I Wish You Were Here  ~長い夜から、そっと… : 杉のあかり

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杉のあかり

(すぎのあかり)

この口コミは、コッキンポンコさんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

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3.8

¥6,000~¥7,9991人
  • 料理・味3.8
  • サービス3.8
  • 雰囲気3.8
  • CP3.4
  • 酒・ドリンク3.8
2016/06訪問1回目

3.8

  • 料理・味3.8
  • サービス3.8
  • 雰囲気3.8
  • CP3.4
  • 酒・ドリンク3.8
¥6,000~¥7,9991人

I Wish You Were Here  ~長い夜から、そっと…

秋葉原の駅側から昭和通りを抜けて地下にはいるとその店はある。
街の喧騒から逃れてひっそりと佇んでいる。

今日は個室をとってお客と二人で飲む。
50代を超えたくらいの物静かな紳士だ。
一緒に仕事をするようになってどうも気に掛かってしまう御仁だった。

待ち合わせて最初はビール、そのうち「天狗舞」と「立山」に手を出す。
刺身も焼売も串あげも、いい。基本は日本酒が合う料理なのだ。
白エビの唐揚も美味しい。冷酒が、僕らの五臓六腑を抱き始める頃、
少し酔ったお客は話し始めた。

「実はね、私は吃音で小さいころにいじめられていたんだ… 僕はこの齢でまだ、引っ込み思案なんだよ(笑)」

「まったくそんなには見えないですね」

「それから本当に本しか信じられなくなった。わかりますか?」

コンプレックスは人それぞれあるものだが、僕には痛いほどわかる。
だって何を隠そう、僕自身も、吃音なのだから。

この齢になってくると自分が得意な言葉、不得意な言葉が分かってくるから、
それをなるべく人前で使わないようにする。
妙な流れにならないように言い終わった時の笑顔は大切だ(笑)
経験というものは万宝に値する。これはテクニックである。

そうやって繕ってきた。

そういうことを書くと本当に自分の人生に対していないなどと言われるかもしれないが、
それはインフルエンザで辛い人に糖尿病に罹患した人よりマシだと言うことと同じだ。暴言でしかない。
モノの喩えが悪かったかもしれないが、言い直すつもりはない。そういうことなのだ。

自分が無様…ということがどれだけ自らの自尊心を傷つけるか知らないのだ。死なぬまでも。。

いくら死なぬからと言っても、辛いものは辛い。
花も恥じらう年頃に吃音をもつということは業病に近いものだ。
誰もが持ちうるロマンティシズムを生来へし折られているという事実は
小学生当時から僕のなかの天地を揺るがすのに匹敵することだった。

ふー とお客はため息をつきながらつぶやく。

「おかしいな。今日はなんでこんなことを話したのかな?」

「おそらく… それは私も吃音だからではないかと思います。」「えっ?(驚)そうなの?」

「ええ、そうですよ、生き苦しくて私もよく分かりもせず哲学の本なんか読んでました(笑)
  でも今では、残念ながら何も哲学の知識は残ってません(笑)ただの路上哲学です(笑)」

「ハハ、ポンコさんもそうか。」

「そうです。でも、それは僕らの小さな世界でしか考えてこなかった結果です。
  それはいつしか受け入れなくてはいけないって思ってます。」

「そうなんだな。僕は結婚して子供が生まれてからだよ、そんなふうに思えたのは」

「そうですか。僕も最近だと思います」

会社の後輩で同じような吃音もちがいる。
彼も若い頃の僕と同じように自意識との格闘を無意識のうちにやっているようだ(笑)
おそらく知らず知らずそういう思考回路に陥ってしまうのだ。
でも、ひそかに彼を見守っている。

それでも生きていかなくてはいけないんだ。地面に足をつけて。

「なんか今日はいいな」

「ええ、私もです(笑)」

〆に食べる「寿司セット」。
五つの寿司が台皿に載っている。
まぐろ、いか、いなだ、イカ、何だろう(笑)? 忘れてしまった。

ただ、酒の席を〆るということがこれほどに満たされた夜はそう、ない。

コッキンポンコ。

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アキバで北陸居酒屋とは… いいねぇ(笑)

先日部下にお店を予約させた。

接待は、チェーン居酒屋みたいなところではするな、と言ってある。
(だからといってロブションで接待はしないけどね…笑)
まだ若いからそれなりの店の予約なんてやったことがない。
かなり頭を抱えていたが、ここにしたらしい。

どうしてここにしたのかと訊いてみたら、
北陸に行ったときにすっかり食べ物が気に行ってしまい、それを再度食べたかったからと言った。
それに食べログで高得点だったから…というのが背中を押す大きな要素になったという。
おっ、こんなときには使えるね食べログ、とスマホで見ながら感謝。

案内されたのは個室。
部下の選択は間違っていない。
新入社員で入った時から色々と指導したり、
公私に渡って話をしたり、してきた甲斐があった。
そんなこともうれしい。

そんなときお客から電話。
お客と店で待ち合わせをしていたのだが会議が長引いて遅れているという。
それじゃあ、先に飲んでるかなと思い、生ビールを。
お通しがくると二人でスパーク(笑)
やっぱりツマミも少々いるよね…と以下のツマミをセレクト。 

「海老2本入った天麩羅盛り合わせ」 
「鯵のたたき」
「ホタテのマヨネーズソース和え」

割と海老天が大きくて2本しかないからお客が来る前に食べちまおうと唆す(笑)
海老は添えつけの抹茶塩で食します。これが美味! 
くぉぉぉぉ…部下は絶叫する!
彼は抹茶塩初体験だったらしい。

僕に関して言えば、初めて連れて行ってもらった天麩羅屋で
「雪塩」というパウダースノー状のミネラル塩を
海老天につけた時の感動が忘れられなかった。そんな話をする。

感性が乏しいことは、人としてはあってはならない。

これが部下に対して教えてきたこと。
お客に何か提案できる立場であるためには交渉力だけでは不足だ。
それ以上に提案力がなければ、数字にはつながらなし、
提案力は臨機応変に対処する柔軟性がなければ威力を発揮しない。

部下はとても素直なヤツで毎週美術館に行くことを実践している。
最近は永青文庫の春画展が面白かったと言ってたかな。
本からの知識よりも、自分で観て感じたことを自分の辞書にストックしているんだとか。
それが人としての「幅」になっていくんだろう。
あとはいろんな経験を積むことも。

「春画のアレ、すごいだろう?」 
「へへへ、凄いです(笑)」
「デフォルメというんだよ。効果としてはね、人間の視線には順番があってまず
    何から目に入るかってことが重要なんだ。広告もそうでしょ?」
「理由って、何かしらあるんだよ。その理由を解き明かしていくんだ。
    それは隠されたパズルを解くようなものさ。面白いでしょ?」
「ピカソとかのキュビズムにも言えることじゃないですか!」 「そうそう(笑)」

部下は目を輝かせて訊いている。
彼が今後の会社において重要なキーマンになることは間違いない。
プロデュースセンス、発想能力、営業センス、粘り強い交渉能力、どれをとっても同期を凌いでいる。
僕はどこまで行けるかな(笑)

要は頭で考えてもダメなんだと思う。
体の中に根差していないと、身体化していないといざという時に取り出せない。

そんなこんなで話をしているとだいぶ遅れてお客が到着。

「いやぁ、悪いねえ、遅れちゃってぇ」「待ちくたびれて日本酒にしようかと思ってましたよ」「悪い悪い」


まずは生で乾杯。次は「銘酒 立山」を2合。うまいうまい。
宴もたけなわになった頃に昔話もでてくる。

「そういえば、もう18年前くらいですけどお店にショートカットで目鼻立ちのいい女の子がいましたよね?」と僕。

「いたっけな?」 「いましたよ。お店で店長補佐みたいなこともやってた人…僕、好きだったんですよ❤」

「ああ、Iさんね」 「たしかそんな名前だったような…」

「オレ、あの子と付き合ってたんだ」 (゚ロ゚;)エェッ!? 

「僕が…結婚してからしばらくしてからかな。」 (゚ロ゚;)エェッ!? しかも不倫かよ!

「い、いまはまだいらっしゃるんですか?」「ううん、もう辞めたよ、実家に帰っちゃったんだ…」 (`Д´) おい!テメー!

その時の部下の憐れむような顔が忘れられない(笑)
はぁぁぁ、これも人生の妙味というやつか、これは経験はしたくなかったけどな(苦笑)もう何度目か…

(;´Д`)はぁぁぁぁ、エクトプラズムがぁ 
その後は「立山」を8合ほど飲みましたとさ(笑)

ポンコ。

  • 杉のあかり - 〆の寿司だぁ!

    〆の寿司だぁ!

  • 杉のあかり - 〆に寿司ってなかなかいい!

    〆に寿司ってなかなかいい!

  • 杉のあかり - 海老天の野菜天の盛り合わせ 抹茶塩で

    海老天の野菜天の盛り合わせ 抹茶塩で

  • 杉のあかり - 大きい太っとい海老!

    大きい太っとい海老!

  • 杉のあかり - 鯵のたたき

    鯵のたたき

  • 杉のあかり - カリカリサラダ この木屑みたいなやつは何だと思います?

    カリカリサラダ この木屑みたいなやつは何だと思います?

  • 杉のあかり - お通し

    お通し

  • 杉のあかり - 貝柱のマヨネーズソース和え

    貝柱のマヨネーズソース和え

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コッキンポンコ

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店舗情報(詳細)

店舗基本情報

店名
杉のあかり(すぎのあかり)
ジャンル 居酒屋
予約・
お問い合わせ

03-3866-9715

予約可否

予約可

【予約について】
お席に関しては、ご要望に応えられない場合もありますので
ご了承の方をお願い致します。

住所

東京都千代田区神田平河町1 第三東ビル B1F

交通手段

秋葉原駅 昭和通口 徒歩1分

秋葉原駅から214m

営業時間
  • 月・火・水・木

    • 11:30 - 14:00

      L.O. 13:30

    • 17:00 - 22:30

      L.O. 22:00

    • 11:30 - 14:00

      L.O. 13:30

    • 17:00 - 23:00

      L.O. 22:15

    • 17:00 - 22:00

      L.O. 21:30

  • 祝前日

    • 17:00 - 23:00

      L.O. 料理22:15 ドリンク22:30

  • 日・祝日

    • 定休日
  • ■ 営業時間
    【土】第1.3土曜日は、定休日となります。

予算

¥4,000~¥4,999

~¥999

予算(口コミ集計)
¥4,000~¥4,999 ~¥999

利用金額分布を見る

支払い方法

カード可

(VISA、Master、JCB、AMEX)

電子マネー不可

QRコード決済不可

サービス料・
チャージ

【サービス料】220円 【お通し】330円

席・設備

席数

60席

個室

貸切

不可

禁煙・喫煙

全席禁煙

駐車場

空間・設備

落ち着いた空間、席が広い

メニュー

ドリンク

日本酒あり、焼酎あり、ワインあり、カクテルあり、日本酒にこだわる、焼酎にこだわる

料理

魚料理にこだわる

特徴・関連情報

利用シーン

知人・友人と

こんな時によく使われます。

サービス

2時間半以上の宴会可

お子様連れ

お子様連れNG(お子様を連れてのご来店はご遠慮ください)

備考

イヤホンなしでの音楽や動画の鑑賞、スピーカホンでの通話は他のお客様とのトラブルとなりますのでご遠慮願います。

アメックスが使えます(情報提供元:アメックス)

初投稿者

まどかぐるめまどかぐるめ(72)

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