【幸区】江戸の洒落の集大成『おかめそば』

出典:ランチ向上委員会さん

【幸区】江戸の洒落の集大成『おかめそば』

みなさんは、おかめそばをご存知でしょうか?首都圏にある老舗の蕎麦店なら多くのお店のメニューに載っているので見かけたことはあるかと思いますが、食べたことがある人は少ないかと思います。「いったいどんな蕎麦が出てくるんだろう」といった、みなさんの好奇心に応えるまとめの第7弾です。

更新日:2025/03/02 (2025/02/02作成)

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このまとめ記事は食べログレビュアーによる97の口コミを参考にまとめました。

そもそも、『おかめそば』とは??

おかめそばの発祥は、幕末までさかのぽります。
下谷七軒町(上野の不忍池に面する、現在の台東区池之端付近)にあった『太田庵』の発案とのこと。
蝶型に結んだ湯葉、マツタケ、三ツ葉、かまぼこなどを使い、おかめの顔に見立てて盛り付けるという、種もの(具の入るかけスタイルの汁そば)です。
また、「岡目(傍目)八目(当事者よりも第三者のほうが、冷静で客観的に物事を見れるという意味の四字熟語)」からの酒落で、「五目より、三目多い、岡目八目」ということで、「岡目=おかめ」としたという説もあります。
福を呼び込む『おかめ』にちなんだ、何とも縁起のいいメニューですね。
現代においては、「具のバラエティが豊富で自由度の高い種もの」というぐらいのメニューですが、その分、お店の個性が出ますね。
江戸の酒落が効いたメニューは、お店の個性があふれる楽しい蕎麦です。幸区エリアは、現代でこそ首都圏のベッドタウンですが、かつては京浜工業地帯の一部で工場の多い土地柄でした。そのため、下町なお店もまだまだ残っていて、コストパフォーマンスのよい、レベルの高いおかめそばに出会えます。

信州戸隠蕎麦処ますだや

川崎駅西口、ラゾーナ川崎プラザの裏手に位置する場所にあるお店です。

ラゾーナは東芝の工場の跡地に作られた商業施設です。まさにこちらのお店は幸区が京浜工業地帯だった頃の名残で、下町っぽさを色濃く残すお店ですね。
そのため、外観は和風の立派な佇まいをしていますね。

店の雰囲気は下町、味は上品なおかめそば

具は、かまぼこ2枚、なると2枚、伊達巻、しいたけ、ほうれん草ですね。
盛り付けは、丁寧ではありますが、おかめ顔は意識していないようですね。
器は非常に立派なものが使われています。

味わいのほうは、出汁が香り、醤油がちょっと控えめで品のいい味わいです。下町の川崎らしからぬ味ですね。

店内はあまり広くはありません。また、少し雑然とした印象がありますね。
駅近くにあるにもかかわらず、出前もやっていて、今でも現役なのがわかるお店です。

金井庵

JR南武線の矢向駅が最寄り駅で、住宅街に商店が点在している場所にお店はあります。

自宅兼店舗という感じの建物、比較的新しく、清潔感があって、入りやすい印象のお店ですね。

店頭にはバイクが停めてあって、出前をやっているのがわかります。

幸区で最大級の具だくさんなおかめ

店内も外観同様に清潔感のある印象です。4人用テーブル6卓です。
全体的余裕をもって配置されているので、快適です。

創業は昭和28年、平成23年に建て替えていますが、店内にあるメニューは、昔ながらの立派なものが掲げられています。

具は、かまぼこ2枚、なると、伊達巻、椎茸、ほうれん草、鶏肉2枚、海苔ですね。

かまぼこ2枚を眼に見立て、海苔は額の前髪かと思うと、なかなかの『おかめ顔』です。

味わいは、バランスがいいものの、やや、醤油の塩気が強いという感じで、下町らしさを感じられる仕上がりです。

相馬

こちらもJR南武線の矢向駅が最寄り駅で、住宅街に商店が点在している場所にお店はあります。

外観は、鉄筋コンクリート造の住居兼店舗という感じで、雑然と植栽が植わっているあたりが生活感があって、下町っぽいですね。

八目超え、九目入ったおかめそば

店内も外観同様の雰囲気ですが、壁一面にメニューが掲げられています。しかも、居酒屋っぽい一品料理が主体です。
お酒のメニューも充実していて、居酒屋的な利用ができるお店ですね。

具は、かまぼこ2枚、ゆで卵半分、小松菜、もやし、白髪ネギ、昆布と椎茸の煮物、油揚げ、三つ葉、麩です。八目どころか、九目入ったおかめです。

昆布と椎茸の煮物は、蕎麦に入っているのを初めて見ました。
もやしもあまり入らない素材ですし、居酒屋っぽい業態ゆえに具が豊富なのかと推察されます。

おぎはら

幸区紺屋町の幸区役所通りにあります。

外観は、看板こそ無くなってしまい、トタン張りになってはいるものの、大きな建物です。
店舗兼住宅の典型ではありますが、建物の造りは立派で、庭に大きな松の木があり、雰囲気がありますね。

これぞ、粋!奥ゆかしさのあるおかめそば

店内からも庭の緑が見えますし、天井の造りも立派で、雰囲気のあるいいお店です。
しかし、ご主人が愛煙家のようで、店内は喫煙可となっていて、各テーブルに灰皿があります。

具は、見えている限りではかまぼこ2枚、豚肉2枚、麩2個、ほうれん草です。
しかし、豚肉の下にはなると2枚と椎茸半分が隠れています。

そう、かまぼこが眉か、眼窩かと、目の周りを示し、なるとが眼となり、椎茸を鼻、ほうれん草を口、麩を頬と見立てると、見事なおかめ顔です。
それを豚バラ肉2枚で隠しているとは、なんとも、奥ゆかしいおかめです。

価格も安く、味もいいので、コストパフォーマンスも良好です。

大むら

JR南武線鹿島田から少し離れた場所、府中街道沿いの角地にあります。
車で府中街道を通ると見かけるので、お店があるのはご存じな方が多いでしょう。

ビル形式なれど、住居兼店舗という感じの雰囲気です。
入口の右側には植栽もあり、雰囲気もあって、いい感じの外観です。

わかめは、口か、それとも、髭か?

店内は、入ってみると意外にも下町っぽい雑多な印象です。
奥には寿司カウンターがありますが、今は使っていません。高度経済成長期の繁盛ぶりの名残でしょう。

客層も店内の雰囲気と同様で、昼からお酒を飲むという労働者の街川崎のスタイルの方が多いです。

具は、かまぼこ2枚、なると2枚、麩2個、鶏肉、玉子焼き、わかめです。
完全に顔とはでは言い切れませんが、線対称に盛り付けられていているあたりは、相当に顔を意識して盛り付けてあって、いいですね。
なるとの下のあたりにかまぼこが2枚沈んでいます。
わかめは、口なのか、髭なのか、謎ではありますが、そういうところも含めて、おかめそばのおもしろさでしょう。

大むら

幸区には『大むら』の屋号のお店が多く、住所を看板にも掲げていて、『塚越 大むら』となっています。

昭和の雰囲気が強く漂う、いいお店ですね。
昼から夜まで通し営業で、早い時間からお酒が飲めるのも下町らしさでしょう。

なお、こちらのお店の周辺は、芸能人の東山紀之氏が育った場所であり、こちらのお店を東山紀之氏が訪れたことがあります。

東山紀之氏も来店したことのある有名店

具は、麩2個、かまぼこ2枚、なると、伊達巻、ほうれん草、海苔です。
麩を目に見立て、かまぼこを鼻に見立てるという珍しい盛り付けですが、おかめ顔になっていますね。
かまぼこは、目になることが多いのですが、鼻筋となる珍しい盛り付けです。
味わいは、海苔が香り、蕎麦も長野県戸隠産で、ハイレベルですね。

大むら

こちらも『大むら』です。
住宅街の幸区小倉にあります。

和風建築風の外観で立派な建物ですね。
店内は広々としていて、快適です。

どちらが上か?向きに悩むおかめそば

具は、かまぼこ4枚、なると2枚、伊達巻、麩、インゲン、ワカメ、刻み海苔です。
写真が提供されたときの向きですね。
これなら、なるとを目に見立てれば、顔に見える配置です。
しかし、和食としてはかまぼこや伊達巻の向きが反対になってしまいます。

180度回転させた写真です。
これだと、小さなかまぼこが目に見立てれば顔にも見えなくもない盛り付けになりますね。
額の伊達巻や頬のなるとが個性的です。

味のほうは、標準的ではありますが、具が多く、まずまずのクオリティがありますね。

菜の花

幸区の蕎麦店は老舗揃いの中にあって、こちらは比較的新しいお店ですね。

自宅兼店舗という感じのお店ですが、建物は新しく清潔な印象です。
場所も駅前や商店街ではなく、住宅街にひっそりとあります。

店内もカウンター席が7席、2人用のテーブル1卓と、住宅街にちょうどいいサイズのお店です。

寄り気味ではあるが、幸区最強のおかめ顔

具は、かまぼこ2枚、麩2個、玉子焼き、椎茸、ほうれん草、とろろ昆布、ゆで卵ですが、一部の具は2個ずつ入っていて、量が多い印象ですね。
サービス満点です。
また、玉子焼きが鼻になっており、2個ずつあるかまぼこと麩で目まわりを表現して、おかめ顔になっています。
左寄りに盛られたゆで卵は、ひょっとこの口のようにも見えますね。

味のほうは、丁寧に作った家庭料理の味という感じですが、具が多く、おぼろ昆布の旨みもあって、満足度は高いです。

※本記事は、2025/03/02に更新されています。内容、金額、メニュー等が現在と異なる場合がありますので、訪問の際は必ず事前に電話等でご確認ください。

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