マイベスト10店:2020年新規開拓
2020年に「初めて行った」店のうち、「あそこおいしかったなぁ」って年の暮れに思い返した店10ヶ店です。うなぎ多めのオールジャンル。
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このまとめ記事は食べログレビュアーによる13903件の口コミを参考にまとめました。
2020年、コロナをきっかけに使うようになった店もあれば、何となく遠くなってしまった店もあるし、また、コロナで旅行に行かなくなったので、そのぶん、平日の休みに東京都内で名店と言われる店に行くこともあったり、そんなことお構いなしに仕事の関係で行った場所の近くで、出逢った店もあり。
とにかく2020年、縁があって行くことになった「今年、初めて行った店」の中で印象に残った店を10ヶ店、レビューを書いた/書いていないを問わずに、並べてみようというのがコンセプト。自分自身の振り返りも兼ねていて、後で自分が見返したときに「ああ、こんな年だったな」って思い返すために書いているところがあるので、誰かのお役に立とうなんていう殊勝な心がけは動機にない。
その前提で、お暇な人だけお付き合いいただければ幸い。
出典: 毎日外食グルメ豚さんさん
名古屋、鶴舞の駅からしばらく歩く。名古屋は車社会なので、現地の人たちにはあまり不便ではなさそうな。
土曜に行ったら凄まじい行列。食べたのはひつまぶしだが、うな丼も評判いいらしい。
最近、有楽町に支店を出したので、名古屋まで行くのが億劫だという人は有楽町の支店で。
まだコロナが流行り始めたばかりという2月の下旬、京都へ行く道すがら、名古屋に立ち寄った時に、折角行くんだからと行ってみたのが、このうな富士。
名古屋は以前、住んでいたことがあったのだが、この店は知らなかった。ひつまぶしも何度も食べたが、ここは鰻の旨さ、パリっとしつつ柔らかさも喪わない焼きの絶妙さ、タレの味わい、総てが完璧で、薬味やダシをかけたときの化け方も他と隔絶していた。大体、いつもダシの茶漬けが余計に感じることが多かったのだが、ダシの茶漬けもおいしかった。
東京育ちでうなぎというと関東風、江戸前だろってな偏見があり、東京のうなぎよりおいしいものなんてあってたまるかという気もあったのだが、ここのひつまぶしであっさり転んだ。当時、自分が食べたうなぎの中では間違いなく最高だった。ひつまぶしのトップどころか、自分のうなぎ経験でも他を大きく引き離してトップに君臨したのだ。
ここと出会ってから、江戸前のうなぎをちゃんと食べようと思いなおすことになり、今年、事あるごとにうなぎの名店に顔を出すきっかけになった店。その意味でも意義深い出逢いだった。
有楽町に支店もできたようなので、寂しくなったらあっちに行こう。



2816人
109024人
050-5597-3913
出典: tabelog.com
北千住、線路沿いにある店。よくよく調べてみてそういうことかと合点が行ったが、吉原に近い。
店名からして風流だし、店構えも風情がある。
その筋の人たちには、今、東京のうなぎとしては一番なのだそう。確かにその名に相応しいものが出てくる。
〈東京五大〉っていう、東京ガイドブック的なエッセー本?で、東京五大うなぎに選ばれていたのをきっかけに知った店。あの本でも激賞されていて、江戸前うなぎのトップだろう的な書かれ方をしていた。
江戸っ子の祖母、東京育ちの身としては、名古屋のうなぎにぶっちぎりのトップを渡したままでは居られなかったので、江戸前のうなぎで何か〈うな富士〉の経験に伍するものが欲しかった。その中で、白羽の矢を立てたのが〈尾花〉。
何やら行列しそうだ、行くなら平日だというので、六月、休みを取ったときに出かけてみた。それでも結構な行列で、一時間以上待った。みんな、うなぎが好きなんだなあと。
梅雨のど真ん中、出かけたときは雨も降っていなかったのに、店の軒下で順番待ちをしていたときにやおら降り出し、そのうちにザーザー音が立つくらいの雨になった。屋根の下で梅雨の雨をしのぎながらうなぎを待っていたのは、何やら風情があって記憶に残ってる。
味は、醤油のキレのある味が前面に来るシャープなタレの印象が今も強く残っている。実はそれ以上のことを正確に思い出すことができない。何しろここのうな重を食べたとき、あまりの旨さにしち面倒なことを考えたくなくなってしまったので、とにかく感動に震えながら夢中で食べたので、残った感想は「旨い、ただただ、旨い」だけだった。旨いものを食べた時の幸福感そのものだ。



1515人
77530人
03-3801-4670
出典: サプレマシーさん
神田明神の脇道を下ったところからすぐ。少し歩けば秋葉原という立地。
全室個室、周囲の喧騒と隔離されたような気分になる、まさに隠れ家。
出てくるものは絶品の名に相応しいうなぎ料理。タレは濃い目。うな重頼んだ時は、お好みで足してくださいって追加用のタレをもらえた。
訪れたのは10月末。
本来、休みといえば旅行に行くのが常だったのだが、今年はコロナもあったので遠慮して、東京近辺でいろんな「おいしい店」に顔を出そうという中で行った店。その中では、うなぎは外せんなあ、といって、ここも〈尾花〉以前から行きたかった店。
ここは、タレの旨さが凄まじかった。白焼きもおいしかったし、白焼き自体も最高の一枚だったのだが、このうな重の米に浸みたタレには、うなぎの旨みが溶けだしているような旨みがあり、ご飯の台に乗ったうなぎと渾然一体になってうなぎの旨みが押し寄せてくる、主張の強いうな重。タレは濃い目で醤油の風味もばっちり前面に出てきて、個人的な好みとしても「こういうのがいいんだよ」って味つけ。
秋葉原まで歩いてすぐ、神田の都市部の中にあって、全個室、いわゆる隠れ家に逃れた気分で、その中で正しく絶品の名に相応しいものが味わえる、そういったところもひっくるめて、今年出逢った一番の店はどこですかというと、ここかなぁと思う。〈うな富士〉、〈尾花〉と比べても、〈神田川〉の3ヶ店はフラットに見ると何一つ互いに劣るところはないし、どれも「最高だ!」と喝采できる素晴らしい店。その中であえて〈神田川〉という差は、ただ一点、「自分が食べてきたうな重と最も近く、親しみがある」という非常に主観的な点だけ。
書きながらまた行きたくなってきた。おいそれと行ける値段じゃないけどね。



486人
42890人
03-3251-5031
出典: サプレマシーさん
馬喰町からすぐ、小道を逸れていくとひっそり構えている。
気さくな老夫婦が切り盛りしている。よそでは倍取られるような仕上がりのトンカツが楽しめる。とにかくさっくり捌けて、昼飯には地元で仕事していると思しき人がよく来るせいか、回転がいい。
ここから3ヶ店は、コロナ自粛(緊急事態宣言)からの在宅勤務で行くことになった店。
〈いもや〉はだいぶ前に引っ越してきた時に、近所の店を食べログで検索していたときに知った店。だが、営業時間がいまいち自分の生活の尺に合わず、行かずに来ていた。
が、コロナ自粛の走りのころ、在宅勤務も体制が整っておらず、在宅勤務=自宅待機だったころに、どうせだったら近所の名店に顔を出そうじゃないかというので行った。
行ってみると、いかにも奥まった小路に店を構える、こじんまりした店。入れば老夫婦がやっている何とも飾り気のない感じ。そして供されるトンカツの定食は、よそでは倍は取られるであろう出来。
ここがイイのは、昼ふらっと行ってもスッと入れて気取ることなく名店に違わぬ味を味わい、量もちゃんとあるのでちゃんと満足、支払も1,000円という店主の心意気と、何もかもが揃っていること。1,000円で味わえる幸福としては結構高いレベルだと思う。
この使いやすさが、在宅勤務でしっかり仕事をするようになってからも、時々使う所以だと思う。



683人
26893人
03-3861-9454
出典: ぴーたんたんさん
三越前、コレド室町の合間の小路を抜けていったところにある洋食屋。
日本橋の旦那衆にかわいがられている店らしく、日本橋に根付いている。店の雰囲気は昭和レトロ風だが、古びた印象が全くない。現在進行形でまさに生きている。
エビフライを筆頭に、ハンバーグやチキンライス等々いろいろ食べたが、全部おいしかった。
前々から、出勤の往来時に店の前を通っていたのだが、外から中の様子がうかがえなかったり、終業時間に間に合わなかったりでずっとお邪魔できなかった店。コロナで行くことができるようになったというのは皮肉というか何というか。
ここは行って一発で虜になった洋食屋。都合3回ほど行って、それきりになっているが、今も機会があればまた行きたいと思っている。
この店のスペシャルは、エビフライだと思う。立派な頭のついた大ぶりのエビを揚げた立派なエビフライ。しばしばCセットメニューでハンバーグとタッグを組むが、ここはハンバーグもおいしいので、エビフライ・ハンバーグのCセットはヒーローの夢の共闘と言える。
エビフライ以外もおいしく、地力がある。エビフライ食べたくない時も洋食何か食べよってんで行っても損した気持ちになることは無い。普段使いできる、使い出のある店って、こういう店なんだろう。
味もさることながら、日本橋の街に支えられた洋食屋ゆえ、店も日本橋の人たちを大切にしているし、日本橋の人たちからも大切にされている。その生み出す雰囲気もまた、この店の魅力であり、何とも通いたくなる店。
あと、人気店なのでガラガラってことは無いんだが、一方で外で待っているってこともない。それがまた、気安く使いたくなる理由なのだが、回転がいいってことなのかな。



1207人
61217人
03-3241-4922
浅草橋、大通り沿いに行ってすぐ。
昭和のころから建て替えていないんだろうなこの店っていう、雑然とした街の中に違和感なく埋まっている。店の中もいい意味で騒がしくて活気にあふれている。店主のキャラもいい。
味わいは「ザ・下町の町中華」っていう大味だが濃くて力強い味つけ。今のところ注文したものは全部ハズレなし。何でも旨いっていう、有難い店。
ここもコロナをきっかけに行った店。
浅草橋は近所だけどそれなりに時間がかかるので、在宅勤務も仕事をまともにやるようになってからはすっかりご無沙汰だが、ここは定食(日替わり。食べたのは高菜と豚の炒めもの)も、炒飯も、名物のかた焼きそばも、全部しっかりおいしかった。何を食っても旨いというのは、町中華のバロメーターだと思うので、その意味でこの店は最高峰に君臨している。そして、どれを軸にレビューを書こうかと思っているうちに機を逸してそれっきりにしている。
結局ここは、店の看板・スペシャリテ、みたいなものは、強いて言えばレベルでかた焼きそばなだけで、他のものも劣らずしっかり旨い。普段使いの店としてはこれほど頼もしいことはない。
品のよさとは一線を画す、いかにもな町中華の佇まいと店の中なのだが、意外に本場中華を彷彿とするメニューが並び、何ともエキゾチックな気分。それでいて下町(浅草橋)の町中華という軸がぶれないのも頼もしい。
もう少し在宅勤務のペースがつかめるようになったら、また行けるようになるだろう。当時、コロナの真っ盛りの時も混み合ってたし、街の人に支えられながら、生き延びてほしい。



975人
53891人
03-3861-0577
日本橋、三越新館の脇道に構える蕎麦屋。
鴨そば、鴨つけそばがウリ。実際においしい。が、その他のメニューも多彩で、蕎麦屋っていうか蕎麦を軸にした小料理屋って感じ。
ここから3つの店は、10月下旬の休みに行った店がたまたま、並んだ。
〈たまたま〉というのは、ここまでで選んだものから漏れているもの〈蕎麦屋〉、〈ラーメン〉、〈ジャンク系/大衆的な店〉という括りでそれぞれのトップを選んで行ったら、そうなったというものだ。
特に蕎麦屋は幾つか候補があって、今年初めて行った店の中では浜町〈浜町藪そば〉、両国〈蕎肆 穂乃香〉もこの〈紅葉川〉に劣らず素晴らしい店だった(もしかしたらここ以上かもしれない)のだが、店の真髄に触れられていない気がして、採り上げを見送った。真髄とは、店の自信作というか、スペシャリテというか、本当の意味での地力を感じられるメニューというか、そういうものだけでなく、店との向き合い方みたいなものだ。
私は蕎麦っ食いと言われている通人にはほど遠いが、蕎麦は好きなので、1ヶ店は採り上げたい。そんな感じで選んでいたら、〈紅葉川〉は長年、その存在を知りながら行くことができずに来た〈念願成就〉の意味もあり、採り上げることにした。
食べたのは、店が全面的に推す鴨つけ蕎麦。鴨の滋味が溢れるつけ汁の味わい、蕎麦の出来、サイドでくっつけた小エビ天丼までの仕上がりが完璧で、日本橋ってすごいなぁと思いなおした。
ただ、ここは蕎麦だけでなくそのほかのメニューを味わうのもよいのではと思っている。そういう意味では間口の広い店かも。



472人
17320人
03-3279-2003
2020年、出逢ったラーメンのトップはここ。どうしても営業という仕事柄、お客さんとの面談の合間に出来た時間で昼食をとることが多いので、昼飯時を外しても空いている店の多いラーメン屋の利用頻度は高くなりがち。その一方で本当においしい店は混み合っているので、行列ができているとその時点で諦めることも多いのだが、ここは10月の休み、銀座周辺を訳あってうろついたときに行った。
ラーメンは日々、付き合うものという感じになるので、細かな分析をすることもないが、この店は店内に殺気といってもいい緊張感が漲っていて、供されるものの隅々にまで神経が行き届いている気持ちよさがある。濃い目・塩分強めのアタックの強さはありつつ、まとまっている。2020年に食べたラーメンの中では間違いなくぶっちぎってトップ。いわゆる人気店を探して行く趣味もないので、「ここよりおいしい店なんて沢山あるぜ」って言われることは覚悟で、過去、自分が食べたラーメンのうちでもトップと言っておく。



3281人
90398人
築地市場場外の店。
メニューはホルモン丼と牛丼しかない。ホルモン丼は、ジャンク飯の力強さを残しつつ、すべてがあるべき状態にまとまった完璧な仕上がり。
この店は、10月下旬、築地を徘徊していた時に出逢った店。
それと思って行ったわけじゃないんだけど、食べてみたら大当たり。
築地場外の慌ただしい雰囲気と、ドラム缶?を加工して作った立ち食いのテーブル、前を歩くと店から薫って来る味噌風味の香り、その味だけでなくすべてがあるべきかたちで存在している、「店全体が完璧に仕上がったジャンクフード」。たぶん、狙ってこうなったわけじゃないんだろう。築地で生きているうちに、よりよく、細かな改善を繰り返しているうちに今の形になったような、こういうと大仰なんだけど、日々を踏みしめて生きる人の知恵の堆積みたいなものを感じる店。
ホルモンの煮汁は恐らく、ずっと継ぎ足しで来ているんだろう。そのホルモンと煮汁が惜しげもなく乗っかる丼に生卵を割り入れてもらったが、ホルモンにまろやかさをもたらす卵の追加でまさに「完成」と思う。
ここで食べるために築地に行くかっていうとそうはならないが、築地に行く時はまたここに行くのではないかと思う。そんな店。



2443人
90810人
03-3545-3902
出典: tabelog.com
人形町の名店、ブラザーズのホームデリバリーサービス。
電話予約でテイクアウトするとハンバーガーが200円引き。(というか、ホームデリバリーが200円高いというべきか)
家に居ながらブラザーズのハンバーガーが食べられるという、在宅勤務/コロナ環境下では有難いサービス。
テイクアウトの店は以前から利用しているが、デリバリーは初。なんかインチキくさいが、食べログの登録上、別店舗扱いなうえに、デリバリーサービスはコロナが席捲した2020年という年を象徴するようなところがあるので、マイベストの最後に採り上げることにした。
何しろここ、便利。
在宅勤務の後、「ちょっと何か、満足感のあるものを食べたい、でも、どこにも行きたくない」ってな時に、終業見込み時間を指定してオーダーする。本家ブラザーズは百名店に選出されている店なので、味は折り紙付きと言っていい。そしてハンバーガーは肉を食べた充実感と、腹に溜まった感と、何故か幸福感があるので、週末に在宅勤務がかぶったときの楽しみとして使い勝手がいい。ダブルチーズバーガーを頼むことが多かったかな。
年末に編み出したのは、成城石井なんかでも売っているハイコスパスパークリングワイン(といって、3,000円弱するが…)の一つ、Chandon Brutがここのハンバーガー、フライドポテト、チキンウイングとぴったりマリアージュしてくれること。ワンランク上の幸福が味わえる。
在宅勤務が続く限り、ここには世話になり続けるだろう。



25人
1021人
03-3639-5209
※本記事は、2021/01/02に作成されています。内容、金額、メニュー等が現在と異なる場合がありますので、訪問の際は必ず事前に電話等でご確認ください。