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食べログ 立ち飲み 百名店 2025 選出店
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| 店名 |
沙石
|
|---|---|
| 受賞・選出歴 |
立ち飲み 百名店 2025 選出店
食べログ 立ち飲み 百名店 2025 選出店 |
| ジャンル | 立ち飲み |
| お問い合わせ |
080-2962-6683 |
| 予約可否 |
予約不可 |
| 住所 | |
| 交通手段 |
競輪場前駅から492m |
| 営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
| 予算 |
~¥999 ~¥999 |
| 予算(口コミ集計) |
¥1,000~¥1,999
|
| 支払い方法 |
カード可 電子マネー不可 QRコード決済可 |
| 個室 |
無 |
|---|---|
| 貸切 |
不可 |
| 禁煙・喫煙 | 全席禁煙 |
| 駐車場 |
有 |
| ドリンク | 日本酒あり、日本酒にこだわる |
|---|
| 利用シーン |
|
|---|---|
| 公式アカウント | |
| オープン日 |
2019年8月 |
| 初投稿者 | |
| 最近の編集者 |
|
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富山の岩瀬という町は、時間の層が静かに積み重なった場所だ。かつて北前船が日本海を渡り、酒や米、木材を積み、文化そのものを運んできた。その記憶がまだ街並みに漂っている。石畳の道、かつての廻船問屋の格子戸、湿り気を含んだ海風。そうした記憶の延長線に、桝田酒造店が造る「満寿泉」という酒がある。
その直営店「沙石」に行ってきた。実は二度目の訪問だ。前日に車で場所を確認している。こういうとき、オレは念入りになる。今日は飲むつもりで来ているから、もちろん車は置いて、富山駅からポートラムという路面電車に揺られて向かった。線路が静かに住宅街を抜ける感覚は、旅人にとって「街と体が溶け合うリズム」になる。
「唎酒(ききさけ)」。メニューを見て最初に思ったのは、この字の奇妙さだった。「唎」なんて初めて見た。日本語は難しい。けれど、こうした難解さこそ酒の深みと似ている気がする。
唎酒の方法はセルフで3種類。
A. 木桝代220円(持ち帰り可)+別途唎酒(200円~500円)
B-1. 15分間(1500円)、上限8杯程度
B-2. 30分間(3000円)、上限15杯程度
Bコースにはミネラルウォーターが付き、時間延長は不可。
迷った末に、木桝を買うことにした。杉の香りを含んだ枡は、あとで持ち帰っても余韻が残る。おつまみも頼んだ。「おつまみセット3種盛り合わせ」とあった。
〈ホタルイカの素干し〉
「満寿泉」の酒粕に付けてから素干しにしています。風味豊かな仕上がりとなっておりリピート間違いなし。
〈アンチョビ〉
片口いわしを一匹ずつ米糠と樽に漬け込み仕込んでいます。ほのかな糠の味をお楽しみください。
〈ビーフジャーキー〉
飛騨牛にじっくり味を染み込ませ、飛騨の山椒をまぶし丹念に仕上げた一品です。
メニューには「酒粕に付けてから」と書いてあって、正しくは「漬けてから」だろうと気づいた。完璧に整った環境に、さりげない誤植。ウィットが効いていて、思わずクスッと笑った。
カウンターには、満寿泉がずらりと並んでいる。販売されていない銘柄を含めて三十種類以上。ここでしか出会えない酒が確かにある。オレが選んだのは「寿プラチナ」「純米吟醸ひやおろし」「純米吟醸LE(特定販売店用)」「搾り」。どれも香りが立ちすぎず、食事と呼吸を合わせるような酒だった。口に含むと、一瞬で身体の芯がほどけていく。
とくに「寿プラチナ」は透明な刃物のような切れ味で、舌の上をすり抜けていく。ひやおろしは、秋の湿度を含んだ丸みを帯び、余韻が長く残る。LEは一歩踏み込んだ濃さとバランスがあり、搾りは新酒ならではの瑞々しさ。すべて違う個性を持ちながら、どこかで共通の「満寿泉らしさ」が響き合っている。
酒を重ねるごとに気持ちが軽くなっていった。次に隣のイタリアンでランチを取ったが、ワインを頼む気持ちにはならなかった。もうすでに満たされていた。満寿泉がすでに「食中酒」としての役割を超えて、オレのなかの余白を埋めていたからだ。
北前船の記憶を抱いた港町。その時間の積層の上に、いまも新しい挑戦を続ける酒がある。満寿泉は単なる「地酒」ではなく、海と街と記憶を結び直すメディアのように感じられた。酒を嗜むという行為は、過去と現在を静かに行き来する時間旅行なのかもしれない。