにつれ、しめやかに香る魚達が、魚とは異質な動物性の旨みを蓄えた生ハムを、魚固有の潤味(うるおみ)のある香りで優しく祝福しているような印象を与えるのだ。これが、瞳をつむって余韻に浸りたいほどに素晴らしい!

そしてさらに、メインのお肉料理を大胆に割愛することによって、コースの中における生ハムの、"肉"としての存在感が前景化され、今更ながら「ペレグリーノ」が北イタリアのエミリア=ロマーニャ州の郷土料理を骨格としたレストランであるという存在感が、より鮮明に際立ってくる。その組み立ての大胆な差配と食材たちの肌理細やか共鳴ぶりに「...なんて上手いんだろう」と、心の震えを止めることができない。


..."大胆さと繊細さの遭遇"、思わずそんな言葉が脳裏をよぎり、高橋シェフが、"料理を愛している料理人"ではなく、"料理に愛されている料理人"であることを今さらながら確信する。

...以下素晴らしかった「ペレグリーノ」でのお食事体験について書き綴っていきたい。

雨をかいくぐるように本日のお連れさまと、恵比寿のお店に転がり込んだのが6:20。「ペレグリーノ」にしては珍しく、少し早めのスタートである。

まずは、フランスシャンパーニュの自然派ワインで軽く喉を潤しながら、コースのスタートを待つ。

1.前菜(1):雲丹
ふわっと焼き上げた自家製パンに、フランスノルマンディ産の発酵バターと鹿児島県の赤雲丹。赤雲丹の味が濃い。これと発酵バターの相性がまたすこぶるよい。一品目は、"ぎたろう軍鶏"のブロードのイメージが強かったため、この最初の一品目で変化の予感がする。

2.前菜(2):鰹
鰹。気仙沼の鰹を事前に藁で燻って、饗する直前に炭で火入れしたものである。それに北海道産の鰤を添えてある。鰤の下に敷かれているのは、イタリア野菜のプンタレッラを酸味を効かせたサラダ仕立てにしたもの。手前のソースが、パセリが主体のサルサ・ヴェルデ。

鰹は、何日も熟成をかけて、中心部分に旨みを凝縮させたものである。中心部分に寄せ集まった鰹の濃厚で豊満な酸味の凝縮が何とも素晴らしい。

3.前菜(3):ポレンタ
イタリアのポルチーニ茸のソテーを浮かべたポレンタ。ポレンタは、ただのポレンタではなくて、長野県伊那の"ぎたろう軍鶏"を14時間煮だして作ったブロードをベースにしたもの。あの澄み切った美しいブロードがこんな風に変貌を遂げていることに新鮮な驚きを感じる。

4.前菜(4):クエ
四国徳島のクエ、長野県の天然の舞茸とイタリア野菜 ズッキーニ トロンベッタをスープ煮にしたもの。
ズッキーニ トロンベッタは、香り高くまるで"凝縮したズッキーニ"といった面持ちを持ったイタリア野菜だ。そしてこの一品も、また、魚の香りにやられてしまう。

お皿から紛れもないクエの存在感がしっかりと感じ取れる。クエの旬は、おそらくもう少し冬に近づいたころだと思う。そのころになると、さらにぐっと脂がのってくると思うけれど、この一皿、旬を迎える前の若いクエの存在感が、実に上品にヒラタケやズッキーニ トロンベッタを包み込んでいて好感が持てる。

5.前菜(5):生ハム
ここからが、生ハムの連なりとなる。
1)19か月熟成の多田昌豊さんのペルシュー(新潟の豚...今回は岐阜でなく新潟の豚を使用している)
生ハムスライサーで、まずは一枚だけ手渡しでいただく。良質なマグロの赤身のような新鮮さを感じる。後からハム本来の甘みがふわりと鼻腔のあたりに漂う。これは、もちろんランブルスコでやる。

2)19か月熟成の多田昌豊さんのペルシューに新潟佐渡島の完熟のイチジク
完熟イチジクとの合わせが秀逸である。楚々とした和の風合いがあって、生ハムとの合わせはメロンよりも絶対にこちらの方が旨いと思う。時期が進んで10月くらいになったら今度は柿とあわせるそうだ。

3)29か月熟成の多田昌豊さんのペルシュー
19か月のペルシューが、10か月の熟成期間を置くことにより、さらに円熟味という鎧を纏う。最初に常温で一枚だけいただく。口の中でほどける生ハムは、口中に旨みしか残さない。何度いただいても素晴らしい。

4)29か月熟成の多田昌豊さんのペルシューに岐阜の龍の瞳というお米をココット鍋で炊き上げている
ころころっとお米を転がしただけでペルシューがまとわりつく。これを手で持っていただくのだけれど、お米の熱が加わって、生ハムを一番芳醇な香りが感じ取られるところまでもっていってくれているのが感じとれる。

わたしは、このいただき方が滅法好きだ。お米の熱が生ハムの脂を溶かして香り立つあたり、頭を抱えるくらいに旨い!

5)全く化学調味料を使っていないボローニャ特産のモルタデッラ
ボローニャ風ソーセージのモルタデッラ。香りが高く、味わいの余韻が大変長いソーセージだ。

6)モデナの山奥で飼育されるモーラ・ロマニョーラ黒豚のほほ肉の生ハム(グアンチャーレ)という脂と赤身の交錯した生ハム、ジャガイモを入れた本来のフォカッチャと合わせて
パルマの2つ隣のモデナの山奥で特別に飼育される幻の黒豚~モーラ・ロマニョーラ黒豚。グアンチャーレとは豚の頬肉、いわゆる豚トロを塩漬けにして2、3週間寝かせたものだ。これに越冬したジャガイモ(インカの眼覚め)の自然の甘みがでたフォカッチャを合わせる。

これも交錯した脂と赤身が秀逸なマリアージュを演じたてる逸品だ。良質なマグロのトロをいただいているような錯覚を覚える。

7)ほんの少しオーブンに入れて脂を融解させたサルーミ・クラテッロ
サラミとは言え、熟成加減20日程度の生肉に近い本当に生肉に近いフレッシュな味わいのサラミである。名前が示すように、イタリアの生ハムの王様、クラテッロ地方の生ハムで作られたサラミで、本格的なクラテッロを仕込むときにできる端肉(はしにく)から作られるそうだ。

で、それをそのままではなく、さらに味を際立たせるためにオーブンで表面だけをほんのり温めて脂を溶かし、香りを出して饗していただく。クラテッロの良質な肉を使って作られた、熟成加減が抜群のサラミである。

8)モデナの山奥で飼育されるモーラ・ロマニョーラ黒豚のもも肉と、パルマ風揚げパイ、トルタフリッタ
プロシュートとトルタフリッタの組み合わせは、イタリアパルマでの定番だ。熟成プロシュートの滋味深い味わいと、香ばしいフリッタの屈託のない軽やかさはこれ以上ない組み合わせである。

9)イタリアの生ハムの王様"クラテッロ ディ ジベッロ"、発酵バター、平焼きパン"チャバッタ"とともに
しかも、本日は非常に稀少な"クラテッロ・ネロ"と呼ばれるパルマ黒豚を使った"クラテッロ・ディ・ジベッロ"だ!、自家製の平焼きパン("チャバッタ")とピエモンテの良質な発酵バターの上に"クラテッロ・ディ・ジベッロ"を載せて饗していただく。

この"クラテッロ ディ ジベッロ"は、豚の腿肉の一番美味しい外腿肉の部位だけを足から外して、豚の膀胱に詰めて吊るして作るそうだ。その工程で、クラテッロ地方は湿地帯で湿り気の多い土地のため、豚の膀胱の外側にカビを繁殖させ、菌をまとわせて中に影響が及ばないように熟成させるとのこと。

さらに、熟成が終わると、赤ワインと白ワインに漬けてふやかして膀胱を外し、膀胱と肉の間にある腐敗した部分を綺麗に削ぎ落として、さらにワインに漬けて頃合になるまで、店でしばらく置いておいてから出荷するそうだ。

道理で、ひとくち口に含むと、プロシュートがワインの芳醇な香りを纏っているのが直接伝わってくる。やはりこの生ハムは別格だ。ほかの生ハムとは比較にならないネットリとした味わいに舌を巻く。

6.自家製タリアテッレ、長野県の伊那の松茸和え
何とも見た目が美しいタリアテッレである。お皿が真っ白に輝いている。麺の状態、茹で加減とも抜群である。ここ最近いただいたパスタの中で最も上品な一皿である。

7.生で食べても美味しい北海道産の嶽きみ(たけきみ)のスープ
ここで、小さなスープが出てくる。北海道産の"嶽きみ(たけきみ)"という玉蜀黍は絶対に記憶にとどめておくべき食材である。このスープ、驚くほどに甘い。この甘さはすべて"嶽きみ(たけきみ)"の持つ甘さだそうだ。

8.長良川の天然鰻の炭火焼と加茂ナスのロースト、モデナの伝統的なアチェート・バルサミコDOPを添えて
この天然鰻も素晴らしかった。始めにオーブンで10分ローストしたものを、炭火で焼き上げたもの。ふっくらと仕上げている。まるで蒸らしあげたような食感と、鰻の香りが直截に伝わってくる逸品である。爪の先ほども鰻の臭みを感じない。驚くほど純粋に、そして真っすぐに鰻の旨さのみを引き出した傑作というのが惜しまれるくらいの一品である。

その出来栄えは、ほとんど、わたしが、鰻はここが一番と思っている「と村」さんの青森県小川原湖(おがわらこ)産天然鰻の焼き物と匹敵する。


9.自家製ジェラート
ヘーゼルナッツを散らした、「ペレグリーノ」さん自家製のジェラート。これがまた、立ち止まってしまいたくなるくらい旨いのだ。最後は茶菓子で一通りとなる。

本日のお連れさまは今回「ペレグリーノ」初訪であったが、大変満足していただけたようだ。感動の声を聞けて心に明るみのようなものを感じる...「ペレグリーノ」。やはりここは素晴らしい。特に今回、大胆さと繊細さの貴重な遭遇ともいうべき現場に立ち会えたことに感動する。やはりここは人の心を騒がせる美しいレストランだ!

  • ペレグリーノ - 長良川の天然鰻の炭火焼と加茂ナスのロースト、モデナの伝統的なアチェート・バルサミコDOPを添えて

    長良川の天然鰻の炭火焼と加茂ナスのロースト、モデナの伝統的なアチェート・バルサミコDOPを添えて

  • ペレグリーノ - ふわっと焼き上げた自家製パンに、フランスノルマンディ産の発酵バターと鹿児島県の赤雲丹

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  • ペレグリーノ - イタリアの生ハムの王様"クラテッロ ディ ジベッロ"、発酵バター、平焼きパン"チャバッタ"とともに

    イタリアの生ハムの王様"クラテッロ ディ ジベッロ"、発酵バター、平焼きパン"チャバッタ"とともに

  • ペレグリーノ - 自家製タリアテッレ、長野県の伊那の松茸和え

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  • ペレグリーノ - 19か月熟成の多田昌豊さんのペルシューに新潟佐渡島の完熟のイチジク

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  • ペレグリーノ - 29か月熟成の多田昌豊さんのペルシューに岐阜の龍の瞳というお米をココット鍋で炊き上げている

    29か月熟成の多田昌豊さんのペルシューに岐阜の龍の瞳というお米をココット鍋で炊き上げている

  • ペレグリーノ - モデナの山奥で飼育されるモーラ・ロマニョーラ黒豚のほほ肉の生ハム(グアンチャーレ)という脂と赤身の交錯した生ハム、ジャガイモを入れた本来のフォカッチャと合わせて

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  • ペレグリーノ - モデナの山奥で飼育されるモーラ・ロマニョーラ黒豚のもも肉と、パルマ風揚げパイ、トルタフリッタ

    モデナの山奥で飼育されるモーラ・ロマニョーラ黒豚のもも肉と、パルマ風揚げパイ、トルタフリッタ

  • ペレグリーノ - ふわっと焼き上げた自家製パンに、フランスノルマンディ産の発酵バターと鹿児島県の赤雲丹

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  • ペレグリーノ - 藁焼きの気仙沼の鰹、北海道産の鰤 イタリア野菜のプンタレッラを酸味を効かせたサラダ仕立てにしたものとパセリが主体のサルサ・ヴェルデ

    藁焼きの気仙沼の鰹、北海道産の鰤 イタリア野菜のプンタレッラを酸味を効かせたサラダ仕立てにしたものとパセリが主体のサルサ・ヴェルデ

  • ペレグリーノ - イタリアのポルチーニ茸のソテーを浮かべたポレンタ

    イタリアのポルチーニ茸のソテーを浮かべたポレンタ

  • ペレグリーノ - 四国徳島のクエ、長野県の天然の舞茸とイタリア野菜 ズッキーニ トロンベッタをスープ煮にしたもの

    四国徳島のクエ、長野県の天然の舞茸とイタリア野菜 ズッキーニ トロンベッタをスープ煮にしたもの

  • ペレグリーノ - 19か月熟成の多田昌豊さんのペルシュー(新潟の豚)

    19か月熟成の多田昌豊さんのペルシュー(新潟の豚)

  • ペレグリーノ - 19か月熟成の多田昌豊さんのペルシュー(新潟の豚)

    19か月熟成の多田昌豊さんのペルシュー(新潟の豚)

  • ペレグリーノ - 19か月熟成の多田昌豊さんのペルシューに新潟佐渡島の完熟のイチジク

    19か月熟成の多田昌豊さんのペルシューに新潟佐渡島の完熟のイチジク

  • ペレグリーノ - 19か月熟成の多田昌豊さんのペルシューに新潟佐渡島の完熟のイチジク

    19か月熟成の多田昌豊さんのペルシューに新潟佐渡島の完熟のイチジク

  • ペレグリーノ - 29か月熟成の多田昌豊さんのペルシュー

    29か月熟成の多田昌豊さんのペルシュー

  • ペレグリーノ - 29か月熟成の多田昌豊さんのペルシューに岐阜の龍の瞳というお米をココット鍋で炊き上げている

    29か月熟成の多田昌豊さんのペルシューに岐阜の龍の瞳というお米をココット鍋で炊き上げている

  • ペレグリーノ - 全く化学調味料を使っていないボローニャ特産のモルタデッラ

    全く化学調味料を使っていないボローニャ特産のモルタデッラ

  • ペレグリーノ - モデナの山奥で飼育されるモーラ・ロマニョーラ黒豚のほほ肉の生ハム(グアンチャーレ)という脂と赤身の交錯した生ハム、ジャガイモを入れた本来のフォカッチャと合わせて

    モデナの山奥で飼育されるモーラ・ロマニョーラ黒豚のほほ肉の生ハム(グアンチャーレ)という脂と赤身の交錯した生ハム、ジャガイモを入れた本来のフォカッチャと合わせて

  • ペレグリーノ - ほんの少しオーブンに入れて脂を融解させたサルーミ・クラテッロ

    ほんの少しオーブンに入れて脂を融解させたサルーミ・クラテッロ

  • ペレグリーノ - モデナの山奥で飼育されるモーラ・ロマニョーラ黒豚のもも肉と、パルマ風揚げパイ、トルタフリッタ

    モデナの山奥で飼育されるモーラ・ロマニョーラ黒豚のもも肉と、パルマ風揚げパイ、トルタフリッタ

  • ペレグリーノ - イタリアの生ハムの王様"クラテッロ ディ ジベッロ"、発酵バター、平焼きパン"チャバッタ"とともに

    イタリアの生ハムの王様"クラテッロ ディ ジベッロ"、発酵バター、平焼きパン"チャバッタ"とともに

  • ペレグリーノ - 自家製タリアテッレ

    自家製タリアテッレ

  • ペレグリーノ - 自家製タリアテッレ、長野県の伊那の松茸和え

    自家製タリアテッレ、長野県の伊那の松茸和え

  • ペレグリーノ - 生で食べても美味しい北海道産の嶽きみ(たけきみ)のスープ

    生で食べても美味しい北海道産の嶽きみ(たけきみ)のスープ

  • ペレグリーノ - 長良川の天然鰻の炭火焼と加茂ナスのロースト、モデナの伝統的なアチェート・バルサミコDOPを添えて

    長良川の天然鰻の炭火焼と加茂ナスのロースト、モデナの伝統的なアチェート・バルサミコDOPを添えて

  • ペレグリーノ - 自家製ジェラート

    自家製ジェラート

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2018/01訪問3回目

4.9

  • 料理・味4.9
  • サービス4.9
  • 雰囲気4.9
  • CP4.9
  • 酒・ドリンク4.9

11の生ハムの連綿!...「ペレグリーノ」、本日は生ハム盛り合わせが11種...溜息がでるくらいの素晴らしさ!そして特筆すべきは鴨!その艶めかしい味わいに言葉を失う!

手動の生ハムスライサーの回転ハンドルが、測ったような正確さで1回...そしてまた1回と回転する。と、薄い生ハムが舞うようにふわり、そしてまたふわりと大ぶりの綿雪のように、まな板の上に静かに降り募る。...たったそれだけのことなのに、その静かな生々しい光景に思わず息をのまずにはいられない。...そして削り取られたばかりの震えるような極薄の生ハムをフルーツフォークで掬って口に運ぶ悦び!あらゆる調理技術とは無縁の領域でそれは純粋な輝きを放っている。これほど直截な美味をなんのてらいもなく提供するシェフは紛れもなく料理に愛されている!

2017年12月28日(木)。年の瀬に高橋シェフから貸し切りの会のご案内がある。さらに高橋シェフから、「本当に絶対満足な内容で、かつ記憶に残るコースになります!」とのご案内があって、心震えない人間がいるだろうか!以下、年末の素晴らしかったペレグリーノの会について、詳細に書き綴っていきたい。

みなさん揃ったところで、まずは泡からスタート。食前酒のスパーグリングワイン。パルマの隣のレッジョ エミリアのスペルゴラを使ったものだ。シャンパーニュと同じ作り方で作られた一品で、酸化防止剤などを一切使っていない。とてもドライで、最初の一品には最適だ。

1.パルマ伝統郷土料理...長野県 伊那より "ぎたろう軍鶏" を丸ごと一羽煮出したブロード パルマ伝統の小さなラヴィオリ "カペレッティ" と共に
水と塩と軍鶏だけで、一度も沸騰させず、延べ15時間火を入れている。ブロードの中には、パルマの伝統的な郷土パスタ、"小さな帽子"という意味のカペレッティが浮かんでいる。カペレッティの中にはパルミジャーノレッジャーノチーズとパン粉、ここに今日は、ふんだんにアルバの白トリュフを加えて白トリュフ風味に仕上げてある。...それにしてもブロードに浮きつ沈みつするカペレッティの数が凄すぎる!17~18個は入っているだろうか、普段は7、8個くらいなのだが...高橋シェフに感謝!ありがとう!

白ワイン、エミリアロマーニャで作られるマルバジュアを使った葡萄の皮を一緒に漬けて醸造したワイン。渋みや苦みを一緒に味わう。

2.フランス産の良質な鴨フォアグラのテリーヌ、下は皮付きのまま焼き上げた四国徳島の里娘というサツマイモ、上には刻んだ白トリュフとイタリアのアカシアのハチミツをあわせたものをかけたもの
スプーンとフォークで切って一緒に合わせて、ワインと一緒にいただく。里娘の甘みとフォアグラの相性が素晴らしい!このフォアグラの感情を内に秘めた寡黙なほどの猛々しい存在感にやられる!

3.季節の食材を組み合わせた料理...北海道産の無農薬で作られるポロねぎ(=西洋ネギ)と、上は徳島産の赤むつ、その上にトリュフをスライスしたもの
スプーンとフォークで切って一緒に合わせて、ワインと一緒にいただく。ワインは、リトフスカを使ったワイン。魚の旨味の強さとネギの良さ、そしてブロードの旨さを味わう。野菜と肉の旨さを全て吸ったポロねぎが素晴らしい。

4.ここから「ペレグリーノ」のスペシャリテ、生ハムの饗宴だ!
生サラミの盛り合わせ。盛り合わせとはいっても、一種類ずつ饗していただき、一枚ずつじっくりと味わうのが「ペレグリーノ」スタイルだ。あわせる赤ワインは、いつもの通り、生ハムにもっともあうといわれるエミリア=ロマーニャ州、北イタリアのランブルスコ(葡萄)を使った微発泡赤ワイン。

1)多田昌豊さんの17ヶ月の熟成の若いペルシュウ
乾かないように、3、4枚と重ねられている。手前のフォークに当たっているところから、サッと上に引き上げて口に入れていただく。口どけが素晴らしい、香りが素晴らしい。この生ハムは17ヶ月の熟成。若い。素材本来の甘さを愉しむ。塩と風だけで作る生ハム。本当に繊細な味わいであるが、甘みをしっかりとかじることができる。

2)多田昌豊さんの27ヶ月の熟成の若いペルシュウ
うん、10か月違うと味の余韻がまったく違う。まろやか。熟成期間が長いので旨い。どっしりした印象がある。熟成が長くて丸い。ランブルスコにめっちゃあう!

3)今度は、同じ多田昌豊さんの27ヶ月の熟成の若いペルシュウに、小さなココット鍋でたった今炊き上げた新潟の新米でをくるんだもの
これは初めての合わせだ!しかしでも、ペルシュウと新米を合わせるとは!...ペルシュウの塩気をご飯のやさしさが包み込む感じが素晴らしい。たぶんこんな食べ方はここでしか味わえない!この上質な旨さはほとんど犯罪的である!

4)全く化学調味料を使っていないボローニャ特産のモルタデッラ
これが優しくてうまい。自然の味わいを口に入れた余韻、香りが、なんとも素晴らしい。

5)ごく薄く削ったモルタデッラに同じ薄さで削ったアルバの白トリュフを包んで
一口でいただく。ものすごい香りに圧倒される!ペレグリーノの素晴らしさは、極上のアルバの白トリュフをごく薄く削ってみたり、そこそこの存在感で出してみたり、少しばかりハチミツを加えてみたりと、形状を変えつつ、トリュフの色々な味わいを存分に愉しませてくれるところだ!

モルタデッラの優しい味わいと、チューブから絞り出して固めたみたいな白トリュフの旨味に圧倒される。

トリュフは、12月おわりだと使わないところが多いそうだ。クリスマスに準じてトリュフ自体が高くなるのと、トリュフがなくても集客があるから使わないというのがその理由だそうだ。しかしでも香りはこの終わりかけが一番素晴らしいと思う。

6)北イタリアのヴェネト州のソップレッサというサラミ
大蒜の香りがする。リグーリア特産のフォカッチャ。ジャガイモが入ったもの。...旨い!グーリア産のフォカッチャ。フォカッチャは、じゃがいもを入れて作るそうだ。というか、厳密には、じゃがいもを入れていないと"フォカッチャ"と呼べないとのことだ。これは、北海道の稀少な赤いじゃがいも"インカルージュ"を入れて作られている。これとサラミの相性が抜群!

7)パルマの2つ隣のモデナの山奥で特別に飼育される幻の黒豚~モーラ・ロマニョーラ黒豚のホホ肉のグアンチャーレ、イタリアのウイキョウ
このウイキョウの仄かな苦み走りが素晴らしかった!これも初!そして、モーラ・ロマニョーラの身の美しいピンク色に陶然とする。みんな!これは食べないとダメだよ!

8)モデナの山奥で特別に飼育される幻の黒豚のモーラ・ロマニョーラ黒豚の肩肉の塩漬けとライ麦粉100%のパン
素晴らしい...のひとこと。"ライ麦畑でつかまえて!"的な高揚感に我を忘れてうっとりする。

9)モデナのモーラ・ロマニョーラ黒豚の腿肉で作られる生ハム、それに合わせて揚げパイ、トルタフリッタ
いつもは、プロシュット・ディ・パルマで使っているけれど今日は違う。プロシュット・ディ・パルマよりも黒豚の方が味が強いので、それに合わせて揚げパイの塩加減も配合を変えて優し目に調整されている。奥行きがある。空気が抜けるとたちまち温度が下がる。
そして、ワインは、この後のクラテッロ・ジベッロにあわせて、美発砲ではない、しっかりとしたものをご用意していただける。

10)クラテッロ・ジベッロと北イタリアのピエモンテの良質な発酵バターと平焼きパンの組み合わせ
この素晴らしさ!クラテッロ・ジベッロはまさに王様である。王侯貴族のような絢爛な佇まいを存分に堪能する。

11)最後のトリ、クラテッロの別の食べ方。分厚い白トリュフをそっくり包んで
もう、いうことない。この素晴らしい生ハムの饗宴に高橋シェフに感謝である。

5.四国の高知寄りのゆきの白甘鯛のロースト、ラデッィキオ、ビスタチオと25年熟成のバルサミコのソース
ここからメイン。うん、ペレグリーノは、バルサミコ使いである。これがなんとも素晴らしい!そしてラデッィキオの苦みが良い。白甘鯛の優しい甘みを存分に堪能する!

6.新潟の田んぼで網獲りされた野生の青首鴨のむね肉だけ火入れしたもの
実は、これが、圧巻であった!これまで、わたしの中では、鴨は「レフェルヴェソンス」が一番であったけれど、それを軽々と超越して来た料理であった!これは絶対に忘れられない。息を呑むような旨さ。...一瞬にしてとどめを刺されるようなこの旨さの艶やかさに言葉を失ったことを正直に告白したい。

7.出来立て練りたてのオーダーごとに作る濃縮ミルクを使ったジェラート
文句なく素晴らしいジェラートで一通りとなる。ペレグリーノは、わたしにとって絶対的なイタリアンである。ここは途轍もない!芸もなくペレグ、ペレグ...と呟きながら帰路に就く。

  • ペレグリーノ - モデナのモーラ・ロマニョーラ黒豚の腿肉で作られる生ハム、それに合わせて揚げパイ、トルタフリッタ

    モデナのモーラ・ロマニョーラ黒豚の腿肉で作られる生ハム、それに合わせて揚げパイ、トルタフリッタ

  • ペレグリーノ - クラテッロ・ジベッロと北イタリアのピエモンテの良質な発酵バターと平焼きパンの組み合わせ

    クラテッロ・ジベッロと北イタリアのピエモンテの良質な発酵バターと平焼きパンの組み合わせ

  • ペレグリーノ - フランス産の良質な鴨フォアグラのテリーヌ、下は皮付きのまま焼き上げた四国徳島の里娘というサツマイモ、上には刻んだ白トリュフとイタリアのアカシアのハチミツをあわせたものをかけたもの

    フランス産の良質な鴨フォアグラのテリーヌ、下は皮付きのまま焼き上げた四国徳島の里娘というサツマイモ、上には刻んだ白トリュフとイタリアのアカシアのハチミツをあわせたものをかけたもの

  • ペレグリーノ - 新潟の田んぼで網獲りされた野生の青首鴨のむね肉だけ火入れしたもの

    新潟の田んぼで網獲りされた野生の青首鴨のむね肉だけ火入れしたもの

  • ペレグリーノ - 今日のしつらえ

    今日のしつらえ

  • ペレグリーノ - パルマ伝統郷土料理...長野県 伊那より "ぎたろう軍鶏" を丸ごと一羽煮出したブロード パルマ伝統の小さなラヴィオリ "カペレッティ" と共に

    パルマ伝統郷土料理...長野県 伊那より "ぎたろう軍鶏" を丸ごと一羽煮出したブロード パルマ伝統の小さなラヴィオリ "カペレッティ" と共に

  • ペレグリーノ - フランス産の良質な鴨フォアグラのテリーヌ、下は皮付きのまま焼き上げた四国徳島の里娘というサツマイモ、上には刻んだ白トリュフとイタリアのアカシアのハチミツをあわせたものをかけたもの

    フランス産の良質な鴨フォアグラのテリーヌ、下は皮付きのまま焼き上げた四国徳島の里娘というサツマイモ、上には刻んだ白トリュフとイタリアのアカシアのハチミツをあわせたものをかけたもの

  • ペレグリーノ - 多田昌豊さんの17ヶ月の熟成の若いペルシュウ

    多田昌豊さんの17ヶ月の熟成の若いペルシュウ

  • ペレグリーノ - 多田昌豊さんの27ヶ月の熟成の若いペルシュウ

    多田昌豊さんの27ヶ月の熟成の若いペルシュウ

  • ペレグリーノ - 今度は、同じ多田昌豊さんの27ヶ月の熟成の若いペルシュウに、小さなココット鍋でたった今炊き上げた新潟の新米でをくるんだもの

    今度は、同じ多田昌豊さんの27ヶ月の熟成の若いペルシュウに、小さなココット鍋でたった今炊き上げた新潟の新米でをくるんだもの

  • ペレグリーノ - 全く化学調味料を使っていないボローニャ特産のモルタデッラ

    全く化学調味料を使っていないボローニャ特産のモルタデッラ

  • ペレグリーノ - ごく薄く削ったモルタデッラに同じ薄さで削ったアルバの白トリュフを包んで

    ごく薄く削ったモルタデッラに同じ薄さで削ったアルバの白トリュフを包んで

  • ペレグリーノ - 北イタリアのヴェネト州のソップレッサというサラミ

    北イタリアのヴェネト州のソップレッサというサラミ

  • ペレグリーノ - パルマの2つ隣のモデナの山奥で特別に飼育される幻の黒豚~モーラ・ロマニョーラ黒豚のホホ肉のグアンチャーレ、イタリアのウイキョウ

    パルマの2つ隣のモデナの山奥で特別に飼育される幻の黒豚~モーラ・ロマニョーラ黒豚のホホ肉のグアンチャーレ、イタリアのウイキョウ

  • ペレグリーノ - モデナの山奥で特別に飼育される幻の黒豚のモーラ・ロマニョーラ黒豚の肩肉の塩漬けとライ麦粉100%のパン

    モデナの山奥で特別に飼育される幻の黒豚のモーラ・ロマニョーラ黒豚の肩肉の塩漬けとライ麦粉100%のパン

  • ペレグリーノ - モデナのモーラ・ロマニョーラ黒豚の腿肉で作られる生ハム、それに合わせて揚げパイ、トルタフリッタ

    モデナのモーラ・ロマニョーラ黒豚の腿肉で作られる生ハム、それに合わせて揚げパイ、トルタフリッタ

  • ペレグリーノ - クラテッロ・ジベッロと北イタリアのピエモンテの良質な発酵バターと平焼きパンの組み合わせ

    クラテッロ・ジベッロと北イタリアのピエモンテの良質な発酵バターと平焼きパンの組み合わせ

  • ペレグリーノ - 最後のトリ、クラテッロの別の食べ方。分厚い白トリュフをそっくり包んで。

    最後のトリ、クラテッロの別の食べ方。分厚い白トリュフをそっくり包んで。

  • ペレグリーノ - 四国の高知寄りのゆきの白甘鯛のロースト、ラデッィキオ、ビスタチオと25年熟成のバルサミコのソース

    四国の高知寄りのゆきの白甘鯛のロースト、ラデッィキオ、ビスタチオと25年熟成のバルサミコのソース

  • ペレグリーノ - 新潟の田んぼで網獲りされた野生の青首鴨のむね肉だけ火入れしたもの

    新潟の田んぼで網獲りされた野生の青首鴨のむね肉だけ火入れしたもの

  • ペレグリーノ - 出来立て練りたてのオーダーごとに作る濃縮ミルクを使ったジェラート

    出来立て練りたてのオーダーごとに作る濃縮ミルクを使ったジェラート

  • ペレグリーノ - 食前酒のスパーグリングワイン

    食前酒のスパーグリングワイン

  • ペレグリーノ - 白ワイン、エミリアロマーニャで作られるマルバジュアを使った葡萄の皮を一緒に漬けて醸造したワイン

    白ワイン、エミリアロマーニャで作られるマルバジュアを使った葡萄の皮を一緒に漬けて醸造したワイン

  • ペレグリーノ - リトフスカを使ったワイン

    リトフスカを使ったワイン

  • ペレグリーノ - の後のクラテッロ・ジベッロにあわせて、美発砲ではない、しっかりとしたもの

    の後のクラテッロ・ジベッロにあわせて、美発砲ではない、しっかりとしたもの

  • ペレグリーノ - 高橋シェフとグラッパを愉しむ!

    高橋シェフとグラッパを愉しむ!

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2017/05訪問2回目

4.9

  • 料理・味4.9
  • サービス4.9
  • 雰囲気4.9
  • CP4.9
  • 酒・ドリンク4.9

"クラテッロ・ネロ"は、王侯貴族のような端正な気品に溢れ...「ペレグリーノ」、本日は前菜の生ハム盛り合わせが7種!高橋シェフのご厚意に感謝!

過剰な華美さを抑えた気品に満ちた端正な味わい。...2017年5月17日(水)の晩餐は、"クラテッロ・ネロ"と呼ばれる非常に稀少なパルマ黒豚に強かに打ちのめされた晩餐となった。以下、あの素晴らしき晩餐についてできるだけ詳細に書き綴っていきたい。

この日は、友人5人と待ちに待った「ペレグリーノ」さん貸切の会である。例のごとく19時15分開場で、30分お食事スタートである。本日は比較的ノンアルの方たちが多い会だったけれど、わたしは、もちろんアルコールをお願いする。北イタリア、ヴェネト州のスパークリングワイン。豊潤な一品である。喉を潤すほどに一品目が饗される。

1.パルマ伝統郷土料理...長野県 伊那より "ぎたろう軍鶏" を丸ごと一羽煮出したブロード パルマ伝統の小さなラヴィオリ "カペレッティ" と共に
水と塩と軍鶏だけで、一度も沸騰させず、延べ16時間火を入れている。ブロードの中には、パルマの小さなラビオリを浮かべてある。ラビオリはパルミジャーノレッジャーノチーズとパン粉と軍鶏の肉を詰めたものだ。

軍鶏の内臓の香りが出ないように、注意して丹念に丹念にゆっくり作ったブロートである。極めて上品。この一品をいただくと「ペレグリーノ」さんに戻ってきた、という実感が湧いてくる。

2.季節の野菜料理...北イタリア バッサーノ産 ホワイトアスパラガスのフラン 完熟 黒胡椒 風味
今が旬の北イタリア、ヴェネト州のバッサーノ産のホワイトアスパラガスをふんだんに使った料理だ。ホワイトアスパラガスのフランは、まず水分を完全に飛ばしながら蒸し煮にしたものをピューレ状にして溶き卵を加えて焼き上げたものである。

また、ホワイトアスパラガスはどうしても熱々だと気の抜けたような水っぽいような味になるので、焼き上げてから、少し置いて、常温に戻してから表面をキャラメリゼしているそうだ。

一口いただくが、ホワイトアスパラガスの風味がしっかりと感じ取れるのが嬉しい。単に優しいだけでなくこういうしっかりした主張があるお料理を饗していただけるところが「ペレグリーノ」さんの素晴らしさだ。

これに合わせるワインは、トスカーナのサンジョベーゼ。

3.旬の料理...南徳島 由岐より 赤甘鯛 空豆、ガエタオリーブ ペースト と共に
大ぶりな2kgの赤甘鯛。この大きさになると旨味が乗ってくる。魚を少し寝かせて脂を回した後に、空豆と一緒に蒸し煮にしてある。そして、上から、渋みや苦味を感じるガエタオリーブの特徴を前面に押し出したペーストが添えられている。

脂ののった赤甘鯛の旨味から、春の空に舞い上がるような空豆の軽快な味調が感じ取れる。

これに合わせるワインは、フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州の土着のヴィトフスカ。...ヴィトフスカ。繊細さとしっかりとした芯を感じさせる味わいだ。

4.前菜...ここから「ペレグリーノ」さんのスペシャリテ、生ハムの饗宴だ!
生サラミの盛り合わせ。盛り合わせとはいっても、一種類ずつ饗していただき、一枚ずつじっくりと味わうのが「ペレグリーノ」スタイルだ。あわせる赤ワインは、いつもの通り、生ハムにもっともあうといわれるエミリア=ロマーニャ州、北イタリアのランブルスコ(葡萄)を使った微発泡赤ワイン。

普段、「ペレグリーノ」さんで饗していただける生ハムは4~5種類だけれど、この日は高橋さんに頑張っていただきなんと7種類!悦ばしい限りである。

1)多田昌豊さんの18ヶ月の熟成の若いペルシュウ
この生ハムは18ヶ月の熟成。若い。素材本来の甘さを愉しむ。塩と風だけで作る生ハム。本当に繊細な味わいであるが、甘みをしっかりとかじることができる。

2)多田昌豊さんの27ヶ月の熟成の芳醇なもう一種類のペルシュウ
27ヶ月の芳醇なペルシュウ。先ほどのものとは熟成期間が違う。多田さんは、生ハムの現物を見ながら、熟成期間を見極めるそうだ。この一品は、熟成期間を長くして、水分を飛ばしている。たおやかな味わいに落ち着きのようなものを感じる。まろやかな味わいである。

3)イタリアのエミリア=ロマーニャ州のボローニャソーセージ、モルタデッラのハム
この一品がわたしは大好きだ!化学調味料、添加物が一切入っていない。本物の味わい。ごくごく薄く切って出される。香りが素晴らしい。本物のボローニャ風ソーセージのハム。味わいの余韻が長い。

4)トスカーナのコロンナータ村の豚背脂の塩漬け
今が旬のイタリア野菜のフィノッキオ(ういきょう)のローストと豚背脂の塩漬けの組み合わせ。フィノッキオは芯の部分をスープを抜くようにローストしているので甘味と旨味が凝縮されている。また、フィノッキオにはローストの温かみを残し、豚背脂に温度が伝わり口溶けがよくなるよう工夫が施されている。

フィノッキオからは、特有の香りや甘みを感じる。これを、透きとおるほどの白さの豚背脂と一緒にいただくのだけれど、背脂の複雑な熟成香と絶妙な塩加減に舌を巻く!

ここで、ランブルスコがなくなったので、2つ目のバルヴェーラを使った微発泡ワインが饗される。これはランブルスコほど発泡が強くない。凝縮感があるワインだ。

5)ヴェネト州のソップレッサというサラミ
ほんのり大蒜の香りがする。化学調味料も発色剤も入れていないそうだ。薄いピンク色のサラミだ。

サラミに合わせてあるのが、リグーリア産のフォカッチャ。フォカッチャは、じゃがいもを入れて作るそうだ。というか、厳密には、じゃがいもを入れていないと"フォカッチャ"と呼べないとのことだ。これは、粉の二倍以上の北海道のインカの目覚めを入れて作られているという。

手でつまんで一口いただくが甘い。この甘味はじゃがいも由来のものだろう。これに合わせるのがソップレッサという、直径10cm以上もするかなり大きめのサラミ。生肉感と、柔らかさが素晴らしい。

6)ガローニのプロシュット・ディ・パルマ、24ヶ月以上熟成させたプロシュート 下は熱々の揚げパイ、"トルタフリット"、現地と同じ食べ方で...
手で持っていただく。1つ目のトルタフリットは、パイにまだ揚げたての温もりが感じ取れる。このぬくもりの中でプロシュートの旨味を堪能する。ペルシュウと比較して、味わいが濃いハムだ。

7)自家製の平焼きパンと、ピエモンテの良質な発酵バターと最高級品、黒豚の"クラテッロ・ディ・ジベッロ"
イタリアの生ハムの王様、"クラテッロ・ディ・ジベッロ"。豚の外腿肉の一番旨味の強い部分をより分けて、膀胱に詰めて熟成させたものだ。

しかも、本日は非常に稀少な"クラテッロ・ネロ"と呼ばれるパルマ黒豚を使った"クラテッロ・ディ・ジベッロ"だ!、自家製の平焼きパン("チャバッタ")とピエモンテの良質な発酵バターの上に"クラテッロ・ディ・ジベッロ"を載せて饗していただく。やはりこの生ハムは別格だ。ほかの生ハムとは比較にならないネットリとした味わいに舌を巻く。

旨みと酸味のバランスが絶妙だ。香気も押しつけがましくなく実に品がある。絵画における新古典派のような英雄的で端正な閃きを感じる。他の生ハムも素晴らしかったけれど、本日一番を決めるとしたら、わたしはこの一品を迷いなく選びたい。


5.魚料理...岐阜 長良川より 天然ウナギのアルフォルノ 新竹の子、フルーツトマト添え
4月20日から漁が解禁になった天然うなぎ。アルフォルノ=オーブン焼き。新潟の新竹の子を香ばしく焼き上げ、上にはフルーツトマトとケッパーソースを合わせたものがかけられている。天然ウナギからは焔(ほむら)立つようなしっかりしたウナギの風味を感じる。また、これと竹の子との相性が驚く程よい。

6.旬のパスタ...手打ちパスタ 徳島産 白鮑とアスパラソバージュ和え
鮑を使ったパスタ。タリアテッレ。アスパラソバージュがあわせてある。アスパラソバージュは、味的にはクセや強い香りはなく、茎の部分は噛むと心地よい歯ざわりと少しばかりのぬめりを感じる。

鮑。夏の到来を感じさせる食材だ。ただ、この時期の鮑は、鮑本来の滴るように濃密な存在感はまとってはおらず、いまだ爽やかで軽快な印象を受ける。

7.メインの肉料理...フランス シストロン産 仔羊鞍下ロースのアッロースト 新玉ねぎのフォンドゥータ添え モデナの伝統的なアチェート・バルサミコDOPのアクセント
仔羊に新玉ねぎ。実にシンプルな一品だ。そこに25年熟成のアチェート・バルサミコでアクセントをつけてある。わたしは、こういう味を足しこんでいないシンプルな一品に目がない。仔羊はしっかりした存在感を示しつつもまったく臭みがなく、新玉ねぎの甘みとのマリアージュは抜群であった。また、ソースの酸味のアクセントが秀逸だ。

これにあわせるのは、北イタリアのメルローのワイン。

8.デザート...ラティンピエーディ
ラティンピエーディとは、パンアコッタのようなお菓子だ。牛乳と砂糖とゼラチンでつくった実にシンプルな一品だ。

9.小菓子、ピッコラ・パスティッチェリア
最後に、宮崎の完熟マンゴーの小菓子が出て一通りとなる。わたしは、ひとりだけ、「ペレグリーノ」さんに来たらお決まりのロマーノ・レヴィさんのグラッパでこの最後の一品を愉しむ。

やはり、「ペレグリーノ」さんは素晴らしい。いつまでもいつまでも絶対に擁護し続けたいレストランである!

最後に失礼する際にシェフとお話ししていて意外なことがわかった。

わたしは、映画が好きで普段からいろいろと観るのだけれど、今まで観た映画の中で、紛れもなくベスト10に入る1本に、北野武監督の『キッズ・リターン』という映画がある。

これを20年ほど前に渋谷のユーロスペースで観たときに、上映後、感動でしばらく座席を立ち上がれなかったことを今でもまざまざと思いだすことができる。...なんと、今日この日、高橋シェフもこの映画の大ファンだということがわかったのだ!...意外とシェフとは映画的感性も近いものがあるのかもしれない♪

  • ペレグリーノ - メインの肉料理...フランス シストロン産 仔羊鞍下ロースのアッロースト 新玉ねぎのフォンドゥータ添え モデナの伝統的なアチェート・バルサミコDOPのアクセント

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  • ペレグリーノ - 旬の料理...南徳島 由岐より 赤甘鯛 空豆、ガエタオリーブ ペースト と共に

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  • ペレグリーノ - 自家製の平焼きパンと、ピエモンテの良質な発酵バターと最高級品、黒豚の"クラテッロ・ディ・ジベッロ"

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  • ペレグリーノ - 多田昌豊さんの18ヶ月の熟成の若いペルシュウ

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  • ペレグリーノ - ヴェネト州のソップレッサというサラミ、下にはリグーリア産フォカッチャ

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  • ペレグリーノ - 本日のパスタ、タリアテッレ

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  • ペレグリーノ - パルマ伝統郷土料理...長野県 伊那より "ぎたろう軍鶏" を丸ごと一羽煮出したブロード パルマ伝統の小さなラヴィオリ "カペレッティ" と共に

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  • ペレグリーノ - 季節の野菜料理...北イタリア バッサーノ産 ホワイトアスパラガスのフラン 完熟 黒胡椒 風味

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  • ペレグリーノ - 旬の料理...南徳島 由岐より 赤甘鯛 空豆、ガエタオリーブ ペースト と共に

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  • ペレグリーノ - 熱々の揚げパイ、"トルタフリット"

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  • ペレグリーノ - ガローニのプロシュット・ディ・パルマ、24ヶ月以上熟成させたプロシュート 下は熱々の揚げパイ、"トルタフリット"、現地と同じ食べ方で...

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  • ペレグリーノ - 自家製の平焼きパンと、ピエモンテの良質な発酵バターと最高級品、黒豚の"クラテッロ・ディ・ジベッロ"

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  • ペレグリーノ - 魚料理...岐阜 長良川より 天然ウナギのアルフォルノ 新竹の子、フルーツトマト添え

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  • ペレグリーノ - 本日のパスタ、タリアテッレ

    本日のパスタ、タリアテッレ

  • ペレグリーノ - 旬のパスタ...手打ちパスタ 徳島産 白鮑とアスパラソバージュ和え

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  • ペレグリーノ - ラギオールのカトラリ

    ラギオールのカトラリ

  • ペレグリーノ - メインの肉料理...フランス シストロン産 仔羊鞍下ロースのアッロースト 新玉ねぎのフォンドゥータ添え モデナの伝統的なアチェート・バルサミコDOPのアクセント

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  • ペレグリーノ - デザート...ラティンピエーディ

    デザート...ラティンピエーディ

  • ペレグリーノ - 本日のワインたち

    本日のワインたち

  • ペレグリーノ - ロマーノ・レヴィさんのグラッパ

    ロマーノ・レヴィさんのグラッパ

  • ペレグリーノ - ロマーノ・レヴィさんのグラッパ

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2016/11訪問1回目

4.9

  • 料理・味4.9
  • サービス4.9
  • 雰囲気4.9
  • CP4.9
  • 酒・ドリンク4.9

白トリュフは、"仄かに湿り気を帯びたプロパンガスの香り"...「ペレグリーノ」、めくるめく白トリュフの香気に目が眩んで...


黒トリュフが"森の香り"だとすると、アルバ産白トリュフは、"仄かに湿り気を帯びたプロパンガスの香り"とでも言おうか...このクセのある特香成分が止められない!やはり、この時期は「ペレグリーノ」さんで白トリュフをいただくのが決定的に正しいやり方だろう。

2016年11月25日(金)19:30、友人3人と「ペレグリーノ」さんを訪問する。また、今回もご主人高橋シェフのの優しいお人柄が素敵であった。

まずは、シチリアのグリードという白ぶどうを使った、スパークリング白ワインが饗される。青みがかった風味が涼やかだ。

1.メニューに書かれていない小さなお摘み、生ハムの細かく刻んだものを加えた、エミリア=ロマーニャ州特有のパン〝クレッシェンド〟
スナック的な感じで摘めるパンだ。細かくまぶされた生ハムが香ばしい。

2.長野県伊那産ぎたろう軍鶏を丸ごと煮出した澄んだ味わいのブロート
水と塩と軍鶏だけで16時間、沸騰させることなく煮込んだブロート。その中に2種類のラビオリが入っている。白い皮のほうが今が旬の白トリュフを加えた詰め物で、もう1つが、義太郎軍鶏の胸肉を合わせたラビオリだ。

一口いただくけれど、ブロートの透明感にちょっとうろたえる!存在感を主張するのではなく、ひたすら透明感を追求した一品である。口に含んだ2種類のラビオリの違いは圧倒的だ。白トリュフからは、白トリュフの特香成分が紛れもなく感じ取れる。ブロートの透明感の中で、ラビオリの表情の違いを愉しむ。

3.「ペレグリーノ」さんのスペシャリテ、パルマ生ハム5種類!
エミリア=ロマーニャ州、北イタリアのランブルスコという葡萄を使った微発泡赤ワインが饗される。現地では、パルマ産の生ハムには、この微発泡のランブルスコを合わせるのが定番だ。フレッシュな酸味と細かな泡ののど越しがよい一品である。

1)日本産のパルマハム、パルマで9年間修行した日本人唯一のパルマハム職人、多田昌豊(ただまさとよ)氏の"ペルシュウ"
塩と風だけで作る生ハム。本当に繊細な味わいである。右端に鮨屋さんの山葵のように少しこんもりとハムが盛ってある。これは、ハムを切るときにできたクズのようなものだそうだが、すごく甘みがある。これは最後に掬ってまとめていただくことにする。

2)イタリアのボローニャソーセージ、モルタデッラのハム
これは、添加物、調味料がまったく使われていない。本物のボローニャ風ソーセージのハム。香り高く、味わいも余韻が長い。

3)ガローニのプロシュット・ディ・パルマ、24ヶ月以上熟成させたプロシュート 下は熱々の揚げパイ、"トルタフリット"、現地と同じ食べ方で...
手で持っていただく。1つ目のトルタフリットは、パイにまだ揚げたての温もりが感じ取れる。このぬくもりの中でプロシュートのの旨味を堪能する。2つ目は、トルタフリットが温度が落ち着いてくるので、フリットとプロシュート、それぞれの味わいをいただく。

4)固くしまった熟成のサラミ
高橋シェフの創意工夫で、より美味しくいただくために、すこし脂が融解するようにオーブンで温めて香りをだしている。香り高いサラミだ。微発泡ワインとの相性は抜群だ。

5)自家製の平焼きパンと、ピエモンテの良質な発酵バターと最高優品、黒豚の"クラテッロ・ディ・ジベッロ"
本日の"クラテッロ・ディ・ジベッロ"は、黒豚だ。前回は黒豚の入荷がなく、白豚であったけれど、本日は白豚より稀少な黒豚をご用意いただく。自家製の平焼きパンとピエモンテの良質な発酵バターの上に"クラテッロ・ディ・ジベッロ"を載せて饗していただく。やはりこの生ハムは別格だ。ほかの生ハムとは比較にならないネットリとした味わいに舌を巻く。

4.徳島の南の方、由岐というところの水が綺麗な白甘鯛の松笠揚げ、イタリア野菜のほろ苦いプンタレッラという生野菜のサラダ、手前にパセリが主体のサルサヴェルデを添えて
ここで、白ワイン、フリウリ=ヴェネチア・ジュリア州、北イタリア、飲み心地の良いワインが饗される。

今日の白甘鯛は、徳島の由岐というところのもの。由岐は、水が綺麗な海に面しており、アワビやアオリイカ、伊勢海老の産地なのだそうだ。今は時節柄、甘鯛やノドグロが獲れるという。松笠揚げがパリパリと旨い。ぐじの若狭焼きに近い感じである。

5.天然の鰻の炭火焼、下に敷いてあるのがイタリアの野菜の女王と言われるラディッキオ・ディ・トレヴィーゾ・ロッソ・タルディーヴォ、上からは、10年以上熟成したシエーナ産のバルサミコソースをかけて
吉野川と河口のところでとれた海鰻。やはりこの鰻も蒸したりはしない。その弾力に強かに打ちのめされる。
ここで赤ワインが饗される。1993年、20年以上熟成された、頃合の北イタリア、ロンバルディアの赤ワイン

6.軟質小麦で作った絶品タリオリーニ!白トリュフをふんだんにスライスして...
軟質小麦を挽いた粉。粒は極細かい。繊細。卵黄だけでなく、全卵をしっかりと入れて練り上げた純粋で繊細なパスタに脱帽!そこに、ふんだんに白トリュフをスライスしていただく。"仄かに湿り気を帯びたプロパンガスの香り"にくらくらしそうだ。

わたしは、元来、たとえば、雷鳥のような、香りを愉しむ嗜好品に近い食材に弱い。この白トリュフもまさにそうした嗜好品としての食材の代表格だ。

ここで次の赤ワイン。ピエモンテの良質なバルベーラ・ダスティのもの

7.岩手の山形村というところの赤身の味わいが強い短角牛、付け合せに洋ナシのマスカードシロップ
赤身の味わいが深い。牛の旨味成分、イノシン酸、グルタミン酸がたっぷりと含まれて、肉は柔らかく味わいが秋の紅葉のように深い。

8.濃縮ミルクのジェラート、上には香ばしくローストしたヘーゼルナッツをふりかけて
「当店では開店以来人気ナンバーワンのデザートです...」とのご案内。これは確かに旨かった。ミルクが濃く、パリパリと口中にはじけるヘーゼルナッツも小気味よい。最後に白トリュフの小菓子で一通りとなる。

やはり、「ペレグリーノ」さんは時折訪問しなければいけないイタリアンである。目下わたしの中でNo.1イタリアンだ!さっそく、次の予約を抑える。次は来年5月、貸切の会だ!

。・。・゜★・。・。☆・゜・。・゜。・。・゜★・。・。☆・゜・。・゜。

2015年10月23日(金)記す

『イタリア料理とはこんなに肌理細やかな料理であったか...「ペレグリーノ(PELLEGRINO)」、このイタリアンは凄い!饗される一品一品が新鮮な驚きに充ちている!』

お花畑や女の子、お陽さまに、お星さま、そしてその合間合間を縫うようにメッセージやポエムのテクストが書き綴られていく...その花咲くようなラベルを指差してお連れさまがこう言う、「マドさん、これがね、レヴィさんのグラッパですよ...」

伝説のグラッパ職人、ロマーノ・レヴィさんのグラッパのボトルを肩ごしに眺めながら、今から都内指折りのイタリアンで饗応が始まろうとしている。2015年10月23日(金)...これから、素晴らしいというのが惜しいくらいの途轍もないイタリアンで過ごした数時間についてできるだけ詳細に書き綴っていきたいと思う。

店内は縦長に小さい。本日はグルメ仲間6名の貸切である。店主、高橋隼人(たかはしはやと)さんと会話を交わすうちに次第にメンバーが饗応の場に集まってくる...予定通り、19:30、会がスタートとなる。

まずは、スプマンテ。「ペレグリーノ(PELLEGRINO)」のワインは、温度ぬるめに饗される。こちらではワインの味わいを感じてもらうため、キンキンに冷やすことはない。スプマンテは、ピエモンテ州のスプマンテ、Massimo Rivetti Brut Duemilanove(マッシモ リヴェッティ ブリュット デュエミラノーヴェ)。シャルドネとピノノワールをブレンドした一品。辛口で、きりりと引き締まる。

1.自家製全粒パンとピエモンテ州の発酵バターを添えたお摘み
(隼)本日のおつまみです。当店で定番となるものですが、自家製の天然酵母とイタリア産のオーガニックの全粒粉を練り上げてただいま焼き上げたばかりの自家製の全粒パンです。そしてその上には北イタリア、ピエモンテの大変良質な発酵バターを現地より少し厚みを持って切って添えてあります。シンプルなんですが、どの素材も際立つような仕立てですので、どうぞスプマンテ、ノンアルコールのお飲み物とあわせてお召し上がりください。

質朴な香ばしさが漂う。バターもいささかもしつこさがなく、ひたすら好感がもてる。

ここで最初の赤ワインが饗される。Giuseppe Mascarello Figlio Langhe Freisa Toetto(ジュゼッペ・マスカレッロ・エ・フィッリオ ランゲ・フレイザ トエット)。ネッビオーロ種。甘み、 酸味はまろやかだけれどシャープな感じの素敵なワインだ。

本日のコースは、アルバのトリュフをふんだんに使う代わりに、余分な小さな料理を削ぎ落とし、通常のメニューとは若干構成を変えてあるとのことだ。

2.初めの一皿 長野県伊那産ぎたろう軍鶏を丸ごと煮出したブロート アルバ産トリュフ風味
(隼)長野県伊那産ぎたろう軍鶏を丸ごと煮出したブロートになります。トリュフを際立たせたかったので、軍鶏は14時間以上、一度も沸かすことなく煮詰めてすごくクリアなお出汁になっております。

白トリュフの香りが凄まじい。トリュフにブロートを注いだあと、パンのご案内がある。

(隼)どうしてもトリュフがお皿にへばりついちゃいますのでこの料理にあわせたパンをお出しします。イタリア産のオーガニックの小麦と、北海道産の越冬じゃがいものを練りこんだフォカッチャです。

ここで、白ワインが饗される。Castello di Lispidda Amphora Bianco(カステッロ・ディ・リスピーダ アンフォラ ビアンコ)。"アンフォラ"という陶器の甕にいれて地中に埋めて熟成させるという方法を使って作られた色は、輝かしいオレンジ色。煮詰めた金柑、カラメル、ドライフルーツ、アンズ、といった複雑な香りが鼻腔に広がる。これがお代わりするくらい美味しい!

3.季節を取り入れた前菜・仏産 鴨フォワグラのテッリーナ、徳島里浦産さつま芋"里むすめ"とのコンビ、白トリュフ蜂蜜がけ
(隼)フランス産鴨のフォアグラのテリーヌ。下には今が旬の徳島県産、"里むすめ"と呼ばれるさつま芋のローストを敷いてあります。芋はアツアツで、上のフォアグラは冷たいものをあわせてあります。この温度差をお愉しみください。あと、フォアグラの上にはアカシアの蜂蜜、イタリア産のもので、その中に白トリュフを刻んで加えております。今、冷たいところに白トリュフがのっておりますので、香りはそんなに立ってないんですが、上から外側のスプーンとフォークで一緒に切って口に運ぶことによって、口に白トリュフの香りが広がります、お試しください...

"里むすめ"の質朴とした甘味が素晴らしい。食べ進めるほどに白トリュフの芳醇な香りが舞い上がる...

ここで、次の赤の名品が饗される。Lambrusco 2013 Camillo Donati(ランブルスコ 2013 カミッロ・ドナーティ)。イタリア・エミリア・ロマーニャ産の微発泡の赤だ。 ランブルスコ・マエストリ種100%。果実味鮮やかで、いきいきとした酸味が印象的だ。泡立ちは柔らかく、飲み心地のよい赤だ。

4.前菜・パルマの生ハム、サラミ盛り合わせ"サルーミ ミスティ"
さあ、ここからが「ペレグリーノ」ご自慢の生ハムサラミの饗宴である!手動の生ハムスライサーでひと皿ひと皿饗していただくことになるのだが、ここはしばし、高橋シェフのご説明に耳を傾けようではないか!

(隼)当店名物の切りたての生ハムサラミの盛り合わせになります。生ハムサラミの盛り合わせと謳っているんですが、当店は生ハムを一番美味しい状態でお召し上がりいただくために、1種類ずつ順次切り分けてお持ちしています。このあと2種類、3種類とお持ちしますが、本日は白トリュフの方に比重をおいておりますので、少し少なめに5種類をお持ちいたします。お皿が白くなったところに順次お鮨屋さんのようなスタイルでお持ちします。

1)日本の岐阜の山奥で造られる、多田昌豊さんのごく繊細な味わいのプロシュート"ペルシュウ"
(隼)これは日本の岐阜の山奥で作られる"パルマスタイル"のプロシュート、"ペルシュウ"になります。何が"パルマスタイル"かといいますと、イタリアパルマで、延べ9年間修行し、日本人で唯一のパルマハム職人として現地で認められた多田昌豊(ただまさとよ)氏が、日本に2010年に帰国して作る極上のものということで"パルマスタイル"と謳わせていただいています。

(隼)多田氏は、岐阜に移り住んで、まったくパルマと同じ工房をつくって、パルマと同じ製法で作られています。ただ、豚が日本の岐阜の豚を使っているので、塩加減は現地より少し抑え目に作っていて、こうした繊細な味わいになっております。

(隼)この生ハムは、東京のレストランでは当店のみの扱いとなっております。多田氏がすごくこだわりがあって志が高い人間ですので、この薄さに切れない料理人には売ってはいただけません。彼の生ハムを使いたいとなったら、彼が来て切ってみろ、となって、で、切れないと一切売ってはくれないんです。

(隼)あと、この生ハムには、ぼくの修行したイタリアパルマの特産ワインである微発泡したランブルスコをあわせるのが、現地でもお決まりとなっております。一緒にお愉しみください。

生ハムの既成概念を覆す逸品である。このシルクのようななめらかな舌触りと、いささかもしょっぱくない味わいの品性は瞠目に値する!

2)ガローニのプロシュット・ディ・パルマとパルマ風揚げパイ、トルタフリッタ
(隼)パルマ風揚げパイ、トルタフリッタを下に敷きまして、その上には、本家イタリア、ガローニ社製のプロシュット・ディ・パルマです。多田昌豊氏が修行していた会社です。24ヶ月熟成のものです。そして、イタリアパルマでは、このプロシュット・ディ・パルマでは、必ずと言っていいほどランブルスコと同じようにトルタフリッタを添えるのが、お決まりとなっています。大変味が広がりますので、ぜひ一緒に刺してお召し上がりください。

どこまでも香ばしい香りを放つ揚げパイがお皿に2つ置かれ、その上にプロシュット・ディ・パルマがふんだんにのせられる。この一品も素晴らしいの一言に尽きた。熟成プロシュートの滋味深い味わいと、香ばしいフリッタの屈託のない軽やかさはこれ以上ない組み合わせである。

3)本物のボローニャ風ソーセージのモルタデッラ
(隼)添加物をまったく使っていない本物のボローニャ風ソーセージのモルタデッラです。香り高く、味わいも余韻が長いです。

こんなに素晴らしいソーセージを未だかつて食べたことがあったろうか!その優しいアピアランスと味わいに深くため息をつく。

4)サルーミ・クラテッロ
(隼)サルーミ・クラテッロと呼ばれるもので、サラミとは言え、熟成加減20日程度の生肉に近い本当に生肉に近いフレッシュな味わいのサラミでございます。サラミ・クラテッロといわれますように、これからお持ちするのがイタリアの生ハムの王様、クラテッロ地方の生ハムで作られたサラミになります。本格的なクラテッロを仕込むときにできる端肉(はしにく)から作られたサラミです。良質な肉を使って作られていますので、熟成加減は素晴らしいです。で、さらに味を際立たせるためにオーブンで表面だけをほんのり温めて脂を溶かし、香りを出してお持ちしました。

ほんのり温めて溶かした脂がサラミの表層を覆い、良質な身肉(みしし)をたおやかに包み込んでいる...この高橋シェフの画竜点睛が素晴らしい。(この一品は後ほどおみやにしていただくことになる)

5)イタリアの生ハムの王様"クラテッロ ディ ジベッロ"、発酵バター、平焼きパン"チャバッタ"とともに
(隼)イタリアの生ハムの王様"クラテッロ ディ ジベッロ"でございます。本当に希少で別格の味わいです。必ず満足いただけると思います。本日はせっかくですので、2種類の切り分けでお持ちしています。ぜひ手前の切り分けただけのものからお召し上がりください。奥手にあるのが平焼きパンの"チャバッタ"と、あとは良質な発酵バター、それとごくごく薄切りにして幾重にも重ねたクラテッロを乗せたサンドイッチです。現地ではこれが最良の食べ方と言われています。ぼくもそう思うので、ぜひこれは最後にお召し上がりください。

(隼)これは、豚の腿肉の一番美味しい外腿肉の部位だけを足からまず外して、それでそれを豚の膀胱に詰めて、吊るして熟成させるんです。あのー、普通、熟成というと乾燥した場所で熟成させるんですが、この土地(パルマ、クラテッロ)は湿地帯なんですね。川のすぐ横で熟成させるので、その湿地帯で熟成させるためには、豚の膀胱に詰めて、外側はカビが生え、菌をまとわせて中に影響がないように熟成させるんです。

(隼)そのまま食べると美味しくないので、現地でもまず豚の膀胱を取るために赤ワインと白ワインに漬けてふやかして膀胱をとって、そのあとにさらにその膀胱と肉の間にある腐敗した部分を全部削ぎ落として、さらにワインに漬けて頃合になるまで、店でしばらく置いておいてからお出しします。

(隼)この製法(戻し方というの)は、イタリアの現地で修行してないと中々わからないものですから、同じクラテッロを他のお店で食べても、なかなかこういう香りのものは出てきにくい状況になっているかと思います。

(隼)今日は白豚のクラテッロだったのですが、もうひとつ本当に芳醇で、年に何本も入ってこないような黒豚で仕込まれたクラテッロというものがございますが、それはもう本当に、味、香りがもうワンランク上になるもので、戻すときのワインもバローロを使ったりします。

とのことだ。さすが高橋シェフの思い入れもひとしおである。ハムは絶品。どのハムもそうであるが、実に品性を備えていて繊細であることに驚きを禁じえない。ここのハムは、わたしが食べたハムの中でも指折りの逸品である!

ここで、次の微発泡の赤ワインが饗される。Barbacarlo Oltrepo Pavese Montebuono(バルバカルロ オルトレポ・パヴェーゼ モンテブオーノ)。ロンバルディア州、Barbera (バルベーラ)、 Croatina (クロアティーナ)、UvaRara (ウーヴァ・ラーラ)、 Ughetta (ウゲッタ)、4種のぶどうを使った微発泡の赤ワイン。一口いただくが、 ハーブなどの独特の香りと味わいが心地よい。

高橋シェフから一言ご案内がある。

(隼)実はこのあと、(メニューに)魚って書いてあるのですが、その前に一品挟ませていただきます。今日はあんまり余分なものは、お出ししないと言っていたんですが、偶然に本当によい食材が入りましたもので...食材はイタリアのフレッシュなポルチーニの大変良質なものです。

4.ポルチーニ茸のフリット、ネピテッラを添えて
(隼)現地ではポルチーニといったら、ネピテッラというミント系の香りのする香草、ポルチーニと抜群に好相性のものを使います。このダイナミズムをお感じください。

傘といしずきを分けてフリットされている。これが途轍もなく旨い。傘の部分は信じられないくらいの瑞々しさで食べ手を圧倒し、打って変わっていしづきのシャリシャリ感がたまらない!良質なポルチーニとはこんなにも瑞々しく水分を含んでいるものかと驚きを禁じえない。

ここで、次なる魚料理を見据えて白ワインが饗される。Vitovska Origine 2009 Vodopivec(ヴィトフスカ・オリージネ 2009 ヴォドピーヴェッツ)。ヴィトフスカ種100%のイタリア・フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア産の白ワイン。

5.魚料理 徳島産鳴門海峡より、一本釣りの鰆(さわら)イタリア野菜 プンタレッレとガエタオリーブのペーストを添えて
(隼)紀州備長炭焼きです。鰆が一番美味しくいただけるようにミディアムレアの状態で火を入れております。2種類のフルーツトマトと、渋みと苦味を感じ取れるオリーブのペーストをアクセントに添えております。奥手にある野菜は、今が旬のイタリア野菜、プンタレッレになります。

まさに海で泳いでいる鰆の新鮮さを、そのままにひと皿に仕立てたような一品。ミディアムレアから感じ取れる鰆の鮮度に胸を打たれる!

ここで、次のパスタを見据えて赤ワインが饗される。イタリアワインの王様、バローロだ。Giovanni Canonica Barolo 2005(ジョバンニ・カノニカ バローロ 2005)貴重なバックヴィンテージ!、一口含むが、余韻が長く充分なボリュームである。酸、タンニンもししっかりとして豊かである。

6.パスタ 手打ちパスタ タリオリーニ アルバ産 白トリュフで覆い尽くして
(隼)ピエモンテのタヤリンは、トリュフに合わせやすいように卵黄だけでねったもの、と最近は定義付けられているのですけど、ぼくはエミリア=ロマーニャ州で修行したんで、卵黄だけだとボソボソしてしまうんで、こちらのタリオリーニは、(少し卵黄は多めに配合しているんですが)、全卵をしっかり入れて作っています。

この白トリュフのふんだんな使い方は罪である。胸が詰まるくらいに悩ましく食べ手を圧倒してくる。タリオリーニの出来栄えも素晴らしいの一言である。

ここで、最後のメインを見据えて赤ワインが饗される。La Stoppa 2003(ラ・ストッパ 2003)。エミーリア・ロマーニャ州のビオ。凝縮感がしっかりとあって、粗絞り感を主張してくる良品である。

7.メイン料理 バザス種 牛 リブロース芯 の紀州備長炭火焼 イタリア産洋梨のマスタードシロップ漬モスダルダ添え
(隼)バザス種、日本に10月に初上陸。フランスでも一番素晴らしいと言われているのがバザス種です。フランスバザスの最高の牛肉リブロースの芯だけを使ってます。まわりは全て削ぎ落として、あとはリブロースの周りについている筋だけを焼いて煮出したソースをつけています。付け合せはなくて、アクセントにイタリアの洋梨のマスタードシロップ漬け、モスタルダをお付けしています。

良質な牛ステーキである。付け合せの洋梨のシロップとの相性も抜群である。

ここで、最後の白ワインが饗される、Verduzzo(ヴェルドゥッツォ)。淡黄色または黄色の麦わら色を持った白。一口いただくが、繊細でフルーティー、特徴的な香りを持った上質な白である。

8.デザート 伝統的、典型的なバニラ風味のパンナコッタ
(隼)伝統的なパンナコッタです。上にはイタリアを代表する伝統的なデザートのひとつザバイオーネです。温かいものです。そこに本日、ピエモンテの白トリュフを加えた白トリュフのザバイオーネです。卵黄をかきたててつくるものなんですが、それと一緒に掬ってお召し上がりください。

「ペレグリーノ」のパンナコッタは悶絶するほどに旨い!

(隼)少量、ロマーノ・レヴィさんのグラッパをご用意しました。

(皆)えー!

(隼)このグラッパの香りと、チョコレートを一緒にいただいたら、どちらも甘さが際立つと思います。カカオ分100の%のベネズエラ産の自家製の生チョコレートになります。

レヴィさんのグラッパ。まるで上等のワインを飲んでいるかのような柔らかな接触感...まさに天使のグラッパである!

以上で、本日の「ペレグリーノ」は一通りとなる。わたしの中でイタリアンのランキングが塗り替えられた一夜であった!「ペレグリーノ」は途轍もない。イタリアン好きで未訪の方があるなら、今すぐ駆けつける価値のある名店である!

  • ペレグリーノ - 軟質小麦で作った絶品タリオリーニ!白トリュフをふんだんにスライスして...

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  • ペレグリーノ - 日本産のパルマハム、パルマで9年間修行した日本人唯一のパルマハム職人、多田昌豊(ただまさとよ)氏の"ペルシュウ"

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  • ペレグリーノ - ガローニのプロシュット・ディ・パルマ、24ヶ月以上熟成させたプロシュート 下は熱々の揚げパイ、"トルタフリット"、現地と同じ食べ方で...

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  • ペレグリーノ - 岩手の山形村というところの赤身の味わいが強い短角牛、付け合せに洋ナシのマスカードシロップ

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  • ペレグリーノ - 熱々の揚げパイ、"トルタフリット"

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  • ペレグリーノ - 徳島の南の方、由岐というところの水が綺麗な白甘鯛の松笠揚げ、イタリア野菜のほろ苦いプンタレッラという生野菜のサラダ、手前にパセリが主体のサルサヴェルデを添えて

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  • ペレグリーノ - 軟質小麦で作った絶品タリオリーニ!

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  • ペレグリーノ - 濃縮ミルクのジェラート、上には香ばしくローストしたヘーゼルナッツをふりかけて

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  • ペレグリーノ - 店内は6席

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  • ペレグリーノ - シチリアのグリードという白ぶどうを使った、スパークリング白ワイン

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  • ペレグリーノ - メニューに書かれていない小さなお摘み、生ハムの細かく刻んだものを加えた、エミリア=ロマーニャ州特有のパン〝クレッシェンド〟

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  • ペレグリーノ - 長野県伊那産ぎたろう軍鶏を丸ごと煮出した澄んだ味わいのブロート

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  • ペレグリーノ - エミリア=ロマーニャ州、北イタリアのランブルスコという葡萄を使った微発泡赤ワイン

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  • ペレグリーノ - 日本産のパルマハム、パルマで9年間修行した日本人唯一のパルマハム職人、多田昌豊(ただまさとよ)氏の"ペルシュウ"

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  • ペレグリーノ - イタリアのボローニャソーセージ、モルタデッラのハム

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  • ペレグリーノ - 熱々の揚げパイ、"トルタフリット"

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  • ペレグリーノ - 固くしまった熟成のサラミ

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  • ペレグリーノ - 自家製の平焼きパンと、ピエモンテの良質な発酵バターと最高優品、黒豚の"クラテッロ・ディ・ジベッロ"

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  • ペレグリーノ - 徳島の南の方、由岐というところの水が綺麗な白甘鯛の松笠揚げ、イタリア野菜のほろ苦いプンタレッラという生野菜のサラダ、手前にパセリが主体のサルサヴェルデを添えて

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  • ペレグリーノ - 天然の鰻の炭火焼、下に敷いてあるのがイタリアの野菜の女王と言われるラディッキオ・ディ・トレヴィーゾ・ロッソ・タルディーヴォ、上からは、10年以上熟成したシエーナ産のバルサミコソースをかけて

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  • ペレグリーノ - 軟質小麦で作った絶品タリオリーニ!

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  • ペレグリーノ - 魚料理 徳島産鳴門海峡より、一本釣りの鰆(さわら)、紀州備長炭焼き

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  • ペレグリーノ - 日本の岐阜の山奥で造られる、多田昌豊さんのごく繊細な味わいのプロシュート"ペルシュウ"

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  • ペレグリーノ - 本物のボローニャ風ソーセージのモルタデッラ

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  • ペレグリーノ - ガローニのプロシュット・ディ・パルマとパルマ風揚げパイ、トルタフリッタ

    ガローニのプロシュット・ディ・パルマとパルマ風揚げパイ、トルタフリッタ

  • ペレグリーノ - イタリアの生ハムの王様"クラテッロ ディ ジベッロ"発酵バター、平焼きパン"チャバッタ"とともに

    イタリアの生ハムの王様"クラテッロ ディ ジベッロ"発酵バター、平焼きパン"チャバッタ"とともに

  • ペレグリーノ - ポルチーニ茸のフリット、ネピテッラを添えて

    ポルチーニ茸のフリット、ネピテッラを添えて

  • ペレグリーノ - 手打ちパスタ タリオリーニ、美しい!

    手打ちパスタ タリオリーニ、美しい!

  • ペレグリーノ - 店内

    店内

  • ペレグリーノ - Massimo Rivetti Brut Duemilanove(マッシモ リヴェッティ ブリュット デュエミラノーヴェ)

    Massimo Rivetti Brut Duemilanove(マッシモ リヴェッティ ブリュット デュエミラノーヴェ)

  • ペレグリーノ - 自家製全粒パンとピエモンテ州の発酵バターを添えたお摘み

    自家製全粒パンとピエモンテ州の発酵バターを添えたお摘み

  • ペレグリーノ - Giuseppe Mascarello Figlio Langhe Freisa Toetto(ジュゼッペ・マスカレッロ・エ・フィッリオ ランゲ・フレイザ トエット)

    Giuseppe Mascarello Figlio Langhe Freisa Toetto(ジュゼッペ・マスカレッロ・エ・フィッリオ ランゲ・フレイザ トエット)

  • ペレグリーノ - 初めの一皿 長野県伊那産ぎたろう軍鶏を丸ごと煮出したブロート アルバ産トリュフ風味

    初めの一皿 長野県伊那産ぎたろう軍鶏を丸ごと煮出したブロート アルバ産トリュフ風味

  • ペレグリーノ - 初めの一皿 長野県伊那産ぎたろう軍鶏を丸ごと煮出したブロート アルバ産トリュフ風味

    初めの一皿 長野県伊那産ぎたろう軍鶏を丸ごと煮出したブロート アルバ産トリュフ風味

  • ペレグリーノ - 初めの一皿 長野県伊那産ぎたろう軍鶏を丸ごと煮出したブロート アルバ産トリュフ風味

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  • ペレグリーノ - イタリア産のオーガニックの小麦と、北海道産の越冬じゃがいものを練りこんだフォカッチャ

    イタリア産のオーガニックの小麦と、北海道産の越冬じゃがいものを練りこんだフォカッチャ

  • ペレグリーノ - Castello di Lispidda Amphora Bianco(カステッロ・ディ・リスピーダ アンフォラ ビアンコ)

    Castello di Lispidda Amphora Bianco(カステッロ・ディ・リスピーダ アンフォラ ビアンコ)

  • ペレグリーノ - 季節を取り入れた前菜・仏産 鴨フォワグラのテッリーナ、徳島里浦産さつま芋"里むすめ"とのコンビ、白トリュフ蜂蜜がけ

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  • ペレグリーノ - Lambrusco 2013 Camillo Donati(ランブルスコ2013 カミッロ・ドナーティ)

    Lambrusco 2013 Camillo Donati(ランブルスコ2013 カミッロ・ドナーティ)

  • ペレグリーノ - 日本の岐阜の山奥で造られる、多田昌豊さんのごく繊細な味わいのプロシュート"ペルシュウ"

    日本の岐阜の山奥で造られる、多田昌豊さんのごく繊細な味わいのプロシュート"ペルシュウ"

  • ペレグリーノ - 手動スライサーにかけられた多田昌豊さんのごく繊細な味わいのプロシュート"ペルシュウ"

    手動スライサーにかけられた多田昌豊さんのごく繊細な味わいのプロシュート"ペルシュウ"

  • ペレグリーノ - 日本の岐阜の山奥で造られる、多田昌豊さんのごく繊細な味わいのプロシュート"ペルシュウ"

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  • ペレグリーノ - 手動スラーサーでスライスされた多田昌豊さんのごく繊細な味わいのプロシュート"ペルシュウ"

    手動スラーサーでスライスされた多田昌豊さんのごく繊細な味わいのプロシュート"ペルシュウ"

  • ペレグリーノ - パルマ風揚げパイ、トルタフリッタ

    パルマ風揚げパイ、トルタフリッタ

  • ペレグリーノ - パルマ風揚げパイ、トルタフリッタ

    パルマ風揚げパイ、トルタフリッタ

  • ペレグリーノ - パルマ風揚げパイ、トルタフリッタ

    パルマ風揚げパイ、トルタフリッタ

  • ペレグリーノ - パルマ風揚げパイ、トルタフリッタ

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  • ペレグリーノ - ガローニのプロシュット・ディ・パルマとパルマ風揚げパイ、トルタフリッタ

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  • ペレグリーノ - 本物のボローニャ風ソーセージのモルタデッラ

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  • ペレグリーノ - 手動スライサーにかけられた本物のボローニャ風ソーセージのモルタデッラ

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  • ペレグリーノ - 本物のボローニャ風ソーセージのモルタデッラ

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  • ペレグリーノ - イタリアの生ハムの王様"クラテッロ ディ ジベッロ"

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  • ペレグリーノ - サルーミ・クラテッロ

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  • ペレグリーノ - イタリアの生ハムの王様"クラテッロ ディ ジベッロ"

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  • ペレグリーノ - 手動スライサーにかけられたイタリアの生ハムの王様"クラテッロ ディ ジベッロ"

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  • ペレグリーノ - イタリアの生ハムの王様"クラテッロ ディ ジベッロ"発酵バター、平焼きパン"チャバッタ"とともに

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  • ペレグリーノ - Vitovska Origine 2009 Vodopivec(ヴィトフスカ・オリージネ 2009 ヴォドピーヴェッツ)

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  • ペレグリーノ - 魚料理 徳島産鳴門海峡より、一本釣りの鰆(さわら)イタリア野菜 プンタレッレとガエタオリーブのペーストを添えて

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  • ペレグリーノ - Giovanni Canonica Barolo 2005(ジョバンニ・カノニカ バローロ 2005)

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  • ペレグリーノ - 手打ちパスタ タリオリーニ、美しい!

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  • ペレグリーノ - パスタ 手打ちパスタ タリオリーニ アルバ産 白トリュフで覆い尽くして

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  • ペレグリーノ - パスタ 手打ちパスタ タリオリーニ アルバ産 白トリュフで覆い尽くして

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  • ペレグリーノ - La Stoppa 2003(ラ・ストッパ 2003)

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紅茶に浸したマドレーヌ

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店舗情報(詳細)

店舗基本情報

店名
ペレグリーノ(PELLEGRINO)
受賞・選出歴
2024年Gold受賞店

The Tabelog Award 2024 Gold 受賞店

2023年Gold受賞店

The Tabelog Award 2023 Gold 受賞店

2022年Gold受賞店

The Tabelog Award 2022 Gold 受賞店

2021年Gold受賞店

The Tabelog Award 2021 Gold 受賞店

2020年Silver受賞店

The Tabelog Award 2020 Silver 受賞店

2019年Gold受賞店

The Tabelog Award 2019 Gold 受賞店

2018年Gold受賞店

The Tabelog Award 2018 Gold 受賞店

2017年Gold受賞店

The Tabelog Award 2017 Gold 受賞店

イタリアン 百名店 2023 選出店

食べログ イタリアン TOKYO 百名店 2023 選出店

イタリアン 百名店 2021 選出店

食べログ イタリアン TOKYO 百名店 2021 選出店

ジャンル イタリアン
予約・
お問い合わせ

03-6277-4697

予約可否

完全予約制

住所

東京都渋谷区恵比寿2-3-4

このお店は「【港区西麻布4-6-5」から移転しています。
※移転前の情報は最新のものとは異なります。

移転前の店舗情報を見る

交通手段

日比谷線 広尾駅一番出口から徒歩 09分

JR恵比寿駅 東口より徒歩 10分

広尾駅から540m

営業時間
  • ■ 営業時間
    『昼の回』11:45開場 12:00 お料理一斉スタート
    『夜の回』18:45開場 19:00 お料理一斉スタート
    【ご注意】 お店への電話は繋がりません。ご了承ください
    ■ 定休日
    土、日、月 定休
予算

¥100,000~

¥100,000~

予算(口コミ集計)
¥100,000~ ¥60,000~¥79,999

利用金額分布を見る

支払い方法

カード可

(VISA、Master、JCB、AMEX、Diners)

電子マネー不可

QRコード決済不可

サービス料・
チャージ

サービス料10%

席・設備

席数

6席

個室

貸切

不可

禁煙・喫煙

全席禁煙

駐車場

空間・設備

オシャレな空間、落ち着いた空間、席が広い

メニュー

ドリンク

ワインあり、ワインにこだわる

料理

野菜料理にこだわる、魚料理にこだわる

特徴・関連情報

利用シーン

ロケーション

隠れ家レストラン、一軒家レストラン

ホームページ

http://www.pellegrino.jp

オープン日

2009年3月2日

備考

店の重要事項はホームページにて随時発表しております。
電話での問い合わせは行なっておりませんのでご了承くださいませ。

予約はomakaseでのみ承っております。

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