【大阪】レトロな姿のカレーライス【西洋料理】

出典:kurodaさん

【大阪】レトロな姿のカレーライス【西洋料理】

日本人の食卓に欠かせない根強い人気メニュー、カレーライス。しかしその黎明期は高級西洋料理でした。大阪がモダンでハイカラだった時代に思いを馳せ、高級な西洋料理の面影を残すレトロなカレーライスをご紹介します。

記事作成日:2021/05/07

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このまとめ記事は食べログレビュアーによる1467の口コミを参考にまとめました。

大阪とカレーの関わり

 インド発祥ながら、イギリス経由で日本に伝わったカレーは、インドカレーとは異なった欧風カレーとして日本で独自に進化を遂げてきました。現在では国民食として気軽に食することのできる料理のひとつですが、黎明期はモダンでハイカラ、高級な西洋料理でした。この西洋料理が庶民の手に届くようになったことに、大阪は深く関わっています。
 大阪・道修町の薬種商・今村弥兵衛は、それまで高級な舶来品を使うしかなかったカレー粉を国産化することに成功し、主に業務用のカレーを生産している「ハチ食品」の礎を築きました。小林一三が率いる梅田の「阪急百貨店」は、大食堂の目玉メニューとして当時高級品だったライスカレーをコーヒー付き25銭で提供、庶民に広めました。
 松屋町の薬種商・浦上靖介が創業した現在の「ハウス食品」は、固形ルウタイプカレー「印度カレー」を作り、家庭での調理を簡単にしました。そして大阪に本社を置く「大塚食品」は、世界で初めてレトルトカレーを開発。「ボンカレー」と名付けて大ヒットさせました。
 大阪がモダンでハイカラだった時代に想いを馳せながら、この由緒深い場所でクラシカルなカレーを味わってみませんか。

美味旬菜

3.41

夜の金額: ¥2,000~¥2,999

昼の金額: ¥2,000~¥2,999

 JR、阪神・阪急、地下鉄が集結する大ターミナル、大阪・梅田。阪急百貨店の12階・食堂街にあるレストランコートです。
 この「美味旬菜」は日本料理や洋食など3つの専門店のお料理をテーブルで自由に注文できる180席の大箱レストランで、百貨店大食堂の現代的なスタイルです。

昭和モダンに想いを馳せる「阪急百貨店のカレーライス」

美味旬菜

 昭和4年(1929年)の開業時から大人気だった阪急百貨店大食堂のカレーライスが、百貨店の改築に伴って2002年に惜しまれつつも姿を消ました。しかし、このレストランコートで期間限定で復刻されることになりました。
 「阪急百貨店のカレーライス」(890円)は、カレーらしいスパイシーな香りを放っています。カレーをひと匙口に含むと、香りに比べて口当たりはマイルドで、酸味はやや強め。形を失うまで煮込まれた各種具材と、メリケン粉のとろみが相まってクリーミーな口当たりとなっています。

美味旬菜

 お肉は牛モモ肉が、これまた実に柔らかく煮込まれていつつ、しっかり肉の味も残っています。ただ、全体的にパンチ力に欠けるのは、復古調カレーだからでしょうか。
 ここは例によってウスターソースを掛けたら少し辛口になっていい。懐かしの味になります。ライスはカレーに相性のいいやや硬めの炊き上がりで、つやつやしていて実にいい具合です。

美味旬菜

 残念ながら、今では百貨店内でこのカレーをいただくことはできないが、ハウス食品がレトルト化しているので、自宅で昔の味を忍ぶことができます。

ハウスクワエルスパイス

3.11

夜の金額: -

昼の金額: ~¥999

 地下鉄御堂筋線、長堀鶴見緑地線・心斎橋駅から直結、大丸心斎橋店本館B1Fの食品売り場の一角にある、ハウス食品の直営のカレーショップです。
 カレーライスなどをイートイン、およびテイクアウトで利用できるこのお店には、L字型になった10席ほどのカウンター席が設えられています。

日本にカレーを普及させたハウス食品の直営店

ハウスクワエルスパイス

 「オリジナルビーフカレー」(980円)は、白い丸皿の奥にライスが盛られ、手前側に濃厚そうなカレーソースが流し入れられています。
 程よくスパイスの香るカレーは中辛ながら辛さが控えめ。甘味や酸味が適度にバランスされた上質の風合いです。牛すね肉は柔らかく煮込まれ、コクの深い仕上がりです。

ハウスクワエルスパイス

 ここでは3種のミックススパイスを「くわえる」ことができます。「爽快な香り」(グリーンペッパー、クミン、カルダモン、コリアンダー、ローズマリー、あらびき唐辛子)、「クセになる辛さ」(ブラックペッパー、ホワイトペッパー、カイエンペッパー、あらびき唐辛子、ジンジャー)、「甘みとコクの余韻」(クローブ、シナモン、マスタードシード、フライドオニオン、アーモンド)
 フレッシュなスパイスの香りがカレーをさらに引き立てます。

大阪難波 自由軒 難波本店

3.59

夜の金額: ~¥999

昼の金額: ~¥999

 千日前通りの一筋南、ビックカメラの裏手にある老舗洋食店です。創業は明治43年(1910年)、戦災で一度焼け出されたものの、創業の地で再建されて現在に至っています。
 店内はテーブル席ばかりの全38席、ベテランの店員がせわしなく給仕しています。

あんじょうまぶしてあるカレー

大阪難波 自由軒 難波本店

 ここの看板メニューの「名物カレー」(750円)は、織田作之助が自らの作品「夫婦善哉」で、主人公に「自由軒のライスカレーはご飯にカレーがあんじょうまぶしてあるよって美味い」と言わしめた、もはや説明の必要もない大阪名物です。
 カレールーとライスが、あらかじめグチャグチャに混ざっているこのカレー、具はもはや形を失ったタマネギと牛肉のみ。それでも味にしっかり肉の存在を主張してきます。カレーの真ん中に生卵が落としてあって、これが半熟気味になって、味に深みが増しますね。

大阪難波 自由軒 難波本店

 この名物カレーはレトルト化されていて、スーパーなどで手に入れることができますが、レトルトながらフライパンで炒める必要があります。

大阪難波 自由軒 難波本店

 レトルトのパッケージにはオリジナルのウスターソースも添付されていて、これを掛けることによってさらにレトロな味わいになります。

ガスビル食堂

3.67

夜の金額: ¥10,000~¥14,999

昼の金額: ¥4,000~¥4,999

 地下鉄・淀屋橋駅の13号出口を南へ少し歩いたところ、大阪ガスの本社ビル、いわゆる「ガスビル」の8階にある、本格欧風料理のレストランです。
 ここは昭和8年(1933年)、ガスビルの竣工と同時に誕生、当時、モダンシティー大阪を代表するレストランとして市民の人気を集めたところです。

ガスビル食堂

 「ビーフカレー」(1,980円)は、平皿に盛られたライスとともに、シルバーのソースポットで出されます。
 10数種のスパイスを配合して長時間煮込まれたというカレーソースには、立方体のビーフがころころ沈んでいます。

ガスビル食堂

 カレーはコク深い仕上がりで、適度な酸味とスパイス感を持たせています。ビーフの肉質も良好で、柔らかくて旨味も強いですね。付け合わせのらっきょうや福神漬との相性も抜群です。

ガスビル食堂

 料理だけでなく、建物全体が醸す雰囲気も上質です。

はり重カレーショップ

3.59

夜の金額: ~¥999

昼の金額: ~¥999

 御堂筋と道頓堀の交わる角にある精肉・肉料理の老舗「はり重」。このお店から、御堂筋を少し南に下ったところにある、「はり重」のカレーショップです。ここはなかなかの人気店で休日には行列ができるほどです。
 10坪ほどの昭和臭漂うホールに4人掛けと2人掛けのテーブルがズラッと並んでいて、手馴れた店員がゆったりと給仕しています。

心安らぐオールドスタイルのビーフカレー

はり重カレーショップ

 楕円の深皿に横掛けされた「ビーフカレー」(750円)は、歴史を感じさせるやや黄色がかった懐かしのスタイル。スパイス感は薄いがブイヨンの旨味が際立つ欧風カレーです。
 クリーミーな食感で、激辛で目くらましをしている昨今の風潮とは一線を隔した、完成された味わいですね。カレーの中にゴロンと転がるビーフは意外に大量。しかも実に柔らかく煮込まれています。さすがは精肉店。

はり重カレーショップ

はり重の各店舗ではカレーソースの販売もされています。湯煎で簡単に自宅ではり重のカレーを味わうことができます。

インデアンカレー 南店

3.42

夜の金額: ~¥999

昼の金額: ~¥999

 大阪の老舗料理店が集まる法善寺横丁の手前にある、関西を中心に10店舗ほど展開している、もはや説明の必要もない大阪の人気カレーショップです。この南店はその中でも1947年創業のその場所にある、いわば総本山です。
 店内はたった12席のカウンター席のみ。飴色に輝く調度は老舗の喫茶店のような、シックでレトロな雰囲気です。

大阪カレーの総本山

インデアンカレー 南店

 インデアンカレーの他の店舗はピラフやスパゲティーなど、カレーの派生商品があるが、ここでは頑なにカレーライス一本で営業されています。
 「インデアンカレー」(750円)は、楕円形の平皿に カレールウが天掛けされています。一口目を口に入運ぶとそフルーティな甘さが口の中に広がり、そして一瞬の間をおいてスパイシーな辛さが襲ってくる。そしてお皿半分ぐらい進んだ頃には頭頂部に汗がにじんできます…これぞインデアンカレー。

インデアンカレー 南店

 辛さで口の中が麻痺してきた頃にキャベツのピクルスを口に運ぶと、その甘さと酸っぱさで辛さがリセットできる。よくできていますね。
 この中毒性のある味わいこそインデアンカレーの真骨頂。このほど東京にも進出したという大阪を代表するカレー、総本山でいただいたら気のせいか一層おいしく感じます。

ニューダルニー

3.38

夜の金額: ~¥999

昼の金額: ~¥999

 近鉄と地下鉄の日本橋駅の南東方向に広がっている大阪の台所・黒門市場。この商店街の南の縁のところにあるカレー専門店です。
 開業は昭和22年(1947年)、昭和の香りが漂う店内は、カウンターのみの10席程度の大変狭いお店。キッチンの真ん中に黒電話が鎮座していて、歴史の重みを感じさせるレトロ感が溢れています。

正統派・欧風ビーフカレー

ニューダルニー

 ビーフカレー(600円)は、ドロっとしたところのないサラサラ系。ポタージュスープのような質感は実に上品です。一匙口に運ぶと実にマイルド!ややパンチに欠けるものの、辛さ・甘さ・酸っぱさのバランスがいいですね。

ニューダルニー

 野菜や果物がすべて溶け込んで形を失っているが、唯一形を残しているのがビーフです。このビーフがよく煮込まれて柔らかくなっているのに、肉の味を失っていないのがさすが。
 後から後から旨さが襲ってきて、皿まで舐める勢いで一気に食べてしまいました。激辛に走りがちな現在の流れに反して、あくまでも昔ながらのスタイルを守っているところがいいですね。

ニューダルニー

 店頭で販売しているテイクアウトのカレーソースも優れもの。自宅でも美味しいカレーを味わうことができます。

※本記事は、2021/05/07に作成されています。内容、金額、メニュー等が現在と異なる場合がありますので、訪問の際は必ず事前に電話等でご確認ください。

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