福岡県で喰える二郎系ラーメン【2015年5月1日更新】

福岡県で喰える二郎系ラーメン【2015年5月1日更新】

西日本のジロリアンは不遇だ。二郎系ラーメンがそうそう簡単には喰えない。まして山口県には皆無。結局、高速代とガス代払って福岡まで車をとばさねばならん。眼を血走らせて二郎系を追っかけた哀しき山口ジロリアンによる、福岡二郎系ラーメン事情の探索報告書。

更新日:2015/05/01 (2014/11/05作成)

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このまとめ記事は食べログレビュアーによる597の口コミを参考にまとめました。

哀しいかな淘汰は続く・・・

2015年5月1日更新。福岡「ラーメンにんにくマン」閉店に伴う2月の更新に続き、またしても更新せねばならぬ。夜営業のみ炉ばたメインのお店に転身された、北九州「フジヤマ55」改め「冨じお」、何とか再起を図ったがダメだった。この所の福岡二郎系はもはや完全に引き潮傾向。目新しさが無くなってしまうと途端にガタガタである。裏を返せば、生き残ってるお店はやはりモノが良い。本気度が違うって事なのだろう。

ラーメンだるま 小倉店【今回追加分】

【汁なし大(ヤサイマシマシ)】750円
九州工大前を本店とするラーメンだるまの弟分となる支店。開店後一時は本店の店長が掛け持ちで面倒を見ておられたが、今ではすっかり落ち着いて、若い衆が店番を張っておられる。ラーメンばっかりなのも面白くないので、今回は汁なし。ラーメンと同じく、大盛りで茹で前400gの麺量はガッツリ。濃厚ダレが入念に絡められた太麺の、舌に絡みつくようなネットリ重めの手繰り感はかなり良い。と言うか旨い。レシピはとてもスッキリしたシンプルなもので、過度なトッピングによる粉飾ジャンキーさで誤魔化そうとしないところは、やはり二郎信奉者が作られる一杯なのだと納得してしまうストイックさがある。マシマシコールで相当ガッツリ来るモヤシ山や脂身極少のガシガシ豚も、喰い応えは十分。やはり、開店当初に比べたら、気付かぬうちにだいぶ貫禄が出てきたものだ。うん旨い。十分旨い。

二郎リスペクトなストイックな味の組立ては、当然ながら九州工大前店と同じ。ジロリアンの私としては、そこに惚れてるからこそリピートを繰り返すのである。もしもこれで麺の個性がもうちょい増したなら、それはデロでもボキでもどちらでも良いのだが、私にとっては、もはや二郎と同格のお店になる。それほどのスピリットを感じるお店。だから是非、関門海峡を渡って山口にも来て下さいませんか!!

島系本店 舞鶴店

【ラーメン大盛大煮豚(カタメ、野菜追加)】

既に島系本店の本店?(福岡空港近く)は紹介済みだが、ここの系列で面白いのは自家製の細麺が選べること。舞鶴店ではその細麺を試してみた。襖がしっかり混ざりこんだ蕎麦の様な色味は、ここの個性であって十分魅力的。カタメコールの平打ち細麺は、意外に本物二郎らしい風味で野趣に富む。決定的に違うのが、細麺をガバッと掴んで一気に手繰る食感。汁に泳ぐ細麺を、負圧吸引力でズドドドド~と手繰り上げる、ラー本来の快感を久々に思い出した。こりゃ旨いね~と思わずニンマリ。豚汁は相変わらず流石の九州モノ。ゲンコツがバリ効きの、ウルトラ乳二郎タイプ。しかも醤油が相当控えめで、九州らしく豚骨が完全前面に顔を出す仕上がり。従って、殆どしょっぱくは無く、グングン喉を通って行く。全く二郎っぽくは無いけれど、そのお陰で九州豚骨遺伝子を何気に感じる味わい。こりゃ旨いね~と二度目のニンマリ。

この一派を触発二郎として括るなら、ここでなきゃって何かは多分無い。恐らく、ラーメン大 福岡店あたりの方が、二郎っぽい妖怪さには溢れている。ここは触発二郎として見ても、さらに独自色が強い、ライト触発二郎タイプ。細麺で喰って見るとその辺が良く見えて来るし、逆にそれがこのお店の個性なのだろう。

行橋市 太一商店 行橋店

【ラーメン(カチ盛400g、背脂、ニンニク、野菜多め)】
素晴らしいアピアランス!!着丼後も自重で徐々に沈み込む野菜、ジワジワと受け皿に溢れ続ける豚汁。素晴らしい演出。野菜は二郎の様に茹でではなく炒め。小ロットを強火でガンッと煽るので、熱々シャキシャキが最高。無料マシコールしたゲロゲロ背脂や、机上の魚粉を振って喰えば、こりゃあ相当旨い野菜だ。豚の出来もかなり上等で、厚切り煮豚の脂身と繊維感を残す赤身が入り混じった味わいは、二郎系ではトップクラス。茹で前400gの極太麺は、見た目のワシワシ感とは異なって予想外のモチモチ感。とりわけ麺ヅラが微妙にふやけてるのが特徴。このふやけ表面が絶妙に豚汁を連れて上がって来るのはニクイ小技。豚汁も、二郎フォーマットの豚肉出汁では無い。明らかに豚骨メインの出汁なのだが、野菜のトロ味と甘さが混ざるか。それをベースに多めのカエシがキッチリ決まっている。この醤油がもう少しガツンと来れば、この一杯は満点かも知れない。

ナメててごめん。ラーメン王国九州の底力を忘れてた。見た目の衝撃度も相当なものだが、一切手を抜かない野菜の仕上げ、濃厚だがキツさの無い豚汁と剛腕極太麺のつるみ具合。更には食後に後悔を感じ難い胃への収まり良さ。これだけ役者が揃ってて、たったの750円!!全方位的に抜かりの無い、理知的二郎インスパイア。東京の名店「用心棒」に比肩する大秀作である。ご立派!!

北九州市 ラーメンだるま

【大ぶた(硬め、全増し増し)】
豚ダブル仕様が無いこの店ではこれが最大量メニュー。野菜はほぼもやしオンリーのクタ茹で系。標高が低めに見えるが、これは丼がデカイ故の錯覚。本物二郎らしくガッツリ喰える。豚は正調二郎流の、出汁取り後の出涸らし豚系で、赤身ガシガシ食感の恐らくはウデ。二郎豚として最も好みの肉質で旨い。残念なのは、塊でなくあくまでスライスな事。味は相当良いのに、量が足らないフラストレーション。これが二郎レプリカとしては唯一のネガティブポイント。麺は硬めコールでも少し柔め。いわゆるデロ二郎系である。角断面の極太麺は、ほぼ撚れ無しの準ストレート系。麺ヅラの張りもソフトなので、ワシワシと言うよりはズルズル。だらしな系二郎麺のコピーってところが中々渋い。大ラーメンで400gの麺量も、全く嘘偽りなしのタップリ量。豚汁は九州流儀のアレンジと言える、多めの豚骨を感じる乳二郎系。これに合わせるカエシや化調も控えめのようで、豚骨の存在感が高い。ここら辺りは、やはり豚骨王国九州の二郎レプリカである。

関内二郎好きのジロリアン大将が作られる乳二郎系インスパイア。と言うより、かなりリアルな二郎レプリカである。二郎を自己流改変して二郎インスパイアを名乗るより、好きな二郎の再現を試みる、そんなアプローチ。豚量が二郎じゃないけれど、本来原価率の高い豚二郎、東京のように行列でも出来ぬ限り、豚まみれ仕様は難しいのだろう。そこは仕方無いとしたならば、九州では二郎エッセンスが味わえる数少ない一店。

福岡市 らーめん大 福岡店

【らーめん大(野菜、ニンニク、脂)】

関東を拠点として西は福岡まで進出する準全国FC展開の一派。元々は東京堀切の二郎が独立しらーめん大を名乗ったのが始まり。増しコールのもやし山は、丼がデカイので大した標高に見えぬが、実際は推定600g超。もやし喰ったらお腹は一杯。増し増ししてたらたぶん逝ってた。豚は脂つきウデでガシガシ系。食感は割合に好きなタイプなのだが、豚塊じゃないのが頂けない。これじゃ豚じゃなくてチャーシュー。ここら辺り、厳しいコスト事情を押して、二郎が如何に頑張っているかが良く分かる。麺は悪くない。エッジの立った角打ち撚れ撚れ極太麺は、へなちょこ二郎麺よりは余ほど野生的。100円大盛券2枚追加で麺量400gへとボリュームアップしたが、喰い終わるまでほぼ伸びる気配を見せぬ丈夫な麺である。豚汁は二郎目線で評するなら合格。九州豚骨目線ならスカスカ。典型的なグルエースドバッ!!の醤二郎系だ。豚骨は最少で、お約束のカネシ系醤油をキチンと使ってる。一方、これもお約束のみりん系調味料は、関東ものよりやや多め。やはりご当地嗜好に合わせて、若干レシピ調節してるのだろう。

FC店だけあって、その味は本拠東京とほぼ同じ。そういう意味では、同じ味が福岡で喰えるってところに価値がある。ただこの一派、確かに本物二郎に似ているし、その盛りは二郎以上にガッツリなのだが、肝心の、二郎を二郎たらしめている一本ビシッと通るはずの背骨が少し弱々しい。あくまで二郎の代用品に見えてしまうのが惜しい。

福岡市 ラーメンにんにくマン【敢え無く閉店・・・】

【大ラーメン豚入り(ニンニク)】

突如登場した、福岡二郎系ラーメンのニューカマー。野菜はほぼもやし。デフォだとミニマム量で丘程度の高さだから、二郎らしさを味わいたいなら、増しコールは必須か。豚は喉が乾きそうなくらいのシッカリ濃い味で、しかもバッツリ脂の貼り付いた肩ロースとウデと思われる混成部隊。デフォ豚量としてはかなり立派で、丼上では壮大な豚ワールドが展開される。二郎とは趣の異なる煮詰まり感のある味わいは、なるほど九州の味。ガシガシ食感とトロトロ脂身食感の変化も楽しからずや。この豚はバッチリ旨い。麺は茹で前で450g程とのこと。略平打ちの極太小麦紐は、ワシモゴ感は程々で、その分ズルズルできる好バランス。但し、粉風味が希薄な割に、妙にカエシが絡み過ぎてて、過度にショッパイのが残念。ショッパけりゃいいってもんじゃ無いのだが。豚汁は、これはもう豚骨王国の独断場的な極乳二郎系。あの、乳二郎の最右翼、二郎ひばりが丘店にしたって、流石にここまでやらない。ただ、麺がそうなのだから当たり前なのだが、こちらもカエシがちょっと過多。この辺も今後落ち着いて行くのだとは思う。

出来立てのお店だが、ノリ自体はかなり二郎イズムに満ちていて、下手な関東二郎インスパイアよりは明らかにハイレベル。という事で、西の二郎系の好例として、今後の期待は大なのだけれど、ほぼ開業一月後に喰ってみた感じは、まだちょっと大味と言うところか。福岡既存の二郎系がジワジワと撤退、縮小して行く逆風環境だからこそ、何とか雰囲気を盛り上げて欲しい。

糟屋郡 島系本店

【ラーメン(大盛、大煮ブタ、野菜追加)】

野菜はキャベツちらほらのもやしメイン。無料増しが常識の二郎系で、わざわざ100円払って増してみても、まだ精々300g程である。これじゃ全然盛り上がれない。豚はかなり好みが分かれるだろう、腕赤身のガシガシ系。実はこれが好みの肉質。大盛り豚仕様なので、二郎とまでは行かないまでも、結構な豚量で大満足。麺は細麺か太麺が指定可能。今回は太麺コールだが、意外に細麺も悪くない。煮豚出汁の風味が転写してて独特の麺味である。かなり旨いのだけれど、残念で仕方が無いのは、大盛なのに精々200g強と言ったヘタレた麺量。二郎を喰いたい身には少な過ぎるのだ。麺質は粉感があって、ワシモゴしてて、これまたかなり良く出来ていると言うのに。豚汁はクリア系豚骨醤油、グルエースは相当控えめである。なので、無化調系の隙間アリアリ的な味わいだけれど、背脂のせいで決して薄っぺらくは無い。甘味を伴うマイルド醤二郎と言った趣の、ひたすら舌に優しい豚汁である。二郎らしさはほぼ皆無だけれど、インスパイア系としてはかなりの上物。ニンニクの辛味も強過ぎず、弱過ぎずで、これまた具合が良い。東京陣もうかうかしていられまい。

味は上々で立派の一言。関東の二郎インスパイア平均ラインより明らかに上にいる。だけども、大喰いジロリアンには標高がちょっと足りないのが残念。満足したいと買い増しすれば、今度がコスパが急降下。コスパに限っては、二郎インスパイアとして最低レベルである。天は煮豚を、もとい、二物を与えないものなのか・・・

北九州市 冨じお【麺屋→炉ばたメインへ転身→敢え無く閉店・・・】

【魚介豚骨ラーメン(大盛、硬め、ニンニク、トッピング全部のせ)】

つい最近改名された。旧屋号のフジヤマ55は、岐阜県を震源地とするFCつけ麺店群である。フランチャイジーを解除したのか、あるいは単なるイメチェンなのかは知らないが、少なくともメニューは不変のよう。ハッキリ言って戸惑うばかりで、客には何のメリットもない。デフォラー720円に、休日特典の無料麺大盛りを硬めコールで、それからニンニク、ダメ押しにトッピング全部乗せ(炙りチャーシュー、味玉、メンマ、ねぎ、海苔で300円)を追加。しめて1020円でこの店の最大盛りラーメンの出来上がり。極太麺は平打ツルツル系で、完全につけ麺からの転用。二郎とは程遠い食感で、らしさを期待しても無駄というもの。小麦を貪ってる感じは十二分。但し、推定200gちょいの可愛い麺量は、ジロリアンには完全に不足。倍の400gは欲しい。豚汁は魚粉チャッチャのナンチャッテW系。この魚粉で粉飾した安直魚介系ってのは如何なものか。豚骨自体はきっちり煮てあって、かなり濃密な強乳二郎系である。豚は塊ではなく残念なスライスだが、とても旨い炙り豚。手抜きの無い感じが好印象の一杯。

これを喰ってると、何が二郎インスパイアなのか分からなくなって来る。看板メニューのつけ麺ありきであって、その部品を使えば、二郎っぽいのも作れますよ。そんな感じだ。勿論、きちんと旨い。だけどコアなジロリアンには物足るまい。一方、二郎なんてどうでもいい圧倒的大多数の方には、そんなヲタ議論なんて宇宙人の会話にしか映るまい。

※本記事は、2015/05/01に更新されています。内容、金額、メニュー等が現在と異なる場合がありますので、訪問の際は必ず事前に電話等でご確認ください。

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