酔狂老人卍さんが投稿した東洋軒(東京/赤坂見附)の口コミ詳細

『此世をハ と里(り)や お暇尓(に) せん古(こ)う能(の) 煙りと供尓(に) 者(は)ひ 左樣なら』 (十返舎一九)

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東洋軒赤坂見附、永田町、赤坂/洋食

1

  • 昼の点数:4.2

    • ¥6,000~¥7,999 / 1人
      • 料理・味 4.2
      • |サービス -
      • |雰囲気 -
      • |CP -
      • |酒・ドリンク -
1回目

2014/11 訪問

  • 昼の点数:4.2

    • [ 料理・味4.2
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-
    ¥6,000~¥7,999
    / 1人

これぞ、"平成洋食(へいせいやうしよく)"の嚆矢濫觴(はじまり)

【2014-11-13追記】:
此度(こだみ)は"スペシャルランチ"。
蝦夷(えぞ)昆布森(こんぶもり)の牡蠣(かき):
名(な)こそ"厚岸(あつけし)"、"的矢(まとや)"に劣(おと)れど、
味(あぢ)では天下無雙(てんげにくらぶるものな)き眞牡蠣(まがき)の皇(すめらぎ)

魚(うを)は淡路(あはぢ)の(すゞき)。
時季(じき)に外(はづ)れ、僕(やつかれ)嗜(この)まざる魚(うを)なれど、
想定外(おもひのほか)に佳味(よきあぢ)。
菜蔬(あをもの)、汁(しる)とも、寔(まこと)、心持(こゝち)よき味(あぢ)。

咖哩飯(からみいりしるかけめし):
驚(おどろ)くばかりの洋葱(たまねぎ)を終日(ひねもす)炒(いた)め續(つゞ)け、
小麥粉(めりけんこ)を煎(い)りて加(くは)へ、
葡萄酒(さけ)と(けだもの)の出汁(だし)にて、煮込(にこみ)みたるは明白(あきらか)。

加旃(しかのみならず)、それを幾日(いくにち)か寢(ね)かし熟成(う)らしたるものか?
その濃厚(こ)さたるや、月竝(つきなみ)の咖哩(かれい)に倍(ばい)するほど。
惜(を)しむらくは、香辛料(かうしんれう)の效(き)ゝ甘(あま)きこと
敢(あ)へて惡(あ)しざまに罵(のゝし)るなら、「咖哩(かれい)味(あぢ)のシチウ」。

食後(しよくご)の菓子類(くわしるい)は、
洋食店(やうしよくや)と云ふより法國菜(ふらんすれうりや)のそれ。
頗(すこぶ)る美味也(よきあぢなり)。
押竝(おしな)めて、價格(ね)こそ高(たか)めなれど、それに相應(ふさは)しき水準(もの)

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【照相機】:日本光學 尼康(Nikon) Df 數碼單鏡反光照相機
【鏡頭】:.....蔡司(Carl Zeiss) Makro Planar T* 2.0/50 ZF.2 @F2.4

【2014-04-18記】:
近會(ちかごろ)、法國菜(ふれんち)・意大利菜(いたりあん)を口(くち)にするは稀(まれ)。
その故(ゆゑ)如何(いかん)となれば、
麪麭(ぱん)を鷲掴(わしづか)みにすると云ふに、御絞(おしぼ)りなく
そもそも、かゝる餐廳(めしや)には婦人(ふじん)伴(ともな)ふが風習(ならひ)なればなり。

魚(うを)を宰(き)らせては日本(ひのもと)に劣(おと)り
豬(ぶた)を屠(ほふ)らせては震旦(もろこし)に讓(ゆず)る
牛(うし)は不味(まづ)く、元來(もとより)、羊(ひつぢ)も嗜(この)むところにあらず
鵞鳥肝(ふおあぐら)は少量(すこし)なれば美味(びみ)なれど、徒(いたづら)に脂強し

但(たゞ)し、菜蔬(あをもの)ゝ處理(あつかひ)にかけては優(すぐ)れ、
妄(みだ)りに沙糖(さたう)に頼(たよ)らぬは實(げ)に讃(たゝ)ふべきことなり。
西班牙(いすぱにあ)の火腿(はむ)、佛蘭西乾酪(ちいず)に葡萄酒(ぶだうしゆ)など、
遍(あまね)く四海(しかい)にその名(な)を轟(とゞろ)かすものも、、。

およそ俗(よ)に云ふ"洋食(やうしよく)"なるもの、
明治以降(めいじよりこのかた)、西洋菜(あちらのめし)が獨自進化(どくじしんくわ)
明治五壬申歳(めいじごみづのえさる)、皇(すめらぎ)獸肉(けだもの)を啖(くら)ひたまふ
築地精養軒(つきぢせいやうけん)』創業(あきなひのはじまり)もこの年(とし)。

築地精養軒(つきぢせいやうけん)』の『上野精養軒』へと連なるは勿論(いふもさら)なり。
因みに、散髮脱刀令(さんぱつだつとうれい)・廢藩置縣(はいはんちけん)はその前年、
切支丹禁教令廢止(きりしたんきんきやうれいはいし)は翌年(つぎのとし)。
假名垣魯文(かながきろぶん)"安愚樂鍋(あぐらなべ)"も前年(まへのとし)。

倩(つらつら)、今に續く老舖(ふるきみせ)の創業(あきなひのはじまり)を覽 (み)るに、
精養軒(つきぢせいやうけん)』は格別(かくべつ)として、
煉瓦亭』が明治廿八乙未歳(きのとひつぢ)、『松本樓』が明治卅六癸卯歳(みづのとう)、
香味屋』が大正十四乙丑歳(きのとうし)、『資生堂パーラー』が昭和三戊辰歳(つちのえたつ)。

これら老舖(しにせ)の多(おほ)くは、
手間隙(てまひま)かけて"コンソメ"、すなはち牛骨出汁(うしぼね)の澄まし汁(じる)を作り、
叮嚀(ねんごろ)に"ドゥミグラス・ソース"を仕込(しこ)む。
英國(あんげりあ)傳來(わたり)の"ウスターシャ・ソース"用(つか)はすも尋常(つね)のこと。

明治(めいじ)、大正(たいしやう)、昭和(せうわ)と時(とき)を經(へ)
代(だい)を重(かさ)ぬるほどに、技藝(わざ)を砥(と)ぎ、贅肉(むだ)を削(そ)ぎ
"洋食"として慥(たしか)なる地位(くらゐ)を成せしは衆知(あまねくしらる)ゝところ。
蓋(けだ)し、その頂點(いたゞき)は『香味屋』、『南蠻銀圓亭』なるべし。

かくのごとく、現今(いま)をときめく洋食(やうしよく)なるは、
粗方(あらかた)、明治(めいじ)、大正(たいしやう)近邊(あたり)に確立(かくりつ)。
それより百年(もゝとせ)の春秋(つきひ)を重(かさ)ぬれど
"昭和(せうわ)の洋食"、"平成(へいせい)の洋食"は未成(いまだならず)。

旬香亭』などの試行(こゝろみ)こそあれ、成功例(よきためし)を知(し)らず。
現行(いま)の"洋食(やうしよく)"が、
幕末(ばくまつ)~明治(めいじ)の法國菜(ふらんすれうり)を下敷(したじき)とせしものなら、
昭和平成法國菜(ふらんすれうり)を基礎(もとゐ)とするものもあるべき

閑話休題(それはさておき)、當舖(こちら)『東洋軒』。
高名(なだか)き"メンチカツ"に加(くは)へ、"コンソメ"を選(えら)まばやと思(おも)ふに、
給仕(きふじ)、"スープ・セット"なるものを奬(すゝ)む。
汁物は、舖(みせ)の格、板前(いたまへ)の力量(うで)を冩(うつ)す鏡(かゞみ)

かくて、"ビスク"に釣(つ)られ、"スープ・セット"に。
葡萄酒(わいん)、洋菓子(でせーる)、咖啡(こおふィ)も注文(たのむ)。
程(ほど)なくして運(はこ)ばれ來(き)たりし"ビスク"。
味の基礎(もとゐ)赤蝦(あかえび)に、山薯蕷(やまいも)、菊芋(きくいも)、奶油(くれむ)。

近會(ちかごろ)、法國菜(ふれんち)を謳(うた)ふ舖(みせ)の晝飧(らんち)に、
"ヴィシソワーズ"のごとき御坐(おざ)なり汁(じる)供(いだ)さるゝ例(ためし)少なからず
はて、この"ビスク"を匙(さじ)にて掬(すく)ひ舌(した)に流(なが)すに、
能(よ)く僕(やつかれ)が味覺(した)をして欣喜雀躍(をどりあがりてよろこ)ばしむ

甲殼類(えびかにのたぐひ)の出汁(だし)に、
薯蕷(いも)の齒應(はごた)へ、泡立(あはだ)ちたる奶油(くれむ)の舌觸(したざは)り。
金屬洋食器(かとらり)も眞新(まあたら)しく、類稀(たぐひまれ)なる旨(うま)さ。
これぞ、名にし負ふ佛蘭西料理店(ふらんすれうりてん)仕込(じこみ)の業(わざ)か?

招牌(かんばん)の"メンチカツ"もなかなか。
甚(いと)(こま)やかなる麪麭粉(ぱんこ)を塗(まぶ)し揚(あ)げ、
その姿形(すがた)、丸(まろ)く厚(あつ)く均一(ひとし)き狐色(きつねいろ)を爲(な)す。
兩斷(ふたつにき)るや、忽地(たちまち)肉汁(にくじる)迸(ほとばし)りて皿へと流る。

心靜(こゝろしづ)かにその味(あぢ)を窺(うかゞ)ひ、その香(かをり)を聞(き)くに、
儚(はかな)く、柔(やはら)らかく、清々(すがすが)しき味(あぢ)はひ
薩州(さつま)の放牧豚(はうぼくぶた)に松坂牛(まつざかうし)を合(あ)はせたるものと云ふ。
姿形(すがた)の麗(うるは)しさは『香味屋』に肩(かた)を竝(なら)ぶるほど。

微(かす)かながらも、中心(なか)には生(なま)と思(おぼ)しき茜色(あかねいろ)。
ソースは二種(ふたくさ)。
すなはち、一(ひと)つは"自家製(じかせい)"を誇(ほこ)る"ウスターシャ・ソース"、
今一(いまひと)つは、定番(ならひ)の"ソース・ドゥミグラス"。

日本一(ひのもといち)か?」と問(と)はるれば、疾(と)く應答(いら)へがたし。
このごろ、贅(ぜい)を盡(つ)くし、素材を窮(きは)めたる拉麪(らあめん)が流行(はやり)。
巧妙(たくみ)に拵(こしら)へたるは明白(あきらか)なれど、
昔(むかし)ながらの拉麪(らあめん)に勝(まさ)るか否(いな)かは人(ひと)それぞれ。

以爲(おも)ふに、"古典(こてん)"とは頓(にはか)に乘越(のりこ)えがたきもの
僕(やつかれ)、"メンチカツ"なら、
洋食屋(やうしよくや)としては盛(さかり)を過ぎ苔むせる『煉瓦亭』のそれを嗜(この)む。
黴(かび)すら生えんばかりの古式(こしき)"メンチカツ"なれど、好きなものは好き。

食後洋菓子(でせーる)として、"焦糖(キャラメル)アイスクリン"を貰(もら)ふ。
ヴァニラビーンズが顯著(めだ)ち、頗(すこぶ)る濃(こ)き味(あぢ)。
意大利咖啡(えすぷれッそ)もなかなか。
沙糖(さたう)は細(こまか)めの黄雙目(きざらめ)。

良質(よ)き御絞り、杉の利休箸(りきゆうばし)、黒文字(くろもじ)の楊枝(やうじ)。
卓布(てえぶるくろす)こそなきものゝ、餐巾(なぷきん)は眞白(ましろ)き亞麻布(りんねる)。
成澤親方(なりさはおやかた)、法國菜(ふれんち)に通曉(つふ)じながら
本朝(わがくに)作法(さはふ)の美點(よきところ)も亦(ま)た能(よ)く知(し)る

メンチカツの芯が生、飯碗(めしわん)が白色(しろ)と云ふに首傾(くびかし)げつゝも、
これぞ、"平成洋食(へいせいやうしよく)"の嚆矢濫觴(はじまり)
なる賛辭(ことば)を贈(おく)るに、寸毫(すこしも)躊躇(ためら)ひ憚(はゞか)ることなし
文字通り「劃期的(かつきてき)」、すなはち、後世(のちのよ)に殘るべき舖(みせ)

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【照相機】:日本光學 尼康(Nikon) Df 數碼單鏡反光照相機
【鏡頭】:.....蔡司(Carl Zeiss) Makro Planar T* 2.0/50 ZF.2 @F2.8
......................蔡司(Carl Zeiss) Distagon T* 2.8/21 ZF.2 @F4.0~8.0

  • 赤葡萄酒(さけ、ピノ・ノワール)

  • カトラリ

  • 水(みづ)のある卓(てえぶる)

  • 昆布森(こんぶもり)の牡蠣(かき)

  • 麪麭(ぱん)

  • 蟹奶油(かにくりいむ)コロッケ

  • 軸芽花椰菜(じくぶろッこり)

  • 檸檬(れもん)に花瓣茸(はなびらだけ)

  • 黑木耳(くろきくらげ)

  • ミンチカツレツ

  • 咬[口留]吧(じやがたら)

  • 菜蔬(あをもの)

  • 斷面(きりくち)

  • 咖哩飯(からみいりしるかけめし)

  • 沙糖壺(さたうつぼ)

  • 藍莓(ぶるべり)

  • 苺(いちご)飴(あめ)がけ

  • 苺(いちご)

  • 奶黃布甸(かすたあどぷでいんぐ)

  • エスプレッソ咖啡(こおふィ)

  • 赤葡萄酒(わいん)

  • 葡萄酒高脚盞(わいんぐらす)

  • 金属洋食器(かとらり)

  • 杉(すぎ)の利休箸(りきうばし)

  • ビスク

  • メンチカツ

  • メンチカツ

  • 斷面(きりくち)

  • 菜蔬(あをもの)

  • 咬[口留]吧(じやがたら)サラド

  • アイスクリン

  • ウスターシャ・ソース

  • ソース・ドゥミグラス

  • エスプレッソ

  • 沙糖(さたう)

  • 沙糖(さたう)

  • 黒文字(くろもじ)の楊枝(やうじ)

2015/02/11 更新

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