今年も秋がやってきた : 雅味 近どう

この口コミは、サカキシンイチロウさんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

最新の情報とは異なる可能性がありますので、お店の方にご確認ください。 詳しくはこちら

3.5

¥6,000~¥7,9991人
  • 料理・味4.0
  • サービス3.0
  • 雰囲気3.0
  • CP3.5
  • 酒・ドリンク3.0

3.5

¥3,000~¥3,9991人
  • 料理・味4.0
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.5
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク3.5
2023/10訪問15回目

3.5

  • 料理・味4.0
  • サービス3.0
  • 雰囲気3.0
  • CP3.5
  • 酒・ドリンク3.0
¥6,000~¥7,9991人

今年も秋がやってきた

岐阜にきて今日は「雅味近どう」。秋をたのしむ夜としました。
前菜の盛り合わせの器、設えどちらも秋。
柿の形の器の中には柿の白和え。かぼちゃの豆腐にきのこのおひたし。トマトの煮浸し、すっぽんのスープで炊いたおからにだし巻き卵。美味揃い。
お椀の蓋も秋でした。
きのこを混ぜた海老真丈に松茸の汁。蓋を開けた瞬間においしい香りがふわっと漂い、食卓の上が明るくなったよう。
刺身が続く。
ヒラメにホタテにマグロの赤身。ヒラメの縁側が分厚く、歯ごたえとても力強くてうま味も強い。海にも秋が来た証拠。

近どうさんのスペシャリテ。
蒸し饅頭のあんかけがくる。
今日の饅頭は百合根の裏ごし。こっくりしていてなめらかで中にはカニのほぐし身ぎっしり。
餡はなめらか。
しかも熱々がずっと持続するのがステキ。
お腹が芯からあったまる。

天然のブリの焼き物が続きます。
天然のブリの焼き物が続きます。黄色いお皿に松葉に銀杏。枯れ葉の上に焼かれたブリが飾られたよう。脂がのったブリの切り身は分厚くて強いうま味と焦げた脂の風味がおいしい。焼いた銀杏は塩味くっきり、フルーツほうずきが添えられていて、そばを揚げて作った松葉もパリパリ旨い。

今日の油ものはタチウオの揚げ浸し。このタチウオもうまかった。
おいしいものを食べて旨いと評するのは愚の骨頂と思いながらも、「旨い」という言葉がピッタリするからそう言うしか無いおゴチソウ。
タチウオの下には揚げた海老芋。カリッと歯切れてねっとりとろける。ぽってりとした茄子に香り鮮やかなししとうと味わい多彩で気持ちが満ちる。
湯葉のあんかけご飯を食べて〆のデザート。
ナガノパープルとシャインマスカットにイチジクのコンポート。お茶を飲んでしみじみ秋に感じ入る。

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2023/08訪問14回目

3.5

  • 料理・味4.0
  • サービス3.0
  • 雰囲気3.0
  • CP3.5
  • 酒・ドリンク3.0
¥6,000~¥7,9991人

季節のはざまのおゴチソウ

岐阜に来ました、雅味近どう。
そろそろ季節の音も蝉の鳴き声から鈴虫の声に変わろうかというこの時期です。
前菜が虫かごを被ってやってくる。
かごの上には葡萄の葉。
しっとり濡らされ涼しげで、かごを開くと中には色とりどりの料理が並ぶ。
奥のガラスの器にごま豆腐。
背の高い器の中には茹でた瓜の繊維をひっかいて出汁に浸ししたさっぱりとしたおひたし。
キュウリやいんげん、きのこを茹でて鰹節と崩した梅で味をととのえたひと品に、だし巻き卵、穴子の押し寿司。
この押し寿司がおいしくってネ…、分厚い穴子がふっくら煮られて焼き上げてシャキッと酸っぱいシャリと混じってとろけていくにウットリしました。
今日はひさしぶりにハイボールを一杯所望しました。理由は慶応高校が甲子園にて107年ぶりの優勝を果たしたから。まさか生きてる間にこういうことが起きようなんて、予想だにせぬよきニュース。

続いてお椀。メインの椀種はキクラゲ真丈。むっちりとした白身魚のすり身に混じったキクラゲがコリコリ砕ける感じがたのしい。
上等な出汁。
ゆがいたニンジン、ピクミンみたいな小さな大根、しいたけ、そしてじゅんさいと食感にぎやか。あったまる。
今日の刺身はイカにマグロ。イカはとろけるやわらかさ。マグロは甘くやはりとろけて軽い酸味を口に残して消えていく。
必ず供されるカニまんじゅうのあんかけの今日のまんじゅうはかぼちゃ製。中にたっぷりカニのほぐし身、ぽってりとした餡は上等…、おゴチソウ。

焼き物が来て、今日のコースのクライマックス。
魚はタチウオ。
香りはなやか、やわらかにしてとろける食感、皮はパリッと焼かれてる。
タチウオの後ろ側にはイカ真丈の揚げ団子。
ハフハフするほど熱くてブルンと弾ける感じがたのしくて、しかもおいしい。
イカのうま味って上品なのに力強くてオモシロイ。
煎った銀杏は秋の先取り。甘く煮込んださつまいも、お供の器に酸味さわやかなもずくが入ってひと揃え。
お酒もまわり舌もなめらか、体も座もたのしくあったまった頃合いにガラスの器がやってくる。
蓋付きのガラスの鉢で、その表面には霜がびっしりふっている。見るから冷たく、手に取る蓋がひんやりたのしい。

中にはローストビーフが入っていました。薄切りにしたローストビーフの上にゼラチンでまとめた銀餡。一緒に食べると口の温度で餡がとろけて、ローストビーフに絡みつく。
そこには茄子の甘辛煮。これもひんやり、噛むとクチュっと潰れて甘辛味の出汁がジュワリと滲んで消える。
そして〆。
青のりのだしかけ茶漬けをサラサラと。わさびをたっぷりとかしてツーンっと口をさっぱりさせながら昆布の佃煮、大根、キュウリの浅漬で口の調子をととのえる。
ぶどうの葛をまとった羽二重餅にシャインマスカットにピオーネと、甘いものもぬかりなく。
ぶどうがのったお皿はぶどうの葉っぱのなぞり。葡萄の葉っぱで始まって葡萄の葉っぱで終える粋。お腹も気持ちも満ちました。

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2023/06訪問13回目

3.5

  • 料理・味4.0
  • サービス3.0
  • 雰囲気3.0
  • CP3.5
  • 酒・ドリンク3.0
¥6,000~¥7,9991人

夏至の日のゴチソウ。鮎を喰らう

岐阜の夜の「雅味近どう」。
夏至の今日。お店に入ったときにはまだ明るくて、雨がちらつく涼しいお日和。
竹で編んだ虫かごみたいな覆いをかけた前菜がくる。一品目から夏の装い。
メインはねっとりとしたごま豆腐。「水無月」という和菓子を倣って仕立てられてる。ういろうに硬く炊いた小豆の餡をちらしたお菓子が水無月で、だからごま豆腐の中に小豆が潜んでる。コツコツ奥歯を叩いて甘みを吐き出す豆のおいしさ。ニッコリします。
トマトのおひたし、青菜の煮浸し、すっぽんのスープで炊いたおからに甘い卵焼き。鯛の押し寿司、枝豆とひと口ごとにお腹が喜ぶゴチソウ揃い。
エビしんじょうとじゅんさい、しいたけ、野菜の汁でお腹をあっため話もはずむ。

今日はこちらをお焼きいたします…、と小さな水槽に入った鮎がやってくる。
あぁ、そんな季節なんだなぁ…。
日本の料理は季節を味わう料理なんだとしみじみ思う。

今日の刺し身は天然マグロのトロに鯛。どちらも脂がのってねっちり、歯ごたえもよい。
糸造りにしたイカはねっとりとろけて旨い。

ここの名物の蒸し饅頭が続きます。
季節、季節で饅頭の素材が変わる。今の季節は枝豆饅頭。
緑の色があざやかで、ぽってりとろけてほのかに甘い。中にはほぐした蟹肉がたっぷり詰められ、刻んだきくらげのコリコリ感がふっくらとした蟹肉を引き立て味も整える。
なにより銀あんのおいしいこと。とてもなめらか。口の中で上等な出汁にもどってく。

そしてメインの鮎の塩焼き。
炭を仕込んだ器の中からおいしい香りの煙が湧いて、串に刺した鮎を燻してやってくる。
ほどよきサイズの鮎です
しかも生きたまま串刺しにして焼き上げている。
だから串がススっと抜けていくんですネ。
四角い皿に乗せると小川のせせらぎを泳ぐ魚の姿になる。
じっくりこんがり焼かれているから、頭もバリバリ食べられる。
皮はバリッと身はふっくら。ワタの苦味がまさに鮎。新鮮だったからでしょう…、匂い華やか、塩の加減も絶妙です。
もずくの酢物にパプリカひと切れ。甘く炊いたさつまいも。すだちの種が丁寧に取り除かれているのにニッコリ。
仕事が好きな人が作る料理はおいしくうつくしい。

そろそろ料理も最後に向かう。今日の油ものは鱧の天ぷら。骨を見事に切った鱧にぽってり衣をつけて揚出し仕立てで出てくる。
鱧の下には揚げた丸なす。とろけるほどにやわらかで、出汁を吸い込み口が潤うオゴチソウ。ししとうの素揚げが彩り添えて食べると青い香りで口やお腹がすっきりとなる。
今日の食事は湯葉のあんかけか海苔茶漬け。いつもはあんかけを食べるのだけど、不思議と今日はサラサラ茶漬けで〆たくなった。
こわめに炊いたご飯の上にたっぷりと海苔、あられにわさび。出汁をかけてサラサラ食べる。お手製の漬物食べてお腹は満ちる。
羽二重餅にダークチェリーでお腹に蓋して、また参りますと店を出る。

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  • 雅味 近どう -
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2023/05訪問12回目

3.5

  • 料理・味4.0
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.5
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク3.5
¥3,000~¥3,9991人

春爛漫に夏の先取り

岐阜にきました…、「雅味近どう」で夕食とする。
まずは八寸。そら豆で作った豆腐にトマトの出汁漬け。芥子をちょこんとのっけたタコの柔らか煮、すっぽんのスープで炊いたおからにだし巻き、炙った枝豆。菜っ葉のおひたし、鯛のちまきと多彩な味わい。
ちまきの鯛がねっとりとした昆布〆でシャリは酸っぱくお腹が開く。
お椀は毛ガニの真蒸にじゅんさいの汁。そうか、もうじゅんさいの季節なんだなぁ…、としみじみ思う。出汁は上等、まろやかで塩の加減もビシッとしてる。
若竹の枝を一本刺した器に刺し身3点。
はじめてここでみる器。器ももてなし…、ニッコリします。
ねっとりとしたイカにとろけるトロに鯛。鯛のおいしい季節です。

いつもコースに必ず出てくる銀餡まんじゅう。
今日はゴボウに芯がカニ。
おいしかった…。
ゴボウの香りがどっしりとして力強くて、しかも華やか。
春の大地のたくましさを感じる一品。
それに絡んだ銀餡も、いつもよりも若干強めの味わいですっきりとした酸味が後味ひきしめる。
こういう料理を食べると、日本料理って「出汁の料理」なんだなぁ…、ってしみじみ思う。
おゴチソウ。

焼き物は太刀魚。
夏の先取り。
走りではある…、けれど脂は十分のってて自分の脂で皮がパリッと焼けている。太刀魚独特の匂いとクシュッと壊れる肉質。お皿に乗った盃にはもずくの酢漬けにパプリカひと切れ。ズルンとすするとパプリカがカリッと壊れて口がスッキリさわやかになる。

そして今日の油もの。桜えびのかき揚げでした。
ぷっくり太った小さなエビが衣でまとまりふっくら揚がる。衣はサクッと軽快で、エビの香りと甘みが口に広がっていく。
熱々、しかも食感軽やか。エビのみずみずさは驚くほどで、天ぷらって衣で具材を閉じ込めて蒸し上げるような料理なんだと思ってニッコリ。
〆ご飯。ここの名物、湯葉のあんかけ。これもポッテリなめらかで出汁の風味にうっとりします。昆布の佃煮、大根ときゅうりの漬物もおいしくて夜のお腹が笑うおいしさ。
自家製のイチゴのアイスクリームでお腹に蓋して席をたつ。

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2023/03訪問11回目

3.5

  • 料理・味4.0
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.5
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク3.5
¥3,000~¥3,9991人

お腹の中に春が来た

岐阜に来て、いつものように雅味近どう。
先月も来た。
その献立は春に焦がれて、春を予感させるものだった。
今月のそれはまさに春。
八寸の器に桜の枝が一本彩り添える。まだ膨らみ始めたばかりの蕾が愛らしく、早めの花見がはじまるようで気持ちがゆっくり膨らんでいく。
トマトの煮浸し、豆豆腐。
おひたしにした菜の花に炊いた鯛の子、だし巻き卵。昆布じめにしたヒラメの押し寿司、上には梅酢に漬けた白魚が二尾。煮浸しにしたそら豆と並ぶ料理も春の色。
炊いた鯛の子が大好きでネ…、でも魚卵はあんまり食べちゃいけないとひさしぶりのオキニイリ。

続いてお椀。
塗りの器の蓋に細かな水滴ちらし、開けると中からおいしい香り。今日の椀種はホタテ真丈。ちょっと硬めに仕上げられてて蒸したアワビのようにむっちり。味わい濃厚、出汁も上等。にんじん、小松菜、しいたけ、タケノコと食感、味わいにぎやかでお腹がおいしくあったまる。

続いて刺身。脂ののったヒラメにマグロ、エビとどれも味わい上等。
でもそれ以上に感心したのが盛られた器。桜の花びらの模様が入って、今の季節にしか使えぬもの。そういう器を揃えているというのにウットリ。
ここの定番料理のあんかけまんじゅう。桜の塩漬けが添えられて、まんじゅうの生地にも刻んだ桜の花びら。とはいえ香りはほのかで餡や包んだカニのほぐし身の風味を邪魔せぬほどよき仕上がり。
何より餡がおいしいんです。スベスベとしたとろみなめらか、豊かなうま味に明るい酸味が後味すっきりひきしめる。

そして焼き物。
サワラの幽庵焼きに肝の醤油煮。
蕗の佃煮が添えられてくる。
焼き物の手前に一枚、椿の葉っぱ。春の景色が出来上がる。
魚に春でサワラです。
身が柔らかく癖が強い魚を味噌に漬け込んで、水気をしぼってむっちりとした食感にする。
手間の分だけおいしくなっていく料理。

〆に向かって最後の料理、油もの。
小さなお鉢に天ぷらの揚げ浸し。こごみの天ぷらを動かし中を覗いてみればタチウオ、海老芋、大根おろし。出汁に使っていながらもサクサクとした衣の食感はしっかり残り、口の中でサクサク壊れる。芋のとろけに甘みに香り。タチウオはハラリと壊れてちらかって、コゴミの苦味が春を呼ぶ。

〆は焼きおにぎりの出汁かけ茶漬け。
軽く醤油をまとわせ焼いた小さなおにぎり。几帳面な三角形とほどよく焦げたご飯がなんともうつくしく擦ったばかりのわさびがチョコン。三つ葉に海苔の香り鮮やか。
崩してハフハフ食べてくと、焦げたご飯がまるであられのような食感、香り。おむすびの芯のご飯はふっくらやわらか。ひとつのお椀の中にいろんな料理が片寄せあっておさまっている…、そんな感じにウットリします。
食後のたのしみ、今日の甘味は羽二重餅にミノムスメ。
岐阜特産のイチゴは酸味がクッキリしてて、羽二重餅の生地にもイチゴが練り込まれている。熱々のお茶をコクっと飲んで、お腹の中に春が来た。

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2023/02訪問10回目

3.5

  • 料理・味4.0
  • サービス3.0
  • 雰囲気3.0
  • CP3.5
  • 酒・ドリンク3.0
¥6,000~¥7,9991人

春はすぐそこ

移動して岐阜。いつものように「雅味近どう」で夕食をとる。
日本料理は季節の料理。
そうわかっていても最近では季節感を感じさせてくれる料理が少なくて、だからここの「食べて季節を感じる時間」は貴重。
ありがたい。
まもなく桃の節句です。
今日の八寸は雛人形を模した器が借景。蕾を抱いた梅の小ぶりの枝までついて、まもなく春の気配がステキ。
お内裏様の中にはほうれん草のおひたしが、お雛様の中にはごま豆腐と小さなトマトのおひたしがそれぞれ収まり、目にも口にもたのしいゴチソウ。
手前の器ははまぐり型。これもまもなく旬の季節の素材。
中には芽キャベツ、イワシの梅煮、梅酢で漬けた白魚にすっぽんのスープで炊いたおからにだし巻き卵が並ぶ。松の葉に刺した蒸しエビ、蒸し鮑。おいしい夜の予感にあふれるステキなしつらえ。

蓋に霧吹き。開けると中にはホタテの真丈。
カチッと硬めでムチュンと歯切れて出汁の風味豊かな汁がお腹をしっかりあっためる。
真丈の上を飾った梅の花型に作ったニンジンがあいらしい。
刺身がこれに続きます。
ヒラメにイカ、そしてマグロの赤身が並ぶ。ブリッとはじけるヒラメの食感、ヒレのうま味にウットリします。
このお店の名物と言ってもいいんじゃないかなぁ…、あんかけまんじゅう。今日は金柑の香りのまんじゅうで、中にはカニのほぐし身たっぷり。ぽってりとした餡がおいしく柑橘の香りがさわやか、あったまる。

そして焼き物。
甘鯛でした。
下手に扱うと水っぽくなる食材で、それをカリッとこんがり仕上げる。
皮はパリッと身はしっとりと。
塩の下限がまた絶妙で、ひさしぶりにおいしい甘鯛を食べたなぁ…、ってしみじみ思う。
青菜の胡麻和え、クワイチップにさつまいもの蜜煮がお皿をにぎわしてそれぞれ食感異なることにニッコリします。
そろそろ料理も終盤へ。
春の天ぷらがやってくる。
海老芋、こごみ、ふきのとう。春の山菜はほろ苦く、そのほろ苦さを海老芋の甘みやとろける感じがひきたてる。まだまだ寒くはあるけれど、春は直ぐそこ。あったかい。

〆はいつものあんかけご飯。出汁で煮た湯葉にとろみをつけて餡にしてそれをご飯に欠けただけ。わさびを少々、醤油を好みで垂らして食べる。
ぽってりとした餡がご飯にからんで舌の上で重たい。しかも熱々。湯葉の香りやとろける感じがここちよく、ご飯と一緒にとろける感じがおゴチソウ。
添えられている漬物は大根、きゅうり、昆布の佃煮。
出汁をとって残った昆布を炊いて作った佃煮です。風味出しのためのまぶした鰹節も出汁をとったあとのもの。始末でしかもおいしい料理。日本の料理はSDGsだったんだよね…、って思ったりする。
お膳が下がり、新たなお膳と共にやってきたのが羽二重餅にはるうらら。堪能しました…、オキニイリ。

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2023/01訪問9回目

3.5

  • 料理・味4.0
  • サービス3.0
  • 雰囲気3.0
  • CP3.5
  • 酒・ドリンク3.0
¥6,000~¥7,9991人

今年もよろしくお願いします

今年最初の岐阜の夜。「雅味近どう」にやってくる。
なじみの店…、と言ってもいいでしょう。もう何度来たのかわからないほど。
来るたび、今日は何を食べられるんだろうとドキドキできる。にもかかわらずいつもの料理、いつもの仕立てが必ずあって安心もできる。
長く付き合った恋人だとか友人みたいな感じがするのがオキニイリ。
今日の前菜はお正月と節分の合間を表現した感じ。
左のお皿にはたらの白子を裏ごしにして固めた豆腐とトマトのおひたし。菜の花のおひたしを挟んで右にはやわらかく煮た蛸に煮こごり、厚焼き玉子。串に刺した蒸しエビと数の子がお正月の名残を作る。
間に福豆を3つちらして、食べ終わったお皿はお福と鬼の模様が入る。福も鬼も差別をしないでお腹に収めるダイバーシティな夜(笑)。

お椀が来ます。
蓋の上に細かな水滴。料理を作って食卓に届く間に誰も蓋をひらいてございません…、とおいしい封印。日本の食のたおやかなこと。
蓋を開けると白味噌仕立てのお椀もの。ゆずの香りを含めた海老真丈。揚げた里芋、ニンジン、しいたけ、三つ葉と彩り鮮やかで、なにより汁のおいしいこと。京都の白味噌と違って甘みが控えめで出汁の風味や香りが際立つあたたかさ。
刺身が続く。
ヒラメの縁側、鯛にマグロの中トロにイカ。炙った生の蛸がねっとりおいしくてどれもほどよく熟成きいてねっとりとした噛みごたえ。おいしいなぁ…、ってニッコリします。

そして近どうさんの名物料理。
あんかけまんじゅうがやってくる。
季節、季節で異なるまんじゅう。
今日は里芋と黒豆を使ったもので、中にカニのほぐし身たっぷり。
上からぽってり銀あんがたっぷりかかって熱々、なめらか。餡の味わいが力強くてまんじゅうのねっとり感や甘みを引き立てお腹が潤うおゴチソウ。

織部の大きな器が来ます。
サワラの焼き物、ふきのとうの天ぷらにクワイのチップス、茄子の田楽と食感、味わい、多彩な一皿。青菜のごま汚しで口の状態整えながら季節の味をじっくりたのしむ。砂糖で炊いてひんやりさましたさつまいもの甘みに口がホッとする。

そろそろ今日の料理も終わりに向かう。白魚のたまごとじの小鍋がクツクツしながらやってくる。出汁の旨味と白魚の風味を飲み込みフワッと仕上がる玉子がゴチソウ。お腹がしっかりあったまる。
食事はいつもの湯葉のあんかけご飯を選ぶ。
小鍋もこれも出汁がおいしいからこそおいしい料理。ねっとりとした湯葉の食感、豆の香りを引き立てるおいしい出汁餡の味わい、風味がおゴチソウ。醤油を少々、わさびと一緒に味わいお腹がほどよく満ちる。
リンゴのムースと紅ほっぺのデザートでしめ。この紅ほっぺが甘くてほどよく酸っぱくて、自然が作る味にまさるものはなし…、ってしみじみ思う。おゴチソウ。

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2022/08訪問8回目

3.5

  • 料理・味4.0
  • サービス3.0
  • 雰囲気3.0
  • CP3.5
  • 酒・ドリンク3.0
¥6,000~¥7,9991人

夏の終わりと秋のはじまり、雅味近どう

夜、ひさしぶりに「雅味近どう」。
前回来たのは春の終わりで、夏を飛ばして秋のはじめに戻ってきた…、って感じであります。
まずは前菜。
竹で作った虫かごをかぶせた前菜。
そういえば、夜になると虫の音が聞こえる季節になりました。
かごを開けるとおいしい景色に目がまずよろこぶ。
ささげの胡麻和え、糸瓜のおひたし、枝豆豆腐におからに河蟹、卵焼き。
硬めに茹でたささげがキュッキュと奥歯で潰れる騒々しさ。すりおろしたばかりの胡麻の香りが力強くて、にもかかわらず豆の香りがなんとも鮮やか。
バリバリこわれる河蟹は小さいくせして十分カニの味がする。おからはすっぽんの出汁で仕上げて濃厚味でみずみずしくて、枝豆豆腐の上には出汁で煮浸しにしたトマトが彩り添えている。
「今日はこれをご用意しました」と運ばれてきた鉢の中に鮎が一匹。そろそろ終わりの夏の味。

キクラゲ豆腐にジュンサイの椀。卵豆腐の中に刻んだキクラゲを仕込んだ豆腐はコリコリ歯ごたえたのしい。今日の汁は昆布の出汁が強めにきいててヌルンとなめらか、甘みが強い。それがジュンサイのプルプル感を引き立てお腹をあっためる。
蓮の葉っぱを模したお皿で刺身が来ます。
ヒラメにイカ、マグロの中トロ。ヒラメはエンガワひと切れ、切り身がふたつ。コリコリ感をプルプル感を同時に味わうたのしい趣向。マグロにたっぷりワサビをのせて、辛味が脂で甘みに変わる様子をたのしむ。おゴチソウ。

ぽってりとした銀あんがなんともおいしいかぼちゃまんじゅうを挟んで鮎がやってくる。
筒に串刺しにして焼いた鮎が刺さって登場。
炭が筒には収められてて、香りが漂う。
日本料理のステキなもてなし。
とりだした鮎を銘々皿に乗せて串をそっと抜く。
そして頭からガブリとくわえてバリバリ食べる。頭はバリッと香ばしく、身はふっくらと香りも豊か。塩がきっぱりきいていて、炭の香りがほのかに漂う野趣に溢れたおゴチソウ。
焼いた銀杏、めかぶの酢の物で口をさっぱりさせて次の料理に気持ちを向けていく。

最後の料理はハモの揚出し。そこに揚げた秋ナス、大根おろしに焼いたネギ。夏の終わりと秋のはじまりがひとつの鉢に勢揃い。
ハモはふっくら、茄子はとろりとどちらもやさしい食感で、焼いたネギの香りが出汁にうつって味わいこうばしい。汁があまりにおいしくて、ゴクゴク飲んで器は空っぽ。
〆の食事は湯葉のあんかけご飯を選ぶ。これまた出汁を味わう料理。ぽってりとした銀あんと湯葉の風味にワサビの香り。自家製の昆布の佃煮、きゅうりに大根とサイドの料理もまたうまい。
杏仁豆腐にあんこをのせてシロップかけた食後のたのしみ。今日も満足。表に出たら虫が鳴いておりました。

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2022/02訪問7回目

3.5

  • 料理・味4.0
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.5
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク3.5
¥3,000~¥3,9991人

表は雪でもお膳の上には春の予感に満ちている

東京で仕事をすませて岐阜に移動でまず新幹線。
岐阜から福井にかけて雪が降っている…、ということもあり早めの電車に飛び乗った。
案の定、途中で徐行運転がはじまって少々遅れて名古屋に到着。
名鉄にのり岐阜に近づきはじめたら雪がちらほら舞いはじめ、さて晩ご飯と「雅味近どう」についたら軽く着雪してた。
外は寒くてブルブルしながらお店に入り、座敷に座ってホッとする。
さて晩ご飯。
まず前菜にとお膳の上に小さな鉢と雛人形の器が並ぶ。
そういえば先月来たときの前菜は、節分にちなんで福の神と鬼の模様のお皿が仲良く並んでた。日本料理は器も料理の一部なんだとしみじみ思う。
鉢の中にはすっぽんのスープで煮込んだおからにだし巻き卵、胡麻の不蒸し物、茹でたそら豆。お内裏様の中には菜の花とからし菜のおひたしで、お雛様の中には甘いトマトとごま豆腐。目にもたのしいオゴチソウ。

続いてお椀。出汁が命の日本料理の見せ場のひとつ。お椀の蓋の上には水滴を散らして「作り終えてからこの蓋をはじめて開けるのはお客様」という粋でステキなメッセージ。
ホタテのすり身を真丈にした汁であしらいとしてふきのとうにニンジン、しいたけ。すり身はふっくら、味わい豊かでおいしい上にふきのとうの苦味が出汁の甘み、旨みを引き立てる。春の苦味にハッとする味。
ここの名物のカニまんじゅう。蒸して潰した里芋でカニのほぐし身を包んで蒸し上げ銀あんかけて味わう料理。熱々にしてぽってりとした餡のなめらかがまんじゅうの味を引き立てる。しかも今日のまんじゅうにはたっぷり柚子が混ぜ込まれていてこれまた季節をしみじみ感じるオゴチソウ。

そしてお造り。
大きなお皿にちょこんと小さく盛り付ける。
余白を活かすひきしまった景色がまさに日本の粋。
鯛にマグロにイカにミズダコ。
鯛はねっとりなめらかで、脂ののったマグロはとろける。とろけながらも脂がひんやり唇濡らしくっきりとした酸味で旨みをひきたてる。
噛めば噛むほど甘みをましてとろけるイカに、炙ったタコの歯ごたえ痛快。
ひとつひとつの刺し身がそれぞれ個性豊かで互いを引き立ておいしくさせる。日本人で良かったなぁ…、としみじみ思う。
さわらの焼き物で続いてきます。これまた脂がのってねっとり。お供に蜜煮のさつまいも。クワイを揚げたチップにウドの味噌和えとどれもが食感、味わい異なり主役のサワラをおいしくさせる。そっとあしらわれた椿が季節を告げるよう。

そろそろ〆に向かっていきます。お食事前の料理は揚げ物。
フグの竜田揚げにコゴミにウドにふきのとう。衣は粗めでザクッと壊れ噛めばとろけるこごみの食感。ザクザク歯切れるウドに渋さにはっとするふきのとうとどれもがやはり個性的。春の野菜は冬の寒さをはねのける力があるんだと感心します。
脂がジュワリと染み出すフグも季節のゴチソウ。そして〆。
湯葉を銀あんと一緒に煮、熱々ご飯の上にのっけてワサビをちょこん。醤油をちょっと垂らして混ぜて、お腹を芯からあっためる。
今日の水菓子はイチゴと愛媛の紅まどんな。どちらも甘く、酸味も鮮やか、よい状態。イチゴのヘタを飾るステキにニッコリしました。いいお店。おごちそうさまと表に出たら雪がしんしん降っていました。つもりそう。

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2022/01訪問6回目

3.5

  • 料理・味4.0
  • サービス3.0
  • 雰囲気3.0
  • CP3.5
  • 酒・ドリンク3.0
¥6,000~¥7,9991人

ほぼ2年ぶりのオゴチソウ

ひさしぶりに岐阜の夜。
もう2年近くもご無沙汰です。やっとこうして来れるようになったコトを寿ぎましょうとオキニイリの「雅味近どう」にやってくる。
日本料理が好きで好きでしょうがない近藤さんが丹精込めた料理を気さくなムードでたのしめる。
今日はどんな料理がいただけるだろう…、とワクワクしながらまず乾杯。
前菜料理が朱塗りのお膳に並んで登場。
ごまをびっしり貼り付けて蒸して仕上げた鶏のひき肉。すっぽんの出汁で作っただし巻き卵。骨までホロホロに煮上げたイワシが一のお皿にぎっしり並ぶ。ほうれん草の胡麻和えにふっくたとしたお多福豆で彩り、甘みを整える。
後ろのお皿には出汁に煮浸した小さなトマト。カニの豆腐とどちらもなんともみずみずしい。

水滴を蓋にちらした漆のお椀。
あなたのためにしつらえました…、誰もふれてはおりませんという無言のもてなし。
蓋を開けると焼いたフグのヒレが一枚。
フグの身を真丈にして沈めた汁が、香り豊かで味わい深く、お腹がポカっとあったまる。

それから刺し身。脂ののったヒラメのえんがわ。
むっちりねっとり、からみつくようなタイの切り身に口に入れるとたちまちとろけるマグロの中トロ。軽い酸味が脂の旨みをすっきり整えうまいったらありゃしない。
何より感心したのがイカの刺し身で、飾り包丁が見事に入ってさっくり歯切れる。歯切れた途端にもったりとろけて口の中が甘み、旨みに満たされる。すったばかりのわさびに穂紫蘇。茹でてしぼった菊の花。うつくしいなぁ…、ってしみじみ思う。

陶器の小さな鉢物がくる。蓋を開けると中には饅頭。里芋をすりおろして、カニのほぐし身を芯にして丸めて蒸したカニ蒸し饅頭。ぎんあんをたっぷりかけて一緒に食べる。
熱々、そして甘くて旨い。カニのほぐし身がハラリと口の中に散らかりそれをぎんあんの出汁がぽってり包み込み、喉からお腹に収まる間、ずっとあったか。ここの定番料理のひとつがこれで、来るたびたいてい食べるのだけど飽きることなきオゴチソウ。
ブリの切り身を照り焼きにして、あたかも岩の如くお皿に配した一品。さつまいもの蜜煮にクワイの薄切りチップス。後ろの器には小松菜のおひたしにフルーツトマトが収められてて、口をすっきり、整える。

あんこうの竜田揚げがやってくる。
脂ののったあんこうです。
表面さっくり、ゼラチン質をたっぷり含んだ肉はねっとり。
その食感のコントラストがなんともおいしい。
さっくり揚げたふきのとうが春を呼ぶようで、ほろ苦さにもウキウキしてくる。外は雪。
今日のお食事はだし茶漬け。
硬めに炊いたご飯の上に青のりのせて、出汁を注いでサラサラと。わさびの代わりにわさびの茎の醤油にとたっぷりの三つ葉で辛さと香りを添える。お腹が満ちてしみじみシアワセ。
リンゴを練り込んだ豆腐にイチゴ。さっぱりとした甘味で今日のお腹に蓋をしました、オキニイリ。

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2020/03訪問5回目

3.5

  • 料理・味4.0
  • サービス3.0
  • 雰囲気3.0
  • CP3.5
  • 酒・ドリンク3.0
¥6,000~¥7,9991人

春の目覚め

新幹線にのり名古屋経由で岐阜に到着。雅味近どうで夕食とする。
オキニイリの日本料理のお店です。
ご主人ひとりで厨房の仕事をこなしてる。にもかかわらずそうとは思えぬほどにキチンとした料理の数々。料理提供はリズミカルで、献立の組み立て方が上手なのでしょう。
いつ来ても季節を感じ、何を食べても味は確実。なにより料理のひとつひとつがうつくしい。今日もワクワクしながら味わう。
それにしても夜になって急に寒くなりました。ブルブルしながらお店に飛び込んでまず温かいお茶でお腹をあっためる。
まずは前菜。器の取っ手に沿うように小さな桜の枝がひとふり。蕾はふくらみ春の予感を溢れさす。ホタルイカのぬたにほうれん草としらすのおひたし。白魚の梅煮にだし巻き卵、穴子の押し寿司。すっぽんのスープで炊いたおからに玉ねぎ豆腐、そら豆、トマト。味わい軽快、うっとりします。

無垢をあらわす水滴をびっしりまとったお椀が到着。わかめを閉じ込め作ったしんじょう。筍、ニンジン、菜っ葉に分厚いしいたけとどれもそれぞれおいしいように味が入って、木の芽の香りもすがすがしい。
なにより出汁のおいしいコト。ほどよき塩の塩梅でお腹も気持ちもあったまる。
刺身はヒラメにイカにマグロの赤身。ねっとりとしたヒラメの食感にまたウットリ。
ここのスペシャリテと言ってもいいんじゃないのかなぁ…、芋饅頭。中にカニのほぐし身をいれ桜の香りを練り込んだもの。銀あんをぽってりまとってそのぽってりのおいしいコト。日本料理は出汁の料理ってしみじみ思う。あったまる。

ぶりの焼き物。
ブリといえば冬においしくなる魚。
春がはじまる今は味が落ちるというのだけれど、脂ののった切り身をこんがり。
焦げる寸前まで焼きこんで脂は焼き切れ表面がサクサク、揚がったように仕上がる。時間をかけて焼くから塩をほどこすと味が中に入る過ぎてしまうのでしょう…、大根おろしに醤油をたっぷり混ぜ込んでその塩味と風味で味わう。
焦げた脂の香りも引き立ち、醤油と一緒に加えたお酢が脂をスッキリしてくれる。
皮に至っては焼ききれてハラハラ、前歯で崩れて消える。
サイドの筒状の器の中にはめかぶとミズダコ。めかぶの中には刻んだわさびが仕込まれていて、ねっとりとした食感にビリリとたのしいアクセント。

そろそろ料理も終わりに向かう。季節の天ぷら。稚鮎にアーモンドをまとわせさっくり揚げた一品。ザクザク砕けて鮎の渋みやふっくらとした身の儚さを引き立てる。
野菜はコゴミにタラの芽、ふきのとう。軽い渋みが春の木の芽のおいしい特徴。冬の間、眠ってた春の目覚めを促す感じ。水を多く含ませた衣でザクッと揚げられていて、油切れがよく添えられた塩が甘みに変わる。おゴチソウ。
〆はこれまたここの名物、あんかけご飯。生のりを銀あんでとじわさびと醤油で味わう趣向。固めに炊かれたご飯がカラコロ、口の中を転がるような感じが旨い。
イチゴとみかんでお腹に蓋する。今日も満喫いたします。

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2020/01訪問4回目

3.5

  • 料理・味4.0
  • サービス3.0
  • 雰囲気3.0
  • CP3.5
  • 酒・ドリンク3.0
¥5,000~¥5,9991人

旧正月を日本料理で寿ぐ粋

岐阜の夜。あけましておめでとうございますディナーを雅味近どうにて。
いつものお店のいつものお座敷。
食卓を囲む仲間もいつもの顔ぶれ。季節の料理をいただきました。まず前菜。
紅白市松模様の蓋付きの陶器の器。蓋を開けると中に料理が並べられてる。青菜の胡麻よごしに白子の豆腐。鯛の白子を豆腐と一緒に網でこし、それを再び豆腐に仕立てる。ふっくらとしてなめらかで、箸でひとかけ持ち上げられるのに、舌にのせるとフワッととろける。
海の旨味と香りが口の中に広がる冬のご馳走。
甘い厚焼き玉子。
イワシの煮付けと味わいさまざま。
一つの料理は一口、二口分程度の量。ひとつひとつが独自の味をもちながら、それらが口の中で味の余韻を残しながら消えて、記憶の中で混じり合う。日本の料理のステキを感じる。
お椀がきます。日本料理の一番大切で味の基本をなすすまし汁。カツオの香りとスッキリとした酸味に旨味。
固めに仕上げた卵豆腐にしいたけ、たけのこ、ニンジン、菜花。焼いた河豚のヒレをのっけて香りを添える。次の料理の予感に満ちたたのしい一品。

刺し身が来ます。小皿2つにそれぞれ異なる趣向の刺し身。右側の皿にはブリブリの鯛とムッチリしたマグロの赤身。左側には赤貝、河豚の煮こごり、タコにアワビと盛りだくさん。2つの皿の間に醤油。その上には豆がちらかる。
刺し身を食べ終えるとそれぞれの皿が鬼におかめとなるほどまもなく節分の今。一足先の豆まき気分でニッコリします。
続いて蒸し物。黒豆をこしてまんじゅう状にして、芯にカニのほぐし身をいれる。蒸したところに銀あんたっぷり。ちょっと強めの粘度の餡でもったり舌にからみつく。出汁の旨味と香りがおいしい。お腹もしっかりあったまる。

今日の揚げ物は河豚の竜田揚げ。
醤油の味がしっかり入って、表面サクリ。
前歯が衣を突き破った瞬間、じゅわりとおいしいジュースがほとばしり出る。
河豚独特の力強い繊維がちぎれて、唇同士が貼り付くような感じがしてくる。河豚の肉が蓄えたゼラチン質のなせる技。
サイドのお供はふきのとう。一足先の春を感じるおゴチソウ。
焼き物は甘鯛。皮目をバリバリになるまで焼きあげ、肉はムッチリ。蜜煮にしたさつまいものに、カリッと揚がったクワイのチップ。わさびをたっぷり加えてビリビリ辛くしためかぶに数の子と正月気分が蘇る。
シャコを蒸し上げカツオの出汁に漬け込んだのを、薄切り大根で巻いて仕上げた奉書巻き。ザクザク歯切れる大根としっとりとしたシャコの食感が互いを引き立て味わい深い。添えられていたフルーツトマトがカリッと食感力強くて甘くてびっくり。お腹がほどよく整っていく。

今日の〆は鮭とイクラの炊き込みご飯。海の親子仕上げという趣向。
大きな土鍋一杯に炊かれて蓋を開けると香りがまずおいしい。よくかき混ぜて小さい茶碗に装うとあっという間に茶碗は空っぽ。お替りをするたのしみまでもがおゴチソウ。
大アサリの旨味が滲んだ赤だしに大根、きゅうり、千切りにした白菜の漬物が炊き込みご飯をねだるたのしさ。お腹もたのしく満たされて、みかんのコンポートと食べてお腹を甘い蓋する。
今年もよろしくお願いしますって店のご主人に挨拶をして店を出る。

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2017/06訪問3回目

3.5

  • 料理・味4.0
  • サービス3.0
  • 雰囲気3.0
  • CP3.5
  • 酒・ドリンク3.0
¥6,000~¥7,9991人

鮎!

今日は鮎をご用意しております…、と水をはった瓶の中には小さいながらも元気に泳ぐ鮎がやってくる。ジックリ時間をかけてお焼きいたしますから…、と言われてワクワク。前菜食べる。
粗く編んだ竹の籠に趣向を凝らした料理の数々。ミズダコと梅。卵豆腐にササゲの実。のどぐろの肝。いんげん豆の胡麻よごし。青葉の向こうにはすっぽんのスープで炊いたココの自慢のおからとどれも味わい豊か。

お椀がきます。
水を吹付けすがすがしさを表すお椀の蓋をとり、中からおいしい香りの湯気が立ち上がる。
器の中に閉じ込められたおいしい香りにウットリしながら、汁をススッとひとすすり。
鰹節出汁の旨みと香りがフワッと漂う。
お椀に口をつけてすすると空気も一緒に口に飛び込む。それで香りが一層強くなっていくのがまたオゴチソウ。

汁には四角い海老真丈。大きく立派なジュンサイに青菜、それから丸くくり抜いたにんじんが彩り添える。このにんじんがあまりにキレイに形を整えられていて口に含んでみないと正体わからなかったのが粋でよし。

黄色い色鮮やかな器にお造り。
中トロ、ヒラメにアオリイカ。
ヒラメのゴリゴリブリブリした歯ごたえに中トロのネットリとした脂のおいしさ。
ウットリします。
アオリイカには細かく包丁が入ってて、その表面をこんがり炙る。
焼けた香りがおいしくて、魚卵の粒が見事にたったウニもゴチソウ。

それからココの名物料理のひとつ。カニ饅頭のとろみあんかけ。
今日の饅頭は潰したそら豆。緑の色が鮮やかで真っ赤なクコの実が彩り添える。あんはぽってり。塩の旨みと出汁の風味で味わい深い。
饅頭の中には蒸してほぐしたカニの実たっぷり。熱々のあんの温度がずっと持続していて熱さに舌が悲鳴をあげるのだけど、饅頭、あんのおいしさにたまらずハフハフ、口に運んで舌鼓。

お待たせしました…、と今日の主役の鮎の炭焼き。
筒状の陶器の器の底に炭。
笹の小枝をあしらって、串に刺してこんがり焼かれた鮎が登場。
炭の香りが部屋に広がる。
ついさっきまで炭の上で焼かれていた、その厨房の臨場感が食卓の上にそのままあるという先味。
贅沢。

串からキレイにはずせるようにはなっているけど串ごとパクリとかぶりつく。まずは腹。まだ小さくてワタはキレイで渋みもやさしい。頭をパクリと食べるとサクッと潰れてクシュッと脂が滲む。肉はふっくら、鮎独特の香り漂い、「野趣あふれる」というもてなしたのしむオゴチソウ。

アイナメに深く包丁を入れて油で花開かせるように仕上げた魚の揚げ物。シシトウの青い香りも魚の旨みを引き立てる。
〆の食事はご飯の上にアオサのあんかけ、わさびで風味をつけたもの。塩の旨みと海苔の風味がご飯にからむ。よく混ぜてくとご飯の粒のひとつひとつにからみつき、お米の粒がスベスベしてくる。スルンとお腹に入ってほんわかあっためる。
食後の甘味は季節のフルーツ。スイカに旬のさくらんぼう。青いお皿に淡い赤がはえて目にもおいしい一皿。来る度季節を教えてくれて、気持ち豊かにしてくれる。オキニイリです。アリガタシ。

  • 雅味 近どう -
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2016/08訪問2回目

3.5

  • 料理・味4.0
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.5
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク3.5
¥3,000~¥3,9991人

昼も一切妥協なく

岐阜で仕事の合間にランチ。
「近どう」という和食のお店でゆったりと。
岐阜の郊外にある小体な店で、今まで何度かやってきている。
同じ調理人が作る料理。
にもかかわらず、来るたびあらたな発見があり、とは言えこの店らしさも感じる。
たのしいお店。
いつも同じ個室をもらう。
小さな窓から庭を眺める畳を敷いたテーブル個室で、その庭の景色であったり床の間に飾られた花、そして掛け軸も季節に合わせてかわってく。しつらえを変えてお客様をもてなすステキも、またステキ。
ご婦人方が続々お店にやってきてとてもニギヤカ。
テーブル席やカウンター席と使い勝手の異なる席が揃えられているのもいいのでしょうネ…、次に来たらあそこの席に座りたい…、って思わせるのもお店を繁盛させる工夫のひとつでござる。

昼のお任せコースをたのむ。
丸いお盆に四角い器。笹の葉っぱを従えて、蓋付き、そして二段重ねという入念。器の蓋をとるたのしみは日本料理ならではのステキなもてなし。
一段目には刺身の盛り合わせ、二段目には冷たい豆腐のあんかけが。刺身は鯛と本マグロの赤身で食感、味わい異なる海の美味。豆腐あんかけのあんの中には固く茹でた枝豆が、ホツホツ、季節の彩り、食感そえておいしい。

二品目にはお椀がきます。
これまた蓋した塗りのお碗で、蓋をとるときのワクワク感。
蓋をとった瞬間、黒いお碗の中に広がる景色。
中からふわりと漂ってくるおいしい香りにウットリします。

ふっくらとした海老真丈。
四角く作って出汁の中にそっと置く。
真丈の上にはしいたけ、ニンジン、ゆずの皮。初秋の景色をあしらって、汁にはジュンサイが浮かんでる。
ふわりと舌で崩れる真丈。
ムチュンと歯切れる椎茸に、スルンと口を滑って逃げまわる生のジュンサイと食感にぎやか。
力強い出汁の風味と一緒にお腹がやさしくあっためる。

それからココのスペシャリテ。かぼちゃまんじゅうのあんかけがくる。
小さな器。タジン鍋の蓋のようなこんもりとした蓋をとる。中には黄色いまんじゅうとあんがタップリかかってる。
かぼちゃを蒸して裏ごしし屑でまとめてまんじゅうにする。中にはたっぷりカニのほぐし身。それそのもので甘くてカニの旨みがおいしく、ポッテリとあんと一緒に食べるとなんともなめらか。ウットリします。
来るたび食べて、それでも飽きぬ、こういう料理をひとつでも持ってるお店ってシアワセだなぁ。だってこの店を思い浮かべるたびこの料理を思い出してお腹がなるもの。今日も堪能。ありがたし。

箱の器の中にギッシリ、季節の料理が詰まったメイン。ガラスの器にもずくのおひたし。てっきり酸っぱいのかと思ったら出汁で味わう趣向の料理で、夏も終わりになったんだなぁ…、とやさしい味にはっとする。
つぶ貝を叩いてアクラと合わせた料理に煮込んだ冬瓜。焼いた茄子とイチヂクの胡麻和え、卯の花。この卯の花がすっぽんの出汁で作ったもので、トロン、ネットリ、滋養に満ちたおいしい仕上がり。
サワラの焼いたん、茄子の味噌焼き、卵焼き。ミョウガは喜美寿司仕立てとどれもが手間のかかった見事な出来栄え。
ご飯に汁のお供にしつつ、お腹満たして食後の甘味で蓋をする。午後の仕事の励みとしました…、オゴチソウ。

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2016/04訪問1回目

3.5

  • 料理・味4.0
  • サービス3.0
  • 雰囲気3.0
  • CP3.5
  • 酒・ドリンク3.0
¥5,000~¥5,9991人

春を感じる日本の夜

夜、岐阜にやってきて会食をする。何度か来ている雅味近どうという店で、来るたび勉強をさせてもらえるオキニイリ。こじんまりした民家仕立ての店の、居心地の良い個室に収まる。
まずは季節の前菜がくる。

四角い塗の箱の中に、彩り豊かに料理が並ぶ。
ひときわ目を引く料理がちまき。
そうか、まもなく端午の節句と季節を先に味わう感じ。

一つひとつの料理がしっかりしているところがすばらしく、例えばホタルイカにしても、大きさ揃ったモノを二尾。キレイに仲良く揃えて並べる。
鯛の真子煮にタコと芋の炊合せ。
豆腐のように見えるのが、玉ねぎ豆腐というので一体どういうものかと食べてみる。
その食感はおぼろ豆腐を固めたようで、ホロリとしていて儚くなめらか。
豆腐の香りもするのだけれど、出汁で炊いた玉ねぎを裏ごしにしたモノが混じっているのでしょう…、甘くて玉ねぎの香りがおいしい。トマトの酸味に豆の甘みとホツホツとした食感が、豆腐のフワリを引き立てる。
ちなみにちまきの中はエビ。
立派な車海老に味を入れ、軽く酸味を持たせたもち米を添えてにぎりのようにする。迷うほどにたのしくて、しかもどれもがおいしくニッコリ。

お椀が来ます。
うつくしい塗のお椀に蓋をして、水を吹き付けみずみずしくする。
あなたのために用意しました。
まだ誰も、この蓋に触ってございませんというキッパリ、けれどやさしいもてなし。
実は鯛で作った真丈で、むっちりとした食感に強い旨みにこれまたウットリ。
それに合わせて汁そのものは最小限の塩で仕上げた薄味で、口に含んでひたすら味を探っていくと、豊かな出汁の旨みが口に広がる趣向。分厚い椎茸がまたおいしくて、滋養を感じる見事な一品。

続いて刺身。これまた器がうつくしい。こわれやすくて洗うのも大変だろうなぁ…、ってまずは感心。
しかもコレを水に浸して冷やしてる。だからひんやり、しかもみずみずしくて生の魚をやさしく支える。むっちりとしたアオリイカ。キラキラ光って透き通るサヨリに軽く炙った平貝。お皿の上に今の季節の海を感じる。マグロが二切れ、ネットリとした味わいでお酒をおいしくしてくれる。

それから季節の野菜を味わう。
若竹煮。
わらびとわかめをあしらって、けれど主役はやはりタケノコ。
四膳揃ったすべての鉢の中にあるのは穂先だけ。
ということは、タケノコ4本を使った料理がココに並んでいるということ。
シャクシャクとやわらかで、軽い渋みをもった穂先のタケノコにウットリしながら食べ続けると、そこに一枚。
根っこの部分が入ってる。

それはザクッと歯切れてゴツゴツ、奥歯を叩く。
たったこれだけの分量で、タケノコ一本を食べ尽くしたよう…、そんな趣向に感心します。

まなかつおの幽庵焼きがそれに続いてくるのだけれど、料理が部屋に届いた途端に魚が焼けた甘い香りが漂ってくる。
口の中に入れてはじめて香りを感じる。そういうやさしい料理がが続く中、はじめて香りが渦巻く料理がやってきて、気持ちが軽く高ぶる感じ。
むっちりとして脂ののったマナカツオの味わい、香りも見事でニコリ。サイドについたもずくでお腹をスキッとさせる。

今日のメインの鮎の天ぷら。
小さな若鮎。
活きてたモノに衣をまとわせ揚げて仕上げた贅沢なモノ。
塩でどうぞと美味しい塩がついてくるのだけど、そのまま食べても十分おいしい。
頭からパクリと一口。
ワタも一緒に口に入って、その渋み。そして苦味で鮎の旨みが一層ふくらむ。ふっくらとした食感で、バリッと揚がった衣がパラリと口の中で崩れて散らかる。骨までおいしく味わえて、一足先の初夏のごとき味わいに気持ちが元気になっていく。

そして〆。あんかけご飯をお持ちしましたと、おわんの中を見ると卵雑炊みたいに見えるのだけど、食べるとたしかにご飯は普通の白ご飯。上に卵でとじた出汁あんがかかっているだけというモノだけど、これが乙な味わいでした。
ご飯を食べてる満足感と、雑炊を食べてるようなやさしさが、ひとつしゃもじの上で同居しているステキに食が進んでお腹も満ちる。
水菓子にと出てきたデコポンも季節の味で、満足しました…、オキニイリ。

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サカキシンイチロウ

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店舗基本情報

店名
雅味 近どう
ジャンル 日本料理
予約・
お問い合わせ

058-272-5563

予約可否

予約可

住所

岐阜県岐阜市東鶉3-106-1

このお店は「岐阜市中鶉3-31-1」から移転しています。
※移転前の情報は最新のものとは異なります。

移転前の店舗情報を見る

交通手段

柳津駅から1,845m

営業時間
  • 月・火・水・木・金・土

    • 11:00 - 14:00

      L.O. 13:30

    • 17:30 - 22:00
    • 定休日
  • ■ 営業時間
    17:30~22:00(最終入店 20:00)

    ■ 定休日
    日曜日(祝日の場合は営業)

営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。

予算

¥6,000~¥7,999

¥5,000~¥5,999

予算(口コミ集計)
¥8,000~¥9,999

利用金額分布を見る

支払い方法

カード可

(JCB、AMEX、VISA、Master)

電子マネー可

サービス料・
チャージ

カードは夜のみ

席・設備

席数

42席

個室

(2人可、4人可、6人可、8人可)

貸切

不可

禁煙・喫煙

全席禁煙

駐車場

空間・設備

カウンター席あり、座敷あり

特徴・関連情報

利用シーン

デート 知人・友人と

こんな時によく使われます。

ロケーション

一軒家レストラン

ホームページ

https://www.gami-kondo.jp/

オープン日

2013年11月

備考

アメックスが使えます(情報提供元:アメックス)

初投稿者

なおかりなおかり(2853)

最近の編集者

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