トマトの風味とバジルの香り豊かなトマトソースのスパゲッティー : COVA TOKYO

JR有楽町駅中央を出て左手、有楽町電気ビル１階にあるイタリアン・レストラン。
ペニンシュラホテルの向かい側に位置しているので、駅から向かうとビルの裏側になります。

鮮やかなコバルトブルーを基調としてモダンな外観で、冬場のためパラソルが閉じられていましたが、店前にはテラス席もあります。
ドアを開けると、年配のスタッフから「お食事でのご利用でいらっしゃいますか？」と問われ、右手から続くレストランの壁に沿ったソファー席に案内されました。
（入口すぐ目の前にケーキが並べられたショーケースがあり、左手にティールームもありました。）
わずかに照明を落とした落ち着く店内は、壁にはややレトロな写真がかかり格調高さが感じられます。
平日１３時１５分過ぎだったので、４、５割程席が埋っていました。

ランチメニューは以下の通り。

シェフのスペシャリテ（お食事前に小さな一皿、季節の前菜、厳選素材の手打ちパスタ、魚料理、肉料理、デザート盛り合わせ、コーヒー・紅茶）　7,800円
ビジネスランチ（旬の前菜盛り合わせ、自家製手打ちパスタ、魚料理もしくは肉料理、デザート盛り合わせ、コーヒー・紅茶）　3,800円

■パスタランチセット（すべてに自家製フォカッチャとグリッシーニ、ハーフサラダ付き）
Ａ．野菜具だくさんのCOVA風ミネストローネ　1,479円
Ｂ．コヴァ特製ボローニャ風ミートソース　スパゲッティー　1,587円
Ｃ．自家製トマトソースのスパゲッティー　1,587円
Ｄ．コヴァ特製のラザニア　1,706円
Ｅ．自家製パルパルデッレ　イノシシの赤ワイン煮込みのソースで　2,041円
Ｆ．自家製タリオリーニ　黒トリュフのカルボナーラ仕立て　2,268円

■サイドメニュー
ミネストローネのカップスープ　432円

■ア・ラ・カルト
３種類のパニーノ（白身魚のフライ、モッツァレラとトマト、プロシュートコットとブリーチーズ）　1,360円
仔牛のカツレツ・水牛のモッツァレラとトマトのオープンサンド　1,587円
自家製ピッツァ（ハーフサラダ付き）　1,479円
季節野菜のサラダ　1,058円
ハムとチーズのオムレツ　1,360円
厳選素材の前菜盛り合わせ　1,814円
本日の魚料理　2,721円
本日の肉料理　2,721円

■ドリンク
エスプレッソ、ホットコーヒー、紅茶、アイスコーヒー、アイスティー　432円

■ドリンク＆ケーキセット　864円


トリュフに惹かれながらもカルボナーラは好きではないし、パスタをいただきたかったので１番気になった自家製トマトソースのスパゲッティーについて尋ねると、「トマトソースのみを使ったもので、上にバジルが飾られたシンプルなもの」とのこと。
トマト好きでもあるので、自家製トマトソースのスパゲッティーにすることにしました。

ほどなくしてハーフサラダが運ばれてきました。

ハーフサラダ：　彩り良く盛られ、ハーフサラダというにはご謙遜！
紫をアクセントカラーにした美しい盛り付けです。

サニーレタス、トレビス、ベビーリーフ、エンダイブ、セルバチコ等の葉野菜にミニトマト、紫人参のスライスが散らされ、中央には紅芯大根の千切りがのっていました。
キューブ状のものは見かけビーツかと思ったら、いただいて紅芋だとわかりました。
まろやかなオリーブオイルと塩胡椒だけの味付けなので、野菜の新鮮さとお味がストレートに伝わってきます！
とりわけ紫人参の甘さが際立ち、ほっくり甘い紅芋の食感も楽しかったです。

サラダをいただいていると、フォカッチャ２つとグリッシーニがバスケットに入って運ばれてきました。

フォカッチャ：　軽く温められていました。
周囲がさくっと、中がふんわりもちっとして、オリーブオイルの良い香りが漂います。
塩加減もちょうど良く美味しかったです。

グリッシーニ：　サクサクと香ばしく、歯応え良いです。
お料理の合間にいただくのも良いですが、ワインをいただきながらおつまみ的感覚でいただくのも良いですね。

それほど間隔置かずパスタが運ばれてきました。
コースメニューではないのでOKですが、サラダからけっこう続けざまに提供されました。

自家製トマトソースのスパゲッティー：　トマトソースに和えられたスパゲッティーがこんもりと盛られ、上にフレッシュバジルが置かれていました（スタッフの方の説明通りです）。

クルクルとフォークに巻きつけていただくと、フレッシュトマトを感じさせるとろりとしたトマトソースがパスタに絡んで美味しいこと！
香り良いオリーブオイルと綺麗に乳化していますが、所々トマトの果肉も感じられ、トマト好きとしてはそこがたまりません。
オリーブオイルはそれなりに多く使われていると思いますが、オイリーと感じさせない上品な使い方。
酸味は程好く、塩味を効かせてあることでトマトの甘味と旨味が引き立てられています。

麺はもちろんアルデンテで、最後までコシがだれることなく非常に美味しくいただきました。
（最初は良くても途中からだれてしまうのは、やはり麺の質とシェフの技術なのかもしれませんね。）


トマトの美味しさを引き出し、丁寧に作られたトマトソースのスパゲッティーがいただけました。
他の具材を入れず、トマトソースだけで勝負しているのは素材の味に自信がある証拠。
サラダもハーフサイズかと疑うほどしっかり量があり、新鮮な野菜の風味を活かした味付けでレベルの高さが伺えました。

サラダは量がありますが、パスタはやや少なめでフォカッチャもいただくとちょうど良い量ぐらいなので、男性にはやや少なめだと思います。

お値段はお高めですが、値段に見合った納得できる味わいの料理をいただくことができました。
価格帯からしてディリー使いとはいきませんが、格安でまぁまぁなパスタをいただくより、たまには本格的な味わいのものをいただく方が満足度は高いように思います。

本店はイタリア・ミラノにある老舗らしく、接客は非常に丁寧。
料理提供のタイミングが早かったのはやや気になりましたが、まぁ許容範囲。
非常に残念だと思ったのは、ソースが少し残った状態の皿を下げられそうになったこと（美味しいトマトソースだったので、フォカッチャと一緒にいただくつもりでした）。
それほど混んでいる時間帯でもなく、まだ食事中の方もかなりいらっしゃったので（尚且つ、皿を放置して長居、もしくはおしゃべりに夢中になっていたわけでもないので）、これにはやや疑問が残ります。

私がお店を出る頃には店内も空いてきましたが、女性同士の集まりの他にサラリーマンと思われる方の打ち合わせも見受けられました。
もう少し暖かくなったら、外でのカフェ利用もきっと気持ち良いことでしょう。
駅からも近く、雰囲気も良いので、デートからカジュアルな接待まで幅広く使えるお店だと思います。

接客面でやや気になるところはありましたが、料理の味と総合的観点から、今回はやや甘めの評価とさせていただきます。