シンプルかつオリジナリティーの単一料理 : ボニュ

以前から行きたいと思っていたこちらのお店、なかなか予約を取るのが難しいとのことでしたが運よくお邪魔させていただきました。

こちらのお店、初台と参宮橋の中間にあり住宅街のマンションの1階にあり、隠れ家のような雰囲気。初来店の私は、本当にここなのかと半信半疑でGoogleマップを頼りに進みます。

店内はヨーロッパのレストランを思わせてくれるような独特の雰囲気。入ってすぐにテーブルが2卓、右奥に個室が1卓というこじんまりとした、まさに隠れ家。

メニューは、コースのみでフェアなど以外の通常時は28,000もしくは38,000円のコースを事前に予約します。
この日は、初来店ということで奮発して38,000円のコースに。

こちらのお料理のコンセプトは、
◆おいしさの本質
◆シンプル＋オリジナリティ
◆盛らない勇気
◆記憶を味方に
◆単一料理
◆1つの料理に対して1つのお皿
◆提案＋説得力

「シンプル＋オリジナリティ」、これが「ボニュ」の求める料理ですとのことです。

・自然　～太陽・空・土・草～
まずは、サラダから。見た目は普通の葉っぱのサラダですが、葉の下にドレッシングが隠れており混ぜていただくと不思議なことにほのかな土の香り、葉の青々とした大地の恵みである太陽、空なども不思議と口の中で広がってきます。

・抽出　～とうもろこし～
目の前に焼きたてのとうもろこしをみせていただき、そこからスープにするとのことで。待つこと5分、香ばしい香りの焼きとうもろこしがスープになって登場！こちらのスープは水以外は加えていないそうで、とうもろこし本来の味を楽しむことができます。スープになっているのに、焼いたとうもろこしの香ばしさが残っており、生クリームなどが入っていないためとうもろこし本来の甘さと風味が味わえます。本来のとうもろこしの味ということで少し、甘味だけでなく野菜本来のほんのりとした青臭さもアクセントになっています。

・シンプル　～キノコ～
エリンギ、エノキをリゾットとともにいただきます。こちらのリゾット、ブイヨンなどは一切使用しておらず、キノコの出汁のみをベースにしているとのこと。キノコ本来の風味を最大限に楽しむことができ、香りだけでなくキノコの甘味と味わうことができます。

・トマト畑　～トマト～
トマト畑！？ということで、サラダを想像しておりましたが出てきたのはトマトのパスタ。これが何故トマト畑なのかと思いましたが、パスタのしたに緑色のソースが隠れており混ぜて食べるとのこと。混ぜて食べると、あら不思議！！トマトだ
緑色のソースがトマトのヘタの部分を使用したものだそうで、トマトの香りが一番楽しめる部分でもあるのだとか。まさにトマト全体を味わうトマト畑。

・抽出麺　～イワシ～
まずは、このお料理に使うイワシを見せていただきこちらでお料理をすると紹介をいただきます。待つこと5分、出てきたのは透明なスープに入ったカッピリーニ。あれ！？イワシはどこへ？？と思いましたが、透明なスープを一口飲むとイワシ！！透明なのにイワシの味、香りが満載。イワシミキサーにかけ、熱して上澄みを除いてこして抽出することで透明なスープを作れるなのだとか。

・ボニュ焼き　～いぶさな牛（サーロイン）～
使用されている牛は、いぶさな牛で竹ノ谷蔓牛と黒毛和種をかけあわせた牛だそうです。竹ノ谷蔓牛は年に数頭しか出回らないそうで、こちらと黒毛和種のかけ合わせも希少。その牛を使って、6時間かけて焼き上げるボニュ焼きという製法で焼かれたお肉は表面は何とも言えない香ばしさとカリカリ感、中は絶妙な火の通りで滑らかな食感。シンプルにそのまま半分頂き、残りはわさびで。言葉にならない旨さ。

・ボニュ焼き　～いぶさな牛（ヒレ）～
サーロインに続いて、ヒレをいただきます。こちらは特製の赤ワインソースでいただきますがこちらはサーロインよりもより一層の柔らかさを堪能できます。

・ボニュ　～ミルク～
生クリームを使用せず、シンプルなままなアイス。あっさりとした何とも言えない風味と味わい。

・ナチュラル　～神果卵～
メニューを見ただけでは何かが分かりませんでしたが、出てきたのは「プリン」！！
なぜ、ナチュラルなのかというと多くのプリンは卵を使う際に卵黄を多めに使うことが多いそうですが、卵は本来1つの卵の白身と黄身のバランスが成り立つことでひなが生まれることから、この黄金バランスを崩さずに作るとのことです。

一品一品に対して、オーダーの来栖さんがお料理について、単一、シンプル＋オリジナリティについて説明をしていただけ本来忘れかけていた素材の味というものを実感させていただきました。

色々な料理法、食材が手に入る現在において忘れかけていた、食材本来の香り、味の大切さを学ばせていただきました。