【５回目・総括】「旨い麺＋旨いかけ出汁＝旨いうどん」とならないところが、うどんの神秘だなあ。 : うどん 慎

慎も早いもので５度目の訪問。今回は過去４回のレビューを踏まえた総括としたい。

□過去の履歴
１回目:ざるうどん(冷)
２回目:醤油うどん(冷)＋とろろ
３回目:釜かけ(温)
４回目:ぶっかけ(冷)
５回目:釜かけ(温)【今回】

□麺
ここの売りは何と言っても弾力に富む麺。特に冷で食べた時の弾力は超絶的だ。
だが、少々、弾力がありすぎ、噛み切るのに苦労した。この辺りのチューニングが今ひとつか。また、１回目のように「えっ？」というようなハズレもあるので、その点はご覚悟を。
そして、この麺は釜かけにはあっていない。釜かけにしただけで、超絶的な弾力はなりを潜める。
ここでは冷たいうどんを選ぶのが吉だ。

□出汁
昆布と節でとったというここのかけ出汁はなかなかと思う。だが、前述の通り、麺が釜かけとの相性が良くないのか、釜かけを頼むと、かけ出汁を楽しむことと引き換えに、麺の楽しみが失われてしまう。実に悩ましい。

□総評
旨い麺と旨いかけ出汁。組合せれば、旨いうどんになりそうなものだが、そうは問屋が卸さないようだ。
利用者は麺か出汁かの二者択一を迫られるが、僕はここでは冷たいうどんを推したい。
やり過ぎ感を感じないわけでもないが、ハマった時のここの麺の印象は強烈だ。ぶっかけとか、ざるとか、中途半端なことは言わず、醤油うどんでストレートに味わうのは如何か？

こちらは、新宿という場所ではベストの選択と思うが、わざわざ出向くなら、僕は神保町の丸香や十条のいわい、高田馬場の蔵之介に行くだろうけど。これが総括。

■ご参考
今まで訪問した、うどん屋全店舗の評価を日記欄にまとめてみました⇒全国うどん事情、工藤権左衛門の場合
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【４回目】投げてみないとわからない、今の松坂投手のようなうどん屋。('13/05訪問)

■当日の状況
平日の16時ごろ到着で、先客２名。通し営業なので、利用しやすい。

■料理・総評
◯ぶっかけ(600円)+大盛(無料)+温泉玉子(150円)
前回の釜かけは麺の主張が弱過ぎ、前々回の醤油うどんは麺の主張が強過ぎたので、かけにしようと思ったら、かけがメニューから消えていた。仕方なく、ぶっかけで。アベノミクスの余波か、値上げされたのと引き換えに、大盛りがただになったので、大盛に温泉玉子付きでお願いした。
待つこと15分で到着。見た目は相変わらず美しく、伸びのある麺は健在だが、バランスが悪い。切れて欲しいところで切れないから、気持ちよく食べれないのだ。食感を楽しむというよりは、いささか面倒な感じで、この辺りは相性だろうが、蔵之介との違いを感じる。
ぶっかけのつゆ自体は可もなく不可もなし。温かいかけ汁の方がオススメだ。
以前、蔵之介をユーノス・ロードスターに例えたが、ここは三菱FTOのような感じ。前輪駆動に、重いV6エンジンを鼻先に載っけたフロントヘビーのバランスの悪さがあり、ハマればすごいが、そうでないと…というのが総評。
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【再々訪】うどん好きはアベノミクスの犠牲者になってしまうのか？('13/03訪問)

■当日の状況
平日の18時頃到着。先客は女性２名のみ。その後、女性のおひとりさんが来店。女の中に男が一人状態。

■料理
◎釜かけ・大盛(600円)
過去二回の冷たい麺から、今回は温かい麺に。通常の温かいかけは一旦水で締めるのに対して、釜かけは、釜から上げたうどんにそのままかけ汁をかける、コシよりも旨味を重視した食べ方だ。
注文より待つこと17分で到着。ここのかけ汁を初めて飲む。節系とこんぶの味わいが強い、よいかけ汁だ。
麺は少しネットリした感じで、味わいある。冷で食べた時はその伸びとなかなか切れてくれない麺に驚いたが、そういう傾向はなし。ただ、あの伸びる麺が温かくなるとどうなるだろうという期待があったため、ちょっと肩透かしを食らった感あり。温かけくらいがちょうど良いかもしれない。

■総評
昨今、アベノミクスなる経済政策が世間を騒がしている。詳細は報道に任せるが、デフレスパイラルから脱却すべく、金を刷りまくる政策を一つの核としている。兌換券の大量発行により、円安が進行、輸出品の価格競争力は上がるものの、海外からの調達品、例えば、小麦やガソリンの値段は上がる。そして、慎のうどんも値上げされた。
大盛は100円増しから無料になったが、普通盛りの醤油うどんは400円から600円へと200円、1.5倍の値上げだ。う〜ん、そうなると、私の給料、いや小遣いが1.5倍にならないと割りに合わない。
どうにかならないものか、というのが総評。
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【再訪】「呉下の阿蒙に非ず？」、前回とは全く別の絶品うどん。('12/12訪問)

■当日の状況
平日の18時過ぎに到着。先客３名のみ。並ばずにカウンター席に座れた。

■料理
★醤油うどん(400円)+とろろ(100円)
前回のレビューで、平均を大きく下回る評価。もし今回も満足いかないようなら、性格的に二度と来る事はなくなるが、信頼するマイレビュアーの評価は軒並み高い。ここは一番お気に入りの組合せ、山かけ（醤油うどん＋とろろ）をオーダー。
「15分位お待ちいただきますがいいですか？」「喜んで！」といつものやり取りを済ませる。さっきまで伸ばしていた生地をブィーンと切る音がして、一安心。約束の時間には艶やかなうどんとねぎ、しょうが、醤油、そして、とろろが到着。
醤油を舐める。キッコーマンではないが、普通の醤油だ。肝心の麺の表面は前回のようにふやけていない。それどころか、食べたら前回とは全くの別物。前回は麺の芯が固めだなという記憶しかないが、これはすごい伸びの麺だ。惜しむらくは、伸びがよい上に、麺の芯が固めでなかなか切れないこと。とはいえ、この超絶的な伸びを醤油で味わう時間はなかなかの至福な時間。この食感は一度は味わって欲しいが、食べ物としては温かい方が美味しいかもしれず、私も後日は温かいうどんを試してみたいと思う。
マイレビュアー高評価の理由が納得できた一杯。

■総評
実のところ、この近辺で仕事があり、「そんな店あったね〜」的な感覚でお伺いしたのだが、いやいやどうして、素晴らしい麺に出会えた。とはいえ、手放しに絶賛はできない。なぜなら、あまりに前回との差が大き過ぎる。
三国志に出てくる呉の呂蒙は学がなかったが、猛勉強をし、同じく呉の軍師であった魯粛に「呉下の阿蒙に非ず（あのお馬鹿な呂蒙とは見違えるほどに変わった）」と言わしめたという。呂蒙のように今回が本当の実力であることを望みたい、というのが総評。
評価を☆３から☆3.5に変更しました。
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【初訪】あえて再訪するかどうか、実に悩ましい店('12/11訪問)

■アクセス(当日はJR新宿駅利用)
JR新宿駅南口から甲州街道を西へ、ゴーゴーカレーのある交差点を左に曲がった先にある。道が混んでおり、信号待ちも何度かあって、実測で徒歩約12分。意外に遠い。

■当日の雰囲気、店のシステム
料金後払制。平日19時前で、10名程度しか入らないであろう店内の残席二つで、待たずに着席。
ちなみに、退店時は６名の待ちが発生していたので、１９時以前の入店がオススメか。
清潔感ある店内で、荷物の置き場所も豊富で助かる。見える範囲で男性三名で切り盛りしている。対応は溌剌として、快い。

■料理
◯ざるうどん(500円)
注文してから10分程度して到着。きれいに盛られた麺、つけ汁、ねぎ、しょうがが供される(しょうがは使わず)。
つけ汁をまずすする。出汁の味はしなくはないが、特に特徴はない。強いて言えば、塩気が強い。
麺の芯は詰まっており、噛み応えを感じさせるタイプだが、外側はふにゃふにゃ。よく見ると、麺の表面も水でふやけたかのよう。これでは噛み始めの食感は期待できないのも道理。歯応えがあるが、弾力感は貧しいタイプ。NYCで食べた温や（麦の穂が経営し、日本でもチェーン展開中）のうどんに似ているかなと思った。ここも店前で機械で伸ばして、切ったうどんを提供してくれる。

■総評
シチュエーションとして、次のお客さんのところでうどん玉を伸ばし始めていたので、まさかの茹で置きか？いや、茹で置きで10分も待つか？少なくとも切られてから時間のたった麺であったことは事実。
うどんはコンディションが日々変わるので、一度食べて、どうよというものではないが、途中下車してまで、もう一度、足が向くかは微妙な感じ、というのが総評。