サービス満点、遊び心満載の神田大衆酒場♪ : Bucchigirisakaba

居酒屋の若い店員が、路上に立っている。客引きをする飲食店に良店はないが、一生懸命さが気になった。宣伝内容は、マグロ盛り放題でいくら…みたいな感じだった。

ちょっと歩くと、先ほど宣伝の店があった。ドアのないオープンの店内は、テーブル、調理場を囲む形のカウンターは、それなりに賑わっている。カウンター隅を促され、ボクらは用意された２席に腰を下ろした。
正面では年配の男性が、手際よく調理する様子が分かる。

先ずはメニューから、抹茶割り、黒烏龍茶割りを頼み…「かんぱ～い♪」
飲み物は300円以下で、かなり手頃な値段だ。肝心のアルコール濃度と割ものの加減だが、濃い目とは言えないまでも美味しく楽しめる。

料理メニューから、先の宣伝料理「鮪の枡盛り」を恃んでみよう。これは3分間に箸で入れた分だけ、鮪を楽しむことが出来る。なんとも遊び心あるメニューではないか。
若い女性店員がストップウォッチを手に、準備が整ったらスタートだ。ぎこちない手つきに、友人に下手っピと言われ大笑いした。
エンターテイメント性があって、なかなか楽しめた。

この後予定はあったが、肉押しの店だから、肉に関連した料理を軽く頼もう。自家製もつ煮がハーフがあったので、カウンター越しに調理場の男性に注文した。

店内では比較的年かさのいったカレは、忙しなく調理するかたわらユーモアを交え、ボクらに料理について色々アピールをした。カレはなかなかのエンターテイナーで、場を一気に楽しい雰囲気にしてくれた。

もつ煮はハーフとは言え、なかなかボリュームはあった。濃厚な肉と、コクのある出汁で飲みものが直ぐに乾いた。ボクはトマ酎を、キミはジンジャハイを追加した。

会計を済ませ外に出ようとすると、先の路上に出ていた店員がボクのそばににこやかに寄ってきた。カレの笑顔は、来店への感謝のものだった。
最近の飲食店には忘れられている、「自然な笑顔」がそこにはあった。
短い滞在時間だったが、満足度は非常に高かった。