画竜点睛を欠く : カンブーザ

JR横浜駅「きた西口」より鶴屋橋を渡って徒歩5分。
もさもさと蔦に覆われたレンガ調のファサードが特徴的なビルにて営業の「カンブーザ」さん。

横浜で
⁡
「『ピッツァ』っちゅーたら」
⁡
真っ先に名前が挙がるであろう有名店さんです。
⁡
こちらは1階がピッツェリア、2階がリストランテと、フロアがお料理や用途別に分かれています。
⁡
前回の訪問時にも事前に問い合わせたのですが、リストランテは予約で満席。
1名で予約を入れようとすると、マジに空きが有りません。

今回は早めの予約に成功。
2階にてコースを頂きます。

◯ 【食べログ限定LUNCH】Pranzo Cコース -はじまりの古樹茶付-
⁡
オーダーは食べログからの予約限定となる、プランツォCコース。
店舗公式サイトに記載の「シェフのおまかせコース」に、食前のお茶が追加されたものと思われます。

スープ、前菜2皿、ピッツァ or パスタ、セコンド、ドルチェ&カッフェを含む全8品のコースです。
⁡
◯ 徳昴古樹熟茶
⁡
ウェルカムドリンクは、お店ご自慢の「古樹茶」。
古樹茶とは樹齢300年オーバーの古木から採れるお茶を指します。

カンブーザさんでは複数の茶葉をラインナップ。
ピッツェリアに限らず、イタリア料理店で中国茶を推しているお店は珍しいように思います。
⁡
銘柄は徳昴古樹熟茶。
中国の少数民族である徳昂(どあん)族が育んできた、古茶樹の茶葉から作られるプーアル熟茶です。
⁡
色味からして、さぞ渋かろうと思いきや？
渋味を殆ど感じさせない、軽い口当たりに瞠目！
その上で深いコクと甘みを感じさせます。
⁡
プーアル茶らしい「樹の香り」もしっかりと楽しめ、飲む森林浴といった風情。
古樹茶、流石です。
⁡
◯ はじまりのひとくち
⁡
コースのスターターは、ひと口サイズのスープ。
バターナッツカボチャのズッパでした。
⁡
カボチャ類独特の甘みに、文字通りナッツのような香ばしさ。
ほっこりと気持ちを温めてくれると共に、胃袋のエンジンをかけてくれます。
⁡
◯ 真蛸とムール貝のサラダ仕立て
⁡
冷たい前菜は海鮮のサラダ仕立て。
真蛸とムール貝を軽くマリネしてあり、この塩加減・酢加減が絶妙！
⁡
下に敷いた野菜はプンタレッラ。
ローマ名産の野菜なのだそうで、もっさんは初めて頂く品種でした。
⁡
チコリの仲間で、チコリと同じく食べる部分は花茎。
丁寧にアク抜きがしてあり、シャキシャキとした歯応え。
マリネの酸味の後から、ほんのりとほろ苦さが追いかけてきます。
⁡
◯ 生シラスのフリット
⁡
温かな前菜は生シラスのフリット。
そのまま生姜醤油で行けそうな新鮮な個体をふっくらと揚げており、まあ〜〜贅沢な味わい。
君はレモンをたっぷりと絞っても良いし、絞らなくとも良い。
⁡
シラスの名産地、駿河湾を望む横浜らしいひと皿です。
⁡
◯ ピッツァ アル フィレット
⁡
ピッツァとパスタから選べるプリモプアットは、やっぱりピッツァを選択！
⁡
ピッツァはマルゲリータ アル フィレット
フレッシュなミニトマトを乗せたマルゲリータです。
カメリエーレさんのご提案に乗って、チーズをフィオル ディ ラッテからプローヴォラに変更しています。
⁡
契約農家さんから仕入れるという、ミニトマトの素晴らしい甘さと美味しさ！
只でさえバランスの良いマルゲリータに、ミニトマトとプローヴォラのアクセントが加わって、正しく鬼に金棒と言うべき。
⁡
カンブーザさんのピッツァは全体的に薄く、コルニチョーネ(フチ)も余り大きくは盛り上げないスタイル。
前回はピッツァのみを頂いたので「独特だなあ」という感想に留まりましたが、今回のようにリストランテのコースの一部として頂くと、ヴォリューム感を含めて

「成る程、コースへピッタリとハマるな」

という印象に変わりました。
⁡
◯ 幸福豚のソテー
⁡
セコンドは幸福豚のソテー。
幸福豚も初めて頂く品種でした。
イギリス発祥の黒豚「サドルバック」と白豚を掛け合わせた、かなり珍しい二元豚だそう。
⁡
この豚さんがまあ美味い！
肉の旨みの濃厚さもさる事ながら、脂身の甘さ・香りの上品さには度肝を抜かれました。
薄いピンクを保った完璧な火通しがまた、豚肉の良さを端的に表現しています。
⁡
マルサラ酒のソースも、舐めるように拭って残さず頂きます。
すいませんパンのお代わり下さい。
⁡
◯ ドルチェ&カッフェ
⁡
ドルチェは洋梨のタルトとミルクのジェラート。
更にビスコッティも付いて、非常に満足度高し。
カッフェはエスプレッソをお願いしました。
久々のコーヒーが沁みる！
⁡
◯ 芳香小野菊
⁡
コースに追加のドリンクは、古樹茶より芳香小野菊。
その名の通り小さな野菊を用いたフレーバーティーです。
⁡
パイナップルやパッションフルーツを想起させるトロピカルな香りが特徴的。
ある意味、中国茶とは思えない程。
前回に一度頂いて、すっかり気に入った銘柄です。
⁡
コースの質とお味には、なんの文句も有りません。
⁡
但し。
食べログ、及び公式サイトに於けるコースの記載には、疑問を感じずにおれません。

こちらは食べログから、2025年11月17日現在のBコースの説明文のスクショです。

同じく、Cコースの説明文のスクショです。

両者の説明文の違いから、もっさんは後者を

「Cコースでは、ピッツァとパスタの両方が頂ける」

という意味で読みましたが、実際にはピッツァ or パスタを選ぶ形式でした。

このような記載のミス？ 或いは紛らわしさによって、残念ながらコースは画竜点睛を欠いたと言わざるを得ませんでした。
改善すべき点として、苦言を呈させて頂きます。
ご馳走様でした。

横浜駅から徒歩で7分くらい。
蔦に覆われた煉瓦調のファサードが印象的なビルにて営業の「カンブーザ」さん。
⁡
「横浜で『ピッツァ』っちゅーたら」
⁡
真っ先に名前が挙がるであろう有名店さんです。
⁡
お店は2階がリストランテ、1階がピッツェリアと用途別に分かれています。
カンブーザさんに併設のピッツェリアが「ピッツェリア イッカイ」さん、と言った方が分かり易いでしょうか。

⁡もっさんは訪問の前週に横浜行きを決めたものですから、2階の予約は取れず。
最低、2週間前には予約を入れないと難しいようです。
再訪を期して、今回は1階にてランチを頂きます。

◯ ランチ

ピッツェリア イッカイさんのランチは、もっさんの訪問時でピッツァ8種・パスタ3種がメニューイン。
メインのピッツァ or パスタに前菜とカッフェが付いてくるセットオーダーが前提となります。
お好みで、ドルチェを追加することも可能です。
⁡
◯ 前菜
◯ パン
⁡
前菜は5点の盛り合わせ。
中央上から時計回りに
・生ハムの燻製
・そら豆のペースト
・鶏ハムのトンナートソース
・自家製モッツァレラのカプレーゼ
・スマカツオのカルパッチョ
⁡
いずれも丁寧な仕事が施されており、カンブーザさん・イッカイさんのお料理の「間違いなさ」を端的に示してきます。
⁡
白眉はカプレーゼで、用いるモッツァレラチーズはなんと自家製とのこと！
フィオル ディ ラッテ(牛乳のモッツァレラ)でも鮮度が良く上質なものは、水牛のモッツァレラに伍すると思っております。
このモッツァレラが、正しくそれでした。
⁡
パンは薪窯による自家焼成。
オレガノを練り込んであり、かなり歯応えのある硬めのパンでした。
⁡
◯ 月光白
⁡
ランチセットとは別にドリンクをオーダー。
おススメの「古樹茶(樹齢300年を超えた古樹から作られるお茶)」より「月光白」を頂きます。
イタリア料理の食中ドリンクとして、中国茶を推しているお店はかなり珍しいように思います。
⁡
月光白はかつて「月光美人」と呼ばれていた銘柄。
焙じ茶のようなコクと香ばしさに、白茶らしい甘みを備えています。
古樹茶旨し！
⁡
◯ マルゲリータ
⁡
メインのお料理は勿論ピッツァから。
初訪問のお店のお約束で、マルゲリータをお願いしました。
⁡
生地はナポリ式ですが、コルニチョーネ(フチ)を高く盛り上げない独特のスタイル、
ピッツァ中心部のてろんとした柔らかさと相俟って、「もっちり食感」を前面に押し出したデザインのように見受けられました。
⁡
サルサ ポモドーロとチーズもたっぷり！
ちょっと持ち上げ辛いくらい(笑)。
そしてチーズが旨い！
⁡
◯ ボスコ
⁡
ピッツァを単品でもう一枚頂きましょう。
オーダーはボスコ。
トッピングにリコッタチーズも追加でお願いします。
⁡
登場のボスコ。
これは可愛らしいですなあ！

「森林」を意味するピッツァには、数種のベリーとベリーソースが乗せられています。
クリスマスシーズンにめっちゃ売れそう(小並感)。
⁡
ベリーやベリーソースを用いるといっても、後者はジャムではありません。
同様にジェラートやパウダーシュガーを用いてもおらず、この見た目ながら。
⁡
「ドルチェピッツァでは無い」
⁡
のが実にユニーク！
きちんと甘塩っぱいお食事系ピッツァに仕上がっているのはお見事。
素晴らしいデザインです。
⁡
◯ ティラミス
◯ 芳香小野菊
⁡
お食事の〆にはランチドルチェを追加オーダー。
本日のドルチェ、ティラミスとパンナコッタから前者をチョイス。
⁡
ティラミス自体の美味しさも勿論ですが、ベリーソースやクラッシュしたピスタッキオを添えるひと工夫が素敵。
リストランテで頂くドルチェならではの、高級感が演出されています。

ランチセットに含まれるカッフェは、先程と同じく古樹茶より芳香小野菊をお願いしました。
明るい黄色が特徴のお茶ですので、ガラスカップに入れての配膳は大正解ですね。
⁡
野菊と名は付いていますが、香りはトロピカルフルーツ系。
パッションフルーツやパイナップルのような甘酸っぱい香りが強く感じられます。

東方美人茶は良くシャンパーニュに例えらますが、この芳香小野菊はさながらレイトハーヴェストのデザートワイン。
食後のドルチェと合わせるには最適でした。
⁡
お料理はいずれもクオリティ高く、「カンブーザさん・イッカイさんならでは」という個性を打ち出せているのが好印象でした。
また古樹茶は中国茶の専門店でも滅多にお目にかかれず、その上で価格もお値打ち設定。
人気があるのも当然と言えるでしょう。
ご馳走様でした。
⁡
カメリエーラさんへお願いして薪窯を撮影。
確認はしていませんが、窯の形状からしてナポリのジャンニ アクント製で間違いないと思います。
⁡
アメブロも公開してしております。
ご興味のある方は

「もっさんの食べ歩きブログ」

にてご検索下さい。