軽井沢にはこういうお店が貴重かも : 森Q

軽井沢旅行2日目は、朝食をホテルでとり、旧軽井沢銀座にあるパン百名店「フランスベーカリー」で翌日の朝食用パンを調達した後は、レンタサイクルを借りて、軽井沢の名所らしきところをいくつか回りました。

そして、ランチは、軽井沢と中軽井沢の中間くらいにあるこちらの日本料理店を訪れることにしました。
軽井沢は高原リゾート地ですので、飲食店については、多彩なお店が出店しているとはいうものの、相対的には洋食系が多い印象で、それ以外には長野県らしい蕎麦店なども点在しますが、純粋な郷土料理や日本料理のお店はそれほど多くなく、その意味で当店は貴重な存在と思われます。

当店のオーナーシェフの藤﨑森久さんは、高知県のご出身で、ご実家はお寿司屋さんだったそうです。
そんなご出自もあって高校卒業後に和食の調理人を目指すことを決めるのですが、和食のイメージを変えた新しい和食の世界を模索したいとの思いから何故か単身アメリカ・ニューヨークへ渡ることを決断します。
ニューヨークでは有名店で修業する傍ら、趣味のJAZZベースにも没頭し、帰国後は、東京・下北沢で料理と音楽の勉強を続けます。
その後、今度は中国へと渡り、大連でオーナーシェフとして店舗を立ち上げ、北京、天津などで約20年にわたり数々のレストランを経営、プロデュースした実績を引っ提げ、2016年に軽井沢で「有機調味料、信頼できる生産者さんからのお野菜やお肉、お魚。 素材にこだわった美味しくて、身体に優しい自然派和食」というコンセプトを掲げて当店＝森Qをオープンしました。
当店ではレストランの運営の他にホームパーティーのプロデュースなども行っています。
店名の森Qは、シェフのお名前"森久"から来ているのは分かりやすいですね。

当店の場所は、軽井沢駅から中山道に沿って進み、中軽井沢の手前えの旧中山道(離山通り)との合流地点から旧中山道に入って、少し戻る方向へ進むとほどなく左手に見えてきます。

人気店ということもあったので、あらかじめ席のみ予約して伺いました。

お店は2階建てのなかなか洒落た店構えですが、1階は駐車場になっており、店舗は階段を上がった2階になります。

店内はカウンター席が4席ある他、店内テーブル席が6卓24席、テラス席が3卓9席で計37席のキャパと思われます。
予約の旨を告げると一番奥のテーブル席に案内されました。
お店は森崎さんご夫妻と男性調理人が1人加わって切り盛りしています。

席に着くと奥さんがメニューを持ってきてくれました。ランチメニューのほか一品料理メニュー、蕎麦メニュー、ドリンクメニューなどがあります。

当店の料理は素材にこだわっているのが特徴で、
お米は、長野県伊那有機栽培研究会のミルキークイーンだそうで、これは、自家製ぬか発酵肥料や海藻・貝殻石灰・魚など海のミネラルを肥料として、自然の力を最大限に生かした栽培方法を採り入れたものです。
野菜は、安曇野、軽井沢や佐久の有機栽培農家などから仕入れていますが、有機栽培ものや低農薬栽培ものが中心です。
この他、魚は、豊洲市場や和歌山、高知などからの直送、豚肉は上田菅平ダボス牧場の有機牧草を餌に加えたヨークシャー豚、鶏肉は信州ハーブ鶏と全体に地元産を重視しているようですね。

注文は、ランチメニューから私がまぐろづけ丼と竜田揚げのセット@2,100円、家内は野菜のお惣菜小鉢色々のセット@1,700円を注文しました。
お値段はやはり観光地価格かなといった感じはあります。
待つこと15分ほど掛かって注文の品が同時に提供されました。

私のまぐろづけ丼と竜田揚げ定食は、まぐろづけとご飯が別々の器で提供され、更に竜田揚げ、3種類の小鉢、漬物、味噌汁が乗ったトレイが運ばれてくるなかなかの豪華版です。
づけ丼と唐揚げで2,000円オーバー？という思いもあったのですが、この内容ならまずまず納得できますね。
まぐろづけ丼は、鮮度の良さそうなまぐろが5切れ乗り、信州ハーブ鶏の竜田揚げが4ピースとなかなかボリューミーです。
この竜田揚げ、揚げたてでとても美味しかったです。
小鉢3種も、たっぷりキノコの和え物、野沢菜と揚げのおひたし、おからの煮物ですが、いずれも質・量ともに十分な内容で、全体に優しい味付けでとても美味しかったです。

家内の野菜のお惣菜小鉢色々セットは、私と共通の小鉢3種の他、6品のお惣菜が付いた多品種少量の定食で満足度はかなり高かったようです。

当店、軽井沢には珍しいタイプのお店で希少価値がありますし、何より色んな経験をされてきた店主さんの料理の腕は確かで、どの料理も上々の味わいでした。
この日は平日にも関わらず、我々の他にも予約客がおり、満席とはいかなかったもののなかなか繁盛している様子でした。
オープン丸8年を超えたところですが、まずは無事にオープン10周年を迎えられるよう期待したいですね。