【知られざる福島県東白川郡のラーメン文化。代表店オススメ5選】

【知られざる福島県東白川郡のラーメン文化。代表店オススメ5選】

福島県は、喜多方、白河、会津、といった古くからのご当地ラーメン文化を擁し、郡山市や福島市にもラーメン店が数多くあり、全国でも有数のラーメン県です。 そんな福島県でこれまであまり注目されていなかったラーメン処、東白川郡のラーメン文化とは?についてご紹介します。

更新日:2022/12/01 (2022/11/24作成)

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このまとめ記事は食べログレビュアーによる121の口コミを参考にまとめました。

「東白川ラーメン」と称すべきラーメン処

今回ご紹介の福島県東白川郡は県南で茨城県と隣接するエリアです。
郡山と水戸を結ぶJR水郡線、そして国道118号線が南北を貫いています。
棚倉町、塙町、矢祭町、鮫川村の3町1村から成り、人口は29,000人弱。
ここにラーメンを提供する食堂、あるいはラーメン専門店が50軒以上あると言われています。
人口に比してのこの数は、最早”東白川ラーメン”と称すべきラーメン処と言えます。
郡の西側には白河市が隣接しているため、そこからラーメン文化が流入してきました。
従ってこのエリアで食べられるラーメンは自家製手打ちの麺が多いです。
多くは丼ものや定食もそろえる食堂ですが、麺専門店もあります。
首都圏以外ではあまり見られないタンメンをメニューに加えるお店が多いことも特徴のひとつです。

きせん食堂

きせん食堂 - 手打ちラーメン 

東白川郡の中間に位置する塙町にあるお店で、食堂と屋号につきますが創業して40年のラーメン専門店です。

”手打ニンニクラーメン”、”手打タンメン”も特徴的でおいしいですが、なんと言っても基本の”手打ラーメン”が白眉の一杯。

とても透明度の高いスープは無化調と思われます。
すっきりとした味わいの中に鶏の旨味が満ちていて、キレ感のある醤油味と、フレッシュで濃厚な鶏油とで、40年選手とは思えない先進的な味わいに瞠目してしまいます。
そしてぶりぶりでもちっと食感も併せ持つ極太の自家製手打ち麺は、噛み締めるほどに小麦粉の甘い旨味がじゅわ~っと口中に広がる逸品。
むっちり仕上げの赤フチ叉焼といい、どこを切り取っても穴の無い素晴らしい一杯。
ノスタルジックな雰囲気でありながら先鋭的なお店に来たかのような感覚です。

きせん食堂

外観

きせん食堂

メニュー

きせん食堂

ラーメン

とし食堂

とし食堂

東白川郡の3町1村すべてでラーメンがいただけますが、群を抜いて最も店舗数が多いのが棚倉町。

その棚倉町の代表格と言えるのがこのお店です。
こちらも自家製手打ち麺。

鰹と鯖でしょうか。
とにかく思い切り節系の出汁を前面に据えたスープが優しくて美味しい。
こちらの手打ち麺はかなりの多加水太ちぢれ麺です。
茹でもしっかりで優しくて美味しい麺が特に絶品。

向こうが透けて見えるほどの極薄ワンタンは餡なしの儚い系ながら、しっかり箸で持ち上げられるだけの強さもあります。

この手打ち麺を使った焼きそばも必食の逸品。ソースは使わず醤油で炒めてあるのでとても香ばしい。

優しいおじちゃんはワンオペで出前もしちゃうスーパーマン。
価格も安過ぎだし、色んな意味でインパクト大の食堂です。

とし食堂

外観

とし食堂

メニュー

とし食堂

やきそば

とし食堂

ワンタンメン

つばめや食堂

つばめや食堂 - タンメン

JR水郡線磐城棚倉駅前にあるこちらの食堂は、創業して70年という老舗。
現在のご主人は三代目だそうです。
データ上では9時開店とありますが、その時間はご近所の常連さん向けに開けているそうなので、10時過ぎに訪問するとよいでしょう。

外観も渋いですが、店内もザ・昭和な空気が漂うノスタルジック好きな向きにはサイコーな空間です。

ラーメンは、ビジュアルからもご主人のお人柄が滲み出るかのような優しさが伝わってきます。

鶏豚の清湯でケミカル感はほとんど感じません。
デフォルトで胡椒を効かせ、塩分濃度は優しめ。
じんわりと臓腑に染み渡る美味しいスープです。
やや縮れの多加水太麺は、近所の製麺所から仕入れてるそうですが、かなりの柔茹ででやはりとても優しい。

駅前という好立地なので、電車で巡られる方には特にオススメです。

つばめや食堂

外観

つばめや食堂

メニュー

つばめや食堂

ラーメン

昭和軒手打中華

田んぼと住宅街の境にある一軒家の店舗で趣のある佇まいです。

こちらは食堂ではなくラーメン専門店。
麺は自家製の手打ちです。
70過ぎくらいの老夫婦で切り盛りされています。

味噌ラーメンが人気のようですが、まずはやはり“手打ち中華そば”を。
中と大とで選べますが、中でも茹で釜に投じられた麺は軽く200gくらいと一般的なラーメンの麺量よりは多めです。

清湯スープには殆ど油が浮きません。
昆布主体で魚介系がやや強め。
獣系は奥底僅かに感じるくらい、というバランスで、優しい方向性ですが旨味は強いです。

密度が粗くぶりぶりな食感の極太強縮れ麺の存在感が圧倒的。
加水は低めで、方向性としてはすでにご紹介の「きせん食堂」の麺に近いですが、やや熟成が進んでる感じです。

ただでさえ麺量が多目なうえに、赤フチの叉焼が4枚ものせられているところが豪勢です。
肉質はしっとりしていて油っぽさもなく、美味しくペロリとイケてしまいます。

おじちゃんもおばちゃんも基本寡黙ですが、口を開けばご両人ともとても優しく、少し言葉を交わしただけでも癒されるところも魅力のひとつです。

昭和軒手打中華

外観

昭和軒手打中華

メニュー

昭和軒手打中華

手打中華(中)

よしなり食堂

お肉屋さんが母体の食堂のようです。
そのためメニューには“ミニ焼肉丼セット”があったり、”モツラーメン”があったりすところが特徴的です。

ラーメンのスープは鶏豚主体の出汁で奇をてらっていませんが、油が多めに浮いて比較的オイリーに感じます。

太麺は手もみで強く縮れがつけられていますが、表面がとてもツルツルで滑らかなので口当たりが良く、柔めな茹で加減ながらしっかりとしたコシも感じられるもの。
さすがお肉屋さんだけあってチャーシューもとても美味しいです。

ミニ焼肉丼は、大判でそこそこの厚みのある豚肉が甘辛いタレをたっぷり纏っています。
このお肉でご飯をくるんで頬張ると美味しいお米の旨味と肉とタレの味が渾然一体となって口の中がパラダイスに。

このセットで900円とお手頃価格。
お腹もいっぱいになりますし、食いしん坊な方に特にオススメです。

よしなり食堂

外観

よしなり食堂

メニュー

よしなり食堂

ミニ焼肉丼

よしなり食堂

ラーメン

※本記事は、2022/12/01に更新されています。内容、金額、メニュー等が現在と異なる場合がありますので、訪問の際は必ず事前に電話等でご確認ください。

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