進化し続ける「成生」 : 成生

2024年Gold受賞店

The Tabelog Award 2024 Gold 受賞店

天ぷら百名店2023選出店

食べログ 天ぷら 百名店 2023 選出店

この口コミは、船井香緒里(フードライターKaorin)さんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

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2022/11訪問2回目

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進化し続ける「成生」

静岡「成生」で昼餉。
ちょうど1年ぶり。大好きな季節に伺うことができました。

【蕪のスープ】
クエからだしをひき、低温の油にくぐらせた蕪とともに。
蕪はシャクッとした歯ざわり。スープの奥行きある味わいに、心が和らぐ。


【伊勢海老】
祝★解禁!駿河湾の朝獲れ。捌きたてのそれは、圧倒的なオーラを放っていた。
油に通し、軽く炭火を当てたのだとか。
ねっとり舌に絡みつく、その濃密さといったら…。そして清々しい風味が鼻腔を突き抜ける。

【アジ サバ 太刀魚】
焼津揚がり。同じ定置の網にかかった3種。すべて活かし。
アジのシャクッとした質感。サバはエッジィだし、太刀魚は蕩けて消える。
それぞれの香り、上質な脂、肉質…どれをとっても孤高。


ワインで通すことに。
「2020 Saint Romain Combe Bazin」Dom.de Chassorney
まさかの、至福の出合い。ナチュラルな旨みの凝縮感が、湧き出る。
大根鬼おろし、スタンバイ。
天ぷらがやってくるまで、
これをつまみながら飲むのが楽しみなのだ。
目前には、麻機(あさはた)蓮根をはじめ、静岡の大地の恵み。
凛々しく、美しい。そして天ぷらへと続きます。

【白メバル】
鬼おろしをのせ、かぶりつく。
繊細な身質…瞬時に消えた。

【オクラ】
今週でお終いとのこと。薄い衣はパリンッと歯ざわり良く、粘りも香りも上々。

【麻機(あさはた)蓮根】
土を包丁で削ぎ落とし、油の中へ。
糸の引き凄い。香り高く、菊芋のような食感。えも言われぬ旨みがずっと続く。

【キス】
粗めの塩で。かぶりつけば、ファッファ
その繊細さに、目を細めっぱなし。

【新ごぼう】
表面はカラメルのような香ばしさ。中は瑞々しい。
素朴さだけではない気高い存在感。

【アジ】
生涯一とも言える、アジの天ぷらだった…。
悩殺のみ、血抜きなし。(先ほどのアジの造りとは、全く異なる下処理)
肉厚、血合いの香り清々しく、じっとりとした旨みが押し寄せる。

言うまでもない。アジはもちろん、他の魚の凄みも
漁師、そして漁師から最高の魚を仕入れる「サスエ前田魚店」前田尚毅さん、
そして「成生」店主・志村剛生の見事なタッグの賜物。

【太刀魚】
厚みがスゴい。ザクっと香ばしく、
蒸されてホワホワになった身の食感とのコントラストといったら…。

【白ネギの天ぷら 鰹節】
ネギの甘みが生きる。

【朝どれ野菜のサラダ、鰹、フィンガーライム】
野菜は全て同じ農家さんのところで。フレッシュなものがあれば
黒キャベツはさっと素揚げにするなど、仕事が丁寧。
スモークした鰹はふんわり芳しく、艶やか。
フィンガーライムも地物。弾ける香りと酸味で味変。

そして後半へと続く。
「Rosé des Poètes」Le Gallais
ピノ・ノワール50% ムニエ50%
熟したブラックチェリーを思わせる凝縮感。このタイミングに嬉しかった。

【かぼちゃ】
30分火を入れているそうな。
皮をザクッと齧れば、力強い香ばしさが押し寄せる。
蒸された中はホクホク、ねっとり濃密な甘み。ネタごとに、目を見張る瞬間が多すぎる。

【アカムツ】
駿河湾、深海200mより。
手渡しされたアカムツを、瞬時に頬張ると
クリアな脂を撒き散らしながら、消えた。山椒の余韻とともに。

【メークイン】
パリンッとガラスを割ったかのような、皮の香ばしさにヤラれ、
質朴な甘み、大地の香りへと続く。

【海ウナギ】
海の天然物とは稀少。活鰻をその場でさばき、油の中へ。
活きているから内側から瞬時に蒸気が入るそうで、蕩けるような質感。
なんてピュアな風味なんだ…気づけば消えていた。

【メゴチ】
薄衣で、緻密な身の口どけ感が素晴らしかった。

【天ばら】
ネタをばらばらに揚げ、ご飯に合わせている。
実はこれで飲める。笑
最後はだし茶漬けに。香物とともに。しみじみ、心がほぐれた。


そして
530年の歴史に育まれた、見事な日本庭園を眺めながら。
茶室で至福のとき。

進化し続ける、ここにしかない天ぷら。
「魚や野菜の状態をみながら、調理法を常に変えていかないと」という志村さんのお言葉。
詳しくお聞かせいただいたネタも多く、学びの多い時間でした。
驚きと新たな感動が渦巻く、貴重な経験。
Hさん本当にありがとうございました。


〜Kaorin@フードライターのヘベレケ日記〜
「成生」
https://kaorin15.exblog.jp/32508803/

  • 成生 - 蕪のスープ

    蕪のスープ

  • 成生 - 伊勢海老

    伊勢海老

  • 成生 - アジ サバ 太刀魚

    アジ サバ 太刀魚

  • 成生 - Saint Romain Combe Bazin」Dom.de Chassorney

    Saint Romain Combe Bazin」Dom.de Chassorney

  • 成生 -
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  • 成生 - 白メバル

    白メバル

  • 成生 - オクラ

    オクラ

  • 成生 - 麻機(あさはた)蓮根

    麻機(あさはた)蓮根

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  • 成生 - 新ごぼう

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  • 成生 - アジ

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  • 成生 - 太刀魚

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  • 成生 - 白ネギの天ぷら 鰹節

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  • 成生 - 朝どれ野菜のサラダ、鰹、フィンガーライム

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    天ばら

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2021/11訪問1回目

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  • 料理・味-
  • サービス-
  • 雰囲気-
  • CP-
  • 酒・ドリンク-

魂を揺さぶる、新生「成生」。

静岡遠征。
約5年ぶりの「成生」。
あの頃、師匠に連れて行って頂いた感動は今なお忘れられず。
移転後、念願の訪問です。
木造平屋建て。京都『木島徹建築設計事務所』設計。


カウンター席からはこの借景。浅間神社に隣接し、
室町時代後期の武将、太田道灌が築造したとされる庭園を望む。

はやる気持ちを抑えつつ、ビールで喉を潤し…。

■落花生のすり流し
潰した落花生をクエのだしで。
じんわり広がる優しい旨みと、甘やかな香りに、
心地いい緊張感がほどける。


■クエの刺身
50℃の油にくぐらせたクエ、そのものの
脂が弾けるようなテクスチャー。ねっとり広がる甘みが堪らん。

クエに翻弄され、画像ブレましたわ
「開運 純米吟醸」(静岡・土井酒造場)
まるみのある味わい、の中にもキレを感じるいい酒。


■静岡の伊勢海老
ぷっくりねっとり、ほんのり炙りの香ばしさも。
湯煎したミソと、浜納豆の、えもいわれぬ旨みにより
伊勢海老の甘みが際立つ。


大根鬼おろし。天ぷらが登場する前に…
これをつまみにチビリチビリ。小さな幸せ。


ーーー天ぷらへと続く。
目の前で、始まった……。
主人・志村剛生さんによると、鍋は銅の鋳物を使っているそうな。
反応がひじょうに早いんだそう。
(対して鉄は、反応が遅いけれど温度をキープできるので大人数向け、だとか。)
その油は、太白ゴマ油と、焙煎ゴマ油をブレンド。
薄力粉は-50℃の冷凍庫で2週間、寝かせたものを用いるとか。
繊細で軽やかな衣を作り上げる、そのコツに一堂「ほほぅ〜」と頷きながら、
飲んでもメモメモ。


■太刀魚
「大根いっぱいのせて、かぶりついてください」と志村さん。
言われるがまま。ハフハフ頬張れば、
蒸された身はしっとりホワッホワ。清々しい旨みが炸裂。


魚介類は、焼津の老舗鮮魚卸『サスエ前田魚店』より。
店主・前田尚毅さん、志村さんの最強タッグ、、
詳しくは、料理人のための和食専門ウェブ・マガジン
「和食の扉 -WA・TO・BI-」と、
https://watobi.jp/washokunoshinsei/1322.html#__login=1
11/23発売「あまから手帖」12月号〜サロン・ド・カドカミ 最終回〜を
チェックしてください!
https://www.amakaratecho.jp/saishin/


次の酒は
「真澄 純米吟醸」(長野・宮坂醸造)
綺麗。水のような透明感の中から、米の旨みがしっかりと。


■ブロッコリー
塩で。凝縮感ある甘みと、ブワッと押し寄せる香りに、ただただ驚く。


蓮根の土を落としはじめた志村さん。
ラッキーなことに、数日前、解禁になった「あさはた蓮根」。

■あさはた(麻機)蓮根
カラメルのような甘やかな香りに続き、糸の引きにこれまた驚いた。
菊芋のような食感も感じつつ、ホクホクしていて味が濃いんだ。


■キス
荒めの塩で。
艶やかでファッファ。唸りっぱなしだ。


■銀杏
ねっと〜り、甘い。


■サワラ
うるうる、しっとり。その質感のグラデーションとともに、
深い甘みが広がりゆく。あゝ、食べ続けていたい。


■シラカワ
初めて知った。駿河湾の「白アマダイ」のことを、
地元の人は「シラカワ」と呼ぶそうな。
「冬の始まりです」と、志村さん。

美しき、鱗の立ち上がり。ザクッと香ばしく
蒸されてふぁっふぁの身。そのクリアな風味も唸る。


■サラダ
「箸休めのサラダです」と供された皿には、一軒の農家さんから届く野菜。
春菊、生白菜…etc。さらに
キャビアに鮑燻製、太白胡麻油の上品な香り。
「箸休めにならへんやん…」


■カボチャ
グッと広がる皮の香ばしさにやられた…。しかも
中は見事な蒸し具合。
そのねっとり感に目を細め、自然で質朴な甘みに感銘。


■小鰺
定置の小鯵は、すっきりとした味わい。
鬼おろしでさっぱり、清々しく。


■揚げネギ
香ばしさが堪んない。しかも見事な揚げの軽やかさ。
『サスエ前田魚店』の鰹節、その燻香とのコントラストも秀逸。


■小蕪
手渡しで。
炊いた蕪のような味わい深さ。
茎や葉の香ばしさもいい。


■さつまいも
皮を齧った瞬間、キャラメリゼしたような香ばしさと甘みが広がり
香りも甘みも、どんどん深まりゆく。


■シラカワ
そして、シラカワ食べ比べ。
最初は高温で、そこから温度を下げて揚げ切る。
保湿性すごい。


羽釜に入るのは
「粘りが少なく、さばきがいい」という「はつしも」
〆は天丼、天ばら、天茶から選ぶ。

■天ばら
食材をばらばらに揚げ、ご飯に合わせている。
食感のコントラストが心地いい。これでまた飲めそうだ。
赤だし、公のものと共に。
半分ほど頂いた後はだし茶漬けに。六腑に沁み入るのでした…。


興奮冷めやらぬ、ってこの気持ち
伝説的ライヴの、アンコール直前の感覚に似ている。
そして場所を、茶室へと移します。


530年の歴史に育まれた、見事な日本庭園を眺めながら。
一煎目は水出しで、丸みのある味わいを楽しみ、


■無花果のジェラート
ジャージー牛のジェラート。素材は季節ごとに変わり
無花果は今週で終わりとのこと。
澄んだ風味と、無花果の質朴な甘みを堪能。

二煎目は65℃で。渋みのなかに、まったりとした甘みを感じながら
志村さんの話にじっくり耳を傾けるのでした。

『サスエ前田魚店』から仕入れる魚介、契約農家さんから届く季節野菜
静岡ならではの地素材と対話しながら生み出す、ここにしかない天ぷら。
進化し続ける『成生』は異次元の世界でした。まだまだ興奮さめやらぬ。

<Kaorin@フードライターのヘベレケ日記>
https://kaorin15.exblog.jp/30834324/

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店舗基本情報

店名
成生
受賞・選出歴
2024年Gold受賞店

The Tabelog Award 2024 Gold 受賞店

2023年Gold受賞店

The Tabelog Award 2023 Gold 受賞店

2022年Silver受賞店

The Tabelog Award 2022 Silver 受賞店

天ぷら 百名店 2023 選出店

食べログ 天ぷら 百名店 2023 選出店

天ぷら 百名店 2022 選出店

食べログ 天ぷら 百名店 2022 選出店

ジャンル 天ぷら
予約・
お問い合わせ

054-295-7791

予約可否

完全予約制

新規のご予約は予約サイト「食オク」にて承ります。

住所

静岡県静岡市葵区丸山町12-2

このお店は「静岡市葵区鷹匠2-5-12」から移転しています。
※移転前の情報は最新のものとは異なります。

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交通手段

新静岡駅から1,447m

新静岡駅から1,447m

営業時間
予算(口コミ集計)
¥60,000~¥79,999 ¥40,000~¥49,999

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支払い方法

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(AMEX)

電子マネー不可

QRコード決済不可

席・設備

個室

貸切

禁煙・喫煙 全席禁煙
駐車場

特徴・関連情報

利用シーン

お子様連れ

大人のコースを召し上がれる方のみ

備考

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