今、和牛の放射能汚染が大きな社会問題となっている。
原因は、生育の仕上げ段階で牛に与えられる稲ワラのセシウム汚染である。通常は輸入トウモロコシなどを主とした濃厚飼料で育てられるが、肉に
サシをいれるために、出荷前に稲ワラを与えるという。
サシのはいった「高級」和牛にするために、酪農家が生み出した知恵の結果である。
汚染が発覚した現在、国内和牛の畜産家は海外からもワラを輸入しているが、国産稲ワラのように十分に肥育しないという。
より旨い、高級な肉を消費者が求め、日本の和牛は国際ブランド化したわけでが、ここまで手の込んだ飼育プログラムの脆弱性がはからずも露呈してしまったようだ、
一方、濃厚飼料の大半を占める米国産の家畜用トウモロコシは9割以上が遺伝子組換え品種であるということをどれだけ多くの人が知っているのだろうか?
セシウム汚染牛ばかりがクローズアップされているが、納豆や豆腐などで遺伝子組換え反対の消費者は、食の安全をどうかんがえているのだろうか。
食の安全は、ひとつの物差しでははかりえないこと、リスクはあくまえも相対的なものであること、絶対安全な食べ物は存在しないことなど、色々考えさせられる。
(注)私自身は、この分野の調査研究を行ってきた者としして、遺伝子組換えトウモロコシ=絶対反対論者ではありません。