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The Tabelog Award 2024 Bronze 受賞店
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専門料理にも掲載される料亭…日本料理『新茶家』
連日連夜、盛岡を離れ今回は奥州藤原三代が往時は京都に勝るとも劣らぬ栄華を極められた奥州江刺へ。そして向かった先は和賀靖公七代目亭主兼料理長が腕を揮われTabelog Award 2023 Bronze賞 受賞に日本料理百名店にも名を連ねられ『専門料理』等、全国の料理人の愛読誌にも掲載され益々注目される創業 百七十有余年の悠久の歴史を持たれる名実ともに岩手を代表する老舗料亭『新茶家』さんへ友人達とともに再訪させていただきました。席は久しぶりに二階の広い部屋へと通していただき先ずはアサヒのスーパードライの瓶ビールで再会を祝し乾杯と渇いた喉を潤しました。料理は古き佳きを大切にしつつ新しいものを取り入れられた京都『瓢亭』さんにて研鑽を積まれた七代目の料理に視覚と味蕾を楽しませていただきました。先付には紅葉が進む落葉の上に菊芋(キクイモ)のチップスと松葉が添えられた菊芋(キクイモ)の摺り流しに花穂(ハナホ)。中には揚げた胡麻豆富(ゴマトウフ)と障泥烏賊(アオリイカ)と柿(カキ)、菊菜(キクナ)と枸杞の実(クコノミ)の胡桃和え(クルミアエ)の二品からスタート。懐石料理の順に倣い凌ぎには鮑(アワビ)の飯蒸し(イイムシ)、飯蒸しの上には蟹子(カニコ)の塩辛(シオカラ)と木の芽(キノメ)で留められておりました。蒸し鮑(アワビ)は柔らかさの中にも程良い咀嚼感が楽しめ旨味とともに楽しめました。料理人の腕の見せどころである椀物には椀種には菱蟹(ヒシガニ)の蟹真薯(カニシンジョウ)、椀妻には名残の松茸(マッタケ)で傘付きの松茸(マッタケ)と軸の部分を千切りにした松茸(マッタケ)、吸口には折れ松葉の柚皮、昆布(コブ)と鰹(カツオ)の合せ出汁の吸地が五臓六腑に染み渡ります。コース料理の花でもある八寸にはボタン海老(エビ)に障泥烏賊(アオリイカ)のいくら掛けに皮剝(カワハギ)と肝(キモ)のポン酢、春子鯛(カスゴダイ)の小袖ずし、銀杏(イチョウ)の葉の下には香茸(コウタケ)の黄身卸し(キミオロシ)、くもこの磯辺焼(イソベヤキ)、焼銀杏(ヤキギンナン)、松茸(マッタケ)の傘にけんちん玉子を詰めた松傘(マツカサ)けんちん焼、向付には真鯛(マダイ)の腹身(ハラミ)に平政(ヒラマサ)、宮城 塩竃産のブランド鮪(マグロ)塩竃(シオガマ)ひがしもの目鉢鮪(メバチマグロ)の中トロをちり酢と割醤油(ワリジョウユ)を使い分けいただき追肴には今が旬の甲箱蟹(コウバコガニ)、外子(ソトモ)は所謂、黒子(クロコ)でしたので内子(ウチコ)がたっぷり入っていることが判ります。ゆるい銀餡(ギンウン)が掛けられた蒸し蟹(ムシガニ)仕立で別にかに酢も供されました。そして炊合せに秋の味覚の秋刀魚(サンマ)のつみれに天然の滑子茸(ナメコ)に剥茸(ムキタケ)の京の雅を感じさせる白味噌(シロミソ)仕立、焼物には黒毛和牛()の注目品種である御當地産の江刺牛(エソシギュウ)のフィレ肉、付合せには松の実(マツノミ)、芹(セリ)、酢蓮根(スレンコン)に焼椎茸(ヤキシイタケ)、卸したての山葵(ワサビ)と香酸酢橘(コウサンカンキツ)、〆の食事は焼魳(ヤキブリ)と蓮根(レンコン)とお揚げさんと蕪葉(カブラハ)の炊込みごはんと香の物と昆布(コブ)と里芋(サトイモ)の他に具沢山の芋の子汁、食後の水菓子に落花生のアイスクリームと甲子柿、柿は仕上げにコニャックを2、3滴落とされいただき和賀店主のお点前の薄茶にて締められました。至福で口福な時間を過ごさせていただきました。料理に合せていただいた酒は日本酒マニア垂涎ものの新政 涅槃亀、乾坤一 純米大吟醸 Ryu Ryu Shinka、日日 秋津山田錦にコニャック仕込の梅酒ソーダ割と素晴らしい料理に相応しいお酒を愉しませていただきました。
創業百七十有余年 北日本屈指の老舗料亭…『新茶家』
週末土曜日の夜は盛岡を離れ奥州藤原三代が栄華を極められた奥州江刺へ。そして向かった先は和賀靖公七代目亭主兼料理長が腕を揮われTabelog Award 2023 Bronze賞 受賞に日本料理百名店にも名を連ねられる創業 百七十有余年の悠久の歴史を持たれる名実ともに岩手を代表する老舗料亭『新茶家』さんへ再訪させていただきました。席は久しぶりに二階の松の間へと通していただき先ずは赤星のラガービールで渇いた喉を潤しました。料理は京都塚原産の『筍(タケノコ)』、炙り『海鼠子(コノコ)』に香りづけに蕗の薹(フキノトウ)の葉が添えた小鉢と宮城 閖上産の香り高き本玉の『赤貝(アカガイ)』に三陸産の稀少な『バフン海胆(ウニ)』に山菜(サンサイ)のウルイに山葵出汁(ワサビダシ)のジュレ掛けの先付二品からスタート。明礬(ミョウバン)を使わぬ『バフン海胆(ウニ)』は表面に軽く蒸気を当てられたことで甘みが際立ち濃厚な味わい。懐石料理の順に倣い凌ぎには気仙沼の漁師 佐々木さんの800㌘アップの立派な『毛蟹(ケガニ)』に泪豆(ナミダマメ)の飯蒸し(イイムシ)に毛蟹(ケガニ)の『かにみそ』と木の芽(キノメ)の天盛り。料理人の腕の見せどころの椀物には炭火焼にされた宮古産の紅いダイヤモンド『吉知次(キチジ)』の椀種に椀妻に静岡産の『新玉葱(シンタマネギ)』にたっぷりの奈良県産の『花山椒(ハナサンショウ)』。昆布出汁(コブダシ)の下支えに使われた鰹(カツオ)の一番出汁(イチバンダシ)の雑味のない清らかな吸い地の旨味に『喜知次(キチジ)』から溢れ出た脂の甘みと旨味、新玉葱(シンタマネギ)の甘みが加わり食欲中枢を『花山椒(ハナサンショウ)』が五味五感を刺激。コース料理の華である八寸には鬼卸し(オニオロシ)が添えられたふわっふわの『鮟鱇(アンコウ)の肝(キモ)』の含め煮(フクメニ)に鹿島産の『本蛤(ホンハマグリ)』の煮蛤(ニハマグリ)、三陸山田産の大粒の『牡蠣(カキ)』の味噌漬焼(ミソヅケヤキ)にプリッとした『蛍烏賊(ホタルイカ)』と辛味が心地良い花山葵(ハナワサビ)、『墨烏賊(スミイカ)』の下足(ゲソ)の焼浸し(ヤキビタシ)に高級食材の『干数の子(ホシカズノコ)』の粕漬(カスズケ)に菜花(ナバナ)の酒を呼ぶ酒肴の数々。油物には宮城県産の『千魚(チカ)』と岩手 一ノ関産の天然物の『楤ノ芽(タラノメ)』、向付には放血神経締めされた白身の『鱸(スズキ)』に新潟産の『墨烏賊(スミイカ)』と黒鮪(クロマグロ)の幼魚『めじ鮪(マグロ)』のトロの炙りに『めじ鮪(マグロ)』の中トロのヅケの三弾構え。『鱸(スズキ)』は腹身(ハラミ)の部分で活かった身質に程良い脂のり、飾り包丁が施された『墨烏賊(スミイカ)』は裏側を炭火(スミビ)で軽く炙るひと手間が加えられておりましたし『めじ鮪(マグロ)』はトロは焼霜(ヤキシモ)で中トロは湯霜(ユシモ)にしてヅケの味比べは鮪(マグロ)好きには堪らぬ味比べでした。炊合せは三陸産の『蝦夷鮑(エゾアワビ)』を使った『あわび』と『白魚(シロウオ)』の玉締めに蕗(フキ)と花山椒(ハナサンショウ)、黄金色の輝きを放つ真鍮(シンチュウ)の小鍋立(コナベタテ)仕立でたっぷりの『鮑(アワビ)』を愉しませていただきました。焼物には御當地 江刺産の『梁川羊(ヤナガワヒツジ)』の炭火焼と京都塚原産の『筍(タケノコ)』の穂先(ホサキ)と根元(ネモト)の二色焼(ニショクヤキ)、強肴には北海道産の『帆立(ホタテ)』の貝柱(カイバシラ)の炙りに『北寄貝(ホッキガイ)』の炙り 鹿児島県産の茹で上げの立派な『車海老(クルマエビ)』とマジックのマッキーより太い4L sizeの太い『ホワイトアスパラ』に岩手金ケ崎産のS sizeの細めの『グリーンアスパラ』と『一寸豆(チョットマメ)』の黄身酢(キミズ)がけ、締めの食事には日本海の宝石 能登産の『のどぐろ』の炭火焼と京都塚原産の『筍(タケノコ)』の炊き込みごはん。先ずは『筍(タケノコ)ごはん』としていただき二杯目は芳ばしく焼かれた『のどぐろ』を載せて『のどぐろごはん』三杯目は『のどぐろ』の身を崩し混ぜ込んだごはんに『花山椒(ハナサンショウ)』を加え一度で三度の美味しさを愉しませていただきました。食後の水菓子は二段構えで前半には田野畑 山地酪農産の牛乳を使い造られた『ブランマンジェ』に愛媛県産の『せとか』、『土佐文旦(トサブンタン)』、宇和島産の『ブラットオレンジ』にフランス産のリキュール『コアントロー』とエキゾチックな風味の『サフラン ジン』のジュレがけに夜桜(ヨザクラ)を表した京風の『水羊羹(ミズヨウカン)』に和賀料理長が点てた『御薄(オウス)』にて卯月のお任せコースの料理はひと通りです。料理に合わせていただいた日本酒は『農口尚彦研究所』無濾過生原酒 春のしぼりたて おりがらみの限定酒に『日日』の松本日出彦さんの超レアな一本に岩手の『ひと雫』純米大吟醸酒。『バフン海胆(ウニ)』に『毛蟹(ケガニ)』、『喜知次(キチジ)』に『めじ鮪(マグロ)』に花山椒(ハナサンショウ)、『あわび』に『梁川羊(ヤナガワヒツジ)』に『のどぐろ』と厳選食材を惜しげもなく使い供され料理の数々。大好物のオンパレードに悶絶の連続。贅沢の極みの御馳走の波状口劇を満喫させていただきました。
祝 Tabelog Award 2023 Bronze賞…日本料理『新茶家』
Tabelog Award 2023にてBronze賞を受賞された百七十年余りの悠久の歴史を持たれる岩手を代表する老舗料亭『日本料理 新茶家』さん。御祝いを兼ねて久しぶりに寄せていただきました。今回のレビューは節分と受賞記念を兼ねて供された和賀靖公七代目亭主謹製の『福ちらし』と『稲荷ずし』のレイティングです。先ずは『福ちらし』を特別に店内でいただかせていただきました。運ばれてきた『福ちらし』は正に『海の宝石箱』状態。酢飯を覆い尽す具材は軽く昆布(コブ)で締めた『真鯵(アジ)』と焼霜(ヤキシモ)にし軽く酢締め(スジメ)にされた『太刀魚(タチウオ)』、天然『本鮪(ホンマグロ)』の赤身にトロ、『帆立貝柱(ホタテカイバシラ)』に『車海老(クルマエビ)』、『生海胆(ナマウニ)』に『いくら』、『穴子(アナゴ)』の沢煮(サワニ)という眼にも美しい折詰でした。焙じ茶(ホウジチャ)とともに美味しくいただき食後には御薄を点てていただき御手前を頂戴致しました。余りの美味しさと美しさに『福ちらし』と『稲荷ずし』を持ち帰り翌日の夜に寝城にてテレビを視ながらYEBISUビール片手にいただきました。『福ちらし』は前夜と同じ内容のもので軽く昆布で締めされた『真鯵(アジ)』と焼霜にし軽く酢締めにされた『太刀魚(タチウオ)』、天然『本鮪(ホンマグロ)』の赤身にトロ、『帆立貝柱(ホタテカイバシラ)』に『車海老(クルマエビ)』、『生海胆(ナマウニ)』に『いくら』、『穴子(アナゴ)』の沢煮(サワニ)という眼にも美しい折詰、一方の『稲荷ずし』は節分に合せ柊(ヒイラギ)の葉が添えられ節分の時期に魔除けとして使われる『柊鰯(ヒイラギイワシ)』をイメージして造られた焼いた鰯(イワシ)の頭(アタマ)を細かく粉砕し柚子(ユズ)を加えた御稲荷(オイナリ)さん2個と鹿尾菜(ヒジキ)と柴漬(シバズケ)の御稲荷(オイナリ)さん3個の一度で二度の味を楽しめる優れもの。添えられた五色豆(ゴシキマメ)成らぬ七福神(シチフクジン)に因んだ七福豆(しちふくまめ)も良き役回りを演じておりました。
平民宰相 原 敬ゆかりの料亭…日本料理『新茶家』
一泊二日の八戸遠征を終え次の目的地は奥州江刺。そして向かった先は百七十年余りの悠久の歴史を持たれる日本料理店『新茶家』さんです。厨房で腕を揮われるのは七代目亭主の和賀靖公氏。先ずは生ビールで渇いた喉を潤します。料理は先付二品よりスタート。涼しげなグラスで供された山椒(サンショウ)オイルの香りが食欲中枢を刺激する南瓜(カボチャ)の冷たいすり流しと『車海老(クルマエビ)』と夕顔(ユウガオ)、モロヘイヤのジュレ掛けの冷やし鉢の二品で『すり流し』は糖度が高い玉蜀黍(トウモロコシ)の甘みを抑えるために生の黒胡椒(クロコショウ)の塩漬の粒と食感のアクセントに針茗荷(ハリミョウガ)が使われ『冷やし鉢』は隠し味に梅(ウメ)の酸味と香味が効果的に使われておりました。懐石料理の順に倣い凌ぎには新物の柚子(ユズ)香る『いくら』の味付で覆われた『いくら』の飯蒸しで細かく刻んだ胡瓜とオクラで食感と喉越しにアクセントを付けられた一品。料理人の腕の見どころの椀物には直前に削れた鮪節(マグロブシ)と鰹節(カツオブシ)と昆布(コブ)の清汁(スマシジル)の吸い地を使い椀種には葛打ちした『虎魚(オコゼ)』、椀妻には岩手県産の『松茸(マッタケ)』、白髪葱(シラガネギ)と輪柚子(ワユズ)の薬味に吸い口に酢橘(スダチ)の椀。清らかな吸い地の旨味が五臓六腑に染み渡ります。そしてコース料理の華となる八寸には蓋付きの器の中には『鰻(ウナギ)の白焼(シラヤキ)』の鰻冊(ウザク)、平猪口(ヒラチョコ)の中には『蛸(タコ)』と香り豆(カオリマメ)の梅浸し(ウメビタシ)、クリスタルの猪口(チョコ)の中には『縞海老(シマエビ)』と海月(クラゲ)の香酒漬(コウシュヅケ)、酸漿(ホオズキ)の中には『螺貝(ツブガイ)』と海苔(ノリ)の磯部和え(イソベアエ)、気仙川の天然の『鮎(アユ)』の塩焼、『真鯵(アジ)』の小袖(コソデ)ずし、『鴨(カモ)ロース』の漬込みに薑(ハジカミ)の酒を呼ぶ酒肴の数々の味を愉しみ向付は多皿構成で前半には噛んだ歯を押し返すような弾力のある『鮃(ヒラメ)』と『石影貝(イシカゲガイ)』を酢橘(スダチ)と塩(シオ)とチリ酢と割醤油を使い分け味わい後半には青森 大間産の天然『本鮪(ホンマグロ)』の中トロとトロを上質な脂の甘みと旨味を堪能させていただきました。焼物には地場産の黒毛和牛の『奥州牛(オウシュウギュウ)』のフィレ肉の炭火焼に大粒の銀杏(ギンナン)に焼無花果(ヤキイチヂク)、炊合せ代わりに供された土鍋には三陸気仙沼産の『鱶鰭(フカヒレ)』に和製ポルチーニ茸とも称されるヤマドリ茸に玉子茸(タマゴダケ)と冬瓜(トウガン)の鼈甲餡(ベッコウアン)の小鍋立(コナベタテ)、酢物に北海道産の『毛蟹(ケガニ)』に焼茄子(ヤキナス)にオクラにトマトの臭橙(カボス)出汁(ダシ)に花穂(ハナホ)が添えられた一品、締めの食事には炭火でふっくら焼かれた『甘鯛(アマダイ)』と香ばしさが際立つ焼玉蜀黍(ヤキトウモロコシ)の炊込みごはんに留め椀の味噌汁と香の物、食後の水菓子にはシャインマスカットと紅伊豆(ベニイズ)の2種の葡萄(ブドウ)の味比べと玉蜀黍(トウモロコシ)のアイスクリーム。和賀亭主が点ててくれた薄茶とともに梅餡(ウメアン)の最中(モナカ)をいただき締めた葉月のお任せ懐石コース。有意義で口福な時間を満喫させていただきました。
百七十年余の悠久の歴史を持たれる…料亭『新茶家』
週末 土曜日の夜は友人のアテンド役として北上を経由して『奥州藤原』氏の居城が置かれていた奥州・江刺へと移動。東北新幹線 水沢・江刺駅で友人をピックアップして軽く観光案内後に宿泊先のホテルへチェックイン。大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の放映で再び脚光を浴びている奥州藤原氏は京都の藤原『武智麻呂(ムチマロ)の『南家』、藤原『房前(フササキ)』の『北家』、藤原『宇合(ウマカイ)』の『式家』、藤原『麻呂(マロ)』の『京家』から成る奈良時代初期に権勢を振われた藤原『四家』の傍流であり平安時代にあっては京都と同等の文化水準を持たれていたと伝えられています。鎌倉幕府の源頼朝が最も恐れた奥州の覇者 藤原秀衡公の所縁の地である江刺と平泉。そして予約時間のpm18:00に向かった先はその奥州の地で百七十有余年の悠久の歴史を持たれる岩手県唯一無二の料亭『新茶家』さんです。板場にて腕を揮われるのは辻調卒業後に京都の『瓢亭』さんで研鑽を積まれた後に『柊家』さんで腕を磨かれて帰郷された七代目亭主 和賀靖公料理長です。サックス奏者としてラヂオやテレビのMCとして、またモデルとして全国でアーティスト活躍をされている七代目靖公さんの御姉様のEricaさんの満面の笑みでお迎えいただき一階の個室へと。席に着き先ずは生ビールで乾杯し渇いた喉を潤し料理は取れたてで瑞々しい『根曲り筍(ネマガリタケ)』の炭火焼を蕗味噌(フキミソ)と野田塩(ノダシオ)で味わう一皿と『毛蟹(ケガニ)』の脚肉(キャクニク)と明礬を使わぬ塩水漬の『海胆(ウニ)』のカクテル。毛蟹(ケガニ)の下には西蕨(ニシワラビ)と呼称されるトロミの強い蕨(ワラビ)の叩き。海胆(ウニ)の上には茗荷(ミョウガ)があしらわれ山葵(ワサビ)のジュレと毛蟹(ケガニ)のカニ味噌とともに味わう二つの先付からスタートです。懐石料理の順に倣い凌ぎには炭火で炙った釣りものの『喜知次(キチジ)』と原木の肉厚『冬胡椎茸(ドンコシイタケ)』の蒸し寿司(ムシズシ)。皮目を香ばしく炙られた脂の旨味がマックスな喜知次(キチジ)を受け止めるのは赤酢(アカズ)使いの舎利(シャリ)に霙卸し(ミゾレオロシ)と細かく刻んだエシャロットの微塵切りが佳きアクセント。更には喜知次(キチジ)の肝(キモ)が味の奥行きを増幅。料理人の腕の見せところの椀物には三陸 大船渡産の『油目(アブラメ)』に葛打ちした牡丹鱧(ボタンハモ)ならね油目(アブラメ)の椀種に岩手町産のホワイトアスパラを香ばしく焼いた焼アスパラの椀妻、ザク切りの白葱(シロネギ)に吸口に花柚子(ハナユズ)。京都修学院の碓井豌豆(ウスイエンドウ)の摺流し(スリナガシ)というイノネーティブな要素を加味した斬新さを感じさせる椀物に合わせて『産土2021』山田錦へと移行。コース料理の華である八寸には茅の輪と蘇民将来之子孫也の護符が供えられた『鱒(マス)』の笹寿司から時計周りに『海鞘(ホヤ)』とめかぶ、グリーンアスパラを巻いた『鱸(スズキ)』の八幡巻(ヤワタマキ)には実山椒(ミザンショウ)と木の芽(キノメ)、半熟の炙り唐墨(カラスミ)、丸十蜜煮(サツマイモミツニ)、『車海老(クルマエビ)』塩茹で、『飯蛸(イイダコ)』の桜煮、『芝海老(シバエビ)』のすり身入りのカステラ玉子、『鮟鱇(アンコウ)の肝(キモ)』とミズ。蒸したてふわふわの鮟鱇の肝とシャキシャキのミズの食感のコントラストが妙味。焼物には活けの『若鮎(ワカアユ)』を使った『鮎(アユ)』の踊り焼、添えられた酢は蓼酢(タデス)ではなくクレソンを使ったもの。向付は二段構えで前半には三陸 塩竈産の天然『本鮪(ホンマグロ)』に三陸 大船渡産の『真子鰈(マコガレイ)』に秋田産の『縞海老(シマエビ)』と後半には軽く炙った京都舞鶴産の『鳥貝(トリガイ)』。軽く炙られた『鳥貝(トリガイ)』は香ばしくエロティック。『縞海老(シマエビ)』は甘く、夕締めの『真子鰈(マコガレイ)』は口の中で踊りコリコリとした『縁側(エンガワ)』は凝縮された脂の旨味が溢れ『本鮪(ホンマグロ)』は天然物ならではの脂の甘みと旨味。油物にはコーンスターチを加えた揚げ粉を薄く纏わせサックサクに揚げられた『幼雌穂(ヤングコーン)』、強肴には美味さ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️の『いわて牛』のリブロースと新玉葱(シンタマネギ)の炭火焼ロースト。炊合せには木の芽(キノメ)で留められた三陸 気仙沼産の『鱶鰭(フカヒレ)』の姿煮と京都上加茂産の『賀茂茄子(カモナス)』の揚げ浸し(アゲビタシ)。青みにミニオクラ。上新粉を薄く纏わせられた『フカヒレ』の姿煮はヨシキリ鮫の胸鰭(ムネビレ)二枚で存在感充分。箸休めの酢の物には『フルーツトマト』と『蓴菜(ジュンサイ)』のジュレがけ。そして締めの食事は三陸産の『蛸(タコ)』と山菜の漉油(コシアブラ)の炊き込みごはんを浅蜊(アサリ)に近い大きさの立派な『大和蜆(ヤマトシジミ)』の味噌汁と香の物ともにいただき水菓子は多皿構成で前半にはカカオのアイスクリーム、桜桃(サクランボ)の紅彩(ベニアヤカ)、宮崎産のマンゴー、無花果(イチヂク)コンポートを使った洋風テイストのものと大納言小豆(ダイナゴンアズキ)と碓井豌豆(ウスイエンドウ)で作られた和の王道の水羊羹(ミズヨウカン)。そして和賀料理長が点ててくれた御薄(オウス)をいただき大満足な水無月のお任せ懐石コースはひと通りとなりました。食後は暫し談笑をさせていただき店を後にしたのでありました。アテンドした友人も想像していた以上と大喜びでアテンド役としても嬉しい限り。Tabelogでの評価はロジックの関係でとても低い評価となっておりますが実際の実力は岩手県トップクラス。
岩手県唯一無二の料亭にて卯月のお任せ懐石…日本料理『新茶家』
青森を後にして次に向かったのは奥州藤原氏の居城が置かれていた奥州江刺。そして向かった先は百七十有余年の悠久の歴史を持たれる『新茶家』さんです。京都『瓢亭』さんで研鑽を積まれ『柊家』さんで腕を磨かれた後に帰郷された七代目亭主 和賀靖公料理長が腕を揮われる岩手県屈指の料亭へ友人のアテンド役としてひと月ぶりに再訪させていただきました。先ずは生ビールで乾杯をし渇いた喉を潤します。料理は三陸産の『鮑(アワビ)』の千枚切りに香ばしく炙られた瀬戸内海産の『玉珧(タイラギ)』にホワイトとグリーンの2種類の『アスパラガス』の胡麻(ゴマ)和えと『花山椒(ハナサンショウ)』と英国王室バッキンガム宮殿御用達の『オセトラ・キャビア(OSETRA SUPREME)』の玉地蒸し(タマジムシ)の豪華な先付2品からスタート。懐石コース料理の順に倣い凌ぎには三陸産の『毛蟹(ケガニ)』のオスガニの脚肉(キャクニク)と蟹(カニ)みそ、同じく三陸産の『栗蟹(クリガニ)』のメスガニの内子(ウチコ)と剥き身と菜花(ナバナ)の飯蒸し(イイムシ)、料理人の腕の見せどころである椀物には三陸産の『喜知次(キチジ)』の椀種に京都 塚原産の『筍(タケノコ)』の椀妻、差込に『独活(ウド)』、吸い口に『花山椒(ハナサンショウ)』を使った口劇的な攻めの煮物椀(ニモノワン)。鮪節(マグロブシ)と真昆布(マコンブ)で引かれた出汁(ダシ)の旨味が素晴らしい吸い地の味が五臓六腑に染み渡ります。コース料理の華である八寸には活けの『稚鮎(チアユ)』の天ぷらに一寸豆(ソラマメ)霰焼(ミゾレヤキ)の焼海鼠子(ヤキコノコ)載せ、『紅葉笠(シドケ)』の胡桃(クルミ)和え、遠野産の沢山葵(サワワサビ)を使った自家製の『山葵漬(ワサビヅケ)』に『子持昆布(コモチコブ)』、『車海老(クルマエビ)』に原木『椎茸(シイタケ)』の『鯛(タイ)』の白子(シラコ)和え、京都 塚原産の筍(タケノコ)の『焼筍(ヤキタケノコ)』、ホロホロ鳥のむね肉焼に金柑(キンカン)甘露煮(カンロニ)の酒を呼ぶ酒肴の数々。向付は二段構えで大分県産の大粒で肉厚の『本玉(アカガイ)』と大船渡産の『油目(アブラメ)』の焼霜(ヤキシモ)造りと新潟県産の『針烏賊(ハリイカ)』を割醤油(ワリショウユ)とちり酢を使い分け味わい炊合せには天然『とら河豚(フグ)』の『白子(シラコ)』焼に雪下人参(ユキシタニンジン)と蕗の薹(フキノトウ)と柚子(ユズ)の白味噌(シロミソ)仕立て、焼物には岩手県久慈市山形の柿木さんの『短角牛(タンカクギュウ)』のサーロインと焼き新玉葱(シンタマネギ)を『花山椒(ハナサンショウ)』と『生胡椒(ナマコショウ)』とともに味わい、酢の物代わりに『細魚(サヨリ)』と長芋(ナガイモ)、『花菜(ハナナ)』の出汁酢(ダシズ)ジュレがけ。〆の食事は紅葉笠(シドケ)、蕨(ワラビ)、楤の芽(タラノメ)、屈み(コゴミ)、蕗の薹(フキノトウ)に木の芽(キノメ)と京都 塚原産の筍(タケノコ)の炊込みごはんを『鯛の子(タイノコ)』を炊いたん、『櫻鱒(サクラマス)』幽庵焼(ユウアンヤキ)に『ちりめん』、『山葵菜(ワサビナ)』の副菜と香の物と汁椀とともに味わい、水菓子には『苺(イチゴ)』と『文旦(ブンタン)』の柑橘(カンキツ)ジュレがけと山地酪農牛乳(ヤマジラクノウギュウニュウ)と蕗の薹(フキノトウ)のソルベ、水羊羹(ミズヨウカン)と薄茶(オウス)にて卯月のお任せ懐石はひと通りとなりました。旬の食材をふんだんに使い絶妙な味の抑揚を付けられた五味五感を刺激する料理で味蕾を存分に愉しませていただきました。
琴線に触れる京仕込みの睦月の懐石料理…日本料理『新茶家』
日曜日の夜は再び盛岡を離れ奥州藤原氏の居城が置かれていた奥州江刺へ。そして向かった先は百七十有余年の悠久の歴史を持たれる岩手県唯一無二の真の料亭『新茶家』さんです。京都『瓢亭』さんで研鑽を積まれ『柊家』さんで腕を磨かれた後に帰郷された七代目亭主 和賀靖公料理長が腕を揮われる岩手県屈指の料亭です。席に付き先ずは御屠蘇(オトソ)の一献。そしてキレのある呑み口の生ビールで渇いた喉を潤し料理は『焼くもこ』丸大根(マルダイコン)、芹(セリ)、玉葱(タマネギ)、お揚げさんの粕汁(カスジル)の先付(サキヅケ)からスタートしホロホロ鳥のむね肉のたたきと菜花(ナバナ)の白梅(シラウメ)浸しと自家製の『唐墨(カラスミ)』と『唐墨餅(カラスミモチ)』の祝肴(イワイザカナ)、凌ぎ(シノギ)には『海鼠腸(コノワタ)』を隠し味に使われた『本蛤(ホンハマグリ)』と生湯葉(ナマユバ)の飯蒸し(イイムシ)の薄葛(ウスクズ)仕立、料理人の腕の見せどころの椀物(ワンモノ)には椀種に葛打ちした『九絵(クエ)』に椀妻に新筍(シンタケノコ)、青みに結び壬生菜(ミブナ)、吸口に柚皮(ユズカワ)の五臓六腑に染み渡る絶妙な吸い地の椀をいただきコース料理の華である八寸(ハッスン)には『鮟鱇(アンコウ)の肝(キモ)』の含め煮、『梭子魚(カマス)』焼目ずし、薑(ハジカミ)、『干数の子(ホシカズノコ)』の粕漬(カスズケ)、『甘海老(アマエビ)』南蛮酢(ナンバンス)、和芥子(ワガラシ)で留められた『蛸(タコ)』の柔らか煮、『海鼠(ナマコ)』とろろ、『牡蠣(カキ)の味噌漬(ミソヅケ)』、干し柿(ホシガキ)の胡桃(クルミ)白和え(シラアエ)の酒を呼ぶ旬菜盛合せ。そして向付には塩竈産の天然『本鮪(ホンマグロ)』のトロに『細魚(サヨリ)』と『ボタン海老(エビ)』の二皿、炊合せ代わりに供されたタグ付きの越後産の『本ずわいがに』と扇面蕪(センメンカブラ)、九条葱(クジョウネギ)そして『本ずわいがに』の蟹味噌(カニミソ)の甲羅焼(コウラヤキ)で一度で二度美味しいを楽しませていただき焼物は『本州鹿(ホンシュウジカ)』と青首(アオクビ)と称される天然『真鴨(マガモ)』の二つの主役と揚げ慈姑(クワイ)、楤の芽(タラノメ)の付け合わせをバルサミコソースで味わい食事は三陸産の紅いダイヤモンド『喜知次(キチジ)』の炊込みごはんを香の物と味噌汁とともにいただき水物は多皿構成で前半には焙じ茶(ホウジチャ)のソルベに山形県産の『ル ・レクチュ』、中盤には『いちご』のスープ、後半には『江刺(エサシ)りんご』とカルピスバターの最中(モナカ)、薄茶(オウス)までの全十五皿の渾身の料理の数々を入手困難な『新政』2022干支ボトル新年純米しぼりたて、『宗玄』百万石乃白 純米吟醸、『悦 凱陣』純米吟醸 興、『山川羊男』2021純米吟醸とともに堪能させていただきました。目は口ほどにモノを言う。ではありませんが圧巻の料理の数々の詳細は敢えて割愛させていただきますが日本料理の聖地 京仕込みの料理でおもてなしをいただきました。「甘味」・「酸味」・「塩味」・「苦味」・「うま味」の五味、「視覚」・「聴覚」・「嗅覚」・「触覚」・「味覚」の五感、「赤」・「黄」・「青(緑)」・「白」・「黒」の五色、「切る」・「煮る」・「焼く」・「蒸す」・「揚げる」の五法の『五味』・『五感』・『五色』・『五法』にて目と舌と味蕾を存分に楽しませていただきました。正に『御馳走』の波状口劇に酔いしれた至福で口福な時間に感謝。コロナ禍が続く中、東京へ戻ることも京都に上洛することも出来ぬ中、これほど素晴らしい料理を味わうことが出来る幸せ。これ以上の満足感を与えてくれる店は京都でも都内でもそう多くはありません。とても素晴らしい日曜日。今回の小旅の終着店に相応しい素晴らしい料理とおもてなしをいただき感謝です。
五味五感五色五法これぞ京料理の神髄…日本料理『新茶家』
週末の土曜日の夜は友人達のアテンド役として盛岡を離れて『奥州藤原』氏の居城が置かれていた奥州江刺へと移動。奥州藤原氏は京都の藤原『武智麻呂(ムチマロ)の『南家』、藤原『房前(フササキ)』の『北家』、藤原『宇合(ウマカイ)』の『式家』、藤原『麻呂(マロ)』の『京家』から成る奈良時代初期に権勢を振われた藤原『四家』の傍流であり平安時代にあっては京都と同等の文化水準を持たれていたと伝えられています。そして向かった先は百七十有余年の悠久の歴史を持たれる岩手県唯一無二の料亭『新茶家』さんです。板場で腕を揮われるのは京都の『瓢亭』さんで研鑽を積まれた後に『柊家』さんで腕を磨かれて帰郷された七代目亭主として活躍されている和賀靖公料理長です。予約時間の10分前に店に到着しますと玄関先では料理長の実姉でありアーティストのERYCAさんとお母様の満面の笑みでお出迎えいただき二階の松の部屋へ。友人二人は生ビールをハンドルキーパーでありアテンダント役の自分はノンアルコールビールで乾杯をし渇いた喉を潤し料理は『車海老(クマルエビ)』と栗(クリ)を使い卸したての山葵(ワサビ)で留められた蓮根(レンコン)の摺り流しの先付からスタートです。胃袋をそっと温めてくれる蓮根(レンコン)の摺り流しとともに供された旬の魚の『秋刀魚(サンマ)』と菊菜(キクナ)と丹波占地茸(タンバシメジ)の御浸しの先付で幕が切って落とされた當日の懐石コース、凌ぎには今年は不漁で高値が続く『香箱がに』の蒸しずしと続きました。そして料理人の腕の見せどころの椀物には北海道産の『毛蟹(ケガニ)』の剥き身を寄せて作られた毛蟹真薯(ケガニシンジョウ)の椀種に青みに和蘭芥子(クレソン)、吸い口に柚皮(ユズカワ)を使った清汁仕立ての椀です。昆布(コブ)と鮪節(マグロブシ)を主体にし鰹節(カツオブシ)を下支えにした吸い地が五臓六腑に染み渡ります。コース料理の華である八寸には寒さが増し大きくなり美味さも増してきた真鱈(マダラ)の白子(シラコ)の『くもこ』の霙卸しから時計回りに卵を抱いた『ボタン海老』の香酒漬、特大3Lサイズの『牡蠣(カキ)』の霰揚げ、トリュフの香りをも凌駕する『香茸(コウタケ)』の霙和え、温泉育ちのホロホロ鳥の柚子胡椒焼、『子持昆布(コモチコンブ)』、『鮟鱇の肝(アンコウノキモ)』の奈良漬、身厚の三陸大船渡産の見るからに脂の載った『真鯖(マサバ)』を軽く締め千枚漬(センマイヅケ)で巻いた鯖千枚巻(サバセンマイマキ)の日本酒が進みそうな酒肴の数々に舌鼓を打った後には絶品のちり酢と割醤油で味わう三陸産の天然物の『本鮪(ホンマグロ)』の腹身の部分と『寒鮃(カンビラメ)』の造りの二点盛に上品な脂が美味しい北海道余市産の『天上鰤(テンジョウブリ)』の鰤しゃぶの二段構えの向付と続き焼物には御當地のブランド黒毛和牛の『奥州牛(オウシュウギュウ)』のシャトーブリアンを備長炭を使い焼き上げた和風ステーキを玉葱(タマネギ)醤油(ショウユ)のソースで味わいました。歯を立てずとも口の中の温度で肉と脂が融け淡雪の如く口の中から消えてゆくシャトーブリアンの柔らかさは今までの自分の人生の中で1.2の柔らかさ。筆舌に尽くし難いという言葉が正に相応しい感動ものの美味しい牛肉でした。更には伊勢湾から直送された1㌕超えの立派な活けの『伊勢海老(イセエビ)』が御披露目され一同驚愕。ぷりっぷりの身の部分は胡麻豆富(ゴマトウフ)とともに野蜀葵(ミツバ)をたっぶりと入れていただく小鍋立として堪能させていただき残りは田楽味噌(デンガクミソ)と味わう『伊勢海老(イセエビ)』の鬼殻焼として供され両の手を使い格闘しキレイにしゃぶり尽し余すところなく味わせていただきました。箸休めには明石から直送された天然ものの『真鯛(マダイ)』を贅沢に使い海月(クラゲ)と松の実を香橙(カボス)と柚子(ユズ)で味わう酢の物、そして〆の食事は米どころ岩手でも最も美味しい米と言われる奥州江刺の食味値が日本一とも称される『金札米(キンサツマイ)』の新米の土鍋炊きのごはんに新物の『いくら』に『鰻巻(ウマキ)』玉子に北上産の『二子里芋(フタゴサトイモ)』を使った里芋汁で食事を味わい食後には『生落花生(ナマラッカセイ)』のアイスクリームに『甲子柿(カシガキ)』と丹波産の『栗(クリ)』の渋皮煮を油鍋で揚げた栗の渋皮揚げに和賀料理長が点てた薄茶という先付から水物まで全十五皿の渾身の料理の数々。目は口ほどにモノを言う。ではありませんが圧巻の料理の数々。日本料理の聖地 京都仕込みの素晴らしく贅沢な料理でおもてなしをいただきました。「甘味」・「酸味」・「塩味」・「苦味」・「うま味」の五味、「視覚」・「聴覚」・「嗅覚」・「触覚」・「味覚」の五感、「赤」・「黄」・「青(緑)」・「白」・「黒」の五色、「切る」・「煮る」・「焼く」・「蒸す」・「揚げる」の五法の『五味』・『五感』・『五色』・『五法』にて目と舌と味蕾を存分に楽しませていただきました。正に『御馳走』の波状口劇に酔いしれた至福で口福な時間に感謝。アテンドした友人達は日本酒やワインとともに料理を味わい大満足、自分はクラフトジュースでお相手をさせていただきましたが供された料理内容は今まででも最も素晴らしかったと思います。和賀七代目亭主より「退院のお祝いを兼ねて少し頑張らせていただきました」の言葉をいただき恐縮至極に尽きます。コロナ禍が収束した今、東京に戻ることも京都に上洛することも理由が見出せなくなるほど素晴らしい『新茶家』さんの料理。これ以上の満足感を与えてくれる店は京都でも都内でもそう多くはありません。岩手には『御料理 寺沢』さんや『旬菜和田』さん『いしどりや懐食 新亀家』さんの自分の中での和食四天王店があります。このまま盛岡の地に居を構え留まることも定年後のひとつの選択肢かもしれません。
天高く馬肥ゆる秋 秋香点心弁當…日本料理『新茶家』
秋分の日の祝日のランチは本国Sicilia(シチリア)で研鑽を積まれた経験を持たれる高瀬心平オーナーシェフが腕を揮われるイタリア料理店 Cucina Italiana『Lumaca』さんでPastaランチに舌鼓を打たせていただきました。ランチをいただい後はITO YOKADOやK'S DENKI、YAMADA DENKIに立寄り買物を愉しみ日が暮れてくる頃合いに車を更に南下させ奥州藤原氏も居住されていた江刺へと車を走らせました。そして向かった先は百七十有余年の悠久の歴史を持たれる岩手県を代表する名料亭『新茶家』さんです。Michelin⭐️⭐️⭐️(ミツボシ)の京都『瓢亭』さんで研鑽を積まれた後に『柊家』さんで腕を揮われた和賀靖公 七代目亭主渾身の『秋香点心弁當』三個分の引渡しへと寄せていただき出来立ての御料理が折へと入れられる合間に別室にて茶を点てていただき一服の薄茶をいただき盛込みを終えられたタイミングで声が掛けられ作り立てのお弁當を受取り御代を支払い一路、東北自動車道を使い盛岡へとトンボ帰りし友人宅2ヶ所に立寄り御弁當を手渡しノンアルコールビールをオトナ買いして寝城へと帰城。『点心弁當』の意味は間食や小腹が空いた時に食べられる小さ目の御弁當のことを指します。そして時計の針がpm20時を指したところで御弁當を紐解かせていただきました。折の中には隙間無くびっしりと詰め込まれた料理の数々。笹の葉の仕切りやバラン等を一切使わず料理を綺麗に盛込まれた中身に先ず目が奪われました。中には表面を炙り香ばしさを加えた『梭子魚(カマス)の小袖ずし』に釣りものの天然鮎(テンネンアユ)を使った『香魚(アユ)の炊込みごはん』の俵むすび、『子持昆布(コモチコンブ)』その下に『蔓紫(ツルムラサキ)』、『海老艶煮(エビツヤニ)』、『鶏もも肉の柚子胡椒焼(ユズコショウヤキ)』、『太刀魚(タチウオ)つけ焼』、『帆立幽庵(ホタテユウアン)』咀嚼感が愉しめる『煮蛸(ニダコ)』、『焼穴子(ヤキアナゴ)の山椒煮(サンショウニ)』、『焼舞茸(ヤキマイタケ)』、『飛龍頭(ヒロウス)』、『茶巾栗(チャキングリ)』、『紅葉麩(モミジフ)』その下に『揚粟麩(アゲアワフ)』、北上産の『二子里芋(フタゴサトイモ)』、『巻湯葉(マキユバ)』と『菊菜(キクナ)』、『壬生菜(ミブナ)とボリの菊花浸し(キッカビタシ)』に出汁をしっかり抱いた『出汁巻玉子(ダシマキタマゴ)』の全21品の渾身の料理の数々をテレビを視ながらノンアルコールビール片手にいただきました。いただいた『秋香点心弁當』は一折 2,500円也、しっかりと造り込まれた料亭の味がお手軽に味わえることを考えますと費用対満足度は相当高いと思われます。そしてデザートには『江刺りんご』の『シブースト』をいただき秋分の日のプチリッチな夜の食事はひと通りとなりました。
百七十年の悠久の歴史を持たれる岩手県唯一無二の料亭…『新茶家』
7月の週末の土曜日、口福な時間を求めて盛岡を離れ奥州江刺へ。そして向かった先は百七十年余り悠久の歴史を持たれる岩手県を代表する料亭『新茶家』さんです。板場で腕を揮われるのは『瓢亭』本店さんで研鑽を積まれた後に『柊家』さんで腕を揮われた経験を持たれる七代目亭主の和賀靖公さんです。現在、投薬治療と『禁酒生活』を御指導されております身ゆえ残念ながら今回はアルコール抜きでの食事となりましたが七代目が事前に用意しておいてくれた『神田葡萄園』さんのクラフト葡萄ジュースのシリーズのシャインマスカットのストレートジュースから料理は豌豆豆(エンドウマメ)の若豆『涙豆(ナミダマメ)』と『生海胆(ナマウニ)』がたっぷりと使われ木の芽で留められた鰹(カツオ)出汁の玉締めと桑葉(ソウヨウ)で覆われた『蛸(タコ)』と『焼茄子(ヤキナス)』、香豆(カオリマメ)、モロヘイヤ、梅肉(バイニク)、茗荷(ミョエガ)のジュレ掛けの二品の先付から文月のお任せ懐石料理の幕は切って落とされました。温かい『玉締め』と冷たい『生海胆(ナマウニ)』の相反する温感のコントラストと『涙豆(ナミダマメ)』の旨味が重なった一品と柔らかさの中にも適度な咀嚼感が楽しめる『蛸(タコ)』と日本人のDNAを呼び覚ます『焼茄子(ヤキナス)』の香味、そして香り高き『香豆(カオリマメ)』に舌に当たらぬ程に細かく叩かれた『モロヘイヤ』のネバトロ感と蛸(タコ)に欠かすことの出来ぬ『梅肉(バイニク)』の酸味が渾然一体となる二品の先付の後は懐石料理の順に倣い凌ぎには地焼で皮目をパリッと焼かれた身厚の北秋田産の天然『鰻(ウナキ゚)』と白髪葱(シラガネギ)と針胡瓜(ハノキュウリ)を海苔(ノリ)で包み味わう『鰻葱胡巻(ウナキュウマキ)』は隠し味にに使われた『実山椒(ミザンショウ)』が佳きアクセント。料理人の腕の見せどころの椀物は煮物椀で椀種にはMichelinの赤本⭐️⭐️⭐️店御用達の天竜川の活けの『鮎(アユ)』に踊り串を打ち焼かれた『泳がし鮎(アユ)』椀妻に超極細の『手延べ素麺(ソウメン)』差込に『根曲り筍(ネガマリタケ)』青みに『クレソン』吸口に『酢橘(カダチ)』が使われた『鮎そうめん』です。鮪節(マグロブシ)と本枯節(ホンカレブシ)で引かれた吸い地の清らかな味わいが椀種の『踊り鮎(オドリアユ)』の味を更に昇華されておりました。コース料理の華である八寸には『栄螺(サザエ)』壺焼(ツボヤキ)風の旨煮、『鱒の介(マスノスケ)』の粽(チマキ)、『完熟梅(カンジュクウメ)』の蜜煮(ミツニ)、『穴子(アナゴ)』と『アスパラ』の八幡巻(ヤワタマキ)、『鯵(アジ)』の磯辺巻(イソベマキ)、丹波篠山産の『子熊(コグマ)』の熊肉のロースト、『酸漿(ホオズキ)』の中には『卵黄(ランオウ)』の味噌漬(ミソヅケ)に矢生姜(ハジカミ)の甘酢漬(アマスヅケ)。いづれも美味しいものでしたが中でも芽葱(メネギ)を芯地に鯵(アジ)で包み海苔(ノリ)を巻いた『鯵(アジ)の磯辺巻(イソベマキ)』、グリーンアスパラと三陸産の穴子で作られた『八幡巻(ヤワタマキ)』、ねっとりと舌に絡みつく『卵黄味噌漬(ランオウミソヅケ)』が白眉の味わいでした。更には蓋付きの器で供された玉ちり酢で味わう『鯨(クジラ)』の畝須(ウネス)に舌鼓を打たせていただき向付には能登沖で水揚げされた天然『本鮪(ホンマグロ)』中トロに三陸大船渡産の活けの『星鰈(ホシガレイ)』、北海道産の『北海螺貝(ホッカイツブガイ)』の三点盛をちり酢と割醤油(ワリジョウユ)を使い分け味わいました。蓄養ものや養殖ものでは決して味わうことが出来ぬ天然『本鮪(ホンマグロ)』ならではの上品な脂(アブラ)の旨味と赤身の仄かな酸味、噛み込んだ歯を押し返すような弾力の神経締めの処理が施された『星鰈(ホシガレイ)』にコリコリとした食感が小気味良い『北海螺貝(ホッカイツブガイ)』を愉しんだ後は『鱧(ハモ)』と『丸茄子(マルナス)』の炊合せです。梅雨時期の雨水をたっぷりと呑んだ淡路島の『梅雨鱧(ツユハモ)』に本葛(ホンクズ)を薄く打った『ボタン鱧(ハモ)』に油鍋を軽く潜らせ油分を含ませた丸茄子(マルナス)をトマト仕立の出汁にて味わう一品。油物には踊り串が打たれた天竜川の『鮎(アユ)』の揚げ焼に岩手町産の『ヤングコーン』の天ぷら。ヤングコーンの髭(ヒゲ)と呼ばれる部分はコーンの雄蕊(オシベ)、これも揚げられることでサクサクの揚げ素麺(アゲソウメン)の如し。コース料理も最終の第四コーナーへと向かい焼物には久慈市山形の柿木さんの『山形村短角牛(ヤマガタムラタンカクギュウ)』のランイチの備長炭(ビンチョウタン)を使った炭火焼に花巻市東和町の『蓮根(ランコン)』のソテー、『銀杏(ギンナン)』素揚げに『蓮根(レンコン)』チップスに『木の芽(キノメ)』を絶品の山椒醤油(サンショウショウユ)で味わい、その後味の余韻に暫し浸り湯霜にされた天然『車海老(クルマエビ)』に『山芋(ヤマイモ)』の素麺(ソウメン)、秋田三種町産の『蓴菜(ジュンサイ)』に『白瓜(シロウリ)』の酢の物にて口内を一度リセットし締めの食事は『帆立貝柱(ホタテカイバシラ)』と『万願寺唐辛子(マンガンジトウガラシ)』の炊込みごはんです。隠し味に使われた黒胡椒(クロコショウ)が全体の味を引き締め佳き役回りを演じてました。自家製の香の物と『冬瓜(トウガン)』と『ミニオクラ』の味噌椀、水菓子には二段構えで前半には『碓井豆(ウスイマメ)』のジェラートに『焙じ茶(ホウジチャ)』のゼリーに宮崎県産の『マンゴー』と山形県産のさくらんぼ『紅秀峰』後半には黒糖蜜とともに味わう『氷室豆富(ヒムロトウフ)』そして目にも涼しげな器で供された点てられた『薄茶』にて文月のお任せ懐石のコース料理はひと通りです。コロナ禍の中、京都へ上洛することも憚られ祇園祭も二年連続観ることが出来なくなってしまった自分に眼と舌で京の雅を楽しませていただいた奥州江刺『新茶家』さん。定期的に『新茶家』さんへ足を運ぶようになってから早十数回を数えますが今回の料理は過去のソレと比べても最高の味と内容でした。至福で口福な時間を過ごさせていただき深謝申し上げます。
料亭で味わう京の雅を感じる料理…日本料理『新茶家』
実質1日だけの八戸の旅を終え八戸駅から奥州 水沢・江刺駅へと東北新幹線にて移動。宿泊先の江刺唯一の『ホテルニュー江刺』さんへチェックインを済ませ予約時間までホテルの部屋の中でウェイティング。そして向かった先は百七十有余年の悠久の歴史を刻まれる岩手県唯一無二の老舗料亭『新茶家』さんです。板場で腕を揮われるのは京の名門『瓢亭』さんにて研鑽を積まれた和賀靖公七代目亭主。真新しい畳の香りが心地良い中庭を臨むことの出来るお気に入りの部屋へ通していただき卯月のお任せ懐石料理に舌鼓を打たせていただきました。先ずは肌理細やかな泡で覆われた生ビールで渇いた喉を潤し料理は活けものの『子持ち蝦蛄(シャコ)』に漉油(コシアブラ)、『海胆(ウニ)』の梅香浸し(バイコウビタシ)の先付からスタートし以後は京の懐石料理の順に倣い凌ぎの一品。蓋を外すと中には飯蒸し(イイムシ)の上には揚げたての『白魚(シラウオ)』その上にはオシェトラの『キャビア』と木の芽。プチプチとした食感のオシェトラの『キャビア』の潮味で味わう贅沢さ。そしてコース料理の華である八寸には『瓢亭』さん出らしさが一目瞭然な『真鯛(マダイ)』の『白子(シラコ)』を一度蒸し裏漉しした白子(シラコ)を『鮑(アワビ)』、『生とり貝』、『車海老(クルマエビ)』に和えた正にこれぞ京の味の小鉢入りの真鯛(マダラ)の白子和え(シラコアエ)に六角の器の『子持ち昆布(コモツコンブ)』と京 塚原産の『筍(タケノコ)』入りの自家製の山葵漬(ワサビヅケ)、一寸豆蜜煮(チョットマメミツニ)、筍(タケノコ)木の芽焼(キノメヤキ)、クリスタルの器の中には海鞘(ホヤ)と海鼠腸(コノワタ)と莫久来(バクライ)の和えもの。蛍烏賊(ホタルイカ)に穴子(アナゴ)の小袖ずし、たっぷりの霙(ミゾレ)が添えられた鮟鱇(アンコウ)の肝(キモ)に天然のしどけと胡桃(クルミ)の酒肴の数々。更に料理人の腕の見せどころの椀物には鰹節(カツオブシ)と鮪節(マグロブシ)から引かれた吸い地を使い椀種には『帆立真薯(ホタテシンジョウ)』椀妻には軽く炙った『バチコ』、青みに浜防風(ハマボウフウ)。鰹出汁(カツオダシ)と鮪出汁(マグロダシ)の吸い地に帆立(ホタテ)の旨味が加わり美味しさが増幅。椀種の帆立(ホタテ)は手ほぐししたものと切り分けたもの当たり鉢を当てたものと異なる三種類の食感が愉しめるものでした。向付は三段構えで前半には皮目を軽く炙り皮ぎしの脂の旨味を引き出した大船渡産の『鱸(スズキ)』と細かな隠し包丁が入れられた秋田産の『墨烏賊(スミイカ)』、中盤には三陸山田産の塩水漬の『生海胆(ナマウニ)』後半には四万十川の香り高き糸海苔(イトノリ)が添えられた塩竈産の天然『本鮪(ホンマグロ)』の中トロとトロ。魚体が余り大きくない本鮪(ホンマグロ)でしたが上品な脂の味わいは天然もののソレで土佐醤油(トサジョウユ)とちり酢を使い分け一度で2度美味しいを満喫させていただき焼物には八戸産の『幸神目抜(コウジンメヌケ)』の味噌漬焼に楤ノ芽(タラノメ)、炊合せには久慈山形村の柿木さんの『山形村短角牛(ヤマガタムラタンカクギュウ)』のリブロースに京 塚原産の『筍(タケノコ)』に『花山椒(ハナサンショウ)』。花山椒に下味が付けられているひと仕事がこの炊合せの味を更に昇華しておりました。箸休めに供されたのは南蛮漬(ナンバンヅケ)ですが使われている『稚鮎(チアユ)』は夕方届いたばかりの活けの稚鮎(チアユ)です。クレソン、新玉葱(シンタマネギ)、花穂(ハナホ)とともに堪能させていただきました。締めの食事は『真鯛(マダイ)』と『筍(タケノコ)』と『花山椒(ハナサンショウ)』の炊き込みごはんに山葵漬(ワサビヅケ)、奈良漬(ナラヅケ)、柴漬(シバヅケ)の香の物に白芋茎(シロズイキ)の味噌椀、水菓子も二段構えで前半には洋のエッセンスを感じる山地酪農牛乳を使い作られたブランマンジェに微塵切りにされた文旦(ブンタン)、清見オレンジ、せとかの柑橘類と金柑(キンカン)のコアントロージュレ掛け、後半には京仕込みの『蕨餅(ワラビモチ)』そして『薄茶』にて卯月のお任せ懐石はひと通りとなりました。料理に合わせていただいた日本酒は『田酒』純米吟醸 百四拾 華想い桜ラベル、『澤屋まつもと』守破離 岡本村山田錦うすにごり生酒、同じく『澤屋まつもと』守破離 愛山、『大観』しぼりたて純米吟醸生酒Starting Point。美味しい料理に旨い酒を堪能させていただいた三時間余りの至福で口福な時間を過ごさせていただき感無量。京都へ上洛することも帰省することも遠出の旅をすることも出来ずにフラストレーションが募る日々ですが岩手には京に劣らぬ日本料理店が何軒かありますことに感謝しつつ當分の間この地に留まり食を満喫させていただきたいと考え新たにしたのでありました。
料亭にて愉しむ弥生の懐石料理…日本料理『新茶家』
盛岡駅から東北新幹線にて3駅、29分で目的地最寄りの水沢・江刺駅到着、改札を出て駅前ロータリーに待機しているタクシーに乗込み約10分余、百七十有余年の悠久の歴史を持たれ平民宰相と呼称された原 敬(ハラタカシ)も足繁に通よわれた岩手県唯一無二の料亭『新茶家』さんへ再訪させていただきました。板場にて腕を揮われるのは辻調卒業後に日本を代表する老舗料亭『瓢亭』さんにて研鑽を積まれた七代目亭主の和賀靖公さんです。弥生三月のお任せ懐石をいただきました。先ずは岩手県遠野産のホップを限定使用し醸された生ビールで渇いた喉を潤し『唐墨(カラスミ)』と『浅蜊(アサリ)』、蕗の薹の『茶粥(チャガユ)』の凌ぎを腹の中に収め料理のスタートです。先付には『白海松貝(シロミルガイ)』に『ホワイトアスパラ』、『粟麩(アワフ)』のうすい餡、コース料理の華である八寸には『飯蛸(イイダコ)』の桜煮、『子持ち昆布(コモチコンブ)』、『海鼠腸(コノワタ)』、『白魚(シラウオ)菜花(ナバナ)梅和え(ウメアエ)』、『山菜(サンサイ)と筍(タケノコ)の白和え(シラアエ)』、『鰙(ワカサギ)と楤ノ芽(タラノメ)の霰揚げ(アラレアゲ)という日本酒を呼ぶ酒肴の数々。そして料理人の腕の見せどころである椀物は旨味が五臓六腑に染み渡る『蛤吸い(ハマスイ)』です。椀種に『蛤(ハマグリ)』と『寄せ蛤(ヨセハマグリ)』、椀妻に独活(ウド)、青みに浜防風(ハマボウフウ)。使われている椀の蒔絵もとても素晴らしいものでした。向付には柏葉(カシワバ)の香りを移した『鮃(ヒラメ)』に宮城塩竃産の天然『本鮪(ホンマグロ)』のトロと赤身、『赤貝(アカガイ)』の三点盛、強肴には春に合せて『春巻(ハルマキ)』です。其の春巻(ハルマキ)の皮は日本料理店らしく『湯葉(ユバ)』を使い中身は『稚鮎(チアユ)』に菜花(ナバナ)、筍(タケノコ)、独活(ウド)。『稚鮎(チアユ)』の腑腸(フワタ)のほろ苦さの後に続く山菜(サンサイ)の苦み。此れは正にオトナの味わい。焼物には田村農場産の吊るし熟成された『短角牛(タンカクギュウ)』の炭火焼に筍(タケノコ)と行者大蒜(ギョウジャニンニク)、炊合せ代わりには茹でたての『毛蟹(ケガニ)』の剥き身に自家製の厚揚(アツアゲ)、蕗(フキ)と木ノ芽(キノメ)、箸休めには『細魚(サヨリ)』と花山葵(ハナワサビ)と『干口子(ホシクチコ)』、ウルイの生姜酢(ショウガス)の酢物(スノモノ)、締めの食事は美味しさでは日本でも指折りの米の産地である御當地 江刺産の土鍋ごはん。茶懐石のソレに則り先ずは『煮えばな』の一文字ごはんが振舞われ蒸しを入れた後に炊きたてのピカピカと輝く銀舎利(ギンシャリ)、ごはんの御供には『桜鱒(サクラマス)』の塩焼に自家製の『生鱈子(ナマタラコ)』と香の物と『蜆(シジミ)』の味噌椀。食後の水菓子は二段構えで『蕗の薹(フキノトウ)アイス』に『金柑(キンカン)』とカカオパウダー、薄茶とともに『桜餅(サクラモチ)をいただき弥生のお任せ懐石の料理はひと通りとなりました。料理は食べ終える頃に味のトーンを持ってくる京都に準じた滋味優先のもの。目を閉じて味わうとまるで洛中の料亭で食事をしている錯覚にとらわれます。素晴らしい料理と美味しい日本酒をたっぷりといただき身も心もお腹も満たされた岩手県唯一無二の料亭で過ごさせていただいた至福のひと時。
京都の雅を感じさせてくれる懐石料理…日本料理『新茶家』
花巻を後にして更に車を南下、向かった先は奥州市江刺区。平泉文化を造られた奥州藤原氏が住まわれた地であり大河ドラマのロケ地でもある「歴史公園えさし藤原の郷」等を有する人口30,000人余りの県南屈指の文化の町。今回の岩手県南への遠征の目的は創業百七十有余年の悠久の歴史を刻まれる岩手県屈指の老舗料亭『新茶家』さんへ友人のアテンド役としての再訪にありました。板場で腕を揮われるのは辻調卒業後に京都の名門『瓢亭』さんで研鑽を積まれた七代目亭主の和賀靖公氏です。新年早々には見事な『御節(オセチ)』で味蕾と視覚を存分に楽しませてくれた和賀料理長の睦月のお任せ懐石料理に舌鼓を打たせていただきました。先ずは御母様の手により朱色の盃にお屠蘇が振る舞われ口福の時間のはじまりです。料理は京風の白味噌仕立ての御雑煮(オゾウニ)。椀の中には大きな鹿島灘産の『本蛤(ホンハマグリ)』に菜花(ナバナ)、蓬餅(ヨモギモチ)、白味噌の甘みを和芥子(ワガラシ)で留められた一品からスタートです。凌ぎには舌にねっとりと絡みつくウエット感のある『唐墨(カラスミ)』に木の芽とフラワーソルトを天盛りにした『唐墨赤飯(カラスミセキハン)』。そしてコース料理の華である八寸には閖上産の『本玉(ホンダマ)』の『赤貝(アカガイ)』と泳ぐ帆立の『貝柱(カイバシラ)』のてっぱいに『車海老(クルマエビ)』艶煮(ツヤニ)、『寒鰤(カンブリ)』の蕪(カブラ)ずしにスナップ豌豆(エンドウ)のお浸し、噛む度に旨味が口に広がる『蛸(タコ)』の桜煮(サクラニ)に立派な『甘鯛(アマダイ)』を使った『ぐじ』の塩焼、里芋田楽(サトイモデンガク)に『鮟鱇の肝(アンコウノキモ)』の奈良漬(ナラヅケ)挟みにコリコリとした食感が堪らない高級な『干し数の子(ホシカヅノコ)』を使った『干数の子の粕漬(カスヅケ)』という酒を呼ぶ酒肴の数々。椀物代わりに供された京都の冬には欠かすことの出来ぬ『蕪蒸し(カブラムシ)』、中には丸々一個分の『鮑(アワビ)』に春の訪れを告げる山菜の草蘇鉄(コゴミ)、楤芽(タラノメ)、木の芽(キノメ)に蕗の薹(フキノトウ)。『鮑(アワビ)』は柔らかさの中にも絶妙な咀嚼感が残されており悶絶級の美味しさでした。向付には『天然とら河豚(フグ)』の『河豚(フグ)の鉄刺(テッサ)』を『鴨頭葱(コウトウネギ)』と一味(イチミ)を落とした霙卸し(ミゾレアロシ)で味わいました。薄造りでも活かった身質の『天然とら河豚(フグ)』の美味しさに口の中は悦楽状態で満たされ暫しその余韻に浸り炊き合わせ代わりに供されたのは『蟹(カニ)しゃぶ』です。用意されていた蟹(カニ)は新潟県産の『本ずわいがに』の活けの蟹(カニ)です。甲羅(コウラ)に付いた蟹蛭(カニビル)が深い海に長く居た蟹(カニ)である証です。脚(アシ)には『越後本ずわいがに』のブランドタグと新潟県産の活ガニのタグが付けられていました。サイズはその重さから1.1㌕〜1.2㌕と思われます。脚(アシ)と爪(ツメ)に包丁が入れられ鍋の中で約15秒ぐらいしゃぶしゃぶすると身に花が咲きます。後は口を大きく開けて天井を見上げた状態で蟹脚(カニアシ)を口の中へ。活ガニならではの甘みと繊細な旨味。久々に口にした活けの『ずわいがに』はもう筆舌に尽くし難い美味しさです。更にはシャブシャブした蟹(カニ)をカニ味噌を溶かした甲羅の中にダイブさせていただくという超贅沢な味わい方を愉しませていただきました。強肴は『柚釜(ユズガマ)』の登場です。その中には北海道産の『バフン海胆(ウニ)』に先に鉄刺(テッサ)で味わった天然とら河豚の『河豚(フグ)の白子(シラコ)』です。蒸し焼きにされた海胆(ウニ)の甘みと白子(シラコ)の旨味のダブルアタックに悶絶です。そしておくどさんで炊かれたごはんが一文字で供され食事です。ごはんのお供にと供された織部焼の器の中には鴨焼(カモヤキ)に慈姑(クワイ)に一寸豆(チョットマメ)。鴨(カモ)は鴨(カモ)でも合鴨(アイガモ)などでは無く正真正銘の天然の『真鴨(マガモ)』であり罠捕り(ナワドリ)の青首(アオクビ)です。天然の真鴨(マガモ)につき時節柄やや強めに火入れされた鴨肉(カモニク)を自家製の山椒醤油(サンショウショウユ)ダレ、香の物とともに味わいました。赤だしでも呑みたいと思っていたところに有次(アリツグ)の雪平(ユキヒラ)の大鍋(オオナベ)の登場です。蓋を外すと中には雑炊(ゾウスイ)。茶碗に装われ銘々に。口の中に広がる蟹(カニ)の香味。もう笑うしかありません。蟹(カニ)の爪肉(ツメニク)を加えたり蟹味噌(カニミソ)を加えたりと味の変化を愉しみつつ堪能させていただいた後は水菓子へ。水菓子は二段構えで前半には山地酪農牛乳(ヤマチラクノウギュウニュウ)とマカンボで造られたジェラートをイチゴのスープとともに味わい後半には擦り下ろしたつくね芋(イモ)を生地にした蒸したてホッカホカの『薯蕷饅頭(ジョウヨウマンジュウ)』です。桜花漬(オウカヅケ)が佳き役回りを演じられており点てられた御薄(オウス)にて睦月の和賀料理長のお任せ懐石はひと通りです。料理に合せていただいた日本酒は『新政』NO.6 X-type 純米吟醸、『田酒』純米大吟醸 斗瓶取、『澤屋まつもと』純米大吟醸 Ultra 山田錦、同じく『澤屋まつもと』守破離 山田錦、『乾坤一』純米吟醸原酒といずれもマニア垂涎ものの入手困難なレアな日本酒の数々。京都の雅を感じさせてくれる料理に銘酒の数々で至福で口福な時間を過ごさせていただきました。コロナ禍の中なかなか京都へ上洛することもままなりませんが岩手に居ながらにして京都の⭐️⭐️⭐️店に勝るとも劣らぬような素晴らしい料理を供していただき更には最高のおもてなしで迎えていただき感謝の念にに堪えません。四国四県と同等の広大な土地を有する岩手県ですが年齢順に遠野市の『日本料理 旬菜和田』さんの和田店主を筆頭に北上市の『御料理 寺沢』さんの寺沢店主に花巻市の『いしどりや懐食 新亀家』さんの三宮店主に奥州市江刺区の料亭『日本料理 新茶家』さんの和賀料理長兼七代目亭主といった岩手の日本料理界の四天王が其々の地で活躍されています。県都 盛岡では京都の『たん熊北店』さんで花板を務められた実績を持たれる『松もと』さんの松本店主https://tabelog.com/rvwr/loro/rvwdtl/B74211748/#87528465 が長引くコロナ禍の影響もあり第一線を退かれたことは寂しくもありますが岩手県の日本料理界の先行きは明るいものと確信する次第です。
岩手が誇る唯一無二の名料亭…『日本料理 新茶家』
青森より盛岡ヘ友二人来たる。盛岡駅で合流後、友人達のリクエストにて盛岡を離れ奥州藤原氏が栄華を極めた奥州江刺へと移動。そして向かった先は創業百六十有余年の悠久の時を刻まれる岩手県唯一無二の老舗料亭『日本料理 新茶家』さんです。厨房内で腕を揮われるのは七代目亭主の和賀靖公氏。料理は『鼈(スッポン)』と『松茸(マッタケ)』の玉締めの先付から『南瓜(カボチャ)のアイス』に『焼無花果(ヤキイチヂク)』、『藤稔(フジミノリ)』の黒蜜と『栗渋皮煮(クリシブカワニ)』に『日田羊羹(ヒタヨウカン)』の水菓子、薄茶(オウス)までの圧巻の御馳走の波状口劇に友人2人は眼を白黒、想像を超えた料理の数々とともに『新政』の頒布会の日本酒を全六種+『澤屋まつもと』二種とともに舌鼓を打たせていただいた當夜。先付の後にはコース料理の華である八寸には和賀店主の修行先である『瓢亭』さんの『瓢亭たまご』を彷彿させる『新茶家たまご』に『秋刀魚(サンマ)の小袖(コソデ)ずし』、松茸(マッタケ)を包んだ『太刀魚焼(タチウオヤキ)』、ホロホロ鳥の『白レバー味噌漬(ミソヅケ)』に贅沢過ぎる一品『松茸(マッタケ)の粕漬(カスヅケ)』、生落花生(ナマラッカセイ)に『生海胆(ナマウニ)』と『莫久来(バクライ)』、『網茸霙(アミタケミゾレ)』に松の実(マツノミ)が佳きアクセントとなった大粒の『シャインマスカット』と『幸水梨(コウスイナシ)』の白和えという酒を呼ぶ旬菜の盛合せを味わい料理人の腕の見せどころである椀物には見事な包丁技が冴える『ボタン鱧(ハモ)』の椀種に出逢いものの『松茸(マッタケ)』、青みに冬瓜(トウガン)、吸口に青柚子(アオユズ)の椀。『鮪節(マグロブシ)』を引き主に使い昆布出汁(コブダシ)と鰹出汁(カツオダシ)を下支えに使われた吸い地は五臓六腑に違和感なく染み込む旨さ。食べ始めに味のトーンを持ってくるのではなく京都の名料亭仕込みの食べ終える頃に照準を合わせられた椀物は秀逸でした。向付は二段構えで前半には子持ちの『白ボタン海老(エビ)』、後半には焼網を使い軽く炙りが入れられた青森 大間産の天然物の『本鮪(ホンマグロ)』のトロと太平洋の紅いダイヤとも称される北海道 羅臼産の『喜知次(キチジ)』の二点盛です。ボタン海老(エビ)の身はプリプリで強い甘みを感じ卵のプチプチ感との食感のコントラストが妙味。釣り物の『喜知次(キチジ)』は皮目を炭火で焼霜(ヤキシモ)にされ皮ぎしから溢れる脂の旨味に思わず身体が仰け反り同じく一本釣りで揚げられた大間の『本鮪(ホナマグロ)』は焼網の上で軽く網目が付けられ供され口の中に運ぶとまさにこれぞ筆舌に尽くし難き美味しさに悶絶。『瓢亭』さんのソレに倣い先に供された強肴は久慈市山形産の『短角牛(タカスクギュウ)』と『香茸(コウタケ)』、3Lサイズの『藤九郎銀杏(トウクロウギンナン)』に『零余子(ムカゴ)』に『真菰筍(マコモダケ)』。香茸(コウタケ)と絶妙な火入れで仕上げられた短角牛(タンカクギュウ)の組合せは反則的な美味しさ。そして真鱈(マダラ)の白子(シラコ)を使った『くもこの霰揚げ』にたっぷりの九条葱(クジョウネギ)、岩手の山の恵みがギュッと凝縮した銀餡(ギンアン)がたっぷりと掛けられた炊合せ、焼物に『子持ち鮎(アユ)の白扇揚げ(ハクセンアゲ)』に『焼松茸(ヤキマッタケ)』、酢物代わりに11月8日の解禁日が待ち遠しい金沢の『香箱(コウバコ)がに』に先駆けて越前の『香箱(セコ)蟹』を酢橘(スダチ)のジュレとともに堪能させていただき食事には『香茸(コウタケ)』の戻し汁で炊かれた宮崎県の地鶏焼を連想させる『ホロホロ鳥』と『香茸(コウタケ)』の炊込みごはんを香の物と味噌椀とともにいただき水菓子にて『日本料理 新茶家』さんの神無月のお任せ懐石料理はひと通りとなりました。此処は京都か金沢か?ゲストのこの言葉にアテンダント役の冥利に尽きました。岩手には北上には『御料理 寺沢』さん、遠野に『日本料理 旬菜 和田』さん、花巻に『新亀家』さん、そして江刺には當店『日本料理 新茶家』さんがあります。これが自分の中での岩手が誇る日本料理界の四天王店です。
御持たせの炊込みごはん…『日本料理 新茶家』
ランチは『おいしんぼ』さんにて無謀にも1枚80㌘程のヒレかつ1枚+1枚200㌘のロースかつに3Lサイズぐらいの海老フライ1本という超ボリューミーな『スペシャル定食』なるものを歳甲斐もなく無謀にも完食したために夜になっても一向にお腹が空かず。深夜になって漸く食欲が復活してきましたので前夜の『新茶家』さんの御持たせの『鯛(タイ)と破竹(ハチク)と蕗(フキ)の炊込みごはん』のおむすびを文明の利器のスチーマー機能を使い温めて単身赴任先のマンションの部屋にてビール片手にテレビを視ながらいただきました。炊きたての熱々の状態で味わった炊込みごはんの美味しかったことは言うまでもありませんが時間が経って米粒ひと粒ひと粒にしっかりと味が浸み込んだ翌日のおむすびもこれまた美味し。そして何よりも炊込みごはんのおむすびの上に置かれた一葉の『木の芽(キノメ)』が佳き役割を担っておりました。また機会を作り近々に寄せていただきたいと思いつつ美味しくいただきました。
味蕾と五感を存分に愉しませてくれる…『日本料理 新茶家』
世界文化遺産 平泉に至る縁の地 奥州市江刺区。奥州藤原氏が住まわれた地であり大河ドラマのロケ地でもある「歴史公園えさし藤原の郷」等を有する人口30,000人余りの町に在る創業百六十有余年の悠久の歴史を刻まれる岩手県屈指の老舗料亭『新茶家』さんへ再訪させていただきました。腕を揮われるのは京都の『瓢亭』さんで研鑽を積まれた七代目亭主の和賀靖公氏の手による水無月のお任せ懐石コース料理をいただきました。料理は菖蒲が添えられた飛騨春慶塗りの重の先付から。中には『北紫海胆(キタムラサキウニ)』がたっぷりと射込まれた『翡翠豆腐(ヒスイトウフ)』に『子持ち蝦蛄(コモチシャコ)』、『碓井豆(ウスイマメ)』に浜防風(ハマボウフウ)を干貝柱の出汁の冷やし餡で味わう一品から。更には岩手町のCharisma生産者 田村さんの『ホワイトアスパラ』に焼きを入れた一寸豆(チョットマメ)に『煽り烏賊(アオリイカ)』の焼浸し 黄身酢(キミズ)掛け。実山椒(ミザンショウ)が佳きアクセントになっていました。そして再び飛騨春慶塗の大徳寺重に収められた八寸には梅肉で止められた『鱧(ハモ)』の焼霜とパドロンの御浸し、『鯛(タイ)の大徳粽(ダイトクチマキ)』に山菜の王様とも称される『シドケ』にたっぷりの『生海胆(ナマウニ)』、『鮟鱇の肝(アンコウノキモ)』の霙和え、『真子鰈(マコガレイ)』の一夜干、南瓜(カボチャ)、車海老(クルマエビ)艶煮と酒を呼ぶ肴の数々。そして料理人の腕の見せどころであり懐石料理の華でもある椀物には完璧な骨切りが施され葛打ちされたボタン『鱧(ハモ)』の椀種に椀妻にはシャキシャキとした食感が小気味良い山菜の『アイコ』、青みに叩きオクラに梅肉(バイニク)留めの椀。椀の根幹を成す吸い地は『瓢亭』さん仕込みの『鮪節(マグロブシ)』と鰹節(カツオブシ)と昆布(コブ)に鱧出汁(ハモダシ)を加えられたもので鰹(カツオ)の旨味はギリギリまで抑え込まれたとても雅な印象の吸い地でした。向付は二段構えで前半には大船渡産の活けものの『海河鹿(ウミカジカ)』に『河鹿の肝(カジカノキモ)』蒸し添え。後半には『とり貝』の炙りに銚子産の『初鰹(ハツガツオ)』。鰹(カツオ)のひと切れには和芥子(ワカ゚ラシ)が添えられており、ひと切れは出汁醤油(ダシジョウユ)と和芥子で、もう一切れは新玉葱(シンタマネギ)の『ちり酢』とともに味わいました。油物には活けの『稚鮎(チアユ)』と根曲り筍(ネマガリダケ)とたらの芽の天ぷら、酢物代わりに『蓴菜(ジュンサイ)』のS Sサイズのつぼみに江刺 菅野さんのフルーツトマトの梅土佐酢掛け、そして炊合せは県北 久慈市山形町の柏木さんの『短角牛(タンカクギュウ)』と『賀茂茄子(カモナス)』と『芋茎(ズイキ)』の揚げ浸し、締めの食事は『鯛(タイ)』と破竹(ハチク)と蕗(フキ)の炊き込みごはん。食後の口直しには山地酪農牛乳のソルベに枇杷(ビワ)、『本わらび餅』に『薄茶』にて水無月の『新茶家』さんのお任せ懐石コース料理はひと通りとなりました。日本料理の聖地である京仕込みの料理の味は食べはじめに旨いと思わせるものではなく食べ終える頃に味のトーンを持って来た滋味優先の味わいです。料理の味は勿論のこと料理の構成も素晴らしいものでしたが代々受け継がれている器がこれまた素晴らしい。器を愛で手入れが行き届いた中庭を臨み味わう料理は何ものにも変え難い幸せ。料理に合せていただいた酒は肌理の細かな泡で覆われた生ビールからスタートし岩手県花巻市のアールペイザンワイナリーの『ポム・エグル2019』、マニア垂涎ものの『田酒』純米大吟醸 斗瓶取、『新政』秋櫻2018 生酛木樽純米、『土田』純米吟醸 生酛仕込、『山形正宗』稲造 純米吟醸。岩手唯一無二の料亭『新茶家』さん。岩手県内でこれだけの日本料理をいただけるのですから暫くは身の危険を冒しての都内への帰省は疎かわざわざ遠出をする必要も自分の中で薄れてきた今日このごろ。
京仕込みの七代目亭主の手による和洋折衷料理…『新茶家』
創業百七十有余年という悠久の歴史を持たれ平民宰相と呼ばれた岩手県出身の内閣総理大臣の原 敬(ハラタカシ)をはじめてとして地場の政財界人の方々や著名な方々がこよなく愛してやまぬ岩手県で唯一無二の老舗料亭『新茶家』さんへ再訪させていただきました。七代目亭主の和賀靖公さんは辻調理師専門学校卒業後に京料理の名門『瓢亭』さんでの研鑽を経て料理旅館の『柊家』さんで腕を磨かれた方。若き七代目亭主の手に依り作られたテイクアウト用の『鱧(ハモ)の押し寿司』に『鯖(サバ)の棒寿司』とともに『卵黄味噌漬(ランオウミソヅケ)』を席をお借りして作りたてを紐解きいただきました。『鯖(サバ)の棒寿司』には三陸 金華山沖で水揚げられたブランド鯖の『金華鯖(キンカサバ)』が使われています。肉厚で脂のりの良い鯖を絶妙な〆加減で締め木の芽(キノメ)で香味付けをし白板昆布(シロイタコンブ)で鯖の表面を覆われた鯖(サバ)の棒寿司。鯖(サバ)と酢飯(スメシ)の旨みと風味が見事に溶け合った後を引く味わいでした。一方の『鱧(ハモ)の押し寿司』はつけ焼にされた肉厚の鱧(ハモ)は夏の訪れを感じさせてくれる一品。鱧(ハモ)が最も美味しいとされる梅雨時期前の鱧(ハモ)ではありましたが確かな技術で骨切りされた柔らかな鱧(ハモ)が口中に解け旨味が広がります。鱧(ハモ)と舎利との間に射込まれた山椒(サンショウ)と木の芽(キノメ)の風味が何とも堪りません。鱧(ハモ)のつけ焼、タレ、酢飯(スメシ)の舎利(シャリ)が三位一体となり奥深い味わいを醸し出していました。
そして夜は単身赴任先の盛岡のマンションに戻りStay Home。『新茶家』さん七代目亭主の和賀靖公氏が本気モードで造られた『いわて短角牛(タンカクギュウ) 牛すじのスパイスカレー』をレシピに従い岩手県産のブランド米『銀河のしずく』を二合研ぎ水加減を少なめにして炊飯器にターメリック&サフランを加え塩3㌘とオリーブオイル小さじ一杯を加え炊き湯煎で10分程『短角牛 牛すじスパイスカレー』を温めて皿に炊き上がったサフランライスを適量装いカレーを掛けてトッピングの玉子のアチャール、大根金平(ダイコンキンピラ)、セロリ甘酢漬とフライドオニオンをトッピングしていただきました。今回はダムカレー風に盛付け味わいましたがコレはマジに美味い。カレーの味も素晴らしいものでしたが今から百五十年余も前の幕末の出版物に「瓢亭の煮抜玉子(ニヌキタマゴ)は近世の奇製なりとて酒客、遍く此れを食悦す」と記されている『瓢亭』さんの『瓢亭玉子』の製法を流用し作られた『玉子のアチャール』が抜群に美味。手間隙を惜しまず魂を込めてしっかりと作り込まれたこういうテイクアウト品であれば大いに利用をしたいもの。
悠久の歴史を持たれる岩手県唯一無二の老舗料亭…日本料理『新茶家』
創業百七十有余年という悠久の歴史を持たれ平民宰相と呼ばれた時の内閣総理大臣の原 敬(ハラタカシ)をはじめてとして地場の政財界人の方々や著名な方々がこよなく愛してやまぬ岩手県で唯一無二の老舗料亭『新茶家』さんへ久しぶりに再訪させていただきました。席は中庭を臨む二階の個室に通していただき先ずは『桜湯(サクラユ)』にて一服いただき料理は辻調卒業後に京料理の名門『瓢亭』さんでの研鑽を経て料理旅館の『柊家』さんで腕を磨かれた七代目亭主の和賀靖公さんの手に依る懐石コース料理に舌鼓を打たせていただきました。肌理細やか泡でグラスの表面が綺麗に覆われた生ビールで喉を潤し卯月の料理は『煮鮑(ニアワビ)』、『筍(タケノコ)』、揚げ『粟麩(アワフ)』の炊合せに『碓井豌豆(ウスイエンドウ)』のうすい餡掛け、木の芽で留められた蓋物から。『煮鮑(ニアワビ)』は柔らかさの中にもクニュッとした鮑(アワビ)特有の咀嚼感が愉しめるもので香り、味、食感と三拍子揃った美味しさ。そして『グリーンアスパラ』の穂先(ホサキ)揚げと『京筍(キョウタケノコ)』の海老真薯(エビシンジョウ)挟み揚げへと繋がれました。道明寺粉(ドウミョウジコ)で揚げられた『海老真薯(エビシンジョウ)』の挟み揚げの衣はサックサク。挟まれた真薯(シンジョウ)と京筍(キョウタケノコ)の食感のコントラストを桜塩(サクラジオ)と天出汁(テンダシ)にて愉しませていただきました。この先付の二品ですっかりと心を鷲掴みされたのは言うまでもありません。料理は懐石のコースに順じて凌ぎには『本海松貝(ホンミルガイ)』の葛煮麺(クズニメン)です。『本海松貝(ホンミルガイ)』は湯霜にしたものを軽く炙られ香りが立てられ『吉野本葛(ヨシノホンクズ)』で造られた麺は小気味良い食感。ザク切りの白葱(シロネギ)と花山椒(ハナザンショウ)、そして隠し味の黒七味(クロシチミ)が口中を愉しませてくれました。向付は桜の葉に覆われ登場。中には『真鯛(タイ)』、『赤貝(アカガイ)』、塩竈ひがしものと呼称される『目鉢鮪(メバチマグロ)』の中トロの三点盛を煎り酒(イリザケ)と割醤油(ワリショウユ)を卸したての本山葵(ホンワサビ)とともに。あしらいには浜防風(ハマボウフウ)。京都の日本料理は皿の上に載せられたものは基本的に全て食べられるものゆえ當然のことですが塩漬けの『桜の葉』も全て綺麗にいただきます。そしてコースの華であり料理人の腕の見せところの椀物は椀種に葛打ちされた『鮎魚女(アイナメ)』に椀妻に表面に焼を入れた蓬餅(ヨモギモチ)、射し込みに筍(タケノコ)、青みには春を告げる山菜のウルイ、吸い口に花柚子(ハナユズ)。吸い地は昆布と鮪節(マグロブシ)と鰹節(カツオブシ)から引かれた一番出汁。そして八寸は奥左手の蓋付の小鉢の中には隠し包丁が入れられた胡瓜(キョュウリ)に『薇(ゼンマイ)』に赤縮緬紫蘇(アカチリメンシソ)、その下には軽く炙られた『とり貝』に寸止め火入れの湯霜造りの『車海老(クルマエビ)』の鯛白子(タイシラコ)和え、『筍(タケノコ)』の白和えには『蕗の薹(フキノトウ)』のアクセント。山菜の王様『しどけ』の胡桃味噌(クルミミソ)、『花山椒(ハナサンショウ)』が載せられた『穴子(アナゴ)』の棒ずしに白花豆(シロハナマメ)、『稚鮎(チアユ)』の南蛮漬(ナンバンヅケ)に独活(ウド)味噌漬(ミソヅケ)の旬菜の数々、そして『いわて短角牛(タンカクギュウ)』を敢えて御當地の逸品『梁川羊(ヤナガワヒツジ)』に変えていただき『筍(タケノコ)』、『花山椒(ハナサンショウ)』の炊合せの余りの美味しさに暫し悶絶しその余韻に浸ります。酢物には『海鞘(ホヤ)』、『蕨(ワラビ)』、『菜花(ナバナ)』の梅酢(ウメス)ジュレ掛け、焼物には『桜鱒(サクラマス)』の腹身の部分の幽庵焼にコシアブラの素揚げ、そしていよいよ食事です。大きな土窯の中には『京筍(タケノコ)ごはん』です。ごはんのお供には大粒の『浅蜊(アサリ)』時雨煮(シグレニ)に『蕗(フキ)じゃこ山椒(サンショウ)』で都合三杯のごはんを赤出しと香の物とともにいただき水菓子は二段構えで前半には『美生柑(ビショウカン)』ゼリー、後半には『苺(イチゴ)』と『丹波黒豆(タンバクロマメ)』で造られ金箔が添えられた『鹿の子(カノコ)』、そして薄茶にてひととおりです。大好きな旬の味わいの『花山椒(ハナサンショウ)』をたっぷり使われた料理もありとても素晴らしい内容でした。今年のG.Wは新型コロナウィルス感染拡大に伴い県を跨いだ移動の自粛要請等で帰省することも見合わせ、また食べ歩きの旅の中止や日程の先延ばし順延と不可抗力により已む無く変更せざるを得なくなる等、少し寂しい日を送らざるを得ませんでしたが岩手県にも全国の名店に引けを取らぬ素晴らしい店が何軒かあります。久しぶりに京のエンセンスを感じる日本料理をワインとともに舌鼓を打たせていただくと同時に雅の美に触れさせていただいた上に帰り際には『京筍ごはん』に『浅蜊 時雨煮』、『蕗じゃこ山椒』入りの折りの御持たせまで御用意いただき感無量。翌朝、ホテルの部屋で朝餉として美味しくいただきました。
百七十年余の悠久の歴史を持たれる岩手一の老舗料亭…『新茶家』
岩手県の日本料理界の貴公子とも称される二十代の若き料理人『和賀靖公』氏が腕を揮う奥州市江刺区にある完全予約制の老舗料亭『新茶家』さんへ。先ずはビールで喉を潤し涼を取った後に大好きな『新政』の瑠璃へと移行。先付は『薯蕷羹(ショヨカン)』のオクラと海胆と青海苔載せ。青海苔の香味が鼻腔を刺激する一品から。凌ぎに供された『あわびの飯蒸し』は柔らかく炊かれた『鮑(アワビ)』に賽の目状の蓮根のコリコリとした食感が佳きアクセント。向付には『魚荒(アラ)』、『曹以(ソイ)』、『本鮪』の中トロを『曹以』の肝醤油と割醤油の二種にて。『魚荒』=アラとソイ=『曹以』。喧嘩しそうな言葉の響きなれど曹以は勿論のことも曹以の肝醤油との相性は思いのほか良好でした。そしてコースの華であり料理人の腕の見せどころの椀物は『鰻(ウナギ)』と『賀茂茄子』を使った煮物椀、『新茶家』さんのウリのひとつである『鰻料理』、前回は〆の食事の『うなぎごはん』として今回は椀種にと形を変えて愉しませてくれました。皮目をパリッと中をふっくら仕上げられた『白焼き』と油通しされた賀茂茄子。吸い地は敢えて輪郭のはっきりとしたものであり椀種を引き立てる味わい。そして八寸には『鱧(ハモ)』の揚げ浸しに鷹ヶ峯(タカガミネ)唐辛子のアクセント、丸十で作られた『栗芋』、芋茎の胡桃和え、海胆莫久来、二子芋田楽、蛸胡瓜串に修行先である『瓢亭』さん譲りの瓢亭たまごならぬ『新茶家たまご』。冷鉢には前沢牛を凌ぐとも言われる肉質の『奥州牛』のA4〜5ランクのサーロイン判の大きな断面の牛肉の冷しゃぶ仕立、出汁をたっぷりと含んだ夕顔にフルーツトマトの蜜煮、玉ねぎと茗荷の微塵切り、焼物には『ノドグロ』のつけ焼に玉蜀黍の天ぷら。〆のごはんは『鮎の炊き込みごはん』に昆布味噌漬、柴漬け、花山椒の香の物にモロヘイヤ、蓴菜、豆腐の田舎味噌仕立の汁椀。『鮎の炊き込みごはん』の中には賽の目切りされた胡瓜と後で加える茗荷。一膳めはそのまま味わい、二膳目はオコゲの部分を出汁茶漬でサラサラと流し込み一度で二度美味し。食後に『白桃』のコンポートにシャインマスカットと巨峰の水菓子、薄茶にてひと通り。料理に合わせて戴いた酒は『天の戸』純米大吟醸、『雪の茅舎』、『まつもと』2種の呑み比べと美味しい料理と旨い酒に満たされた夜。今回は同行者の中に甲殻類と小麦粉アレルギーの方が居られたため通常とは些か異なる料理構成になっています。尚且つ御無理申し上げ遅い時間からのスタートにも快く御対応いただき感謝です。
百七十年余の歴史を持たれる岩手県唯一無二の老舗料亭…『新茶家』
岩手県の日本料理界の貴公子とも称される二十代の若き料理人『和賀靖公』氏が腕を揮う奥州市江刺区にある完全予約制の老舗料亭『新茶家』さんへ。先ずはビールで喉を潤し涼を取った後に大好きな『新政』の瑠璃へと移行。先付は『薯蕷羹』のオクラと海胆と青海苔載せ。青海苔の香味が鼻腔を刺激する一品から。凌ぎに供された『あわびの飯蒸し』は柔らかく炊かれた鮑に賽の目状の蓮根のコリコリとした食感が佳きアクセント。向付には『(アラ)』、『曹以(ソイ)』、『本鮪』の中トロを『曹以』の肝醤油と割醤油の二種にて。『』=アラとソイ=『曹以』。喧嘩しそうな言葉の響きなれど曹以は勿論のことも曹以の肝醤油との相性は思いのほか良好でした。そしてコースの華であり料理人の腕の見せどころの椀物は『鰻』と『賀茂茄子』を使った煮物椀、『新茶家』さんのウリのひとつである『鰻料理』、前回は〆の食事の『うなぎごはん』として今回は椀種に。皮目をパリッと中をふっくら仕上げられた『白焼き』と油通しされた賀茂茄子。吸い地は敢えて輪郭のはっきりとしたものであり椀種を引き立てる味わい。そして八寸には『鱧』の揚げ浸しに鷹ヶ峯唐辛子のアクセント、丸十で作られた『栗芋』、芋茎の胡桃和え、海胆莫久来、二子芋田楽、蛸胡瓜串に修行先である『瓢亭』さん譲りの瓢亭たまごならぬ『新茶家たまご』、冷鉢には前沢牛を凌ぐとも言われる肉質の『奥州牛』のA4〜5ランクのサーロイン判の大きな断面の牛肉の冷しゃぶ仕立、出汁をたっぷりと含んだ夕顔にフルーツトマトの蜜煮、玉ねぎと茗荷の微塵切り、焼物には『ノド白桃』のコンポートにシャインマスカットと巨峰グロ』のつけ焼に玉蜀黍の天ぷら、〆のごはんは『鮎の炊き込みごはん』に昆布味噌漬、柴漬け、花山椒の香の物にモロヘイヤ、蓴菜、豆腐の田舎味噌仕立の汁椀、『鮎の炊き込みごはん』の中には賽の目切りされた胡瓜と後で加える茗荷。一膳めはそのまま味わい、二膳目はオコゲの部分を出汁茶漬でサラサラと流し込み一度で二度美味し。食後に『白桃』のコンポートにシャインマスカットと巨峰の水菓子、薄茶にてひと通り。料理に合わせて戴いた酒は『天の戸』純米大吟醸、『雪の茅舎』、『まつもと』2種の呑み比べと美味しい料理と旨い酒に満たされた夜。今回は同行者の中に甲殻類と小麦粉アレルギーの方が同席されたため通常とは些か異なる料理構成になっています。尚且つ御無理申し上げ遅い時間からのスタートにも快く御対応いただき感謝です。
『瓢亭』仕込の粋な味わい…『新茶家』
『瓢亭』さん仕込みの京懐石がいただける店として大阪や京都で腕を揮われている現役の料理人の友等より"機会があればぜひ一度" とオススメいただいていた『新茶家』さんへ初めて寄せていただきました。平民宰相の名で親しまれた岩手県輩出の内閣総理大臣『原 敬』氏も足繁に通われた創業百五十年余りの歴史を持たれた由緒ある料亭です。本当は此処に書くべきか?このまま内緒にしておくべきか?多少悩みましたが思い切って初レヴューの投稿をさせていただくことに致しました。先ず最初に老舗の『料亭』ですので突然、店に押しかけても當然のことですが料理をいただくことは出来ません。『完全予約制』での対応となります。今回は『おまかせ』のコース料理をいただきました。料理は白味噌仕立ての『蓬豆腐』の先付から。白味噌と和芥子の組合せが如何にも京らしく桜花漬が見頃を迎えた岩手の桜に花を添えています。白味噌は五臓六腑にすっーと染み渡る滋味なる美味しさ。向付は真蛸の身と吸盤にミナミ鮪、鮃に松皮造りの鯛に焼霜にした油目、墨烏賊に青柳の八種盛。料理屋さんの造りには余り過度なる期待はしておりませんが八種類もの味を楽しませていただける点ではうれしいと思われる方もきっと居られることでしょう。中では『墨烏賊』とバカガイ≒『青柳』の二品が良かったです。懐石料理の華であり料理人の腕の見せどころの椀物は葛打ちした『油目』に京の『筍』の椀種につまに『コシアブラ』、『木の芽』の吸口という内容でしたが『吸い地』をひと口、口に含んだ瞬間に思わずハッとさせられました。それはひと口めに美味しさのピークを持ってくるのでは無く食べ終える頃に合せ味のトーンを持ってくる京の料理技法ならではの引き算の味わい、この椀物から気分が一気に高揚してきたのは言うまでもありません。続いて供された塗りの漆器に収められた八寸には金箔を貼った蛤の貝殻の中に『長芋の梅肉和え』その上には白魚の天ぷら、蕗の薹味噌が使われた麩田楽、山菜通が好む『しどけ胡桃和え』にたらの芽の変わり揚げ、一寸豆の蜜煮、溢れんばかりの卵を抱いた『飯蛸』に『鯛の子』を炊いたもの、そして珍味の『蟹子の塩辛』と品の良さを感じさせる品々、当たり前のことですが白魚の天ぷらもたらの芽の変わり揚げも揚げて熱々です。白眉の料理は蒸物代わりに供された『のどぐろ焼』に『菜花餡』を合わせた炊合せに久慈山形村産の『短角牛のイチボ』と塚原の『筍』に『花山椒』を合わせた料理の二品です。皮目をパリッと身をふっくらと仕上げられた『のどぐろ』が美味しかったは勿論ですが特筆すべきは『菜花餡』の計算された味付です。僅かに感じる玉締め油か太白の油の隠し味に山菜の『ウルイ』が食感のアクセント、塚原の筍と『花山椒』の組合せも経験に裏付けられたもの。今年は『黒トリュフ』並みに値の張る『花山椒』、欲を言えば倍の量入れてもらえれば更に美味しさが倍増したことでしょう。いづれにせよ余りの美味しさに身を幾度も仰け反らせ、呻った訳です。頃合いよろしく運ばれてきた食事は呻ったに掛けた訳ではないのでしょうが『鰻ごはん』に三陸の恵みの新物若芽を加えた『肝吸い』。注ぎ足し注ぎ足し使われている旨味が増幅したタレのコクと深みに丁寧な蒸しの工程を表すフワッとろの食感は老舗店ならではのもの。後で知ることになるのですが『新茶家』さんは『鰻料理』でも地元では定評があり土用丑の日には持ち帰りの蒲焼の引取客の車で周囲の道路が渋滞するとの今回の宿泊先のホテルニュー江刺さんのコンシェルジェ氏の話。食後の水菓子は二段構えで『美生柑と豆乳のブラマンジェ』に二種類の岩谷堂羊羹とお薄でひと通り。噂に違わぬ美味しい料理に上質なおもてなし。中庭を臨む二階の奥の間にて三時間超の濃密な時間を過ごさせていただきました。今回供された料理は『瓢亭』さんや『柊家』さんにて六年余りの修行を積んで来られた若旦那の『和賀靖公』さんの手によるもの。當年二十七歳の若さで此処までやられるとは正直言って驚きました。これからが益々楽しみな料理人さんです。そして岩手県を中心に活躍されている『エリカ』さまことミュージシャンの『和賀恵里香』さんは実のお姉様。光栄にもそのエリカ様のお酌で一層楽しい時間を過ごすことが出来たことは言うまでもありません。岩手はやはり広いです。面積は四国四県より広大な土地を有する岩手県。未だ未だ自分の知らない料理店が沢山あるのだと感じ入った次第。此処は季節ごとにしばらくの間、足を運んでみたいと久しぶりに思わせてくれた素晴らしい料理店です。高級食材を並べたてグイグイ圧してくる単なる御馳走のオンパレードの料理ではなく『花山椒』等、今しか味わうことの出来ぬ旬の素材で季節感を表すと同時に『器あしらい』が兎に角、素晴らしい。其れに気付くか気付かれないかは食べ手側の経験値を店側から試されるいるようにも感じた次第。紹介してくれた友人と一期一会にこの場をお借りして感謝御礼申し上げます。
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店名 |
日本料理 新茶家
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受賞・選出歴 |
2024年Bronze受賞店
The Tabelog Award 2024 Bronze 受賞店
2023年Bronze受賞店
The Tabelog Award 2023 Bronze 受賞店
日本料理 百名店 2023 選出店
食べログ 日本料理 EAST 百名店 2023 選出店 |
ジャンル | 日本料理、うなぎ |
予約・ お問い合わせ |
0197-35-2025 |
予約可否 |
完全予約制 2日前までの予約 |
住所 | |
交通手段 |
水沢江刺駅より車で10分 |
営業時間 |
|
予算 |
¥20,000~¥29,999 ¥10,000~¥14,999 |
予算(口コミ集計) |
¥15,000~¥19,999
¥20,000~¥29,999
|
支払い方法 |
カード可 (VISA、Master、AMEX、JCB、Diners) 電子マネー可 QRコード決済可 (PayPay) |
サービス料・ チャージ |
税込み価格 サービス料10%別 |
席数 |
30席 (小間2~8名 中間6~20名 大広間20~50名) |
---|---|
個室 |
有 (2人可、4人可、6人可、8人可、10~20人可、20~30人可、30人以上可) 全室個室 椅子・テーブル ※1名様のご予約は他のご予約との兼合いにて要相談のうえ承ります。 ※ツアー並びに30名以上の冠婚葬祭・御宴会はお電話にてご相談下さい。 |
貸切 |
可 (50人以上可、20人以下可) |
禁煙・喫煙 |
全席禁煙 野外喫煙スペース |
駐車場 |
有 |
空間・設備 | オシャレな空間、落ち着いた空間、座敷あり |
ドリンク | 日本酒あり、焼酎あり、ワインあり、日本酒にこだわる、焼酎にこだわる、ワインにこだわる |
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料理 | 野菜料理にこだわる、魚料理にこだわる |
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
ロケーション | 景色がきれい、隠れ家レストラン、一軒家レストラン |
サービス | お祝い・サプライズ可、ドリンク持込可、テイクアウト、デリバリー |
お子様連れ |
子供可、お子様メニューあり |
ドレスコード | ・過度の香水着用 |
ホームページ | |
公式アカウント | |
オープン日 |
1850年 |
備考 |
精進料理可 |
初投稿者 |
このレストランは食べログ店舗会員等に登録しているため、ユーザーの皆様は編集することができません。
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3月21日に日本料理『新茶家』さんの七代目亭主である和賀靖公さんがFacebookに「夕方に小さな折詰弁当 少しだけ販売いたします。後ほどストーリーにて」の投稿を目にし早速に1個予約を済ませ仕事帰りに引渡ししていただき夜はFIFAワールドカップ アジア2次予選 日本VS北朝鮮を視ながらいただきました。岩手県唯一無二の料亭 日本料理『新茶家』さんの作られた折詰の中には『牛肉の鋤煮(スキニ)』や白身だけを固くして黄身はとろりと柔らかい修行先の『瓢亭』さん譲りの玉子に『蕨(ワラビ)の信田巻(シノダマキ)』に早堀りの筍(タケノコ)を使った『筍(タケノコ)の白だし煮』に旬の蓬(ヨモギ)を使い桜花漬(オウカヅケ)で留められた『蓬豆富(ヨモギトーフ)』に山菜の『屈み(コゴミ)』等のハシリと旬の素材を使った料亭の味がびっしり詰め込まれた御弁當をSAPPORO Extra BREW×1本+YEBISU MEISTER×2本とともに美味しくいただきました。