nao...さんのマイ★ベストレストラン 2014

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Delicious Days!~孤高の食べ歩き~

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nao... (神奈川県) 認証済

マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

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今年は念願だった「一人グランメゾン」もできたし、都内のフレンチやイタリアンなどに行くことができました。
来年は和食も食べ歩いてみようと考え中。勿論、一人で。一人は私の食べ歩きのコンセプトになっていますので、拘りたいと思っています。

マイ★ベストレストラン

1位

トゥールダルジャン 東京 (赤坂見附、麹町、四ツ谷 / フレンチ)

1回

  • 昼の点数: 4.9

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 4.2
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    - -

2014/11訪問 2014/11/10

孤高のランチ~231554~

2014.11.
最近、気に入っているのがグランメゾンクラスの一人ランチ。あまりお一人様OKなお店は多くはないのですが、「きっと、ここは大丈夫」と確信があり、ずっと行きたいと思い焦がれていたグランメゾンがあります。

「LA TOUR D'ARGENT」。

「銀の塔」を意味するこのお店の歴史を紐解けば、数々のエピソードがあるのですが、有名な話を挙げると、やはり「三皇帝の晩餐」や「鴨のナンバリング」の話でしょうか。1867年6月7日、パリ万博に訪れていたロシア皇帝アレクサンドル2世と同皇太子、プロシア皇帝ギョーム1世と宰相ビスマルクによってラ・トゥールダルジャンにて行われたのが、歴史に名高い「三皇帝の晩餐」。このことがきっかけで生まれた料理の『トゥールダルジャン特製 フォアグラ三皇帝風』は、まさに至宝の料理と言えます。
また手掛けた鴨一羽一羽に番号をつけるという試みは、当時の名支配人フレデリック・ドゥレールによって始められ、現在も受け継がれています。1921年に当時、皇太子であられた昭和天皇が召し上がったのが、53,211羽目の鴨だそうで、それに由来して世界で唯一の支店となるこの東京店では、53,212からのナンバリングをしているそうです。

今回、私の心を動かしたのは、この東京店が開業30周年という節目にあたり、期間限定のコースを開催していると知ったからです。東京店30年間の歴史の中で特に人気の高かったメニューの復刻、エグゼクティブシェフ Renaud Augier(ルノー・オージエ)の新作、パリ本店伝統のシグネチャーメニューという三本柱で構成した特別メニューはとても心惹かれる料理で、今回の初訪問となったわけです。

メインダイニングへと続く暗めの通路には青絨毯が敷かれ、まさにグランメゾンという名に相応しい重厚な雰囲気。通路を抜けると、騎馬姿のアンリ4世の肖像画が迎えてくれます。またあの有名な「三皇帝の晩餐」のテーブルセッティングや多くの銀食器が飾られており、一つ一つエピソードを聞いてみたいところ。
すぐ通されたメインダイニングはかなり明るく、開放感もあって、とても素晴らしい。夜にはキャンドルも灯るようで、とてもロマンチックな感じになるでしょう。
料理は『L’esprit du temps』(時のエスプリ)という「LA TOUR D'ARGENT」の伝統と進化を楽しめるコースだそうで、ランチでは2種コースあるのですが、今回はちょっと我儘を言って、料理を変えていただきました。

実食

アミューズ『ジロール茸のフラン』
可愛いらしい一口サイズのフラン。旬のジロール茸は、こんな小さなサイズでもちゃんと濃い味がして、美味しい。

『トゥールダルジャン特製 フォアグラ三皇帝風』
本来の『フォワグラのアンブロワジー花梨とソーテルヌワインのジュレ』と差し替えていただいたこのお店の至宝とも言えるパリ本店の伝統のシグネチャー料理。憧れていた料理の一つでもあります。
左にソーテルヌのジュレ、右にポートワインのジュレがのみが乗せられてお皿が出され、目の前でまるでアイスクリームを掬うようにスプーンで供されるガチョウのフォワグラ。まずは、驚く!たっぷりと入ったトリュフの量、ヴェルヴェットのような滑らかさ、その圧倒的な濃厚さに!非常に美味しい♥︎テリーヌの王者だと思います。

『帆立貝のモザイク仕立て オシェトラキャビア添え』
東京店30年間の歴史の中で特に人気の高かったメニューの復刻というのが、この料理。最初の1年に創作した料理だそうで、フランスで“ナクレ”と呼ぶ美しい“真珠の色”に拘った火入れと香ばしく焼き色を付けた火入れをした帆立貝を楽しめます。周りを彩るのは、黄色と緑の二色のズッキーニとニンジン。ソースはエシャロットを炒め、魚の出汁を加えたベースに白ワインを加えて煮詰めたバンブランソースで、少し酸味があります。これが帆立貝の甘みとキャビアの塩気によく合います。

『コンソメ マドリエンヌ 秋の味覚と共に』
まずはシャントレル茸・根セロリ・ビーツが入れられたスープ皿が供され、目の前で銀食器に入れられたコンソメが注がれます。これが素晴しくよい香り♪
鴨のガラにトマトやセロリなどを入れて作られたコンソメで、想像よりも遥かに滋味溢れる味わい。うーん、さほど好みではなかったかな。

『幼鴨フィレ肉のロースト マルコポーロ』
このお店の伝統のスペシャリテである『幼鴨のロースト マルコポーロ』を再構築した料理。元々、この料理はミシュランで1952年に二つ星になったことがあり、その際に当時のオーナーであったクロード・テライユがアフリカの南東に浮かぶマダガスカル島に旅した際に持ち帰ったピンクとグリーンの胡椒に、黒と白の胡椒を加えた4種の胡椒が織りなすソースで味わう料理。この料理によってわずか1年で三ツ星に返り咲いたというエピソードを持っているそうです。再構築したのは付け合わせの方で、根菜、黄色と緑の二色のズッキーニをミルフィーユ状にして、ピンクとグリーンの胡椒で飾っています。
これはスペシャリテの名に恥じない美味しさですね。鴨の脂肪面はカリッとした焼き上がりで、肉の部分は噛み締める度にジューシーさを感じます。ソースは4種の胡椒を使っているとのことですが、非常に上品な刺激で美味しい。実は、野菜の方がかなり刺激的。

勿論、「鴨のナンバリングカード」もいただきました。私のナンバーは231554です。

『洋梨のヴィ パリジェンヌ』
本来ならば、栗を使ったものだったのですが、あまり栗が好きでないので、変えていただきました。洋梨のクレームの中にフレッシュの洋梨を入れ、2枚のシュクルダールで飾ったもの。洋梨の香りもちゃんとして、かなりの甘さがあります。

『フロマージュ』
コースにはないですが、ワゴンで運ばれてきた10種くらいの『フロマージュ』。クリーミーなものを選んでいただき、2種オーダー。うーん、濃厚…。とてもワインなしでは食べられないので、ソムリエの方に貴腐ワインをお願いしました。で、出されたのが『Chateau Doisy-Daene(シャトードワジ=ディーヌ)』。蜜のような甘さ、余韻に浸れます。

『コーヒーと小菓子』
食後の小菓子も抜かりなく。コーヒー以外にも紅茶とハーブティーが選べます。実はフレンチでコーヒーを飲むようになったのも、ここ「LA TOUR D'ARGENT」が始まりらしい。だからかなり力を入れており、ホテル内のどこでも飲めないブレンドなんだそうです。でも…あまりコーヒー好きではないので、ハーブティーにしちゃいました。

スタッフも多く、サービスはさすが「LA TOUR D'ARGENT」といったところ。提供する際に、一呼吸置くスタイルは全スタッフに共通していたことで、料理の提供スピードも食べる側に合わせてくれます。豪華なグランメゾンの雰囲気に吞まれるかと思いましたが、意外にもリラックスして楽しむことができました。ドレスコードも緩くなってタイ着用ではなくなり、メインダイニングでの撮影はNGだったのが、OKになりました。あまりパシャパシャとシャッター音が響くのはどうかと思いますが(私のは無音なのです)、食べ歩きを趣味とされてらっしゃる方には嬉しいことかと思います。
今回はコースにしましたが、好きな料理をアラカルトでオーダーしても金額的にはさほど変わらないような気がします。オリジナルのシャンパーニュ『シャンパーニュ・ラ・トゥールダルジャン・ブラン・ド・ブラン』も気になり、不定期開催のランチは料理・雰囲気・サービスを考えるとなかなかリーズナブルだと思えてしまいます。ちょくちょく行くことはできないですが、必ず再訪したいお店です。

  • 2014.11.  トゥールダルジャン特製 フォアグラ三皇帝風
  • 2014.11.  幼鴨フィレ肉のロースト マルコポーロ
  • 2014.11.  ジロール茸のフラン

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2位

ル ベルクレイ (白金高輪、白金台、広尾 / フレンチ、カリフォルニア料理)

1回

  • 夜の点数: 4.8

    • [ 料理・味 4.7
    • | サービス 3.7
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 4.1
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 -

2014/09訪問 2014/11/24

立ち鴨の立ちの騒きに相見てし妹が心は忘れせぬかも

2014.11.23.
ついにこの日が来てしまいました。

「LE BERKELEY」の閉店。

食べ歩きをし始めて、あまり経験のないお気に入りのお店の閉店。なんとも心苦しい気持ちでいっぱいです。
閉店する前にもう一度!と思っていたので、早々と最終日に予約を入れ、同時にジビエの予約もしました。渡邊シェフが「ベキャスの次に美味しいのでは?」と推している『サルセル』がどうしても食べたいっ!去年は『ベキャス』を食べたのですが、『サルセル』は食べられずに、今年食べようと決めていたジビエなのです。予約する際、マダムに『サルセル』が食べたいことを伝えると、入荷するか微妙なとこだそう。それでも僅かな希望をかけて予約しました。

閉店の4日前。
Twitterで情報交換させて頂いている方から、「サルセルが入荷したようです」とのメッセージを受け、早速お店に電話。すると、既にキープしてくれているらしい。
やったー♡
私の食い意地が伝わったのか?(笑)ともかく、嬉しいかぎりです。

閉店日。
ディナーは満席とのことで、初のランチタイムでの予約。昼と夜を食べるつもりで、悔いのないように渡邊シェフの料理を堪能したいと思って、マダムも「マジですか?」と驚くかなりのボリュームでのオーダーです(笑)
最後の「LE BERKELEY」。偶然にも、最初の訪問と同じ席での食事です。

アミューズ『ムール貝のムクラード』
まだあった!小振りな貝ながらもぎっしりと身が詰まっており、ミルキーな味わいが美味しい。白ワインと一緒に黙々と食べたい。

前菜『仔ウサギとフォワグラ 仔鴨のクラシックなパテアンクルート サラダ添え』
フランス料理のシンボリックな前菜の一つで、テリーヌを生地で包んだものですね。濃厚なそれぞれの食感も異なっており、楽しい。口の中がしつこくなってきたら、添えられている味がしっかりとついているサラダを食べることで、リセットされます。計算されていますね。

魚料理『北海道産カスベのムニエル 焦がしバターとパプリカ ポルト酒のソース トリュフ風味』
以前、渡邊シェフのブログで紹介されていたメニュー。食べたいなと思っていましたが、なかなか出逢えずにいました。まさか、この日に出逢えるとは。
供されると、ブワリと香草が香ります。軟骨まで食べれるカスベはツゥルツゥルな食感で、その中で軟骨のコリコリ感が心地よいです。焦がしバターのコクがたまりません。

ジビエ『サルセルのロースト 赤ワイン風味のジュ』
出逢えたのは、奇跡。念願のサルセルです。サルセルとは鴨の子供のことではなく、野鴨の最小型の品種で、成鳥でもウズラほどの大きさの鴨です。
まるでハート型のように盛られている可愛いシルエット。皮目はパリッとしており、身は肉厚ながらもサクリと歯切れがよく、とろけるような食感。軽めというソースも実に美味しい。

ジビエ『青首鴨のロースト ルーアン風赤ワインソース』
激レアに焼き上げた青首鴨は、とろけるような感じ。内臓と血とワイン、そしてフォワグラを加えたソースルアネーズは、極濃厚でパンをつけるだけで立派な料理になります。
「付け合わせです」と出された別皿は初めて。内容は青首鴨のモモ肉グリル、内臓のパテ、栗とトリュフのラビオリ。中でもモモ肉なグリルは、非常に美味しかった。ブリッとした歯応えの中に、溢れる肉汁がたまりません。こういう料理を出されると、もっと渡邊シェフの色々な料理が食べたくなりますね。

メイン『和牛テールの赤ワイン煮』
今までのはメインじゃないの?というツッコミは置いておいて。最後だからこそ、どうしても食べたかったメニュー。トロトロの牛テールは軽い酸味の中で、舌にまとわりつくような食感で、肉の繊維一つ一つが解けていく感じ。肉のインパクトは凄いながらも、後味は軽い素晴しい料理です。

デザート『タルトタタン』
〆のデザートは、この時期くらいからどのお店でも提供しだしている『タルトタタン』。実は失敗から生まれた料理って、知ってました?この『タルトタタン』、温かかったのならば完ぺきな味わい。

最後の「LE BERKELEY」、実に堪能しました。渡邊シェフの食べてみたかった料理はまだまだあるのですが、夢のための閉店なので仕方ありません。カフェのような気軽な雰囲気、ガルニもあまりつかないインパクト大な料理の数々、大好きでした。また出逢える奇跡を信じて、ごちそうさまでした。


2014.9.
季節はすっかりと秋めいて、ついにジビエのシーズンとなりました。今年も再訪するべきお店は、白金高輪にある「LE BERKELEY」。そろそろジビエの入荷のお知らせでもチェックする為にお店のブログを見ると、閉店…だ…と。しかもカリフォルニアに行くようで、もう渡邊さんの料理が食べられないorz それでもサルセルやベキャスの時期までは日本にいらっしゃるのかと問い合わせてみると、最短で10月末までの営業らしい。これは早めに再訪しなければ!と思って、早速行ってきました。

白金高輪駅からどこか昭和の香りのする商店街の真ん中くらいに、このお店はあります。
「LE BERKELEY」。
階段を降りると、オシャレなカフェのような店内は変わらずに、「半年くらいぶりですね」とマダムが出迎えてくれました。たった数回の利用にもかかわらず私のことを覚えて下さってました。「一人客で、ジビエ好き」。なかなかいないお客さんなのかな?

予め、料理はリクエストしてあるので、前菜から『和歌山県産紀の川産鮎のパテ メロンのコンフィチュールで和えたメロンのサラダ』を。実はコレ、このお店の初秋のスペシャリテなんだそうです。

アミューズ『ムール貝のムクラード』
なんと!前菜でどっちにしようか悩んでいた料理がアミューズで出された。わーい‼︎
小粒ながらも、身がぎっしりと詰まっていて、実に美味しい。

前菜『和歌山県紀の川産鮎のパテ メロンのコンフィチュールで和えたメロンのサラダ』
鮎のパテだけを食べると、鮎1匹丸ごとを凝縮したような旨味があり、上に盛られたメロンと共に食べると、絶妙な甘さが加わり、美味しい。実にワインが欲しくなる一皿。

さて、私がリクエストした料理は2つあります。

ジビエ『真鴨とフォワグラのパイ包み焼き ルーアル風』
真鴨の胸肉をコニャックとマデラ酒を香り付けして、フォワグラを挟んで、パイで包み込む。ソースはサルミソースにフォワグラのコクを加えたもので、超濃厚でありながらも、キレのあるソースです。
薄皮のパイの中には、惜しげもなくたっぷりと鴨とフォワグラが入っていて、このソースを絡めて食べると、絶品です。

ジビエ『雷鳥ドッグ』
見た目からインパクトのあるこの料理は、まさしく独創的なジビエの新しいスタイル。雷鳥の腿肉と胸肉をクレピーヌで包み、中には雷鳥の内臓とキャラメリゼしたバナナを詰め込んで、アメリカンドッグのような形にしています。大きく切って、口に入れれば、まさしく雷鳥独特のあの内臓の苦味とバナナのほのかな甘さが広がります。これも美味しい。

デザート『出来たて オレンジタルト』
本当にオーダー毎にタルトを焼いて、キンキンに冷やして提供されます。爽やかなオレンジクリームはたっぷりと詰められていて、このコースを〆るにピッタリの一皿。

ガルニチュールもないメインが多いのですが、私は好き。豪快でありながらも、かなり計算された料理はどれも美味しい。
本当に閉店が残念でなりません。それでも閉店の時期は決まっていないそうです。というのも、今の場所の新しいオーナーが決まらないと退去できないそうで、最短で10月いっぱい最長でも年内という話。お客としては新しいオーナーが年内まで決まらなければ、サルセルもベキャスも食べれるかもしれないですが、個人的には新しい旅立ちをお祝いしたい気持ちもあり、複雑です。ともあれ、正式な日取りが決まったら、もう一度行きたいと考えています。


2014.2.
おそらくは今シーズン最後になるであろうジビエを食べに、白金高輪にある「LEBERKELEY」に再訪。前回食べた『ベキャス』が素晴しく美味しかったので、シーズン中に『鴨』を食べに来ようと決めていたのです。渡邊シェフ曰く、『ベキャス』の次に『小鴨」が美味しいとおっしゃっていたので、是非食べたかったのですが、タイミングが合わずにorzそれでもありつけた『鴨』は、王道の『茨城産網獲り青首鴨』です。

料理はプリフィクススタイルのコースで、前菜・魚料理・肉料理を自分で選んでいきますが、今回は前菜・肉料理・ジビエ料理という構成にしてもらいました。魚料理もとても美味しく捨てがたいのですが、どうしても食べてみたい肉料理があったのです。そしてここに訪問する時は、きっとジビエを食べると思うので、こうしないと通常の肉料理は食べることができないと思っていたわけです。

実食

『青首鴨とフォワグラの冷製ソーセージ』
しっとりとした青首鴨の肉と濃厚なフォワグラ、ワインのアテとしては十分すぎるほどで、最初の一皿からガッツリです。

『ジビエのコンソメで包んだフォワグラのコンフィポルト酒とバルサミコ風味人参のフォンダンクミン風味』
コンソメゼリーのプルプル感とネットリとしたフォワグラのコンフィのコントラストが楽しめます。味わいはバルサミコが強いので、意外にもあっさりとした後味です。前回、食べた『タスマニアサーモンの瞬間燻製』の方が好みかも。

『和牛テールの赤ワイン煮込み』
どうしても、食べてみたかった肉料理がコレです。だって、「LEBERKELEYの不動の4番バッター」という謳い文句なので、気になるじゃないですか。
男性の拳くらいの大きさで、テールなので中心に骨がありますが、2/3はトロトロの肉です。ナイフで切るというよりは「ほどく」という感じで、素晴しく美味しい。

『茨城産網獲り青首鴨のローストルーアン風』
フランス北西部に位置するルーアン。あのジャンヌ・ダルクが火刑に処せられた街として有名ですが、鴨料理も有名ですね。ルーアン風とは、ローストした鴨をさばいて肉と骨に分けて、骨の部分を専用のプレス機でつぶして血液や旨味を絞り出し、濃厚なソースに仕上げる調理法のこと。なので、このソースも青首鴨の内臓と血、そしてフォワグラを溶かして仕上げているそうです。
ソースのダイナミックなインパクトは勿論のこと、このとろけるような味わいの鴨は初めてです。『ベキャス』の時もそうですが、味は勿論のこと、付け合わせが一切ないという潔さが、私は好きです。

『ニューヨークチーズケーキ』
デザートも数種の中から選ぶことができ、今回は『ニューヨークチーズケーキ』を。『ニューヨークチーズケーキ』って、結構しっとりというかどっしりしているイメージなのですが、とろける…だ…と。

カフェのような造りからは、想像もできないほどの肉系ガストロノミー。鳥系ジビエはもう終わってしまうでしょうが、ブログを拝見すると『ゆきうさぎ』も入荷していたりするので、春になるとどんなジビエを取り扱うのか、楽しみなお店です。


2014.1.
白金高輪駅から、5分くらい。昭和のかおりが残る商店街の真ん中辺りにあるこのお店は、地下ということもあり、ちょっとわかりずらい。お店に続く階段を降りると、ガラス張りのカフェのようなお店が現れます。
店内も18席しかなく、ウッドのテーブルに青いクロスがかけられているシンプルな雰囲気で、リラックスできます。
このお店のシェフの渡邊さんは、平井にある「レストラン コバヤシ」のご出身だそうで、ジビエ全般とする肉料理が得意とのこと。実は去年からお店の存在を知っていて、ジビエの季節になったら、必ず行こうと決めていた一軒なのです。

料理はプリフィクススタイルのコースで、数種ある中から前菜・魚料理・肉料理を選んでいきます。ジビエに関しては、最低でも2日前までに予約しないとダメなので、ご注意下さい。今回のメインは『べキャス』なので、前菜から『タスマニアサーモンの瞬間燻製』、魚料理から『真鯛のポシェ ホタテのジュ バジル風味』をオーダーしました。

実食

『小さな楽しみ』
アミューズは、『蝦夷鹿と馬肉のカルパッチョ』。かなりの薄切りですが、蝦夷鹿の力強い旨味と馬肉のアッサリとした味が味わえます。

『タスマニアサーモンの瞬間燻製』
提供されると、ふわりと薫香が香ります。口に入れれば、その薫香が鼻に抜け、心地よく、口にはサーモンの脂がじゅわりと広がります。美味しい♡

『真鯛のポシェ ホタテのジュ バジル風味』
本日の魚料理として、オーダーしました。提供されて、驚く。そのポーションの大きさに!想像してた2倍の大きさです。プリプリとした身は脂もあり、食べ応え抜群で、美味しい♡肉料理が得意という話ですが、魚料理も素晴らしいです。

『べキャスのロースト サルミソース』
本日のメインの『べキャス』です。これも、丸々一羽というボリュームで、付け合わせなどなく、登場。真ん中に置かれてるハート型のレバーペーストが、とてもキュート♡サルミソースは濃厚であり、魚香もほのかにして美味しく、何よりもべキャスが肉厚で大きい!大きさはあまり期待していなかった分、とても嬉しく、今季初のべキャスを堪能できました。

『タルトタタン シナモンアイス添え』
デセールも数種ある中から、選ぶことができます。メニューはありませんが、『タルトタタン』もあるとのことで、オーダー。
たっぷりと入ったリンゴはトロリとし、シナモンアイスを付けて食べれば、至福のひとときです。

オシャレなカフェのような外観からは、想像もできないような素晴らしいフレンチを味わえ、大満足です。あのポーションを考えてもCPは素晴らしく、程よいサービスもいい。ジビエの季節はそろそろ終わりになりますが、ジビエ以外の定番肉料理や魚料理も食べてみたいですが、まずは『網獲りの鴨』を食べに、来月行きます。

  • 2014.11.23.  サルセルのロースト 赤ワイン風味のジュ
  • 2014.11.23.  ムール貝のムクラード
  • 2014.11.23.  仔ウサギとフォワグラ 仔鴨のクラシックなパテアンクルート サラダ添え

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3位

SALONE 2007 (元町・中華街、日本大通り、石川町 / イタリアン、パスタ)

11回

  • 夜の点数: 4.8

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 4.9
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 4.8
    • | 酒・ドリンク 4.8 ]
  • 昼の点数: 4.8

    • [ 料理・味 4.7
    • | サービス 4.8
    • | 雰囲気 4.8
    • | CP 4.8
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 ¥5,000~¥5,999

2020/04訪問 2020/04/28

恋するキモチ~銀の薔薇に愛を込めて~

2020.4.

銀の薔薇に愛を込めて

横浜・山下町にあるイタリアンの名店「SALONE 2007」で、テイクアウト。ストゥファート・パスタアルフォルノ・自家製パンがセットになったディナーセットやパスタソースもある中で、今回は10000円から注文できるオーダーメイドテイクアウトです。食べたい食材や料理をお願いしても良かったのですが、お任せでお願いしました。

目の前にすると、感じるのは実に「SALONE 2007」らしい美学。テイクアウトには思えない盛り付けの綺麗さ、ナッツなどによる食感のアクセント、熱はないながらも美味しい。

ホワイトアスパラガスと生ハム お米のコロッケ アランチーニ

海老とカルチョーフィ ズッキーニのマリネ♡

カジキのスコッタート ホッキ貝とウイキョウのインサラータ♡

フォワグラと鴨胸肉 カフェ ヘーゼルナッツ タイム♡

淡路島ポークのアロースト ハリッサソース♡

ヴィテッロトンナート 仔牛肉とツナのソース♡

蛸のオイル煮 チェーナ

サローネグループの濃厚なパスタソースも購入できるのは、きっと今だけ。お店ではできないような量を思い切り食べてみたい。



2019.4.

4月からガラリと変わると聞いていた横浜が誇るイタリアンの名店「SALONE 2007」へ再訪。

中華街側にあった小さなリストランテから今のバーニーズの地下に移り、雰囲気が一気にラグジュアリーに変わりました。そして、今回はテーマカラーである「濃紺と白銀」で統一されて、テーブルには「Takero Weld’em」によるシルバーのIRON Roseが咲き、カトラリーはイタリアの老舗ブランド「Sambonet」、食器もプラチナ箔でロゴを入れた白く輝くボーンチャイナ。より一層特別感が増した店内へと変わりました。更にメニューも以前はテーマと食材のみの表記でしたが、昔みたく料理名を表記するようになっています。

MENU DI APRILE

A5サーロインのスピエディーノ♡
全てのお皿が変わった中でも、この料理のお皿だけは変わりません。元々、このお皿もバーニーズの地下に入る前の小さな店舗で使っていたものです。このスターターは不動のものであり、「SALONE 2007」を象徴付ける料理だと思います。

北寄貝 フィノッキオ サフラン♡♡
旬の北寄貝とフィノッキオ(ウイキョウ)とオレンジを使ったサラダ仕立て。上からはイタリアンパセリと魚醤で作ったソースがかけられ、周りにはサフランで色付けされた貝の出汁のジュレが彩ります。
北寄貝と酢漬けのフィノッキオの異なる食感のリズム、春らしいサフランの色味とオレンジの爽やかさ、一つの料理の中に一口毎に違う甘味と酸味があり、非常に素晴らしい。

イワシとカルチョーフィ
イタリアの春を感じるカルチョーフィ(アーティチョーク)を使った前菜。カルチョーフィは詰め物をするローマ風と揚げるユダヤ風があるそうで、この前菜では詰め物をして揚げています。相性の良いアンチョビソースを下に敷き、カルチョーフィの萼の部分をカリカリにすることで食感を与えています。好みの問題ですが、私的にはアンチョビソースが濃いのでアタックが強く、少々塩気が強かったです。

仔羊のアグロドルチェ 鰻のクレマとホワイトアスパラ♡
これは美味しい。ソースに使っているのは、なんと鰻。この鰻のクレマが濃厚なれど、それぞれの素材の良さを引き立てて、トロトロに煮込まれた仔羊は甘酸っぱい味わいの中でも仔羊らしさは確りと感じられ、同様に付け合わせのホワイトアスパラもその味わいは残っています。トロトロ系は食感が単調になるところですが、蕎麦の実のカリッとした食感がいいアクセント。

鮮魚のヴァポーレ♡♡
「SALONE 2007」のスペシャリテも器が変わることで、ガラリと変わっています。この料理は五感で味わうべき料理。しかしながら、今までなかったのは蓋。今回はそれがあり、目の前で蓋を取ることでオレンジオイルの香りがぶわりとして華やぎます。高級感も与えつつ、素晴らしい演出です。

ピゼッリのカペレッティ 赤海老のタルターラ
花のようなカペレッティを使ったパスタ。中にはピゼッリ(グリーンピース)が詰められていて、赤海老とラルドで作ったビスクソースでいただきます。上には赤海老のタルターラが盛られており、ピゼッリの甘さを更に累乗させる赤海老の旨味、カペレッティの食感も素晴らしい。食べ終えて、鼻から抜けるマジョラムが心地よく香ります。

ラーファノのリゾット 牛肉のラグーとクレソン♡
ラーファノ(西洋ワサビ)を使い、バター・チーズで入れることで極濃厚なリゾットに仕上げています。上からは牛肉のラグーが盛られ、リゾットにボリュームと共に食感も与えています。口にすると、ラーファノの香りがふわりと香ります。牛肉のラグー×チーズリゾットという一見くどいような料理ですが、ラーファノの爽やかさやクレソンの苦味がよい繋ぎ役となっていて、実に美味しい。

豚とピスタチオ サルサボッタルガ
メインは、ブランド豚の岩中豚を使ったもの。フィレ肉の部位を使い、周りにはピスタチオをマスタードを使って塗して、鮪の唐墨を使った濃厚なソースでいただく樋口エグゼクティブシェフのスペシャリテのオマージュ。付け合わせは、ホワイトアスパラガス。茹でたものをソテーしており、穂先だけは少し焦がしめにソテーしてキャビアと合わせています。リコッタチーズ・卵黄ソース・酢漬けにしたアスパラガスと一緒に食べることでオランデーズソースのような柔らかな酸味の味わいになるという面白い料理。
鮪の唐墨ソースが濃厚で、食べた瞬間にその味わいと香りに襲われます。肉汁が溢れて見えるフィレ肉は柔らかく、ピスタチオの食感も映えます。見た目はシンプルながらも「SALONE 2007」らしく、香り・食感・味わいが確りとある料理でした。

ピエモンテ風ボネ アプリコットとローズマリー
ドルチェは、北イタリアの伝統的菓子のボネと言われる濃厚なチョコレートプリン。隣にはマンゴーとアプリコットのジェラート・アプリコットのソテー・アマゾンカカオのビスキュイがあります。上からはマルサラが香るキャメルソースがかけられていて、香りも甘さも濃密。

小菓子と食後のカフェ♡
小菓子も変わり、ピエモンテ州の焼き菓子のブルッティマブォーニ・チョコレートフィナンシェ・サラミチョコレート。
カフェは本日で「SALONE 2007」から広尾の「IL TEATRINO DA SALONE」へ移動となる日高さんのラストラテアート。毎回気持ちのこもったラテアートをありがとうございました。

「SALONE 2007」の料理は全て例外なく、五感で味わうものだと思っています。特に今回のコースでは、食感のアクセントがメインの食材のみで楽しめるようになっていて、よりシンプルな構成になってました。特に驚いたのは、『鮮魚のヴァポーレ』。味わいは勿論、スペシャリテの名に相応しく不変のもので美味しい。しかしながら、食器が変わるとここまで変わるのかと驚く料理で、舌で味わう前に目と鼻で味わうべき逸品です。

先の予定が埋まってしまって、次の予約は取りませんでしたが、秋の食材が彩るまでには伺いたいです。今夜もご馳走さまでした。15444


2018.12.

毎週定休日だった日曜日も営業をするようになり、更に行きやすくなった横浜を代表するイタリアン「SALONE 2007」。とても現代風なオシャレな盛り付けなので独創的な料理と思われがちですが、実はイタリア各地の郷土料理を再構築しているので、まるでイタリア全土を旅しているような料理なのです。さて、今夜はどこへ連れて行ってくれるのでしょうか。

CENA Corsodi 10 piatti

Inizio/序章 A5サーロイン・メークイン・トリュフ
まずは定番。トリュフ香るモチモチとしたジャガイモのピューレに、A5ランクのサーロインを巻いた一口料理。いつもながら素晴らしい始まり。

Proposta/提案 鰆・ウイキョウ・オレンジ
冷たい冷菜は、私をシチリアに連れて行ってくれるみたい。脂がのっている鰆が透明な貝の出汁シートで包まれる中で、シャリシャリとしたウイキョウとカリカリとしたピスタチオの食感が心地よく、オレンジの爽やかな味わいが駆け抜けていきます。

Memoria/追憶 ブラザート・ポレンタ・カーボロネロ
温かい前菜は、北イタリアピエモンテ州の郷土料理である牛肉を赤ワインで煮込んだ『ブラザート』とトウモロコシ料理の『ポレンタ』です。
牛の頰肉は肉感も出す為に低温調理で10時間ほど火入れしてから、赤ワインで煮込んでいるそう。確かに肉々しくもスプーンで食べれるほどに柔らかな仕上がりですが、頬肉という部位なので多少のパサつき感は致し方ない。口当たりは肉の甘さも感じるほどですが、最後は意外とビターな味が残ります。

Filosofia/哲学 鮮魚・タコ・ハマグリ
「SALONE 2007」のスペシャリテ。本日の白身は、青森県産の鮃。とても肉厚で、定番の鱸と双璧をなす味わい。変わったことと言えば、蛸の産地が明石産から福岡県産のものに変わったらしい。福岡県産の方が旨味と出汁がよく出るそうですが、1番分かりやすいのは食感。明石産のものより、ずっと柔らかい。

Espressione/表現 アニョロッティ・玉葱・アマレッティ ♡
1つ目のパスタ料理は、ピエモンテらしいバターとクリームたっぷりの濃厚パスタ。
アニョロッティ・デル・プリンというラビオリが口の中で弾けます。生地も折り重なった部分とそうでない部分の食感の違いが楽しく、極濃厚なチーズの中で相反するブラックペッパーとアマレッティの刺激が味わいに奥行きを与えています。この量だからこその実に素晴らしい美味しさ。

Ristretto/味覚の濃縮 鰻・フォアグラ・マルサラ
イタリアではクリスマスに鰻を食べるそう。いつも味・香り・食感・見た目を楽しめるワンスプーン料理ですが、今回は燻製したフォワグラを冷やすことで更に温度の違いも楽しめるようになっています。鰻とフォワグラの濃厚な味が混ざり合い、マルサラ酒とトマトがいいアクセント。口の中で完成する料理です。

Canbiamento/変化 キッケ・猪・ンドゥイヤ ♡
2皿目のパスタも北イタリアの濃厚なラグーとモチモチとしたキッケという小さなニョッキ。特に賽の目に切られた猪のラグーの存在感が凄く、キッケと同じくらいの大きさです。一皿でありながら、左のバジルペーストや右のパプリカペーストを混ぜることで違った一面が見られるパスタ料理。

Carbonaio/炭薫 鴨・ラディッキオ・ゴルゴンゾーラ ♡
エロい火入れをされたボリュームある鴨は、フランス産のマグレ・ド・カナール。今の時期だと天然物も多くありますが、この鴨はフォアグラをとる為に育てられているので、味わいも濃厚。皮と身の間には確りとして厚みの脂もあるので、濃い目のゴルゴンゾーラソースにも負けない味わい。炭の香りのする鴨を噛むたびに旨味が溢れ、ずっと噛んでいたくなります。

Concerto/協奏 アマレット・カボチャ・生姜
まるで生八ツ橋のようなアマレットのマスカルポーネを包んだ求肥のアニョロッティ・デル・プリンが、カボチャのピューレとザバイオーネソースの中で溺れる。異なる甘さですが、どちらも壮絶に甘い。しかし中央にある生姜のジェラートを食べることで、口の中がリセットされて爽やかになります。

Binario/プラットホーム 小菓子
小菓子はいつもの「森のトリュフ」に見立てたシチリアのドルチェであるカンノーロ。

Caffè o Tè カフェまたはティー
日高さんのラテアートは、クリスマス模様。行くたびにラテアートのレベルは上がってますね。素晴らしい!

今回のイタリア料理で巡る旅は、ピエモンテ州が中心。イタリア北部、アルプスに近い州らしく冬の厳しい寒さに耐えられるようなコッテリとした料理が多いそうで、今回のコースの中でも『Espressione/表現 アニョロッティ・玉葱・アマレッティ』がまさにそれでしょう。個人的に今夜のコースの中で一番好きな料理でした。

今年も料理で、イタリアの色々な地域に連れて行っていただきました。ありがとうございます。来年もまたシェフやスタッフの方々と素晴らしい料理の数々の出逢いを楽しみにしています。15444

2018.9.
いつの間にか、まだ明るかった18時に秋の気配がしはじめた夕暮れ。山下町のバーニーズニューヨークの地下にある「SALONE 2007」にも、秋の食材がやってきたようです。いつものグラスの煌めきが綺麗な席で、優雅な一人ディナー。こういう雰囲気の中で、一人という客はあまりいませんが、私は意外と好きだったりします。

CENA Corso di 9 piatti

Inizio/序章 A5サーロイン・メークイン・トリュフ
久しぶりですが、いつもよりもジャガイモはトロトロで、肉の塩分はしっかりとしていました。うっとりというよりは、目が醒める味わい。

Combinazione/組み合わせ スルメイカ・人参・オレンジ ♡
スルメイカと人参の出逢い。スルメイカの下足のテリーヌと揚げ焼きされた人参、その下にはフェンネルで香り付けされたキャロットラペ、上に乗る緑は人参の葉というストイックな皿。仕上げにオレンジと人参のグラニテを目の前でかけられます。ソースもスルメイカということで、主に2種だけの素材でありながらも、洗練された味わいはシェフのセンスがうかがえます。

Memoria/追憶 ローザビアンカ・トマト・ボロニェーゼ ♡
絶品!山形のイタリア野菜研究所から仕入れているイタリアの茄子である『ローザビアンカ』はトロトロで、中に入っている牛テールと豚の異なる濃厚な食感とモッツァレラチーズのコクは素晴らしい。バジルとオレガノの香りが鼻を刺激し、外にあるパルメジャーノチーズのコクが食欲を加速させます。素晴らしい味わいです。

Filosofia/哲学 鮮魚・タコ・ハマグリ
定番のスペシャリテ。今回の鮮魚は、鱸。定番なれど、この魚が1番この料理には合っている気がします。香りまでも美味しい、五感で味わうスープです。

Concerto/協奏 鴨・無花果・ゴルゴンゾーラ ♡
パスタ料理の位置付けながらも、がっつりとした肉料理という印象。下には鴨ラグー、上には無花果を閉じ込めた花のようなラビオリ、ソースはゴルゴンゾーラ、食感はナッツ。無花果とカシスの甘さが鴨とよく合い、混ぜ合わせることで、ラビオリのモチモチ感とナッツの食感も活きて、実に美味しい。秋らしく濃厚な料理が続きます。

Ristretto/味覚の濃縮 ホタテ・ポルチーニ・ミント
塩漬けした帆立・雉の出汁を吸わせたポルチーニ・ミント・マルサラ酒・キノコのデュクセル・アーモンドという構成。
帆立の塩気から甘さに変わり、ポルチーニの旨味とミントの爽やかが後から追いかけてきます。いつもながらにワンスプーンの小宇宙は、素晴らしい。

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Stagione/訪れ 仔豚・栗・ローズマリー
イタリアの秋の定番という仔豚・栗・ローズマリーの組み合わせを楽しむ料理。スペイン産の仔豚はオーブンで皮をパリパリに焼き、中はしっとりとジューシーとなっています。揚げ焼きした栗は右側にラルドをかけたもの、左側にはローズマリーで香り付けされた栗のペーストが並び、栗のペーストと豚の出汁と白ワインビネガーとマスタードのソースでいただきます。仔豚の皮はムチムチとした食感があり、ふわりと香るローズマリーの中で、栗の甘さがとてもよく合います。

Espressione/表現 リゾット・赤海老・スダチ ♡
珍しくというか、私は初めてですが肉料理の後に〆としてリゾット。肉料理の後ということで、バターは使わずに、比較的にさっぱりと仕上げています。出汁も煮干しを使ったり、酢橘を合わせてみたりと従来の「SALONE 2007」ではあまり見ることがなかった料理です。
供されると、ぶわりと香る海老の香り。赤海老を合わせていて、手前から奥に食べ進めることで、まるで2種類のリゾットを食べているかのような感じになります。なかなかリゾットに出逢うことは少ないですが、やはりパスタ同様に濃厚で美味しい。

Destino/巡り合わせ パイナップル・アマゾンカカオ・カッサータ
パイナップルの甘さや酸味の中で、一際異質な独特な苦味のような刺激。ただ甘いだけでなく、相反する味を加えることでより重厚な感じになっています。カカオ=チョコレートという概念を覆し、カカオという食材を一から考え直すことのできるドルチェでした。あと私事ですが、なんとサプライズで誕生日をお祝いしていただきました!ありがとうございます!

Binario/プラットホーム 小菓子
いつもの森の中にあるトリュフをイメージしたカンノーリ。一口で食べる幸せです。

Caffè o Tè カフェまたはティー
去年の9月に作っていただいたラテアートを覚えてくれていた日高さんが、その第2弾として描いたウサギ。いつもいつもありがとうございます。

月替わりのメニューですが、今月は全体的にボリューミーで、がっつりとした男っぽい料理構成になっていたと思います。パスタでありながらも、たっぷりのラグーを合わせることで肉料理にも匹敵するボリュームであったり、メインの後に〆料理があったりと今までの「SALONE 2007」とは一味違うコース構成となっていて、ワクワク感が止まりません。

次回は12月。定休日がなくなったので、予約はとてもしやすくなりました。ずっとディナーばかりでしたが、ランチの『ポモドーロ』も食べたいので、たまにはランチもいいかな。

ご馳走さまでした。また宜しくお願いします。15444


2018.5.
どこの国にも存在する郷土料理は、その地域の人や文化や歴史などを表していて、しばしば食べ手をその場所へと誘う料理だと思います。横浜・山下町にある「SALONE 2007」は、そんの郷土料理を現代風に再構築した料理を提供しており、月毎に変わるコース料理はさながらイタリア全土を旅するような感じです。

CENA Corso di 10piatti

Inizio/序章A5 サーロイン・メークイン
恒例の挨拶がわりの料理は、だんだんと肉が厚くなっている気がします。

Stagione/訪れ 鰹・アプリコット・フォアグラ
北イタリアの郷土料理である『カルピオーネ』、つまりは南蛮漬けをイメージしたという料理。コンソメジュレ・ソテーしたアプリコット・甘酢でマリネした玉葱で南蛮漬けの液を、フォワグラのテリーヌで衣の油脂分をイメージし、鰹を盛り立ています。中に忍ばせてある松の実とレーズンで、食感と甘さを感じさせる素晴らしい料理。

Rinascita/再構築 ウサギ・ズッキーニ・ミント
北イタリアの郷土料理である『トンノディコニッリョ』を再構成。真空調理されているウサギのロートロはしっとりとしており、ジューシー。隣にある旬のズッキーニもトロトロで、甘い。下に敷かれてあるズッキーニのソースは、アンチョビとニンニクがガツンと効いており、少量ながらもアタックが強い。上に添えられたミントのフリットが斬新であり、実にいいアクセントになっています。

Filosofia/哲学 鮮魚・タコ・ハマグリ
今回は初となる鰈を使ったヴァポーレ。大抵は鱸や真鯛が多く、これがベストと思っていましたが、鰈もこれだけ分厚いとしっとりとしており、よく合います。定番となっている料理でも、まだ違う顔があることを実感しました。

Regionale/郷土 トロフィエ・ジェノヴェーゼ・サザエ・胡桃
リグーリア州を代表するパスタのトロフィエを使った暖かいパスタ。合わせているのは、ジェノヴェーゼソースにリグーリア州の名産のであるサザエとその肝も使っており、濃厚でほろ苦い仕上がり。しかし添えてある同じくリグーリア州の名産である胡桃のペーストを加えることで、ガラリとイメージが変わります。

Incrocio/交錯 マルタリアーティ・牛・豚
「SALONE 2007」らしい極濃厚なラグー系パスタ。ラグーは和牛サーロインと脛肉と豚の脛肉を赤ワインでじっくりと煮込んだもので、この量だからこそ食べられるような濃厚さ。また奥には豚の小腸を入れてあり、食感も忘れておらず、更にインパクトもあります。是非ともパンで拭って、このソースは綺麗に食べてほしい。

Ristretto/味覚の濃縮 ホタテ・ンドゥイヤ・パプリカ
南イタリアのカラブリア州をテーマにしたという構成は、パプリカのジェラート・ンドゥイヤのパンナコッタ・ソテーした帆立・燻製した生ハム・ヘーゼルナッツ・赤玉葱のマリネ。
パプリカの甘さ。帆立の甘さ。見え隠れするンドゥイヤの辛み。ヘーゼルナッツの食感。全てが合わさって生まれる濃縮した旨味は、ワンスプーンの小宇宙です。

Sinergia/相乗 鴨・ペヴェラーダ・マスカット
鴨はブルターニュ産で、グリーンペッパーが入ったベヴェラーダソースのアクセントの中で、パリパリとした皮目とジューシーな肉が素晴らしい。しかも「SALONE 2007」で、待ち焦がれていたこのポーションの大きさ。ほろ苦いアンディーブと共に食べて、添えてあるマスカットの甘さで口の中を全てをリセットできるという逸品。素晴らしい!

Proposta/提案 セアダス・オレンジ・甘夏・サフラン
お皿半分で全く世界が違う味わいのドルチェ。左にあるのは、ペコリーノチーズとモッツァレラチーズを使ったヨーロッパ最古のお菓子と呼ばれる『セアダス』で、オレンジの花の蜜の甘さとチーズの濃厚さがあります。これだけだとかなり甘ったるいですが、オレンジやウイキョウのソルベやサフランを使ったアングレーズソース、フレッシュなオレンジと甘夏や爽やかなハーブのディルがあるので、駆け抜けていくように爽やか。

Binario/プラットホーム 小菓子
森にあるトリュフをイメージしたという一口で食べることができる小菓子。これも南イタリアのシチリア島の伝統菓子である『カンノーリ』を再構築したもので、中にはリコッタチーズのクリーム・チョコレート・オレンジジャム・ピスタチオを挟んでいます。

Caffè o Tè カフェまたはティー
いつものカプチーノは、日高さんのラテアート。今回は5月ということで、鯉のぼり。いつもいつもありがとうございます。

「SALONE TOKYO」がオープンして、弓削シェフ・青木シェフの体制が確立した新しい「SALONE 2007」。料理の主役となる食材の存在感はとてもはっきりとしており、食材そのものを食べさせるものはポーションが大きく、味わい的なものは濃厚。特にメインの肉料理は今までにないボリュームですが、苦味や甘味を添えることで飽きさせない工夫もあり、素晴らしかったです。

次回は初秋。また進化した「SALONE 2007」を感じたいです。15444。


2018.2.
遅ればせながらも新年のご挨拶がてら、「SALONE 2007」へ再訪。噂には聞いていたのだけど、ずっとシェフを務めてらした細田さんがホールのサービスにいらっしゃる。コックコートしか見たことがないので、違和感はありますが、新鮮な感じ。「SALONE 2007」の新たなシェフとして、大阪「QUINTOCANTO」にいらした弓削シェフが着任され、この2月のコースから本格的にメニュー構想に加わっているそうです。

CENA Corso di 2piatti

Inizio/序章A5サーロイン・メークイン
瞳を閉じる。少量ながらも、味も香りのインパクトはディナーの幕開けに相応しい。

Colore/紅赤ビーツ・鰆・ムール貝
真っ赤な色合いがとても印象的なビーツを使った一皿。中には塩で味を濃縮させた鰆とグリルでこれも味を濃縮させたムール貝をミントマヨネーズで合え、ビーツはビネガーマリネした角切り・ローストスライス・ピューレ・パウダーと様々な形で食感と彩りを演出しています。手前から食べることで、徐々に爽やかになっていく味の変化すらも美しい料理。

Memoria/追憶トリッパ・ウズラ豆・スカモルツァ
トロトロになるまで煮込まれたものと75°Cでじっくりと火入れして焼かれたものと2種類のトリッパを楽しめる一皿。下にはうずら豆のピューレ、上にはスカモッツァとカリカリのパン。小さなグラタンのようなイメージで、もっと多く供されたならば、これだけでもワインやパンが進んでしまいます。

Filosofia/哲学鮮魚・タコ・ハマグリ
オレンジ香るスペシャリテの一皿。今回は千葉産 鱸・九十九里産 蛤・明石産 真蛸。色々と中に入っている魚を食べていますが、この鱸が定番でありながらも1番美味しいかも。

Armonia/調和海老・ピスタチオ・マジョラム
美味しいと分かっていた。供されると、海老の濃厚な香りが食欲をかき立てます。パスタは手打ちのタリオリーニ、上からはピスタチオをパン粉を炒ったものとフレッシュマジョラム。口にすると、モチモチとしたパスタとカリッとしたピスタチオの食感のコントラストが楽しめ、海老の濃縮した味わいとトマトの酸味が最後にアクセントとして残ります。「SALONE 2007」らしい素晴らしいパスタです。

Sinergia/相乗牛テール・ゴルゴンゾーラ・・トレビス
ピラミッド型のラビオリのファゴッテーニの中には牛テール、ソースはセージとバター。上からゴルゴンゾーラと苦味のあるトレビスで、濃厚なパスタに心地よい刺激を与えています。もっと1つ1つを小さくして山盛りで、一口でパクパクと食べてみたいパスタ。

Ristretto/味覚の濃縮ソプレッサータ・コテキーノ・オレンジ
構成は豚舌や肩肉などで作った田舎風パテのソプレッサータ、マンダリンオレンジのシャーベット、フェンネルのマリネ、コキテーノ。口に入れると、オレンジの香りと爽やかな味わいが広がり、プリプリとしたソプレッサータがゆっくりと体温で溶けてゆく。濃縮した味わいではありますが、後味は風が吹いたようにとても爽やか。

Cacciagione/ジビエ猪・バターナッツ南瓜・バルサミコ
段々と肉のボリュームが大きくなっているメイン。今回はジビエの猪。とてもシンプルな焼きながらも素晴らしく美味しい。そして付け合わせは、ピーナッツ南瓜をローストしたものとピューレ状のものにパウダー化したバルサミコソースを乗せています。肉は素材勝負、付け合わせはシェフの矜持を感じられる料理です。

Concerto/協奏チョコレート・ヘーゼルナッツ・ライム
単調になりやすい濃厚なチョコレートのドルチェ。しかしながら、左にあるライムが乗せられたチョコレートテリーヌを食べると、口の中が爽やかになり、目が覚めたような気持ちになります。

Caffè o Tè/カフェまたはティー
タイムリーな日高さんの渾身のラテアート。うーん、過去の作品を見てからも分かるように、レベルが上がっているなぁ。エッチングだけでなく、フリーポアもできるのかしら?

今月も料理とサービス共に素晴らしく、横浜を代表するイタリアンに相応しい風格です。2/14には渋谷の「biodinamico」が移転リニューアルし、3/29には東京ミッドタウン日比谷に「SALONE TOKYO」がオープンします。共に東京のイタリアンに旋風を巻き起こすお店になることは間違いありません。「SALONE 2007」を軸として、私も東京の他店舗の雰囲気や料理も味わってみたいです。


4年前、中華街の片隅にある小さなお店。ガラス張りの外観から見えるロイヤルブルーに金色の装飾が煌めくイタリアン「SALONE 2007」に恋をした。今ではグランメゾンクラスのお店にも1人で行きますが、まだ1人で食べ歩きが慣れていない頃で、予約することでさえも躊躇していました。そんな私をきめ細やかなサービスと芸術的な料理の数々で迎えてくれた「SALONE 2007」が、この度10周年を迎えました。運良くも、記念すべき10周年ディナーに参加させていただくことが出来ました。

大阪から戻って来られた西嶋さんや平CEOまでいらして、「SALONE 2007」の歴代のシェフもいらっしゃる。今夜のディナーは、「同じ料理は提供しない」というルールを守り続けている「SALONE 2007」の歴代シェフのスペシャリテコースなのです。


MENU DI SALONE 2007 10° ANNIVERSARIO

和牛 A5サーロインのスピエディーノ
オープン当初から「SALONE 2007」お決まりのスターター。一口ながらも、ふわりと香るトリュフにモチっとしたジャガイモのペースト、じゅわりと脂滴るサーロインがテンションを上がってくれます。

烏賊とチョコレートのアグロドルチェ
樋口 敬洋エグゼクティブシェフのスペシャリテ。シチリア地方の『烏賊のチョコレート煮』を冷菜に仕立てたもの。
黒いソースは、チョコレート・イカスミなどから作られており、チョコレートの甘さはフワリとする程度で、何層にも重なるドレスのような重厚感があります。上からは冷やしたフォワグラのテリーヌを摩り下ろし、ガーリックの風味を纏った松の実で、更なるコクを与えています。単調になりやすい烏賊のねっとりとした食感に、チョコレートチップや松の実のカリカリ食感が加わって、前菜でありながらも刺激的な料理となっています。

ポルケッタロマーナ レンズ豆とセロリ
現・「RIO'S Buongustaio」の渡部 竜太郎シェフのスペシャリテ。ローマの郷土料理である『ポルケッタ』を再構築したもの。
供されると、ハーブとセロリの爽やかな香りが身を包みます。身の部分はそのままに、脂身をフリットしてサクサク食感を与え、泡状のセロリを肉と共に食べると、一陣の風が吹いたかのように爽やかになります。後味も素晴らしい。

ラヴィオローネと白トリュフ
春にオープンする「SALONE TOKYO」のシェフを務められるであろう高見 博史統括料理長のスペシャリテ。
栃木県の「力丸卵」というコクのある卵と出逢ったことで生まれたという料理。白トリュフ香る大きなラヴィオローネには、卵黄・リコッタチーズ・ほうれん草が入っており、ナイフを入れると絶妙な火入れの卵黄が流れ出します。シンプルながらもベストマッチな食材の組み合わせの中で、温度や味が際立つ素晴らしいスペシャリテ。

鮮魚のヴァポーレ
「SALONE2007」の初期からのスペシャリテ。立ち上げ当時シェフであった平 高行CEOと樋口エグゼクティブシェフがこの「SALONE2007」を代表する料理に関わっているのだそう。今回はレアな太刀魚。たまに太刀魚を出すとは聞いていたけどされど、本当にレアだったそうで、やっと出逢えました。

ポモドーロ 低加水パスタフレスカ
現・南青山「ラルテ沢藤」のオーナーシェフの沢藤 隆さんのスペシャリテ。
そのポモドーロを10周年記念らしく、グレードアップさせたもの。トマトはシシリアンルージュ、パスタは「浅草開花楼」の低加水パスタフレスカを使い、かなり濃厚な仕上がり。右側にはバジルペースト・ンドゥイヤ・レモンリコッタがあり、一つのパスタ料理でありながらも、色々な味を楽しむことができます。やはり、このお店のパスタは少量ならではの極々濃厚で美味しい。

鴨胸肉のロースト マルサラソース
現・「SALONE 2007」の細田 健太郎シェフのスペシャリテは、シンプルな焼きで勝負の料理。
鴨はブルターニュ産のもので、かなり大きめにカット。柔らかくも、肉質は確りとしていて、噛むたびに旨味と脂の甘みが口に広がります。鴨というと、サルミソースなどの濃厚なものが好きですが、脂身はカリッとさせ、肉はジューシーな仕上がりも美味しい。シェフの矜持を感じられる一皿でした。

ティラミス ピエモンテーゼ
ピエモンテの名産であるヘーゼルナッツを使ったティラミス。下にはヘーゼルナッツのケーキとヘーゼルナッツのジェラートとマスカルポーネがあり、目の前でザバイオーネがたっぷりとかけられます。あのティラミスも「SALONE 2007」にかかると、別の料理のようなイメージになります。

カンノーリ
以前からあった小菓子の盛り合わせはなくなり、よりクオリティを上げた一つを供するようになったそうです。で、今回は『カンノーリ』。『カンノーリ』というとリコッタチーズが一般的でしょうが、これはチョコレートもオレンジが中に入っており、買って帰りたいくらい美味しい。

カフェ
日高さんのラテアートは、どんどんクオリティが上がっています。

怒涛のような一皿一皿インパクトのある料理の数々。日本でも屈指のイタリアンに押し上げた歴代シェフのスペシャリテはやはり完成度が高く、何よりも美味しい。この3日間だけというのが、とても惜しいくらいの料理でした。何度でも何度でも恋するキモチを感じられる素晴らしいお店です。

今夜はありがとうございました。
2017.9.
夏のフィナーレが感じられるようになって、食材もそろそろ秋めいてきたかな?そんな時期に「SALONE 2007」へ再訪。

CENA Corso di 9 piatti

Inizio/序章 A5サーロイン・メークイン
最初のインパクトは、いつも通り。毎回もうちょっと食べたいと思います。でも食べ終わると、この量がベストであるといつも感じる料理です。

Stagione/訪れ 鰹・ナス・ビーツ
旬を迎えた脂のある戻り鰹と秋を代表する野菜の茄子、ビーツと共にサッパリといただく料理。ピューレ状の茄子とマリネした茄子のスライスが鰹とよく合います。甘みのあるビーツのソースが全体を包み込むよう、そしてピスタチオの食感のアクセントが心地よく響きます。

Filosofia/哲学 鮮魚・タコ・ハマグリ
「SALONE 2007」のスペシャリテ。今回は真鯛。このお店は、どの料理も五感を刺激します。この料理で言えば、供される時のオレンジの香りは1番に鮮烈。そして、絶妙な温度の中で、暴れる蛸の食感が楽しくも美味しい。

Armonia/協奏 リゾット・ペペローニ・ホタテ・ミント
甘めに仕上げた赤ピーマンのリゾットをバーニャカウダソースでギュッ引き締めた「SALONE 2007」では珍しいリゾット。北イタリアの料理がベースだそうで、合わせてあるチーズも燻製したリコッタチーズで、少量ながらも極濃厚なリゾット。この量がベストな料理。

Regionale/郷土 太刀魚・クルミ・ジェノベーゼ
絶妙な火入れでフワフワに仕上げた太刀魚の身に濃厚なクルミソースを挟んで、ジェノベーゼソースでいただく爽やかな一皿。バジルとレモンの香りが爽やかさを加速させ、口の中で混ざり合う2種のソースが素晴らしい。

Ristretto/味覚の濃縮 ムール貝・羊サルシッチャ・サフラン
噛み始めると、羊サルシッチャのスパイシーさとパイナップルの酸味が際立ち、徐々に濃厚なモンサンミッシェル産ムール貝のコクが顔を出します。目で楽しみ、口の中で完成する料理。「SALONE 2007」を代表する料理の1つです。

Combinazione/組み合わせ リガテッリ・牡蠣・豚
「山と海の食材の出逢い」がこの料理のテーマ。山の食材は、豚肉。海の食材は、牡蠣。牡蠣はソース状になっていますが、確りと存在感があり、シャキシャキとしたケールとサクサク食感のパン粉が食べていても楽しい。ソースが極旨なので、パンで拭って食べることをオススメします。

Materico/対峙 蝦夷鹿・炭・ブラックベリー
これは美味しい。ナイフで切ると、鹿肉が目覚めるように肉汁が溢れ出します。素晴らしく柔らかで、肉本来の香りもいい。ソースは酸味のあるブラックベリーで、肉の甘みを引き立てています。

Proposta/提案 栗・ローズマリー・赤スグリ
栗はイタリアの名産だそうで、この季節ならではの栗を使ったドルチェ。ドルチェ自体は甘くなく、赤すぐりの酸味がキュッと引き締めており、大人のドルチェです。

Binario/プラットホーム 小菓子
なんとずっと変わらなかった小菓子の盛り合わせであるプラットホームが、これを最後になくなるらしいです。次回からは1種になって、量が増えるそうです。

Caffè o Tè カフェまたはティー
恒例となっている「SALONE 2007」のラテアート。日高さん、ありがとうございます。今回は中秋の名月ということで、うさちゃん。下に「salone」と描かれており、ラテアートの技術も上がってます。

もう1つ寂しいお知らせが。いつも最後にいただける料理の詳細がイラストではなくなり、写真に変わってしまいました。少し寂しい気がしますが、全店舗共通らしいので、時代の流れというやつでしょうか。

次回は、スペシャルなディナーにお誘いいただきました。懐かしい方々もいらっしゃるとのことで、料理と共に楽しみです。


2017.6.
時折、強く吹く風がこれから訪れる夏の予感を感じさせるそんな夜に「SALONE 2007」に再訪。先日、放映されたタウン情報番組でもかなり高い評価を得て、ますます今後が期待されています。お店のスタッフも転籍や退職などで、今は男性スタッフのみというレアな状況も面白いところ。

Inizio/序章 A5サーロイン・メークイン
一口で食べられるこの量だからこその美味しさです。

Proposta/提案 マグロ・ブリオッシュ・トマト
トスカーナ地方のパンツァネッラを再構築。ザクザクとしたブリオッシュ、シャキシャキの玉葱、酸味のあるフルーツトマトグラニテが印象的な料理。鮪やモッツァレラが味のアクセント。

Armonia/調和 穴子・フォアグラ・シナモン
穴子のフリットがサックサク。ジェラート状のフォワグラとの温度差が面白い。味わいも下に敷かれた苦味のあるトレビスがあるので、一緒に食べると締まります。

Filosofia/哲学 鮮魚・タコ・ハマグリ
「SALONE 2007」のスペシャリテの鮮魚のヴァポーレ。供されると、吹くオレンジの一陣の風がとても印象的な料理。鮮魚は日によるそうで、今夜は鱸。

Ristretto/味覚の濃縮 豚ホホ肉・ビスク・マジョラム
咀嚼することが楽しいと思わせてくれる料理。今回は豚の頬肉と海老のビスク。噛む度に食材たちが溶け合うのが、非常によく分かります。頬肉の脂が溶け出し、ビスクと混ざり合い、最後は甘さが残る。素晴らしい料理です。

Inventiva/発想 カルボナーラ・イカ・カラスミ
定番のカルボナーラも「SALONE 2007」が手がけると、ここまで変わるものなのかと思うパスタ。卵黄ソースにはカラスミを入れ、具にもアオリイカという海の旨さを加えることで、新しい美味しさを発見できました。また黒胡椒のチップやミントのアクセントも絶妙。

Rigionale/郷土 カヴァテッリ・羊・チャンボッタ
「SALONE 2007」で大好きなラグー系パスタ。かなり肉々しいラグーで、羊を食べている感が存分に味わえます。カヴァテッリは焦がし小麦を使っているそうで、独特の香ばしい味わいが全体にあります。

Rinascita/再構築 仔牛・ラグザーノ・レモン
かなり大きい仔牛は、シンプルにロースト。シチリアのカツレツをイメージしたそうで、上にはインパクトのあるパン粉。ソースもチーズ系のラグザーノで、しっとりとしている仔牛を包み込むような濃厚な味わい。添えてあるレモンジャムをつけると、ガラリと味わいが変わります。

Destino/巡り合わせ チョコレート・薔薇・ローズマリー
見た目からエロチックなドルチェ(笑)チョコレートのテリーヌは、バラの繊細な味わいを殺さないような濃さで、一緒に食べると調和します。食べ終えた後に、ふわりと香るバラの匂いがセクシーです。

Caffè o Tè カフェまたはティー
「よく似てるって言われてます」とおっしゃる日高さんが描いてくれたラテアート。

全体的に爽やかな味わいの料理が多く、夏の訪れを舌でも感じることができました。今回の一番は、何と言っても『Inventiva/発想 カルボナーラ・イカ・カラスミ』。皆が知っている料理だからこそ、その違いを明らかにしないといけないし、アレンジしすぎると元の料理からかけ離れてしまう。定番料理の再構築には、そんな苦労があるそうです。食べる側としては、誰もが知っている定番料理があると、お店のレベルを感じやすいので嬉しいですね。

次回は初秋。秋の食材を楽しみにしております。今夜もご馳走様でした。


2017.4.
街が桜色に彩られるそんな季節に、今年初となる「SALONE 2007」に再訪。今夜も満席なようで、テーブルに並べられたカトラリー達がまだ来ぬゲストの訪れを待っています。今夜もいつもの指定席でのディナーです。

Inizio/序章 A5サーロイン・メークイン
安定の美味しさ。噛み締める度に溢れる肉汁とジャガイモが絡まって、美味しい。少量だからこそのインパクト。

Armonia/調和 グリーンピース・卵・アオリイカ
グリンピースのピューレ状と粒のままでの甘さ、烏賊の脱水した生の身・低温で火入れした下足の相性は良く、酸味の効いたカルピオーネ液に漬け込まれたゆで卵の卵黄をソースみたく絡めて食べると、その美味しさは跳ね上がります。

Filosofia/哲学 鮮魚・タコ・ハマグリ
ご存知のスペシャリテ。ですが、更に美味しくするために産地を模索中だそうです。

Memoria/追憶 ホロホロ鳥・ヘーゼルナッツ・アスパラガス
ピエモンテ料理がベースだそうで、キャラメリゼされたヘーゼルナッツと下に敷かれたヘーゼルナッツソースは単体だとほろ苦さもありますが、やはり甘い。でもかなり大きく切りつけられたホロホロ鳥のジューシーさとシャキシャキとしたアスパラガスの食感と合わさると、実に美味しい。

Combinazione/組み合わせ タリオリーニ・海苔・トリュフ
供されると、立ち込める海苔とトリュフの香りで圧倒されます。味も濃厚で、「SALONE 2007」らしい。この量だからこそのインパクトは素晴らしいの一言。いつもパスタ料理は期待以上のものを提供してくれます。

Ristretto/味覚の濃縮 牛ハツ・マスタード・オレンジ
甘みのある牛ハツとオレンジの爽やかな味、ルッコラの苦味、マスタードのコク、炭火ソースの風味。口の中で完成する料理は、いつまでも留めておきたくなります。

Proposta/提案 ファゴッティーニ・兎・タラサッコ
甘さのあるジャガイモをファゴッティーニにして、ソースにするには勿体無いくらいのたっぷりの兎のラグーでいただきます。少量なれど肉々しいパスタです。近年はさりげなく兎などの肉も使っており、新たなる味覚の出会いも多いです。

Regionale/郷土 チンタセネーゼ・パプリカ・唐辛子
トスカーナを代表する豚肉「チンタセネーゼ」は、身よりも脂身が実に美味しい。ダイレクトに味わえる料理なので、あまり肉には手を加えていないのもポイントで、見事な火入れを楽しめます。

Rinascita/再構築 ブリオッシュ・ラム酒・サフラン
ババを再構築したドルチェ。供されると、レモンの爽やかな香りが楽しめます。全体的には爽やかなドルチェですが、ゼリー状のラム酒と合わさると、一気に目が覚めるような強烈な味わいになります。

Caffè o Tè カフェまたはティー
いつもラテアートをして下さった大城さんが退社されたそうなので、もう見られないかと思っていましたが、確りとラテアート。ありがとうございます♡

今夜も料理・サービスともに洗練された時間を過ごすことができました。目で供される料理の美しさを、鼻で立ち込める香りを楽しみ、食感も大切にしている料理の数々を舌で味わう。少量ならではこその濃厚な味のインパクトを楽しめることがこのお店のいいところだと思います。イタリアの色々な地方の料理を再構築しているので、イタリアに造詣のある方ならば、まるでイタリア全土を旅しているかのような料理に出会えるかと思います。

今夜も感動をありがとうございました。


2016.12.
クリスマスカラーに彩られた街は華やかですが、何かやり残したことの後悔と新しい年に対しての希望が入り乱れる12月。珍しくもこんな月に「SALONE 2007」へ再訪。ここはグループの旗艦店ですが、特にクリスマスメニューはなく、通常の月替わりメニューのみの営業だそうで、私のように単なる夕飯というスタイルもありな感じです。

実食

Inizio/ 序章 A5サーロイン・ポテト・トリュフ
定番のいつもの。余韻にに浸りましょう。

Proposta/ 提案 馬肉・バーニャカウダ・フランボワーズ
ソースは燻製した卵黄ソースとニンニクが効いたバーニャカウダソース。酸味のアクセントでフランボワーズ、食感でヘーゼルナッツ。少量の卵黄ソースですが、しっかりと薫香がして楽しめます。ピエモンテ州の「カルネ・クルーダ・バットゥータ・アル・コルテッロ」のオマージュだそうで、最初からインパクトのある料理です。

Filosofia/ 哲学 鮮魚・タコ・ハマグリ
今回は宮城県産の鮃。スペシャリテは不動の美味しさ。

Campanilismo/ 郷土 ザンポーネ・レンズ豆・チリメンキャベツ
供されると、ぶわりとオールスパイスの香りが鼻を擽ります。豚足はとても柔らかく、モッチリとした食感。食感の異なるチリメンキャベツの甘さもいい。

Innovamento/ 想起 パッケリ・鮟鱇・サフラン・ココナッツ
ナポリの定番パスタ。ソースはこれもナポリでよく食べられる鮟鱇のラグーをサフランで風味づけ。泡はココナッツで、ハーブとピンクペッパーのアクセントで、メリハリのある料理に仕上げています。

Ristretto/ 味覚の濃縮 ブラザート・フォアグラ・イチジク
牛頬の赤ワイン煮とジェラート状のフォワグラが主役。牛頬がジェラートが同じくらいの柔らかさで、口の中でまさに混ざります。

Interludio/ 間奏 ボットーネ・リボッリータ・雉
珍しくシンプルな料理かと思ったら、トスカーナの郷土料理「リボッリータ」のオマージュでした。スープは雉のブロードで、ボットーネの中には黒キャベツと白インゲン豆が入っていて、パスタでありながらもスープという面白い志向でした。攻めの料理が続いていたので、間奏というわけですね。でもコレも攻めの料理と思いますが。

Selvaggina/ ジビエ 蝦夷鹿・ポレンタ・ゴルゴンゾーラ
とても柔らかく、ジューシーに仕上げています。細田シェフらしい火入れの料理。ソースとを一緒に食べると、口の中で完成するという感じ。少量ながらも、余韻に浸れる料理です。

Rinascitsa/ 再構築 ティラミス・ライム・ライチ
ティラミスを再構築したドルチェで、出された時に「これがティラミス?」と思いましたが、食べてみると確かに「ティラミスだ!」とはいえ、ライムとライチが隠し味として入っているので、よく知るティラミスよりは全然重くない味わいです。

Caffè o Tè カフェまたはティー
岩橋さんのラテアート。今回は3Dになっていて、確実に上達しているのが分かります。いつもありがとうございます♡

今回は年の終わりのコースということで、全体的に攻めの料理が多くて、個人的には好みでした。ラグー系のパスタが少なかったのは残念なとこですけど。
次回は、春。今年もお世話になりました。来年も美味しい料理をよろしくお願い致します。


2016.9.
もう日が傾くのが早くなって、「SALONE 2007」の開店時間には、もう近くのマリンタワーが綺麗に空を飾っています。山下さんと岩橋さんにご挨拶を交わして、いつもの席へ。さあ、今夜も「SALONE 2007」の幕が上がります。

『Inizio/ 序章 A5サーロイン・ポテト・トリュフ』
目を閉じる。一口ながらも、深くへと引き込まれるような旨さがあります。

『Finto/ 模造 鱒・カンパリ・オレンジ』
鱒はマリネして皮目だけに軽く熱を通しており、旨味が凝縮しているようで美味しい。「模造」というメニュー名の通り、イクラに見立てたカンパリリキュールが添えられており、ウイキョウのサラダとブラッドオレンジソースが合わさり、爽やかな風が吹くような前菜。

『Campanilismo/ 郷土 チャルソンス・林檎・スペック』
イタリア北東部・フリウリ州のシナモンを使った甘い郷土料理のチャルソンスを「SALONE 2007」風にアレンジしたもの。供されると、シナモンの香りがフワリとします。元々は甘い料理だそうですが、塩気をプラスして、コース料理に合う味わいになっています。物珍しいパスタ料理ですが、やはり「SALONE 2007」のパスタは鉄板の美味しさ。

『Filosofia/ 哲学 鮮魚・タコ・ハマグリ』
今回はこの順番で登場の「SALONE 2007」のスペシャリテ。白身は愛媛産の真鯛。

『Mescolare/ 錯綜 鱈・ポレンタ・赤海老・エスプレッソ』
北イタリアの定番料理のポレンタを焼き、更に赤海老を加えることで海の旨味をプラスして、より一口のインパクトが強い品になっています。

『Ristretto/ 味覚の濃縮 牛タン・ロビオラ・フランボワーズ』
一口で味わう小宇宙。牛タンの肉汁とロビオラチーズの濃厚がフランボワーズで爽やかになり、ピスタチオの食感を楽しんでいると、また牛タンの肉汁が!この繰り返しが噛んでいる間は、ずっと楽しめます。

『Memoria/ 追憶 タヤリン・ポルチーニ茸・アオリイカ』
実に美味しい。供されると、キノコの香りがフワリと香ります。濃厚な味わいの中で、イカが非常によく合う。いつもパスタの量が少なくて、もっと食べたいと思うところなのですが、これは少量でもガツンとくる美味しさでした。

『Stagione/ 秋趣 仔羊・ナス・ピエブルー』
柔らかいのは勿論ですが、この仔羊は香りがいい。秋を感じさせる濃厚な茄子のピューレと付け合わせのキノコが非常に美味しい。特にこのキノコはピエブルーといい、食感と香りが段違い。余韻に浸れるメインでした。

『Destino/ 巡り合わせ サフラン・アーモンド・巨峰』
パイやアーモンドクロカンテの下にあるサフランカスタードが、かなり主張してくるドルチェ。爽やかな感じかと思っていましたが、なかなか濃厚な味わいでした。

『Caffè o Tè カフェまたはティー』
岩橋さん渾身のラテアート。今回は10月ってことで、ハロウィンバージョンです。

今回も料理の提供スピードや説明、サービスはさすがと言わざるを得ない素晴らしさでした。少量多皿なれど、今回の料理はインパクトのあるものが多かったので、満足度も高かったです。
そして、サローネグループの新しい店舗が日本橋小網町に出来たことをご存知でしょうか?店舗名は「L'ottocento」といい、厨房を取り仕切るのは、サローネグループエグゼクティブシェフ樋口敬洋さん。ホールの責任者は大阪の「Ristorante QUINTOCANTO」の高橋すみれさん。どちらもお会いしたことのないですが、間違えなくこのサローネグループを牽引して来られた方々なので、カジュアルなお店みたいですが、サローネの品質とサービスは変わらないと思います。某グルメ雑誌にも掲載予定だそうで、興味のある方は早めにチェックです。

次回は仕事の都合上、行かれないかもしれませんが、12月。今月もご馳走様でした。


2016.6.
朝からの嵐のような雨が、夢のように綺麗に晴れて、少し蒸し暑いながらも街を抜ける夜風が気持ちいい。まだ初夏と呼べるそんな日に「SALONE 2007」に再訪です。

CENA Corso 2016.6.

inizio/ 序章 A5サーロイン・ポテト・トリュフ
始まりはやはり、コレ。お腹を空かせた一番初めに食べるからこそのご馳走です。肉の香りがたまりません。

ambiente/ 恩恵 鱒・ビーツ・ホースラディッシュ
「SALONE 2007」では、珍しい鱒を使ったビーツの二層からなるタルタル。鱒は甘くジューシー。レホール(ホースラディッシュ)のヨーグルトソースはコッテリしているかと思ったら、かなり爽やか。ピンクペッパーの刺激とカリカリ食感のパン粉とチーズのクロカンテが口の中で奏でるリズムが楽しい。

filosofia/ 哲学 鮮魚・タコ・ハマグリ
変わらずに供された時のオレンジの香りが印象的ないつものヴァポーレ。今回は宮城産の鱸。白身魚を使うので、鱸や真鯛によく当たりますが、稀に甘鯛があるらしい。是非、その日に当たってみたいものです。

campanilismo/ 郷土 ボットーネ・鱈・トリッパ
ボットーネの中身は、鱈とジャガイモ。ほっくりとした中にも、鱈の甘さがあります。ソース的なものとして、クニュクニュ食感の楽しいトリッパ。今まで濃厚なソースは多々ありましたが、肉々しいのは久しぶり。味のアクセントとして、ブラックオリーブの塩気。食感のアクセントにはアーモンド。なかなか楽しいパスタです。

destino/ 巡り合わせ ホロホロ鳥・カモミール・ミント
ホロホロ鳥は低温調理したコンフィのようで、かなりしっとりとして美味しい。塊で欲しいくらい(笑)そして、何より驚いたのがペパーミントのメレンゲ。口に入れると、ミントの風味が一気に目覚める感じ。斬新です。

esotico/ 想起 サルシッチャ・海老・エストラゴン
食べるまでもなく、料理の説明だけでも美味しい。肉々しいサルシッチャはかなりたっぷりと盛られていて、下に敷かれた海老のビスクの甘さが濃厚でたまらない。タリオリーニもしっかりとした食感があって、これぞ「SALONE 2007」の真骨頂のパスタ。

ristretto/ 味覚の濃縮 穴子・フランボワーズ・スペック
一口ながらも、絶対的な穴子の存在感。ライムゼストやフランボワーズビネガーで、口の中が爽やかになります。
「SALONE 2007」の名物料理は、やはり美味しさと楽しさがギュッと詰まっている感じです。

materico/ 対峙 馬サーロイン・タテガミ・玉葱
この馬肉も「SALONE 2007」では珍しく、部位はサーロインだそう。タンパクですが、嚙み締める度に肉汁が溢れ出すほどにジューシー。添えられているのはトロトロに焼き上げられた玉葱と馬のタテガミ。これが、素晴らしく美味しい。玉葱の強烈な甘さの中で、コリコリとした独特の食感と甘さが映えます。

proposta/ 提案 カンノーリ・アメリカンチェリー・バジル
カンノーリといえば、映画『ゴッドファーザー』「銃は置いていけ。カンノーリは持っていけ (Leave the gun. Take the cannoli.) 」というセリフで有名なシチリアのお菓子。それを再構築したドルチェで、アメリカンチェリーの甘さとレモンのヌーボラの酸味がいいアクセントになっていて、美味しい。

Caffè o Tè カフェまたはティー
大城さんのラテアートはますますレベルが上がっています。去年はカエルちゃんだけだったのですが、今回はカエルの着ぐるみを着た女の子。

今回は全体的に爽やかな料理が多く、初夏を味わえるコースとなっていました。いつ訪れても、この「SALONE 2007」の料理は五感で楽しめるものが殆どで、感動があります。
詳細の発表はまだなのですが、日本橋に「L’ottocento」という「SALONE 2007」初のアラカルト形式の新店舗が7月にオープンするそうです。いつももっと食べたいと思っていたあのパスタや肉料理などが思う存分食べられそうです。是非、行ってみたいですね。


2016.4.
桜が春の訪れを告げる中、冬が名残惜しそうに振り返っているような夜風が街を抜ける、そんな日にやってきたのは「SALONE 2007」です。3/15より新しく個室が使えるようになっていて、今回は利用してた方がいらしたので、見ることができませんでしたが、かなりエロティックな雰囲気らしい。いつか誰もいなかったら、見せてもらおう。

『inizio/ 序章 A5サーロイン・ポテト・トリュフ』
いつも定番の一皿。今回のはちょっとポテトが大きくて、食べ応えがあったような。

『tavolozza/ 色彩 ウサギ・空豆・人参・ミント』
ウサギはしっとりと柔らかく、ミントの爽やかさと人参ピューレの甘さがしっくりときます。空豆のパンナコッタとリコッタチーズの組み合わせもいい。もうちょっとウサギが大きいならば、より鮮明な味わいを楽しめたかな。

『filosofia/ 哲学 鮮魚・タコ・ハマグリ』
このお店のスペシャリテ。今回は白身魚は、珍しくホウボウ。かなりの肉厚で、美味しかった。供されると同時に広がるオレンジオイルの香りは、桜を揺らすような心地よい一陣の風のようです。

『nostalgia/ 追懐 リガテッリ・羊・リコッタ・タイム』
見た目はちょっと華やかさに欠けるけど、やっぱりラグー系は濃厚で美味しい。更にオーブン焼きされたリコッタチーズが絡まれば、不味いわけがない。食べる際は、ちょっと混ぜて食べると更に美味しい。

『combinazione/ 組み合わせ ホワイトアスパラ・青柳・アサリ』
このお店の料理の多くは、食感と香りを大切にしているものが多い。この料理の香りはエストラゴンですが、じゃあ食感は?それは泡状のアサリスキューマ。口に入れると、淡雪のように消えて、円やかな牛乳のコクとアサリの旨味が広がります。

『ristretto/ 味覚の濃縮 ウニ・牛・マルサラ・ケッパー』
名物のワンスプーン。今回はさほど食感はないながらも、海胆が持つ磯の香りとイチボの脂をガツンと感じることができます。

『campanilismo/ 郷土 タリオリーニ・フィノキエット・マグロ・サフラン』
シチリアの食材を混ぜ合わせたようなパスタ。サフランの香りもよく、後を引くような味の濃さも好み。ランチと同様に、パスタの量も選べたらと来るたびに思います。

『incrocio/ 交錯 チンタセネーゼ・ピスタチオ・杏』
トスカーナの豚肉、『チンタセネーゼ豚』を初のメイン使いということもあり、シェフも興奮してらした皿。
食感はピスタチオ、ソースはジュというシンプルな造り。火入れは綺麗なピンク色で、さすがです。この豚の良さは、脂身の甘さ。食べ終わった後でも、いい香りと甘みの余韻が残ります。強いて言うのであれば、折角の素晴らしい火入れの断面をこちら側にして欲しかったな。

『destino/ 巡り合わせ フォアグラ・カカオ・苺・バルサミコ』
バルサミコでマリネした苺とサクりとしたカカオメレンゲを、フォワグラジェラード組み合わせを楽しむというのがコンセプト。食感も楽しく、味わいは合わないわけがない。

『Caffè o Tè カフェまたはティー』
大城さん渾身のラテアート。今回のは冬眠から目覚めたクマちゃんです♡

今回のコースは桜の開花を待ちわびる春の息吹を感じるように料理が進み、メインには満開の桜を眺めているようなドラマチックな構成でした。旬の素材も楽しめる構成内容で、パスタの鉄板の美味しさは変わらず、メインは少量ながらもインパク大の素材が最近多くて、終わった後の余韻が長く楽しめます。
サービスの方がかなり入れ替わってしまったので、知っている方が少なくなってしまったのが寂しいですが、出逢いと別れの季節ならではの感傷ですね。

次回は初夏。まだ心地よい風が吹いている爽やかな日のような料理に期待しています。


2016.1.
冷たい空気が身体を引き締め、吐息がマリンタワー煌めく、空に溶けるそんな日。新年のご挨拶をしに「SALONE 2007」に再訪です。サローネグループ内で配置転換などがあって、スタッフの多くは初見の方ばかりでしたが、山下さん・細田シェフ・末広さん・大城さんにご挨拶をして、いつもの席へ。

『inizio/ 序章 A5サーロイン・ポテト・トリュフ』
今月限定で、イタリア産の黒トリュフが入荷しているそうで、追加して乗せていただきました。元々、白トリュフの香りをつけている料理ですが、やはり本物は香りに深みを与えています。レギュラー化を希望する美味しさ。

『armonia/ 調和 フォアグラ・メロン・正山小種』
フォワグラをテリーヌにして、凍らせたものを鰹節みたく削ったものが、メロンのジェラートと雉のブロードのジュレにたっぷりと盛られています。ジュレには正山小種(茶葉を松葉で薫製した紅茶)の薫香がフワリと香り、ポップライスが軽い食感を。よーく混ぜて食べると、非常によい。

『filosofia/ 哲学 鮮魚・タコ・ハマグリ』
定番のスペシャリテ。今夜の白身は、宮城県産の鱸。

『sublimato/ 昇華 卵・ペコリーノ・胡椒・パンチェッタ』
イタリア北部で作られる詰め物をしたパスタのトルテッリを使い、カルボナーラを再構築。詰められているのはリコッタチーズで、泡状のは黒胡椒。パスタはやはり濃厚で、美味しい。定番パスタのカルボナーラの再構築は、「SALONE 2007」の初メニュー。

『campanilismo/ 郷愁 仔豚・リボッリータ・ボッタルガ』
カリッと焼かれた千葉産の花愁仔豚。郷土料理のリボッリータ(野菜と豆のスープ)をソースとして使う大胆さ。白インゲン豆には、カラスミパウダーをまぶしてあります。ソースとしては多少弱い中で、赤玉のビネガー漬けがよいアクセントになっている。

『gustoso/ 芳醇 オルツォ・牡蠣・ビーツ・リクリツィア』
牡蠣とあったので、どのような形で供されるのかと思っていたら、ソースでした。しかし極濃で、口にすると鼻に抜ける香りが凄い。ビーツで色付けされたオルツォのリゾットも美味しく、リクリッツアの苦味がよいアクセントです。

『ristretto/ 味覚の濃縮 仔羊・サフラン・パプリカ・オレガノ』
仔羊のよい柔らかさと脂。ピスタチオの食感。フレッシュオレガノの香り。チョコレートのコク。最後にピリッとくるンドゥイヤ。一口に込められた小宇宙です。

『ideazione/ 着想 蝦夷鹿・バラ・人参』
まずは蝦夷鹿だけを食べて下さいとのことで、食べる。すると、肉の旨みの中に、ほのかに香るバラの香り。面白い。
金時人参のピューレと鹿のソース、一緒に食べると、美味しい。

『banchetto/ 後宴 金柑・チョコレート・グラッパ』
中央にチョコレートジェラート、「パラディーゾ(天国) の味」と言われているトルタパラディーゾをグラッパが強めに効いたホワイトチョコレートムースでいただきます。くどいかな?と思っていたら、金柑のコンポートがある為に、爽やかなドルチェに仕上がっていました。

『Caffè o Tè カフェまたはティー』
大城さんのラテアート。きっと来るだろいうと思っていた今年の干支であるお猿さんです。可愛い♡

今夜も美味しく、楽しめました。ありがとうございます。最後にいただけるメニューイラストもとても可愛く、パワーアップ。
いつも料理の説明が素晴らしい末広さんが渋谷の「BIODINAMICO」に転属されるそうで、ちょっと残念。でも新天地でのご活躍を期待しております。サローネグループのお店の多くは渋谷方面にあって、今年はどこかにお邪魔してみようかな。


2015.10.
街を抜ける心地よい海風、盛り上がる結婚式の二次会の声、見上げれば星のように光るマリンタワー。それらを通り抜けて、今夜は「SALONE 2007」で食事です。グラスが煌めくいつもの席で、マネージャーの山下さんと末廣さん、シェフの細田さんにご挨拶をして、スタートです。

『inizio/ 序章 A5サーロイン・ポテト・トリュフ』
いつもの突き出し。今月のコースは「SALONE 2007」にしては珍しく、「牛肉に始まり、牛肉に終わる」ので、より意味合いを感じます。

『fusione/ 融合 甘エビ・モヒート・カラスミ』
イタリアでは食前酒としてよく飲まれているらしいモヒート。それを前菜にした一皿。塩漬けした甘エビはより甘く、ふわりとしたライムのヌーボラとミントの爽やかさが映えます。下にあるラムジュレが、ちょっと強めな感じかな。

『combinazione/ 組み合わせ ガルガネッリ・牡蠣・トリッパ』
イタリアでよく見られるという山と海の幸を合わせたパスタ。ガルガネッリはしっかりとした噛み応えで、グニグニとした食感のトリッパは焦げ目の風味も楽しめ、シェリービネガー風味の赤パプリカと牡蠣の濃厚なソースが美味しい。

『filosofia/ 哲学 鮮魚・ハマグリ・タコ』
今回は宮城産のスズキ。味もさることながら、供された時に華やぐオレンジの香りが印象的な一皿。日によって、白身魚は変わるようですが、たまに太刀魚があるそうです。スズキや真鯛が多いので、食べてみたいな。

『ispirazione/ 着想 ホロホロ鳥・アールグレイ・泡』
ホロホロ鳥のもも肉のロートロは柔らかく、下に敷かれた鶏レバームースとダージリンで香りつけたジュの泡ソースでいただきます。濃厚でありながらも、赤タマネギのアクセントが一時の爽やかさを与えてくれます。

『colorazione/ 緑彩 リゾット・バジリコ・アオリイカ』
ちょっと楽しみだった珍しいリゾット。パスタによく見られるジェノベーゼは、北イタリアではリゾットに用いるそう。
イタリアの魚醤 コラトゥーラで和えたアオリイカの甘みとクレソンのほのかな苦みがよく合う。リゾットもイタリアの米を使っているそうで、本格的です。

『ristretto/ 味覚の濃縮 猪・フランボワーズ・チョコレート』
バルサミコの酸味と松の実の食感、チョコのほろ苦さ、フランボワーズの柔らかな酸味、猪のしっかりとした脂を感じられます。

『carbonaio/ 薫り 牛イチボ・炭・白いんげん豆』
春にいただいた牛イチボと大きく違う点があります。それは炭火で焼かれていること。「炭火を使いたいのだけど、まだ設備が…でもいずれは」とおっしゃっていた細田シェフの言葉を思い出します。

『destino/ 巡り合わせ リンゴ・生姜・ウイスキー』
サクサクのチョコシューの中には、カスタード、ショウガジェラード、リンゴ、ウイスキーゼリーが入ってます。ウイスキーがいいアクセントになっており、大人のシュークリームといった感じ。

『Caffè o Tè カフェまたはティー』
大城さん渾身のラテアート。水の妖精さんです♡

今回も素晴らしい料理とサービスでした。特に提供スピードは、とても心地よい。料理は意外と?ストレートな皿が多く、鉄板のパスタや初めて食べるリゾットは非常に美味しかったです。新しい調理法の炭火をこれからどのように活かしていかれるのかが、楽しみ。
内観もちょっと変わったトコがあって、入口の左に社長(だったかな?)の愛車のフォト、ダイニングにもキューバの風景画が飾られています。何故、キューバなのか?は分かりませんが、雰囲気にはよくマッチしていました。キッチンもダイニングも、まだまだ「SALONE 2007」は進化の途中というわけですね。

次回は年明け。年の初めなので、おそらくより一層気合いの入った料理が期待できます。ちょっと早いですが、今年も美味しい料理と心地よいサービスをありがとうございました。


2015.6.
梅雨の蒸し暑さを吹き飛ばすような夜の爽風が再訪する「SALONE 2007」へと背中を押します。事前にコースメニューを確認してみると、好きな食材も多い中で、ちょっと変わった組み合わせのお皿もあって期待も膨らみます。山下さんと末広さんの笑顔に導かれて、いつも席へ。

実食

『inizio/ 序章 A5サーロイン・ポテト・トリュフ』
お馴染みの「SALONE 2007」の名物とも言える突き出し。味は変わらずの美味しさですが、下のプレートがまた元のピカピカに戻っていましたね。

『fusione/ 融合 フォアグラ・チョコレート・マンゴー』
組み合わせを見て、「!」と思ったお皿の一つ。フォアグラとマンゴーはよくありますが、そこにチョコレート?。気になります。元々、フォアグラとチョコレートの組み合わせのドルチェがイタリアにあるそうで、それをオマージュした前菜。
チョコレートはフォアグラの濃厚さに深みを与えており、周りにある甘酸っぱい赤玉ねぎのアグロドルチェが爽やかさを与えてくれます。

『filosofia/ 哲学 鮮魚・タコ・ハマグリ』
「SALONE 2007」のスペシャリテ。供されると、オレンジオイルの良い香りがぶわりとします。今回の白身は、長崎産の真鯛。

『baldanza/ 自信 マッケロンチーニ・スティンコ・胡椒』
今回の私の一番。細田シェフが自信を持つスティンコのラグー(牛スネ肉の煮込み)を使ったパスタ。かなり厚目のマッケロンチーニはモチモチシキシキとして、柔らかい中にも肉質やゼラチン質ある食感のラグーとよく合います。このスティンコのラグーの煮込み方にちょっとしたコツがあるそうで、興味のある方はシェフに尋ねてみるのもいいかも。

『combinazione/ 組み合わせ 鴨・ムール貝・グリンピース』
あまり見ない鴨肉とムール貝のマリアージュ。北イタリアでは肉と魚介を一緒に食べることが多々あるのだそうで、料理が始まる前にシェフが是非とオススメして下さった一皿。
口に入れれば、甘みのあるピゼッリ(グリンピース)のピューレがムール貝のジュースと鴨肉の脂を包み込み、最近流行りのキヌアのプチプチ感も楽しめる。ありそうでなかった組み合わせですが、美味しい。

『inventiva/ 発想と創造 オルツォ・赤海老・トリッパ』
北イタリアでは大麦がよく食べられているそうで、そこに煮込み料理でもよく使われるトリッパを加えています。このトリッパもトマト入りのロッソ(赤)ではなく、白ワイン仕立てのビアンコ(白)というのがミソ。かなり大ぶりのトリッパはムチムチとした食感で存在感もあり、臭みやクセもなく美味しい。バニラオイルでマリネされた赤海老も美味しかったですが、本当はザリガニでやりたかったそうで、私もそっちの方が食べてみたいと思いました。

『ristretto/ 味覚の濃縮 穴子・グラナパダーノ・マルサラ』
穴子の赤ワインマルサラ煮込みとチーズ(グラナパダーノ)を中心にした今回のワンスプーン。食べていくうちに、バラバラだった食材の味が徐々に一つになっていく瞬間が好き。

『campanilismo/ 郷土 仔羊・ナス・リコッタ・ミント』
今回のメインは、仔羊。南イタリアの定番の組み合わせであるナスとリコッタチーズをクレマにして、たっぷりとつけていただきます。柔らかな仔羊を丸ごと包むような濃厚なチーズの味わいの中で、ほのかなペペロナータの酸味が映えます。

『rinascita/ 再構築 桃・アマレット・ヴィンコット』
ピエモンテの定番ドルチェの『桃のアマレッティ詰め』を再構築したドルチェかな?アマレッティはジェラートにし、ジェノワーズはパウダー状に、そしてイタリア的な桃の食感を出すために30秒ほどコンポートしているそうです。コンポートしているとは思えないほどにフレッシュ感があって、ジューシー。

『Caffè o Tè カフェまたはティー』
ずっとラテアートを作って下さった渡辺さんが厨房に入ってしまったので、期待していなかったのですが、大城さんが描いて下さいました。梅雨ということで、カエルちゃんです。

今回も料理・サービス・提供スピード、全てが心地よく、満足感のあるものでした。料理においては、イタリアの郷土料理の再構築しているので、奇抜な組み合わせがあったとしても、やはり美味しい。イタリア料理に造詣があったらなら、もっと面白いのだろうけど。実は前菜からメインまでの料理で、イタリア一周旅行をしちゃっているのかもしれませんね。次回の訪問は、秋風が吹く頃。また宜しくお願いします♡


2015.4.
確かに春の訪れを感じたのに、また冬のような空気が漂う夜。今年初となる「SALONE 2007」に再訪です。Barneys New York 横浜店に移転してから数ヶ月が経ち、座席も全て解放してらっしゃるそうで、ついに新生「SALONE 2007」の真価を楽しめます。

『inizio/ 序章 牛・ポテト・トリュフ』
お馴染みの「SALONE 2007」の突き出し。お腹を空かしてる時に供される肉のインパクトは、すごいです。

『combinazione/ 組み合わせ 鹿・赤海老・マスタード』
ほんのりと火入れした鹿肉のタルタルの上に、ブレザオラで甘みを引き出した赤海老のタルタルを乗せ、マスタードのジェラートと卵黄のソースでいただきます。
甘さがある赤海老に軽い酸味のマスタードジェラートとミニトマト、ヘーゼルナッツの食感が飽きさせない。

『stagione/ 春の訪れ オレキエッテ・空豆・ホタテ』
イタリアのプッリャ州とバジリカータ州の地域を代表する耳形のパスタのオレキエッテを、今が旬の空豆のソースで和えてあります。添えられているのは帆立のインパナータ(パン粉をつけて揚げ焼き)と帆立のヒモのラグー。コリアンダーシードが心地よい食感を与え、モチモチしたパスタのとのコントラストが楽しめます。空豆のソースがたっぷりとかけられているので、同時に供されるパンで拭って食べられるのが嬉しい。

『filosofia/ 哲学 鮮魚・タコ・ハマグリ』
福岡産の黒鯛、石川産の蛸、九十九里産の蛤で作られるこの「SALONE 2007」のスペシャリテ。ポロ葱と一緒に蛤の出汁だけで蒸し上げられたスープは、オレンジの香りがする上品で濃厚な味わいです。
北陸新幹線開通に伴い、北陸からよい鮮魚が手に入るようになったそうで、心成しかボリューミーな感じになっていました。

『concerto/ 協奏曲 ホワイトアスパラ・ポーチドエッグ・カカオ』
イタリアピエモンテ州の郷土料理で牛乳と卵黄を加えて作るチーズソースのフォンドゥータソースに、春の訪れを告げるホワイトアスパラガス、生ハムのクロッカンテ、カカオメレンゲ、中央にあるウズラのポーチドエッグを崩していただきます。
濃厚なチーズソースと卵黄が柔らかいホワイトアスパラガスに絡み、生ハムのカリカリ感とエストラゴンの香りが楽しめます。なかなかの協奏曲を奏でる一皿。

『ristretto/ 味覚の濃縮 サルシッチャ・イカ・マスカルポーネ・ライム』
今月はサルシッチャを中心に構成されている名物のワンスプーン料理。口に入れれば、ライムの香りが弾けて、セロリのビネガー漬けの爽やかさがサルシッチャの脂と合わさり、一気に広がります。

『pasqua/ 復活祭 ラザニエッテ・羊・アーティーチョーク・レモン』
イタリアの春はキリストの復活祭で盛り上がるそうで、そこで食べられる羊と相性のいいカルチョーフィ(アーティチョーク)を合わせたパスタ。
食べ応えのあるラザニエッテに、たっぷりと添えられたカルチョーフィピューレとホロホロに煮込まれた羊肉が美味しい。ソースというには、かなりの量の羊肉があって、ちょっとしたメイン。これもパンで拭って、いただきます。

『finto/ 模造 牛・炭・ヒヨコ豆・ピンクペッパー』
イタリアの田舎ではドラム缶でブロック肉を焼いて、その炭火で皮付きの玉ねぎを丸のまま焼いて、売っている屋台があるそうで、その模倣がこの料理のコンセプト。メインで牛肉というのは珍しく、1年を通してもあるかないかの割合だそうで、理由としては『inizio/ 序章 牛・ポテト・トリュフ』があるからだと、細田シェフがおっしゃってました。
お皿には和牛のイチボ、ひよこ豆のピューレ、ピンクペッパーソース、炭パウダー。炭パウダーを塗すことで炭火焼の香りを楽しむことができ、軽い酸味のピンクペッパーの刺激がイチボとよく合います。

『memoria/ 追憶 ラビオリ・オレンジ・サフラン・アーモンド』
サフランのジェラート、清見オレンジのズッペッタ、アーモンド風味のミルクジュレに熱々のラビオリを添えられたドルチェ。ラビオリの中身はチョコレートとリコッタで、熱さと冷たさを楽しめるようになってます。清見オレンジのズッペッタが意外とほろ苦いので、甘いだけでないちょっと大人な感じでした。

『binario/ プラットホーム 小菓子』
nao.さんがいらっしゃらない間に、変わったものが加わりましたと山下さんが教えて下さったのが、『リーゾ・ネロ』というお菓子。ミルクで煮たお米とチョコレートを澱粉で固めたもので、チョコレートのおはぎみたいな感じかな。美味しい❤︎

『Caffè o Tè カフェまたはティー』
いつも出してくれるラテアート。作って下さってる渡辺さんがキッチンに入られるそうで、ラストラテアートになってしまいそう。しかし素晴らしい上達ぶりですね。ありがとうございました。

大きな店内が満席となっても、変わらずのサービスの質と料理の提供スピードは絶妙で、素晴らしかったです。キッチンにも多くのシェフが新しく入られたそうで、色々なアイディアが絡み合い、より上質な料理が生まれていくのとことで、まだまだ進化していきそうです。

今年も宜しくお願い致します。

  • 2019.4.  日高さんのラストラテアート
  • 2019.4.  北寄貝 フィノッキオ サフラン
  • 2019.4.  鮮魚のヴァポーレ

もっと見る

4位

鳥しき (目黒、白金台、不動前 / 焼き鳥)

26回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.8
    • | 雰囲気 4.8
    • | CP 4.8
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 -

2023/10訪問 2023/12/16

ちはやふる神の火入れ

2023.10.

目黒にある「鳥しき」のめっきり予約が取れなくなってしまったので、店主・池川 義輝さんに忘れてられてしまわないように『焼鳥弁当』をテイクアウト。

若手が営む「鳥かど」をはじめ、鳥しきイズムを継承するお店は増えましたが、私は焼鳥の味は勿論ですが、池川さんに会いたいのです。

たまには店内で食べたいです。


2023.4.

ちはやふる神の火入れ/鳥しき

煮込みバケット
鶏の7種類の部位を八丁味噌ベースで煮込んだものを池川さんが焼いたバケットでいただく現在の「鳥しき」のスターター。濃く甘い味わいがバケットとよく合います。

血肝♡
今夜は珍しく血肝から。プリッとした食感の後に弾けるような旨味の力強さ。やはり美味しい。

かしわ♡♡
口に近づけると、ふわりとする炭の香り。鶏の旨味が溢れるひと串は至高の味わい。

白玉
表面は確りと焼かれて、中心の白身はプリプリとし、黄身はクリームのよう。3段階の食感が楽しめます。

かっぱ♡
軟骨とその周りの肉も串打ちしているので、非常に肉々しい。黒胡椒の刺激と小気味良い軟骨の食感がたまりません。

鶏白湯♡
食中で供されるスープ。個人的にはこのスープの方が好きです。

背肝♡♡
内臓の甘味を引き出す塩加減、纏う炭の良い香り、溢れる肉の旨味。最高のひと串。

波♡
表面にはジュクジュクと躍動する脂が踊り、口に入れると表面のカリカリ感と中心部のモチモチ感が映えます。どこにでもある部位、でもここでしか味わえない部位だと思います。

つくね♡
ふわりとした食感の中で、鶏の旨味が駆け抜けていきます。時折、感じる軟骨のコリコリ感が楽しく、そして美味しい。

砂肝♡
ゴロリとした砂肝は食感フェチにはたまらないザクザク食感。胡麻油の仕立てをやめたみたいで、純粋な砂肝の旨味を味わえます。

食道♡
炭台の上でタレの旨味と炭の香りを存分に纏い、供される食道。トロリとした舌触りに内臓特有の甘味が溢れます。実に美味しい。

スナップエンドウ♡
じっくりと焼かれることで、野菜の旨味と甘味を最大限に引き出しています。このような旬の食材が「鳥しき」の名前の由来になっていると感じるひと串です。

せせり♡
筋っぽい食感を持つせせりらしさは勿論ありつつも、とろける肉質は知らないせせり。

はつもと♡
血管ということが確りと分かるサクサクと食感が素晴らしく、咀嚼の度に旨味と甘味が溢れます。

銀杏
間隔を空けることで、銀杏全体を確りと焼いており、内と外の食感のコントラストが生まれています。

丸はつ♡♡
丸はつに込められた熱が凄い。口の中でプツンと弾けて、旨味と甘味が爆ぜます。

肩♡
もも肉よりもしっとりと柔らかく、程よい筋肉感。

厚揚げ♡
厚揚げを焼鳥店で感動したのは、このお店が初めて。今も尚、その味わいは健在。

手羽先の皮♡
余分な脂を落として旨味のみを閉じ込めて、極上のカリカリ加減でありながら、中心部はモチモチとしています。

アキレス腱♡
とても肉々しいですが、時折感じる軟骨とゼラチン質の食感がアキレス腱ということを分からせます。

ぼん♡
じっくりと焼いて余分な脂を落とし、旨味をギュッと閉じ込めてきます。想像よりもずっと軽やかで、個人的な食べ方は大根おろしを乗せて食べています。

ちょうちん♡
「きんかん」と「ひも」をばらして焼いてから、合体させて供されます。それぞれにベストな火入れをしているので、ひと口で食べればプツンと弾ける「きんかん」のまったりとした旨味と弾力ある「ひも」の食感が楽しめます。

茄子♡
じっくりと育てるように焼かれた茄子は絶妙なトロトロ加減。激熱ですが、頬張りたくなる味わい。

恥骨♡
肉質はとても柔らかく、軟骨すらもとても柔らかい。

椎茸
香り溢れる椎茸は笠の部位がトロリとして、軸の部位はコリコリ。

鶏スープ
鶏の旨味を上品に仕上げたスープ。この味わいが池川さんの矜持。

ブロッコリー
炭の上で大きなブロッコリーがみるみる小さくなって、旨味をギュッと閉じ込めています。

手羽先♡
焼鳥の花形がまさにこの部位。開いているので、骨は簡単に取ることができます。取った骨の周りの肉も忘れずに食べてから、頬張れば旨味のストレートパンチを受けたかのような充実感を感じます。

そり♡
もも肉の付け根にあるピンポン玉状の部位で、歯を跳ね返すような力強い弾力の肉とカリカリに焼かれた皮を同時に頬張れるのが魅力。

膝♡
現在の「鳥しき」で皿で供される唯一の部位。胡麻油と黒胡椒をかけた白髪葱の風味にも負けない濃い旨味とゼラチン質が楽しめます。

そぼろ丼♡
「鳥しき」の〆ご飯は、卵かけご飯・そぼろ丼・親子丼・鶏スープのお茶漬けの4種類があります。その中で現在のお気に入りは、このそぼろ丼。今回は卵黄乗せです。鶏の旨味を全面に出した塩そぼろが実に美味しい。

焼鳥好きならば、きっと夢見るお店、目黒にある「鳥しき」に再訪。大衆的なものだった焼鳥を洗練させて、ここまで世界的に認めさせたのは、店主・池川 義輝さんの功績の1つでしょう。池川イズムを継承するお店は色々な所にできていますが、やはり行けるならばこの「鳥しき」に行きたい。味わいは勿論のことですが、何よりも池川親方に逢いたいから。

今回も色々な部位を用意して下さり、ありがとうございました。


2022.11.
ちはやふる神の火入れ/鳥しき

煮込みバケット
池川さんが焼いたバケットに八丁味噌ベースで煮込んだ数種類の部位の鶏の煮込みを乗せて。山椒の鮮烈な香りが心地よい。

かしわ♡
「炭の香りを楽しんで下さい」と供される部位。鼻腔を擽る炭の香りと咀嚼の度に溢れる伊達鶏の旨味がとても美味しい。

丸はつ♡♡
サクサクとした食感の後にジュワッととろける丸はつ。口の中に広がるのは、食べ終えても尚続く極上の甘味。キングオブ丸はつ!

波♡
どこにでもある、でもどこでもない味わい。
そう感じさせる皮の表面は踊るように脂が弾けており、中心部は歯を跳ね返すようなモチモチとした食感があります。

鶏白湯
〆のご飯ものと一緒に供されるスープとは違い、長く炊いて白濁された濃厚なスープ。

白玉
プリプリの白身にクリーム感の強い黄身がいい感じ。

せせり♡
独特の歯を跳ね返すプリッとした食感があり、甘味と旨味が強い味わい。

かっぱ♡♡
過去最大と思える特大のやげん軟骨。軟骨自体はとても柔らかく、周りの肉もついているのでボリューミーで旨味も強め。

銀杏
こんがりとホクホクとした銀杏は苦味がなく、甘く美味しい。

つくね♡
口の中でふわりとし、その中で軟骨のコリコリ感が映えます。タレの旨味と鶏の旨味が合わさり、実に美味しい。

じゃがバター♡
炭で焼かれるじゃがいもは格別な美味しさ。そこにバターの旨味が加わるのだから、不味いわけがない。

手羽先の皮♡
分厚い皮は確りと焼くことで、余分な脂を落としてカリカリとし、グッと旨味が増しています。

背肝♡♡
何というボリューム。滴るような旨味が口の中で爆ぜます。旨味のアタックの強さと食べ終えて、口の中に残る甘味と香りが素晴らしい。

砂肝♡♡
咀嚼しようとすると、砂肝が口の中で弾み、ザクッと気持ちいい歯切れの良さ。そして、旨味の爆流に飲まれてしまいます。

血肝♡♡
艶めいて色気のある血肝(レバー)は舌に絡みつくようなねっとり感があり、甘味が凄い。

食道♡♡
独特な管の食感に広がる甘味が素晴らしい。今夜も最高の味わい。

アキレス腱♡
肉々しさもあり、柔らかな軟骨の食感もあり、それを同時に楽しめる素晴らしさ。

椎茸
コレは香りを食べる串。口に入れると、一気に爆ぜる香りが印象的。

ぼん♡
コレも確りと脂を落としすことで、旨味が凝縮しています。

ちょうちん♡
口の中で弾ける卵黄が実に印象的。画的にも映え、旨味も素晴らしい。

恥骨♡
肉質は柔らかく、時折感じる軟骨のコリコリ感が心地よい。

はつもと♡♡
「鳥しき」の中でもレアな部位だと思われる部位。内臓特有の甘味の中で、咀嚼の度に溢れる濃厚な旨味がたまらない。用意してくださった池川さん、ありがとうございます!

手羽先♡
骨の周りや皮や肉の旨味が一体となった部位は、焼鳥の中でも花形。個人的には表面のボスといった感じw

厚揚げ
全く焦げがない厚揚げは確りと中にも熱が込められており、池川さんの焼きの技術力の高さが感じられます。

そり♡
弾むような食感のそりは、腿の付け根の部位。表面のカリカリに焼かれた皮がいいアクセントになっています。

親子丼
供された瞬間のインパクト大のオレンジ色のビジュアル。出汁の味わいの中でいただく温かいTKGといったイメージです。

ブロッコリー
オリーブオイルをかけながら、じっくりと焼かれたブロッコリーは、確りと旨味を引き出されています。

膝♡
唯一、皿で供されて胡麻油と白髪葱の風味を纏う部位。そりよりも柔らかく、旨味が強め。

そぼろ丼♡
今夜は卵黄のせ。今ある〆ご飯の中では、コレが一番好き。軟骨のコリコリ食感と肉の旨味が一体となった塩そぼろは、卵黄をかけることで更に濃厚な味わいになります。

焼きシャリ & 鶏スープ♡
池川さんがじーっくりと焼く今はもう食べられない焼きおにぎりを思い出させるひと品。鶏スープと共に〆られるのは、とても幸せな瞬間。

目黒「鳥しき」に通わせていただいて、約10年。どんなに予約困難さが増しても、どんなに好きなメニューがなくなっていっても、私は通い続けたい。焼場で店主・池川 義輝さんが焼き続けているかぎり。

今夜も約4時間の長丁場。きめ細やかなポスピタリティーと池川さんの心意気、そして焼鳥の美味しさが心に沁みました。池川さん、ありがとうございました。19100


2022.8.
ちはやふる神の火入れ/鳥しき

バケット
八丁味噌ベースで味付けた7種の部位を池川さんが焼いたバケットに乗せた「鳥しき」のスターター。

かしわ♡
串を近づけるだけで炭の香りがふわりとし、大ぶりなカットから溢れる旨味が素晴らしい。後味に鶏の甘味がじんわりと広がります。

波♡
所謂、首皮。『波』と称するのは池川さんのユーモア。表面はカリッと中心部はモチモチとしたどこにでもある部位だからこそ、違いがハッキリとする部位。

砂肝♡
口に近づけると、胡麻油と炭が香り、スパンっとした歯切れの良さが心地よい。

かっぱ♡
黒胡椒のピリッとした刺激があり、小気味良い軟骨のコリコリ感、そして間に打たれた肉の旨味が美味しい。

白玉
黄身はクリームのような仕立てで、飴色にねった白身がプツンと弾けて黄身の旨味が広がります。

鶏白湯スープ♡
食中に供される濃厚なスープ。塩分は薄いながらも旨味が強い。もう少し味を濃くして、麺やご飯を入れても

丸はつ♡
なくなった生命が池川さんの火入れで新たな生命を得たかのような躍動が口の中で感じられるひと串。今は串で供されますが、皿で供された頃の特大のものもまた食べてみたい。

せせり♡
炭香る中で強く感じるのは鶏の旨味と甘味。これらを引き出している塩の塩梅もさすが。

食道♡♡
いつものとは異質の美味しさ。タレの味わいの奥からねっとりと濃厚な旨味と甘味が広がり、舌というよりか喉に絡みつくような感じ。

血肝♡
3口で完結するストーリー性のあるひと串。先端にあるはつのプリプリ感とコントラストを楽しみ、大きなレバーの旨味を存分に味わい、最後に旨味と甘味の余韻を感じる。素晴らしい味わい。

トウモロコシ♡
北海道産の「ゴールドラッシュ」の炭火焼き。夏野菜の楽しみの1つで、炭と醤油の香りが素晴らしく映え、甘味が強くて美味しい。

ぼん♡
脂の多い部位ですが、確りと余分な脂を落としており、旨味が凝縮しています。定番のレモンを搾るのもいいですが、大根おろしを乗せて食べるのもオススメです。

手羽先の皮♡
先程の『波』とは違い、分厚い皮を脂を落としつつ、表面をカリッと焼きあげたひと串。タレの旨味と皮の旨味が合わさることで累乗される味わいが秀逸。

つくね♡
炭とタレの香りがふわりとし、粗く挽かれた肉の旨味が爆発するかのよう。3つあるので、まずはそのまま。そして、七味と山椒で味変を楽しむのもアリ。

厚揚げ♡
カリッと焼かれた表面に中心部はモッチリとした厚揚げ。「厚揚げが美味しい!」と気づかせてくれた原点のお店。

はつもと♡♡
動脈の管を感じられる食感があり、内臓特有の濃い旨味と甘味が映えます。

そり♡
腿の付け根の部位で、キングオブ肉。皮目がカリッと焼かれ、肉は旨味が濃く美味しい。

ちょうちん
分解して焼くという独特な焼き方をする『ちょうちん』。見た目も映え、味わいも濃厚なのめ供されるとアガるひと串。

膝♡
『そり』と両極を成す部位で、胡麻油と白髪葱の風味がたまらない。確りと焼かれてカリカリの皮に旨味溢れる肉が美味しい。

茄子
激熱なのは分かってはいますが、頬張りたいトロトロの茄子。

手羽先♡
大きな手羽先は2つの骨を外してから食べるとスマート。旨味たっぷりな皮と身にちょっとレモンを搾ると、更に美味しい。

脛♡
新作?割と確りとした歯応えがあり、肉質は淡白なのに咀嚼の度に旨味が溢れます。

ハーフそぼろ丼♡
塩そぼろの旨味が爆発的に溢れる丼。個人的には今の『親子丼』よりもこちらが好み。次回は卵黄を乗せてみたい。

ハーフ親子丼
オレンジ色の黄身と白い白身のコントラストが映えます。食感の面ではあまり好きではないけど、ついつい注文してしまうw

鶏スープ茶漬け
昔からありますが、今はなき『焼きおにぎり』の片鱗を感じることのできる〆ご飯。上品でありつつ濃厚なスープの中で、炭火で脱水してパリッとしたご飯がいい。しかしながら『さび』がなくなったので、ささみは入っておらず…。

鶏スープ
今夜はちょっと濃厚な仕立て。上品な味わいは池川親方の〆の矜持。

焼鳥弁当♡
久しぶりのお弁当。塩鶏そぼろ・かしわ・せせり・つくね・白玉・オクラ・椎茸という構成で、彩りとバランスもとても良い。一緒に付いてくる山椒がニクい。

20時からの目黒にある「鳥しき」は、ゆるりと始まります。焼鳥も高級傾向になっていき、多くのお店が高級ブランド鶏を使っている中で、オープンから使っている「伊達鶏」を見事なまでに絶品へと昇華させているのは、店主・池川 義輝さんの技量の高さでしょう。姉妹店もでき、多くの弟子が独立をして「池川イズム」を広めており、昨今では関西の人気店も都内に進出してくるなどして、焼鳥業界も目紛しくなっています。都内でも屈指の予約困難店であり、『もものタタキ』や『焼きおにぎり』など好きな料理もなくなっていくマイナス要因が多い「鳥しき」ですが、やはり通いたいのはそこに池川さんがいるから。

今夜も遅くまでたくさんありがとうございました!19400



2022.5.
ちはやふる神の火入れ/鳥しき

煮込みバケット♡
私が来られなかった期間中に新しく先付となった八丁味噌ベースで煮込まれた鶏の6種類の部位を池川さんが焼いたバケットと共に。この量だからこその濃厚さ、美味しい。

かしわ♡
タレでコーティングされた伊達鶏の旨味。久しぶりにいただくその味わいは身体に沁み渡ります。

砂肝♡
中に込められた熱と弾むような食感の砂肝は胡麻油の風味と黒胡椒の辛味が合わさり、楽しくも美味しい。

白湯スープ
これも初めて。最後に供される鶏スープの延長線にある味わいで、コレでラーメンを作ったら美味しそう。

白玉
確りと表面は焼いているのに、以前と変わらずにクリームのような黄身。

かっぱ♡
黒胡椒の刺激が心地よく、パリパリと柔らかい軟骨が小気味よい。

波♡
部位としては首皮。表面は極上のカリカリ感、中心部はモチモチ感。どこにでもある部位でありながらも、どこにでもない美味しさ。

丸はつ♡
プリッとした食感の中に失くなった生命を閉じめたような熱があり、閉じめられた旨味が素晴らしい。

肩肉♡
程よい食感もあり、その食感を楽しんでいると溢れてくる旨味。その旨味はあっさりとしていながらも甘い。

じゃがバター♡
これは凄い火入れ。イメージ的には温めたような感じで、じゃがいもの甘味を閉じ込めています。

食道♡♡
食道やその周りのリンパなどを纏めて串打ちしたような凄いボリューム。味はタレですが、まさにこれはコーティング。食道の旨味が強くて、素晴らしい。

はらみ♡
表面はカリッとしながら、中心部は旨味が濃厚で、ふわりとしています。

手羽先の皮♡
同じ皮でも部位によって変わることを教えてくれる部位。分厚い皮は余計な油を落としながらじっくりと焼かれて、極上のカリカリ感が味わえます。

せせり♡
ギュッと密集させたような串打ちで、程よい食感の後に旨味と共にとろけるような感じ。

アキレス腱♡
一気に肉々しくなったアキレス腱。アキレス腱とその周りの肉もつけているので、旨味のある肉の程よい食感ととろけるゼラチン質の部位が同時に味わえます。

背肝 & はつもと♡♡
食道同様にモンスタークラスのボリューム。ざらりとした食感の背肝にはつもとのコリコリとした動脈を巻き付けたような感じで、旨味どっぱーんな美味しさは実に素晴らしい。

血肝♡♡
「近火の強火」と言われる焼き方でありながら、まるで温めたような火入れで、口に入れた瞬間にとろけます。その旨味は舌に絡むようで、実に美味しい。

ぼん
確りと油を落として、旨味を凝縮させているぼん。大根おろしを乗せて食べるのもオススメ。

つくね♡
確りと挽かれていて、旨味を閉じ込めるようなタレのコーティング。練り込まれた軟骨のコリコリ食感もいい。

恥骨♡
ズズッと歯が入っていき、軟骨と共にとろけるような肉質。甘味を引き出すような塩加減も絶妙。

厚揚げ
焦げの1つもない素晴らしい焼き。

茄子♡
大きな茄子がみるみる小さくなっていき、トロトロになっていく様が面白い。胡麻の香ばしさもあり、激熱の中でも頬張ってほしい美味しさ。

手羽先♡
大きな手羽先は焼鳥の花形。「鳥しき」で供されるのは、これから始まる2ndステージの幕開け的な存在。手羽先に付いてる骨は簡単に外れるので外してから頬張ると、滴るような皮・脂・肉の旨味にノックアウトされます。

そり♡
脚の付け根のピンポン球のような部位で、それがよく分かるような串打ち。皮はカリッとしており、肉は弾むような食感に迸る旨味はジューシー。

ブロッコリー
はっきり言って、さほど食べないブロッコリー。焼くとどうしてこんなにも美味しいのか。

ちょうちん♡
卵黄は炭火で温められたよう。弾ける卵黄はひと口で味わう美味なる体験。

膝♡
今では串で供されない唯一の部位となった膝。胡麻油が香り、白髪葱と黒胡椒がピリリとするそりと双璧を成す「鳥しき」の王者です。

そぼろ丼ハーフ♡
お弁当にも入れられている塩味の鶏そぼろ。個人的には〆ご飯の中で、2番目に好き。

親子丼ハーフ
鮮やかなオレンジ色の見た目がインパクト大の親子丼。タレの甘味が味の決め手ですが、個人的には昔のスタイルの親子丼の方が食感が良くて好き。

鶏スープ
池川さんの矜持を感じる上品な鶏スープ。

コロナ禍の影響で以前のように予約が取れずに約一年半経って、漸く再訪できたのは目黒にある焼鳥界の王者「鳥しき」。店で使っているブランド鶏を全面に推しているお店が増えてきましたが、店主・池川義輝さんが焼くならば、例えブロイラーであろうともきっと美味しい!と確信しています。

最初に炭酸水を注文したら、「氷ありでな!」と昔のように裏へ伝えてくれる池川さんの姿に涙が出ました。ボリュームのある「食道」や「背肝」に「はつもと」を巻き付けたようなモンスター級の串を出していただき、ありがとうございました!
久しぶりに味わう池川さんの焼鳥は身体と心に沁みました!また宜しくお願いします!


2021.11.

コロナ禍で予約が取れなくなった私の第1位は、目黒にある焼鳥店「鳥しき」でしょう。「この予約電話に繋がる人は、どれだけの運を消費するのだろう?」と考えてしまうほどに、今では全く繋がらない…。あまり行くことが叶わないと、店主・池川 義輝さんに忘れられてしまいそうで、たまに『焼鳥弁当』を買いに行ってます。

定期的に訪問していた時はさほど食べなかった『焼鳥弁当』ですが、久しぶりにいただくと…やはり美味しい。お弁当はたいてい温めるのが常だと思いますが、「鳥しき」のはそのまま食べるのが私のスタンダードです。そして、一緒に入っている山椒が実にニクい。お弁当の味と香り、そして冷めても感じる池川さんの熱が涙が出るくらいに懐かしい。来年こそは店内で!


2021.1.

元々、予約困難の中で遅い時間帯に入れていただいていた目黒にある「鳥しき」。営業時間の変更や発出された緊急事態宣言の影響で、全く伺うことが叶わなくなってしまったので、店主の池川 義輝さんの顔を見たいが為に『焼鳥弁当』をテイクアウトです。

粗めな塩そぼろ・ぼん・獅子唐・かしわ・つくね・白玉という内容で、ずしりとくる重さがあります。食べる時につい温めてしまいがちですが、『焼鳥弁当』は冷めることを前提にした味わいなので、そのまま食べるのがオススメです。久しぶりなので、身体に沁みるように美味しい♡

願わくば、またお店でも食べたいです!池川さん!


2020.9.

コロナ禍の影響から営業時間を前倒しにしているので、遅い時間の訪問が厳しくなった目黒の「鳥しき」。早くも2020年の最後の訪問となるこの日は久しぶりの1回転目です。

ガラリっ!

戸を開ければ、「いらっしゃいませ!」と勇ましく店主の池川 義輝さんが出迎えて下さいました。月を重ねる毎に予約が困難となるこの「鳥しき」に足を運ぶのは、この方がいるからにほかなりません。さあ、今夜も炎神・池川さんの魂の焼鳥を楽しみます。

今夜の献立

せせり♡
相変わらず、とろけるような食感。今夜も炎神は静かに燃ゆる。

丸はつ♡
終えた命に、また新しく命が宿ったかのような躍動感。素晴らしい♡

かっぱ
コリコリと小気味よい軟骨の食感と周りの肉の濃厚な味わい。ボリューミーな肉系の串。


食感の対比なのか?次の串は極上のモチモチ感。まるで高反発なマットレスのよう。


しっとりとしながらも、噛み締める度に旨味がジュワッと溢れます。

食道♡♡
元々好きな部位ですが、今夜は凄い!舌に絡みつくようなねっとり感があり、とろけながら旨味を出しまくる。最高のひと串!

うずら
火入れの色々なアプローチがある中、コレは一体感を体現したようで、白身と黄身の境界線がありません。

砂肝♡
仕立てが変わったのだろうか?こんなにボリューミーな砂肝なんて…大好きよ♡

背肝♡
いつも「見れば、食べれば分かるでしょう?」的にそっと出して下さる1日で数本の『背肝』。レバーとはつの中間のような食感に、内臓系の甘い香りと味わい。池川さん。いつもありがとうございます!

かしわ♡
タレは味付けでなく、旨味を閉じ込めるコーティング。口にすると、驚くほどにタレの味わいは薄くて、鶏の旨味が際立ちます。

オクラ
獅子唐よりもオクラの方が好き。

恥骨
お尻周りの肉。ふわりとした肉と柔らかな軟骨の食感が同時に味わえます。

はつもと♡
内臓の甘味と旨味が溢れる部位で、ひと口目はタレの旨味も纏った味わい、最後のひと口は肉本来の旨味が際立ち、このひと串にはストーリー性を感じられます。

手羽先の皮
皮は実は2種あって、『波』と呼ばれているのは首皮。そして、これは分厚い手羽先の皮です。味付けもタレになって、カリッと焼かれています。

つくね♡
確りと挽かれて更に練られていて、咀嚼の度に旨味が溢れてくるかのよう。一緒に練り込まれている軟骨の食感は弱め。

はらみ♡
コレもなかなかレアな部位。真ん中には腰皮かな?を入れて、旨味を底上げしているかのよう。

アキレス腱
アキレス腱とは言っても、ほぼ肉系の串。柔らかな肉の食感の中に、柔らかくも弾力のあるアキレス腱の食感が楽しい。

銀杏
ホクホクとほろ苦さがオトナの味わい。

ちょうちん♡
ひと口で食べるには今夜のはかなり大きい。プツンと音を立てるように弾けて、口の中で完成する素晴らしい串。分解して焼くのは、池川さん独特の火入れです。

血肝♡
出来るならば、是非3回に分けて食べて欲しい。初めのひと口は先端に止まっているはつと共に食べるので、食感を感じる味わい。真ん中の大きい部位は舌に絡みつくような旨味を、最後は余韻を楽しめます。

厚揚げ♡
まるで、温めているかのような感じ。内と外の境目は全く感じられません。コレも一つの完成系。

ぼん
濃厚な旨味の塊のような部位には、大根おろしを乗せて食べるのが、私流。

茄子
慈しむように火入れされていて、トロトロ。しかしながら、激アツ!火傷覚悟でも頬張りたい!


この「鳥しき」で、肉系最強部位の双璧を担う一つ。添えてある白髪葱には胡麻油がかけられていて、その薬味にも負けないような強い旨味もあって肉々しい。

そり
そして、もう一つの双璧部位である『そり』。ボリュームもさることながら、歯を跳ね返すほどの弾力性が魅力的。

手羽先♡
焼鳥の花形と言えば、この部位でしょう。串から取ってかぶりつくも良し、骨を取ってから食べるのも良し。食べ終えて、すぐにおしぼりを交換してくれるのは、さすがのホスピタリティ。

スープ茶漬け
さびがなくなり、焼きおにぎりもなくなった今、このスープ茶漬けが最高の〆だと思います。

今夜は2時間半という限られた時間の中でしたが、なんと全ての部位を出していただきました。特に1日の内におそらくは数本しか取れない部位を何も言わずにそっと出して下さる池川さんの優しいが心に沁みました。

また来年度も食べさせて下さいね。宜しくお願いします。19100

今夜出逢えたお酒

農口尚彦研究所 ひやおろし


2020.5.

コロナ禍で残念ながら行かれなくなった銘店の最後の一軒が目黒にある「鳥しき」です。5月いっぱいまでお弁当のみの販売だそうで、いつもの…違う!いつものじゃない!油淋鶏が入っている…だ…と。

訪問時は当日仕込んでいる全てのものを食べているので、お弁当まではいいかなーって思っていて、あまり食べることがないのですが…この油淋鶏入りはレアでしょう。

店内ではいつもよりも忙しいそうに池川さんがマシーンのごとく串を焼いてらっしゃり、スタッフ2人で盛り付けして、女将さんが接客と普段よりも大変そう。でも皆さん、お元気そうで良かった!

さて、お弁当ですが。
つくねやかしわの串は言わずもがな。「味付けが濃いので後から食べて下さい」という注意書きもある油淋鶏は、冷めることを念頭に入れてある味付けで、甘酢タレが確りと絡んでいて、味濃い目なガッツリとした感じ。営業が再開したら「鳥しき」では供されないでしょうが、「鳥かど」で合間に供されそうな料理です。お弁当としては従来の方が好きですが、これはこれである意味伝説となるお弁当だと思います。

池川さん、女将さん。
今夜はありがとうございました!お元気そうで良かったです。
また魂こもった焼鳥を食べさせて下さい。


2020.2.

久しぶりの「鳥しき」の1回転目。今は時差来店をしているのでしょうか、開店時間には全て埋まることなく、ゆっくりとしたスタート。「鳥しき」の最大の特徴である「近火の強火」を作り出す為に炭をぎっしりと詰め入れて、店主の池川 義輝さんの魂に応えるように音もなく静かに燃る。

今夜の献立


不動のスターターであった『さび』がなくなった今、スタートは人それぞれ。今夜の私は『肩』からです。しっとりとしていながらも、やや淡白な旨味が溢れます。

丸はつ♡
開いていない『はつ』には旨味と熱が込められており、ブリンっとした食感の後にそれが弾けます。やはり美味しい。

背肝♡♡
プリッとした食感、トロリとした舌触り、広がるのは濃密な旨味と甘味。素晴らしい以外の言葉がありません。


首の皮の部位。表面はパリッと焼かれ、中心部はモチモチ。どこにでもある部位だからこそ違いに気付く串。

かっぱ
やげん軟骨。軟骨だけでなく、周りの肉も絡めており、旨味がブーストされています。

恥骨
肉に舌を押し当てるだけでも崩れるような柔らかさ。軟骨の部位も残しており、食感のコントラストが生まれています。

食道♡
まるでビロードのような滑らかさ。口に残る旨味と甘味が素晴らしく長く残ります。

銀杏
ホクホクの後にほのかな苦味。銀杏でお酒が飲めるようになったら、大人だと勝手に思います。

かしわ♡
タレでコーティングされた旨味は、タレの甘味と合わさって累乗しており、実に素晴らしい。

砂肝
極上のサクサク食感。初めは塩の味わいですが、徐々に甘味が広がっていきます。

アキレス腱
なんとも肉々しい仕立て。『かっぱ』とは違う軟骨の食感の違いが小気味良い。

はつもと♡
香りからして甘い。プリッとした食感の中で溢れる旨味と後味で残る甘味が秀逸。

オクラ
やっぱり獅子唐よりもオクラが好き。

つくね♡
やや確りと挽かれた肉は滑らかで、より中に混ぜ込まれている軟骨のコリコリ感が際立ちます。旨味の塊のような味わい。

白玉
プリンっと弾ける白身の中はクリームのような黄身。

血肝♡
艶っぽい見た目は私を魅了します。プツンと弾け、トロリと滑らかな旨味が溢れ出し、舌に絡みつくような甘味がいい。

手羽先の先の皮
先程の『波』とは違い、タレでコーティングされた分厚い皮はカリカリに焼かれています。その食感と甘味が素晴らしい。

合鴨
今回は山葵を乗せた仕立て。鮮烈な山葵の香りと合鴨の旨味が迸ります。

ぼん
こってりとした旨味の『ぼん』は、大根おろしを乗せて食べるのが私のお勧め。

せせり
せせりらしい食感は微かにありますが、とろけるような食感。

椎茸
表面に浮かぶ椎茸のジュースがたまらない。焼いた椎茸は特に好き。

厚揚げ
今夜は内と外の食感のコントラストがある仕立て。是非食べる際は、「火傷しても構うもんか!」という意気込みで食べた方が美味しいと思います。

茄子
何度も油を塗り、串を上下入れ替えたりしてトロトロになった茄子は、野菜串の中でも実に手間のかかった一串。

手羽先
焼鳥の花形である『手羽先』は塩味で。個人的にこの部位が供されてもストップしないと、池川親方に「食べる客だな」と認められたような気がしますw

じゃがバター♡
小さなじゃがいもを使った『じゃがバター』。シンプルながらも、コレが実に美味しい。

スープ茶漬け♡
『焼きおにぎり』と『さび』がなくなった今、それらを感じられるのがコレです。元々、完成度が高くて好きでしたが、個人的に更に希少度が増した〆ご飯です。


「鳥しき」の中で1番大きな部位でしょう。胡麻油と胡椒で風味を増した白髪葱にも負けない強い旨味があります。

ちょうちん♡
今夜は極大の卵黄をつけて下さいました。弾けて飛ぶような濃厚な卵黄の旨味が絡み、口の中で完成する素晴らしい部位。

そり
最後の部位は、希少部位の『そり』。バリッと焼かれた皮に歯を跳ね返すほどの弾力の肉質は、最旨の肉系部位です。

そぼろ丼♡
見た目は『親子丼』の方が映えるけど、味わい的にこちらの方が今は好み。

鶏スープ
唇に膜が張るくらいの濃度のスープは、上品な味わいです。

今夜も仕込んである全てを出していただきました。久しぶりだからこそ分かる、その美味しさ。やはりこのお店は凄い。
そっと色々と出して下さる池川さんの優しさが沁みる夜でした。ありがとうございました!17700


炭の音が聞こえる。
静かに静かに身を焦がす。

騒つく店内が静まっていく時、炭の息吹が聞こえます。今夜もそんな雰囲気の「鳥しき」で、店主の池川 義輝さんも静かに燃えるその魂に触れさせていただきます。

今夜の献立

せせり♡
珍しくスターターはコレ。『せせり』らしい歯応えは残りながらも、とろけるような感じはさすがの火入れ。

丸はつ♡
はつ=心臓に再び生命を与えるような変わらずの素晴らしい火入れ。

白玉
中はクリームのような感じに仕立てており、ただのうずらが最上に美味しい。

波♡
表面はパリッと焼いて、中心部はモチモチ。他店と比べるならば、この部位が一番分かりやすいと思います。

かっぱ
やげん軟骨を「鳥しき」では、文字遊びでこう呼びます。今夜は肉々しい感じではなく、昔みたいに軟骨っぽい仕立て。変えたのかな?

砂肝
仕上げに胡麻油を塗っているので、焼くと揚げるの中間みたいな感じの砂肝。

かしわ♡
タレは鶏の旨味を逃がさないコーティングのよう。鶏が、鶏が美味しい。

血肝♡
薄皮一枚を残したような血肝(レバー)はクセなど微塵もなく、とろける食感と舌にからみつくような旨味を楽しめます。

食道♡
一口食べた瞬間に震えた。グッとくる旨味ととろける食感は

オクラ
獅子唐よりも断然オクラの方が好き。

はらみ♡♡
先程いただいた『かっぱ』の謎がここで解ける。串の真ん中に(多分)腰の皮を入れて、更にコクを底上げした『はらみ』。濃厚な旨味が凄い。久しぶりに出逢えた!

はつもと♡
内臓特有の甘い香りに誘われるように口にする。ゆっくりと歯が入り、スパンッと切れて、旨味が広がります。

恥骨
腿肉とは明らかに違う食感と旨味。プリンッと弾けて、しっとりとしています。

銀杏
苦味もなく、ホクホクした銀杏。

つくね♡
今回は確りとした仕立てで、時折感じる軟骨のコリコリ感と旨味が素晴らしい。

背肝♡
いつも取っておいてくれる池川さんの優しさに感謝。串を持ちあげただけ滴る脂は、口に入れた時に旨味の暴力となって暴れ出します。

手羽先の先の皮
同じ皮でも『波』とは違い、厚みもあって濃厚。カリカリに焼き上げて、タレで供されます。

ぼん
極濃厚なので、私は大根おろしを乗せて食べています。池川さんのオススメの食べ方よー。

厚揚げ♡
池川さんの『厚揚げ』は、外と内の一体化。表面には焦げがなく、まるで揚げてある部分だけを溶かしているかのよう。

茄子
じっくり油と出汁醤油をたっぷりと吸った『茄子』は、トロトロ。

手羽先♡
バチバチッと音を立てて供されて『手羽先』を食べて驚く。素晴らしい火入れと旨味は、池川さんの魂を感じられます。

ちょうちん♡
久しぶりに唸った。特大の『ちょうちん』は完璧と言わざる得ない素晴らしい味わい。池川さん、いつもありがとうございます♡

椎茸
たかが椎茸、されど椎茸。炭を纏うとここまで美味しい。

そり♡
腿の付け根の部位で、ここ「鳥しき」では最後に供される肉系の最強部分。歯を跳ね返すような弾力と圧倒的な旨味に溺れます。

膝♡
胡麻油の香りと白髪葱の風味を纏う『膝』は、程よい弾力の中に旨味も強くて美味しい。

そぼろ丼(ハーフ)♡
出来立ての鶏そぼろが盛られた『そぼろ丼』は、ちょっとだけ汁だくになっていて、コレが実に美味しい。必ずいただく〆ご飯です。

鶏スープ茶漬け♡
『親子丼』よりも、今はこちらの方が好き。ご飯はあの『焼きおにぎり』を彷彿とする炭火で水分を飛ばしたもので、上品な鶏スープの旨味をたっぷりと吸い込んでいて、実に完成度の高い〆ご飯。

今夜も3時間半。たっぷりと鶏に溺れた夜となりました。11月には延びに延びたNYのお店もついにオープンするそうで、更に京都にも「鳥かど」「鳥おか」に続く3つ目の支店を出されるそうです。ついに関西へと進出ですね。どこに支店を出されても、池川さんは目黒にいらっしゃるそうですが、あと3年後に何か起こるかも?

今夜も池川さんの魂と優しさに触れられた夜でした。ご馳走さま。14450


2019.7.

しとしとと降る雨の中、軒先にある錫の風鈴がチリンチリンと鳴る。引き戸をガラリと開くと、店主の池川 義輝さんが静かに燃えていた。
ここは目黒にある日本一予約の取りづらいと言われている焼鳥店の「鳥しき」。2ヶ月に1度くらいの定期訪問、今夜は珍しく2回転に入れていただいたので、定刻でのスタートです。

今夜の献立

さび
かしわ♡
白玉
砂肝

かっぱ
合鴨♡
食道♡
つくね♡
獅子唐
恥骨
トウモロコシ♡
丸はつ♡
手羽先の先の皮
血肝
せせり♡
椎茸

はつもと♡
厚揚げ♡
ぼん
アキレス腱
手羽先
そり
茄子
膝♡
ちょうちん♡
鶏スープ茶漬け♡
そぼろ丼♡
鶏スープ
(何度も書いているので、個別の説明は割愛です)

約4時間半くらい。今夜も「鳥しき」の全てを堪能させていただきました。内臓系の安定した美味しさは言わずもがな、最近になって仕立てが変わったと感じるのは『厚揚げ』。表面に焦げ目を一切付けずに焼き上げて、内と外の一体感のあるように仕上げているようで、モチッとした食感が楽しめます。
今夜もあまり詳しくは言えませんが、池川さんの優しさに触れた夜でした。いつもありがとうございます。

次回は9月。またゆるりと楽しませていただきます。15000


2019.5.

いつもの21時過ぎ。今夜も池川義輝さんの近火の強火の火入れを味わいに目黒の「鳥しき」へ。支店や独立などで、ほぼ毎回スタッフの方々は初見ですが、池川さんがここにいらっしゃる限りはずっと通い続けていたいお店。一昨年くらいまでは、なかなか予約が取れないことも多かったですが、ここ最近は頻繁に取らせていただいているので、嬉しい限りです。今夜もゆるりと楽しませていただきましょう。

今夜の献立

さび
不動のスターター。まずは炭の香りと山葵の鮮烈さを楽しみます。

丸はつ♡
いきなり供された大好きな部位。口に近づけるだけで香る甘い香りは、食べ終えても続くかのよう。今夜も素晴らしい!

かしわ♡
ザクッザクッと音を立てるような食感の中で、タレでコーティングされた鶏の旨味が広がります。

かっぱ
軟骨だけでなく、その周りの肉も付けておるので、かなり濃厚な味わい。

白玉
黄身はまるでクリームのような仕上がり。

食道♡
コッテリとした旨味の中にある内臓の甘味。独特の食感も大好きです。


『かしわ』よりはアッサリとしていますが、プリンっとした弾力があり、後味の甘味も素晴らしい。

銀杏
ホクホク感と仄かな苦味。塩加減も絶妙です。

砂肝
歯を跳ね返すほどの極上のサクサク食感を味わえます。

せせり♡
相変わらずのとろけるような『せせり』。このようなのは、なかなか出逢えません。

獅子唐
辛味がなくて、美味しい。

波♡
カリカリとした表面、モチモチとした中心部。このコントラストが素晴らしい。大根おろしを乗せて食べるのが、私のオススメ。

はつもと♡
広がるのは、内臓の強烈な甘味と香り。希少部位ですが、いつもそっと出していただいてます。池川さんの優しさに感謝。

アキレス腱
最近は、柔らかな軟骨を楽しめる肉系の部位となっています。

厚揚げ♡
久しぶりに驚いた。これは、凄い!焦げの一つもなく、豆腐の甘味が広がるような外と内の一体化がたまらない。

血肝♡
更に美味しさが高まってる…だ…と。とろけ方はいつも通りですが、感じる甘味と旨味が秀逸。

手羽先の先の皮
先程食べたのは首の皮ですが、これは厚みのある手羽先の部位。旨味がとても強い。

つくね♡
かなりよく挽いてあるタイプで、食感はフワフワとしていて、とてもジューシー。

手羽先
大胆に手掴みで食べるからこそ、皮と肉を同時に食べられる部位。骨の周りの肉まで綺麗にいただきます。


旨味の強い『膝』は、胡麻油香る白髪葱と共に。

そり♡
「鳥しき」において、肉系最強部位。ボリュームも凄いですが、大抵は最後の方に供されます。確りとした旨味と食感が素晴らしい。

ちょうちん♡
「鳥しき」のスペシャリテの一つ。味わいもさることながら、卵黄と卵管を別々に火入れしてから合体させる独特の焼き方もポイントです。

茄子
火傷必須のトロトロ茄子。最後の最後まで焼いて下さいました。

そぼろ丼♡
今夜のは、そぼろの汁が多めでご飯とよく絡み、私好みでした。

鶏スープ
濃度は比較的にアッサリとして上品な仕上がりですが、今夜は塩分が絶妙。

鶏スープの茶漬け♡
久しぶりにいただきましたが、変わらずの完成度。ご飯を平らにしてから焼き上げているので、スープの中でもカリッとした食感も楽しめます。

お弁当♡
コレもかなり久しぶりにいただきましたが…。進化している!昔は『ぼん』だったのに『肩』に変わっていて、更に肉々しくなっていました。一緒に添えられているタレと山椒をかけることで、一気に香りが華やぎ、お弁当が蘇るよう。素晴らしい味わいです。

今夜も終了したのが、0:30。途中からは池川さんを独占して、私の為だけに焼いていただきました。いつも遅くまでありがとうございます。
何度となく食べたことのある部位でも、毎回「!」と思うことが多くて驚きます。有名店ということに驕らず、更なる高みを目指す日々の研鑽から生まれる味わいはまだまだ進化が止まりそうにありません。

今夜もありがとうございました。次回も約束された幸せのひと時を楽しみしています。


2019.2.

目黒にある予約困難店としても有名な焼鳥店「鳥しき」。足しげく通うことで、信頼を得たお店の一つです。入店はいつもの2回転目、今夜も鶏を食べ尽くす時間がやってきました。

今夜の献立

さび
鶏が炭の香りを纏う。特に今夜は山葵の香りが鮮烈で美味しい。


凄いボリューム。腿肉に比べたら、ややしっとりとしているはずなのに…このプリッとした食感とこのジューシーさは素晴らしい。

丸はつ♡
是非、3回に分けて食べて欲しい。それそれに違う食感と旨味があり、池川さんの考えられた串打ちが分かるはずです。

かっぱ
やげん軟骨だけでなく、その周りの肉も一緒になっているので、滴るような脂とコリコリとした食感が楽しめます。

砂肝
串の中では火入れのタイミングが難しいという砂肝。いつもながら、心地よいサクサク感です。


表面はパリッと、中心部はモチモチとした食感を味わえる部位。

アキレス腱
更に肉々しくなって、軟骨のゼラチン質としっとりとした肉質を味わえる串になりました。

白玉
当初はトロトロの半熟から、今はクリームのような仕上がりになった白玉。

食道♡
一口目に入ると部分にはシャコシャコとした食感を、最後には皮も含めた濃厚な部位を口打ちしています。非常に考えられた一串。

芽キャベツ
焦げもなく、苦味も抑えていて、キャベツの甘味が際立ちます。

背肝♡
ザラリとした舌触りにネットリと溶ける内臓。口に入れる前から感じる内臓系特有の甘い香り。内臓こそ焼鳥の醍醐味だと思います。

かしわ
タレコーティングで鶏の旨味を確りと閉じ込めた極上の美味しさ。

手羽先の先の皮
『波』よりも分厚い皮。今度は脂を落とすように焼くことで、カリカリに。

恥骨
肉系の中では一番しっとりとして柔らかい。軟骨も柔らかく、いいアクセントです。

つくね♡
更に進化?口に入れると、ふわりと溶ける。そして口いっぱいに鶏のジューシーな旨味が広がります。『つくね』でこれほど感動するとは!

銀杏
焼鳥店で供されるので、好きになったもの。ホクホク感が結構好き。

はつもと♡
レバーのような、ハツのような食感がある部位。コレも実に内臓の甘さを非常に感じます。

せせり
中心部は、ほんのりとピンク色になるくらいの火入れ。だからとろけるような『せせり』になります。

厚揚げ♡
ほわんっとした食感があり、炭の熱が真ん中に込められているかのよう。

手羽先
個人的には前半終了を知らせる部位。骨の周りが美味しいので、手づかみで食べましょう。直ぐにお手拭きを交換してくれるのは、いつもながらに素晴らしいホスピタリティ。

ぼん
表面はカリッと仕上げて、噛めば濃厚な旨味が溢れ出します。

椎茸
焼いたのが好きな方も多いはず。溢れる椎茸ジュースは圧巻です。

じゃがバター
小さなじゃがいもを使ったじゃがバター。素晴らしい火入れで、ホクホクです。

ちょうちん♡
大きな卵黄のちょうちん。一口で食べれば、プツンと音を立てるように弾ける卵黄の濃厚な旨味が溢れます。

そり
一羽で2つしか取れない部位なので、この一串で一羽分という贅沢な肉系最強の串です。確りとした弾力があり、旨味も十分。

エリンギ
先程の『椎茸』がジューシーさならば、コレは食感。よく考えられた串打ちなので、コリコリ感がたまらない。

膝♡
菱形の皿で供される部位。『そり』と双璧をなす肉系の部位ですが、こちらの方が旨味とコクがあります。

血肝♡
池川大将が忘れていたので、追加注文。やはり、コレは食べたいよねー。

親子丼(ハーフ)
久しぶりにハーフで2種。まず供されたのは、親子丼。味わいには変わりないですが、やはり作り方が変わったのだろうか?底は白身が固まっており、思うほどにトロトロではなくなった…。

そぼろ丼(ハーフ)♡
最近はこちらの方がお気に入り。シンプルなれど、この塩そぼろは美味しい。

今回も入店から約4時間、途中は凄まじいスピードで提供していただき、ありがとうございました。内臓系は改めて美味しさを再確認し、そして『つくね』は進化したのでしょうか?素晴らしい味わいでした。何年経っても、どんなに有名になっても向上し続ける味わいと変わらない接客とホスピタリティは、流石としか言いようがありません。

次回は5月くらいに頑張って、予約をしたいと思います。今夜もご馳走さまでした。13750


2018.12.

入店は、いつもの21:00。30分もすれば、先にいらした方もいなくなって、次のカウンターの用意もしなくなり、もう
今夜は誰も入れないみたい。ごく稀にこんな夜はあるけど、特に今夜はこの後に何かイベントがあるのかな?と思うほどに客入りがなく、ほぼ貸し切り状態となった「鳥しき」。
高く積み上げた炭が赤く身を焦がしながら、灼熱の息吹をはく。そんな炭の息遣いも聞こえそうな静かな時間の中で、店主の池川 義輝さんが私の為だけに焼いて下さる。今夜はそんな贅沢さを味わいます。

今夜の献立

さび
炭を纏う。鮮烈な山葵の香りと鶏の甘みも感じられます。

かしわ♡
日に日に大きくなっているような気がする『かしわ』。歯を跳ね返すような弾力、噛みしめると溢れる脂、最後には甘みが広がります。

白玉
今ではクリームのような黄身の仕上がり。

かっぱ
周りの肉を絡めて串打ちすることで、攻めの串の1つとなってます。

砂肝
表面は艶めいて、口に入れれば弾むよう。焼き方の難しさは、串の中でもトップクラスです。

かしわ②
今度は山椒の香りをつけて。


首の皮。よく動かす部位なので、旨味も強い。『波』というのは、波を打っているので、言葉遊びの名前付け。

背肝♡♡
内臓の甘みが凝縮された部位が炭の香りを纏う。

食道♡
食べ終えた後もずっと口に残っているような存在感。心踊るような食感も好き。

オクラ
獅子唐よりも私は好き。

はらみ
内臓ですが、肉系とも取れるような食感。なかなかのレアな部位です。

アキレス腱
弾力のある肉に、時折感じるゼラチン質。軟骨だけでないので、肉系の部位と言えます。

銀杏
ホクホク感の中にほろ苦さがあり、美味しいと思えるようになったのは、最近かな。

手羽先の皮
先程の『波』よりは分厚く、カリカリとした焼き上がりに仕上げています。

茄子
火傷必須のトロトロ感。ハフハフしながら食べて下さい。

肩♡
神懸かった火入れ。『かしわ』よりもしっとりしているはずなのに、負けないくらいのジューシーさと弾力。素晴らしい!

合鴨♡
ジューシーさが極まりない『合鴨』。未だに山葵の有無の時が謎。

丸はつ♡♡
焼き場の熱をまだ宿していて、噛むことでそれは弾けます。命の塊。

つくね♡
今夜は特に素晴らしい。生の状態から焼かれる為によりジューシーで、肉の甘みを存分に感じられます。

せせり
先程の『波』を剥いだ肉が、この『せせり』。とろけるような食感です。

じゃがバター♡
大きさも、火入れも好み。


菱形の皿で供される肉系の部位。ジューシーさと旨味が強い。

はつもと♡
食感の面白さ、内臓の甘さを味わえる大好きな部位です。

恥骨
『かしわ』『肩』、食べ比べると分かる。肉質の違い。歯が吸い付くようなしっとり感です。

血肝♡
「鳥しき」の名物の1つ。先端にはつを串打ちすることで、特大のレバーを固定しています。口の中でトロリと溶けるレバーは素晴らしいの一言です。

厚揚げ♡
今夜は特に凄い。炭の熱をこの『厚揚げ』にぎゅっと閉じ込めたよう。

そり
今夜はここで肉系のボスが登場です。

椎茸
そこらへんの肉よりもジューシーな椎茸。

ちょうちん
看板的な串ですが…。アレを知ったら…。

ぼん
ポピュラーな部位ですが、あまりここでは見ないかも。『お弁当』には入ってますけどね。

エリンギ
コリコリとした食感を楽しめるような串打ちはさすが。

手羽先
骨の周りの肉まで綺麗に食べる為に、ここは手掴みで。すぐにおしぼりを差し出してくれるホスピタリティも素晴らしい!

スープ茶漬け♡
『親子丼』が有名ですが、これも絶品。中に入れるご飯は炭火でおこげを作り、カリカリとした食感に。具としてささみが入っており、スープの熱で半生状態にしています。

お弁当♡
「鳥しき」の味を家でリフレインできる『お弁当』。レンジで温めてもいいのかもしれませんが、ここはあえてそのままで。うーん、冷たい状態でもやはり美味しい。鶏そぼろの部分はご飯としっかり馴染んでおり、肉の部分はタレを少しかけて食べると、とてもよく合います。

年内最後の「鳥しき」として、悔いのない素晴らしい内容でした。来年の7月頃には、この味を伝える為と弟子が活躍できる新しい場所として、ニューヨークに出店するそうです。そうなると、気になるのは池川大将の動向ですが…どこに出店しても目黒の地からは離れないそうです。安心して、来年以降も「鳥しき」を楽しめますね。

今夜も遅くまでありがとうございました。来年もどうぞ宜しくお願いします。15450


2018.10.

trr…trr…。
電話をするにしても、受けるにしても「やっと、きたーっ!」と思うお店。目黒にある「鳥しき」に再訪。何百回と電話をかけるという苦行をしたとしても、やはり食べたいと思う「鳥しき」の焼鳥の魅力は、池川大将の火入れでしょう。今夜も大抵いつも座らせていただく席で、全てを堪能します。

今夜の献立

お通し
いつもながらにいい漬かり具合です。

さび
ほんのり火入れされたささみは炭の香りと山葵の鮮烈さを身に纏う。

肩 ♡
腿肉よりもしっとりとしているはずなのに、ブリンっと弾けるような弾力。久しぶりに、ちょっと驚いた。

手羽先の先の皮
『波』とは違い、カリカリに焼かれており、食感の先にある甘みがいい。

白玉
黄身はまるでクリームのような滑らかな舌触り。炭の火入れで、仕上げているのかな。

食道 ♡
食道とは言え、その周辺の部位も串打ちすることで食感と甘さが映えます。素晴らしい串です。

丸はつ ♡
焼き上がりが難しいと感じる部位ですが、温い部分なんて全くありません。ほとばしる脂と旨味がいつまでも熱を帯びています。

つくね
粗く挽かれた肉から溢れる肉汁、時折感じる軟骨のコリコリ感。生から焼くからこそのジューシーさ。

かっぱ
やげん軟骨だけでなく、はらみの部位も一緒にしていることで、この串は更に輝きを増しました。

砂肝
サクサクと心地よく、口の中で跳ね回ります。

銀杏
ホクホクした食感で、甘みと苦みも感じられます。

かしわ ♡
跳ね返すような素晴らしい弾力という食感。噛み締める度に溢れる肉汁。今夜は特に素晴らしい。

血肝 ♡
先端をはつで止めた桃色の特大レバー。口に入れれば、トロリととろけます。

腺胃 ♡
「鳥しき」の中でも、超々レアな部位。ゆっくりと歯が入っていき、その度に肉汁が滴り落ちます。食べ終えても、いつまでも口の中にあるような存在感は随一。

アキレス腱
アキレス腱だけでなく、その周りの肉も一緒にすることで肉々しさも生まれています。

はらみ ♡
最近はあまり出逢えなかった部位。サクッとした食感もあり、クニュっとした食感もあり、想像よりも脂っこくありません。

はつもと ♡
内臓は甘さ。このことを教えてくれる部位。レバーとはつのいいとこ取りのような美味しさがあります。

せせり
何故、ここのはとろけるような仕上がりなのだろう?肉系の部位はそれぞれ違った味わいが顕著に出るので、鶏の奥深さを感じられます。

厚揚げ ♡
表面には焦げもなく、中は激熱。池川大将の火入れは、今夜も神ががっています。

合鴨 ♡
ここまで分厚い合鴨は、なかなか出逢えない。山葵も効かないほどに、濃厚な脂が味わえます。

波 ♡
表面と中心部の食感のコントラストが素晴らしい。

恥骨
肉質は一番きめ細かで、しっとり感の中にもプリンっとした食感もあります。軟骨も柔らか。

手羽先
焼鳥の花形であり、大抵はこの部位が出されるとコースが終了というイメージですが、私の場合はここからボーナスステージに入るみたいな。豪快に手掴みで食べるのが、正解です。

じゃがバター ♡
小さなじゃがいもは、串にピッタリ。もっと大きくても、個人的には嬉しい。

ぼん
表面をカリカリに、中心部はコッテリと。良いところばかりをフューチャーしたような仕上がり。

椎茸
椎茸のジューシーさを閉じ込めた焼き上げ。ありふれた椎茸すらもご馳走です。

茄子
火傷必須のトロトロ加減。

背肝 ♡
そっと出してくれる池川大将の優しさに感謝。見る人が見れば分かる超レアな部位。内臓の甘さを感じるには、この部位が秀逸でしょう。香りすらも甘い。


肉質は腿肉よりもしっとりとしており、味わいが濃い。肉系では唯一、菱型の皿で供される部位です。大抵は最後の方に出されるので、食べてみたい方はリクエストを。

そり
腿の付け根の部位で、「愚か者はそれを残す」という意味のフランス語に由来する部位です。筋肉の塊なので、弾力と食べ応えがあり、皮・脂・肉の三拍子が揃った旨味があります。

そぼろ丼 ♡
白醤油?で炒って作られた鶏そぼろをたっぷりの海苔と一緒に。最近は『親子丼』よりもこちらの方が好き。

鶏スープ
濃度は低めで、味わいも濃くはないので、旨味のみを味わえるスープ。

今夜はいつもより手早く提供して下さり、ありがとうございました。忙しい中で供された『肩』『食道』『丸はつ』『かしわ』は、特に素晴らしい火入れで感動しました。23時に近づく頃からは、炭の息遣いも聞こえるほどに静かになり、滅多に見れないような雰囲気に。唯一心残りがあるとすれば、もし『ちょうちん』があったら、私が知っている限り全ての串(野菜串以外)を食べていたのに…ということかな。それでもかなりレアな部位の数々をそっと出してくれた池川大将の思いやりに大感謝です。

今夜も遅くまでありがとうございました。次回は年末、また宜しくお願いします。12500


2018.8.

入り口にある風鈴が夏らしく風に唄う今夜の「鳥しき」は、某店の店主さんといつもの『食べ尽くし』に挑戦です。

本日の献立

さび
ファーストアタックは、炭と山葵の香りから。

かしわ
味付けはタレですが、噛みしめる度に肉の味わいが口に広げていきます。

つくね
生の状態から焼き上げるので、まずは網の上で表面を焼き固めます。なので、すごくジューシーな仕上がりです。

かっぱ
最近、お気に入りの部位。軟骨だけでなく、その周りの肉も絡めていることで実に美味しい。

丸はつ ♡
素晴らしい火入れ!温いところなど一切なく、サクッとした歯切れを楽しんだ後に広がる内臓の甘み。いつもながら、感動の一串です。

白玉
黄身はやや半熟で、クリーミーな仕上がり。


表面はパリッと、中心部はもっちりとした皮。どのお店にもある部位だからこその違いを楽しめます。

砂肝
サクサク食感。焼き上がりの見極めが難しい部位。どうやって池川大将が見極めているかを見ているのも楽しみです。


かしわ(腿肉)よりもしっとりとした部位。噛みしめると、甘さが広がります。

手羽先の先の皮
先程の波(皮)と違って、かなり分厚い。カリカリに焼かれています。

獅子唐
定番の野菜串。実はさほど好きではなかったり…。

合鴨 ♡
鴨好きにはたまらない食べ応えのある合鴨です。山葵が乗る時と乗らない時があるのは、謎。

トウモロコシ ♡
夏の野菜串。醤油の香ばしい香りと味わいがたまりません。

食道 ♡
レアな内臓串。サクッ、クニュといった独特の食感も楽しめ、内臓の甘さが映えます。

銀杏
定番の野菜串。

はつもと ♡
はつとレバーの食感を合わせたような部位で、これほど内臓の甘さを感じられるものはありません。

血肝 ♡
「鳥しき」の看板串の一つ。今夜の火入れも素晴らしかったです。

ちょうちん ♡
バラして焼き上げるという池川大将独自の手法のちょうちん。拘っているからこその美味しさがあります。

ぼん
カリッと焼き上げたぼんじり。私はいつも大根おろしを乗せて食べています。

厚揚げ ♡
表面には焦げなどなく、中身は熱々。神がかった火入れです。

椎茸
定番の野菜串の中では、一番好きかな。

アキレス腱
これも相当レアな部位ですが、最近は意外と出逢えています。かっぱよりも、もっと確りとして食感があります。

手羽先
この部位が供されると、そろそろ終わりかなーと思います。焼鳥の花形の部位で、塩味なので鶏の旨味が存分に味わえます。


肉系の部位の中では、よりジューシー。かなりのボリュームもあります。

そり ♡
腿の付け根のあたり。濃厚な旨味が楽しめる素晴らしい部位です。

そぼろ丼 ♡
最近はハーフにして、2種食べてます。味付け・食感ともに素晴らしい丼です。

親子丼
出汁を楽しむ丼で、もう少し半熟ならば飲めるような感じに。

鶏スープ
濃度は濃厚ではなくて、じんわりと身体に染み渡ります。〆に相応しい味わい。

今夜も約4時間、実に素晴らしいものばかりでした。裏メニュー的な『焼きおにぎり』が7月で無期限停止だそうなので、残念。でも池川大将の鬼気迫る焼きを見ていると、無理もないなと言うのが正直なところ。

いつもいつも遅くまで、本当にありがとうございます。次回は10月、また宜しくお願いします。12550


2018.6.
夜風に吹かれながら、今夜も2回転目の入店となる目黒にある焼鳥の名店「鳥しき」。席につくと、「いつもみたいな感じでよろしいですか?」と聞かれ、勿論と頷くそのいつもみたいな感じとは、「鳥しき」で使用している伊達鶏を丸々一羽味わうような食べ尽くし。今夜は何時間かな?

今夜の献立

さび
挨拶がわりの串は、炭と山葵の香りを纏って供されます。

血肝 ♡
「鳥しき」のスペシャリテの1つ。おそらくは、みんな食べたいはず。

ぼん
余分な脂は落とされ、濃厚な旨味だけを閉じ込められた逸品。

白玉
行き始めた頃よりは半熟ではないけど、やや半熟の白玉。

膝 ♡
菱型のお皿で供される肉系の花形。かぶりついた後、是非とも断面を見てほしい。惚れ惚れするようなロゼ色です。

丸はつ ♡
その名の通り、はつを丸々焼いたものですが、この火入れは素晴らしいの一言です。

かしわ ♡
タレでコーティングされた肉は、噛みしめる度に旨味が溢れてきます。

つくね
軟骨を練りこんだ柔らかい生のつくねなので、初めは網を使って、表面を固めてから本格的に焼いていきます。

食道 ♡
クニュ。コリ。クニュ。楽しい食感と滞空時間の長い味わいの余韻が素晴らしい。

銀杏

かっぱ ♡
黒胡椒の刺激と軟骨の周り濃厚な肉が実に美味しい。最近のお気に入り。

獅子唐


他店でも必ずある部位なので、火入れの違いがよく分かると思います。表面はパリッと仕上げ、中心はモチモチとしています。

恥骨
肉はふわりと柔らかく、軟骨の食感が時折感じる珍しい部位。

手羽先の先の皮
波とは違い、タレの味わい。皮は分厚くカリカリに焼かれており、甘さすらも感じます。

砂肝
色の変化が乏しいために、焼き上がりの目安が難しい部位。池川大将は砂肝を焼き台に当てることで、その跳ね返り具合で見極めているようです。


かしわとは違い、しっとり感の中で鶏の旨味が溢れます。

厚揚げ
神懸かった火入れを感じられる厚揚げ。ハフハフしながら、食べて下さい。

合鴨 ♡
厚みもあり、旨味も脂もギュッと閉じ込められた合鴨。これで、冬は真鴨とか焼いてくれたら完璧。

せせり
口の中でとろけるようなせせりは、串を持ち上げるだけで脂が滴ります。

じゃがバター
誰もが大好きじゃがバター。野菜串の中で供されると、嬉しい。

はつもと ♡
はつとレバーのいいとこ取りのような食感で、内臓の甘さを実に感じられる素晴らしい部位。

ペコロス
芯まで確りと火入れされており、甘さも引き出されています。

背肝 ♡
トロトロにとろける舌触りと濃厚な脂と内臓の甘さ。実に美味しい。出会えたならば、ラッキーと言える部位です。

鶏スープ茶漬け ♡
〆ご飯の1つですが、遅くなりそうなのでここで登場。中にあるご飯は香ばしく焼かれたお焦げで、具として鶏刺しも入っており、完成度の高い逸品です。

手羽先
焼鳥の花形的な部位。手づかみで豪快に食べて欲しい。そして、直ぐにおしぼりが供されるホスピタリティはさすがです。

椎茸

茄子

そり ♡
最近はトドメの肉系串として供されることが多くなりました。ここまで届かない方は、是非リクエストを。

エリンギ

焼きおにぎり ♡
表面に鶏油?を塗りながら焼かれることで、バリバリとして食感になり、中はふわりとした焼きおにぎり。兎に角、時間がかかるので食べたい場合には、来店してすぐに注文することが必須です。

鶏スープ
片手で焼きおにぎりを食べ、時折スープを啜る。素晴らしいマリアージュです。

ちょうちん ♡
池川大将も分かっていた〆の逸品。この特殊な焼き方は、必見です。熱いはずなのに、熱くないように見えるのは不思議。

今夜は、たいていは席が空くような23時台でも満席状態だったので、今までで最長の5時間!となりました。でも鶏で満たされた感もあり、大満足な夜です。

池川大将、いつもいつもありがとうございます。また宜しくお願いします。12700


2018.4.
友達に誘われて、初の同月に2回目となる「鳥しき」。本日もラストまでいること間違えなしの21時入店です。

本日の献立

お新香
昔はコレでお酒を飲むのが好きでした。

さび
挨拶がわりの『さび』は、炭の香りと鮮烈な山葵の味わいに絶妙な火入れを楽しめます。

かしわ ♡
噛み締める度に溢れてくる肉汁は、鶏の旨さが際立ちます。

かっぱ ♡
最近、お気に入りの部位。軟骨に絡むように串打ちされている肉は濃厚で美味しい。

食道 ♡
シャコシャコとした独特の食感で、タレでコーティングされた旨さが溢れてきます。

白玉
やや半熟加減の黄身は、ねっとりと舌に絡みます。

ぼん
ちゃんと骨も外されていて、食べやすい。私は大根おろしを乗せていただきます。

はらみ ♡
濃厚な脂と適度な歯応えがあるこってりとしたレアな部位。


軟骨のコリコリ感、プルプルとした肉の食感、濃厚な味わいが『かしわ』との違いを楽しめます。

砂肝
この部位に関しては、食感が命。

手羽先の先の皮
同じ皮でもこれは分厚くて、濃厚。ちょっとカリカリに焼かれているのが美味しい。

せせり
他店で食べる同部位でも、「鳥しき」のはとろけるような食感です。

血肝 ♡
来る度に串の真ん中に刺さっている部位が大きくなっている気がします。クセのないとろける濃厚さは、スペシャリテに相応しい。

アキレス腱
これも最近のは肉も串打ちされているので、バリバリとした食感だけでなく、ジューシーさもあります。

獅子唐
炭の香りを纏うだけでも美味しさが変わります。

銀杏
皮ごと焼いて中まで火が通ったら、皮を剥き、また軽く焼き上げます。


表面はカリッと、中はもっちりとした火入れの違いが感じられる部位。

合鴨 ♡
ジューシーな肉に鮮烈な山葵の香りがたまりません。ジビエの季節には、真鴨とかやってくれないかな?

厚揚げ
今夜も池川大将の火入れは、神懸っています。

ペコロス
じっくりと火入れされるペコロスは、甘さが際立ちます。

はつもと ♡
見たことないほどに特大のもの。ハツとレバーのいいとこどりみたいな部位。

手羽先
手で豪快に食べることを推奨します。焼鳥の花形的な部位です。

じゃがバター
食べる時にはバターがじゃがいもに染み込んで最高です。

茄子
ヤケド注意のトロトロ加減。

ちょうちん ♡
今夜も卵黄は特大のものです。大将の拘りを感じる焼き方も必見です。


肉々しい中にも、時折軟骨の食感が忍んでいて食べ応えあります。

そり
肉系の部位の王者とも言える部位で、確りとした肉質に驚くでしょう。

親子丼
〆は親子丼。しかし今夜のは白身が完全に固まってしまっていて、好みではなかったです。

焼きおにぎり ♡
前回から次に来た時には食べようと決めていて、入店してすぐに注文しておきました。脂とタレを交互につけながら、じっくりと焼かれる『焼きおにぎり』は尊いの何ものでもないです。

鶏スープ
『焼きおにぎり』とこのスープを交互に食べながら〆る「鳥しき」も素晴らしい。

今夜も長居させていただきまして、ありがとうございます。やはり、いつ食べても何度食べても美味しいものは美味しかったです。

また宜しくお願い致します。


2018.4.
最近はいつも電車の時間を気にしなくていいように、車で訪れている目黒にある「鳥しき」。ところが当日はまさかの大渋滞!そんな日に限って、予想以上に早く女将さんからお電話をいただき、間に合いそうかな?と思っていたら、今度は通行止め!色々なトラブルにあいながらも、お電話を受けてから1時間後にやっと着いたお店。池川さんに謝罪したら、逆に謝られた。何故だ?

本日の献立

さび
挨拶がわりの串は、鮮烈な山葵の中にある鶏の甘さと火入れの素晴らしさを味わえます。

かしわ ♡
タレですが、その味で誤魔化すわけではなく、旨味を閉じ込めるコーティングのような感じ。鶏が!鶏が美味しい!

かっぱ
軟骨のコリコリ感もいいですか、間にある肉が好き。

丸はつ ♡
素晴らしい火入れ。大きさが違うなれど、温いところなんて全くありません。食べ終えた後、鼻に抜ける香りまでも美味しい。

砂肝
サクサク♪サックサック♪心地好い嚙み音。

合鴨 ♡
ここまで分厚いと、とてもジューシーで美味しいなぁ。

はつもと ♡
レバーと心臓をつなぐ部位。食べると、きっと驚くでしょう。この内臓の甘さに。

芽キャベツ
旬の野菜。苦味の奥にある甘さがいい。

じゃがバター
野菜の中では鉄板の美味しさ。時間がかかるので、早めの注文がベターです。

食道 ♡
独特の食感と濃厚な脂、そして甘みが口の中で一体となります。内臓は甘いということを教えてくれます。


菱型の皿で供される何ともボリュームのある部位。しっとりとしながらも、ジューシーな旨味が溢れます。

白玉
黄身はやや半熟。昔はもっとトロトロだったけど、最近はこのくらいみたい。

銀杏
もちもちとした食感で、美味しい。

波 ♡
つまり、皮。他店でも絶対にある部位なので、その違いがよく分かるはず。表面はパリッと、中はもっちりとジューシー。私は上に大根おろしを乗せて、いただいています。

ぼん
食べ応えのあるボリュームで、濃厚な旨味と脂が楽しめます。

つくね
この串には、是非とも卓上にある山椒をかけていただきたいです。香りがふわりと華やぎます。

アキレス腱 ♡
出逢えたならば、ラッキー。昔よりも肉々しくなっています。

血肝 ♡
「鳥しき」の名物串。薄皮一枚で形を保っているような感じで、口に入れた瞬間にとろけます。

厚揚げ
火入れの素晴らしさが光る料理。

背肝 ♡
甘さと脂が映えるジューシーさ。グロテスクな見た目ですが、精巣も串打ちされたなかなかレアな部位です。

ちょうちん ♡
「鳥しき」のスペシャリテの1つと言っても過言ではないでしょう。今回も卵黄の大きなものを焼いていだだきました。

手羽先
皮目はパリッと焼かれて、肉はとてもジューシー。豪快にかぶりつくのが1番です。

エリンギ
これも食感を考えて、串打ちしてあるなぁと感心させられる串です。

腺胃
とてもレア部位。こってりとして、どっしりとした濃厚さがあります。「鳥しき」の中で、一二を争うくらいの濃厚さはいつまでと口の中を支配します。

オクラ
結構、ぬるぬるしたものは好きです。

そり
肉系の王者ですね。皮もあるので、実にジューシーで美味しい。

ペコロス
このペコロスは、実に手間がかかる串だと思います。もしも池川さんの焼き場を見れる位置に座っていたならば、是非見て欲しいです。

鶏スープのお茶漬け
何気に初めて食べる〆料理。中に入れられるご飯は平らにして焼かれているので、スープの中でお焦げのような感じになり、これがまた美味しい。『親子丼』の人気に隠れていますが、素晴らしい完成度です。冬場はこれがベストかな。

今日は実に夢のような夜でした。私が昼間に行ったお店の店主が来店してきたり、何故か夜遅くには客入りは数人になったので私も昼間に会った友達を呼んだりして。かなーり遅くまで滞在させていただきました。ありがとうございます。

次回は、6月。また熱き池川さんの姿を見させていただきます。


2018.1.
ここ数ヶ月、日曜日の営業が隔週くらいになってしまったので、日曜日の予約席はよりプラチナ感が増した目黒にある焼鳥の名店「鳥しき」。今夜も2巡目スタート、オーダーはいつも通り。

入店して、まずは池川大将達に新年の挨拶。座ると、銀座の鮨店の親方もいらして、突然のご挨拶。こういうお店なので、芸能人や著名人も出逢ったことはありますが、お互いに面識のある方は初めてです。

今夜の献立

さび
変わらずに素晴らしい火入れ。山葵の香りも鮮烈です。

かしわ
弾むような弾力の肉の旨味をコーティングするようなタレの存在。挨拶がわりのタレ串は、最高です。


表面はパリッと、中心部はムッチリとしたコントラストのある火入れは、素晴らしい。

かっぱ
軟骨のコリコリ食感もいいですが、軟骨の周りに付いている肉が美味しい。

砂肝
胡麻油香り、黒胡椒のピリリとした刺激の中で、サクサクと心地よく歯切れます。

つくね
卓上には七味・山椒があります。是非、この串には山椒をちょっとかけて食べてみて。山椒の爽やかな香りとタレが凄くよく合いますよ。

食道
滑らかに、ねっとりと、時折シャクシャクとした食感。コッテリとした脂も美味しい。

銀杏

はつもと
内臓系の串の中でも、かなり好き。サクサクと心地よく歯切れ、後味は濃厚な旨味と鶏の甘味。このお店に通う理由の一つは、内臓が美味しいから。原点を思い出させてくれる串です。

白玉
初めて食べる方は、きっと驚く。この半熟さ加減に。

丸はつ
昔は普通の「はつ」があり、この串は知る人ぞ知る裏メニュー的な存在だったのですが。まあこちらの方が人気でしょうね。

アキレス腱
このお店でも、かなりレアな串。昔よりも肉っぽくなって、バリバリとした食感だけではないです。

せせり
最近気に入っている串で、ここの『せせり』はとろけます。

合鴨
鴨好きなので、食べ応えのあるこのボリュームは大好きです♡この季節ならば、合鴨じゃなかったら、なおいいのだけど。

血肝
このお店のスペシャリテ。薄皮で保っているようなトロトロ加減。レバーの概念が変わる串です。

手羽先の皮の先
先程、食べた『波』よりも厚くて、濃厚な脂が特徴的。

背肝
見た目はグロテスクですが、極上のトロトロ感と濃厚な旨味があります。通常だと、なかなか出てこないかも?食べたい時は、大将にリクね。

膝まわり
串でなく、菱皿で供される部位。白髪ねぎは胡麻油が香り、皮のパリッとした食感と食べ応えのある肉とゼラチン質がたまらない。

厚揚げ
表面には焦げはなく、中は温い。焼かれたことが分からないほどに綺麗。池川大将の火入れの素晴らしさ。

ぼん
ここのはちゃんと骨を外しているので、とてもいい。大根おろしを乗せて食べるのが、私流。

そり
腿の希少部位で、肉系の串では最高峰ではないでしょうか。大きいので、一口で食べるには難しいかもですが、口いっぱいの口福を味わえます。

茄子
極上のトロトロ加減。

ペコロス
茄子がトロトロ感ならば、これは極上の甘味。

手羽先
個人的には焼鳥の花形だと思っています。豪快に手で持って、骨の周りの肉を確りと食べ尽くしましょう。

ちょうちん
これも名物の一つで、〆に食べる方も多いでしょう。プツンと音を立てて弾ける卵黄のコクは、口福の始まりです。

椎茸

じゃがバター
野菜の中では、1番好きかな。


『かしわ』よりもしっとりで、上品なジューシーさがあります。

エリンギ
今夜の〆。堪能した〜。

親子丼ハーフ
「鳥しき」の〆ご飯は、5種。1番人気は、やっぱりコレでしょう。出汁の味わいが強く、安定した美味しさ。

そぼろ丼ハーフ
今更気づいたのですが、「ハーフにすれば2種食べれるじゃん!」ってことで、そぼろ丼も。

鶏スープ
じんわりとした鶏の出汁。今夜の味付けは、薄めだったなぁ。

約3時間、今夜も食べた〜。レアな串も取っておいて下さったのかな?私の知る限り、未食串は2種くらい。「鳥しき」の全てを堪能したといっても、過言ではないでしょう。

今夜もご馳走さまでした。今年も宜しくお願い致します。


2017.12.
年末のご挨拶を兼ねて、目黒にある名店「鳥しき」へ再訪。今回も2巡目の時間制限なしなので、いつものように「一通り」のおまかせです。

今夜の献立

お通し
いつものお新香。

さび
いつもの「鳥しき」のスターター。素晴らしい火入れと鮮烈な山葵の香りが鼻をくすぐります。

かしわ
見た目でも美味しい焼鳥と思えるビジュアル。ジューシーでもあり、しっとりとした味わいもあります。

ぼん
久しぶりに食べた「ぼん」。こんなにも食べ応えがあっただろうか。美味しい♡

丸はつ♡
胡麻油と黒胡椒のパンチのある名物的な串。串を持ち上げるだけで、肉汁が滴り落ち、噛み締めれば、その肉汁が溢れ出します。

食道♡
独特の食感と滴る脂が交互に織りなすハーモニーのある串。タレはコーティングという意味がこの串から分かるはず。

銀杏


波のように折り重なった皮は炭の香りを纏い、表面はカリッとして、中はもっちりとしています。

つくね
ややしっかりと挽かれた肉は、とてもジューシー。卓上の山椒をかけると、より香りが華やぎます。

はつもと♡
今回のはつもとは、特に素晴らしい。とろけるような食感に、程よい歯ごたえ。タレ味ながらも、肉の味わいがちゃんとする素晴らしい。

オクラ

血肝♡
「鳥しき」の看板串。まずはこれが食べたいと思う方も多いはず。大きく切ったレバーをとろける火入れで仕上げています。

背肝♡
とろりとした食感で、味わいは極濃厚。ちょっと見た目がグロいけど、実に美味しい。

かっぱ
所謂、軟骨。でもこの軟骨に張り付いている肉が美味しい。

手羽先の先の皮
さっき食べた波(皮)よりも厚く、より濃厚。それを表面をパリパリに仕上げて、噛み締めると脂が溢れてきます。

合鴨
食べ応えのある極厚の合鴨。それでも柔らかく、とろけるような肉質。

厚揚げ
神の火入れの宿る料理。

せせり
ここの『せせり』は、何故とろけるような肉質なんだろう。飲み物のような串です。

恥骨
このお店の中では、新しい部位。同じお尻の部位だと『ぼん』がありますが、味わいは真逆。


『恥骨』よりはしっとりしており、鳥でも部位より味わいが異なることを再認識。

ちょうちん
プツンと音を立てて、卵黄のコクが口の中で広がっていく。このお店のスペシャリテの一つ。

じゃがバター
何気に好きなこの串。池川大将の火入れの素晴らしさが分かります。

膝まわり♡
串ではなく、菱型の皿で提供される部位。ジューシーな肉質とゼラチン質のハーモニー。

そり♡
腿の付け根にある部位で、弾力のある肉質と食べ応えのある大きさがたまりません。

エリンギ

茄子

腺胃
このお店でもかなりの希少部位。特に今回のは大きく、むっちりとした歯ごたえと舌にまとわりつくような濃厚な脂が◎。

手羽先
焼鳥の花形とも言える串。皮のパリパリ感と骨の周りのジューシーさが美味しい。

白玉
大将が忘れていた串。最後に出して下さいました。

そぼろ丼
今回の〆は、そぼろ丼。親子丼も美味しいけど、このそぼろもご飯によくあって美味しい。

鷄スープ
最後は熱々のスープ。このスープをそぼろ丼にかけて食べても美味しいかも。

今回も約3時間半と「鳥しき」の味を堪能致しました。途中から隣にいらした方と情報交換などできて、新しい名店の扉も開きそうです。
来年も早々から予約済みですので、今から楽しみです。来年も宜しくお願い致します♡


2017.9.
生温い風が風鈴を鳴らす季節になりました。そんな風鈴の音を聞きに、目黒にある「鳥しき」へ。
今夜も『一通り』で注文です。

今夜の献立

お新香
最近は諸事情でやっていませんが、白ワインと合わせるのが好きです。

鶏そぼろ
あることは、かなり前から知っていたのですが、注文したのは初めて。〆の『鶏そぼろ丼』のお摘みバージョンです。薄めの味付けなので、単体でも美味しい。

さび
挨拶がわりの串は、やはりコレ!

かしわ ♡
タレ味ですが、コーティングのような感じなので、鶏肉本来の味と脂が味わえます。食べ終えた後も余韻が続きます。

線胃 ♡
かなりのレア串。持つだけで、脂が滴り落ちます。シャコ!シャコ!といった食感の後に、ジワリと濃い脂が溢れ出します。

砂肝
シャクシャクした食感がたまらないです。

白玉
食べてみると、分かる。ちょっとしたサプライズの串。

食道 ♡
独特の食感と余韻が続く脂の旨さ。私の好きな部位の一つです。

恥骨 ♡
腿肉よりもしっとり、胸肉よりもジューシー。ゆっくりと味わうべき部位です。

かっぱ
いわゆる軟骨ですが、軟骨の周りに付いている肉が美味しい。


表面はカリカリ、内側はモチモチしているので、ずっと噛んでいたくなります。

はつもと ♡
独特の食感を楽しみながら、噛むたびに溢れてくる脂と甘さが秀逸。

アキレス腱 ♡
これもレア串の一つ。確りとした歯応えの中にある肉の味わいが好き。

せせり
他店の同じ部位よりも、柔らかでジューシー。

手羽先の先の皮
先ほど食べた『波』よりもこってりとしていて、弾力があります。

血肝 ♡
「鳥しき」といえば…ってくらいに有名な部位。今夜のは、特別に大きかったです。

獅子唐
他店と比べたことないですが、普通でしょう。

トウモロコシ
夏の「鳥しき」の名物。何気に楽しみだったりします。

丸はつ ♡
最近はメジャーになった部位。はつがお好きならば、是非!

銀杏
さほど好きではなかったですが、このお店で好きになりました。

背肝 ♡
久しぶりに味わえました。独特の食感、滴る脂と甘さが素晴らしい部位です。

合鴨
これも久しぶり。食べ応えのあるボリュームです。

膝まわり♡
確りとした肉質とその周りにあるゼラチン質が楽しめます。ガブッと食べると、その両方が味わえて◎。

手羽先
焼鳥店の中でも最も食べ応えのある部位ではないでしょうか。パリパリの皮とジューシーな肉がたまらないです。

茄子
実は初の串。この茄子、すごい!何度も串の位置を変えながら、じっくりと焼かれた表面は確り、中はトロトロ♡

つくね
ふわりとした柔らかさの中で、時折感じられる軟骨のコリコリ感がいい。

厚揚げ
池川大将の火入れが1番よく分かる串。是非、他店と比べてみて下さい。

そり ♡
肉系が好きならば、必食の串です。

椎茸
絶妙な塩加減と椎茸汁が美味しい。

ぼん
是非、大根おろしを乗っけて食べてみて。実に美味しいですよー。

ちょうちん
〆はコレ!卵黄が大きいのを取っておいてくれたみたいですが、割ってしまったそうなので、今夜は小さめ。

親子丼 ♡
〆のご飯物。卓上にある山椒を少しかけると、香りが華やぎより美味しい。

鶏スープ
鶏がら何羽分なんでしょう。濃厚ながらも、ホッとする味わいは最後にぴったりですね。

今夜も無事に『一通り』、頑張りました。私が知っている部位で供されなかった(今夜はなかった)のは、『肩』『ハラミ』くらいですかねー。池川大将に感謝です。
とりあえず、今年の予約はもうないのですが、12月or1月は行きたいなぁ。

ご馳走様でした。また宜しくお願い致します。


2017.6.
久しぶりの2カ月連続での「鳥しき」。2回転目ですが、今回も時間制限がないので、一度やってみたかったことを決行です。

「nao.さん、いつものような感じでいいですか?」

「今日は食べ尽くしで、お願いします!」

「!…分かりました。堪能して下さい!」

という感じでスタートです。

今夜の献立

さび

肩肉
弾むような肉質で、噛みしめるとジュワリと肉汁が溢れます。

手羽先の皮 ♡
厚みがあり、表面はカリッとして、中はもっちりとしています。

かっぱ

丸はつ ♡♡♡
胡麻油の香りとスパイシーな黒胡椒。はつの弾む肉質は、丸々だからこそダイレクトに味わえます。

食道 ♡♡♡
ねっとりとした食感の中で溢れてくる肉汁は、後後味も美味しい。

白玉

獅子唐

かしわ ♡♡
焼鳥店の看板の串。今回はここで登場です。

砂肝

血肝 ♡♡♡
先端をはつで止めている独特のスタイルは、中心にある特大のレバーをしっかりと固定する為。絶妙な火入れで、とろけます♡

膝肉 ♡♡
串ではなく、別皿で供されます。皮はカリッとして、肉はジューシー。胡麻油をかけられた薬味の葱と一緒に食べれば、更に美味しい。

そり ♡♡
「鳥しき」の正肉の中では、一番なのではないでしょうか。一口では食べれない程に大きく、噛みしめるのが楽しいくらいの弾力があります。

せせり
味付けは極僅かなので、肉汁が甘い。

ちょうちん ♡♡♡
心地よくプツンと口の中で弾ける卵黄は、絶妙な火入れ。

銀杏

手羽先
ダイナミックな串なので、是非手づかみで綺麗に食べきってね。

はつもと ♡♡♡
はつとレバーの中間のような食感に溢れてくる肉汁。

厚揚げ ♡
何気ないメニューですが、これが火入れの素晴らしさを感じられます。

アキレス腱 ♡
「鳥しき」の中でも、かなりのレア串。しっかりとした歯応えで、噛むのが楽しい串です。

じゃがバター

恥骨 ♡
これもレアな串。お尻周りの軟骨で、とても柔らかくしっとりとして美味しい。

ぼん



小玉葱

親子丼(小)
出汁を味わう親子丼。〆のご飯物では、ダントツの人気ですね。

鶏スープ

3時間半という長丁場。これでも食べていない串や〆のご飯物はありますが、久しぶりにこのお店を堪能しました。どれだけ有名になっても、当初から変わらないクオリティとホスピタリティは、このお店の一番のウリだと思います。ますます予約困難になっていますが、できる限りずっと通いたい大切なお店の1つです。

今夜もご馳走さまでした。


夜風がまだ少し肌寒い日、今年初となる「鳥しき」へ。今夜は食べ歩きで有名な方と有名店の店主さんのお隣で、いただきました。久しぶりでしたが、池川大将はちゃんと私のことを覚えてらして、少し安心。

本日の献立

さび
挨拶がわりの串。相変わらず、火入れは素晴らしい。

かしわ♡
お店の看板串。ジューシーな肉汁に、適度な歯応えが心地よい。

はつもと♡
シャコシャコした食感の中で溢れる肉汁。

砂肝

そり♡
なんとも食べ応えのある串。パリパリの皮に包まれたモモ肉は、とてもジューシーで噛みしめる度に溢れる肉汁に溺れそうです。

白玉

手羽先の皮♡
通常の皮(波)に比べ、厚くて歯応えも強い。皮がお好きならば、是非この部位を食べていただきたいです。

つくね

手羽先

血肝♡
看板串の1つ。これを食べたい方も多いのではないでしょうか。先端のはつで、大きなレバーを止める串打ちをしてあり、とろける感じがたまりません。

かっぱ

厚揚げ♡
大将の火入れの素晴らしさは、この串が一番分かりやすいと思います。

せせり
よく見かける部位ですが、このお店のは柔らかく、微かな歯応えがあります。

膝♡
これも肉の部位が好きな方は、是非食べていただきたい。肉汁は濃く、食べ応えもあり、素晴らしい部位です。

じゃがバター
何気に好きな串。焼きに時間がかかるので、食べたい方は早めのオーダーがポイントです。

ぼん
最近は大根おろしを乗せて食べるのが、私のスタイルです。

食道♡
脂もあり、食感も楽しめる素晴らしい部位です。

丸はつ♡
定番化してきたレア串。丸々のはつは食べ応えもあり、噛みしめると肉汁がほとばしります。私的には『血肝』『ちょうちん』と共に食べていただきたい串です。

ちょうちん♡
締めはいつも看板串です。プツンと弾けるように口の中で完成する串だと思っています。

いつも電車の兼ね合いで、ゆっくりと出来なかったのですが、車で来たので最後までじっくりと堪能することができました。池川大将の行きつけのお店も教えていただいたので、そのお店にも再訪してみようかと思っています。
次回は来月。またたっぷりと堪能させていただきます♡


2016.12.
ガラリ。

「いらっしゃいま…え?」

(え?今日、予約だったっけ?)と、そんな表情の大将。

「お弁当を」と言うと、

「え?お弁当って、xxさんだったんですか?」

その瞬間、店内の視点を一斉に浴び、大将とちょろっと会話。

最近はめっきり予約が取れなくなってしまった「鳥しき」に、顔を忘れられない程度に行こうと思い、『お弁当』を買いにやってきたわけです。まあ、それ以外の試みもあったのですが…今回は失敗でしたね。

久しぶりに食べる「鳥しき」の『お弁当』の中身は、鶏そぼろ・椎茸・ぼんじり・シシトウ・かしわ・つくね・白玉で、塩味とタレ味で分かれています。お弁当なので、冷めてしまいますが、やはり美味しい。あまり知られていないかもですが、実は串もテイクアウトできるので、予約できない時はこれでもいいかなーって思っています。

来年に正式オープンする2号店の名刺も戴き、是非行ってみようかと。


2016.9.
最近、なかなか予約が取れなくて、もしかしたら今年最後になるかも?の「鳥しき」に再訪。今夜は2回転ながらも、時間制限なしで、池川大将の焼き場を見ながらゆったりと。

本日の献立

お新香

さび

かしわ ♡♡♡
焼鳥店の看板というべき部位。味付けはタレですが、決して濃い味ではなくて、鶏本来の味や脂の甘みを感じられる一串。

白玉

食道 ♡♡

砂肝



合鴨 ♡

丸はつ ♡♡

はつもと ♡♡

つくね

血肝 ♡♡♡

膝 ♡

アキレス腱のポン酢和え

ちょうちん ♡♡

ここまでで、3時間。久しぶりにゆっくりと食べれました。「nao.さん、食が細くなったんじゃないですか?」と心配されましたが、「 大将、かなりいただいてます 笑」レアな串を黙っていても出してくれる大将の心遣いに、今夜も感謝です。
そういえば、私の通っている鮨店の親方が食べに来られたらしい。次回、その鮨店に行った時に話してみましょう。

ご馳走様でした。


2016.7.
久しぶりに開店時間からの「鳥しき」。真っ白な暖簾と共にチリンチリンと鳴る風鈴が付けられ、焼鳥店ではあまり感じられない四季を感じさせます。店内には凛とした雰囲気が流れていて、これから忙しくなる焼場の炭が静かに燃え上がり、池川大将の登場を待っています。

本日の献立

お通し
何気なく出されるぬか漬けですが、美味しい。最近は白ワインと合わせています。

さび
スタートはこの串。山葵の洗練さがよく映えます。

血肝
この「鳥しき」の看板とも言うべき部位。先端にはハツを刺し、特大のレバーを止めています。大将の絶妙な火入れがなすプリプリ感は素晴らしい。

食道
シャコシャコした食感で、程よい脂。美味しい。

丸はつ
定番となったレア串。口にすると、一気に脂が溢れます。素晴らしい火入れ。

アキレス腱ポン酢
新メニューなのかな?大将が出してくれました。「鳥しき」の中でも☆☆☆クラスのレア部位で、しっかりとした歯応えが楽しめます。

ぼん
最近は口直しに出される大根おろしを乗せて食べています。オススメの食べ方ですよ。

はらみ
これも☆☆☆クラスのレア部位。ゆっくりと歯が入っていき、最後にシャクとした歯応えが残る。食べ終えた後も残るコッテリ感は、独特。

背肝
ちょっとグロテスクな見た目ですが、脂乗りは別格。ふわりとした食感で、時折プチっと弾けるような食感もあります。

トウモロコシ
夏の定番野菜。夜店で焼いているのとは、全く違う。大将が焼くと、ここまで洗練されるのかと思うほどに美味しい。

ちょうちん
これも「鳥しき」の名物。口の中で弾ける卵黄とそれに絡まる部位は、美味しいの一言。

白玉
持てば分かる。この鶉の卵は半熟なのです。単なる卵でも感動はあります。

はつもと<魂の一串>
これも私が好きな部位。肉の味が分かる絶妙な塩加減。美味しい。


最後は膝周りの肉。かなりのボリュームがあり、しっかりとした脂と肉質は焼鳥という概念を払拭します。

親子丼
某百貨店のイベントで、数万食を売り上げた有名丼。見た目は生っぽいですが、意外とちゃんと火入れされています。

鳥スープ
飲むと唇に膜が張るほどの濃度。塩気はさほどなくて、肌にも良さそうな感じ。

今夜も他を圧倒するほどのスピードで提供していただきました。ありがとうございます。また串の本数は少なめがですが、レア部位ばかりで新しいメニューも食べることができ、満足。また宜しくお願いします。

ご馳走様でした。


2016.4.
目黒にある焼鳥の名店「鳥しき」に定期訪問。最近は日曜日の2回転目が多く、まったりとした時間が流れ…なかった‼︎2カ月前の予約なので、先日の催事やテレビの影響はないと思いますが、23時くらいまではずっと満席が続いてました。さすがに池川親方もちょっと疲れていたかな。

本日の献立

・さび
・血肝
・波
・せせり
・かっぱ
・つくね
・砂肝
・丸はつ
・はつもと
・ちょうちん
「鳥しき」ならではの近火の強火で焼き上げ、卵黄の部分は表面が少し固まったくらいで、口に入れればプツンと弾けて絡みます。是非とも食べてもらいたい名物の串と言えます。
・膝
・そり
・厚揚げ

「本日はいつもお出ししている部位がなくて…」と仰っていましたが、私の好きな部位はあって満足です。いつもいつも限られた時間の中で、多くの串を出していただきありがとうございます。
今回は初めて座る場所だったので、親方の右手の爪を生で見たり、帰り際に最近行ったお店のことなどをちょっとお話できて良かったです。

また宜しくお願いします。ご馳走様でした。


2016.1.
新年のご挨拶をする為に予約した「鳥しき」へ再訪。でも今夜は珍しく2回転目で、21時からのスタートです。まずは、冷えた身体を熱燗で温めましょう。新年ということで、お忙しい中、池川親方からお酌していただきました。ありがとうございます♡

今夜の献立

さび

かしわ

丸はつ
やはりこの部位は、欠かせません。

腺胃
鳥の胃袋。歯がジワリと入っていき、シコシコとした食感で、かなり濃厚な味わいです。随分と通ったつもりですが、まだ未食の部位がありました。池川親方曰く、かなりのレア串だそうです。

背肝
ふんわりとし食感の中で、味わうしっかりとした脂とプチっと弾ける精巣は、私の好きな部位です。

白玉

アキレス腱
これもレアな串。前回に引き続き、いただくことができました。



食道

血肝

ちょうちん

はつもと
血管特有のシコシコした心地よい食感があり、脂も楽しめます。

そり
正肉が好きならば、食べて欲しい何とも食べ応えのある部位です。

鳥スープ
食後のお楽しみ。透明な中にも、唇に膜が張るくらいのコクがあります。

今夜はちょっと遅くなったので、早めに切り上げました。それでも好きな部位は十分に食べることができたし、親方や女将さんにもご挨拶できたので、満足。親方は、満足してなかったようですが(笑)

次回の予約はまだ取っていませんが、今年も何度でも行きたい大切なお店です。


2015.12.
今年最後の「鳥しき」。いつもの時間で、いつもの席でまったりと。

本日の献立

さび

血肝

皮ポン酢

食道

かしわ



アキレス腱

つくね

背肝

はらみ

丸はつ

厚揚げ

はつもと

恥骨

膝肉

ちょうちん

そり

親子丼

今夜はお弁当の注文が多く入っていたようで、提供がかなりスローリーな展開。さほど食べてないうちに、そろそろ帰りの時間が…。その時、ご主人が提供数に納得してなかったようで、「時間、気にしなくていいので」と延長してくれたので、レアな串ばかりいただきました。

中でも久々に食べられた『アキレス腱』や『はらみ』、『恥骨』は美味しかったです。『丸はつ』『背肝』『食道』あたりは、もう私が好きなことをご存知なので、何も言わずとも出していただけます。そういえば、他店では見かける部位がないなぁと思っていたら、実はあるみたいで、次回は食べようと企んでいます。

物腰の柔らかな女将さんとちょっと早い年末のご挨拶をして、吐息舞う夜に帰っていくのです。
次回は新年早々です。

今年もありがとうございました。


2015.9.
いつもの時間、いつもの席、違うのは感じる風の匂いが、だんだん秋めいてきたことかな。そんなことを思いながら、今夜は「鳥しき」。
ご主人に「赤坂のSの親方が、たまには入れて下さいって仰ってましたよ」と言うと、「‼︎ 行かれるのですか?」と驚かれてました。何とも、狭い世界ですね。あの雰囲気の中で、ご主人と会話するのは難しいですが、いつかは話しながら食べてみたいです。

今夜の献立

さび

血肝

食道

背肝

かしわ

白玉

つくね

ししとう

丸はつ

はつもと

合鴨

銀杏

手羽先

玉葱

ちょうちん



そり

今回は、2回転目のお客さんが遅れているので、ゆっくりどうぞとのご厚意に甘え、歴代最高の滞在時間となりました。次回の予約はまだ出来ていないので、もしかしたらこれが今年最後の訪問となるかもしれません。人気店になり、非常に予約が取れなくなっていますが、また必ず再訪します。

ご馳走さまでした。


2015.6.
黒い壁に、印象的な白い暖簾がたなびき、チリンチリンと風鈴の誘いと共に、今夜も「鳥しき」が開店です。予約の名前を告げることもなく、いつもの席へ案内されます。ご主人と女将さんに軽い挨拶を交わして、今夜も堪能致しましょう。

今夜の献立

さび
始まりの串は、やはり皆一緒のようです。

血肝
相変わらず、素晴らしい火入れです。

はつもと
ここら辺から私の内臓系の献立に分岐。

食道
私の好きな部位。ちゃんと入れてくれる。ありがとうございます♡

ちょうちん
いつもは〆なんだけど、今夜は早めに出してくれました。焼きに時間がかかるので、一番最初に焼き始めてくれました。

つくね
食べ応えのあるボリュームで、美味しい。

恥骨
実は今夜の宿題メニュー。未食だった部位です。肉は柔らかくジューシーさとしっとりさを兼ね備えた感じで、かっぱよりも歯応えのある軟骨があります。


小皿で供される肉系の部位。

丸はつ
たまたまなのか、今夜は串でした。丸はつ二個分♡

砂肝
ラストには珍しい部位。多く提供したいというご主人の思いを感じる一串です。

今夜は一時間という最短の時間でしたが、いつも以上のハイペースで供して頂きました。ありがとうございます♡
夏の予約はできなかったので、次回は秋頃。また宜しくお願い致します。


2015.4.
桜咲き、花吹雪が舞い散る肌寒い日、「鳥しき」に再訪。本来なら2カ月前に予約するのが常なのですが、今回は6月分を予約する際に、念のため4月分の予約状況を聞いてみると、ちょっとした隙間があったので、予約させて頂きました。1人客のなせる技です。

今夜の献立。

さび

血肝

かっぱ

食道

白玉

背肝

おくら

かしわ

ぼんじり

丸はつ



そり

ちょうちん

このお店に関しては、たいていのものは食べ尽くしたと思うので、その日に感動した串の写真を載せようと思います。で、今夜の一番と思ったのは、やはり『丸はつ』かな。2つくれたのは謎ですが、嬉しい限りです。内臓系が好きなので、定番の『血肝』『ちょうちん』や希少部位の『食道』や『背肝』が供された時は、心躍りますね。
実は電話の際に「すごい短時間になってしまい、申し訳ないです」と女将さんから言われるほどに短い予約時間だったのですが、後のがキャンセルになったのでしょうか?「ごゆっくり、どうぞ」と言われたので、たっぷりと堪能できました。

次回は5月。またゆっくりできたら、いいなと密かに思っています。


2015.1.
今年の「鳥しき」初めは、めでたくも1月中にでき、新年のご挨拶をご主人らと交わすことができました。いつもは開店同時の入店ばかりだったのですが、今回は21時という初めての時間帯です。焼き場は勿論、忙しいには変わりないですが、お客さんはどこかまったりとしていて、柔らかい空気が漂っている感じ。

今夜の献立。

さび
鳥刺しがない今、その味に近いのは、この串。

血肝
レバー嫌いでも、一度は食べて欲しい串。大きく、食べ応えがあります。

食道
私の好きな部位の一つ。時折感じるシャコシャコ感がたまりません。

白玉

はつもと
私の好きな部位の一つ。心臓の付け根部分なので、くにゅとした歯応えがあります。

つくね
軟骨を練り込んだ逸品。

芽キャベツ
旬の野菜ということで、今夜は皆さんに出されてました。

かしわ
改めて、美味しいと感じた串。プリプリの弾力です。

背肝(腎臓)
久々に出逢えた内臓系最強と思っている串。トロリと、とろけます。

厚揚げ
ご主人の火入れの素晴らしさをダイレクトに感じられるのが、これだと私は思っています。

丸はつ
今夜は2つですよー♡あまり教えたくない部位です。

かっぱ
ここら辺から、肉系。


皮といっても、侮るなかれ。


皮目はパリッとしていて、肉の部分はジューシー。食べ応えがあります。

そり
最近は多くのお店で見られるようになりました。腿の付け根部分。肉系最強です。

ちょうちん
今回は卵黄の部分が大きすぎて、外れてしまうとのことで、別皿で提供。やはり〆は、この串です。

もうご主人は、私が内臓系が好きということを知ってらっしゃるのでしょう。レア内臓系ばかりです(笑)しかも遅い時間だからないかもと思っていた『背肝』や『丸はつ』などがあり、今夜は大満足でした。ご主人とちょっとお話しもできたしね。

味と同様に、私の心を掴んで離さないのは、そのホスピタリティー。研鑽していく味と、益々有名になっていく中で、焼鳥店とは思えないほどのホスピタリティーの高さは、本当にすごいことだと思います。

「感動のある焼鳥店」
これからも大切にしていきたいお店です。本年度も宜しくお願い致します。

ごちそうさまでした♡


⑩2014.12.
最近はイタリアンやフレンチの開拓にも手を出しているので、リピート率が益々低くなってきている中で、食べたいと思うのは感動を与えてくれるお店。その一つが目黒にある名店「鳥しき」です。

予約困難な焼鳥店ですが、常連さんで早々と席が埋まるということなく、ひたすら電話をかけ続けるという根気(食欲とも言う)があれば、何とかなるお店です。いつの間か私もすっかり名前で呼んで頂けるくらいになりましたが、予約日には200回以上のリダイヤルをします。やっと繋がって、希望日を言い、名前を言うと「あ、いつもの方ですね?」と言われます。焼鳥店なのだから、いてもおかしくないと思うのですが、未だ一人客に出逢ったことがありません。一人客である私はとても珍しく、変わったものを食べるので、印象的なのだと思います。

今夜の献立

さび
私のレビュータイトルの「ちはやぶる神の火入れ」は、もうここから感じられるはずです。

砂肝

皮のポン酢和え(注文)
今回、「一品料理を食べる」という課題を持っていました。以前は『たたき』などの鳥刺し系があったのですが、現在は提供していません。「じゃあ、今は何があるの?」と思い、聞いてみたところ、現在は2品の一品料理があるそうです。その中の一つが『皮のポン酢和え』。皮の表面をカリッと焼き上げ、薬味を乗せ、ポン酢をかけていただきます。これがなかなか美味しい。薬味の爽やかさとポン酢の酸味が皮とよく合います。

白玉

かっぱ

血肝
今回のは特に大きくて、食べ応えがありました。クセや血腥さなどは微塵もないので、絶対に食べるべき串です。

椎茸

ぼん

かしわ

銀杏

食道
私の好きな部位。適度な脂もあり、食べ応えもあり、とても美味しい。

丸はつ(注文)
久々に出逢えた!名前の通り、はつ(心臓)を丸のまま焼いたもの。1羽につき1つしかない部位なので、希少価値が高く、ホントはあまり存在を教えたくないです。


基本的に私は内臓好きですが、肉の部位の中では好きな部位です。

ジャガバター(注文)
前回食べた『トウモロコシ』が素晴しく美味しかったので、野菜もいいかなと思い、注文。その結果、大正解!ホクホクとした火入れはさすがです。焼き上がるのに時間がかかるので、早めの注文はベター。

厚揚げ
何気に提供されるこの『厚揚げ』、実は「神の火入れ」を一番感じられる逸品だと思っています。

そり

はつもと(注文)

ちょうちん

手羽先

お弁当
今回は〆のご飯を食べなかった理由は、ここにある!実は『お弁当』って初めてなんです。粗めに挽いた鶏そぼろに、椎茸・ぼん・かしわ・つくねを盛った豪華なお弁当。お店で食べるのも勿論いいですが、家で食べる「鳥しき」の味もいいですね。


⑨2014.8.
久々に「鳥しき」で一杯。今年はあまり行けなかったのですが、ご主人はちゃんと覚えていて下さり、感謝です。

今夜の献立はこんな感じ。

さび
かしわ
とうもろこし
アキレス腱(稀少)
食道(稀少)
はつもと(稀少)
しいたけ
かっぱ
腎臓(稀少)
膝(稀少)
首の皮(稀少)
つくね
ちょうちん
ソリ(稀少)
血肝

〆は「新チューボーですよ!」で、街の巨匠にも登場していた『とろとろ親子丼』。

あまり私に野菜系は供されないのですが、今回出してくれた『とうもろこし』は、すごく甘くて美味しかったな。べ、別に野菜が嫌いってわけじゃないんだからね(笑)
今夜の献立の中で、1番を挙げるならば『腎臓』かな。内臓好きで、ゴメンナサイ。

ごちそうさまでした。また冬に伺います。


⑧2014.2.
2014年初の「鳥しき」へ。いつも18:00開店と同時に何名かと一緒に入るのですが、今回は5分くらい誰も来ず、一ヶ月遅れの新年の挨拶をちゃんと交わすことができました。いつもの席、いつものお任せでスタート。飲み物だけは気分によって変えますが、最終的にいつも日本酒になります。最近は焼鳥にワインというマリアージュも多くなりましたが、私はやはり日本酒が一番合うような気がします。

本日の献立

かっぱ
かしわ
ソリ(希少)
はつもと(希少)
芽キャベツ
ちょうちん

白玉
つくね
食道(希少)
血肝
膝(希少)
ハラミ(希少)
親子丼

今回は、こんな感じになりました。久々にご飯ものが食べたくなったので、いつも定刻ギリギリまで串を食べているのを早めに切り上げて、『親子丼』を注文です。あまり『親子丼』って食べないのですが、ここのは素晴しい火入れで、トロトロ感を味わえ、美味しい。未食の方は、是非。


⑦2013.11.
おそらくは、今年最後の「鳥しき」に再訪。いつもの時間、いつもの席で、今夜も一杯です。でも、今夜はキャンセルがあったそうで、ゆっくりしていいとのご主人の言葉に甘えることに。2ヶ月前の予約なので、意外とキャンセルはあるみたいです。

今夜の献立。

・さび
・肩(希少)
・かっぱ
・波
・アスパラ
・白玉
・椎茸
・ソリ(希少)
・血肝
・膝(希少)
・アキレス腱(希少)
・はつもと(希少)
・丸はつ(希少)
・食道(希少)
・ちょうちん

今夜も美味しく、いただきました。初めて行かれる方は、たいてい『おまかせ』だと思うのですが、食べたい串があれば、ちゃんと言えばご主人が取り入れてくれます。特に希少部位と言われる串は、言わないと提供されないことが多いので、ご注意を。
私のオススメは、肉系ならば『ソリ』、内臓系ならば『丸はつ』『食道』。どの串も大振りで、食べ応えもあって美味しい。そして、絶妙な火入れを楽しむならば、『血肝』や『厚揚げ』。
〆のご飯ものも、『親子丼』などは必食。でも私は、串とお酒で楽しむのが、『鳥しき」では好きなのです。


⑥2013.9.
「鳥しき」に、再訪。いつもの席、いつもの『おまかせ』で、今夜も一杯。顔と名前も覚えて戴き、すっかり常連になってしまいました。ありがたいことです。

今夜の献立。

・さび
・血肝
きっと最初は、この二本が提供されることが、多いはず。基本的に、右側に提供されるのが『塩』で、左側に提供されるのが『タレ』です。最初に提供されるお皿は、そのまま取り皿として使うので、『塩』と『タレ』を間違えないようにしましょう。

・はつもと(稀)
・食道(稀)
ここからは、私のコースに分岐。メニューにはない稀少部位です。

・椎茸
・まるはつ(稀)
椎茸、元はすっごい大きいんです。まるはつは、最近のお気に入りです。

・白玉
・銀杏
きっと誰もが、「おっ!」と驚く白玉。何故かは、ナイショ。

・波
・つくね
つくねは軟骨も練り込んでいるので、ジューシーさとコリコリ感が楽しめます。

・背肝(稀)
・ソリ(稀)
背肝は腎臓のこと。コレも、美味しい。そして、ソリ。コレは腿の付け根の部分または股関節のことで、かなりの食べごたえのある部位。是非、食べてみて。

・肩(稀)
・ちょうちん
肩もメニューにないです。内臓系だけが、稀少部位ではないんですね。串の〆は、ちょうちん。美味しい♡

・親子丼
・鳥スープ
今夜は、久しぶりにごはんものをいただきました。

いつも思うのですが、私だけ提供スピードが違うんです。というのも、私だけ90分という限られた時間で、席を取ってもらっているので、ご主人が気を遣って下さっているのです。そして、メニューにないような部位を食べているので、提供されると同時に、「アレ、何?」といった隣の人からの視線が…^^;
実は、2ヶ月連続で予約取れたので、また来月もお願いしまーす。そろそろ『たたき』が食べたいぞよ♡


⑤2013.7.
新しくオープンした「鳥しき」姉妹店の「ガルス」も気になるところですが、今夜は予約した「鳥しき」へ。ちょっと早めの入店といつもの席は、変わりません。

久しぶりに『たたき』をいただきたかったのですが、季節の関係で、今は自粛しているそうなので、食べられずorz さて、今夜もお任せなのですが、「今日ある希少部位を多めに食べたい」とお願いして、スタートです。

・かしわ

・ぼんじり

・ししとう

・合鴨
 絶妙の火入れ。柔らかく、噛むたびに脂が溢れ出す。

・はつもと(稀)
 コリコリサクサクの食感。脂も十分。

・食道(稀)

・かっぱ

・血肝

・まるはつ(稀)
 名前の通り、心臓を丸まる。サクサクの食感。

・波

・ひざ(稀)
 脂はある。が、こってりとした感じではない。程よい食べ応え。

・ソリ(稀)
 とても食べ応えがあり、程よい脂に、程よいしっとり感。

・手羽先の先の皮(稀)
 厚めの皮で、表面はパリパリ、中はねっとりとした感じ。

・厚揚げ

・ちょうちん
 〆はやはりコレでしょ!

という内容になりました。今夜はゆっくりして大丈夫というので、随分と食べることができました。お好みで食べるのもいいけど、お任せの方がワクワクしていいよね。ご主人、今夜もとても美味しかったです。また宜しくお願いします。


④ 2013.5.
今年初の「鳥しき」へ。どうやら名前と顔を覚えて下さったようで、いつもの席でいつものオーダーで、今夜もスタートです。今回は〆のご飯ものは食べない予定でしたので、焼物だけでいただきました。

・かしわ
 まずはしっかりとした肉を楽しみます。

・つくね
 軟骨も入った粗挽きの塩味のつくね。

・白玉
 口に入れて、ビックリの半熟さ。

・かっぱ
 肉も残してある軟骨。

・合鴨
 おろしたての山葵をつけて。

・エリンギ
 実は初の野菜系。

・波
 首の皮。パリパリというよりは、ネットリとした感じ。

・砂肝
 大きいところが嬉しい部位。

・茄子
 熱々のトロトロ食感。

・手羽先
 手羽先は、皮の部分と肉の部分が十分に楽しめて好き。

・血肝
 火入れの素晴らしさを楽しめる一串。生のようで、生じゃないんです。

・銀杏

・肩の肉
 初となる部位。十分な脂と肉々しさが美味しい。

・厚揚げ
 何気にこれも火入れの妙が楽しめます。

・食道
 食感と脂も楽しめる私のお気に入り部位。

・小玉葱

・さび焼き
 最近の〆の串です。

・〆の鳥スープ

今夜はこのような献立。スタート時はまだお客さんもまばらだったので、、かなりのハイペース出され、いつも以上に多くの串を食べることができました。串の一つ一つの完成度も高く、接客もとても丁寧で、より素晴らしいお店に進化していっています。なかなか予約しずらいのが難点ですが、コンセプトの違う支店も近日中にオープンだそうなので、楽しみですね。
次の予約ももうしてあるので、その時は希少部位を多く食べたいと思います。



目黒にある焼鳥の名店「鳥しき」に3ヶ月ぶりの訪問。今回も18時開店と同時に予約で満席となり、焼き場は戦場になります。今回も電話予約の際に注文していたものがあり、それからスタート。あとは「お任せ+稀少部位」といつもと同じ感じにしました。

・血肝刺し
 電話で「たたき以外にありますか?」の問いに答えていただいたのが、コレ。完全な生ではなく、かるーく炙り、冷水でしめて出されます。血生臭いということはなく、角のたったレバーは口に入れると、プツンと弾け、とろけます。『血肝』が好きな方なら、絶対に食べるべき逸品。

・かしわ

・ぼん
 お尻部分。何気に未食でした。

・はつ
 これも未食。さくりと切れ、プルンとした食感。


・はつもと(稀)

・銀杏

・食道(稀)
 私のお気に入りの部位。

・砂肝

・かっぱ
 軟骨なんですが、さりげなく肉も残していることがニクい。

・合鴨
 かなり肉厚であるが、柔らかな火入れを感じれます。

・手羽先
 かなり大きく、味つけは塩です。骨の周りの肉はやっぱり美味しい。

・厚揚げ

・ちょうちん

今回の献立はこんな感じでした。たいてい「お任せで」というと、『さび焼』『血肝』と出されるのですが、『刺し系』を最初に注文すると、献立が変わっていくみたいですね。


この「鳥しき」では、特に何時までという時間が決まっていないのですが、私の場合は無理を言って席を用意していただいているので、90分間なのです。そのため串の出方が異常に早く、他のお客さんが1本提供されるのに対して、2〜3本提供されます。「なんで、あの客ばかり」と思っていた方、ゴメンナサイ。
たいていの串は食べたかなと思いますが、私のお気に入りの部位は稀少部位である『食道』。ボリュームもあり、こってり感もありつつ、柔らかい軟骨のようなコリコリ感も味わえます。今回もいただくことができ、満足ww まだ次回の予約はできていませんが、またドラマのような焼鳥を味わいに行きます。


6月に感動を覚えた目黒にある焼鳥の「鳥しき」。8月分の予約は取れなかったので、9月に再訪となりました。今回は電話予約時から注文しておいた料理があり、それからスタートです。基本オーダーとしては、いつも通りに「お任せ+希少部位」というかたちで、御主人の池川さんに全てをゆだねました。

では、一気にご紹介!でも前回食べた串は、写真を撮らなかったので、未食のものだけを撮らせてもらいました。

・たたき<左>
 電話予約の際にできるならばと言って、用意してもらった料理。絶妙の火入れは脱帽です。

・かしわ

・砂肝<右>
 素晴らしく大きく、筋もなくて、純粋にシャコシャコといった歯ごたえが楽しめます。

・はつもと(希少部位)

・波

・食道(希少部位)

・白玉

・銀杏

・椎茸

・血肝

・はらみ(希少部位)<左>
 かなりコッテリとした脂の中に、シャコシャコといった食感が楽しい。

・かっぱ

・厚揚げ

・ちょうちん

・さび焼

・親子丼<右>
 「鳥しき」の新メニュー。しっかりとした味わいの中、鶏もたっぷりと入っており、ほとんど生のような半熟さではなくて、nao.好み。

nao.が思う「鳥しき」の魅力は、絶妙の火入れと人によって変わる串の出し方。絶妙の火入れを一番感じるのは『血肝』。つまりレバーなのですが、あの特有の味もしなく、ちょっと生っぽさがあるのにもかかわらず、ちゃんと火が通ってるんです。苦手な方も是非食べてもらいたい、なかなか味わえないレバーです。
そして串の出し方。ホントに人によって違う。最初の注文時に「嫌いなものはありますか?」と聞かれるのですが、nao.は(食べられないわけではないのですが)「玉葱」というと、野菜が全く出されない(笑)今回の献立を見ると、結構脂っぽい串が多くて、「最後にコッテリ系は、ちょっとキツいかも」なんて思っていると、最後に出されたのが『さび焼き』。なんて、素晴らしいんでしょう!思わず、拍手したくなるくらいでした。

実はまだまだ食べていないポピュラーな部位や〆のご飯、お土産などもあり、これからも通って食べていきたい大切なお店です。


4月某日、18時。電話をかけること104回目にして、やっと繋がり、何とか予約を取ったお店があります。それが念願の初訪問となりました目黒にある焼鳥の名店「鳥しき」です。

実は4年前から知っていて、行こう行こうと思いつつも先延ばしにしていたら、すっかり予約困難な人気店になっており、そんな風になったら、何がなんでも行ってみたくなるというのが心情。っていうわけで、今回の初訪問となりました。

目黒駅のロータリーの裏手にひっそりと佇む店構えは、まるで料亭のような感じ。店内は白木のコの字カウンターに、入り口すぐに焼き場があって、ちょっと強面のご主人の池川義輝さんが笑顔で出迎えてくれます。メニューはアラカルトでも大丈夫ですが、お腹いっぱいになったらストップできる『お任せ』がドキドキがあって楽しそうなので、『お任せ』に『希少部位があれば』というオーダーにしました。待っている間に聞いた店名の由来は「季節感のない焼き鳥に、少しでも四季を感じてもらえたら」ということで、「鳥しき」なのだそうです。

では、一気にご紹介ー(^ ^)

・さび焼
 ささみに山葵をのせたもの。ほぼ生に近いが、絶妙に火が通っている。

・血肝
 つまりはレバー。特有の血の味はほんのりとするけど、プツンと噛み切れる歯ごたえ。

・白玉
 うずらの玉子だが、驚くことにトロトロの半熟。銀座の「○吟」を思い出す。

・銀杏

・波
 皮。パリパリとしたイメージだが、ねっとりとした脂を楽しめる。

・食道(希少部位)
 やや脂だが、シャコシャコといった歯ごたえが楽しい。

・椎茸

・かっぱ
 軟骨。程よく肉もついており、バリバリという歯ごたえ。

・つくね
 中に軟骨が入っており、あっさりとしたタレなので、肉も楽しめます。

・腎臓(希少部位)
 フワッとした食感で、口に入れると溶ける脂が美味しい。

・はつもと(希少部位)
 程よい脂に、血管特有の歯ごたえが美味しい。

・厚揚げ
 茗荷やカイワレなどが乗っており、中はほんのりとした熱さで、こんなところまでも絶妙な火入れを感じれます。

・かしわ
 モモ肉。フワッとした肉質で、適度な脂で美味しい鶏を感じれます。

・ちょうちん
 産卵前の未成熟卵と卵管。見た目はちょっと^^;だが、口の中でプツンと弾ける濃厚な卵黄が素晴らしい。

・鶏そぼろ丼
 意外にもあっさりとした味付けで、粗めに挽かれた肉と軟骨のコリコリ感がいい。一緒に出されるスープをかけて、雑炊にしてみたかった。

ご主人が食べるスピードや食べ方を見て、色々と出してくれるので、他のお客さんとはかなり違った構成になりました。しかもnao.は一人なので、かなりのハイペース的な感じ(時間制限もあったので)
素材によって、だし醤油や酒や油を塗り分け、近めの強火で焼かれる全ての串は、ご主人の魂を感じる絶妙の火入れで、食感も素晴らしいですが、感動したのはやはり『希少部位』の数々。出されると「生き物だもの、こういう部位あるよねー」と思い、食べるとその味わいに唸るしかないのです。

そして、驚きは会計にもありました。(ちなみにメニュー板には値段が書いていません)かなりリーズナブル‼予約困難なお店ですが、普段使いが十分できるお店です。予約は鶏の仕入れの関係上、2ヶ月先までしかできないので、1日になったらまた電話と格闘したいと思います。8月は空いてなかったのよ~orz

  • (説明なし)
  • 2023.4.  かしわ
  • 2023.4.  背肝

もっと見る

5位

エスキス (銀座、有楽町、東銀座 / フレンチ)

1回

  • 昼の点数: 4.8

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 4.9
    • | 雰囲気 4.7
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥20,000~¥29,999

2014/10訪問 2014/10/22

孤高のランチ~Brilliant Time~

2014.10.
銀座のど真ん中、ビルの最上階のペントハウス、白を基調とした高い天井にウッディな造り、大きな窓から陽の光が入り込み、店内は輝きを放っています。フランス語で「素描」を意味する「ESqUISSE」は、ミッシェルトロワグロでシェフを務めたリオネル・ベカさん、世界3都市のロブションで、シェフパティシエを務めた成田一世さん、タテルヨシノの総支配人だった若林英司さんという、フレンチレストランに造詣のある方は、‼︎となる方々ばかり。その「3つの才能」が融合するこのお店では、和の素材を巧みに使った新感覚フレンチを食べることができます。

ランチは『Menuspontané』というコースのみで、11000円・15200円・19200円の3種で、前菜の皿数で値段が変わるそうで、メインは同じだそう。ちなみにディナーも内容は一緒です。今回、私がいただいたのは15200円コース。

実食

前菜1鰤
鰤にカボスと昆布の香りをつけたもの。ピンク色のソースはカシスマスタードで、赤キャベツが彩っています。上にあるのは、生海苔を使ったタルタルソースのようなもの。
最初の前菜から、驚く!フレンチに昆布⁉︎第5の味と言われている「旨味」の塊である昆布、確かに使わない手はないですが、驚きました。

前菜2帆立貝
帆立貝を殻のまま、低温で火入れをしたものをバターナッツ、黄人参ピューレ、柿、シトロンキャビアと共にいただく。
ムッチリとした帆立貝の食感とバターナッツのカリカリ感、レモンのようなシトロンキャビアのプチプチ感が楽しい。確かにフレンチなんだけど、和っぽい。

前菜3栗
栗のフラン、焼き栗、トランペット茸、オレンジパウダー、木の芽のエミュルション
ほのかな甘さが残る栗にホクホクとした焼き栗、コリコリとしたトランペット茸の食感が楽しめます。
元々、栗があまり好きではないので、感動はないかな。

前菜4フォワグラ
和食器のような皿で供されたのは、フォワグラ。添えられているのはビーツとペッシュドヴィーニュ。やっとフレンチっぽい一皿だなぁと思っていたら、目をキラキラさせた若林さんが小さなガラスポットを持って来られた。「このスープを注いで、完成させます」注ぐ前に香りを嗅がしてもらいましたが、コンソメよりもかなり芳醇な香りがします。「これは、鴨節なんです」と若林さん。鴨胸肉を乾燥させ、鰹節のようになったものを削り、コンソメに入れたものなんだそう。和食でいうところの追い鰹の手法ではないか!
鴨節コンソメの中で、フォワグラがとろけるような味わいになり、甘酸っぱいペッシュドヴィーニュもいいアクセントで美味しい。

魚料理ハタ
銀杏、ゴボウ、ほおづき、そうめんかぼちゃがハタを飾ります。ソースは自家製豆腐に生姜の香りをつけ、百合根を加えてピューレにしたもの。
ムッチリとしたハタの身にホクホクとした銀杏としっかりとしたゴボウの食感を包み込むような美味しさがあります。

肉料理蝦夷鹿
紫芋のピューレ、リンゴのムース、胡桃のチュイール、チュアオ、ソースポワブラードでいただきます。かなり柔らかくロティされた全くクセのない蝦夷鹿を色々な味で食べることができます。味を完成させるのは、お客の舌の上というわけですね、まさしく「素描」のような料理です。

プレデセール
マスカット、サフラン風味のレーズンジュレ、マールドシャンパーニュのヴァニラソース、柿、巨峰のグラニテ。
美しいグラデーションを壊すのは気が引けますが、底にスプーンを入れて一気にいただきます。マズイわけがない。最後まで味がハッキリとしている巨峰のグラニテが爽やかさを運んでくれます。

デセール
コーヒースフレ、イチジク、キャラメリゼしたピーナッツ、ココナッツアイスクリーム、コーヒークリーム。
まるで絵画みたいなデセールは、息を飲むような感じです。

和食の素材や技法を取り入れたフレンチは斬新で、驚きもあります。和食の繊細さとフレンチの力強さが、絶妙なバランスで構成されている料理が多いです。特に魚料理は、そのことがよく分かります。
値段だけ見ると、ちょっと高いかなと思いますが、グラスシャンパーニュ(今回はジャクソンシャンパーニュキュヴェ736)やミネラルウォーター込みの値段なので、なかなかではないでしょうか。夜になるとテーブルのキャンドルに火が灯り、ムーディかと思いますが、残念なことに窓からの景色はあまりよくないです。なので、店内の白さが映える昼の方が私的にはオススメ。

9:30〜11:00限定で、「ESqUISSE」で出している自家製パンを販売するようになったそうです。パンドゥカンパーニュ、プチブール、フォカッチャ、ミニバゲット、リュスティック、カヌレというラインナップで、数量限定の予約不可です。何種か食べましたが、表面はバリッとしてながらも、中はムッチリとした食感のパンで、美味しかったです。欲を言えば、あのバター(無塩バターにフロマージュブランを混ぜたもの)も一緒に販売してほしいな。

  • 2014.10.  肉料理 蝦夷鹿
  • 2014.10.  前菜1 鰤
  • 2014.10.  前菜2 帆立貝

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6位

うぶか (四谷三丁目、曙橋、四ツ谷 / 日本料理)

1回

  • 夜の点数: 4.7

    • [ 料理・味 4.7
    • | サービス 4.6
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - -

2014/08訪問 2014/09/11

玉かぎる 昨日の夕 見しものを 今日の朝に 恋ふべきものか

2014.8.
四谷・荒木町。行ってみたいお店はいっぱいありますが、まず予約入れたのは「うぶか」です。中華の名店「ChineseTapasRenge」から独立され、和食をベースに海老や蟹の甲殻類を専門に提供するちょっと変わったお店。お店は店主は加藤邦彦さんとソムリエールの奥様との2人でなさっていて、サービスも行き届く14席くらいの程よい感じです。料理は1コースのみなので、私が選ぶのはお酒くらい。それでもソムリエールがいらっしゃるのだからお任せです。

まずはワイン。ポルトガルを代表する「緑のワイン」と呼ばれる『ヴィーニョ・ヴェルデ』の『トレス・マリアス』という白ワインを選んでいただきました。アルコールはかなり低め、軽い酸味と発泡しているかのような爽やかさがあって、さすがに美味しい。

一品『昆布森産毛蟹利尻産雲丹昆布出汁ジュレ』
最初から↑な料理。たっぷりと盛られた毛蟹と雲丹の濃厚さが美味しい。ちなみに白ワインだと負けるかと思いましたが、ベストマッチ♪さすがです。

先付『鱧の焼き霜寿都産甘海老自家製ポン酢』
鱧も美味しかったですが、やはり甘海老。このプリプリ感はあまり味わえないです。

腕物『ずわい蟹真蒸ズッキーニ鮑青柚子』
蓋を外すと、柚子のいい香りがブワッと立ち上ります。大きく切られた鮑も柔らかく、ずわい蟹の存在感もバッチリです。

ワインを飲み終えたので、次の料理からは日本酒がオススメとのことで、選んでいただきました。秋田の『阿櫻』というもの。

刺身『才巻き海老真鯛紅蔘花穂山葵煎り酒』
ここでも光るのは、海老のプリプリ感。活海老よりも固くなくて、程よい食感です。

温物『賀茂茄子海老味噌田楽新銀杏』
ハフハフいいながら、ほうばる賀茂茄子はジューシーで、海老味噌の甘さが広がります。美味しい♥︎

揚物『海老フライ実山椒のタルタルソース』
このお店のスペシャリテ。左側のプックリとした部分には、なんと海老味噌がたっぷりと入っています。ここは塩で、身の部分は実山椒のタルタルソースでいただきます。このタルタルソース、大人な感じ。

飯物『花咲蟹夕顔』
炊きたてをご主人自ら持ってきて、見せてくれます。立ち上る湯気も美味しいです♥︎蟹も存在感あって、程よい塩気が食事の〆としてはピッタリです。
食べきれない時は、俵型のおにぎりにしてくれるので、持ち帰ることができます。

水物『桃のソルベバジルの香り』
桃のソルベに泡状にしたバジルが香ります。最後まで抜かりのない技が光ります。

勿論、一人での訪問でしたが、心地よいサービスと料理を堪能できました。提供の早さも食べるスピードを見てらっしゃるので、変な間が空くことがなく、楽しめました。

お忙しい中のお見送り、ありがとうございました。また寄らせていただきます。

  • 2014.8.  揚物 『海老フライ 実山椒のタルタルソース』
  • 2014.8.  トレス・マリアス
  • 2014.8.  一品 『昆布森産毛蟹 利尻産雲丹 昆布出汁ジュレ』

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7位

横浜馬車道 旬の肉料理イタリアン オステリア・アウストロ (馬車道、日本大通り、関内 / イタリアン、パスタ、ビストロ)

22回

  • 夜の点数: 4.6

    • [ 料理・味 4.6
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥30,000~¥39,999 -

2024/06訪問 2024/07/06

横浜ジビエ系最強イタリアン ~仔山羊を食べる~

2024.6.

仔山羊を食べる/Osteria Austro

千倉 初鰹のカルパッチョ 粒山椒とトマトのソース♡
トマトの酸味が心地よく、粒山椒の爽やかな刺激がとても鰹に合って美味しい。鰹といえば、生姜や葱などを合わせることが多いですが、トマトという新しい出逢いは新鮮。

赤肉メロン クインシーメロンと水牛モッツァレラと2種生ハムのサラダ♡
赤肉メロンの「クインシーメロン」に合わせる生ハムは白いのが蝦夷豚パンチェッタで、赤いのが鹿肉のもの。クリーミーな水牛モッツァレラの中で、やや青い香りのある赤肉メロンの甘味が蝦夷豚パンチェッタの塩味で際立ち、鹿肉生ハムで旨味がプラスされて美味しい。

今季初物! 天然稚鮎のフリット♡
サックサクの衣を纏った稚鮎は頭から骨まで柔らかくて、骨っぽさを感じません。しかしワタのほろ苦さは確りとあり、スナック感覚で食べられちゃう美味しさ。

ムラサキイカのイカスミ冷製カッペリーニ♡
「Osteria Austro」の夏の看板メニューである真黒なパスタ。イカスミの旨味をギュッと凝縮しており、冷製だからこそその旨味を強く感じられます。スペシャリテの名に相応しい美味しさです。

信州 小林牧場 乳飲み仔山羊 いろいろ部位盛り合わせ♡♡
まさか「乳飲み仔シリーズ」の中でも一番好きな仔山羊に出逢えるとは!構成は…右から腎臓・レバー・ハツ・腿肉・Tボーン・ヒレ・脛肉で、ソースはこの仔山羊のジュというまさに仔山羊を丸ごと味わえるような料理です。どの部位を食べても、どこかミルキーな風味がして純粋無垢な味わいがします。胡椒などの香辛料を使っていないので、仔山羊の風味をダイレクトに感じられるのも◯

北の里 自然牛の厚切りレアカツレツ♡
青森県十和田八甲田山麓に放牧され、草を中心に食べて育てられた北の里自然牛は、旨味が強い短角牛。咀嚼するごとに溢れる旨味は、バルサミコソースにも負けない濃厚さ。

日向夏のバスクチーズケーキ
とろりと濃密なチーズの味わいに爽やかな日向夏がいいアクセント。添えてある佐藤錦のコンポートも美味しい。

実に2年ぶりにやってきたのは、横浜・馬車道にある「Osteria Austro」。ここは肉料理、特にジビエに特化しており、時期的に今はジビエのトップシーズンではないにも関わらず、確りとジビエがメインを張るとても稀有なイタリアンです。厨房にいらっしゃるのは、オーナーシェフの竹内 浩さんのみですが、「いつ作っているのだろう?」と思うほどに手早く供され、どの料理もハズレなく美味しい。コースもありますが、シェアできるボリュームのアラカルトで好きなものをガッツリといただくのが一番。特に肉が好きな方にはお勧めなイタリアンです。


2022.4.
仔豚を食べる/Osteria Austro

10日熟成!千倉直送 真鯛のカルパッチョ♡
今回のカルパッチョは真鯛をハーブのソースでいただきます。厚めに切り付けられた真鯛は確りと身に脂がまわっており、旨味が抜群。やはりこのお店は肉だけでなく、魚も侮れない。

佐賀ホワイトアスパラのグリル 阿波すず香と卵とチーズのソース♡
旬のホワイトアスパラを定番の卵とチーズのソースと共に。今年からは新たに『阿波すず香』という柚子と酢橘を掛け合わせて作られた新しい柑橘を加えており、卵とチーズの濃厚な旨味の中で生える『阿波すず香』の爽やかな酸味と香りが秀逸で、ホワイトアスパラの甘味を際立たせています。

リコッタチーズとほうれん草を詰めたラビオリ ドライトマトのソース♡
珍しくラビオリがあったので注文。モチモチとした生地の中で、リコッタチーズの濃厚さとドライトマトソースの濃厚さがそれぞれを高めあうような味わい。食べ応えのある大きさと量で満足度も高め。

皮付き乳飲み仔豚の3種部位ロースト♡
肉で四季を感じられる「Osteria Austro」の春は恒例の仔シリーズ。通年、仔豚・仔羊・仔牛・仔山羊がありますが、今回いただいたのは仔豚。
3種とメニューに書いてありましたが、皿の上にはもも肉・骨付きロース・バラ肉・脛肉の4種が盛られています。肉質は柔らかく、どこかミルキーな味わいがし、特にバラ肉の脂に至っては融点が低いのか瞬時に口溶けて、物凄く甘くさらりとしています。あとふた皿くらいはペロリと食べられそうな美味しさ。

紅ほっぺのティラミス
ドルチェも豊富な「Osteria Austro」。今回は旬のフルーツである『紅ほっぺ』を使ったティラミスにしました。濃厚なマスカルポーネクリームに確りとした『紅ほっぺ』の酸味があり、後味もさっぱりとした味わい。

今年も肉で感じる春を堪能させていただきました。仔シリーズはジビエよりも数がないので、より貴重な肉だと思います。やはりまだ乳飲みだから肉もどこかミルキーで、肉質も柔らかく純真無垢のような味わいが美味しかったです。「Osteria Austro」ではまだ仔シリーズは続くようで、どれもなかなか味わえない食材ばかりなので、貴重な出逢いと共に味わいもオススメです。


2022.1.

爽やかな出逢い~阿波すず香~字

ジビエシーズンもそろそろ終盤の中でやってきたのは、馬車道にある竹内宏さんの「Osteria Austro」。このお店の最大の特徴は、なんと言っても「肉」で感じる四季。ジビエというとやはり秋〜冬が最盛期ですが、春には仔シリーズ、夏には鹿や猪などがあり、肉を通して四季を味わえるイタリアンです。今回もA4用紙にびっしりと書かれたメニューの中から私が選んだものは…

2週間熟成 外房アオハタのカルパッチョ 茎わさびソース♡
熟成されたアオハタは甘味が咀嚼の度に溢れてきて、ほんのりとピリリとした茎わさびソースが美味しい。

牡蠣のフリット 燻りがっこのタルタルソース♡
薫香ある燻りがっこのタルタルソースの中で、確りとした牡蠣の旨味が美味しい。そして、添えてあるのが徳島県産の『阿波すず香』という新しい品種の柑橘。本当に新しい品種だそうで、徳島県外で使っているのはココだけらしい。酢橘と柚子の掛け合わせだそうで、果汁が多く香りもあり、皮も美味しい。

北海道 たらの白子の温製サラダ 阿波すず香風味♡
アンチョビと焦しバターで仕上げた「Osteria Austro」の冬の定番料理。今年はレモンではなく、『阿波すず香』を使って更なる進化を遂げたというひと皿。濃厚なアンチョビバターソースの中で、クリーミーな白子が実に美味しい。そして、レモンよりも酸味が柔らかく、香りが強い『阿波すず香』がここでも素晴らしく活きています。

佐那河内 完熟すだちの優しいトマトソース スパゲッティーニ♡
ひと口食べると、広がるのは酢橘の爽やかな酸味と優しいトマトの酸味。トマトソースに酢橘という味わったことのない組み合わせですが、実にさっぱりと食べられて美味しい。余計な具が入っていない分、酢橘の印象が強く残るスパゲッティーニ。

下田猪のポルケッタ♡
どシンプルなポルケッタ。しかしながら、コレが美味しい。ガツンとくる肉の旨味と脂の甘味が口の中に溢れて、ジビエで気になるクセや臭みなどは微塵もありません。「Osteria Austro」のジビエはソース・ジュなどのシンプルな仕立てが多いのは、下処理を含めたジビエのクオリティに対する信頼の表れだと思います。この『ポルケッタ』も実に美味しい。

Vieux Calvados Pierre Huet
珍しく最後はカルヴァドス。パリの英国大使館やバッキンガム宮殿や超一流レストランでも愛飲されている「ピエール・ユイット」のもの。

今回は特定のジビエ目当てではなかったので、マニアックなメニュー構成にはしませんでした。いつ訪れても確りと下処理されたジビエを使った料理は数多く、素材の旨味を活かしたシンプルな仕立てが美味しい。その中で今回光っていたのは、『阿波すず香』という柚子と酢橘の交配から生まれた新しい柑橘。個人的に料理の中で「酸」というアクセントが最近好きなので、とても心に響きました。

竹内シェフ、いつもありがとうございます!またどうぞ宜しくお願いします!


2021.9.

晩夏から本格的なジビエシーズンに突入する間の季節である中秋に馬車道にあるイタリアン「Osteria Austro」のメニューを賑わせているのは、天然きのこ。5年以上通わせていただいていますが、実はあまり食べたことのない食材だったりします。B5サイズにビッシリと書かれたメニューリストから私が今夜選んだものは…

追熟した信州『黄金桃』と『水牛モッツァレラ』セミドライトマト2種生ハムサラダ♡
この時期の名物料理である黄金桃を使ったサラダ。マンゴーのような甘味、プロシュートと短角牛のもも肉ハムの塩味、水牛モッツァレラのクリーミーなコクが三位一体となって実に美味しい。

秋ハモと『香茸』『天然舞茸』信州野菜のフリット♡
別皿に添えられているのは、茗荷といがぶりっこを入れたタルタルソース。ハモは厚みがあってジューシーで美味しいですが、やはり今の時期の天然キノコの前では霞んでしまいます。香茸はその名の通り香ばしい香りが素晴らしく、天然舞茸は上品な香りとシャキッとした食感も心地よい。山の恵みの偉大さを感じられるひと皿です。

新秋刀魚のコンフィを添えた徳島『さなみどり』のスパゲッティーニ♡
今年初の秋刀魚はパスタ。聞き慣れない『さなみどり』とは徳島県で作られている新しい品種の酢橘だそうで、種が殆どなくて果肉が多いので果汁が多い。その『さなみどり』をギュッと絞ってからいただきます。秋刀魚は身だけでなく肝も入っているようで、旨味と香りが濃厚。そこに『さなみどり』の酸味が加わることで全体が締まり、美味しい。

天然舞茸のリゾット♡♡
メニューにはなかったのですが、リゾットもオススメということで作っていただきました。天然ならではの脳腫した舞茸の香りが官能的で、リゾットにはチーズの濃厚さもあり実に好み。コレは山盛りで食べたい!

青森短角牛『北の里自然牛』のタリアータ♡
メインはジビエもあったのですが、久しぶりに牛にしてみました。青森八甲田山麓で放牧されている日本短角牛の一種で「幻の赤べこ」と呼ばれているそうで、やはり「Osteria Austro」は牛も侮れない。ソースはアカヤマドリというキノコで旨味が凄い。そして赤身の短角牛なので、確りと咀嚼できる肉質で溢れる旨味がたまらなく美味しい。

ナガノパープルのテリーヌ
信州のナガノパープルの果実だけでなく、果汁もたっぷりと使っているので、濃厚な味わいだけでなく芳醇な香りも楽しめるドルチェ。

本当はもっとキノコ尽くしにも出来たのですが、新秋刀魚が食べたかったので2品だけになってしまいました。やはり天然きのこは香りや食感が別物で、自然の恵みとは素晴らしいことを実感します。もう少し、きのこ料理を食べておけば良かったなぁ。
次の訪問時にはきっとジビエも本格化しているはず。「Osteria Austro」のメニューリストが大変なことになってそうで、今から楽しみです。

竹内シェフ、ありがとうございました。また宜しくお願いします!


2021.8.

旬を感じるイタリアン

久しぶりにやってきた馬車道にある「Osteria Austro」はジビエに特化しており、ジビエ=秋〜冬という概念を変えてくれるイタリアンです。手渡されたメニューは相変わらずビッシリと料理が並び、「悩む」というアラカルトの醍醐味を堪能できます。メインの肉料理だけでも短角牛・黒豚・ラム・仔山羊・ツキノワグマ・穴熊・エゾヒグマ・夏鹿があり、その中から私が選んだのは…

今夜のメニュー

旬の渡り蟹のマリネ♡
予約日の前日にシェフから「急遽、活け渡蟹が入荷したのでどうですか?」というメールをいただき、即答で食べます!と伝えた「OsteriaAustro」の夏の名物料理。
軽くレモンを絞って食べると、キラキラと光る透明な生の身はトロリとしていて、ミソと一緒に食べると一段と美味しい。去年は食べたいと思いつつも、渡蟹の入荷がなくて食べられなかったので、2年ぶりに食べることができて嬉しかった。

テナガタコのカルパッチョ♡
いつもカルパッチョはありますが、タコのカルパッチョは珍しいので注文。
上にかけられたトマトと茗荷のソースで、夏らしい酸味のある爽やかな味わい。テナガタコのモチモチとして弾力ある食感が実に美味しい。

北海道『クリガニ』とそのミソのトマトソースリングイネ♡
供された瞬間から立ち上る蟹の香りが凄い。モチモチとしたリングイネの食感の中、トマトの酸味でたっぷりと入れられたクリガニの甘味とミソのコクが際立って美味しい。

乳飲み仔山羊のいろいろ部位食べ比べ♡
通年だともう過ぎているのですが、コロナ禍の影響で屠殺が出来なかったそうで、この真夏の時期に出逢えた仔山羊。
盛り合わせされた部位はバラ肉やロース肉などありますが、胡椒などの香辛料を使わずに仕立てるので、ミルキーで純粋無垢な味わいを堪能できます。都内のお店でもまず見かけないであろう希少なレバー・タン・ハラミの内臓も添えてあり、それぞれ部位によって食感も旨味も違って素晴らしい味わい。特にレバーがサクッと歯切れの良さがあり、舌に絡まるような甘味のある旨味がたまりません。

何気に約1年ぶりの訪問となってしまいましたが、やはりメニュー内容から見ても竹内シェフはヘンタイだなと再確認できました。勿論、褒め言葉ですが。次回はメニューにもちょっとずつ載っていましたが、秋のキノコを食べにまた伺います。


2020.8.

去年いただいた新しい夏の逸品を求めてやってきたのは、馬車道にある肉で旬を感じられるイタリアン「Osteria Austro」。今回の目的料理はオーナーシェフの竹内宏さんが作り出した『渡蟹のマリネ』という旬の渡蟹を活けのまま使う珍しい料理なのですが…活渡蟹が入荷せず…。まあ、致し方ありませんね。

今回の献立

千倉漁港直送 10日間熟成『ヤイトハタ』のカルパッチョ 日向夏のソース
熟成することで旨味の増した濃密なヤイトハタの味わいに、爽やかで後味に甘味が残る日向夏のソースが印象的。やはり肉だけでなく、魚も侮れない。

『水牛モッツアレラ』と自家製セミドライトマト『川中島白桃』と生ハム2種♡
パルマ産の生ハムと自家製イノシシの生ハムでいただく川中島白桃と水牛モッツアレラ。パルマ産の生ハムの塩気で甘味を引き出し、イノシシの生ハムでは旨味をそれぞれに累乗させるので、より白桃と水牛モッツアレラが華やぎます。個人的にはイノシシの方が好み。

白レバーレアスモーク
プリッと口の中で弾けると、薫香と旨味が広がります。舌に絡みつくような旨味は濃厚で美味しい。

ムギイカの冷製イカスミカッペリーニ♡
夏の「Osteria Austro」の定番パスタ。濃密で旨味の強いイカスミソースが実に美味しい。中に入れられたトマトの酸味もいいアクセントで、時折感じるムギイカのモチモチとした食感もたまらない。

沖縄ロイヤルポークのTボーンのグリル
大ボリュームの400g!確りと焼かれた身は噛み締めると、ジュワリと旨味が溢れてきます。部位はほぼロース肉でしたが、ちょっとあったヒレ肉が柔らかくて実に美味しい。

穴熊のいろいろ部位 そのズーゴのソース♡
限定10食の最後の1食というこの時期にしては有り得ないくらいの極上の穴熊にありつけました。部位としては脛肉の煮込み・首肉・腿肉・骨付きロース・バラ肉。内臓は肺・レバー・ハツ・腎臓という内容。内臓まであるとは、相変わらずヘンタイなお店ww部位によってはジビエらしくワイルドな噛みごたえのもありますが、どの部位も噛む度に旨味が溢れて、特に脂身は素晴らしい甘味が感じられます。滅多に味わえないだろう穴熊の内臓は、部位毎の独特な食感を楽しめ、脂身とはまた違う甘味があります。

内容的には十分すぎるほどの満足感がありましたが、やはり渡蟹は食べたい!タイミング次第ですが、次回こそは是非!


2020.5.

緊急事態宣言が解かれて、徐々に日常を取り戻しつつある中で、季節は春から夏へと着実に巡っていきます。馬車道にある肉でも旬を感じられるイタリアンレストラン「Osteria Austro」には、毎年このくらいの時期に楽しみにしている肉があります。

それは『乳飲み仔山羊』。

仔豚・仔牛・仔羊と続いていた乳飲みシリーズの最後を飾るのが、この仔山羊です。再入荷予定などはないそうで、このタイミングを逃すと来年まで食べることができない食材。オーナーシェフの竹内 浩さんにお願いして、席数を減らしている中で入れていただきました。

今回の献立

信州山菜のフリット盛り合わせ with 初夏のハモ
元々、ハモが入っているフリットにしたのですが、間違えたらしく山菜モリモリな盛り合わせになりました。山菜にはさほど興味がないので疎いのですが、内容はタラの芽・山ウドの新芽・コシアブラ・行者ニンニクの芽・モミジガサ・山葡萄の新芽・根曲たけ・ヨブスマソウだそう。苦味もあったり、香りもあったりと春を閉じ込めたようなフリットです。後から持ってきて下さったハモのフリットもジューシーで美味しい。しかし、イタリアンレストランでこれだけの種類の山菜を揃えられるって驚きです。

丸ごと鮎のコンフィ 信州山菜だけで作ったソース もち麦のリゾット♡
鮎のコンフィがドーンと乗せられたインパクト大なリゾット。このリゾットには信州山菜がたっぷりと入れられており、ほろ苦くてオトナな味わい。ザクザクとした根曲たけ?とプチプチとしたもち麦の食感も面白い。鮎のコンフィと共に食べれば、山と川の恵が口の中に広がるようです。

春の肉!乳飲み仔山羊のいろいろ部位食べ比べ♡
今回の目的料理で、春のこの時期しか食べることができない乳飲み仔山羊です。構成はロース・バラ・脛肉・骨付きロース・レバー・ハツ・タン。あまり食べ馴染みのない食材ですが、私は牛・豚・鶏以外の肉としては一番好きな肉です。
産まれて間もない乳飲みなので、固い脛肉ですらも柔らかくてどこかミルキーな味わいは勿論ですが、胡椒などの香辛料をかけるだけでも台無しになるような繊細で無垢な味わいが素晴らしい。肉も珍しい中で、更にレアな内臓は各部位毎に食感と甘味がありますが、特にハツがプリッとした食感の中に甘味が広がって、実に美味しかったです。

フキノトウのクレームブリュレ
あまりドルチェまで食べないのですが、ちょっと気になったので追加。見た目は普通のクレームブリュレですが、一口目の味わいがまさにフキノトウ。香りがブワッと広がった後に、甘味が後から追いかけてくる感じ。

コロナ禍の影響で始めたテイクアウトも継続され、更にレストランは席数をかなり減らしているので、早めの予約が必須となりました。このお店はタイミングを逃すと、二度と食べられない食材も多くあり、偶然の出逢いを必然へ変えられて良かったです。竹内シェフ、ありがとうございました。

次回は夏くらい?渡蟹は今年もやるのかしら?楽しみです。12570


2020.4.

新型コロナウィルスの為、テイクアウトが主体の「おうちでアウストロ」となっている馬車道の「Osteria Austro」。人数制限がありますが、店内でも食べられるとのことで応援の意味を持ちつつ、再訪です。

メニューに魚は少なかったですが、こんな状況にもかかわらず、豊富なラインナップで迷います。肉でも旬を感じられるのがこのお店のウリでもあり、春の肉と言えば『乳飲み仔シリーズ』です。来店時には『乳飲み仔羊』があったので、メインはそれにして後は春を感じられる料理にしました。

今夜の献立

香川県産 ホワイトアスパラガスのグリル ポーチドエッグとロディジャーノがけ
定番のオランデーズソースではなく、ポーチドエッグとロディジャーノというふわりとしたチーズでいただく料理。ロディジャーノと黄身の濃密な旨味とホワイトアスパラガスの甘味、そこに黒胡椒のアクセントが心地よく響きます。

蛤とフキノトウのスパゲティーニ♡
「Osteria Austro」で久しぶりにいただくパスタは、春の息吹を感じられるもの。
蛤の旨味の中で、フキノトウのほろ苦さと八ヶ岳産のトマトの酸味が一陣の春風のように口の中を駆け抜けていきます。

乳飲み仔羊のいろいろ部位盛り合わせ♡
部位はバラ肉・ロース・もも肉・すね肉。乳飲み仔羊は羊っぽい香りもないので、香草などを使わずに塩のみでシンプルに焼くことで、仔羊が持つ繊細な甘味や旨味そして特有のミルキーさも損なうことなく味わえます。固いイメージのあるすね肉でさえもとても柔らかく、実に美味しい。肉でも四季を感じられる「Osteria Austro」らしい春の楽しみの1つです。

テイクアウト主体になってどうなのかと思いましたが、同じ時間に全ての料理を仕上げなくてはいけないので、とても忙しいらしい。嬉しい悲鳴というやつですね。こういう状況でも集客できるのは、料理の味わいだけでなく、そこで働く人の人徳なんだと感じました。

竹内シェフ、今回は貴重な体験をありがとうございました。お身体だけは気をつけてください。


2020.1.

ジビエシーズンもそろそろ終盤。今年も去年に続き、是非食べたいと思って、馬車道にある「Osteria Austro」の竹内浩さんにお願いしたのが青首鴨の熟成。クリスマス前から熟成していただいたので、3週間半という長期熟成となりました。
当日、メニューを見る。
コースもあることはあるのですが、基本的にオーダーはアラカルト。ということは、自分の好きな料理が食べられるわけですが…このお店が1番賑わうジビエシーズンなので、食べたい料理が多すぎる。そして、ジビエの中にしれっとキアーナ牛や短角牛などもあるので、正直困ります。

今夜の献立

千倉直送 船上締めクロダイのカルパッチョ
メニューの90%は肉料理ですが、必ずある数少ない魚料理の1つ。相変わらずの素晴らしいボリュームで、魚を食べたという満足感があって、私的に外せない。クロダイは確りと寝かせているようで、甘味と脂があって美味しい。

神奈川黒トリュフたっぷりかけたカチョエペペトンナレッリ
実は神奈川県でも黒トリュフは取れることは知っていたのですが、実際に目にすることはなかったので、勿論オーダー。メニュー通りにたっぷりとかけられた神奈川県足柄産の黒トリュフは、ちゃんとふわりと香ります。小粒で華やかな香りはないながらも、たっぷりと削れば、ちゃんと香ってくれるそうです。プリプリモチモチとしたトンナリッリに濃厚なチーズがよく絡んで、美味しい。黒トリュフの風味を殺していない控えめな黒胡椒の量も○。

3週間半熟成青首鴨のいろいろな部位盛り合わせ♡
部位の内容は手羽元・手羽先・胸肉・腿肉・砂肝・ハツ・頭(タン)。ニオイは去年と同じようにさほど気にならない程度で(頭はちょっとしましたが)、身は熟成したことで脱水されて身が程よく締まっており、旨味も凝縮している感じ。だから咀嚼することなく、食べた瞬間から旨味がガツンときます。今年はまさかの内臓もあって、特にハツがしっとりとした中に旨味があって美味しい。個体差もあるのでしょうが、実に綺麗な熟成で素晴らしい味わいでした。

竹内シェフ、今回は滅多にない貴重な経験をありがとうございました。
ジビエシーズンのうちに、もう一種食べたいものがあるので、また宜しくお願いします。


2019.12.

ジビエシーズン真っ只中。フレンチやイタリアンもメニューが賑わい出して、どのお店でどのジビエを食べるか迷います。それでもやはりこのお店は押さえておきたいところ。やってきたのは、馬車道にある肉で旬を感じられるイタリアン「Osteria Austro」です。「そろそろ鴨でも食べに行くかな」と思っていたところ、オーナーシェフの竹内 浩さんから極上の仔熊が入荷したと連絡をいただき、今回の訪問となりました。
メニューを見ると、やはりジビエの種類がハンパなく、その中にしれっとキアーナや短角牛もあったりして、仔熊を食べようと決めていたのに心揺らぐのはいつもの事。

千倉直送 旬の寒ブリの炙りカルパッチョ
肉がウリのお店ですが、魚介類も侮れません。寝かせて身に脂をまわした寒ブリの表面を軽く炙って、5ミリはあろうかという厚さで供されます。一口食べるだけで、唇に脂がびっしりと付くくらいに濃厚な脂と食べ応えもあり、実に美味しい。

タラの白子の温菜サラダ♡
アンチョビとケッパーの焦がしバターソースでいただくタラの白子。「Osteria Austro」の冬の定番スペシャリテ。バターで更に濃密となった白子のクリーミーさがアンチョビのアクセントでより際立ち、口の中で剣先立つパン粉がサクサクと心地よく音を立てます。

花咲カニとセルバチコのポモドーロスパゲティー
軽やかなトマトの酸味、たっぷりと入れられた花咲カニの甘味、ルッコラに似たハーブのセルバチコの苦味が一体となったポモドーロ。久しぶりにパスタをいただきましたが、旬の食材で作られるパスタは、主役になりうる美味しさです。

富山 ツキノワグマ1歳メス 仔熊のいろいろ部位盛り合わせ♡♡
右からバラ・肩ロース・モモという熊にしては珍しい異なる部位の食べ比べ。バラはプルンと脂の甘味が広がり、モモは旨味も濃くて驚くほどに柔らかい。そして中でも白眉的なのは、肩ロース。脂味はジュワっと広がり、強烈な甘味が口の中を支配します。…凄い。牛肉が幼稚に思えるほどの濃厚な旨味と濃密な甘味が素晴らしく、旬の肉の力に圧倒されます。

信州 濃厚栗カボチャのブディーノ
イタリアのプリン。もっと強烈に甘いのかと思っていましたが、栗カボチャ本来の甘味だけみたいで、じんわりと甘い感じ。

実は今回は青首鴨をいただこうかなと思っていたのですが…この仔熊にして大正解でした。シェフから常連向けにこの仔熊の情報を流したところ、瞬殺で売り切れたというのも納得できる美味しさでした。個人的には今シーズン中に青首鴨と猪を食べたいと思っているので、また伺いたいと思っています。

竹内シェフ、スタッフの方々。今回もありがとうございました。次回も楽しみにしています。15080


2019.8.

前回の訪問時に食べられなかった「Osteria Austro」の夏の新作料理。それはオーナーシェフの竹内 浩さんが韓国料理の『カンジャンケジャン』をヒントにして作られた活け渡蟹を使ったもの。つまり活け渡蟹が入荷した時にしかオンメニューしないので、なかなかタイミングが難しい。予め竹内シェフに入荷したら連絡して欲しいと伝えておいたところ、僅か1週間ほどで入荷の連絡をいただいたので、早くも再訪となりました。

渡蟹の生マリネ♡
渡蟹は漬け込んでいますが、想像よりも味がきつくなくて、身の甘さと円やかな内子と蟹味噌が楽しめ、ふわりと香るスパイス?ハーブ?の香りで、後味も爽やか。蟹好きにはたまらない美味しさです。
今回のお目当ての料理はメニューに書いてあるものの僅か1食のみだったようで、絶対に食べたい方は取り置きがベストだと思います。9月中旬くらいまでは食べられるかな?多分。

キアーナ牛のグリル200g
何故か普通にメニューにあるトスカーナ州の至宝と言われる『キアーナ牛』。部位としては、肩ロースだそう。赤身肉としては、とてもキメが細かくて柔らかく、旨味も十分に楽しめます。しかしながら、前回いただいた『短角経産牛』に比べると、多少劣るかな。

竹内シェフ、スタッフの方々、閉店間際にありがとうございます。この夏の間に食べられて良かったです。また宜しくお願いします。7940


2019.8.

Facebookやメールなどで入荷した食材などの情報を得てながらも、先に予約したお店ばかりになってしまい、なかなか再訪できずにいた馬車道にあるイタリアン「Osteria Austro」へ。ここは秋〜冬だけでなく、一年中何らかのジビエがメニューにあり、肉で季節を感じることのできるいう稀有なイタリアンです。今の時期だと『ツキノワグマ』『夏鹿』がメインで、『エゾヒグマ』や『キョン』といったちょっと珍しいものもあり、紙にギッシリと書かれたメニューには「!」という料理もあるので、よーく見ないといけません。で、今回の私の選択は…。

実食

3週間熟成!千倉直送金目鯛のあぶりカルパッチョ
カルパッチョとしては切りつけはすごく厚いので、食べ応え抜群。1つ1つ身には脂がまわっていて、食べると唇にその脂が付くくらい。下に添えられている金目鯛の魚卵スモークを付けて食べると、更に旨味は加速し、フェンネルを巻いて食べると香りも華やぎます。

信州初物!トウモロコシ『ゴールドラッシュ』冷製ポタージュ
個人的にトウモロコシのポタージュは、冷製の方がより甘味を感じられて好きなので、メニューを見た瞬間に決めた料理。スープはトウモロコシの食感が楽しめるようなザラリとした感じで、甘味も際立っています。

信州『川中島白桃』と水牛のモッツァレラ『ブッファラ』自家製生ハムのサラダ♡
川中島白桃の強烈な甘味、ブッファラの無垢なミルキー感、鹿と豚肩肉の生ハム(コッパ)の塩気、この三味が口の中で一体となる口内調理は絶妙。このお店の夏のスペシャリテ。

北海道 幻の短角経産牛のタリアータ♡
日本に流通している短角牛は僅か1%くらいで、今回いただく経産牛は現役を引退した10歳の母牛だそうで、まず入荷しない代物らしい。夏でもジビエがあるので、ジビエを推している竹内シェフが牛肉を推してくるのは珍しくてオーダー。
真っ赤な赤身は確りとした噛みごたえ。でも噛めば噛むほどに旨味が溢れて、ずっと噛んでいたくなるほど。ほんのちょっと付いていた脂身は甘く、実に美味しい。もう少し火入れしたのならば、固くて仕方のない感じになるのでしょうけど、実に素晴らしい仕上げです。

今回は、私にしては意外とバランスのいいオーダーだったような気がします。夏のスペシャリテのサラダはいただけましたが、新作の『活け渡蟹のマリネ』は時化で入荷がなかったので出逢うことができず。出来るならば、この夏の間にリベンジしたいです。

竹内シェフ、今夜もご馳走さまでした。渡蟹入荷したら、また宜しくお願いします。9660


2019.2.

2/15に鳥類ジビエのシーズンが終わる中で、滑り込むようにやってきたのは馬車道にあるジビエ系イタリアンの「Osteria Austro」。前回は青首鴨狙いで来店したのですが、前日にシェフから「穴熊も入荷したよ」との連絡を受けて急遽変更したので、今回は未食の青首鴨を食べに来たわけです。前回の訪問時に竹内シェフから熟成も出来ると言われたので、3週間という長期熟成をお願いしてみました。

今夜の献立

千倉漁港直送 イシダイのカルパッチョ その肝のスモーク添え
コレは本当に白身なのか?と思うくらい、身に脂がまわっていて実に美味しい。添えられている肝と卵のスモークも濃厚で、一緒に巻いて食べると甘美な味わい。メニューの中で魚料理は今の時期だと特に数少ないですが、ほぼ必ず『鮮魚のカルパッチョ』はあるので必食です。

信州高山 ツキノワグマのランプロースト♡♡
今夜、僅か限定1食だった料理。たっぷりとついた白身(脂)は、これでもラルド用に少し取ったという。全くクセもニオイもない赤身は噛むたびに旨味が溢れ出し、白身はトロリととろけて広がる甘みが素晴らしい。食べ終えても、口の中には脂の甘みが残っていて、余韻が続く味わい。
近年では九州地方のツキノワグマが絶滅し、中部地方でも絶滅危惧種に指定されているそうで、近いうちには食べられなくなるかも?だそう。確かにこの美味しさなので、乱獲するのも無理はないかな。

茨城 3週間熟成 青首鴨のいろいろ部位食べ比べ ロースト・ぺヴェラーダ♡
竹内シェフに頼んで3週間熟成していただいた青首鴨。部位の内容は、腿・ササミ・胸・手羽元・手羽先・首・頭と、本当に色々で鴨全てを食べる構成です。
なかなかの長期熟成なので、ちょっと心配していたニオイですが…さほどでもなく、ちょっと強いかな?くらい。身には脂が確りとまわっていて、肉質は引き締まっていながらも、どの部位も柔らかくて極上の旨味です。やはり傷がついていない網取りの鴨ということと竹内シェフの腕がこの綺麗な熟成になったのだと思います。おそらくは今季最後の青首鴨、最後に相応しい美味しさでした。

今夜も素晴らしい料理で満足です。構成が確りとしているコースもいいですが、やはり数ある料理の中から好きなものを選ぶアラカルトの楽しさはいいですね。ジビエシーズンは終わりますが、熟成中のものもあるみたいなので3月くらいまでは食べられるかも?春になったら、仔シリーズが始まります。コレには賛否両論があるのですが、味わい的にはとても素晴らしい肉です。機会を見つけて、今年もいただきたいです。

今夜もご馳走さまでした。また宜しくお願いします。14700


2019.1.

『青首鴨』が食べたくて、去年のうちに予約を入れておいた馬車道にあるイタリアン「OsteriaAustro」。一年中ジビエを扱っているお店ですが、トップシーズンの今は特にメニューが賑わっています。予約日当日、竹内シェフから「極上の脂の穴熊、入荷したよ」と連絡を受けたので、本日のスペシャルジビエの『穴熊』に変更して訪問です。

やはり、メニューにはジビエが凄い。『猪』なんて当たり前で、他には『サルセル』や『雉』、『アライグマ』なんてものもあったりします。迷いに迷って、私が選んだメニューは…。

千倉直送 黒ムツの炙りカルパッチョ♡
メニューの85%くらいは肉系料理ですが、実は魚もオススメ。
口に入れると薫香がふわりと香り、炙ってある皮目から溶け出した脂がその身を包み込んでるよう。切りつけも厚くて、魚を食べている!という感じになります。

旬のタラの白子の温製サラダ アンチョビバターソース♡
冬の名物料理。メニューには記載されていませんでしたが、事前にお願いしておいたので、無事に私のところへ。
表面にまぶしてあるパン粉がカリカリとした食感を与えて、クリーミーな白子の甘さが口のいっぱいに広がります。アンチョビバターソースにも負けない白子の甘さが素晴らしい。

下田産 穴熊のいろいろな部位盛り合わせ♡
「内臓もあるけど?」の言葉で、内臓も付けていただきました。内臓は、ハツ・腎臓・フワ・レバー・膵臓。身はスネの赤ワイン煮込み・ネック・バラ・モモ・ハラミという本当にいろいろな部位です。なかなかここまでの部位を一度に食べられるお店もないのでは?と思っています。
ジビエは固体差の出る食材ですが、かなりオススメするだけあって、実に素晴らしい味わい。赤身の部位はワイルドなとこもありながらも、噛み締める度に旨味が溢れてきます。白身の部位は歯を押し返すような弾力があって、さらりとした脂の甘味が広がります。内臓も健康的な穴熊だったのでしょう。柔らかな部位などはなく、プリプリシコシコとした異なる食感のリズムが素晴らしい!『青首鴨』も捨てがたい食材でしたが、後悔のない選択でした。

次回はまだ未定ですが、ジビエシーズン中には伺いたいと思っています。今度こそは『青首鴨』をいただこう。

今夜もご馳走さまでした!9730


2018.9.

一年中、何かしらのジビエがあり、肉で旬を感じることができるイタリアン「Osteria Austro」に再訪。今の時期だとジビエは鹿や熊が主流でしょうか。でも今回は特に目的の食材もなく、取り置きしている食材もなく、予約せずにふらりとやってきました。
扉を開けると、テーブル席は満席で、カウンターも1席だけ空いてるだけだったので、いいタイミングでした。竹内シェフが「xxxxの帰り?」と、私の行動パターンは読まれているみたいw

実食

信州産 黄金桃とブッファラのカプレーゼ
強いて言うならば、この黄金桃が食べたかった。黄金桃という甘味の強い桃とモッツァレラチーズ、自家製のブレザオラしたハムとボイルハムで作ったカプレーゼ。
黄金桃の甘さが異なる塩気の2種類のハムでより際立ち、モッツァレラチーズとの相性も抜群。この黄金桃の季節だけのスペシャリテ。

根室秋刀魚のスパゲッティ キモバター風味 ♡
メニュー名から美味しいと思っていた料理。全体的に秋刀魚の身とほろ苦い肝とバターが絡み合って、濃厚なスパゲッティになっています。更に上に盛られた秋刀魚のコンフィを崩して、混ぜ込むとより秋刀魚感が出て、美味しい。

北海道酪農大の研究牛のモモ肉のタリアータ セルバチコ添え ♡
北海道の酪農大の学生がアンガス牛と食肉用ホルスタインを掛け合わせて造った牛で、北海道の酪農大のある街?のコープでしか買うことが出来ないという珍しい牛。
肉質はサシなどは全くない真っ赤な赤身。でも柔らかく、噛みしめる度に旨味が溢れて出し、食べ終えた後に甘みが口の中に広がります。とろけるようなサシありの肉も魅力的ですが、旨味を味わうとしたらこのような赤身肉が1番かと思います。メインの肉料理といえばジビエに定評のあるお店ですが、ポピュラーな牛や豚などがオンメニューされていた場合は、要チェック。普通に手に入るような肉はあまりないので、珍しいものが多いです。

黄金桃のベリーニ
ドルチェもかなりの種類を揃えていますが、今夜の〆はベリーニで。

イタリアンやフレンチは特にオシャレなお店が多くなって、大きな皿にちょこんと盛られるような多種多皿のコースが主流。でもこのお店のように(コースもあるみたいだけど)好きなものをがっつりと食べる方が好みかな。もう少ししたら、ジビエシーズン到来!このお店が1番賑わう時期です。今年もまたお世話になります。10300


2018.5.
オーナーシェフから色々と入荷する食材の情報をいただいていて、これは食べたい!と思ったら予約するのが、最近のスタイルとなっている馬車道にある「Ostria Austro」。「旬を感じるのは魚や野菜だけでなく、肉も同じ」というコンセプトの下、ジビエに力を入れており、日毎に変わるメニューは確かに旬を感じられます。

今回の私の目的食材は、春のジビエである『仔シリーズ』。大抵は仔豚・仔牛・仔羊・仔山羊の順で入荷しており、ちょうど訪問時には仔牛があったので、久しぶりにメジャーな肉をいただきます。

実食

千倉漁港直送 メジナのカルパッチョ 白子のスモーク添え
「Ostria Austro」は肉もだけでなく魚も美味しく、代表的なのはカルパッチョ。分厚い切りつけのメジナは脂たっぷりで甘みもあり、美味しい。添えられたスモークした白子と卵も、薫香と苦味がいいアクセントになっていて、◎。

鮎と信州山菜のもち麦リゾット
メニューを渡された時に、「鮎のコンフィが1匹丸ごと乗っていていいですよ」と勧められたので、注文。
モチモチとしたもち麦リゾットには数種の山菜が入っていて、まるで山の恵みをいっぺんに食べているかのような料理。そして、上にドーンと乗せられた鮎のコンフィはほろ苦くも、実に美味しい。そのまま食べてもよし、リゾットに混ぜ込んでもよし。

乳飲み仔牛のビステッカ フィレンツェの風 Tボーンステーキ
4センチ幅に切られた約400グラムくらいのTボーン。さすがのボリュームですが、そこは乳飲み仔牛。牛肉というと赤身ですが、乳飲み仔牛なので白っぽい肉なのも特徴的で、脂はさらりとして肉質はきめ細かく、筋でさえも柔らかく、味わいもどこかミルキー。実に美味しかったです。

コース料理も勿論、良さはありますが、アラカルトは実に楽しい。元々、メニューの多くはシェアできる量なので、1人で食べるとかなり満足度は高いです。おそらくは、そろそろ『仔山羊』が入荷するのかな?食べる機会が少ない肉ですが、トップクラスに美味しいので、興味がある方は是非。9160。


2018.2.
ジビエのトップシーズン。年中何かしらのジビエを提供している馬車道にあるイタリアン「Osteria Austro」はまさに今、真骨頂を迎えています。ジビエなどの情報を竹内シェフからいただいており、「白子りませんか?」の言葉に時間を作ってやってきました。

店内は早い時間に来店された方で満席。当日予約でしたが、空いていたのはラッキーかも。久しぶりにメニューを見て、食べたい料理が多すぎて迷います。うーん…。

実食

若松葉ガニのカルパッチョ シチリアレモンオイル
おすすめされた前菜の1つ。透明な身はレモンの香りと爽やかを纏い、生ならではの甘さが映えます。さっきまで活きていたというなかなか出会えない生の松葉蟹!いい瞬間に来ました。

旬のタラの白子の温製サラダ
コレが本日のラスト白子。予め、シェフに言っておいたので、取り置きしてくれていました。良かった♡
表面にはパン粉をまぶしてあるので、カリカリ。そして、中はとろーりとクリーミー。冬は美味しい食材が多くて、作るのも食べるのもたっのしー!

下田猪のグリル 内臓煮込み 盛り合わせ
鴨系のジビエや本州鹿もあったのですが、なんとなくこの下田猪に惹かれたのでオーダー。シェフが信頼を寄せてらっしゃる下田の猟師の方のパーフェクトな血抜きの猪らしい。
内臓はレバーとハツ。煮込みはスネ肉をフェンネルと共に煮込んでいるそうで、肉の部位は腿肉。ソースはチョコレートの甘みと苦みが特徴的なドルチェフォルテ、ジビエのソースとしては定番ですね。他店でも猪はいただきましたが、やはりこのお店のは美味しい。臭みなどは微塵もなく、適度な脂もあり、噛むたびに旨味が溢れて出してくるかのようで、その味も実に濃い。今の季節はジビエを取り扱っているお店も多いですが、内臓などを普通にオンメニューしているお店は稀有だと思います。

完成されたコース料理も素晴らしいですが、自由に食べたい料理を食べるアラカルト主体は、やはり楽しい。ジビエの狩猟期間はそろそろ終盤ですが、熟成期間もあるので、3月上旬くらいまでは食べられるかなと思っています。今年は他店でジビエの王様と称される『べキャス』を食べたので、べキャス欲が湧きませんが、来年はこのお店で『国産べキャス』を食べようと思っています。
春になれば、恒例の仔シリーズが!夏になれば、熊が!四季を感じられるイタリアンは、素晴らしい!


2017.11.
11周年を迎えた「Osteria Austro」に、再訪。ジビエシーズン突入ということで、徐々に鳥系の入荷も予想される中で、予てより気にはなっていた超レアなアレが入荷したと聞き、シェフに連絡を取って取り置きしてもらいました。

実食

寒鯖のスモーク
一枚一枚が厚みがあり、口に入れるとスモークの薫香を感じながら、鯖がゆっくりと溶けていきます。鯖にクセなどはなく、濃厚な脂は唇にルージュを引くかのよう。鮨店の鯖もいいけど、たっぷりと食べられるこういう料理もいいなぁ。

千倉漁港直送 熟成太刀魚の炙りカルパッチョ スモークオリーブとディル風味
皮目を炙ることで脂が溶け、ごく少量の味付けで、太刀魚本来の味わいを殺すことなく堪能できます。元々、シェアできる量を独り占めなので、たっぷりと食べられて至福です。

アルバ産白トリュフ リゾットパルメジャーノ
今週に入荷したばかりという旬のアルバ産白トリュフ。供されると、白トリュフの芳醇な香りが、まずは鼻を擽ります。味わいは極濃厚で、米の食感も素晴らしい。秋から冬にかけて、こういう濃厚な味わいが恋しくなります。あまりリゾットに出逢わないので、出逢えて良かった♡

鳥取産 xxxxxxxのロースト
内容は手羽先、手羽元、ササミ、胸肉、腿肉。内臓は脳味噌、ハツ、砂肝、レバー。
コイツは、なんて鳥なんだ。まるで全身は筋肉で出来ているかのような肉質で、ササミなんて僅かしかありません。腿肉は顎が疲れるくらいに固く、手羽元は骨から肉が離れないほど。しかし、胸肉は味も濃くて、実に美味しい。そして、予想通りに脳味噌は他の鳥の群を抜いて美味しい。クセもなく、ねっとりとしており、溶ける寸前のレバーのような感じ。

ジビエシーズンとなり、旬の肉料理をうたっているこのお店の真骨頂が、ついにやってきます。ふらりと来てもジビエは必ずありますが、食べたいものがあるのであれば、確りとした予約をして食材の取り置きがベターです。今年こそは、生命の煌めきを感じてみませんか?


2017.6.
「Osteria Austro」から仔シリーズの最後となる『仔山羊』が入荷したと連絡を受けたので、早速食べに行ってきました。ずっとバイト募集をしていましたが、ついに新しく可愛い女の子が入ったみたいで、お店の雰囲気も華やかです。さて、そんな中で本日のメニューから今夜は…。

実食

天津小湊 熟成金目鯛のカルパッチョ
7~9月まで禁漁となる天津小湊産の金目鯛をじっくりと熟成させたカルパッチョ。上にはクレソンとその花、揚げた鱗を乗せ、スモークした肝と卵巣、皮目を炙ったハラミの部位も盛り付けてあります。
凄い脂が身に行き渡った金目鯛。鱗のパリパリとした食感も楽しめて、美味しい。

トリッパの炙り焼き
ついつい注文してしまうトリッパ。焼いても煮ても美味しいトリッパは、大好きです。

仔山羊の色々盛り合わせ
今夜のメインの仔山羊です。色々盛り合わせというだけあり内容はバラ軟骨、ゲタカルビ、食道、レバー、タン、腎臓、モモ、ロース、バラ、スネ煮込みです。
なんというジューシーさ。そして、臭みやクセなどは皆無で、例えどんなラムを食べたとしてもこの仔山羊に比べたら、クセを感じてしまうだろうと思うほどに無垢な味わいです。牛豚鶏以外の肉では、この仔山羊が1番美味しいと思います。初となる貴重な内臓でオススメは、食べ応えのあるレバー。プリッとしながらも、とろりととろける食感は素晴らしい。

貴重な仔シリーズは、この仔山羊で終わりです。これからのジビエですと、この日もオンメニューしていた『夏鹿』『羆』や害獣駆除で獲るのがメインとなるかな。確かにジビエに力を入れているお店ですが、千倉などから直送されている魚介類も侮れません。旬をちゃんと感じられるイタリアンです。


2017.3.
ジビエシーズンが終わり、魅力的な肉料理がないと思われがちですが、春には春のお楽しみがあります。それは『仔シリーズ』です。春は出産時期なので、産まれて間もない乳飲み肉を食べることができる貴重なシーズンなのです。馬車道にある「Osteria Austro」では、毎年この時期になると仔豚・仔羊・仔山羊・仔牛が順にオンメニューされ、私も毎年何かしらを食べています。お店のHPを見ると、『仔豚』が入荷したそうなので、早速食べに行ってきました。
日毎に変わるメニューの中で、今夜はこんな感じでオーダー。

実食

千倉漁港直送 10日間熟成メジナのカルパッチョ ハラコスモーク添え
10日熟成しているので、モチモチとした食感の中での甘みが凄い。添えられたほろりと苦味の走る卵と白子のスモークはそのままでも美味しいですが、身と共に食べると絶品です。

トリッパのグリル メイヤーレモン添え
オレンジの香りのする不思議なメイヤーレモンを搾って。トリッパもこれだけのボリュームだと食べ応えがあります。柔らかく、臭みもないし、煮込みという料理は多いけど、グリルもいいなと思った品です。

千葉 乳飲み仔豚のピアットウニコ
本日の私的メイン。ピアットウニコとは、盛り合わせのこと。でもここでの盛り合わせは、仔豚の色々な部位です。バラ肉、モモ肉は勿論のこと、スネ肉や頬肉などの頭部の部位を全て使って、豚の持つゼラチン質だけで固めた煮凝りがワンプレートになっています。
皮はパリパリとした食感で焼き上げ、肉の部位はしっとりとロースト。その脂はとても甘くてジューシー、豚の持つ微かなクセすらもありません。まさにイノセントポーク!年に一度の出逢いですが、思い出になる味わいです。

次回の『仔シリーズ』は、仔羊かな?個人的には『仔山羊』は必食。また宜しくお願いします。


2017.1.
ジビエシーズンもそろそろ終わり。今シーズンは鮨まみれになっていたので、ジビエは非常に疎かになってしまいました。それでも『鴨』は好きなので、シーズン中に食べようと思い、「Osteria Austro」に再訪です。
メニューを見ると、やはりオンシーズンということでジビエメニューは賑やか。今シーズンはいただきませんでしたが、ジビエの王様と称される『ベキャス』は国産物が入荷するので、ジビエファンは必見のお店です。残念ながら食べたかった『青首鴨』は入荷がなかったそうで、『真鴨の雌』を最後にして、ダブルメインでオーダーです。

実食

『旬のタラの白子の温製サラダ』
この季節の一押し前菜。何気に初なんです。元々シェアできる量なので、一人で食べると幸せなボリュームです。熱々の白子は甘く、カリッとしたパン粉焼きの食感もいい。旬の食材は素晴らしい。

『ソルトブッシュラムのロースト』
ただのラムではありません。『ソルトブッシュラム』です。塩分を吸収しつつも、天然ミネラルをそのまま保持しているソルトブッシュを食べることで、ビタミンEやミネラルを豊富に含んだ羊となり、『オセアニアのプレサレ』と称されるラムなのです。そんなラムがしれっとオンメニューしているのが、このお店のいいところ♪
肉質は柔らかく、噛めば噛むほどにラムの味わいが肉汁と共にどんどん濃くなってゆく。普通のラム肉よりも、濃厚な味です。

『千葉マガモのローストぺヴェラーダソース』
胸肉だけでなく、腿肉・手羽・軟骨・ハツ・レバー・砂肝まで、まるで一皿に鴨一羽を演出しているかのような盛り合わせが、このお店の真骨頂。ジビエならではの個体差のある味わいが、生命の連鎖を感じさせます。味が濃く、それぞれがしっかりとした噛み応えで、その中で確かな旨味を味わえます。

久しぶりの「Osteria Austro」堪能しました。2/15で狩猟シーズンが終わってしまいますが、2月いっぱいは熟成の兼ね合いで、ジビエは食べられるかな?と思います。春になると、『仔~』シリーズが始まります。特に『仔山羊』は必食なので、是非食べていただきたいジビエの1つです。

今回もご馳走様でした。


2016.10.
本格的なジビエシーズンの前に、久しぶりとなる「Osteria Austro」へ再訪。まだメニューにはジビエで溢れかえっていることなく、今年のキノコシーズンが終わりを迎えようもしています。その中からオススメの料理をいただきましょう。

『千倉直送一週間熟成アカハタのカルパッチョ 自家製ボッタルガがけ』
口に近づけると、香るのは自家製ボッタルガの匂い。アカハタはムチムチとした食感で、噛みしめる度に甘さと脂がじっくりと味わえます。

『カイワリと信州天然キノコの紙包み焼き カルトッチョ』
カイワリは縞鯵に似た魚で、実に美味しい。この料理の主役であるキノコは、聞いたこともないものばかりでしたが、どれも異なった食感があり、食べる度に面白い。そして、どれもキノコジュースがハンパない。キノコシーズンの最後に相応しい料理でした。

『穴熊の脳味噌のフリット』
メインで穴熊を選んだ私の席に奥から竹内シェフがいらして、「穴熊の脳味噌食べます?食べるなら、今から割りますけど?」と穴熊の頭を見せてくれました。正直、グロいです(笑)でも折角なので「食べるっ」と言うと、カンカンと叩いて取り出してました。
で、コレ。特に躊躇することもなく食べると、極濃厚で美味しい。ヘンな臭みやクセもなく、ただ濃厚。小型の穴熊などの脳味噌は、あまりお客に提供しないらしく、シェフの心遣いに感謝です。

『下田穴熊いろいろ部位盛り合わせ』
右からレバー、腎臓、ハラミ、モモ、ロース、バラ、バラ軟骨、ネック、スネのバルサミコ煮込みという内容。
ジビエは固体差があり、どんなものを食べているかでかなり味も変わってくるそうですが、この穴熊は非常に美味しかったです。肉質はジューシーで臭みやクセもなく、内臓もプリッとしていて健康的だったことを感じさせます。

久しぶりの「Osteria Austro」は、まだ鳥系がオンメニューしていないので、ちょっと寂しい感じでしたが、変わらずのジビエっぷりで満足。11月で10周年を迎えるこのお店で、また多くのジビエの生命に出逢いたいです。


2016.4.
ジビエシーズンも終わり、ここからは禁猟時期になるので、害獣駆除で得たものが入ってきます。ここ「Osteria Austro」もひと段落と思ってらっしゃるかもしれませんが、実は4月からは春のジビエ『乳飲み〜』が始まります。その第一弾である『乳飲み仔豚』が入荷しているとの連絡をいただいたので、いつもは予約していくのですが、今回はふらりと訪問です。

『桜マスと新玉葱のカルパッチョ』
川魚のヤマメが降海したもので、まさに桜が咲く時期に旬を迎えている魚。新玉葱と書かれていますが、実は注目したいのが上に盛られている大長人参という牛蒡にも似た長い人参で、甘みもコクも強い。ソース的なものはなく、桜マスの骨から取った出汁をジュレ状にしてかけてあり、実に濃厚な脂が口の中で溶けて、美味しい。

『乳飲み仔豚ロースのロースト』
その名前の通り、まだ乳しか飲んでいない仔豚で、春のジビエの一つ。かなり厚く切られており、ボリューム満点なので、1人で食べるのであれば皿数を考えてオーダーすることが必要です。
皮目はすごくパリパリになっており、どこかミルキーな感じがする肉質はとても柔らかくて、そのコントラストが面白い。元々クセや臭みが少ない肉ですが、仔豚となるとかなり繊細な味わいとなっているので、香辛料は使っていないみたいです。

春のジビエとして、次に来るのは『仔羊』と『仔山羊』。特に『仔山羊』はなかなか食べれる機会がないので、是非オススメです。入荷はだいたいGW以降になるとのことなので、新しくなってたお店のHPなどでチェックしてみて下さいね。


2016.1.
ジビエシーズンもそろそろ終わりが近づいてきました。いつものお店「Osteria Austro」で、恒例となりつつあるジビエの王様『ベキャス』をいただきましょう。
まずは今夜のメニューから、軽めに選んでオーダーです。

実食

『寒ブリトロと信州野菜のグリル』
魚系も食べたかったし、野菜もいいかなと思ってオーダーしたのですが、「お待たせしました」と供されたお皿を見て、驚く。ブリ、大きすぎ(笑)ハンペンくらいあるし。
でも、やはり美味しい。こってりとした脂で、シンプルな味付けがいいです。

『下田猪の内臓いろいろ』
内容は『フワ煮込み』『腎臓』『レバー』『膵臓』『タン』『はらみ』『ハツ』『ロニョンブラン』。
当初は『レバーのグリル』だけにしようと思ったのですが、「シェフが猟のお手伝いをしたという記念の猪で、内臓オススメですよ」と言われたので、せっかくなので。
それぞれ異なった食感があり、楽しい。全てに共通するのは、フォークを跳ね返るくらいの弾力があり、口の中で弾けると、肉汁が溢れます。特に印象的だったのは、レバーかな。口の中で蕩けていく感じは、病みつきになりそう。

『ベキャスのロースト サルミソース』
ほぼ毎年食べているベキャス。おそらく食べたのはスコットランド産だと思いますが、昨年末には国産ものも入荷していたので、来年度には食べてみたいところ。予定が合わなくて、食べられなかったのよー。
先日、某店で食べたのは肉を食べさせるようなイメージでしたが、このお皿は内臓がとけたソースを食べさせるイメージ。確かに『ベキャス』は、内臓が重要視されるジビエなので、これもアリ。濃厚なサルミソースは、ベキャス特有の魚香も楽しめ、美味しい。

『XXのジェラート』
「nao.さん、美味しいジェラートあるんですが、どうですか?」と勧められ、注文。ふつーのバニラジェラートなのですが、まさかの食材が使われていました。素材を当てられた方は、まだお一人だそうで、私は「惜しいっ」と言われました。ヒントは「このお店らしいな」と言ったところでしょうか。

文頭でも触れましたが、ジビエシーズンは終わりになりつつあります。それでもまだストックがあると思うので、メニューが寂しくなるのはまだ先だと思います。ただ食べて美味しいだけなら食用が一番ですが、旬や出逢いそして生命を感じられるのは、ジビエの魅力だと思います。


2015.11.
本格的なジビエ猟の解禁の前に、「Osteria Austro」では天然キノコが入荷します。毎年、この時期はなかなか行く機会がなくて、食べ逃していたのですが、たまたま予約していた日に『天然舞茸』が入荷するとメールをいただきました。勿論、取り置きをしてもらって、入店です。

メニューを見ると、ジビエも『青首鴨』『小鴨』『猪』『穴熊』と本格的な到来を感じさせる賑わい。今回の目的食材の『天然舞茸』もアンティパストで2種、プリモ・ピアットで1種ありましたが、竹内シェフがオススメというアンティパストでオーダー。

実食

『天然舞茸のフリット』
提供されて、驚く。その大きさと肉厚さに。山で見つけたら、舞うように喜ぶことから、舞茸と名付けられたと聞きますが、その気持ちもわかる気がします。ナイフを入れると、キノコからじゅわりと肉汁(?)が溢れ、香りも良く、山の息吹を感じるかのよう。美味しい♡

『香箱蟹とルッコラのタリオリーニ カニみそ風味』
濃厚な蟹味噌にたっぷりの身と内子・外子も入っています。クセなどもなく、卵のプチプチ感とパスタのモチモチ感も楽しめ、実に美味しい。

『千倉直送 エボダイのグリル』
魚も食べたいなと思って、オーダーしたのですが…まさかの丸々一匹。エラの部分にニンニクを入れ、ローズマリーなどの香草と焼き上げています。適度な脂もあり、ほろりとほぐれる身質は美味しい。エボダイは干物で馴染みがあり、大好きな魚ですが、生やこのような形でも好みの魚でした。

『青首鴨のロースト』
猟が解禁したばかりの『青首鴨』。いつもは丸々一匹を味わえるような内容なのですが、今回は胸肉のみにしてもらいました。フレッシュな身質は、ジビエならではの余分な脂がなく、しっとりとした感じ。これから色々な鴨が入荷するそうなので、楽しみです。

今回は何と言っても『天然舞茸』が、実に美味しかったです。銀座の某店で、『半天然舞茸』を見かけていたのですが食べられず、心残りだったのですが、まさかここで出会えるとは。帰り際、自然の豊かとその恵みについて、ちょっと会話。年明けに入荷するであろうあの食材も楽しみです。


2015.8. 再訪
いつもならば、シェフの竹内さんから「〜が入荷しました」というようなメールをいただき、予約して訪問するのですが、今回は席の予約のみ。今の季節だと、ジビエは『夏鹿』や『羆』や『月の輪熊』が主流かな?そんなことを思いながら、「Osteria Austro」の扉を開けます。

メニューを見ると、やはり思っていたジビエが主流で、特に『夏鹿』のメニューが多い。目玉はやはり『羆』と『月の輪熊』の食べ比べができるのがありましたが、私が選んだのは…。

実食

『琵琶湖 鮎のコンフイ香草風味』
まさかの大きさ!ちょっとした鰯よりも大きいです。それでも骨まで柔らかく、身だけ食べると香草の香りを楽しめ、ワタには独特の苦味も残してあるので、香草と合わさると、実に美味しい。

『ツキノワグマのカルパッチョ』
竹内さんから「できるけど、食べる?」と言われて、「食べるっ!」と即答。真っ赤な赤身肉は口に入れれば、甘さを感じながらとろけていき、全てとろけるのではなく、最後には噛みごたえも残ります。勿論、クセなどは微塵もありません。

『パドヴァより ロバのグリル』
数ヶ月前に食べ損ねた『ロバ』。まさか、出逢えるとは!イタリアでは『ロバ』を食べる習慣があるそうで、このパドヴァもその一つらしい。最近、この『ロバ』が注目されているそうで、都内でも何軒か提供しているお店もあります。「Osteria Austro」でも毎回あるわけではなく、本当にたまたまだったそうです。
気になる味は…見た目は赤身肉で、何肉かは判別不可能。食べてみると、柔らかいものばかり食べている私にとっては、かなりの噛みごたえがあります。でも噛むたびに肉から溢れ出る肉汁は、凄い。クセはほとんどなく、「牛肉だよ」と言われたら、「ちょっと固い肉かな?」と思ってしまう感じ。

『放牧短角牛 北の里自然牛のグリル』
ジビエばかり食べていましたが、たまにはメジャーな肉も食べたくなるわけです。赤身が美味しい肉で有名な『短角牛』ですが、それでもやはりサシは入ってしまうそうです。しかしこの『北の里自然牛』は、肉になる前に5ヶ月以上放牧させているそうで、竹内さん曰く「ド赤身」だったそうです。
確かに赤身肉らしく、口とろけるような感じではないですが、噛む度に旨味が出てきます。また『ロバ』よりは、全然柔らかいけど、味は『ロバ』の方が濃いかな。

『信州 旬の白鳳のスープ』
珍しく、ドルチェも。この1杯に『白鳳』が丸々1個使っているそうで、中心のバニラよりもずっと甘い。ジュースではなく、スープという表現はピッタリです。

食材の予約をしていなかったので、どんなものが食べられるのかと思っていましたが、素晴らしい内容で満足。「ウチはいつもこんな感じだよ?」と笑ってらした竹内シェフが、とても印象的でした。次回の訪問はまだ決めていませんが、そろそろまた訪れる本格的なジビエシーズンが待ち遠しいです。


2015.5. 再訪
「Osteria Austro」の竹内さんから待ちわびた食材がついに入荷したとのメールを頂き、再訪。毎年、この時期にしか食べることのできない食材。それが『仔山羊』。通年はGW明けくらいなのですが、今年は発育が遅れているとのことで5月末になったそうです。

実食

『千倉漁港直送 旬のトビウオのカルパッチョ』
メニューを見る前から、「今日はカルパッチョを食べよう」と思っていたので、迷わずオーダー。ジビエのみに注目されがちですが、魚も美味しいので、要チェックなのです。
一皿に何匹使ってるんだろうと思うほどにたっぷりと盛られています。おそらくはシェアを考えての量なので、一人だと満足感もひとしお。トビウオの青魚感もなく、脂の美味しさを味わえます。

『江戸前浅利と幻の山菜「ナルコユリ」のスパゲッティーニ』
本日のオススメパスタとして、勧められた貴重な江戸前浅利と幻の山菜と称される『ナルコユリ』を使ったスパゲッティー二。『ナルコユリ』は聞いたことのない山菜でしたが、現物を見せてもらうと、まだ花の咲いていないユリの蕾のような感じでしたね。
浅利のエキスをたっぷりと吸ったスパゲッティー二は、とても美味しい。問題の幻の山菜は、茎はアスパラのような食感があり、蕾の部分はちょっと滑りのある感じで、全体的にアスパラよりも甘いです。山菜の甘さの中で、トマトの爽やかな酸味がいいアクセントになっています。想像よりも浅利が小ぶりだったのが、少し残念なとこ。

『信州井上牧場 乳飲み仔山羊 いろいろ部位食べ比べ』
本日のメインの仔山羊ちゃん♡内容は左からバラ軟骨、バラ、ランプ、モモ、ヒレ、ウデ、ネック、スネ肉(新玉ねぎのエキスだけで煮込んだもの)。
変わらずの超繊細な味なので、胡椒などの臭みを消す香辛料は一切なしで、味付けは塩のみ。ソースは仔山羊が取ったズーゴなので、仔山羊丸々食べられる一皿になります。
基本的に柔らかく、部位よって食感は変わるけど、噛みしめる度に溢れる肉汁が、今年は特に凄い。竹内さんに聞いてみると、やはり脂のノリが良かったらしい。ジビエならではの個体差があるわけですね。仔山羊はこの時期しか食べることができないけれど、通年食べれるのであれば、ラム肉よりも全然食べやすく、美味しいと私は思います。

『下田 本州鹿タングリル』
何か肉系がもう少しと思って、追加したもの。なかなか食べる機会のない『鹿タン』です。
食感は豚タンのようなしっかりとした噛み応えで、濃厚な脂は牛タンのようで、美味しい。

「ジビエ」というジャンルが確立しつつある中でも、やはり「えー?こんなものを?」という獣やその部位がまだまだあり、倦厭されている方も多いと思います。でも、食べてみて下さい。きっとその考えはガラリと変わることでしょう。美味しさと生命を食べることの尊さを、しっかりと感じられる料理だと思います。


2015.3.
「Osteria Austro」に再訪。今回の目的の食材は、『野ウサギ』。事前に入荷を教えて頂いていたので、今回の訪問になったわけです。『野ウサギ』というと、ジビエの女王と称される食材で、代表的な料理としてはワイン煮込みの『ロワイヤル』というのがありますが、このお店では違います。その調理法は、なんとグリル。『野ウサギ』をグリルで提供しているお店は、なかなかないではないでしょうか。

実食
『ベキャスのリゾット キモバター風味』
ジビエや冬の食材がそろそろ終わりという中で、食べたいものは多くあったのですが、今まで見たことのないメニューだったので、オーダー。
特別に?付けて頂いた頭から想像するに、かなり小さなベキャスのよう。それでも肝はたっぷりと入っていて、ベキャス独特の香りも楽しめます。ベキャスというと、サルミソースで食べるイメージしかなかったのですが、これはいいですね。ジビエ好きには、贅沢なリゾットだと思います。

『新潟 野ウサギいろいろ部位食べ比べ』
今回の訪問目的の料理。食べ比べということで、スネ肉煮込み・ロース・モモ肉・背ロースト・チェルベロ(脳ミソ)のフリットの部位が盛られています。ソースは『野ウサギ』の出汁に血とチョコレートを加えたもので、ほのかな苦みとコクがあります。
『野ウサギ』というと、ジビエの中でかなりの臭みがある食材として知られていますが、このお店ではそんなことは全くありません。内臓をキレイに取ってから、熟成させているとのことで、臭みがないのだそうです。味わいは鶏肉よりも味が濃く、余分な脂のないしっとりとした柔らかな肉質で、美味しい。臭みがなく、柔らかいからこそのグリルという調理法なのだそうです。

次回の予約食材は、春のジビエの定番『仔羊』と『仔山羊』。どちらもとても美味しいジビエで、楽しみです。
特に『仔山羊』は衝撃的な美味しさがあります。是非、食べてみてください。


2015.2
1月下旬についに去年から予約していたジビエが入荷したとの「Osteria Austro」の竹内さんからのメールが!そのジビエとは、ジビエの王様と称される『ベキャス』です。

ベキャス
和名は山鴫。森林の茂みに生息する昆虫などを食べている小型の野鳥です。肉質はジビエにしては珍しく、柔らかく繊細。中でも内臓が珍重されており、ベキャスは内臓を食べるジビエと言われるくらいだそうです。

思えば、この『ベキャス』が「Osteria Austro」との出会いでもあります。ジビエに興味を持ち始めた頃、「1人」「ジビエ」「カウンター」そんなキーワードを元に探したのが、このお店なのです。今では、すっかり常連さん♡

このお店の魅力は、日毎に変わるアラカルト。今夜も前菜からパスタ、メインまでジビエのオンパレードです。メインは勿論、『ベキャス』。でもジビエシーズンがそろそろ終わってしまうので、他のも食べておきたいところ。メニューを見ながら、悩んでいると、「あ!書いてないですけど、サルセルもありますよ?」と。これ以上、悩ませないでー(笑)

実食
『アン肝のテリーヌ シェリービネガーのアグロドルチェ』
アグロドルチェとは、イタリア語で「甘酸っぱい」の意味。つまり甘酸っぱい料理ということです。下に敷かれているのは、三浦のワカメだそうです。
アン肝の濃厚さが甘酸っぱさの中で、よく映えます。ワカメのシャキシャキ感もいい。イタリアンのアン肝もいいなぁ。

『下田猪のグリル そのズーゴのソース』
メインの前にメイン?と思われるでしょうが、食べたかったんだもん(笑)実は先日、このお店がTVの情報番組のジビエを特集したコーナーで紹介されたんです。その中で映っていたのが、この料理。
ソースに拘る料理が多い中で、この料理のソースはその食材の出汁のみという、とてもシンプルなグリル。ボリュームもかなり豪快で、シェアしても十分なところを1人占め♡サクサクとした歯応えの中で、噛みしめる度に溢れ出る甘い肉汁が素晴らしい。豚よりも味が濃くて、クセなどもなくて、本当に美味しいです。

『ベキャスのロースト サルミソース』
さあ、メインです。熟成期間は2週間していただいたので、アンチョビのような独特の香りも供された時点で香ります。肉質も柔らかく、腿やササミ、手羽の部分も美味しい。何よりも内臓を使ったこのソースが、やはり激ウマです。フォカッチャなどで綺麗にいただきましょう。忘れちゃいけない脳味噌も美味しいです。
今年も食べることができ、ありがとうございます♡

狩猟シーズンが終わるので、ジビエを食べられるのもあと少し。「Osteria Austro」では寝かせているのがまだあるそうで、3月中旬くらいまでは食べられるかもとのことです。これからは、害獣駆除で獲る四脚ジビエが主力でしょうか。それでも春になれば出逢えるジビエがあります!楽しみです♡


2014.12.
「Osteria Austro」の竹内シェフから食材の入荷メールを何通も頂きながらも、なかなか予定が合わずに、やっと再訪できた12月。季節は巡って、もうジビエシーズンのピークを迎えいて、オンメニューされている食材も選び放題となっています。今回、私がキープして頂いていた『熟成カルガモちゃん』が散弾の状況が悪く、食べられないという悲しいメールも頂いましたが、それでも魅力的なジビエは多くオンメニューされていました。

『下田 本州鹿内臓盛り合わせ』
さっぱりとカルパッチョもいいかなと思ったのですが、内臓好きとしては見逃せないメニューだったわけです。内容は(上から)ハツと巨峰のサラダ・トリッパ煮込み・フワ(肺)煮込み・喉軟骨のグリル・膵臓のグリル・レバーのグリル。
これが前菜とは思えないほどのボリュームで、美味しい。煮込みはそれぞれ味が異なり、シンプルなグリルもクセなどはなく、非常に食べやすい。「鹿の内臓?ムリ!」という方も多いでしょうが、是非食べてもらいたい一品です。

『信州舞茸と自家製ボッタルガのスパゲティー』
『熟成カルガモちゃん』と一緒に取っておいてもらったのが、『半天然の舞茸』です。「舞茸入荷」というメールだけだったので、どんな料理なのか知らなかったのですが、パスタでした。
店内に漂う何かを炒めているすごいいい匂い。それが私のパスタ。かなり大ぶりに割かれた舞茸に、自家製のボッタルガ(カラスミ)をたっぷりとかけられています。味わいは、もうお分かりですね?ボッタルガの絶妙な塩加減が素晴らしいです。

『鴨川 真鴨のロースト ペヴェラーダソース』
サルセルや猪など食べてみたい料理もあったのですが、鴨系が食べたかったので、王道の『真鴨』をセレクト。ソースは、ジビエとの相性抜群のレバーや黒胡椒などを使ったペヴェラーダソースです。
部位の内容は、ササミ・胸肉・手羽元で、おまけで頭もカリカリに焼いて出して頂きました。味わいはジビエらしく、しっかりとした肉質に程よい脂で、やはり鴨は美味しい。脳味噌をスプーンで食べていると、「お客さんの中には、タンを食べる方もいますよ?」と言われ、「タン?」と思いましたが、初鴨タンです。小さいですが、なかなかよい歯応えです。

『広島 雉のブロード ストラッチャテラ』
メニューを見て、オンメニューしているのは分かっていましたが、先日違うお店で食べたのでスルーした料理。とある食材の話から、竹内さんにオススメして頂いたので、寒い外に出る前の〆となりました。ストラッチャテラとは、イタリア式のかき玉スープのこと。雉の出汁は、鶏や鴨とも違った何とも上品で、繊細な味わいです。

やはり冬の「Osteria Austro」は、魅力的。ジビエは高額なイメージがありますが、シェアできるくらいのボリュームもありながらもリーズナブルです。ジビエに興味がある方やこれから食べてみたいと思ってる方には、是非この季節にオススメのお店です。
個人的には年明けくらいに予約していた『ベキャス』が入荷するそうなので、楽しみです♪


2014.9.
「Osteria Austro」の竹内さんから『夏鹿』と『千倉産 ムール貝』の入荷のメールを戴き、「夏鹿はともかく、ムール貝って美味しいの?」という興味が湧き、再訪です。『ムール貝』ってさほど注目している食材ではなく、おまけ程度に盛られたカラカラ状態でしか味わったことがありません。そもそも、夏が旬だったとは…。竹内さんがおっしゃるには、とてもミルキーで濃厚なプリプリ感だそう。それならば食べてみたいじゃないですか!

が‼︎ 連日の雨の為に、時化で入荷がない!orz 私の『ムール貝』が…。
ないものは仕方ないので、本日のメニューから前菜とメインをオーダーです。

『信州 桃 あかつきとモッツァレラ 自家製生ハム』
最近ネットで話題になっていた「桃とモッツァレラ」がメニューにあったので、迷わずオーダー。
自家製生ハムは、さすが「Osteria Austro」。イノシシ・ヒグマのモモ肉・・ツキノワグマの背脂・豚のほほ肉という4種が添えられています。
桃の豊潤な香りと甘さ、モチモチ食感のモッツァレラのコク、生ハムの塩気が絶妙の合わさり、美味しい♥︎素晴らしい前菜ですね。

『白糠 夏鹿ロースト』
メインは、やはりコレ!ジビエといえば冬のイメージがあるかもしれないですが、鹿は夏が美味しい。ロゼ色の赤身肉はしっとりと繊細でいて、噛みしめると肉汁が溢れてきます。最近は骨付きの肉を多く食べているので、肉を食べたという満足感でいっぱいです。

『ムール貝』が再入荷次第、また教えて戴けるとのことですが、私の予定と合えばいいなぁ。


2014.7.
「Osteria Austro」の竹内さんからクマメールを戴くこと数回。なかなか予定が合わずに行けなかったのですが、やっと訪問。今の季節、ジビエだとクマがメインとなって、『ヒグマ』や『ツキノワグマ』が食べられるようです。今年は『クマのレバー』を提供していたそうで、食べ損ねましたが、興味のある部位ですね。
さて、今回私が食べたのは『ヒグマ』。でもただの『ヒグマ』ではありません。『仔熊』です。

実食

『丹波黒鳥の食べ尽くし 前菜の盛り合わせ』
一皿で丹波黒鶏の全ての部位が食べられる前菜。軽くスモークしたモモ肉をグリルしたもの・ササミと胸肉を軽くボイルし、鶏の出汁のジュレをかけたもの・モモ肉と内臓のインボルティーニ(内臓はレバーやハツなど)。どれも美味しかったですが、私はインボルティーニが良かったかな。内臓好きなので(笑)

『千倉ムギイカのイカスミ冷製カッペリーニ』
夏の定番パスタのカッペリーニ。サッパリしていながらも、イカスミのコクが素晴らしい。

『白糠 仔熊いろいろ部位盛り合わせ』
いよいよメインの『仔熊』。部位としてはヒレ・Tボーン・ウチモモ・ソトモモ・ツメ(ツキノワグマ)・バラ肉、内臓から腎臓・レバー・ハツです。部位によってはクマらしいワイルドな歯ごたえもありますが、基本的に柔らかく、クセや臭みなどは一切ありません。ジビエ初心者の方でも問題なく、食べられると思います。
食べていると、恒例?のご本人登場!目の周りに骨がないのは、罠に掛かった後で撲殺しているからだそう。スーパーで買う肉は、綺麗に並べられているので、実感が湧きませんが、ジビエと接することで命を食べていることがよくわかります。ちなみにお店に入ってすぐのコートなどをかける壁には、歴代のご本人様が飾られています。(今回の仔熊の骨をじっくり見ていたら、持って帰りますか?と言われました ^^; 要りません笑)

そろそろクマシーズンは終わりかな?次は夏鹿ですね。実は食べ損ねているので、今年こそは食べたいと思います。


2014.5.
「GW明けには、仔山羊が入荷します」と言われていたことを忘れそうになった時、竹内さんから連絡がきて、再訪となった「Osteria Austro」です。
メニューを見ると、山菜や仔〜といった春の食材のオンパレード。メインは『仔山羊の盛り合わせ』なので、前菜を2皿とグリルを1皿オーダーしました。

実食

『千倉 アオリイカ3種の前菜の盛り合わせ』
内容は左から『葉玉ねぎとのマリネ』『カルパッチョ』『アラビアータ』に、おまけで『白子』。まずこの4種はそれぞれ食感が異なり、同じ食材でも十分に面白い。『葉玉ねぎとのマリネ』はシキシキとし、『カルパッチョ』は軽く藁の香りをつけ、ネットリとした食感。肝を加えた『アラビアータ』もイカのミミやゲソの部位なのでコリコリとして、『白子』は初めて食べましたが珍味といった感じ。

『信州 仔ウサギのテリーナ』
要するに『テリーヌ』(イタリア料理ではテリーナという)。マスタードソースでいただくのですが、鶏をもっと淡白にした感じ。ウサギというと、濃厚な料理が真っ先に浮かびますが、こんな料理もあるのだなと思った一皿。

『花愁仔豚のレバーグリル』
竹内さんから生ででも大丈夫と言われたのですが、私はあまり生レバーって好きではないので、グリルでオーダー。ついでに『ハツ』もつけてくれました。
これが素晴らしく、美味しい。『ハツ』と『レバー』も生でも食べられる鮮度なので、表面を炙る程度の火入れ。サクサクとする食感の中で、プリプリとした感じもあります。

『群馬 超仔山羊の盛り合わせ』
何故に超仔山羊かというと、今回予定していた仔山羊がダメになってしまったそうで、急遽手に入れた仔山羊が一頭4キロくらいで、半頭だと2キロ程度になり、『盛り合わせ』にすると5皿分くらいしか取れない、とっても希少な仔山羊なのです。そんな仔山羊を食べれる私はラッキーというべきでしょう。
内容は左から『バラ』『バラ軟骨』『背肉』『ヒレ』『ロース』『モモ』『ポルペッティーニ』。さすがは仔山羊、クセは全くなくて無垢な味わい。胡椒などの香辛料は使わない塩のみの味付けは、繊細な味を壊さないためで、そのくらい肉自体に臭みや余計な味がついてないということです。

今夜も素晴らしい食材との出逢いに感謝。来月になると、『クマ』や『サザエ』なども出てくるかもしれません。一年中、ジビエを楽しめる素晴らしいお店です。


2014.4.
本格的なジビエの季節も終わり、また秋くらいまで食べられないと思うかもしれませんが、春には春のジビエがあります。その中の代表格が、生後間もない『乳飲み仔〜』です。去年は『乳飲み仔山羊』を食べ、今年も食べる予定ですが、『仔山羊』よりも実は『仔羊』の方が時期的に早いそうです。そんな貴重価値の高い『乳飲み仔羊』が入荷したと、竹内さんからメールをいただいたので、「Osteria Austro」に再訪です。

メニューを見ると、やはりもう春の訪れを告げるような食材で溢れていますが、まだまだ『青首鴨』や『ウリ坊』などのジビエがあります。今回の目的は、『乳飲み仔羊』。メニューには、『内モモのロースト』『外モモのロースト』『スティンコの白ワイン煮込み』『内臓のグリル』『いろいろな部位盛り合わせ』があり、コレがオススメですと勧められた『いろんな部位の盛り合わせ』にしました。前菜は心惹かれるものがあまりなかったので、珍しくオンメニューしていた『リゾット』をオーダーです。

実食。

『千倉直送 甲イカのイカスミリゾット』
軽い酸味がありながらも、かなり濃厚なリゾット。芯を残した米の食感と甲イカのシキシキとした食感のコントラストが楽しめます。

『信州カーカス種 乳飲み仔羊 いろいろな部位盛り合わせ』
内容は『内モモ』『外モモ』『バラ』『バラ軟骨』『レバー』『骨付きロース』『スティンコの白ワイン煮込み』。まずはその柔らかさに驚き、そして無垢な味を引き立てる塩のみの味付け。実に、美味しい。普段食べる仔羊は仔羊といえど、独特の羊らしさがありますが、この『乳飲み仔羊』はそれすらありません。それぞれの部位に美味しさがありますが、私が特に気に入った部位は『レバー』。なかなか仔羊のレバーを食べる機会もありませんが、クセもなくてトロリととろける味わいは素晴らしく、美味しいです。

去年食べた『乳飲み仔山羊』の入荷は、GW明けになるそうです。「山羊なんて、食べるの?」と思われるかもしれないですが、群を抜いて美味しい肉です。なかなか食べれませんので、どうぞこの機会に。


2014.2.
「Osteria Austro」でべキャスを食べてから、数日後。帰り際に「野うさぎとか食べたいですね」という会話が早くも現実になりました。青森産の野うさぎが入荷したとのことで、早くも再訪です。メニューを見ると、ジビエシーズンの終盤らしく、『青首鴨』『尾長鴨』『猪』『鹿』と選び放題になっています。その中で、竹内さんがメニューには載せていない鴨があるとのことで、それをオーダー。前菜は軽めに『カルパッチョ』にしました。

実食

『平スズキのカルパッチョ』
おまけで、内臓の煮込みと白子と卵の燻製を添えていただきました。
鮮度の良さがダイレクトに伝わるカルパッチョは、魚にも自信がある表れ。ジビエだけでなく、魚料理もオススメなのです。

『ヒドリガモのロースト』
オンメニューされていなかった『裏鴨』は、『ヒドリガモ』という公園などでよく見かけることができるあの鴨です。食べていいとは、初めて知りました。
個体差だそうですが、胸肉を見るとかなりの大きさで、食べ応えがあります。味わいは、前回いただいた『子鴨』よりも脂があり、『青首鴨』よりはしっとりとした肉質で、美味しい。

『青森産 野うさぎの色々』
『野うさぎ』というと、思いつくのは、丸ごと煮込む『ロワイヤル』という調理法ですが、「Osteria Austro」では違います。まさかグリルでくるとは…。
左側から『スネ肉のビネガー煮込み』『モモ肉と背肉のグリル』『レバーとフワのグリル』『背肉のインボルティーノ』という一皿で、なんと贅沢な料理なんでしょう。グリルのソースは、野うさぎのダシに血とチョコレートを加えたソースで、『インボルティーノ』の中心にはハツとレーズンとパン粉が詰められていて、甘酸っぱいタマネギソースでいただきます。
味わいは…『野うさぎ』というと、ジビエの中では一二を争うクセで有名ですが、全く感じません。ちょっとそのクセを楽しみにしていたのですが。肉をダイレクトに味わえるグリルは、適度な脂も感じられ、しっとりとした肉質を楽しめ、美味しい。『インボルティーノ』もゆっくりと火入れをしているのでしょう。パサつくことなく、しっとりとした肉質の中で、レーズンとタマネギソースの甘みが際立ちます。『ビネガー煮込み』は、もうトロトロ。

鳥系のジビエはもう終了ですね。今年も十分に楽しむことができました。春になれば、また新しいジビエに出会えます。その出会いを求めて、また再訪します。


2014.2.
「Osteria Austro」の竹内さんから「ベキャス、入荷」の連絡を受け、再訪です。この『ベキャス』とは、その味や希少価値から「ジビエの王様」と言われおり、多くのお店では予約しないと食べることのできないジビエです。私と「Osteria Austro」の出逢いは、まさにこの「ベキャス」であり、ジビエにハマるきっかけとなりました。なので、個人的に思い出のあるジビエなのです。

本日のメニューを見ると、『鹿』『猪』『鴨』などが多くあり、ジビエシーズンの終盤に相応しいラインナップです。その中から、前菜に『鹿』とメイン『鴨』、そして『ベキャス』をオーダー。

実食

『本州鹿のトリッパオーブン焼き』
イタリア料理の定番メニューの『トリッパのトマト煮』に、オーブンで焼くという一手間加えたもの。鹿のトリッパは初めて食べましたが、臭みやクセもなく、とても食べやすいです。トマトの軽い酸味で、意外にあっさりとした味わいで、ワインのお供にピッタリですね。

『出水子鴨のピエモンテーゼ』
この『子鴨』とは、真鴨の子どもと思われがちですが、全くの別物です。『子鴨』という最も小さい鴨で、鶉くらいの大きさしかないそうで、このジビエも希少なもの。「Osteria Austro」でも去年は入荷せず、今年は今のところ2羽のみだそうです。ちょうど、食べたいと思っていたジビエだったので、よいめぐり会いでした。
鴨に比べて、味が濃く、きめの細やかな優しい肉質で、美味しい。小さいので、食べるところが少ないのが難点ですが、出会えたら、また食べたい鴨です。

『ベキャスのローストサルミソース』
あるお客さんが言ったそうです。「これは、ソースを食べるジビエだ」と。確かに、その通りですね。肉も美味しいのですが、やはりこの鳥で珍重されるのは「内臓」です。鳥なのにイワシのような香ばしさもあり、香りも高い。それをソースに仕立ててあるので、パンにつけて、きれーいにいただきました。
時価ですが、まだこれからもいただけると思うので、お問い合わせを。

春になれば、『仔羊』『仔山羊』そして『仔ウサギ』なども入荷するそうなので、楽しみですね。その前に『鴨』が禁猟前の追い込みで、大量入荷の予感?まだ今年は『青首鴨」を食べていないので、できたらいただきたいと思っています。

  • 2024.6.  信州 小林牧場 乳飲み仔山羊 いろいろ部位盛り合わせ
  • 2024.6.  ムラサキイカのイカスミ冷製カッペリーニ
  • 2024.6.  今季初物! 天然稚鮎のフリット

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8位

レストラン香味屋 (入谷、鶯谷、三ノ輪 / 洋食、オムライス)

4回

  • 夜の点数: 4.4

    • [ 料理・味 4.4
    • | サービス 4.4
    • | 雰囲気 3.9
    • | CP 3.9
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥6,000~¥7,999 -

2017/12訪問 2018/01/29

花街の香り

2017.12.
冬のご馳走を食べにやってきたのは、入谷にある「レストラン香味屋」。今回の目的料理は『タンシチュー』と『海老入り米飯グラタン』で、どちらも冬が似合う料理だと思います。週末だったので、夕飯には早い時間帯でも予約客でいっぱい。それでも何とか1席用意してもらい、入店です。

メニューは見るまでもないのですが、お薦め料理で『カツカレー』があり、ちょっと気になるところ。でもさすがに『タンシチュー』と一緒は食べられないので、予定通りの注文です。

実食

タンシチュー
苦味を抑えた甘さの感じるデミグラスソースに分厚いタンが鎮座しており、そのタンは真ん中の部位のみを使っているのだそう。だからナイフで切るという感じではなく、ナイフで解くイメージ。そのくらいに柔らかく煮込まれていて、美味しい。食べ終えた後もタン本来の味とデミグラスソースの余韻が長く続く味わいです。付け合わせのマッシュポテトも表面を軽く焼かれており、手抜きのない仕事ぶりに頭が下がります。

海老入り米飯グラタン
チーズの焦げ目も実に美しいドリアです。濃厚なベシャメルソースを受け止めるのは、軽い酸味のあるケチャップライス。プリプリとした海老の存在感も確りとあります。これが古くからの「レストラン香味屋」の伝統らしい。想像以上ではないけど、想像通りの味わいで、満足。

チーズケーキ
たっぷりとチーズが使われている酸味のあるベイクドチーズケーキ。でも食感はスフレのようなシュワっとしたフワフワ感があります。個人的には、前回食べた『カスタードプディング』の方が好み。

ベシャメルソースは想像通りの美味しさだったので、『海老コキーユ』『海老マカロニグラタン』の方が好みかも?しかしながら『カツカレー』が気になるので、なくならないうちに再訪したいと密かに思っております。


2017.10.
ここのオムライスには、ソースの類がかけられていません。私的にはソース・タマゴ・ライスの奏でる三重奏が好きなので、ソースがないこの「レストラン香味屋」の『オムライス』は、あまり…と思っていました。

久しぶりに食べてみると、その考えはガラリと変わりました。大きく切られたチキン・玉葱・マッシュルーム・グリンピースと具はいたって普通ですが、その完成度は実に素晴らしい。ケチャップの甘味と酸味が絶妙なバランスで、確りとタマゴの甘さやコクも楽しめる。そんな繊細な『オムライス』。
「折角、デミグラスソースが美味しいのだから、オムライスにかければいいのに」と思われるかもしれませんが、このチキンライスがきっと台無しになってしまうでしょう。(頼めば、デミグラスソースもポットで持ってきてくれるとのネット情報もありますが)この『オムライス』は、この形が一番美味しい。美味しいチキンライスには、タマゴのドレスだけで素晴らしいという感じでしょうか。

デザートには、洋食店にはたいていあら『カスタードプディング』です。初めて注文しましたが、想像通りのものが供されて、満足。
確りとした固さのあるプリンで、スプーンで掬うと、ドッシリとした重さを感じられます。甘さは控えめで、カラメルもさほど主張せずに、お淑やかな大和撫子といった感じ。最後に相応しいデザートでした。


2017.10.
上野駅から一駅で、街の風景は一変します。

「入谷」

まさに古き良き時代の下町という感じで、住むとしたらこういう場所の方が落ち着くのかもしれません。私がこの街に来る理由は、(今のところ)ただ一つ。美味しい洋食があるからです。
柳がそよそよと風に揺れる。そんな通りにある「レストラン 香味屋」が、今回の目的地。

創業大正14年。紛れもなく、東京を代表する老舗の一つで、いつ来ても通常メニューが食べられ、どれも間違えなく美味しいという私にとっては使い勝手のいいお店。有名なのは、なんといっても3度挽いて仕上げる『メンチカツ』ですが、今回の目的はそれではありません。

真っ白なテーブルクロスが印象的な店内では、下町といえどもきちんとした接客があり、食べる側もピッと背筋を伸ばす雰囲気があります。メニューを見ると、食べたい料理が載っておらず、スタッフに聞いてみると「ございます」とのこと。

実食

私が食べたかった料理は、『テールシチュー』。お店の命でもある漆黒のデミグラスソースは、軽やかな酸味と抑えられた苦味があり、あとは深海の如く奥深い。このソースがあれば、たとえコンビニで買ったコロッケでさえも、魔法をかけられたシンデレラ如く、素敵な逸品になるのではないでしょうか。そのくらいに美味しい。
そして、お皿の中央に鎮座している主役のテール。ナイフなどは必要がないくらいに、肉とゼラチン質がホロホロ。口に入れれば、まったりと舌に絡みつきます。たっぷりと添えられたソースと共に味わうならば、是非スプーンで食べるのがオススメです。


2014.10.
「オムライスが食べたい」
たまにそんな衝動に駆られます。でもファミレスなどのオムライスでは、満足できない。個人的には「グリルグランド」「資生堂パーラー」「小川軒」「ルー・ド・メール」などのオムライスが好き。新規開拓を!と思いますが、これらを超えるオムライスにはなかなか出会いません。さて、どこに行こうと迷っていると、あの老舗洋食店が30年ぶりに新メニューを追加して、その中にオムライスもあるという。なら、行こうとやってきたのが入谷にある大正14年創業の老舗洋食店「香味屋」です。

「香味屋」の『オムライス』は既食していて、ソースのないスタイルはどうも好きになれずにいました。それでも名物の『メンチカツ』や王道の『ビーフシチュー』などの心惹かれるメニューも多々あり、また行きたいと考えていたお店の一つでもありました。そんなお店が30年ぶりに追加した新メニューの一つが『オマール海老のオムライス』。10月末までの期間限定メニューです。

実食
まずは名物の『メンチカツ』を。丁寧に二度挽きされた肉はとても滑らかであり、ナイフやフォークを入れるだけで、肉汁が溢れます。『メンチカツ』だけでも肉の甘さを感じられ、お店の命とも言えるデミグラスソースを絡めて食べれば、納得の美味しさです。

そして、いよいよ『オマール海老のオムライス』が登場。ピカピカに輝くタマゴのドレスの中には、王道の具材のマッシュルーム・タマネギが入った薄味のケチャップライス。そして、かなり大ぶりなオマール海老がゴロリと入っています。かけられているソースは、アメリケーヌソースを彷彿とさせるトマトソース。実に、美味しい❤︎久しぶりに↑↑なオムライスに出会いました。人気が出たら、通常メニューとして残る可能性もあるそうで、是非とも期待したいです。

デザートは『カスタードプディング』。しっかりとした固さで、卵の味わいとかすかにほろ苦いカラメルソースが美味しい。最近はコンビにスイーツもレベルが上がってきて、とろける系のものをよく食べますが、王道のものもいいですね。

もっと寒くなったら、『テールシチュー』を食べに行きたいと思っています。今年もシチュー巡りを検討中で、中でも『テールシチュー』に注目しています。今冬中に再訪予定です。


2010.10.
「東京スカイツリー」の後、錦糸町で映画を見て、そろそろ夕飯です。近くに行きたい有名洋食店もあったのですが、今回は根岸にある大正14年創業の老舗洋食店「香味屋」に行きました。

鶯谷駅から「ホントにこっちなの?」という友達の不安そうな声を聞き流しながら、真っ暗な通りを歩いてくと、ぼんやりと浮かぶ白い看板。はい、着きました「香味屋」です。「ち、ちょっと、ここ?」と友達がビビるような洋食店とは思えないほどの店造り。真っ白なテーブルクロスに、カーネーションの一輪挿し と高級感いっぱいの店内と接客サービスは、さすが老舗という感じ。
「香味屋」といえば…『ハヤシライス』『メンチカツ』など看板料理がありますが、「また来たいし」と思い、オーダーしたのが『タンシチュー』と『オムライス』。『オムライス』に関しては、よく書いてますが、実は去年くらいからシチュー(ビーフ、タンなど)も積極的に食べているのです。

さて、味わいは…漆黒のデミグラスソースは強烈なインパクトはありませんが、ビターな苦味や酸味もあまり感じず、ただ奥深く、余韻を感じます。そしてタンはとても厚く、それでいてプルプルの食感。値段は3500円ですが、それ以上の価値がある一品で、ホントにおいしいっ。

さて、オムライス。オムライスは大きく分けると、ライスを卵で巻いた正統的なスタイルと、卵をフワトロにしたトロトロスタイルがあります。近年はトロトロスタイルが多くなっているようですが、この「香味屋」では、老舗らしく正統派スタイルでした。

運ばれたオムライスは、「作り物じゃないの?」って思うほどキレイで、卵に焦げ一つありません。卵の表面はきっちりと焼かれ、ライスに接する側はトロッとしています。巻かれたライスは、とても具が大きいチキンライスで、卵の甘みとチキンライスのほのかな酸味が絶妙のオムライスでした。ただ何故か、ソースがない。ネットで見るとデミグラスソースが別にくるという話もあるし、ソースがないという話もある。確かになくてもおいしいけど、「香味屋」のデミグラスソースをかけて味わいたかったな。

  • 2017.12.  タンシチュー
  • 2017.12.  海老入り米飯グラタン
  • 2017.12.  チーズケーキ

もっと見る

9位

ザ・バー・カサブランカ (馬車道、関内、桜木町 / バー)

30回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥6,000~¥7,999 -

2024/12訪問 2024/12/25

私の隠れ家~年を締める~

2024.12.

横浜・馬車道にあるオーセンティックバー「The Bar CASABLANCA」に再訪。オーナーバーテンダーである山本 悌地さんはフルーツカクテルの名手であり、日本を代表するバーテンダーのおひとり。今夜はクリスマス、そして2024年の最後であろう訪問ということもあり、注文したのは…

Black Velvet♡
所謂、黒ビールのシャンパン割り。クリスマスという特別な夜の一杯目に選んだ理由は…グラスの込められたシャンパンの気泡が黒ビールという夜空に輝く星々に見えるから。クリスマスなので、多少のロマンチックなこともきっと許されることでしょう。味わいとしてもシャンパンのコクで黒ビールのほろ苦さが感じられずに飲みやすい。

Mix Berry Cocktail♡
「The Bar CASABLANCA」での冬の王者とも呼べるフルーツカクテルは、やはりコレでしょう。ホワイトラムをベースとして苺・ブルーベリー・ラズベリー、自家製紅茶リキュールを使ったカクテル。

Rusty Nail♡
ここ数年、一年の締めとしていただいているのが、このカクテル。一年の錆を落として、新しい一年に向けて輝けるように。

Giant Peat 6 Year♡
アイラモルトをグレーンなしでブレンドしたものだそうなので、人を選ぶような香りが立ち込めます。しかしながら、口にすると甘味が帯びていて…美味しい。薬品系というよりかはスモーキーな感じで、どことなくスパイシーな味わい。好みを選ぶような独特な香りのくせに、口にすると甘くて、まるでツンデレのようなウイスキー。

来年はどういう自分になっているのか…
毎年ここに来るとそう思いながら、グラスを傾けます。またここで同じことを思いながら、一年を締めくくれますように。


2024.6.

私の隠れ家~瞬果を味わう~

関内にある老舗オーセンティックバー「The Bar CASABLANCA」で涼を取ります。今夜はオーナーの山本 悌地さんはおらず、一戸 揚太さんのグラスをいただきます。

Cherry Cocktail♡
種を取った佐藤錦にベースのウォッカとクラッシュアイスを加えてミキサーしたフローズンスタイル。表面には佐藤錦の皮が花びらのように綺麗で、飲めば佐藤錦の繊細な味わいがあり、涼を取れる素晴らしい美味しさ。

Singapore Sling♡
このカクテルには珍しく2つのレシピがあって、「The Bar CASABLANCA」では8種類のものを使うラッフルズホテルのレシピ。なのでグラスもお店に2脚しかないというラッフルズホテルのものです。パイナップルのトロピカルな味わいの中で、骨格となるジンを確りと感じられ、濃密な甘味がこの蒸し暑い季節に一陣の風を巻き起こすよう。

また真夏の味わいを楽しみに伺いたいです。


2024.2

私の隠れ家~Time goes by~/The Bar CASABLANCA

雨の中、やってきたのは馬車道にある「The Bar CASABLANCA」。オーナーバーテンダーの山本 悌地さんのフルーツカクテルが今夜の〆です。優しいフィリップ・スタルクの青い灯りに包まれて、私が注文したのは…

MIX Berry Cocktail♡
ストロベリー・ブルーベリー・ラズベリーの3種のベリーが織りなす冬の王者たる美味しさのカクテル。酸味と甘味のバランスが絶妙で、実に美味しい。

Kildalton Cross♡
約15年ぶりに作っていただいたラフロイグとチョコレートリキュールと生クリームで作られるカクテル。ピートの効いたラフロイグが濃厚なチョコレートリキュールの中でも抜群の存在感を示しており、アイラモルトが好きな方にはきっと刺さる味わいです。

Banana with Champagne♡
今夜の〆は、バナナ。ベースには贅沢にシャンパンを使っていただき、バナナもフレッシュと焼いたものを使うという拘り。シャンパンの酸味の中で、バナナの甘味と仄かな酸味が映えます。どこにでもあるフルーツが極上の味わいになる山本さんの魔法のような一杯。

バーとは、時が止まる空間。
グラスを傾ければ、変わらぬ味わいがあの頃の気持ちを思い出させてくれます。

「あの頃よりも少しは成長したぁ?」

自分の中の時間を止めるのも進めるのも自分次第。私は少しずつでも進められたらいいなと思っています。


2023.12.

2023年の締めはやはりココです。

The Bar CASABLANCA

関内にあるオーセンティックバーで、オーナーバーテンダー山本 悌地さんはフルーツカクテルの名手。日本の四季の旬果はこのお店で覚えたと言っても過言ではないくらいにフルーツカクテルをいただいています。

最初のグラスは、旬果である「苺」を使ったStrawberry Cocktailをオーダー。ベースとなるジンは確りと感じつつも、苺の甘味と酸味が軽やかに感じられ、実に美味しい。

次のグラスは、苺・ブルーベリー・ラズベリーを使った冬の王者であるMix Berry Cocktailをシャンパンベースに変えてオーダーです。華やぐ3種のベリーが織りなす甘味と酸味は絶妙で、そこにシャンパンの旨味とコクが加わるので、至福の美味しさ。

最後は毎年この時期にいただく個人的な〆のカクテルRusty Nailです。スコッチウイスキーとドランブイで作られるカクテルですが、今回はなんとDEWARS 12YEARS NE PLUS ULTRAとDRAMBUIEのオールドボトルで作っていただきました。その名の通り、まさしく「至高」の一杯。山本さんの心遣いに心より感謝です。

2023年も最後にここへ帰ってくることが出来ました。新しい年も宜しくお願い致します。


2023.9.

9月21日に29周年を迎えられた馬車道にある老舗バー「The Bar CASABLANCA」へ再訪。日曜日の為、オーナーバーテンダーの山本 悌地さんはお休みで、一戸 揚太さんのグラスを楽しみます。

Shine Muscat with Champagne♡
ひと口飲むと、シャインマスカットの甘味が映え、それ以上に香りが鼻から抜けます。ベースをシャンパンにしているので、華やかであり、何よりも美味しい。

Passion fruit Whiskey Sour♡
今が旬のパッションフルーツをウイスキーサワーと合わせたカクテル。サワーといっても炭酸が入っているのではなく、砂糖を入れて泡立てたものですが、気泡が実に爽やかなグラスです。口当たりはパッションフルーツの甘酸っぱさがあり、骨格は確りとウイスキーを感じられて美味しい。

Flesh Bloody Mary♡
3〜4年ぶりにオンメニューするというフレッシュトマトを使ったブラッディーメアリー。フレッシュなので、トマトのあの青臭い香りと旨味があって実に美味しい。苦手な方も多いかと思いますが、私はトマトの香りが大好きなのです。

本棚を模した重厚な扉を押し開けると、広がるカウンターは緩い弧を描き、フィリップ・スタルクの青い灯りに照らされています。安らぐBGMにお酒と氷が奏でるシェイクの音、付かず離れずのサービスに極上のフルーツカクテル。いつ訪れても街の雑踏や喧騒を忘れ、自分自身に向き合える、そんな大切な場所です。


2023.4.

馬車道にある「The Bar CASABLANCA」に再訪。今夜はオーナーバーテンダー・山本 悌地さんはおらず、一戸 揚太さんが出迎えて下さいました。

フィリップ・スタルクの優しい灯りの中、バックバーで出番を待っているまだ知らぬボトル達も気になりつつも、やはり「The Bar CASABLANCA」で飲みたいのは、旬のフルーツカクテル。今回は今季最後の苺と旬のブラッドオレンジをいただきました。

Strawberry Cocktail♡
名残りのいちご。いちごの香りや甘味、そして仄かな酸味が活きており、お酒であることを忘れる味わい。

Blood Orange Blossom♡
口に近づけると、ブラッドオレンジの香りが華やぎ、芯のあるジンの強さがガツンときて、後味にブラッドオレンジの甘味が映えます。

どちらのグラスも華やかな香りが印象的で美味しい。山本さんが作り上げた「The Bar CASABLANCAの系譜」を確りと感じられた夜になりました。


2022.12.
2022年最後の食べ歩きは、やはりココ。

「The Bar CASABLANCA」

私の原点であり、最後に帰りたいと思う場所です。オーナーバーテンダーの山本 悌地さんのカクテルに酔いしれましょう。

MixBerry with Champagne
イチゴ・ブルーベリー・ラズベリーの3種のベリーが織りなす甘味と酸味のハーモニーがグラスの中にあり、それらを押し上げるようなシャンパンのコクが素晴らしい。華やかであり、何よりも美味しい冬の王者。

YUZU Gold Rush Martini
2008年アカデミー賞前夜祭オフィシャルカクテルだそう。
マティーニに柚子がこんなにも合うものだとは。柚子のほろ苦さが活きており、飲む前も飲んだ後も柚子の香りがとても華やぎます。

RustyNail
「身から出た錆」
明日の私はより輝けるように…

きっと本来ならば使うベースはTALISKER。でも山本さんは直前に特級のWHITE HORSEにして、DRAMBUIEもおそらくはオールドボトルのもの。
そこに言葉はなく、私も聞かない。
ホワイトホースは子供の頃、亡き父に初めて贈ったお酒。勿論、そんなことは山本さんは知る由もないだろう。

バーには奇跡がある。

涙は心に流して、明日はきっと輝けるように。


2022.9.

28周年を迎えられた馬車道にある「The Bar CASABLANCA」で、オーナーバーテンダー山本 悌地さんの作るフルーツカクテルで季節の旬果を味わいます。秋と言えば、やはり葡萄。「The Bar CASABLANCA」には白と黒の2種の葡萄があり、今夜は両方ともいただきます。

Shine Muscat Cocktail♡
ベースはドライジン。グラスの閉じ込められた甘味・香り、全てがまさにシャインマスカットそのもの。皮ごと食べられるシャインマスカットの存在は、フルーツカクテルでも大きな影響を与えたと思います。

Kyoho Grape Cocktail♡
ベースはラムとブランデー。ひと口目は強い巨峰の甘味とラムとブランデーの味わい、後味にふわりと巨峰の香りが鼻を擽ります。巨峰の美味しさをカクテルに表現したフルーツカクテルの傑作。


2022.8.
夏のフィナーレ/The Bar CASABLANCA

Fig Champagne Cocktail♡
イチジクの官能的な甘味と香りがグラスに閉じ込められており、シャンパンのコクと共に口の中で華やぎます。香りと味を楽しめるカクテルです。

Watermelon Salty Dog♡
西瓜を美味しく食べる1つの方法でカクテルがあると思っています。西瓜+塩というベストマッチな組み合わせがこのソルティードッグという形で表現されており、西瓜の甘味がグラスの縁に付けられた岩塩で際立ち、実に美味しい。

馬車道にある「The Bar CASABLANCA」で夏の終わりを楽しみます。本当ならば「桃」をいただきたかったのですが、今年は終わるのが早かったそうで出逢えませんでした。秋の代表的な旬果の「巨峰」もありましたが、夏の終わりを感じたくて選んだのは「イチジク」と「スイカ」。オーナーバーテンダーの山本悌地さんが作るフルーツカクテルは味わいや香りだけでなく、確りと旬を感じられるので大好きです。


初夏の訪れ/The Bar CASABLANCA

馬車道にあるThe Bar CASABLANCAのオーナーバーテンダー山本 悌地さんのインスタで『佐藤錦』の写真がアップされていたので、早速訪問です。一年を通して旬果を使ったフルーツカクテルが有名なバーですが、この『佐藤錦』は提供期間が短くて、SNSが普及していなかった頃は出逢えるか分からない幻のカクテル的な存在でした。

Cherry Cocktail
薄紅色のカクテルの中には佐藤錦の皮がまるで花びらのよう舞っていて、儚い美しさも感じられます。ベースはウォッカで、佐藤錦の繊細な酸味と甘味が活きていて美味しい。

Passion fruit Champagne Cocktail
夏らしい甘酸っぱい味わいのパッションフルーツを半分使い、ベースをシャンパンに変えていただきました。キュンとするような甘酸っぱさは抑えられて、シャンパンのコクがこのカクテルの旨味を押し上げているかのよう。

フルーツカクテルで感じられる旬果は、パフェやフルーツパーラーとはひと味違う大人の楽しみがあります。もうオンメニューしていましたが、夏の代表的な旬果の桃や西瓜のカクテルをいただくのが今から楽しみでなりません。


2022.3.

Gimlet Highball♡
まず一杯目は口の中をリフレッシュさせようと思い、久しぶりにスタンダードカクテルからスタートです。ドライジン・ライムジュースで作るキリリとした『ギムレット』にシュガーシロップを加えてソーダで割っているので、非常に飲みやすく爽やか。これからの夏にピッタリのカクテルです。

Mix Berry Cooktail♡
ストロベリー・ブルーベリー・ラズベリーの3種のベリーが織りなす味わいを楽しめる傑作カクテル。奥行きのある酸味と甘味のバランスが絶妙で、とても美味しい。

厚岸 芒種 & 厚岸 立冬♡
「何かクセのあるウイスキーを」というリクエストでカウンターにずらりと並べられたボトル。その中からラベルに惹かれて選んだが『厚岸』という北海道・厚岸の地で2016年に蒸留を始めた「厚岸蒸留所」のクラフトウイスキー。
北海道・厚岸は気候や環境、麦芽を乾燥させる際に使うピートも豊富だそうで、「スコッチの聖地」と呼ばれるアイラ島に酷似しているそうです。「本場・スコットランドの伝統的な製法で、アイラモルトのようなウイスキーを」という想いの中で作られるウイスキーは今、世界の愛飲家から熱い視線を注がれているようです。
「The Bar CASABLANCA」には『芒種』と『立冬』の2本があり、山本さんのご提案でハーフずつ飲み比べさせていただきました。
まずは、.二十四節気シリーズ第3弾の『芒種』。ラベルには深い緑の中に光る蛍が描かれているシングルモルトウイスキーです。想像していたよりもクセはなく、ほんのりとスモーキーで甘い香りがします。その甘味は加水すると、一気に華やぐようで美味しい。
最後は二十四節気シリーズ第5弾の『立冬』。ラベルは七五三の千歳飴をイメージしているそうで、ポップでカラフル。キーモルトには「北海道産モルト」を使用しているそうで、大麦やピートやミズナラ樽に至るまで厚岸産で作るという夢の第一歩的なウイスキーでしょうか。『芒種』よりもより甘く感じ、加水するとその甘味の中に塩気を強く感じられます。どちらも美味しいですが、私は『芒種』の方が好みかな。

「The Bar CASABLANCA」で久しぶりにいただいたウイスキー、とても美味しかったです。ついつい山本悌地さんのフルーツカクテルを飲んでしまいがちですが、こんなジャパニーズウイスキーが生まれているとは驚きました。個人的には『アードベック』や『ラフロイグ』などのより個性的な味わいのものが好きなので、ジャパニーズウイスキーで生まれたら嬉しいと思います。


始まりの場所

2022年最初の食べ歩きは、やはりここから。馬車道にあるオーセンティックバー「The Bar CASABLANCA」です。緩やかに弧を描くカウンターの向こうでは優雅にシェイクしてらっしゃるオーナーバーテンダーの山本 悌地さんがいらっしゃり、新年のご挨拶をして早速オーダーです。

Strawberry with Champagne♡
2022年最初のグラスは華やかに飾りたい。ベースはシャンパンに変えて、イチゴのカクテルをオーダー。カクテル名はRossini。繊細な苺の甘酸っぱさを活かし、シャンパンのコクが上品で華やかなグラスにしています。

Mix Berry Cocktail♡♡
「The Bar CASABLANCA」の冬の王者と称されるカクテルが、このMix Berry Cocktail。イチゴ・ブルーベリー・ラズベリーを使ったホワイトラムベースのカクテルで、確りとしたラムの味わいの中で3種のベリーの香り・甘味・酸味の三重奏が口の中で広がります。

Rusty Nail
第二次世界大戦後に考案されたという比較的に新しいスコッチウイスキーベースのカクテルで、ドランブイを入れてステアして完成します。今回は手の前にあった古いドランブイで作っていただきました。
年末年始に飲むようにしているこの「錆びた釘」という名前のカクテルに込める私の想いは、魂の輝き。言わば、錆止めのような願いでしょうか。

まだまだ油断ならぬコロナ禍の中ですが、2022年のスタートをまたここから始めることができ、嬉しかったです。バーは私の食べ歩きの原点となる場所、何歳になったとしても通い続けたい大切なお店です。

今年も宜しくお願い致します。


2021.10.

2019年12月から感染が始まった新型コロナウィルスも漸く鎮静化し始めて、徐々に日常を取り戻しつつある中、バーテンダー山本悌地さんに逢いに馬車道にある「The Bar CASABLANCA」へ。こんな状況でなければ、まず飲まなかったであろうモクテル(ノンアルコールカクテル)も捨てがたいですが、やはり飲みたいのは確りとアルコールの入ったフルーツカクテルです。

メニューを見て、まずオーダーしたのは『イチジク』。結局、今夏に飲めなかったベリーニに思いを馳せてシャンパンベースにしてみました。イチジクはフレッシュのものとコンポートしたものの2種類を使っているそうです。淡いピンク色のカクテルがとても可愛らしく、イチジクの野生味溢れる甘味とシャンパンのコクが実に素晴らしい。久しぶりにいただくアルコール入りのフルーツカクテルは、格別の味わい。

2杯目はハロウィンシーズンだからスペシャリテの『パンプキン』も惹かれましたが、お酒が飲めるようになったので、久しぶりにピート香のあるアイラモルトを身体が求めている!そして、選んだのが『安納芋』。ベースはアイラモルトを代表する『ARDBEG An Oa』で、「An Oa(アンオー)」と「安納芋」をかけているというチャーミングな山本さんのセンスが感じられます。濃密な甘味の安納芋ですが、ただ甘いだけでなく、癖のあるアードベッグのピート香が確りと効いており、絶妙なアクセントになっています。グラスの淵にはオレンジを使ったハーフムーンスノースタイルになっていて、仄かな塩味と酸味も安納芋の甘味を際立たせています。昔みたく、羊ちゃんも健在でした!

私の家にはお酒がない(ビールすらない)ので、こうしてバーでお酒が飲めるのは嬉しいですね。またゆっくりとグラスを通して、自分を見つめられるようなバーならではの時間が楽しみです。


2021.6.

グラスに込める魂

このコロナ禍の中で発出された緊急事態宣言及び蔓延防止等重点措置の影響を受けて、飲食店は悲鳴を上げています。中でもお酒を生業とするバーは、本当に深刻な状況だと思います。それでもルールを守り、決められた時間内で店を開けて出迎えて下さったのは馬車道にある「The Bar CASABLANCA」。アルコールが提供出来ない中で、フルーツカクテルの名手である山本 悌地さんが創り出しているのはモクテルというノンアルコールカクテルです。

まず最初のグラスは、『パッションフルーツ』。パッションフルーツ・フレッシュバジル・レモン・ソーダで創り出されたカクテルは勿論ノンアルコールですが、パッションフルーツの夏を彷彿とさせるトロピカルな甘酸っぱさとレモンの爽やかさがこの暑い時期にピッタリで美味しい。

続いては、山本さんがSNSでもあげてらしたクラシックカクテルの『ネグローニ』。イタリアにあるフィレンツェの老舗リストランテ「カソーニ」の常連客だったカミーロ・ネグローニ伯爵のお気に入りカクテルで、甘味とコクがあるだけでなくカンパリの苦味もこのカクテルの魅力の一つ。モクテルでもそれは確りとしていて、美味しい。

お酒がないバーというのは、勿論初めてだったのですが、結論から言うと…やはり素晴らしい時間を過ごせて、供されるカクテルも遜色なく美味しい!
ただバックバーにはグラスに注がれるのを今はただ待つボトル達がちょっと寂しげに輝いていたのが、とても印象的。ノンアルコールカクテルのモクテルを通じて、お酒をあまり飲まない方にもバーの魅力を伝えることができたならば、コロナという厄災も将来的にプラスになるのかな?と思います。

まだまだ厳しいと思いますが、どうぞお身体だけはご自愛ください。


2021.1.

コロナ禍の影響で飲食店が大打撃を受けている中、特に夜のイメージがあるバーは深刻な時期だと思います。

「どれが正解なのかは分かりませんが、やれることはやっていきます」

そう仰ったのは、馬車道にある「The Bar CASABLANCA」の山本 悌地さん。言わずと知れたフルーツカクテルの名手で、季節ごとに旬を迎えるフレッシュフルーツを使ったカクテルやマティーニは多くの人々を魅了してやみません。感染予防としては入店時のアルコール消毒・座席数の減少・来店毎の座席などのアルコール消毒などなど、「ここまでするのね」と思うほどの徹底ぶりです。

冬。
飲みたいカクテルはもう決まっています。まずは新年初めのグラスは華やかにシャンパンをベースにした苺のカクテル『Strawberry with Champagne』です。グラスから立ち込める芳醇な苺の香りと甘酸っぱい味わいにシャンパンのコクが最高に美味しい。

続いては、「The Bar CASABLANCA」の冬の王者とも言える『MixBerry with Champagne』です。旬の苺の他にブルーベリーとラズベリーを加えたカクテルで、私の冬の楽しみの一つでもあります。品のある華やかがあり、何よりも美味しい♡

バー自体、久しぶりでしたが、やはりいい。時間はゆっくりと流れる中で、眼前には一切無駄のないバーテンダーの所作、耳に入るのは品の良いBGMとシェイカーのシェイキング、そして手元には極上のお酒。自分の中にギアをニュートラルにできるような特別な空間だと思っています。

山本さん、素晴らしい時間をありがとうございました!


2020.7.

日々、時間に追われて過ごしていると、季節の流れが分からなくなります。そんな時に思い出すのが、フルーツ。技術の進歩で良くも悪くも一年中食べられるフルーツもありますが、やはりそのフルーツの旬の時期になると華やかに賑わい出します。旬のフルーツを食べるならば、専門店であるフルーツパーラーもいい。でも私が今行きたいのは、バーです。

オーナーバーテンダーが発信したSNSにはコメントもありませんでしたが、アーティスティックな佐藤錦の写真が1枚だけ。それだけでも伝わる。
「ああ、始まったのね」と。

ちょっと時間は流れ、やってきたのは馬車道にある「The Bar CASABLANCA」。私の食べ歩きの原点とも言えるお店です。オーナーバーテンダーの山本 悌地さんは全国でも有名なフルーツカクテルの名手で、フルーツで季節を感じることができます。早速、オーダーは

佐藤錦…ない…

昔から提供期間が短い幻のカクテルの1つなのですが、今年は更に短ったらしい…。

気を取り直して、夏と言えば!というカクテルをオーダーです。まずは桃の使ったシャンパンベースのベリーニ。1948年、ヴェネツィアにあるハリーズ・バーの当時のオーナーであるジュゼッペ・チプリアーニが、ルネッサンス期の画家ジョヴァンニ・ベリーニの展覧会の際に作ったのがはじまりと言われているカクテルです。近年はフレッシュの桃を使うバーが多くなり、更に香りが華やかになっています。勿論、「TheBarCASABLANCA」もフレッシュの桃を使い、香りを楽しめるようなグラスで提供されます。

2杯目。
夏の定番フルーツと言えば、やはり西瓜でしょう。勿論、西瓜を使ったカクテルもあります。スタンダードカクテルの中にはスノースタイルと言って、グラスの縁を塩で飾るカクテル(代表的なものはソルティ・ドッグなど)があります。西瓜に塩をかけて、より甘味を際立たせて食べる方も多いでしょう。まさにそれがカクテルになったのが、西瓜のソルティ・ドッグです。
ハンドジューサーで西瓜を搾り、ホワイトラム?と混ぜ合わせて作られるカクテルは、絶品です。これぞ、夏の甘味でしょう。

さほどお酒は好きではないのだけど、やっぱりバーは楽しい。同時間帯にふらっとやってきて、一杯だけ飲んで行かれた方もいらして、なかなかカッコいい。私もマネをしてみよう。

山本さん、ご馳走さまでした。とても気を遣い、大変な時期だと思いますが、お身体には気をつけてください。


2020.1.

最近はあまり行っていないので、意外と思われるかもしれませんが、私の食べ歩きの最初の一歩はバーです。中でも1番長く通っているのが、馬車道にある老舗バー「The Bar CASABLANCA」。オーナーバーテンダーの山本 悌地さんは、横浜いや日本を代表するフルーツカクテルの名手として有名な方です。最近では確りとしたメニューがあるので、カクテルに詳しくない方にもより楽しめやすくなっていると思います。

Fresh strawberry with Champagne
まずは旬の苺を使ったカクテルで、ベースを今年初ということで華やかなシャンパンに変えていただきました。爽やかな甘酸っぱさのある苺がシャンパンのコクによって、更に美味しくなり、グラスから立ち込める香りも素晴らしい。

Mix Berry
「The Bar CASABLANCA」の冬の王者として君臨し続ける苺・ブルーベリー・ラズベリーの3種を使ったカクテルです。甘さや酸味や香りも素晴らしく、お酒ということを忘れる美味しさです。

Vesper Martini
2015年1月ここで山本さんに作っていただいたこのVesperMartiniを5年の歳月を超えて、再び味わいます。このカクテルはジェームズ・ボンドの第一作目の『007カジノ・ロワイヤル』(1953年)に由来し、ジェームズ・ボンドの恋人役(ボンドガール)として登場するヴェスパー・リンドの名前から付けられた、いわゆるボンド・マティーニの1つです。ベルモットの代わりにフランス南西部ボルドー産アペリティフワインのキナ・リレ(現在はキナ・リレが終売になっているので、後継酒のリレ・ブラン)を、またオリーブの実の代わりにレモンの皮を入れるのが特徴です。このキナ・リレ(リレ・ブラン)のほのかな苦味や後味がクセになる美味しさ。…しかし、何故5年前にオーダーしたのだろう?私のことだから何かの影響だろうけど。でも『007』じゃないと思うのですが…。

Sweet potato & Rum raisins
最後はスイーツカクテルであり、スペシャリテの『カボチャ』にしようかと思っていましたが、メニューをめくっていると『安納芋』のカクテルに知らないものがあったので、オーダーしたのがコレです。
アイラモルトを合わせたカクテルも美味しいですが、コレは更に美味しい!安納芋の濃厚な甘味の中で、確りとしたラムレーズンの味わいがあります。ほのかな酸味も感じられるので、べったりとした甘さではなくて切れ味のある甘さです。

久しぶりのバー。やはり楽しく、旬を感じられる山本さんのフルーツカクテルは絶品でした。口当たりが良すぎて、ついつい飲みすぎてしまうのが難点ですがww
2020年も宜しくお願い致します。


始まりと終わりを選べるのならば、私はこのバーで。

食べ歩きを始めたのは、23歳くらいだったでしょうか。当時はまだ1人でお店に入るということがあまり認知されていなくて、行きたいお店にも行けないことが多かった日々。その中で、1人でも何ら問題のないお店がバーでした。
私は底無しに飲めますが、あまりお酒は好きではありません。それでもバーという空間は好き。造り手の願いや時間を込めたボトル、仄暗い中で煌めくグラス、氷とお酒が奏でるリズム。全てが心地良い。

横浜にある「The Bar CASABLANCA」のオーナーバーテンダーの山本 悌地さんは、フルーツカクテルの名手。舞を彷彿させるボストンシェイカーの振り、バースプーンを手離すときでさえも山本さんの所作は美しい。作り出されるフルーツカクテルは、そのフルーツ持つ甘味や香りを活かしており、ベースとなるお酒の個性も味わえる逸品です。

佐藤錦カクテル
昔は提供期間が短くて幻と言われていた『佐藤錦』。ウォッカベースの中で、佐藤錦の繊細な甘さと香りがグラスの中で華やぎます。

西瓜ソルティードッグ
夏の定番フルーツの西瓜。元々、果汁が多くて甘いので、何にしても美味しいカクテルになります。西瓜に塩をかけて食べると、甘さが際立って美味しいですよね?まさにそれがこのカクテル。

響21年
私の家にはビールすらありません。なので、ウイスキーなんてもってのほかですが、唯一置きたいと思っているのが、この『響』です。2017年に「シュプリームチャンピオンスピリット」を受賞し、現在ではかなりの品薄状態と聞きますが、裏ルートらしいww
いただきました。そんなに経験があるわけではないですが、やはり美味しいと思ってしまいます。

かなり久しぶりの訪問でしたが、何ら変わりなく迎えていただきました。年代物のボトルに囲まれているからでしょうか、バーという空間には時間を止める魔法がかかっていると思うのです。いつまでも変わりなき大切な私の隠れ家の一つ。


2019.1.③

最後のグラスは通年提供しているデザートカクテルであり、スペシャリテでもあるカボチャです。今では他店でもカボチャを使ったカクテルを提供しているのかもしれませんが、1998年にグルメ雑誌dancyuで紹介されてからずっと不動の人気があり、カボチャを使ったカクテルのパイオニア的存在です。
ダークラムに自家製の紅茶リキュールを合わせることで、焼いたカボチャの甘さを香り高い紅茶が包み、口を近づけるとシナモンの香りがふわりとします。春夏秋冬、その季節にしか味わえないスペシャリテもありますが、通年味わえるスペシャリテも素晴らしいので、是非一度。

2019.1.②

次のグラスは、HPで紹介していた金柑を使ったカクテルのKlondike High ballです。最近はより細かく記載されたメニューが卓上にあり、見慣れたフルーツでも「こんなことできるのだ!」と山本さんの技術の引き出しの多さに驚きます。このカクテルもその1つです。
ベルモットをベースにして、コールドプレスジンジャージュース、ハチミツ、金柑が入った19世紀末にゴールドラッシュで賑わったカナダ北西部の街の名前を冠したロングカクテルです。口当たりは金柑の甘さで心地よく、飲み終えて口の残るのはベルモットの爽やかな苦味。実に完成度の高いフルーツカクテルです。素晴らしい!


2019.1.

本格的に冬のカクテルが始まった馬車道にある「The Bar CASABLANCA」へ新年の挨拶も兼ねて訪問。毎年のように新年最初にいただいている冬のスペシャリテであるMix Berryのシャンパンスタイル。
苺・ブルーベリー・ラズベリーの3種のベリーが織りなす酸味と甘味のハーモニーは、素晴らしいの一言です。シャンパンスタイルにすることで、カクテルも華やぎ、確りとしたシャンパンのコクが実に美味しい。今年も無事にいただくことが出来ました。

2018.9.③

最後のグラスは、『いちじく』。最近は街場のスーパーなどでも見かけるようになりましたが、まだまだ気軽に食べるようなメジャーなフルーツではないかもしれません。どちらかと言えば、ドライフルーツってイメージが強いてますね。でも完熟したフレッシュのものは、トロリとした舌触りに官能的な甘さがたまりません。これも3種類の仕立てがあって、その中から通常カクテルのスコッチウイスキーベースでのオーダーです。

実食

カクテルに使う『いちじく』は、フレッシュなものとコンポートしたものを使っているそうで、異なる甘さが織りなすコクが素晴らしく、実に美味しい。飲み終えた後に鼻から抜ける香りもご馳走です。
ベースはスコッチウイスキーですが、お酒ということを忘れるような味わいだし、色味も可愛いピンク色ということで女の子にオススメなカクテルかなと思います。


2018.9.②

次のグラスはお店のHPで見かけて、飲んでみたいと思った『ほおずき』です。日本では『ほおずき』って鑑賞用が多く、食べるという発想はなかったのですが、海外だとポピュラーな食べ物らしい。これもホワイトラム・シャンパン・マティーニの仕立てがあり、今回は山本さんのボストンシェイカーも見たかったので、マティーニスタイルで。

実食

枯れたような外殻をパリパリと破いて現れるのは、金色の実。メニューあって英語表記が『Golden Berry』、なるほど。さっぱり味の想像がつかなく、苦いのかな?と思っていましたが、意外にも甘酸っぱい。ほのかな苦味に繊細な甘さがふわりとします。蜜柑の酸味をもっと強くして、苺の酸味を加えたような感じでしょうか。ハッキリ言って、美味しい!新しい秋のカクテルとの素晴らしい出逢いでした。


2018.9.

夜風が心地よくなって、秋の気配が感じられるようになった夜。重い扉を押し開けたのは、馬車道にある「The Bar CASABLANCA」。待ち合わせまでの小一時間を使っての再訪です。
フレッシュフルーツのリストが書かれていた黒板は、カウンターに置かれたメニューに変わって、より明確なラインナップとなっています。

今夜はメニューを見るまでもなく、飲みたいカクテルは2つほどあって、まずオーダーしたのは『巨峰』。『巨峰』と言っても3種の仕立てがある中で、私が選んだのはシャンパンベース。

実食

グラスに近づくだけで、ふわりと香る『巨峰』の香り。口にすれば、『巨峰』の香り・甘さを凝縮した感じで、シャンパンのコクがそれを押し上げています。お酒であることを忘れる味わい。いつもながらに山本さんのフルーツカクテルは、素晴らしい。秋のスペシャリテと言っても、過言ではありません。

2018.7.③
最後のグラスは、常時メニューにあるフルーツからOrange Martini。久しぶりに舞を彷彿とさせる山本さんのボストンシェイカーの振りが見たくてオーダーしました。大抵のフルーツには通常・シャンパン・マティーニスタイルがあり、マティーニスタイルを選択するとボストンシェイカーを使うので、見たい方は是非に。

グラスに注いだ後、オレンジピールで香り付けをするので、口に近づけるとふわりと香ります。口当たりはオレンジで飲みやすく、マティーニの醍醐味であるジンの切れ味も確りと楽しめるカクテル。常時あるフルーツは確かに旬果に比べると見劣りするかもしれませんが、かなり美味しいのでオススメです。

久しぶりとなったバーは、やはり楽しい。バーテンダーと世間話するも良し、ゆっくりとグラスを傾けて自分と語らうのも良し。日常を離れられる私の隠れ家です。

2018.7.②
続いてのグラスは、夏の旬果である『白桃』を使ったBellini。桃の果汁をシャンパンで割った夏の定番カクテルで、1948年ルネッサンス期の画家ジョヴァンニ・ベリーニの展覧会の際に、ヴェネツィアにあるハリーズ・バーのオーナーであるジュゼッペ・チプリアーニ氏が作ったとされる名作カクテルです。

これも皮ごとブレンダーにかけているので、皮から香りを果肉からは甘みを引き出しています。口を近づけると、まず香りから楽しむことができます。シャンパンベースなので華やかであり、実に美味しいカクテル。このカクテルを飲むと、いつも夏が来たと感じます。

2018.7.
久しぶりのバー。私の食べ歩きの原点であり、出発点でもある馬車道にある「The Bar CASABLANCA」です。フィリップ・スタルクのランプに照らされる弧を描くカウンターに立つのは、フルーツカクテルの名手である山本悌地さん。
昔と違って、今はちゃんとしたメニューがカウンターに置かれており、そこには1つのフルーツで数種類のカクテルが書かれています。定番のものもあれば、こんなものまで?と思わせるカクテルもあり、発想力の素晴らしさに驚きます。

最初のグラスは、もうないと思っていた『佐藤錦』。早い時で2週間しかオンメニューしないフルーツですが、今年は始まりが遅かったのか7月でもまだありました。ラッキー♡
メニューに書かれているカクテルは英語表記になっているのですが、この『佐藤錦』はというと『Japanese Cherry』。なるほど!外国のお客様も多いそうで、アメリカンチェリーとの比較だそうです。

ベースはウオッカで、皮ごと数粒の佐藤錦をブレンダーにかけて供されます。繊細な佐藤錦の香りと甘さが素晴らしいカクテルで、実に美味しい。旬果を味わうにはフルーツパーラーもいいですが、フルーツに特化したバーもオススメです。
2018.1.
最後のグラスは、前回もいただいたデザートカクテルの『安納芋とアイラモルト』です。素材となる「ARDBEG AN OA」は10年ぶりの新商品で、結構品薄状態と他店で聞いていたので、もうないかなと思っていましたが、出逢えて良かった。

変わらずの美味しさは勿論ですが、専用コースターには新しく羊ちゃんがお目見え。アードベッグの蒸溜所があるアイラ島には人よりも羊の方が多いそうで、この羊ちゃんを付けたそうです。ということは、通年で提供するのかしら?もしそうなれば、『カボチャ』と双璧をなすデザートカクテルになると思います。

アードベッグが持つ独特のピート香を残しつつ、グラスの縁を飾っている岩塩が安納芋の濃厚な甘さを際立たせているデザートカクテル。独特の味わいや香りが魅力的なアイラモルトへのきっかけにして欲しい…そんなカクテルです。ちなみに私はアイラモルト好き。唯一無二とも思えるその全てに、とても心惹かれます。
2018.1.
私がバーで飲むお酒際には美味しさと意味を持たせることが多く、次のグラスは私にとって意味を持つカクテルである『ラスティネイル』。それにはカクテル名や素材となるお酒、リキュールの由来、造り手の思いなどを汲み取ることが必要です。
実際にあったことですが、都内某バーで私の隣のカップルの男性の「何かデザートカクテルを」に対して、バーテンダーが提供したのは『アマレットアレキサンダー』。その男性がどう思ったのかは分かりませんが、私は心の中で「おー!」と思いました。というのも、その時はバレンタイン。クレームドカカオを使った『アレキサンダー』は、まさにピッタリでしょう。注目するのは、『アマレット』です。このリキュールの別名は、「愛のリキュール」。まさにその時期に相応しいカクテルだったというわけです。

私が「ラスティネイル = 錆びた釘」に込めた思いは、「錆びない気持ち」。好きなカクテルやお酒が出来たら、その味だけでなく時代背景や造り手の思いなどを紐解いていくと、もっと好きになるのではないかと思います。あなたの飲んでいるお酒は、どんな事を語りかけていますか?

2018年最初のバーは、横浜の馬車道にある「The Bar CASABLANCA」です。食べ歩きを始めた混んでいたので、山本さんに軽く会釈をして、最初のグラスはラグジュアリーなカクテルをオーダーです。それはイチゴ・ブルーベリー・ラズベリーを使った冬のスペシャリテであるミックスベリー シャンパンスタイル。何気に2015年から続いている年の初めのファーストカクテルです。

グラスから立ち込める甘い香り、甘味と酸味の絶妙なバランスのトリプルベリー果汁がシャンパンのコクと合わさり、実に美味しい。何度でも味わいたい…そう思える素晴らしい完成度のカクテルです。
2017.11.
続いて、2杯目。メニュー板を見た時から、飲もうと決めていた『安納芋とアイラモルト』です。

新カクテルですが、山本さん的にはここまで人気になると思ってなかったらしくて、実はもうやめたいらしい(笑)また裏話だと、提供する際に「AN NO ANOA(アンノーアンオー)です」と言いたかった為に作ったっていう話(笑)安納芋にアイラモルトである「アードベック」の10年ぶりの新商品である「ARDBEG ANOA」を使ったカクテル。
メニュー板にあるカクテルの説明を見ると、「アンオーから感じ取られるコーヒー、ハチミツ、アニス等を合わせたスモーキーなデザートカクテル」だそう。山本さんの作る工程を見ていると、そんなに複雑なの?って驚くほどに多くの材料から出来ています。グラスをスノースタイルのハーフムーンで飾りつけて、専用?のコースターで供されます。

縁の塩が安納芋の甘さを際立たせ、コーヒーの香りとアードベックの独特のあのピート香が後から追いかけてくるような感じ。デザートカクテルですが、そこまでデザート寄りでもなく、アイラモルトが好きな方は勿論、アイラモルトへのきっかけとしてもちょうどいいカクテルだと思います。このお店には、デザートカクテルのスペシャリテの『カボチャ』がありますが、双璧を成すような完成度の高いカクテルです。

本格的に冬になると、スペシャリテの一つである『ミックスベリー』や鉄板の『イチゴ』などがオンメニューし、それらを使った新しいカクテルがあるのかがすごく気になります。今年も30日までだそうですが、その時に幻となったあのカクテルが飲めたらいいなと密かに思っています。

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久しぶりとなる「The Bar CASABLANCA」。最近は鮨やフレンチ、イタリアンなどに行ってしまって、バー巡りが疎かになっています。元々、お酒が好きではないということもありますが、この「The Bar CASABLANCA」はバー巡りの原点であり、大切にしたいと思っています。

まずはちょうど夕飯に食べた料理を洗い流したくて、爽やかなカクテルをオーダー。飲んでみたいと思っていた『柚子と山椒のカクテル』です。

柚子の爽やかな味わいに山椒のピリリとした刺激が心地よい。また山椒もミルで挽きたてなので香りも良く、舌と鼻で楽しめる山本さんのセンスを感じられるカクテル。
元々、「The Bar CASABLANCA」と言えばフルーツカクテルが有名でしたが、しっかりとしたメニュー板を出すようになってからは「そんなこともできるの?」って思うカクテルが多々あります。旬果のカクテルもオススメですが、まずは卓上のメニュー板をめくってみて下さい。心ときめくカクテルがきっとありますよ。


2017.7.③
最後のグラスは、メニューをパラパラめくっていたら「へー、これもシャンパンベースで飲めるのか」と思った『バナナ』です。このバーで『バナナ』というと、どろりとしたフルーツデザートカクテルの代表なのですが、シャンパンベースにすると、どういう味わいになるんだろう?

グラスから立ち込めるバナナの香りを楽しみながら、口にすると…ん?サッパリしてる?『バナナ』の濃厚な甘さがシャンパンでいい意味で抑えられ、意外とサッパリとしているので、最後というか最初のグラスで選びたい味わいです。
このバーのレギュラーメニューも侮れないことは分かっているつもりでしたが、そのことを再確認した一杯です。


2017.7.②
続いて、2杯目。これも旬果の一つ、『宮崎マンゴー』です。贈答品としても有名な高級フルーツの一つで、あまり自分で買って食べるという方は少ないのではないでしょうか。何の抵抗もなく、するりナイフが入る確りと完熟した宮崎マンゴーを1/4くらい使って仕上げられます

オレンジに近い黄色の上に、生クリームでちょっと飾られて供されます。山本さんが作るフルーツカクテルはどれも舌で味わう前に、まず鼻で香りを楽しむことができます。『宮崎マンゴー』の上品な香りと共に、濃密な甘さが官能的な味わいを引き出します。旬果は、やはり美味しい。


2017.7.
夏のフルーツを味わいたくて、やってきたのは関内にある「The Bar CASABLANCA」。昔は旬果といえば、横浜にあったフルーツパーラーだったのですが、いつ間にかなくなってしまい、自分で買うよりもバーで食べることが多くなりました。それもこの「The Bar CASABLANCA」に出会ってからですけどね。

夏のフルーツの代表格と言えば、やはり『桃』。カクテルも有名なベリーニがあります。今回の最初のグラスはコレです。
ハリーズ・バーの当時のオーナーであったジュゼッベ・チプリアーニが、ルネッサンス期の画家ジョヴァンニ・ベリーニの絵画をイメージして作ったと言われており、シャンパンベースで、1番有名なカクテルではないでしょうか。
フレッシュな桃を使っているので、グラスから立ち込める桃の香りも素晴らしく、味わいもシャンパンのコクが合わさる分、そのまま食べるよりも美味しい。

夏の最初のグラスは、コレしかないですね。


2017.4.③
「最後は、Godmotherを」
「珍しいですね」

そう仰る山本さんに、最近の悩みを吐露。相談しても仕方のないことなのだけど、親身に聞いていただき、ご自分の経験もお話してくれました。
バーとはお酒を飲む場所だけでない。グラスを傾け、自分とも向き合う。そんなことができる貴重な場所だと思います。
ウイスキーベースのゴッドファーザーに比べると、クセのないウオッカにすることで、よりアマレットの香りと味わいがくっきりして美味しい。

山本さん、ありがとうございました。少し大人になれた気がします。


2017.4.②
久しぶりに来て、色々と山本さんに尋ねてみると、フルーツカクテルメニューを書いた黒板の代わりに卓上にはメニューが置かれるようになったようです。それを見てみると、定番のフルーツカクテルの他に、(元々、存在はしていたと思いますが)こんなものまでできるの?というようなカクテルがありました。その中で『金柑』を使ったスタンダードカクテルであるOld Fashionedをオーダー。

通常レシピで作るとベースはウイスキーなのだけど、ベースには8年熟成高級ダークラムであるバカルディエイトというラムを使い、そのラムに合うように作られたチョコレートも添えていただきました。よく見るとコースターも「8の字」で可愛い。かなり強めのカクテルですが、ベースになっているバカルディエイトの濃厚でコクがある味わいに『金柑』が加わることで、まるで濃縮した金柑のお酒を飲んでいるかのようで、実に美味しい。チョコレートにダークラムのマリアージュは、ウイスキーよりも好みかもしれないです。


2017.4.
久しぶりに「The Bar CASABLANCA」にやってきました。飲みたいフルーツカクテルがあったのだけど、かなり前の情報だったので今もあるのかな?と思いながら扉を…扉が変わっている!店内に入ると、いつものあの黒板がない!戸惑いながらも、オーダーしたのは目的のフルーツカクテルであったBloodOrange。3年前にもマティーニスタイルで飲んでいて、また出逢いたいと思っていたフルーツカクテルなのです。

お酒なの?と思わせるほどに、とってもフルーティー。やはり通常のオレンジに比べて、甘さと味の濃さは断トツですね。そのままのブラッドオレンジジュースよりも、ずっとすっきりとしていて、美味しい。お酒ということを忘れてしまう山本さんのフルーツカクテルは、さすがです。

2017.1.③
最後のグラスは、私なりに考えた2017年を始めるにあたって縁起の良いウイスキーを選びました。それは『Old Parr』です。152歳9ヶ月の英国史上最長寿といわれたトーマス・パーから名付けられたこのスコッチウイスキーは、明治時代から吉田茂や田中角栄などの日本のリーダーたちに愛されてきました。和食に合う味わいということもありますが、一番の要因は斜めに立つことができるユニークなボトルでしょう。このことから「決して倒れない」「右肩上がり」と称されています。

バックバーに目をやると、『Old Parr』の横に似たようなボトルがあって、もしかして…と思って聞いてみると『Old Parr Superior』でした。新年なので、ちょっと豪華に行ってみましょう。
実は、別のバーで実際に斜めに立つのかを試したことがあります。現行品では昔みたいになかなか立たないボトルが多いそうで、確かに簡単には立ってくれなかったです。それは昔のように根性のある者がいなくなったことの表れでしょうか。それでも立つボトルやポイントはあって、私もそうでありたいと願いながら、香りと味わいに酔いしれるのです。

2017.1.②
続いて、2杯目もこの日のためにとっておいたフルーツカクテルの『いちご』です。シャンパンベースとマティーニスタイルとありますが、今回は通常オーダーです。舞を思わせる山本さんのボストンシェイカーの振りも久々に見たかったので、マティーニスタイルにすればよかったかな?と供されてから思ったのはナイショの話。

でも味わってしまうと、グラスから立ち込める華やかな香りと甘さを残した味わいは素晴らしく好みで、お酒を飲んでいることを忘れてしまいそうな感じになります。

2017.1.
2017年の最初の食べ歩きは、通年通りこの「The Bar CASABLANCA」です。山本さんと一戸さんに新年の挨拶をして、最初のグラスは華やかなものをいただきましょう。この日のために、あえて飲まなかったこのバーのスペシャリテであるMixBerryをシャンパンベースで。

毎年のように飲んでいますが、イチゴ・ブルーベリー・ラズベリーのトリプルベリーの酸味と甘みにシャンパンのコクが合わさり、実に美味しい。

今年もよろしくお願いします。
2016.12.②
続いては、秋の名残のフルーツでオンメニューしている中から和梨をセレクト。元々、繊細な甘さを持つ和梨ですが、更にスダチを加えることで、更に爽やかなカクテルに仕上げています。

完全な液体状ではなくて、水分の多いシャーベット状になっており、ラフランスに比べて香りは劣りますが、味わいはこちらの方が好み。さりげなく乗せられたスダチの皮も可愛い♡

2016.12.
関内でいつものバーポッパー。最初は「The Bar CASABLANCA」です。もう店内のフルーツカクテルボードには冬の王者であり、このお店のスペシャリティでもある『ミックスベリー』がスタンバイしています。まあ、それはこれからもっと寒くなってからもいただけるので、今回は秋の名残をいただきましょう。

最初のグラスは、La France。フローズンスタイルで仕上げられたカクテルは、ラフランスの芳醇な甘い香りも残してあり、お酒であることを忘れてしまいます。見た目、香り、味を楽しめるのが、この「The Bar CASABLANCA」の魅力ですね。


2016.8.②
目的のカクテルの2つ目は、『Tomato』。確か、去年の夏にもオンメニューしていたと思いますが、今夏はバリエーションが3種類あるのです。まずはプレーン、ガスパチョ風、そしてデザート風。…迷う。
隣の方がデザート風を飲んでらしたので、便乗して私もデザート風にしました。トマトからデザートというのも、なかなか想像できなくて、気になっていたので。

このカクテル、見ていて非常に手間がかかってます。ベースはウォッカで、そこにトマト・ソルト・グリルしたパプリカ・レモン・パプリカ・マスカルポーネを入れます。見ていて、コレはカクテルなの?もはやスープと言えるレベルなのでは?と思ったほどです。
供されたグラスからは、トマトの匂い。でも味わいはマスカルポーネがよく効いていて、最後にトマトっぽさがくるだけで、完全なデザートカクテルです。すごい!山本さんの感性と想像力に脱帽の一杯でした。この夏のうちに、『トマト』の全バリエーションを制覇したいと思っています。

2016.8.
私にしては珍しく、渋谷でご飯を食べていて、山手線で帰宅するかな?と思った時、「そーいえば、東横線なら馬車道まで行けたっけ?」。なら、バーに寄って帰ろう。で、やってきたのは「The Bar CASABLANCA」です。いつもはお店に来てから飲みたいものを決めるのですが、今回は違います。山本さんのブログで紹介されていた『シャインマスカット』と『トマト』を飲みたいっ!

「珍しい時間ですね」と山本さん。確かに、こんなに遅くは滅多に来ないですねー。最初のグラスは、予定通りに『Shine Muscat』です。シャンパンベースも美味しそうだったのですが、まずは通常オーダーのジンベースでいただきます。
この『シャインマスカット』という品種ができる前は、「The Bar CASABLANCA」において『マスカット』も幻のフルーツカクテルの一つで、飲めなかったことも多々あります。でもこの『シャインマスカット』が流通したことで、夏の定番フルーツカクテルとなりました。
グラスからマスカットの甘く爽やかな香りが立ち込め、しっかりとした甘さがあって、実に美味しい。山本さんのフルーツカクテルは、お酒としてのキレよりもフルーツそのものの甘さを感じられるので、大好きです。


2016.6.②
最後のグラスもフルーツカクテル。近年は季節になると、オンメニューしていますが、昔は幻のフルーツカクテルであった『Melon』。実際に私が飲むのは、4年ぶりだったりします。
『メロン』はそのままで食べると甘くジューシーなフルーツですが、甘さが繊細なのかカクテルにすると味がボケるような感じがします。しかし、山本さんのは違います。提供されたカクテルは、香りと味がまさに『メロン』そのもの。素晴らしく、美味しい。

まだ好きな旬果は残してあるので、真夏の「The Bar CASABLANCA」も楽しみでなりません。

2016.6.
季節はまだ夏には遠い感じですが「The Bar CASABLANCA」に訪れると、確実に夏の足音が聞こえてくるような感じがします。フルーツカクテルのラインナップは、『白桃』『スイカ』などのまさに夏の旬果で彩られていて、選ぶのにも迷います。

最初のグラスは、「The Bar CASABLANCA」のフルーツカクテルの中でも提供時期が短いことで有名な『佐藤錦』です。通常、フルーツカクテルは3通りあって、フルーツにあったベースのオリジナル、ジンベースのフルーツマティーニ、そしてシャンパンベースがあります。フルーツによってはオリジナルのみの提供で、この『佐藤錦』も実はその1つなのですが、特別にシャンパンベースで作っていただきました。

実食

『佐藤錦』はかなり繊細な味なので、シャンパンの味に負けることが懸念されていましたが、後味にふわりと『佐藤錦』の味と香りが残り、個人的にはとても美味しい。この味が山本さんの感性に響き、常時提供かは分かりませんが、貴重な味を体験できました。


2016.4.②
次のグラスは、やはりフルーツカクテル。「The Bar CASABLANCA」に来たら、これは外せません。オススメのフルーツカクテルが書かれた黒板には、冬から春へと移り変わる足音が聞こえてきます。「The Bar CASABLANCA」のフルーツカクテルは、提供期間が短いものが多く存在しており、今回いただいた『Blood orang』もその一つで、一昨年くらいから10年ぶりにオンメニューしたフルーツで、来年は出逢えるどうかも分からない幻のフルーツカクテルです。

口の広いグラスなので、香りがとても華やぎ、酸味の少ない甘さとコクは格別に美味しい。今回は通常オーダーでしたが、マティーニスタイルやシャンパンスタイルもオススメ。いつでもある普通のオレンジも地味なフルーツですが、実はかなり美味しいので是非。2つあるうちに飲み比べというオーダーも面白いと思います。

2016.4.
忙しさの中で、花を愛でる余裕がないのか、1人で行くには味気ないからなのか、お花見をすることがここ数年ありません。気が付くと桜が咲いていて、そして散っている…そんなことが続いています。ですが、目と舌で味わうお花見ができるところがあります。それは、バー。

日本の国花である「桜」をイメージしたカクテルは数多くあり、中でも有名なのは銀座「BAR 保志」の保志 雄一さんの『さくらさくら』でしょうか。
この「The Bar CASABLANCA」にも桜カクテルがあります。ご存知でしょうか?その名前は『花吹雪』。

スノースタイルに飾られたグラスに注がれるジンベースのピンク色はとても綺麗で、表面には氷のフレークがキラキラと輝いて、桜並木の中で舞い踊る桜の瞬間を閉じ込めたかのよう。

この時期の私の花見です。


2016.1.②
最後のグラスは、何にしようか。自分的に意味を持たせるようなカクテルもいいし、スタンダードカクテルもいい。でもシャンパンが抜栓したばかりなので、シャンパンベースにしましょう。選んだのは、香りも楽しみたいと思い、『La France Cocktail Champagne Style』です。

やはり芳醇な『ラフランス』は、香りから美味しい。香りほど味わいの強くない『ラフランス』ですが、シャンパンに負けないしっかりとした『ラフランス』の存在感があります。さすがは、山本さん。

今年も宜しくお願い致します。

2016.1.
2016年最初のお店のアップは、やはりココ。「The Bar CASABLANCA」です。お酒はあまり好きではないですが、バーは食べ歩きを始めた原点であり、特にこのお店は大切な場所なのです。

年の初めということもあり、最初のグラスは華やかなものにしましょう。で、選んだのは『Mix Berry Champagne Style』。このカクテルは「The Bar CASABLANCA」の冬を代表するもので、山本さんのスペシャリテの一つだと思います。

グラスに口を近づけると、ブルーベリー・ラズベリー・ストロベリーの香りが華やぎ、甘さと酸味の絶妙なバランスがシャンパンのコクと合わさって奏でる四重奏は、実に素晴らしい。毎年この時期に必ず飲んでいるこのカクテルは、私にとっての新しい年の始まりなのです。


2015.11.③
最後のグラスは、デザートカクテル。ホントだったら、10月に飲みたかったのですが、『Pumpkin』をオーダー。今では他店でもハロウィンシーズンになると、提供しているバーも多くなってきました。この『カボチャ』を使ったカクテルを98年のdanchuに記載したのが、この「The Bar CASABLANCA」だそうで、いわば『パンプキンカクテル』の草分け的存在なのです。

ダークラムをベースにして、紅茶リキュールがアクセントになったクリーミーなデザートカクテルです。例えるならば、飲むモンブランって感じでしょうか。このバーのスペシャリテの一つだと思います。

2015.11.②
2杯目は、冬の到来を告げる『イチゴ』です。早くもこのバーの冬の王者とも言うべきカクテルもありましたが、後々のお楽しみに取っておきましょう。『イチゴ』は酸味と甘味があるフルーツなので、スタンダードカクテルなどにも応用が効き、色々と楽しめます。今回は、ベースをシャンパンに変えてもらいました。

グラスに近づくと、イチゴの華やかな香りがします。イチゴの爽やかな酸味と甘味を感じ、シャンパンのコクも味わえる素晴らしい私の冬の定番カクテルです。

2015.11.
久々に「The Bar CASABLANCA」で、心の癒しを。フルーツカクテルのメニュー板を見ると、もうないと思っていた『ザクロ』がまだあった。『ザクロ』を楽しむこのお店での私のスタイルも捨てがたかったのですが、スタンダードカクテルから『Bacardi』をオーダー。

バカルディラムを使った代表的なカクテルで、通年で飲むことができますが、フレッシュザクロがある時期だからこそ飲みたくなるカクテルなのです。

カウンターに咲く一輪の真っ赤な花のようなカクテルには、フレッシュザクロが数粒フロートされます。グレナデンシロップ(ザクロ)を使ったカクテルで、もう一つ有名なのがジャックローズですが、私はこの『Bacardi』の方が好みです。


2015.8.
「The Bar CASABLANCA」での最後のグラスは、やはり夏を代表するカクテルである『白桃』を使った『Bellini』です。このカクテルは、ハリーズ・バーの当時のオーナーであったジュゼッベ・チプリアーニが、ルネッサンス期の画家ジョヴァンニ・ベリーニの絵画をイメージして作ったとされています。

グラスの中に閉じ込められた香りは、口に近づけると華やぎます。『白桃』の豊潤な甘さとシャンパンの味わいはやはり美味しく、夏の王者に相応しい。

2015.8.
まだまだ暑い日が続いていますが、「The Bar CASABLANCA」のフルーツカクテルメニューには、秋を代表するフルーツもあり、ここに来るともうすぐ秋の足音が聞こえてきそうと思います。まず最初のグラスに選んだのは、ここ数年で夏の王者『白桃』にも勝るとも劣らない人気を得ているという『シャインマスカット』です。

昔、「The Bar CASABLANCA」の『マスカット』というと数週間しか提供していなかった幻のカクテルの一つでした。でもこの新品種『シャインマスカット』で、かなり長い期間オンメニューしています。また皮ごと食べられ、種もないという『シャインマスカット』は、まさにカクテル向きのフルーツだそうです。

爽やかな酸味と甘さは、まさに夏に飲むカクテルにピッタリ。日本人好みの味で、美味しい。今回は通常オーダーですが、マティーニスタイルやシャンパンスタイルでも、かなり美味しいと思います。


2015.5.
早くもあのフルーツが解禁となったと知り、ちょっとした時間があったので「The Bar CASABLANCA」に訪問。何気に山本さんにお会いするのも、久々なのです。

さて、お目当てのフルーツは『佐藤錦』。この「The Bar CASABLANCA」で、提供期間が短いフルーツカクテルの一つなので、出逢えたら飲むべきカクテルなのです。今は山本さんがFacebookやお店のHPで告知してくれるので、出逢うのも容易になりました。

実食
ベースはウオッカで、数粒の佐藤錦と共にブレンダーにかけます。色合いもピンク色で可愛らしく、味わいも佐藤錦の繊細な甘さが感じられ、美味しい。
今年はとても早いオンメニューで、その分長くなるのかと聞いてみましたが、やはり分からないそうです。早い時で一週間ちょっとという年もあったので、確実に飲んでみたい方は早めの訪問がオススメです。


2015.2.
バーとは、止まり木。鳥が再び飛び立つ為、羽根を休めるように、私達もまた魂のリセットを行い、喧騒の中に旅立って行く。旅立つのは、何も私達だけではない。バーテンダーもまた旅立ちの時は来るのだ。

「The Bar CASABLANCA」で、8年半勤められた濱田さんが今月末で辞められると知り、最後のグラスを求めて、再訪。
日曜日はオーナーバーテンダーの山本さんはお休みなので、濱田さんが仕切るハマブランカとなります。やはり、最後は濱田さんご自身に作って頂きたかったので、日曜日の一番客となりました。

オーダーは、「最後のグラスを」です。出されたのは、Gimlet。

「なるほど」と思われた方も多いでしょう。このカクテルはレイモンド・チャンドラーの『長いお別れ』の中での名台詞「ギムレットには、まだ早すぎる」で、一気に世界中で飲まれるようになりました。そしてこの台詞が意味するのは…。カクテルに込めた想いをくむのも、バーの奥深いところだと思います。

濱田さんは私がバーに通い出した頃からよくして下さり、背筋をピンと張るようなバー独特の雰囲気を和ませてくれた方でした。カウンター越しにお会いすることがないと思うと、寂しいかぎりですが、新天地での御活躍をお祈りしております。お疲れ様でした、そしてありがとうございました。


2015.1.③
最後のグラスは、山本さんに「お正月らしいですね」と言われたカクテル『Vesper Martini』をオーダーです。ジェームズ・ボンドの第一作目の『007 カジノ・ロワイヤル』(1953年)に由来し、ジェームズ・ボンドの恋人役(ボンドガール)として登場するヴェスパー・リンドの名前から付けられた、いわゆるボンド・マティーニの1つです。あの有名な台詞 の"Vodka Martini. Shaken, not stirred". ではないので、ご注意を。

このマティーニの特徴は、イギリス産ゴードンズのジンと、ロシア産(またはポーランド産)ウォッカの両方を入れ、ベルモットの代わりにフランス南西部ボルドー産アペリティフワインのキナ・リレ(現在はキナ・リレが終売になっているので、後継酒のリレ・ブラン)を、またオリーブの実の代わりにレモンの皮を入れること。ちなみにレシピではシェイク指定だそうですが、山本さんはステアで。

山本さんが何故「お正月らしい」と思われたのかというと、ご自身がお正月になると『007』を観たく(流したく)なるそうです。つまり、山本さんの琴線に触れたカクテルだったわけですね。

ジンとウォッカが入っているので、かなり強いカクテルですが、なかなか円やかで飲みやすいです。リレ・ブランがもたらすほのかな苦みの後味も私好み。通常のマティーニよりも、ずっと飲みやすいかもしれない。
マティーニはもっと年を重ねてから飲み歩こうかと思っていたのですが、そろそろやってもいいかな。

2015.1.②
2杯目。秋の季節に飲み損ねていた『ザクロ』をオーダー。『ザクロ』つまりはグレナデンシロップを使うカクテルで有名なのは『Jack Rose』ですが、ここはあえて『Bacardi』を。

このカクテルは1936年4月28日、ニューヨーク州高位裁判所で「バカルディは、バカルディ社のラムを使わなければならない」という判決を下したことで有名で、以来どこのバーでもバカルディ・ラムを使うことが義務になったそうです。

私はカルヴァドスの酸味のある『Jack Rose』よりも、『ザクロ』の甘酸っぱさがより感じられる『Bacardi』が好きなのです。今日はフレッシュなものが手に入る今の季節だけの特別な『Bacardi』で、『ザクロ』の実をかなりカクテルの中に入れて下さいました。ルビーにも似た輝きのカクテルは、カウンターに咲く一輪の花のよう。是非、今夜どーぞ。

2015.1.
2015年のバー初めは、勿論ココです。「The Bar CASABLANCA」。何だか、色々なお店に行っていた為に久しぶりの訪問となってしまいました。初めのお酒として、何か意味あるものをと毎年考えているのですが、どうもこのお店に来てしまうと、フルーツカクテルを飲みたくなってしまいます。なので、毎年、華やかなグラスをオーダーしています。

何をオーダーしたかというと、『Mix Berry』です。幾度、このカクテルを飲んだことでしょう。イチゴ・ブルーベリー・ラズベリーの3つのベリーが織りなす三重奏は、このお店の冬のフルーツカクテルの王者であり、フルーツカクテルの中で一番贅沢なものだと思うのです。更にベースをシャンパンに変えれば、より贅沢なものとなったのですが、言うのを忘れてしまい、気付いた時には既にブレンダーの中orz

それでもグラスから立ちこめる甘美な香りは素晴しく、芳醇な味わいは流石と思ってしまいます。2015年と共に、冬の始まりです。


2014.9.②
2杯目をオーダーする頃には、もう同業者の方や20周年と知って駆けつける方などで満席状態。混みだしたら、あまり長居しないのが私のスタイルということで、最後のグラスは飲んだことのない『黄桃』です。

近年は「黄金桃」や「ゴールデンピーチ」として生食用に流通しているそうですが、やはり缶詰などでよく見かける『黄桃』。香りは勿論よく、白桃のように果汁が溢れ出ることはありませんが、ぷるんとしていて中にしっかりと果汁を蓄えている桃です。

実食
白桃のようにダイレクトな甘さではなく、ほんのりとした柔らかい甘さが広がります。そしてマンゴーのようにネットリとしていて、なかなか味わい深い桃です。『ベリーニ』にしてみても美味しいと思います。

2014.9.
先日、9/21は「The Bar CASABLANCA」の20周年でした。予定していたことがキャンセルになったので、顔を出すことに。入口にも御祝いの花で彩られていて、良い香りが漂っています。開店同時くらいの入店だったのですが、2組の方が既に楽しまれていました。ちなみに記念の1組目は山下町にある「BAR THREE MARTINI 」の山下さんご夫妻だそうです。

通常の日曜日は山本さんがお休みで、濱田さんが仕切る「ハマブランカ」となっているのですが、今夜は山本さん・濱田さん・6年ぶりにこのカウンターに立つ片野さんの3人が出迎えてくれました。
さて、最初の一杯は「カサブランカらしいものにしよう」と決めており、選んだのが『巨峰 Martini』です。季節ものということもありますが、某雑誌で山本さんが巨峰カクテルについて語ってらしたことを思い出したので、フルーツカクテルの原点かな?と思い、オーダーしてみました。

舞を思わせる独特のボストンシェイカーの振りから造られるそれは、口当たりはまるでジュース。けれどもジンのキレを楽しめるマティーニなのです。いつ飲んでも、美味しいと思えるカクテルです。


2014.8.②
先日の忘れ物を取りに来たのですが、もう一つ去年の夏の忘れ物も取ることができました。それは何かというと、『トマト』です。この「The Bar CASABLANCA」で使う『トマト』は、鎌倉産の『アイコ』というブランドトマトで、去年から夏のカクテルとしてオンメニューされました。この『アイコ』は果肉部分が多く、甘みと酸味のバランスがよいミニトマトで、私も何度かスーパーなどで買って食べたことがあります。そんな『トマト』のカクテルは、去年の夏に飲み損ねた忘れ物だったのです。

ベースはウオッカで、隠し味に高価なバルサミコを入れています。まさに大人のトマトジュースと行った感じで、トマトの甘みが味わえる夏の名カクテルです。不安定入荷なので、出会えたならばラッキーと思って下さい。

2014.8.
忘れ物。
その多くはもう手にすることができずに、少なからずも後悔へと繋がります。そんな忘れ物を取りにやってきたのが、「The Bar CASABLANCA」です。私はよくバーで、忘れ物をしてしまいます。その忘れ物とは、飲み損ねたカクテルの数々。オーナーバーテンダーの山本さんはブログを書いてらっしゃるので、変わったフルーツの入荷などが分かるのです。その中で気になっていたのが、『キーライム』というもの。あまり聞き慣れないこの『キーライム』は、メキシコなどの中南米に自生し、大きさは日本でいうスダチくらいの大きさで、鮮烈な香りと酸味が特徴なようです。

この『キーライム』を使っていただくのは、アーネスト・ヘミングウェイも愛した涼を取れるカクテル 『Daiquiri』です。
飲むと分かる。その鮮烈さ!かなりパンチのある『Daiquiri』で美味しい。忘れ物、取りにきたかいがありました。


2014.7.②
次のグラスも、夏を代表するフルーツの『スイカ』です。通常オーダーのカクテルは『スイカ』を圧搾機で搾り、ウオッカを合わせるカクテルなのですが、素晴らしく美味しい。『スイカ』と言えば、やはり塩は欠かせないということで、グラスの淵を粗塩で飾るスノースタイルで提供されます。スノースタイルにするためにグラスの淵を濡らすわけですが、ちゃんとスイカを使っています。さすがです!

『スイカ』本来の味と香りも楽しめ、お酒であることを忘れてしまいそうな味わい。お酒が弱い方でもきっと平気なはずです。ミント系のカクテルもいいですが、夏に味わえる旬果のカクテルもオススメですよ。

2014.7.
期間限定の旬果『佐藤錦』や『国産マンゴー』などの情報を得つつも、仕事やプライベートでバタバタしてしまい、なかなか行けなかった「The Bar CASABLANCA」のドアを開きます。予想通りに提供時期の短い旬果には出会えなかったですが、それでも夏のフルーツカクテルの王者は勿論、健在です。

最初のグラスは、やはり『Bellini』。夏の旬果の一つの『桃』を使ったシャンパンベースのカクテルです。この「The Bar CASABLANCA」で使う『桃』は皮ごと使っているので味も絶品ですが、香りもすごくいい。舌で味わう前に、まずは鼻で味わってほしい、夏のカクテルです。


2014.4.②
最後のグラスもフルーツマティーニにしました。そろそろ終わってしまう『イチゴ』も捨てがたいのですが、前回もいただいた新メニューである『リンゴ』をマティーニスタイルでオーダー。

この『リンゴ』のカクテルは、このお店のメニューの中でも、かなり手間のかかるカクテルで、フレッシュのリンゴとマリネしたリンゴを使用し、リンゴのモサモサ感をなくすために、2度漉します。それをマティーニスタイルにするという、お店が暇でなければ注文しづらいカクテルです。

実食。

リンゴの爽やかな酸味と甘味がジンのキレの中でも生きていて、美味しい♡ありそうでなかったこの『リンゴ』は、通年でオンメニューするか分からないそうなので、飲んでみたい方はお早目に。

2014.4.
久々のバー。身体の疲れは寝れば治るけど、心の疲れを癒すにはバーという空間が私には大切なのです。でもお酒が好きというわけではありません。あの独特の緊張感と寛ぎの感覚が一体となった雰囲気が大好きなのです。

私のバーの原点といえるお店、「The Bar CASABLANCA」に再訪。日曜日の訪問だったので、オーナーバーテンダーの山本さんはお休みで、濱田さんが仕切る「ハマブランカ」というわけです。
名物であるフルーツカクテルのメニュー板からは『ザクロ』が消え、春の訪れを告げています。その中で、私がオーダーしたのは『ブラッドオレンジ』のマティーニ。オレンジは恒常メニューとしてありますが、この『ブラッドオレンジ』はなかなかなく、取り扱うのも10年くらいぶりだそうです。

実食。

マティーニスタイルなので、ジンのキレはありながらも、『ブラッドオレンジ』特有の濃密な甘さと酸味と香りも味わえ、美味しい♡
旬のフルーツの中でも、一週間くらいしかオンメニューしないフルーツもこのお店では多々あるので、出逢えたならば、飲みべきグラスなのです。


2013.12.③
最後のグラスは、1年をしめるにふさわしいカクテル『Last Scene』です。これは山本さんのオリジナルカクテルであり、2000年度全国バーテンダー技能競技大会で総合優勝に輝いた作品なのです。が!数年前からこのカクテルに使っている材料が終売になってしまい、とうとうなくなってしまったそうです。幻のカクテルとなってしまいました。

なので年が明けたら、いただこうと思っていた『Mix Berry』をオーダー。イチゴとブルーベリーとラズベリーを使った贅沢なカクテルで、香りも味も素晴しい。春先まで楽しめるカクテルなので、また何度かいただくことが多いと思います。

ちなみにこれが過去にいただいた『Last Scene』。グラスから香るバニラとチェリーの香りがよく、口当たりのよいカクテルです。レシピはスパイスドラム 40ml、チンザノオランチョ 10ml、チェリーシロップ 10ml、ライムジュース 1tspをシェイク。またいつか出会えることを夢見て。

2013.12.②
バーはお酒を飲むだけではありません。多くのバーがフードメニューも揃えており、時にはお店の看板メニューとなり、それを目当てに訪れるお客さんもいるほどに、バーのフードメニュー(バーメシ)は魅力的なものなのです。ここ「The Bar CASABLANCA」も、そういったお店の一つだと思うのです。

本格的なフードメニューもありますが、気になっていたメニューが1つ。それは山本さんのブログに書かれていた『ザンポーネ』というソーセージの一種。この聞き慣れない『ザンポーネ』は、筋の入った筋肉組織・豚脂・皮などを合わせて挽き、豚足に詰めたもので、イタリアのエミリア州モデナの名産品の1つ。そして縁起物としてクリスマスや大晦日などに食べる習慣があるそうです。新年に縁起がよいとされるレンズ豆が添えられることが多いそうですが、「The Bar CASABLANCA」ではジャガイモのトマト煮と一緒に提供されます。

実食。

表面の豚足の部分が温められたことで、ねっとりと口で溶け、中身のほんのりと香るハーブもいい。ジャガイモのトマト煮はソースとしても、そのままでも美味しくいただけます。ちなみに私はこの料理に合わせたお酒は、ちょっとクセのある『カスク&シセル ボウモア12年 2000』という57.3度のウイスキー。マリアージュするものは、自分で見つけても委ねてもOKです。

2013.12.
毎年、年の終わりに飲みたいカクテルがあるので、訪れている「The Bar CASABLANCA」。2013年の終わりにも、無事に訪れることができました。目的のカクテルは最後にするとして、まずはフルーツカクテルです。実際、お店に訪れる方の8割以上がカクテルを注文するそうで、山本さんのフルーツカクテルの美味しさが裏付けされていますね。

さて、この季節になるフルーツカクテルの王者ともいうべき『ミックスベリー』があるわけですが、新作の『りんご』は味わっておかないとダメですね。というわけで、オーダー。
ちなみにこの『リンゴ』は作るのに、かなりの手間がかかっています。ベースはホワイトラムで、フレッシュのりんご とオーブンで焼いてホワイトバルサミコでマリネしたりんごを使い、ブレンダーにかけた後バーズネストで漉して、ブレンダーに戻してからクラッシュアイスを加えて、再度ミキシング。…空いているときでないと、注文するのに躊躇してしまいそうです。

フレッシュのリンゴを使っているので、サラリとした食感ではなく、果肉も残った感じのカクテルです。オーブンで焼かれたリンゴの甘い香りが、グラスから立ちこめ、カクテルということを忘れる美味しさ。通年、スーパーなどにある『リンゴ』ですが、いつまでオンメニューになるのかは山本さん次第だそうなので、味わいたい方はお早目に。


2013.11.③
最後は、冬の王者とも言える旬果『イチゴ』です。今年は早いそうで、11月でも楽しめます。『イチゴ』は、通常のオーダーもオススメですが、「The Bar CASABLANCA」らしく、マティーニスタイルでいただきます。

山本さんの舞うような独特なモーションのボストンシェイカーの振り。そこから作り出されるマティーニは、『イチゴ』の甘さや香りはそのままに、ジュースのような口当たりの中、ジンのキレも楽しめる逸品です。冬の王者は、今年もやっぱり美味しかった。

2013.11.②
次にいただいたのが、これも旬果の『ザクロ』。フレッシュのザクロがある時期は、グレナデンシロップの代わりとして、『ジャックローズ』や『バカルディ』などのカクテルが、とても美味しい。ですが、以前「The Bar CASABLANCA」の山本さんに教えていただいた、とっておきの楽しみ方があります。それが、コレ!

『ザクロ』を摘みながら、『ウオッカ』又は『ジン』を飲むというスタイルです。今回は、冷凍庫でキンキンに冷えた『タンカレー No.10』と共に。

実食。
きらめく宝石のようなザクロを口にいれ、プチプチと噛み、甘酸っぱさを感じながら、『タンカレー No.10』で流し込みます。バーでしかできない贅沢な『ザクロ』の食べ方です。


2013.11.
久々に「The Bar CASABLANCA」の山本さんに会うべく、再訪。私がバーに通う理由として、もちろんお酒が飲みたいというのもありますが、バーテンダーさんに会いたいからというのが、一番の理由だったりします。きっと、皆さんの中にも、同じような気持ちの方がいらっしゃるんじゃないかと思います。

最初のオーダーは、そろそろ終わってしまいそうな旬果の『ラ フランス』。通常のオーダーでも、美味しそうですが、ちょっと豪華にベースをシャンパンに変えてもらいました。

実食。
グラスから立ちこめる芳醇な『ラ フランス』の香りを、まず楽しめます。そして、甘さとシャンパンのコクを同時に味わえる素晴しいカクテルです。


2013.7.⑤
最後は、夏の涼を楽しむグラスです。爽やかなカクテルは数多くありますが、私が好きなのは『Gin Sling』。なかなかシブいでしょ?
スリングとは、ドイツ語で「飲み込む」という意味で、ベースとなるお酒に酸味や甘みを加えた後、水やソーダでフルアップしたものを言います。あの有名な『シンガポールスリング』も、このジャンルですね。

ジンのキレを十分に感じながらも、甘さもあるので、飲みやすい。炭酸の爽やかさはないながらも、飲み終えた後は、スッキリとします。
暑い夏の日に、涼を取る為にバーに行く。そんなバーの使い方ができる大人になりたいと思っています。

2013.7.④
続いて、2杯目。『スイカ』にしようかと思っていたら、山本さんからオンメニューにしていませんが、『巨峰』も今日はありますと勧めていただいたので、マティーニスタイルでオーダー。

一口目は『巨峰』の香りと甘さを感じ、最後にはベースであるジン(タンカレー)のキレも味わえ、マティーニらしさも楽しめるグラスです。『巨峰』はまだまだこれからのフルーツなので、搾ったスタイルやフローズンスタイル、シャンパンスタイルなど色々と楽しめます。未食の方は是非。

2013.7.③
オーナーバーテンダーの山本さんのブログで、『白桃』が始まったと知り、「The Bar CASABLANCA」再訪。店内のフルーツカクテルのメニュー板を見ると、もう『スイカ』や『マンゴー』などの夏のフルーツが多く賑わっていて、選ぶ楽しさがあります。

オーダーは勿論、夏のフルーツの王様である『白桃』。通常オーダーではなく、シャンパンを使った『BELLINI』にしました。このカクテルの歴史をいうと、ハリーズ・バーの当時のオーナーであったジュゼッベ・チプリアーニが、ルネッサンス期の画家ジョヴァンニ・ベリーニの絵画をイメージして作ったとされています。

提供されると同時に、グラスから立ち上る桃のいい香り。そして、シャンパンの華やかさと桃の甘さが十分に味わえる、まさしく夏のカクテルです。

2013.7.②
最後のグラスとして、オーダーしたのは、ブレンデッドウイスキー。あまりないとのことですが、出していただいた中から、ちょっと飲んでみたかったのがあったので、ロックスタイルでオーダー。私が選らんだのは、『The Bailie Nicol Jarvie』。

この『The Bailie Nicol Jarvie』は、19世紀のスコットランドを代表する小説家のサー・ウォルター・スコットの代表作の一つ、「ロブロイ」に登場する人物名からとったものだそうで、1994年に復刻されるまでは幻と言われたブレンデッドウイスキー。ま、今もあまりないらしいですが。

実食。
普通、ブレンデッドウイスキーというとモルト率は30%くらいで、飲みやすいものが多いのですが、この『The Bailie Nicol Jarvie』は60%というちょっと変わったタイプ。アロマティックでありながら、アイラのようなスモーキーさも感じる、ブレンデッドウイスキーの中ではクセのある面白いものでした。アイラが好きな方は、好みかもしれませんよ。

2013.7.
「期間限定」
ここThe Bar CASABLANCAは、フルーツカクテルが有名なバーですが、そのフルーツの中で、オンメニューしている期間が非常に短いフルーツが幾つかあります。その一つが今回いただいた『佐藤錦』。他店ではアメリカンチェリーなどを使ったさくらんぼのカクテルはあるかもしれませんが、The Bar CASABLANCAでは、この『佐藤錦』のみ。そして、その期間は長くても三週間、短いと一週間くらいしか取り扱っていないという幻のカクテルなんです。

今回は山本さんのブログで始めたことを知りましたが、それまでは行くまで分からないので、電話で問い合わせる方も多いのだそう。中には4〜5年飲めていない方もいらっしゃるとか。

実食。
ベースはウオッカで、数粒の『佐藤錦』とクラッシュアイスをミキサーに入れ、フローズンスタイルに仕上げます。グラスからは『佐藤錦』のほのかな甘い香りが立ち込め、壊れてしまいそうな繊細な味わいもちゃんとします。今年もちゃんと飲めて、満足。特に今年は短いそうなので、この記事がアップする頃にはもう… (>_<)


2013.6.②
続いて、いただいたのが『パッションフルーツ』。パッションフルーツというと、今では通年を通して食べることのできるフルーツですが、国産品ですと、やはり旬は6〜8月くらいだそうなので、これも初夏のフルーツです。そして、「パッション」という言葉と南国系フルーツということから、「情熱」を連想されるかもしれませんが、この「パッション」は「キリストの受難」を意味しているそうです。

さて、この『パッションフルーツ』もマティーニスタイルができるので、オーダー。味わいは、甘酸っぱさの中に、ジンのキレを感じることができ、よりマティーニらしいフルーツカクテルです。シャンパンスタイルもきっと美味しいと思いますので、是非飲まれてみて下さい。

  • 2024.12.  Rusty Nail
  • 2024.12.  Mix Berry Cocktail
  • 2024.12.  Giant Peat 6 Year

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10位

カサブランカ片野酒類販売 (日本大通り、関内、馬車道 / バー)

5回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥3,000~¥3,999 -

2018/10訪問 2018/11/21

もう一つの私の隠れ家 ~フルーツの他に好きなもの~

2018.10.②
2杯目。久しぶりに飲みたくなったのは、『アイラモルト』。「飲んでいるのを初めて見ました」と天内くんが言うのも無理はない。何せ、私も久しぶりだから。強烈なピート香のするアイラ系は好き嫌いがはっきりと分かれていますが、私は唯一無二のようなこのピート香が大好きなのです。

かなり癖のあるものを選んで出してもらったのは、Port Charlotte Islay Barley 2011。
1881年に設立されたアイラ島にあるブルイックラディ蒸留所で造られるアイラモルトで、この蒸溜所はテロワール(土地風土、特性など)を重視しており、100%スコットランド産の大麦を原料につくられています。

味わいは…想像していた薬品のようなフェノール臭ではなく、炭やタールのようなスモーキーな香り。徐々に潮の香りが感じ始め、オークの甘さが軽やかに抜けていく感じ。個人的にはもっと薬品っぽいものが好きなのだけど、久しぶりに感じるアイラ島はやはり美味しかったです。


2018.10.
カツン、カツンと階段を上がる。2階の奥にある扉を開ければ広がるのは、仄暗いバックバー。関内にある「CASABLANCA 片野酒類販売」へ再訪。しかしながら白いバーコートのオーナーは、不在。どうやら以前と同じように日曜日が休日のよう。代わりに天内くんと向井さんの2人で営業しているみたい。軽く挨拶を交わして、まずはフルーツカクテルをいただきましょう。

フルーツカクテルメニューにはこの時期らしく、秋の賑わい。はしりの時期にお取り寄せで食べて以来食べてなかった『シャインマスカット』をオーダー。
ベースはジンで、数粒の『シャインマスカット』と共にブレンダーの中へ。ロックグラスに注がれて、供されます。口を近づけると、ふわりと甘い香りが誘い、口にすると確りとした『シャインマスカット』の甘さが広がります。お酒を忘れる味わいで、美味しい。

2018.7.②
続いてのカクテルは、高級フルーツの1つであるMelonです。「The Bar CASABLANCA」時代では幻のフルーツカクテルであったメロンも、近年では時期になるとオンメニューするようになりました。

熟れ熟れとなったメロンに、ベースとなるウオッカと生クリームを加えてブレンダーにかけます。ふんわりとしたメロンの甘さが広がっていく中で、後味はちゃんとお酒を飲んでいるといった感じ。片野さんの作るカクテルは口当たりはいいのだけど、後味に確りとお酒のキレを味わえる危険なお酒です。

2018.7.
今年になって過去2回の訪問ともオーナーが不在という「CASABLANCA 片野酒類販売」に再訪。扉を開けると、またいない…と思ったらキッチンから出てきた片野 靖雄さん。久しぶりですねと言うと、5月に会ったじゃないですかと言う。いや、会ってないし(笑)幾年の月日を重ねたお酒があるせいか、バーという空間はゆっくりと時間が進むものなのでしょうか。

最初のグラスは、Watermelon Salty Dog。夏の定番フルーツである西瓜を使ったカクテルとしては、最高の完成度だと思います。スイカの甘さとグラスの縁を塩で飾るスノースタイルが、まさにぴったりとくるカクテルです。スイカは甘さは勿論ですが果汁も多く、フルーツカクテルにはぴったりなので、スタンダードカクテルのアレンジが楽しめる旬果です。ソルティードッグ以外にもきっとあるので、探してみるのも楽しいかも。

2017.7.③
最後のグラスは、デザートカクテル。特に思いつかなかったので、片野さんにお任せしてみました。

「リキュール系?クリーム系?」
「うーん、クリーム系?」
「アレキサンダーにします?
「アレキサンダーはあまり好きじゃない」
「じゃあ、ベースを変えてテキーラはどうでしょう?」
「テキーラベースのデザートカクテルは、飲んだことない」

で、供されたのがシルクストッキングです。テキーラ、クレーム・ド・カカオ、グレナデンシロップ、フレッシュクリームをシェイク。
ほんのりとピンク色になったカクテルは、どことなくエロティック。テキーラベースなので、アルコール度は強めですがクリームが入っている為、比較的に飲みやすいです。私の定番デザートカクテルに加えるかはまだ未定ですが、テキーラベースはあまり飲んだことがないので、他のカクテルも試してみたいと思っています。


2017.7.②
2杯目は、旬果を使ったフルーツカクテル。夏の定番の『西瓜』です。通常オーダーでも良かったのですが、スタンダードカクテルのアレンジで。選んだスタンダードカクテルは、グラスの縁を塩で飾るソルティードッグです。元のレシピではグレープフルーツを使うのですが、『西瓜』に変えて作ってもらいました。これはよくあるアレンジカクテルなので、他店でも夏には見かけるカクテルだと思います。

夏のカクテルの中でも、かなりの甘さがありつつも、爽やか。そして、実に想像しやすい味わい(笑)西瓜に塩をかけて食べる、まさにその味わい!ベースとしてはウオッカですが、全く気になりません。スタンダードカクテルのアレンジでは、素晴らしい完成度なので、この夏に是非!


2017.7.
お店の改装をして、2回目の「CASABLANCA 片野酒類販売」。食事をした後だったので、まずは口をリセットさせるつもりでオーダーしたのがギムレットハイボールです。
レイモンド・チャンドラーの名作『長いお別れ』の台詞「ギムレットには早すぎる」でも有名なカクテルで、それを炭酸水で割った夏らしいカクテルです。

「ジン・ライム・炭酸水なら、ジンリッキーじゃない?」
と思われるかもしれませんが、ギムレットはジンとライムをシェイクして炭酸水で割るのに対して、ジンリッキーはグラスの中でマドラーでライムを潰したりして、飲み手の好みの味わいにするカクテルです。なので、材料は同じでもシェイクというバーテンダーの魂が加わることで、全く違うものになるのです。

是非、バーテンダーの魂を味わいましょう。

2017.5.
最後のグラスは、私のリグレットカクテルのGrass Hopperです。お酒を嗜む皆さんにも想い出のお酒の一つや二つはあると思います。私にとってのその一つがリグレット、つまり後悔のグラスですね。

グラスホッパーはご存知の方も多いと思いますが、爽やかなミントの香りとカカオのコクが合わさり、まるでチョコミントみたいな味わいなので、デザートカクテルの代表と言えるカクテルです。
まだバーを知らなかった幼き頃、当時付き合っていた人がチョコミントを大好きだったので、その頃にこのカクテルの存在を知っていたら飲ませてあげられたなぁと、これを飲む度にそう思うのです。

2017.5.
2杯目からは、デザートカクテルです。片野さんのオリジナルカクテルではありませんが、私がかなり気に入っているデザートカクテルがあります。それはKildalton Crossという聞き慣れないカクテル。

ベースは独特のピート香のあるアイラモルトを代表するラフロイグで、あとはチョコレートリキュールを使い、シェイク。このピート香を味わいつつも、飲みやすいデザートカクテルとなり、アイラ好きならばどうぞ今夜の終わりに飲んでいただきたいカクテルです。

2017.5.
店内の改装後、初となる「CASABLANCA 片野酒類販売」へ。バックバーは変わりませんが、カウンターにあった柱と床の段差もなくなり、照明も増えたので、よりバーらしくなりました(笑)そして、カウンターの上と席の後ろにも棚ができたので、座る位置によってはボトルに囲まれる感じになります。

まずはフルーツカクテルで、喉を潤します。選んだのは、BloodOrange。前回、「The Bar CASABLANCA」でいただいたので飲み比べとなります。
「The Bar CASABLANCA」と同様にベースはジンですが、「CASABLANCA 片野酒類販売」はフローズンカクテルで供されます。ブラッドオレンジの甘さを抑えたキレのある大人のかき氷といった味わい。フルーツカクテルですが、確りとお酒を感じることができるカクテルです。
2017.1.
2016年がしれっと明けて、2017年になりました。場所柄、山下公園前で係留・保存されている日本郵船氷川丸の除夜の汽笛が聞こえるかと思ったのですが、特にそんなこともなくて、ホントにしれっと新年を迎えたわけです。まあ、私としては外で新年を迎えるというのは数年ぶりだったので、新鮮な感じ。さて、そろそろ帰ろうかと思っていた時に供されたシャンパンの泡が立ち込めるグラス。

「?」
「nao. さん、隣の方からです」

なんと!隣で自前をシャンパンの飲み比べしてらした方がお客さん全員に飲んでいたシャンパンを振舞って下さりました。そのシャンパンはLAURENT PERRIERで、しかもGRAND SIECLE!

2017年からラッキーとしか言いようがありません。

ご馳走様でした。

2016.12.③
23:40

2016年の最後のグラスになりました。オーダーはRusty Nailです。コレはずっと前から決めていて、2016年の錆を落として、2017年に向けて光り輝こうって想いを込めています。去年も飲んだ私なりの〆のカクテルです。

レシピはスコッチウイスキー 45mlとドランブイ 15mlですが、(言っていませんが)アイラ系のウイスキーが好きな私の為にElements of Islay Lp7を一滴垂らしてくれました。この一滴が、意外といい。

後半からチョコレートと一緒にいただきました。ウイスキーベースの甘いカクテルは、チョコレートとよく合います。

good bye,halcyon days.

2016.12.②
次のグラスのテーマは、「白」。2016年の最後のグラスってことを考えると、XYZがふさわしいかも? …フツーすぎる。スマホで検索していると、クラシックカクテルらしいけど、聞いたことのない最後にふさわしいカクテルを見つけたので、片野さんに頼んで作っていただきました。

そのカクテルとは、Last Word。

材料はドライジン1/4、シャルトリューズヴェール1/4、マラスキーノ1/4、ライムジュース1/4。これをシェイクで仕上げます。

さて、味わいは…。かなり強いですが、シャルトリューズヴェールの風味が活きていて、爽やかなカクテル。元々、薬草系リキュールのシャルトリューズヴェールは好きなので、好みの味わいでした。

2016.12.
去りゆく年、2016年の最後に訪れたお店は例年通り「CASABLANCA 片野酒類販売」です。1つ違うことは訪問時間が23時くらいだったってこと。特に年明けをここで迎えようとは思ってなかったのですが、たまたまですね。
2017年早々にこのお店はリニューアルを控えていて、段差やカウンターの柱などがなくなる予定だそうです。ちなみに柱は言えば、貰えるかも?自分でトーテムポールを作るもよし、鈍器にするもよし…。

ずっと考えていました。

2016年の最後のグラスは何にしようかと。

そんな中で、Twitterでフォローさせていただいている方が「年の暮れは、紅白のカクテルを〜」という呟きをしてらしたので、コレもありかと思って、最初のグラスは『いちご』です。ベースはこのお店でのオリジナルではなくて、私のリクエストのMaker's Markを使っていただきました。カクテル名はStrawberry Red Top。

グラスからはいちごの香り。柔らかな酸味とMaker's Markのコクが素晴らしく良く合います。まずは紅いカクテルからいただきました。


2016.12.②
最後のグラスは

「片野さーん。なんか甘いヤツ」

「じゃぁ、こんなのはどうですか?」と出されたのは、「CASABLANCA 片野酒類販売」オリジナルスイーツカクテルの安納芋です。但し、ベースはモルト蒸溜所で初めてイギリス王室御用達の認定を受けたLaphroaig。好き嫌いがハッキリするスコッチで、正露丸みたいな独特のピート香が特徴です。
そんな個性的なLaphroaigで作ると…安納芋の甘さ、たっぷりのクリームの中でも、確りと感じるピート香が癖になります。さすが片野さん、私の好みを分かってらっしゃる。

2016.12.
関内バーポッパーの最後は、「CASABLANCA 片野酒類販売」です。今夜もオーナーバーテンダーの片野さんと世間話をしにやってきました。とはいえ、バーなので何かオーダーしなければ。

「片野さーん。今、xxを食べてきたんで、それを洗い流すようなヤツ」

なんというオーダーでしょうか(笑)で、出されたのが「洋梨の女王」と言われるLe Lectier。新潟ご出身の片野さんがこの時期になると、必ずオンメニューするフルーツカクテルです。カクテルにしても、ルレクチエの芳醇な香りと甘美な甘さが独特な洋梨そのままの味わいです。カサブランカ系の梨を制覇してしまいました(笑)


2016.9.③
最後は甘い甘いカクテルが飲みたいと言い、考えつつも思い出したものがあります。

「片野さん、MIDORIってあります?」
「ありますよ」
「じゃ、MIDORI Alexanderで」

にやりと片野さん。

「あのテレビでも作ってましたね?」

バーテンダーの方々はバーが舞台のテレビや漫画などには、意外と敏感みたいで知っている方が多い。そう、これも「BARレモン・ハート」というドラマで、中村梅雀さんが演じるバーテンダーが作っていたカクテルなのです。『Alexander』はデザートカクテルの中ではさほど好きではないのですが、メロンリキュールを入れたら、どうなんだろうと興味もあったので、注文です。
味わいはそんなにメロンっぽい感じはしなくて、『Alexander』よりは甘く飲みやすい。私はミドリという名前ではないし、全く関係はないけれど、もしミドリさんという方がいたら、ドラマのように自分のカクテルとして飲まれてみるのもいいかも。

2016.9.②
毎年、この誕生月に飲むカクテルがあります。それがこの青いカクテルです。勿論、私のオリジナルでも片野さんのオリジナルでもありません。ただこれにはちょっとした願いを込めて飲んでいます。

「新しい一年、素晴らしき友人や同士と出逢えますように」と。

カクテルは美味しさだけではなく、作り手の想いを感じて飲むこともお勧めです。今夜もいい夜を。

2016.9.
都内で夕飯を終えた日。関内に足を向けて、片野さんの顔を見に行くことに。天気予報の30%が当たり、しとしとと雨が降り始めた時、ちょうど「CASABLANCA 片野酒類販売」の階段に逃げることができました。
ドアを開け、白いバーコートの片野さんの前に座って、世間話が始まる。このお店でのいつものスタイルです。

今夜の最初のグラスは、『巨峰』。まだまだ暑いですが、フルーツカクテルのメニュー板を見ると、秋はもうすぐと思わせてくれます。
ロックグラスに注がれるラムベースの『巨峰』は、しっかりとしたお酒の味わいを残しながらも、『巨峰』本来の甘さは伝わる美味しさ。葡萄も今では聞いたことのない品種もあり、いつかはこのバーでも味わうことができるのかなと、密かな期待を込めてグラスを傾けます。


2016.6.②
片野さんに「何かウイスキー飲みたい」と伝えると、「じゃあ、ネタで」と出されたのがコレ。ついにウイスキーのラベルにもアニメ系のものが出てきたのかと思ったら、コレはコミック・アート・コレクションというシリーズだそうで、ラベルは現在グランドジャンプWEBで連載中の原作・城 アキラさん/作画・花門 初海さんの「カクテル」という作品らしい。2種のボトルがあり、内容は左の『Ledaig 2008 7年』と右の『Linkwood 1997 18年』。折角なので、ハーフショットで飲み比べです。

まずは『Ledaig 2008』。綺麗なゴールド色で、ちょっと薬品っぽい。でも甘口なので、さほど気にならないかな。チェイサーを飲むと、塩っぽい後味がします。
『Linkwood 1997』。18年でもかなり薄い色合いで、フルーツのような香り。『Ledaig 2008』に比べると、ピート香はさほどせずに、香ばしい飲み口で飲みやすい。そして、断然こちらの方が美味しい。
ちなみにこのラベルに描かれているのは、同一人物だそうでそれが一番驚いたかな(笑)
おそらく1本ずつしかないと思うので、興味のある方はお早めに

2016.6.
久しぶりに「CASABLANCA 片野酒類販売」に訪問。片野さんの綺麗な字で書かれたフルーツカクテルのメニューボードには「The Bar CASABLANCA」とは一味違う独自のものが多くなりました。今回は『日向夏』も気になりましたが、定番の『西瓜』を注文。おそらくは季節がらどのバーにもあるであろうこの『西瓜』は、果汁の多さや甘さを兼ね備えたフルーツカクテルにぴったりなフルーツだと思います。そして、『西瓜』といえば塩も欠かせない美味しさのアクセントの1つ。バーにはグラスの縁を塩で飾り付けるスノースタイルというものがあり、まさに夏のバー向けのフルーツなのです。

実食

岩塩がいいアクセントになって、『西瓜』本来の甘さを際立てています。かなり甘いカクテルですが、ちゃんと後味はお酒としてのキレも楽しめます。まだまだ旬はこれからなので、色々なスタイルで楽しみたいフルーツです。


2016.4.②
最後のグラスは、思いきりデザートに偏ったカクテルが飲みたくて、オーダーしたのは『イチゴ』。更にベースをチョコレートリキュールにしてもらい、「色合いが綺麗じゃないんだよねー」と言うと、片野さんが「じゃ、生クリームをフロートして三層にしてみましょうか?」と言われたので、それでオーダーです。

「心の迷いです」

そう言って出された時は、既に生クリームが…(笑)味わいとしては、想像通りの仕上がりで、美味しい。チョコレートリキュールはたいていのバーにはあると思うので、フルーツと合わせても美味しくなります。もしホワイトチョコレートリキュールがあったならば、ブラックチョコレートリキュールとのハーフ&ハーフというのも美味しいですよ。機会があったならば、是非。

2016.4.
久しぶりに、片野さんの顔を見に「CASABLANCA 片野酒類販売」へ。このバーに関して言えば、お酒を飲みに行くというよりは、世間話に行くと言った感覚の場合が多い私。
なかなか賑わっている土曜日の21時くらい。さて、最初のグラスは『金柑』にしました。

そろそろ旬の時期も終わりなのかな?というこの『金柑』は、甘露煮やジャムなどでよく食べられる方もいらっしゃるかと思いますが、生で食べても皮のほのかな苦みと身の甘みが楽しめて、美味しい果実です。それを絞ったものをジンとソーダで割り、中には半分くらい潰した『金柑』を入れて仕上げられたのが、今回いただいたカクテルです。
オレンジや蜜柑とも違う爽やかな酸味と甘さの中で、皮ごと入っている身を食べれば、苦みも感じることができる。大人のオレンジサイダーのようです。


2016.1.④
最後にウイスキーで、リキュールを洗い流していきませんか?と言われたので、選んでいただいたのが、70年代特級『Johnnie Walker Black Label』です。いわゆる、ジョニ黒というやつですね。現行品は2000円くらいですが、このボトルが販売されていた当時は、大学生の初任給2カ月分にあたる10000円というかなり高価なブレンデッドウイスキーだったようです。またこの『Johnnie Walker Black Label』のCMも、名作として有名ですね。

現行品と飲み比べさせていただきましたが、確かに現行品よりも遥かに美味しい。さすがにアルコールの少し抜けている感はありますが、キーモルトの一つであるラガヴーリンが強く感じる味わいでした。

好きなブレンデッドウイスキーができたら、キーモルトの旅も面白いかもしれません。

2016.1.③
そういえば、何となく風邪気味。そんな時は昔から飲んでいるものがあります。それは薬草リュールの『シャルトリューズ』。『シャルトリューズ』は「リキュールの女王」と称されるフランスを代表する薬草系リキュールで、大きく分けてヴェール(緑)とジョーヌ(黄)があります。

どちらも好きなのですが、おそらくは私くらいしか飲まないであろうスタイルで注文すると、何故か片野さんの顔が曇る。理由を聞いてみれば、どうも最近の『シャルトリューズ』は味わいが変わったように思えるそうなのだ。税関が厳しくなり、輸入する際に成分表を提出することを義務付けしたそうで、その結果、そのことを拒否したマリー・ブリザールの『アニゼット』が終売となりました。じゃあ、何故に『シャルトリューズ』は?シャルトルーズ修道院の修道士3人のみが知る秘伝なんじゃないの?そんな疑問が湧きますね。

とりあえず、味わってみますか?となって、私の独特の飲み方である『ヴェール』と『ジョーヌ』を半々に混ぜるという『Chartreuse Half&Half』でいただきます。
私も久々に飲んだので、その違いがハッキリと分かりませんが、甘さの中でもっと香りが鮮烈だったような気がしないでもない?

2016.1.②
毎月、何かしらのイベントがありますが、今月はなんといってもバレンタインですね。有名ショコラティエの限定品などは、瞬殺でなくなっていることでしょう。勿論、それも魅力的なんですが、バーでいただくバレンタインもまたオススメです。

私がオーダーしたのは、『Kildalton Cross』。ここ「CASABLANCA 片野酒類販売」のオリジナルではないので、他店でもいただけると思います。チョコレートリキュールは当然使いますが、ベースはラフロイグ。ご存知の通りアイラモルトを代表するウイスキーで、独特のあの味わいはカクテルにも活かされています。甘ったるいのが苦手な方やラフロイグラバーに、是非ともオススメのグラスです。

2016.1.
日曜日。
片野さんのとこ、まだ年明けて行けてないなと思いつつ、日曜日は片野さんはお休みだったけ?と電話をかける。
Trrrr…
「はい、片野酒類販売です」
「片野さんって、今日いらっしゃいますか?」
「私が片野ですが?」
「今から伺います」
そんなやり取りをして、年明け一回目の訪問になりました。

「何にしましょうか?」
「じゃ、イチゴ。あっ、ベース変えてね」
「何にしましょうか?」
「いいよ、レッドトップで」
「うーん、他のにしてみましょうか?」
「じゃ、ブランデーは?ありきたり?」
「そうですねー。マールは?」
「マール?あの作品みたく?」
「そう。私も味見してみたいし」
「んじゃ、それで」

バーとして、どうなの?と思われるかもしれないですが、昔から片野さんとはこんな感じなのです。
で、味わいですが…某作品のようにはならずに。イチゴの存在を全て否定するかのような味わいで、イチゴなのかどうかも分からずorz

「私たちの失敗」


2015.11.③
「CASABLANCA 片野酒類販売」での最後のグラスは、オリジナルデザートカクテルの『安納芋』。これはご存じの方も多いかもしれませんが、片野さんが以前働いてらした「The Bar CASABLANCA」の『パンプキンカクテル』のオマージュです。私はあまり甘い食材(南瓜、人参、薩摩芋など)が好きではないので、あえて注文していなかった為、今回が初オーダーとなります。

「The Bar CASABLANCA」と同じように、クリーム系のカクテルなのですが、どうも『安納芋』の甘さが活きていない気がします。ブレンダーに入れる前の『安納芋』をちらっと見ると、茹でているか蒸しているかの状態だったので、焼いてみたらどうかと思いました。『安納芋』の甘さの真骨頂は、やはり焼き芋でしょう?糖度だけで言うならば、南瓜よりも遥かに上だと思うので、もっと『安納芋』を感じられるようになるんじゃないかな。

2015.11.②
次のグラスは、久しぶりにアイラモルト。勧められたのは、片野さんのスコットランド土産である『ARDBEG "PERPETUUM"』。
これはアードベッグ200周年を記念して発売されたもので、「Perpetuum (パーペチューム)」とはラテン語で“永久”を意味するそうです。今回いただいたのは、その一般市場向けのボトルではなく、蒸溜所先行発売ボトル。

度数は一般市場向けのが47.4度に対して、これは49.2度と高いですが、口当たりは柔らかなイメージ。二つを飲み比べをさせていただきましたが、一般市場向けのがクリーミーな感じに対して、こちらの方がよりアードベッグっぽい。加水すると、蜂蜜のような甘さが強くなり、美味しい。200周年というなかなか出逢えない節目なので、何処かのバーで見かけたら、味わうのもいいと思います。

2015.11.
世間話をしに、「CASABLANCA 片野酒類販売」へ。考えてみると、お酒が好きではない私がバーに行くのは、時間潰しか世間話が多い気がします。特にオーナーバーテンダーの片野さんとは、付き合いも長く、話をしに行くことが非常に多いです。

とはいえ、何か頼まないとね。久々に飲みたくなった、『Black Velvet』をオーダーです。
シャンパン(スパークリングワイン)と黒ビールを同時に注ぐというのが、このカクテルのレシピだそうですが、未だに同時に注いで作られる方を生で見たことがありません。

ブラックベルベットという名前の通り、口当たりは普通の黒ビールよりは良いと思います。ビール好きな方は、一度飲んでいただきたいです。小さなグラスの漆黒の闇の中で、数億の泡が弾け輝くロマンチックなカクテルを、これからの季節にどうですか。


2015.9.③
最後のグラスは、思い切りデザート寄りなカクテルにしました。フレッシュバナナを使ったドロリとしたものです。それに今回はチョコレートリキュールを加えて、チョコバナナにしてみました。あまり他の方がオーダーしているのを見たことないですが、オススメです。

勿論、チョコレートなのでバナナだけよりは甘いかもしれないですが、チョコレートリキュールなので、ほろ苦さも加わって、より美味しいかと。あまり美しくないというのが難点ですが、バナナを飲んだことがある方は試してみて下さい。

2015.9.②
実は、今日はバースデー。もう誕生日をお祝いするという歳でもないのですが、1年に一回のことなので、ロマンチックなことをしてみましょう。

「カクテルに願いを込める」

カクテルの色は、9月の誕生石であるサファイアのブルー。込めた想いは「これからの1年、同じ気持ちを持った仲間に出逢えますように」です。

*カクテル名を言っても、片野さんは「???」となるだけなのでご注意を。

2015.9.
「CASABLANCA 片野酒類販売」に再訪。バーのフレッシュフルーツメニューを見ると、季節が分からなくなる日々で、確実に秋が近づいていることを感じられます。一番飲みたいと思ったのは『巨峰』ですが、さらりとした甘さの『幸水』をいただきましょう。

ベースはジンで、ブレンダーに『幸水』を細かく切って入れ、『スダチ』を絞ってスイッチオン!個人的にバーで響くブレンダーの音は好きではないのですが…。美味しさの為、美味しさの為…。
『幸水』の甘さの中で、『スダチ』の爽やかさがよく映えて、美味しい。マティーニスタイルやシャンパンスタイルも美味しそう。考えてみたら、『和梨』を使ったカクテルって、家でバリバリ食べているせいか、あまり飲んでいないような気がします。色々と試してみましょう。


2015.5.③
入店直後は満席だった「CASABLANCA 片野酒類販売」も静けさを取り戻し、色々と話し込んでいると、「じゃ、もう一杯だけ」となって、オーダーしたのが『Grass Hopper』。バーに通っている方は、きっと自分だけのエピソードを秘めたお酒というのがあるのではないかと思います。私にとって、この『Grass Hopper』がそうなのです。

「冷たくなくてもいいですか?プースカフェスタイルにしてみます?」と片野さんの申し出に、迷わずオッケー。このプースカフェスタイルというのは、比重の重い材料からグラスに注いで層を作るという非常に神経の使うカクテル。色々お願いする私もオーダーしたことがなく、飲むのも初めて。

『Grass Hopper』の材料であるペパーミントグリーン、クレーム・ド・カカオ、生クリームを順にバースプーンを使って、ゆっくりとフロートさせます。プースカフェスタイルにすると、カクテル名も『Green Hopper』と変わるみたいです。

『Grass Hopper』の味わいは、材料からも分かるようにチョコミントアイスのような感じなのですが、この『Green Hopper』はそれよりも濃厚で、よりデザートらしい。美味しさもさることながら、かなり美しい♡お客さんが大勢いる時はオーダーしづらいけど、また是非飲みたいカクテルです。

2015.5.②
続いては、これから本格的な旬を迎える『桃』。桃を使ったカクテルで、夏を代表するのがシャンパンを使ったベリーニですね。勿論、それもいいと思ったのですが、きっと真夏に飲むだろうと思って、今回は通常オーダー。
通常オーダーだとベースはラムで、クラッシュアイスと共にブレンダーへ。これもロックグラスで供されました。

ラムの力強さはあるものの、やはりまだこれからなのか?香りと味は、まだふんわりとした感じ。夏の王者の訪れは、次回に持ち越しのようです。

2015.5.
何やら忙しく、行く機会を失っていた「CASABLANCA 片野酒類販売」に再訪。フルーツカクテルメニューも夏の香りのするものに変わっており、本格的な暑さを予感させます。

まずは、一杯。「The Bar CASABLANCA」にもあった今が旬の高級フルーツの一つ『宮崎マンゴー』から頂きましょう。
東国原知事が就任した2007年以降、一気にメジャーになり、高級フルーツの仲間入りをしたマンゴーです。なかなか果実丸々を食べる機会がないので、こうしてカクテルとして味わえるのは、素晴らしいことだと思います。

実食
ロックグラスで供されると、まずは香りが華やぎます。トロリとした濃密な舌触りの中、甘酸っぱさを堪能できます。お酒であることを忘れそうですが、ちゃんと甘さを抑えたキレもあるので、男性にもオススメできるカクテルです。


2015.2.②
先日のバレンタインはいかがでしたか?有名なチョコレート専門店もいいですが、私はバーでのバレンタイン
を楽しみました。バーで、チョコレート?と思われるかもしれないですが、チョコレートリキュールやクレーム・ド・カカオを使ったカクテルや「愛のリキュール」と呼ばれる『ディサローノ・アマレット』もあり、色々と楽しめることができます。

私がいただいたのは、『Kildalton Cross』というあまり聞きなれないカクテルです。ベースはアイラ島のシングルモルトを代表する独特の強烈なピート香を持つラフロイグ、そこにチョコレートリキュールを加え、最後にクリームをフロートします。
味わいは…ビターなチョコレートの中で、ちゃんとラフロイグの味わいも生きており、口に含めば鼻からあのピート香が心地よく抜けていきます。こんなバレンタインチョコレートもいいでしょ?

2015.2.
遅ればせながら、新年の挨拶をしに「CASABLANCA 片野酒類販売」へ。目的のカクテルはあるのですが、まずは旬果である『イチゴ』をいただきましょう。通常オーダーだと、ベースはウオッカだと思いますが、私はベースを変えてもらっています。そのベースとは、1本1本行っている赤い封蝋が特徴的なアメリカンバーボンの「Maker's Mark」です。

実食
グラスから立ち込めるイチゴの香りを楽しみながら、口にすると、イチゴの甘酸っぱさと「Maker's Mark」の柔らかなコクが素晴らしく美味しい。この季節になると、必ずいただいているカクテルです。イチゴはかなり応用ができるフルーツなので、スタンダードカクテルでも色々と楽しめます。是非、この季節にチャレンジしてみて下さいね。


2014.12.③
2014年の最後のグラスは、『Rusty Nail』です。ベースとなるウイスキーは贅沢に『竹鶴 17年』を使って戴き、あとはドランブイですが現行品だと甘過ぎるという片野さんのアドバイスで、昔のドランブイにして戴きました。

「錆びた釘」。その派生から「古めかしい」という意味を持つこのカクテルを選んだ理由には、

「錆びた心を捨て、新しい年に向けて心を輝かせる」

そんな祈りに似た願いを込めてみました。味わいも、ベースになっている『竹鶴 17年」の甘さに、ドランブイのスパイシーな甘さが加わり、素晴しい美味しさに仕上がっています。

2015年の素晴しきお酒との出逢いに、乾杯!。

2014.12.②
次のグラスは、『竹鶴 17年』。ピュアモルトウイスキーと称するこの『竹鶴』は、力強い余市モルトと華やかな宮城峡モルトを混和させたもので、初代マスターブレンダー・竹鶴政孝から受け継がれてきた技や信念が凝縮されたウイスキーです。
「混ぜているのだから、ブレンデッドじゃないの?」と思われるかもしれませんが、グレーンウイスキーを使わずに、モルトウイスキーのみで造られているのでピュアモルトと言われているそうです。なお、2009年に施行されたスコッチ・ウイスキー法によると、スコッチ・ウイスキーのラベルにピュアモルトと表記することは禁止されているそうなので、日本だけのものなようです。

実食
モルトウイスキーというと、やはり個性的なものが多く好みが分かれるところですが、これは非常に飲みやすく万人受けする味だと思います。そのままでも十分に甘いでしょうが、加水すると更に甘みが増して、美味しいです。世界に誇れるジャパニーズウイスキーの1つだと確信できます。
核となるもう1つのモルトウイスキーの『宮城峡』も飲んでみたいですが、竹鶴政孝さんが最期まで愛した『スーパーニッカ』をまずは飲んでみたいですね。

2014.12.
毎年、年の終わりと始めには、バーに行くのが私の恒例行事。営業日の兼ね合いで、今年の終わりは「CASABLANCA 片野酒類販売」となりました。バーに行く理由は、そのお店の名物カクテルが飲みたいとか名バーテンダーに会いたいなどありますが、私の場合は後者。特に片野さんは、私がバーに行き出した頃からのお付き合いになるので、思い入れも強いのです。

さて、最初のグラスは片野さんのブログでもご紹介していたウイスキー『余市 20年』です。

今、「マッサン」効果で注目を浴びている竹鶴政孝さんが、理想のウイスキーを造るために選んだ北海道 余市。私も4年前、雪虫が舞う頃に訪れており、世界で唯一の石炭焚き蒸溜という余市蒸溜所を見学させて頂きました。それを考えると、もっと早く飲んでなければならなかったウイスキーだったと思います。

実食
グラスからはハチミツみたいな甘い芳醇な香りが立ちこめ、シェリー樽の甘たるさもなく、52度というアルコール度数すら感じさない、さすがは20年の熟成というべき円やかさがあります。高価なウイスキーなので、ゴクゴクと飲むわけにはいきませんが、特別な時に飲みたいウイスキーです。


2014.9.②
まったりとした雰囲気が流れる「CASABLANCA 片野酒類販売」。たまにはこんな日もいい。片野さんも交えて話す旧友との語らいに、ピッタリなのはあのカクテルでしょう。
『Old Pal』
「古くからの仲間」「懐かしい友人」の意味を持つこのカクテル。ネーミングから世界的に有名になったそうですが、実はあまり日本では飲まれていないらしい。
美しい色合い、ウイスキーの香り、カンパリのほろ苦さ。良くも悪くも刻まれた思い出は、このカクテルのような感じがします。

2014.9.
旧友との数年ぶりの会話に焼肉店だけでは足りず、バーへ。宿が関内ということで、「CASABLANCA 片野酒類販売」に。「2人なんて、珍しいですね」の片野さんの言葉に微笑み返し、オーダーしたのは先日「The Bar CASABLANCA」で飲み損ねた『二十世紀梨』です。

林檎と梨だったら、私は梨の方が好きで、家でもシャリシャリと食べています。とてもジューシーな果汁と甘さはカクテルにしても健在で、とても美味しい。ロックグラスで供するというのもステキなところです。


2014.7.②
最後のグラスは、ウイスキー。それもかなりクセのあるものがいいと片野さんに言って、出されたのが『The BIG SMOKE』。私が生涯付き合えるようなウイスキーを見つけられない一つの理由として、クセのあるウイスキーも好きということが挙げられます。この唯一無二のような存在感は、やはり魅力的なわけです。

出されたウイスキーの『The BIG SMOKE』は、スモーキーをテーマに作られたアイラのブレンデッドウイスキーで、主体となるウイスキーは『アードヘッグ』だそう。個人的にクセのあるウイスキーは度数が高ければ高いほどに飲みやすく、甘みを感じられて好きなのです。今回いただいたのも60度と高めですが、やはり美味しかったですね。ロックで飲みましたが、ソーダで割った方がより美味しいかもしれません。次回は試してみようと思います。

2014.7.
久々にハシゴ。「The Bar CASABLANCA」→「CASABLANCA 片野酒類販売」というのが、私のルートだったりします。きっと同じような方は多くいらっしゃるでしょう。
ドアを開け、片野さんの前に座ると、開口一番に「nao.さんが書いた関内の要潤の記事が〜」と言われました。さらりと書いたのですが、意外と反響があったそうで、皆様のアクセスに感謝しつつも、ネットの恐ろしさを知りました。ご迷惑がかからなかったそうなので、一安心ですが。

さて、最初のグラスは「The Bar CASABLANCA」で味わうことができなかった『国産マンゴー』があったので、早速オーダー。ロックグラスて提供されるカクテルは香りも華やかで、輸入モノとは一線を画する味わいがあります。高価な『国産マンゴー』を贅沢にカクテルで戴く。そんなことが許されるのもバーという隠れ家があるおかげかもしれません。


2014.5.
この「CASABLANCA 片野酒類販売」に新しいスタッフが入ったという話は色々な方から聞いていましたが、まだお会いしたことはありません。でも皆さんから言われるのは「関内の要潤」。そんな方に一目会ってから帰ろうと思い、最後にオーダーしたのはゆっくりと飲めるグラスです。
片野さんに出していただいたのは、『The MACALLAN 10y Full Proof』です。イタリアの「ジオベネッティ社」向けにボトリングされた80〜90年代に流通されたオールドボトルだそうで、「絶対に美味しいので、是非」と勧められました。

実食
「モルトのロールスロイス」と言われている『ザ・マッカラン』。その名に相応しいとてもラグジュアリーな香りに、カラメルのような濃厚さが舌にまとわりつきます。確かに、美味しい。チビチビと飲むには、ピッタリなグラスですね。

ちなみに飲み終わる頃に、「関内の要潤」こと冨田さんにもお会いすることができました。これから、宜しくお願いします。

2014.5.
続いてのグラスは、ミント繋がりで『Mint Julep』です。このカクテルは、競馬のケンタッキーダービーのオフィシャルドリンクであり、バーボンの夏の定番の一つですね。といっても、今回はバーボンベースではありません。私は『山崎』にしようと思っていたのですが、片野さんがオススメがありますよと言って出して下さったのが、終売となっているサントリー『SMOKEY & CO. Fine Mint』です。

1990年代に売り出されたこの『SMOKEY & CO.』は3種あって、他にはスーパースモーキーとナチュラルメロウがあるそうで、実際に出して頂きました。どれも個性豊かな5匹の犬が笑うラベルが特徴で、CMもあったらしいのですが…。私にはわかりませんorz

実食
元々、ミントフレーバーのウイスキーなので、ミントとの相性はバッチリ。かなり飲みやすい『ミントジュレップ』です。夏らしいカクテルは、モヒートやハイボールばかりではありません。バーに行ったら、バーテンダーさんに「夏らしいカクテルを」とオーダーしてみましょう。夏の思い出になるカクテルに出逢えるかもしれませんよ。

2014.5.
新緑が眩しい季節になると、六本木で恒例の『白州』のイベントが開かれます。CMなどでウイスキーと共に紹介しているのが『森香るハイボール』というもの。
近年、ハイボールブームの中でハイボール=角というイメージが強いかもしれませんが、実際には色々なウイスキーのハイボールがあるわけで、様々なシーンによって飲み分けることのできるカクテルです。ちなみに『白州ハイボール』ですと、私は燻製や焼鳥などが食べたくなります。元々、『白州』は好きなウイスキーなので、『森香るハイボール』にも興味津々。早速、「CASABLANCA 片野酒類販売」に飲みに行きました。

実食
『白州ハイボール』は元々爽やかなものですが、ミントを加えていることで、更に爽やかで飲みやすくなっています。これは美味しいですね。日本料理にも合いそう。


2013.12.④
『グレンタレット 20年』で、最後にするつもりでしたが、色々と話が盛り上がってしまい、もう一杯いただきました。ちょうど座っていた位置のバックバーに、ダンスをしているラベルのウイスキーを発見。気になったので、聞いてみると、『スリーリバーズ ザ・ダンスシリーズ ラフロイグ』だそう。それをオーダーしようと思ったのですが、「きっと、こちらの方がお好みですよ」と勧められた『HEART BROTHERS LAPHROAIG 20年』をオーダーです。

実食。
アイラウイスキーを代表するウイスキー、『ラフロイグ』。大好きか、大嫌いかで分かれますが、私は大好きな部類です。『ラフロイグ』の特徴である強烈なピート香はさほどせず、口に含めば、甘さを感じる味わい。アルコール度数は54.7度ですが、先ほど飲んだ『グレンタレット 20年』より飲みやすかったです。ただ飲みやすいだけに、後あとヤバそうな感じのするウイスキーです(笑)

2013.12.③
ここ「CASABLANCA 片野酒類販売」では、完全に片野さんにオーダーを委ねることが多いです。特にウイスキーは。元々、お酒は好きではない為、自宅にウイスキーやワインなどは全くありません。飲みたくなったら、お店に行って、よい状態のものを飲むというのが、私のスタイルなのです。だから、勉強不足ということもありますが、全く詳しくありません。またウイスキーですと、ラフロイグなどのピートの効いた独特の香りを持つアイラウイスキーも好きな為に、コレ!というものが見つからない。そんな事情で、いつもウイスキーが飲みたくなったら、片野さんに「何か飲みたい」というオーダー?をします。

今回、出されたのが『KINGSBURY GLENTURRET 20年』です。このグレンタレット蒸留所には、ギネスブックに掲載されている有名な話があります。それはオーナーの飼い猫 タウザーちゃんが、1987年に亡くなるまでに、28899匹ものねずみを捕獲したという話です。また女王エリザベス2世と同じ誕生日ということから、バースデーカードを受け取っているという話もあります。このボトルが1974年1月30日に蒸留され、1994年にボトリングされているので、タウザーちゃんに守られたウイスキーの一つというわけですね。

実食。
アルコール度数53.5度ですが、それよりもかなり高く感じる味わい。最後は、ナッツのような余韻も楽しめ、チェイサーを飲むと、ほんのりとした甘さも感じられます。
このウイスキー、味わいというよりは、タウザーちゃんの話で盛り上がるかな?猫好きの方は、どうぞ

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  • 2018.10.  シャインマスカットカクテル

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