【鶴見】江戸の洒落の集大成『おかめそば』

出典:ランチ向上委員会さん

【鶴見】江戸の洒落の集大成『おかめそば』

みなさんは、おかめそばをご存知でしょうか?首都圏にある老舗の蕎麦店なら多くのお店のメニューに載っているので見かけたことはあるかと思いますが、食べたことがある人は少ないかと思います。「いったいどんな蕎麦が出てくるんだろう」といった、みなさんの好奇心に応えるまとめの第3弾です。

記事作成日:2021/03/20

2093view

このまとめ記事は食べログレビュアーによる92の口コミを参考にまとめました。

そもそも、『おかめそば』とは??

おかめそばの発祥は、幕末までさかのぽります。
下谷七軒町(上野の不忍池に面する、現在の台東区池之端付近)にあった『太田庵』の発案とのこと。
蝶型に結んだ湯葉、マツタケ、三ツ葉、かまぼこなどを使い、おかめの顔に見立てて盛り付けるという、種もの(具の入るかけスタイルの汁そば)です。
また、「岡目(傍目)八目(当事者よりも第三者のほうが、冷静で客観的に物事を見れるという意味の四字熟語)」からの酒落で、「五目より、三目多い、岡目八目」ということで、「岡目=おかめ」としたという説もあります。
いずれにせよ、福を呼び込む『おかめ』にちなんだ、何とも縁起のいいメニューですね。
現代においては、「具のバラエティが豊富で自由度の高い種もの」というぐらいのメニューですが、その分、お店の個性が出ますね。
江戸の酒落が効いたメニューは、お店の個性があふれる楽しい蕎麦です。
鶴見エリアは、京浜工業地帯の下町っぽさと首都圏へ通勤する住宅街がある場所です。そのため、各店、低価格なれど趣向を凝らしたおかめそばが並びます。

竹本

JR鶴見線の安善駅前、改札を出て徒歩0分という立地にあるお店です。

工業地帯にあって、蕎麦店ですが定食メニューが充実し、夜は居酒屋的な利用もできるお店になっています。

工業地帯の定食屋的お蕎麦屋さん

具は、なると2枚、かまぼこ2枚、麩2個、伊達巻、ほうれん草ですね。
薬味のネギは。一般的には別盛りで提供されますが、汁に浮いています。
手前側にかまぼこ2枚が配されているのは、伝統的なおかめそばの盛り付けに近く、これは頬を表すものです。
ほうれん草が上部にあるのでこれが髪かなぁとも思いますが、無造作に配置された伊達巻が惜しいですね。伊達巻を鼻筋にして、なるとと麩を線対称に配置すると顔っぽくなると思います。

大村庵

工業地帯の手前の静かな住宅街にある街のお蕎麦屋さんです。

住宅街は高齢化が進んでいるようで、リタイアしたお父さんたちの昼飲みスポットとして賑わっているお店です。

昼飲みスポットの完成度の高いおかめそば

具は、かまぼこ2枚、なると2枚、麩2個、タケノコ、椎茸、わかめ、玉子焼きです。
見た目のおかめ顔レベルは高く、中央のタケノコを中心にして線対称に近い配置です。ちようど、先端部分が使われたタケノコが鼻筋っぽいですね。上部に盛られたかまぼこ、次のなるとまでのところで何となく、眉毛や目のような雰囲気になっています。
下の方は、何となく盛られた感もありますが、一番下の玉子焼きが口っぽさがありますね。
こちらも、薬味のネギが既に盛られています。

やぶ仲

JR鶴見線の鶴見小野駅前にある蕎麦店です。
鶴見線の駅前は、どこも小さな商店街的なものがありますが、お店の閉店は進んでいます。しかしながら、蕎麦店は頑張って営業していることが多いですね。

都会のローカル線の駅前で発見!見事なおかめ顔

具は、かまぼこ2枚、なると2枚、麩2個、ゆで卵半分、伊達巻、椎茸、わかめですね。
7種ですが、2個ずつ入るものが3種あるので具の量は多い印象です。これだけ入って700円はなかなかの安さでしょう。
なるとが目で、ちょうどピンク色の模様が目玉に見えます。
その下は麩なので、ここが頬でしょう。
ゆで卵が丸いですが鼻です。そして、その下には椎茸があり、口となるわけです。
髪の毛に位置するところにわかめを配置してあり、色合い的にもぴったりですね。

林屋

京浜急行の鶴見市場駅近くにあるお店です。

お店は平日のみ、営業時間が11時から14時という短時間なのが特徴です。

色鮮やかなおかめそば

具は、かまぼこ2枚、なると2枚、麩2個、ゆで卵半分、わかめ、絹さや、カイワレ大根です。
盛り付けは、顔をまったく意識していない五目そば的な盛り付けになっていますね。
絹さや、カイワレ大根の緑色が、具の種類オリジナリティと彩りにプラスに作用しています。
なるとのピンク色、ゆで卵の黄身の黄色もあり、色鮮やかなおかめそばです。

長寿庵

鶴見区矢向の住宅街にあるお店です。

静かな住宅街でしたが、向かいに低価格指向の大型スーパーの『ave』ができたのでお店の前の交通量が急上昇しています。

岡目(傍目)八目達成のおかめそば

具は紅白のかまぼこ、たけのこ、椎茸、麩、なると、小松菜、伊達巻、三つ葉です。
無造作に配置され、顔をっぽさはありません。
しかし、品目数は八目あるので、『岡目(傍目)八目』達成のおかめそばですね。

長寿庵

鶴見区の本町通りにあるお店です。

先に紹介した矢向のお店と同じ屋号ですが、『長寿庵』の屋号は関東に大変多いのです。
暖簾分けが比較的容易で、メニューにも自由度があり、組合もしっかりしていたというのが理由でしょう。
どこからの暖簾分けか、系譜がはっきりしているのも特徴であるため、たどれば、ふたつの長寿庵の接点も見つかるかもしれません。

種類は少ないが、具の量は豊富なおかめそば

具は、麩が2個・なると2枚・かまぼこ2枚・しいたけ・伊達巻・小松菜です。
顔を意識した配置ではありませんが、多くの具が2枚ずつというのは、サービスがいいですね。

朝日屋

三角交差点近くの昭和の風情があるお店です。
残念ながら、現在は閉店してしまいました。
外観だけでなく、店内も「これぞ、昭和」という雰囲気のお店で、コカ・コーラの冷蔵庫の醸す雰囲気がよかったです。

哀愁の蕎麦店のおかめそばは、五目そばタイプ

具は、なると2枚、かまぼこ2枚、伊達巻、椎茸、麩、海苔、ほうれん草です。
五目そば的な盛り付けですが、650円という安さも昭和の価格でお店の特徴ですね。

メニューには『おかめうどん』が書かれていました。かき玉うどんのように具に応じて麺が決まっているメニューが一部ありますが、一般的には『おかめ』は『そば』です。
五目うどん的なメニューは『しっぽくうどん』となるのですが、今となっては謎ですね。

※本記事は、2021/03/20に作成されています。内容、金額、メニュー等が現在と異なる場合がありますので、訪問の際は必ず事前に電話等でご確認ください。

ページの先頭へ