【元記事】2012/04/19
料理写真の撮影について日記にしました。
〇
料理写真の撮影について(1)・・・撮影は是か非か
〇
料理写真の撮影について(2)・・・撮影に対する考え方は「語らないが基本」ですが・・・
以前、料理の撮影についてインターネットのサイト内でアンケートがとられおり、
その結果をまとめた記事を見かけていたのですが、
捜しても、その時に見たものがみつからず、
改めて、写真撮影の是非についてのアンケートを捜してみたところ、
下記のようなアンケートに遭遇しました。
■アンケートの解釈の方法それは、女性セブンでとられたアンケートに関する記事でした。
ところが、それらの記事は、本誌で掲載した記事を要約した内容か、
その孫引きばかりで、元データと元記事をみつけることができませんでした。
このようなアンケート結果を見た場合、データをどう解釈するかというのは、
それを解説した人の解釈で捉えてしまいがちです。
しかし、生データを見たら、別のことが読み取れるかもしれません。
あるいは、データの解説が恣意的にコントロールされていて、
ある方向に誘導しようとしているということも考えられなくはありません。
そんなことも念頭に置いて記事を読む必要があると思っています。
■ネットで個人的にとられるアンケートの読み方他にもアンケートやデータはないかと探していて、目にしたのがこちらでした。
○料理の写真撮影は是か非か
→
http://blog.livedoor.jp/lucius_as/archives/499529.htmlこちらのアンケートがどのように取られているのかがよくわからなかったのですが、
一個人が、宿主のシステムを利用してアンケートをとったデータであると理解しました。
その前提でのお話を進めます。
こちらの結果、そして考察されたことを、
自分なりどう読みとったかを紹介したいと思います。
このアンケートは、
お遊び的なアンケートと理解できますので、
データの取り方や、
サンプル数の云々は抜きで考えます。
■データの読み取り方ここで得られた数字をどう解釈するかについて、
筆者の捉え方と私の捉え方は違うと感じました。
先の女性セブンのアンケートもそうですが、
そこで
解釈された読み取り方が全てではないということです。
〇設問の仕方で結果が変わる このアンケートの設問内容が適切なのだろうかと感じさせられた部分があり、
また、
設問が、筆者自身が「写真撮影は非」であるという強い思いに、
誘導されているように感じられました。
○解釈が、自分の考えに基づき導かれている この設問内容と結果から、この結論に導けるかしら? と思う点がありました。
>
「嫌だけど黙認」を足すと否定は計10票(32.2%)ですからほぼ拮抗します。
「嫌だけど黙認」を否定として、加算計算していますが、
「嫌だけど黙認」しているのですから、
「肯定」と理解することも可能です。
写真はNGという考えがあるために、黙認が、否定に組み込まれています。
>
撮影している風景を見る、のを嫌がっている人が少なくとも30%以上いるのを 肯定派はどう考えるのかという問題を提起しているようにもとれます。
そんな問題を提起しているようには、私は思いません。
写真肯定派にも、いろいろな考えで撮影している人たちがいます。
迷惑をかけているということをちゃんと把握してとっている人たちだっています。
その上で撮影をしている。 配慮をしている。
そういう人たちもいることを想定して、アンケートの設問を
考える必要があったと思うのです。
肯定派を目の敵にしているため、気を使いながら撮影する人たちという実態が、
見えなくなっているように感じられました。
あるいは、見えているのかもしれませんが、スルーされているのでは?
>面白いのは、「店に断れば是」6票に対し「客に断れば是」と「隠れてなら是」が共に0票だった点です。
つまり
撮影者は店の視線は意識しているが他の客の視線は無視しているか、
或いは
イヤがっている人などいないと勘違いしていることが分かります。
この解釈については、相当な違和感を感じてしまいました。
「客に断れば是」「隠れてなら是」という設問自体が、信じがたい設定でした。
そしてその回答が、「0」の解釈について・・・・・
常識的に考えて、こんな設問に、「YES」と答える人は考えにくく、
筆者が目にしているごく限られた撮影者に向けた設問と考えられます。
「0」であった結果は
撮影者が店の視線しか気にしていないからだという解釈。
そもそも、「客に断れば是」という設問自体をナンセンスと感じていたのですが、
「客に断わらない=客の視線は無視」と解釈してしまうことが理解できません。
撮影時においては、一応、他のお客さんの目を気にしながら、
撮影している人も少なくないと思います。
しかし、
あらかじめ、お客さんに断るという発想は、私にはありません。
店内にいるお客さんのどこまで断ればいいのでしょうか?
しかし、このアンケートをとられた方は、
「写真撮影をしてよいか、周りのお客さんに確認する」というのは、
「周りに配慮せよ」ということを、少し誇張して言われていたのだと
理解していました。
しかし、本当にそうした方がいいと、真剣に考えられていたことを
あとになって知ったのでした。
○写真鳥(撮り)を退治する方法
→
http://blog.livedoor.jp/lucius_as/archives/3643821.html >
どうしても写真を撮りたければ店主に断るだけでなく周囲の客にもお願いしてはどうだろう。
という提言をされていらっしゃいました。
私、個人の考えを言わせていただくと、
食事をしていて、写真を撮りたい人から、
いちいち、写真をとっていいか、
確認をされたら、大きな迷惑です! (キッパリ)
その方がうっとしいです。
そんな気遣いをするくらいなら、わからないように
ささっと撮ってしまって欲しいと思います。
〇母集団の偏りによる結果の偏向 個人のブログでとられたアンケートだと思われますので、
そこに集う人たちの横顔によって、結果の内容も変わる可能性があります。
個性の強いブロガーさんですと、集まる人たちの考え方も、
世間の捉え方と違う傾向がでる可能性があるかもしれないということも、
考慮する必要があると思います。
たとえば・・・
>数字上は肯定派が多数ですが、ブログ全盛時代という見地からみれば
>予想外に否定派が多いと感じましたし
ここは、ご自身のブログに集う人たちの偏りという視点に
欠けているように、傍からは見えてしまします。
以上のことから、こちらのアンケート結果には、若干の偏りと、
筆者の考えが色濃く反映された考察になっていると私には感じられたのでした。
■アンケートをとる側の意識が現れる アンケート結果や解釈は、アンケートをとる側の考えが
大きく反映されていることがあるということです。
料理写真に対して否定的な方がアンケートをとった場合の設問や結果に対し、
好意的に捉えている方が、とった場合は・・・・
結果も変わるでしょうし、また同じ結果をどう読み解くかも
違いが現れること考えられます。
■結果の解釈も偏る 同じような考えの人たちが集うコミュニティーで得られた結果は、
その狭いコミュニティーの中では共感されるかもしれません。
しかし、その島の外から見ると、
違うものの見方や捉え方があり、別の立場に立って見ると、
見え方も違ってくる面もあるはずです。
得られた結果のデータの解釈は、知らず知らずのうちに、
解釈をする人の思考が反映されたものになっている可能性があります。
今回、データを取られたかたは、かなり強い撮影否定論者とお見受け致します。
そのため、
設問も、自分の考える結果に導かれるような意図を感じられました。
撮影を否定する理由として、その先にある撮影者の姿というのは、
こちらから見ると、ごく一部の限られた特殊なケースで少数派だと思うのです。
その撮影スタイルを持って、撮影する人たちの全体像として捉えられている印象 をもちました。
撮影者は、どのような状況でどのように撮影をしているかという
状況設定の範囲が狭くなっていると思われます。
そのためアンケート結果から読み取れることも狭められてしまった気がします。
犬のマーキングのような撮影をしているというのは、
全体の撮影者から見たら、ほんのごく限られた一部だと私は感じています。
多くの人は、回りに配慮しながら、節度ある撮り方をしているのではと思うのでした。
あえて言わせていただくなら、
撮影否定で凝り固まらずに、
気を遣かいながら撮影している人たちもいるということも、
想像力を働かせると、アンケートの設問も変わってくるのではと思ったのでした。
■結論 : アンケートはとる側の意図よって導かれた結果である可能性がある 写真撮影の状況には、いろいろな状況があるはずです。
その仮説の部分の、想像力が欠けているため、
実態の把握ができにくくなっている気がしました。
また、類は友を呼ぶなので、
自分の周辺に集まる人たちは、似たような人たちになりがちで、
そこで得られる結果はフィルターがかかる可能性もあると思いました。
もし私がアンケートをとるとしたら、もう少し細かい設定をするなぁ・・・と、思いました。
写真を撮影する人の裏にある心理面なども設定項目に入れたいと思いました。
まあ、これらもまた、私の見方、読み取り方なので、
皆様も導き出された結果に誘導されずに、自分の物の見方をしましょうということでした(笑)
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【追記】2012.4.23
朝、ラジオを聴いていたら、面白い話をしていました。
アンケート結果を見た時、自分はどこに属しているのか・・・
多数派ではなかった場合。
少数派恐怖症というのがあるそうです。
みんなそれぞれ、みんな違っていい。
そんな言葉で締めくくられていました。
そういう捉え方があること事態にちょっとビックリ・・・
人と違うことの方が価値があると思うタイプなので、
自分の中にはまったくない捉え方でした。
そんな捉え方あるということでメモ。
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【追記】2014.3.12
先日のTVタックルで、大川地区で被災した農家に対し、
「農地の復旧」に関するアンケート結果について語られていました。
アンケートをまとめた結果・・・・・
被災直後の県のアンケートでは
「9割の人が、農地を復旧して欲しい」
という結果になったと報告がされたと言います。
ところが、この結果、住民感情とは、かけ離れているような数値だったようです。
◎アンケートの内容は・・・・
震災直後(3ヶ月後)の石巻市役所のアンケートで、
114人の地権者に対して行われ、県へと報告されたそう。
(この段階で、114人というのは、適正な人数なのか。
復旧したいという人を、意図的に抽出したんじゃないのかしら?
と思いながら聞いていました)
◎アンケート結果は・・・・・
「
自作する(15%)」と「
委託したい(75%)」を合わせると900%
これを持って、
農地を復旧したいという意向があると、
まとめられたようです。
(ははん・・・・・・ とこれで納得しました。
「
委託したい」を、「復旧したい」と解釈するか、
「復旧は必要なし」と解釈するかで、結果はまったく逆になるわけです。
◎被災者側でとったアンケートは、8割が反対だったそうです。
■この時、「料理の写真は是か非か」のこのアンケート結果の解釈のことが、
頭に浮かびました。
被災地で行われているアンケートの都合のよい解釈と、
全く同じ状況だと思いました。
料理写真の撮影について、「嫌だけど黙認」
この答えを「撮影はNG」と理解するか、「OK」とするかで、
結果が変わるのと同じことです。
■多種多様の(都合のよい)アンケート
そして、別の出演者がこんなことも言っていました。
「
被災地でアンケートされまくってる問題」っていうのがあるのだそう。
あらゆるアンケートで、ちょっと問い方変えるだけで全然違う結果が出たりする。
結局、アンケートをとる側がどのような結果を望んでいるかで、
設問の方法を変え、それに対する答えの選択肢にどのようなものを用意するか。
「YES」 でも 「NO」 でもない選択肢に、どちらでにでも解釈できるような答えを
用意しておけば、結果の解釈は、都合よくすり替えることができるということでした。
こうしたことを意図的に行うのか、無意識にそうなってしまったのか・・・
■アンケート結果も鵜呑みにしてはいけない
団体が行うものは、組織の意向が組み込まれ、
個人が行うものは、個人の考えが反映されやすいということを、
考慮して読む必要があると思います。