Restaurant name |
閉店Sushidokorowa
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Categories | Sushi |
Address |
北海道札幌市中央区南十九条西12-1-12 |
Transportation |
400 meters from Ropeway Iriguchi. |
Opening hours | |
Budget(Aggregate of reviews) |
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Method of payment |
Credit Cards Accepted (JCB、AMEX) |
Non-smoking/smoking |
− |
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Occasion |
This occasion is recommended by many people. |
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The opening day |
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特筆すべきは赤酢のシャリが上出来ということである。これは驚いた。大トロにも白身にも貝にも〆ものにも合う赤酢のシャリを初めていただいた。酢を尋ねると岐阜の内堀醸造だと教えてくれた。
ネタは札幌中央卸売市場で手に入るものの中では最高ランクを惜しげもなく揃える。
予約営業のみというのは客の好みに合わせて満足度を高めることができる一方、回転や歩留まりが悪く割高になりがちである。それを、人件費を抑え、原価率を(儲ける気はないのかと思うくらい)上げて対応している。
握りの所作は流麗とはいえないが、できあがった姿はきれいにまとまっており、シャリのほどけも良い。
つまみと握りを交互に出すスタイルであり、体調を整えていかないと、満腹で苦しくなる。
銀座8丁目の鮨辰巳(そこそこ評判の良い店)で修行した腕は確かである。
基本、一日一組貸し切りなので、リラックスしすぎて酒飲み過ぎには注意である。
一見客お断りという訳ではないが、ミシュラン取材を断っている関係もあり、一人客は断られる。
店主の上尾(うえお)利也氏は岡山出身の54歳。若い頃はかなり“やんちゃ”もしたそうだが、客に緊張を強いることはまったくなく、のんびりした雰囲気の方である。自転車で日本一周して、北海道は2周して、気に入ってそのまま住み着いたという。旭川時代の常連から強く勧められ、数年前に札幌に移転した。
この店で思うのは、店主個人の好みが店内に出すぎている。自転車やギターなど私物は、普通置かないものだ。ジャズが好きなのは結構だが、このクラスの店ではBGMは無い方が良い。結局、商売をしているという感覚が薄いのだろう。びっくりするのは、余ったネタを(多分)無料サービスで握ってくれることである。まあ、柵ごと値付けしているという見方もできるが、「違いの分かる人に、とびきり旨いものを腹一杯食べてもらおう。」という心意気は伝わってくる。
札幌駅前からタクシーだと千数百円かかってしまうが、家族で何か記念のお祝いに利用するのがお勧めである。夏から秋は天然活ウナギを裂いて店先で焼いているし、冬はフグをさばいてくれる。
味は落とさず、もう少しリーズナブルな価格帯にして常時営業にしたらどうかと意見したら、そのつもりで支店オープンを企画中だという。札幌に来た折りには少し贅沢して寄ってみるかという気になる店である。客も一緒になって、名店に育てていきたいと思える店である。