鳥取のご当地料理「ホルソバ」。 : Goen

鳥取最終日の夜は、少し前から気になっていた「御縁」さんヘ念願の初訪問です。
歴史の長さにおいては「まつやホルモン店」さんなどの老舗には及ばないものの、開店からわずか10年ながら地元ファンの心をがっしりと掴まれた地元鳥取で人気というホルモン屋さん。
なかでも「ホルソバ」は「ここの味が一番好き」という地元ファンも多いとのこと。
これは楽しみですね。

鳥取市内の古くからの飲み屋街の一角に立つ「御縁」さんは、味わいのある周囲の風景に溶け込むかのような佇まいです。
店内に入ると、外観同様に、古く、懐かしく、温かい雰囲気が出迎えてくれます。
カウンターの内側にはとっても気さくそうなおかみさんが一人。
数人座れるカウンター席、そして座敷席には４人掛けのちゃぶ台が2卓という構成です。
このような良い雰囲気の中で「ホルソバ」だけいただいて帰るというのはちょっともったいないですよね。
１軒目からこちらへお邪魔したのは正解でした。

まずは早速、おかみさん手製の「自家製キムチ」をあてにビールからいただきます。

次にいただくのはもちろん「絶品」とも噂される「ホルモン」で。
カウンターすぐ目の前の鉄板で調理してくださるのが嬉しいですね。
まずは生ガーリックをゴマ油で炒めていきます。
もうこれだけでいい香りですね。
続いておもむろに生ホルモンを投入。
たっぷり脂の乗ったホルモンからは、鉄板上で脂がじゅわじゅわあふれ出てきます。
この脂に、キャベツ、モヤシ、ネギ、そして辛味タレを合わせ、さらに炒めて出来上がり。
それではお待ちかね、いただきましょう。
ホルモンは期待以上に柔らかで脂の旨味もたっぷり。
その旨味が野菜にも移り、全体としてもとても美味しいです。
聞くところによると、ただ単に鳥取県内産にこだわっているというだけではなく、その個体に対しても非常に強い仕入れに対するこだわりがあるのだとか。
やはり一定以上の若い個体でないと、この脂の旨みは全然違うそうなのですね。
確かに脂の乗りはすごいですが、もたれ感だとか、くどさなどは全くと言っていいほどありません。
さすがの旨さですね。

続いて他の多くのお客さんが注文されていた「オーカク」を。
やはり地元の人気メニューはいただいておかないとね。
こちらも鉄板上で脂がじゅわじゅわ。
ネギ、キャベツと辛味タレを絡ませて出来上がったものをいただきます。
あれほどの脂が全くしつこくもなく、旨味しかないのは「ホルモン」と一緒ですね。
見た目以上の柔らかさといい、カルビなどにも近い感じもありますが、ここにしか感じられないような旨みも感じられます。
ビールももちろん、続いていただいた焼酎のロックにもとてもよく合いますね。

最後はいよいよ「ホルモンソバ」で。
最初にいただいた「ホルモン」同様、ゴマ油で生ニンニクを炒め、ホルモン、ネギ、モヤシと加えていき、最後に袋入り蒸し麺を加えて辛味タレで仕上げます。
いただいてまず感じたのが、麺であるソバが比較的しっかりしていること。
鳥取の「ホルソバ」ってどこでいただいても比較的麺が柔らかめなのは「袋入り蒸し麺」である宿命上ある程度は仕方ないとは思っていたのですが、「御縁」さんの麺は調理自体が優れているのか、仕入れの麺自体がいいのか聞きそびれてしまいましたが、とてもいい感じの固さ加減の麺です。
もちろん絶品ホルモン脂の旨みはお皿全体に行きわたっており、辛味タレのややピリ辛加減もとてもいい感じに全体に絡まっています。

「ホルソバ」も「ホルモン」もさすがの味わい。
いい感じの店内に、おかみさんの親しみやすい人柄。
期待以上のお店でした。