ホットケーキが消えた!?
パンケーキがブームの陰で、これまでのホットケーキは、どうなったのでしょうか? 食べログで「ホットケーキ」ランキングを検索してみたら、「ホットケーキ」というカテゴリーがありませんでした。ホットケーキはいったい、どこへ行ってしまったのでしょうか? 調べてみたことをまとめてみました
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このまとめ記事は食べログレビュアーによる57件の口コミを参考にまとめました。
出典: bottanさん
食べログでホットケーキを検索したのですが、そのカテゴリーがなく、探しに探して、やっと「ホットケーキ」として提供しているお店がありました。
なんとそれは、フォアグラのホットケーキというので、驚きです。写真を貼り付けることができなかったので、あしからず。下記のリンク先で見ることができます。
フォアグラのホットケーキ。ほんとにホットケーキです。中のフォアグラはとろとろ。大葉がいいアクセント。
出典: onikumaさんの口コミ
いつの間にやなら、ホットケーキというものが、駆逐(?)されてしまった感がありますが、そもそも、ホットケーキとパンケーキの違いって、なんなんでしょう・・・・
【要約】パンケーキとホットケーキの定義は?
●世間一般の理解は
「パンケーキはスクランブルエッグやベーコンと一緒に食べる食事系のもの」
「ホットケーキが蜂蜜やメープルシロップをかけた甘いもの」。もしくは、
「ホットケーキは厚みがあって、パンケーキは薄いタイプ」。
以上のように思っている人もいるのでは?
●文献で調べた結果
パンケーキとはフライパンなどで焼いたケーキの総称。
フランス語の「パケヌ」が英語のパンケーキにあたり、
クレープ生地でクリームなどを巻いた甘いものから、前菜にもなる塩味系のものまで幅広い。
つまりはパンケーキの中にクレープもホットケーキも含まれる、といった解釈。
●森永製菓の見解・・・(ホットケーキ、パンケーキミックスを販売しているので森永に問い合わせ)
◎ホットケーキの定義・・・
「森永製菓によれば」「諸説あるようだ」と前置きのもと、
「ホットケーキは小麦粉、卵、牛乳、砂糖などを混ぜて、フライパンなどで円形に焼いたもの。
甘くて、厚みのあるものをホットケーキとしています」との回答。
◎「パンケーキ」について・・・・
「砂糖不使用で甘くなく、食事に合うような品質にしています」
(あくまで同社のミックス粉についての説明。)
◎まとめ・・・・
「ホットケーキは厚みのあるスイーツ系、パンケーキは食事系」
⇒これらの見解は、あくまで、「森永製菓の見解」であるということに注意。
パンケーキとホットケーキの違いについて調べてみたところ、それを語るサイトがい~っパイ。これらの情報が、「何を元に」「何を参考に」「何を根拠に」「誰が」語っているのか。そんなことをウォッチしてみるとおもしろいです。サイトの説明は、リンク先のアドレスを入力した時に、表示される解説をそのまま表示しています。
こうして、「ホットケーキ」と「パンケーキ」の違いについて解説されたサイトを並べてみると、元になった参考情報があることがわかります。その情報がどのように切り取られ、解説されるかによって、若干のニュアンスが変わって伝わります。
自分が見ているサイトの解説は、何を元に語られているのか。その大元の情報を見極め、そこから切り抜かれるときに、齟齬がおきていないか。そして、参考にされた大元の情報そのものが正しいのか、その見解は、業界全体として受け入れられていて根拠があるのか。そんなことにも、目を向けてみると・・・・・
結局のところ、「ホットケーキ」と「パンケーキ」の定義はない というところにいきついてしまうのでした。
今回、パンケーキについていろいろ調べていて、面白い話を目にしました。なぜ、ホットケーキではなくパンケーキなのか・・・・・
【要約&補足】
■ 理由1<カテゴリーイメージを変化させた>
パンケーキ、ホットケーキは、以前からもあった。しかしホットケーキは、家でミックスを買って焼くというイメージが定着している。そこで、ホットケーキをパンケーキと名称変更し、全く別の食べ物かのように、新たなカテゴライズをした。その際に、さまざまな目を引くトッピングを加え、話題性も付加。カテゴリー名称を変えることで、パンケーキがおしゃれな食べ物に変わった。
(以上のような理由で、世の中に「ホットケーキ」という言葉がなくなってしまったことがわかりました。)
■理由2<海外のトレンドイメージを付加させた>
パンケーキブームの発祥はハワイで大人気のeggs'n Thingsによるところが大きい。それ以前に、「世界で一番おいしい朝食」と言われたbillsも日本に進出していたことが、相乗効果となって、パンケーキのトレンドができあった。
(「海外でブーム」「世界一」そんな言葉に日本人は弱いことが伺えます。過去には「シナボン」その後のブームを見ても、「クロワッサンドーナツ」などなど、○○○で人気、行列というものに、好奇心と行動をおこさせる原動力があるようです)
■ 理由3<出店場所が集中した>
eggs'n Thingsとbills表参道は直線距離にして100m。この2点を中心にして近隣にパンケーキ店が多数出店した。これにより、表参道に行ったら「パンケーキ」という流れができた。これは旅行者の定番行動となる。
そして、一カ所に同業種店が重なるメリットも。行列で入れなくても、代替え店がみつかる。出店場所が集中することで、街全体の集客力が増し、トレンドは加速した。
(これは、餃子の街、○○焼きそばの街などにみられる手法と同じですね。利用する側も、そこに行けば、いろいろな味が楽しめるというのは、メリットが大きいです)
■ パンケーキ店のマーケティング戦略
パンケーキの視覚効果が、SNSの拡散の効果を得て広がったeggs'n Things、「世界一美味しい朝食」のbills。いずれも、マーケティング戦略があたった例ともいえる。
その後、すでにパンケーキの下地ができ、激戦区にあえて参入したお店のマーケティングも、一目に値する。そのキャッチコピーは、「”ハワイ”でもっとも美味しい朝食」。”世界一”は、既出なので、「ハワイ」と限られた地域に限定して、一番おいしいという触れ込み。「一番」というのはごく限られた範囲であっても、訴求効果は大きい。が、その裏付けとしてメディアや評価機関の調査で信ぴょう性が増す。ところが、味覚はもともと主観にすぎないという大前提があるため、そういうものかなと納得させる力も有す。実際に、ハワイに毎年行っているという筆者は、もっとおいしい朝食を知っているという。
(しかし、ここは言ったものが勝ち(?) 裏付け調査もいくらでも、結果を誘導できてしまいます。→こちらが、そのような調査だったというわけではないのであしからず)
さらに、後発部隊は、レシピブックを発売することで、業界のオピニオンリーダー的イメージが作られているそう。パンケーキをブームとしてでなく定着させていこうという方向性が感じられるのだそう。
(飽きやすい日本人。次にまた、「○○で一番おいしい○○」なんて登場したら、そっちに向かってしまいそうな気がします (笑) ただ、最後に残る、数店の中に入ればおなぐさみ)
いつの間にか、ホットケーキの存在がなくなっていました。その理由を調べてみたら、どうやら、新たに現れたパンケーキに「あなたなんてもう古いのよ! これからは私の時代よ・・・・」って隅っこに追いやってしまった結果のようでした。
それは、古いものの名称を変えることで、イメージを一新し、新しいものとして世の中に受け入れさせる手法。名前を変えたら、新しいものに感じてしまう。この手法って、具体例が思いつきませんが、これまでもあったような気がします。
そして、「パンケーキ」と「ホットケーキ」
実は、業界としての定義のようなものがないのに、なんとなくこういうものかな・・・ということで分けられているのが現状。食品偽装の時にも似たような状況がありました。食品業界って、こういうあいまいなことが多いと感じる世界だったのですが、また一つ曖昧さが増えました。
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※本記事は、2014/12/07に作成されています。内容、金額、メニュー等が現在と異なる場合がありますので、訪問の際は必ず事前に電話等でご確認ください。