淡麗 : Youyoukaku

福岡を出てから、一路唐津へ。
私は案内人にくっついて言われるがままに行っただけ。地元では有名な旅館らしい。客室のしつらえは中々だが、町の中に埋まっているせいもあり、窓からの景色が物足りないというのはあるが、風呂もいいし寛げる宿だと思う。

と言って、ここは案内をしてくれた人たちの常宿の一つで、食事を目当てに来ているらしい。
という中では夕食も素晴らしく、内容は旅館らしい会席。

・八寸（前菜）：松浦漬、煮穴子湯葉巻、ホタテとチーズのはさみ揚げ、水晶羹、白和え、鶏の松風
・御椀：鮃の葛叩き
・御造り：カサゴ、アオリイカ、サヨリ
・焼き物：鰆塩焼き
・炊き合わせ：蒸黒鮑飯蒸し、炙り唐墨、車えび塩ゆで
・留肴：黒毛和牛蒸ししゃぶ
・御食事
・フルーツ

全体的に味付けはあっさりめだが、素材の味を感じられるもの。突出した出来のものが無いかわりに、最初から最後まで手堅く、安定して地の物を品よく、美味しく頂けた。また、十徳というこの旅館の日本酒が中々に美味しく、料理と酒のバランスもよかった。
どれか一つ、と言われると、最初の方に出て来た御椀かな。厚い白身をほぐしながら頂くのだが、白身魚の淡白な旨み、薄口のダシ、ネギや三つ葉の青い香りと味わいのバランスは絶妙だった。

九州初上陸の初日は、玄関を飛び越して中庭から土間にあがりこんだような感じ。この日はそこから中々終わりの来ない宴会に雪崩れ込んだ。