【海の京都】京都府北部・海の美食

出典:kurodaさん

【海の京都】京都府北部・海の美食

「京都」といえば神社仏閣?伝統工芸?舞妓はん??いやいや、そればかりではありません。京都府北部は海に面し、日本三景の「天橋立」など、白砂青松の絶景にも恵まれています。この「海の京都」で、海を感じる料理の数々を集めてみました。風光明媚で旨いもんにも恵まれた「海の京都」に足を運んでみませんか?

更新日:2021/07/21 (2018/08/27作成)

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このまとめ記事は食べログレビュアーによる292の口コミを参考にまとめました。

もうひとつの京都

 「京都」でイメージするのはなんでしょう。神社仏閣、伝統工芸、舞妓はんが思い浮かぶものの、「海」を連想することはあまりないようです。
 しかし、京都府北部地域(舞鶴市、宮津市、京丹後市、伊根町、与謝野町)は海に面していて、古代より大陸との交流の窓口として栄え、多くの神話の舞台となった、もうひとつの京都があります。
 いわば「海の京都」は、肥沃な大地と海に恵まれた、食材の豊かな地域。美しい水と空気によって、名高い山の幸・新鮮な海の幸に溢れています。
(下の写真は舟屋で知られる伊根湾の景色です。)

【宮津市】ハマカゼカフェ

ハマカゼカフェ

 京都丹後鉄道・宮津駅から歩いて10分ぐらい、宮津市の中心部、浜町交差点の脇ある、道の駅「海の京都 宮津」内にある、宮津の特産を活かした料理を提供しているカフェです。
 注文カウンターの前に全32席のテーブル席・ソファー席が配置されていいます。

「海の京都」を体現するカフェ

ハマカゼカフェ

 宮津のB級グルメとして売り出し中のカレー焼きそばは、カレー風味のちょっと汁っぽい麺料理といった感じです。
 ここの「シーフードカレー焼きそば」(1,280円)は、この時期ならではの日本海の恵み、猛者エビの素揚げが3尾も乗っています。頭から尻尾まで美味しくいただけます。

ハマカゼカフェ

 「海の幸のBaraパエリア」(1,200円)のBaraとは、「ばら寿司」の「ばら」だそうです。蒲鉾が散らされている和洋折衷スタイルで、熱々のパエリア鍋には少しお焦げが付いています。
 シーフードはエビ、イカ、アサリ、ムール貝と、こちらもたっぷり入っているが、和洋折衷なので味付けはさっぱりとしています。

ハマカゼカフェ

 宮津を訪れる観光客には嬉しいメニュー構成のこのお店、物販コーナーでは、宮津を中心とした「海の京都」を感じさせるアイテムの販売もしています。
 「海の京都」を広くアピールされています。

【京丹後市】ゑびすや

ゑびすや

 京都丹後鉄道・夕日ヶ浦木津温泉駅からすぐ近くにある木津温泉は、旅館がたった4軒しかない、実に小さな温泉地です。
 この「ゑびすや」は松本清張が2ヶ月に渡って投宿し、「Dの複合」を執筆したことで知られる老舗旅館です。

日本一の貸切湯を持つ老舗旅館

ゑびすや

 ここのお料理は部屋だしではなく、食堂でいただくことになります。煮魚として出されたのは「アカラ」という、このあたりではポピュラーな魚。
 いささか小骨が多いが、淡白な味わいで、上品な味付けなのはさすが京都。

ゑびすや

 焼魚は皿盛りで出されます。大きな巻貝にエビ、キンキです。キンキはさすが高級魚、淡白のなかにしっかりとした旨みがあって美味。
 ここは場所柄、カニのシーズンが繁忙期だそうだが、むしろオフシーズンのほうが値打ちあるかもしれません。

ゑびすや

 貸し切り湯の「ごんすけの湯」と「しずかの湯」は小さな浴室だが、清らかなタイル貼りの浴槽に、天井にはステンドグラスが配されている。前期昭和のモダンが溢れています。
 著名な温泉評論家が「日本一の貸切湯」と評したが、まさにその通り!

【舞鶴市】ほのぼの屋

ほのぼの屋

 舞鶴の市街から舞鶴湾の東縁を引揚記念公園の方面へ3㎞ほどのところにあるフレンチレストランです。
 レストランに入ると、吹き抜けの天井と、海側一面がガラス張りによる解放感の中、品よく配されたモダンアートがアクセント。案内された窓際の席からは暮れなずむ舞鶴湾と斜張橋の美しい眺めが…

超一流の「海のフレンチ」

ほのぼの屋

 先ずはオルドーブル、雲丹のチーズ焼きです。雲丹の殻ごとオーブン焼きにしてあります。ティースプーンで掬って口に含むっと、実に濃厚な風味が広がります。

ほのぼの屋

 スープは伊勢海老のビスク、かなり大振りな身が沈んでいるが、旨みはスープに沁み出していてこの身自体には抜け殻に近い。それだけにスープは凝縮した旨みの塊、クリーミーで豊潤です。

ほのぼの屋

 アワビのステーキは、ナイフを入れると、弾力は感じるもののスッと切れていく。口に含んだらバターの香りが広がるとともに、身はとろけていく。肝にこそ存在する磯の香りと、ハーブの爽やかさ、そして火を入れることによる旨みが三位一体となって、堪らんぐらいの旨さが醸されます。

【宮津市】P-Boat

P-Boat

 丹後半島をぐるっと一周する国道178号線宮津から伊根方面に向かい、日本三景のひとつ、天橋立を構成する砂嘴の根元付近の宮津湾沿いにあるピッツェリア・カフェです。
 店内はテーブル席や、宮津湾を望む窓際のカウンター席など、全40席足らず。ログハウスなので 、壁はすべて立派な丸太。BGMはアメリカンなPOPです。

穏やかな宮津湾を眺めながらの上質ピッツァ

P-Boat

 「オイルサーディンとトマト」(1,400円)は、周囲がモチモチっとしたナポリ風で、薪の石窯ならでは、焦げ目が実にスモーキーで風味が良好。
 天橋立といえばオイルサーディンが名物。上質のオイルサーディンにはイワシの旨みが溢れています。チーズとの相性もいいですね。

P-Boat

 「ジェノベーゼ」(1,400円)はバジリコが芳しく豊かな風味を加えています。こちらもモツァレラがいい仕事していますね。
 具材がジューシーで、やや汁っぽいが、その汁気にパリパリに焼けた縁の部分を浸して食べると、具材の風味がしみ込んでこれまた美味しくなる。ピッツァの新たな魅力を発見しました。

P-Boat

お店の窓からは宮津湾が一望。のどかな景色を見せてくれます。

【伊根町】和亭

和亭 - エントランス

 この旅館は、舟屋で知られる伊根からもう少し北側の集落、津母で古くから旅館を営んでこられた「油屋」が運営する、全11室が掛け流しの露天風呂付客室という高級志向の別館です。
 エントランスを入ると広々としたレセプションホール、ロビーとなり、全て畳敷き。 チェックインをすますと、お部屋に案内される までの間、お茶(抹茶)とお菓子のサービスがあります。

丹後の恵みを最大限に活かした圧巻の料理とロケーション

和亭

 ここでは二つの部屋のうち、小さい方の掘り炬燵のある部屋での食事です。
 地魚のお造りは、メジロ、サワラ、ヒラメなど春の魚の数々。特にサワラの刺身は鮮度が命なので貴重です。脂の乗りがよくて実に旨い。

和亭

 丹後ぐじの桜蒸しは、蓋を開けるとふわっと桜の香りが漂う春らしい一品。真丈に包まれたぐじ(甘鯛)の身はほっこりと柔らかく、淡白な味わいながら、餡には深いコクがある。
 朝食にはこの地域名物のへしこなどの珍味、イカのお造り、がんもどき、岩海苔、もずく豆腐など。海の京都の食材を活かした上質のお料理が味わえます。

和亭

 この旅館の白眉、丸い陶製の専用露天風呂では、のどかな海を眺めながら湯浴みができる…
 掛け流しのお湯は澄明で匂いは無いが、僅かながらに味がある。泉質は炭酸水素塩泉で、浸かってみると、少しぬるっとした独特の感触で、これは女性がうれしい「美肌の湯」です。
 ここは丹後の恵みを最大限に活かした良質の旅館だと言えます。

【宮津市】レストラン 精養軒

レストラン 精養軒

 北近畿タンゴ鉄道の宮津駅から10分ほど歩いたところ、宮津市役所の近くの路地裏にある洋食屋さんです。
 1階は厨房、2階がダイニングになっていて、創業は大正年間のかなりの老舗。バルコニーのある洋館風の外観は、静かな住宅街の中でひときわ異彩を放っています。

海の京都を代表する洋食の名店

レストラン 精養軒

 海老フライ(1,300円)は身がプリプリの立派な海老が3尾も並んでいます。ボリウムもさることながらタルタルソースが上品な味わいで実に美味しい。つけ合わせのポテトサラダや玉子サラダなど、色あいも豊かです。

レストラン 精養軒

 タンシチュー(1,300円)は分厚いタンが横たわっていて、デミグラスソースがたっぷり掛けられています。このソース、重厚なコクの大人の味で、箸で切れるほど柔らかいタンが値打ちです。

レストラン 精養軒

 一部の料理はテイクアウトもできるようで、オムライスをテイクアウトして天橋立の傘松公園でいただいてみました。少々冷めたものの、それでもバターの風味が際立つ豊かな味わいを楽しむことができます。日本三景を眺めながらの洋食…これはこれで一興ですね。

【京丹後市】レセプションガーデン

レセプションガーデン

 京都丹後鉄道・かぶと山駅から車で10分ほどのところ。かぶと山公園内にある、自然の中で休暇を楽しむことのできるホテル「HOLIDAY HOME」のレストランです。
 広いホールと通路のような細長いスペースにテーブルが並ぶ全50席足らず。細長いスペースでは両サイドがガラス張りになっており、室内に居ながら、さながら庭の中で食事しているような抜群の眺めです。

ゆったりとした休日を楽しむホテルのレストラン

レセプションガーデン

 丹後の夏の豪華食材をあしらったという「夏のスペシャル・プラン」では、先ずは前菜の盛り合わせ、旬野菜のスープと旬魚のカルパッチョです。
 魚はニジマス、イシダイ、イサキ、シロイカ、アマエビです。ニジマスのとろっとした口当たりは絶品。シロイカやアマエビは実に甘い。

レセプションガーデン

次に丹後のトリ貝の炙りと伊根産の生岩ガキです。トリ貝は言わずと知れた丹後の名産。寿司屋で見るそれとは比べ物にならない大ぶりなもので、噛むほどに深い甘みが口の中に広がります。そして肝がこんなに旨いとは…
岩ガキは山々から植物性プランクトンと対馬海流からのミネラルが合わさる伊根湾特有の条件から生み出されたもので、肉厚でクリーミー。滋味深い一品です。

レセプションガーデン

 メインは旬魚と丹後産黒アワビの紙包み焼きです。大きい平皿にクッキングペーパーが巾着状に絞られ、慎重に広げてみると、フワッとハーブの芳香とともにエスカルゴバターの香りが立ち上がってきました。
 黒アワビとともにアコウ、エビ、タコなど、まさにフリュイ・ド・メール。海の恵みがひと包みになっています。

※本記事は、2021/07/21に更新されています。内容、金額、メニュー等が現在と異なる場合がありますので、訪問の際は必ず事前に電話等でご確認ください。

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