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コッキンポンコさんの他のお店の口コミ
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店名 |
閉店
マルノウチリーディングスタイル
|
---|---|
ジャンル | カフェ |
住所 | |
交通手段 |
東京駅から294m |
営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
予算(口コミ集計) |
|
席数 |
68席 |
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禁煙・喫煙 |
全席禁煙 |
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
オープン日 |
2013年3月21日 |
初投稿者 | |
最近の編集者 |
|
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うるせえな。
という喧騒がなくなってしまった丸の内。
夕方も5時もすぎても人はいない。ぽつりぽつりと帰る人々が三々五々に東京駅へと向かう。
このあたりは大企業や官公庁が多いからリモートワークが確立されており、
周辺の物販店をはじめ飲食に至ってはランチをやっていないところは、
昨対90%ダウンなど珍しいことではない。
異常事態なのだが、
異常事態ではないような装いをしようとしている国も自治体も気に入らない。
普段はこんなところには来ないのだが、お使いがてら直帰前提でぶらぶらしている。
元郵便局だったJPタワーに入る。久しぶりに本でも買おうかと思っていたのだ。
きれいなトイレに入ってすっきりした後に会社に電話する。
「へえ、帰りますぅ」
「はい、きょーつけてぇ」
これで一切の面倒ごとから明日の朝まで解放されたことになる(笑)
しばらくこっちは本なんか読んでなかった。
マルノウチリーディングスタイルで本でも買いながら少しだけ飲んでみるか。
ここの書店には書店スペースと併設でカフェスペースがある。
入ってみると、ちょっとオシャレな空気感を纏う店内。
だが置かれている本は割と硬派である。
ビジネス書も割と起業についての本だったり、デザインの本もあったり、少し意識の高い層を狙っているようだ。
ただ、その意識の高い層はリモートワークでおらず、東京駅にくるのはガキか、お上りさんくらいなものか。
単行本は面白そうな本もある。
僕のルサンチマンに依拠する卑屈な精神構造にぴったりな本だが、
1600円は高い。
小遣い2万の身には文庫本がいいところ。
しかし、最近文庫も高くなって800円くらいのものが多い。
なかなかに読後感と面白さと面倒くささなどを考えていくとこれかな。
ということで、
白石一文の『翼』光文社鉄筆文庫、である。
作家の白石一文は40代のおっさんには割とグッとくる内容の本を書く。
いつも大企業のキャリアか元キャリアの男が出てきて、女を抱くというお決まりのパターンがあり、
僕のようなB級の男が読んで溜飲をさげているふしがある(笑)
渡辺淳一の『失楽園』だってそうだろうな。みんな憧れてながらできないことなんだろうから(苦笑)
まあ、それを称賛はしないですよね。悪趣味だし。情死って随分と前近代的というか。。
究極の形ではありえない気がするなぁ。自分に酔うという意味ではすごくマッチョ的な行為だと思う。
ただ、白石一文の小説は人生とか生活とか大きなテーマを広げ、こまごまとした諸事に翻弄されながら、
そのなかで喝采を上げたくなるような「思考」に辿りつくのが面白いのである。
その思考のプロセスが面白いのである。こんな逡巡の仕方を僕もする、と思って読んでいる。
伴侶を見つけたよ(『もしも、私があなただったら』)とか、
たまにピカレスク的な悪漢が登場することもある(『僕の中の壊れていない部分』)し、
全てを捨てたけど自分の生きる道を見つけたよとか(『一瞬の光』)、
なんじゃそりゃ?という結末を抱えながら、
自分が若いころになかったであろう、著者の思考と割と共鳴する部分も多く、読ませるのである。
まあ、いつもながら主人公ほどに金と力を持ってりゃあなとは思うが。。
頭と体を使って生きている人の人生がそこにはある。その人が生きているという状態の哲学と言ったらよいのだろうか?
基本的に仕事で非人間的な文章を毎日のように読んでいると本なぞ読みたくなくなってくる。
僕は靴底のように毎日すり減っているのである。
生きていることはとてもハードなのだ。
So Hard to be.
だから僕は併設されたカフェスペースに向かい、ハイボールを注文する。
おっと! スナックにダブルチーズのナチョスがある! これも注文っ! うわあ、ガキの喰いもん!
文庫本を開く。
馥郁たる紙の匂い。手触りよ。それだけで飯が3杯食える(笑)
ただの内容であればkindleやkoboでも良いのだろうが、僕には紙の本が必要なのだ。
逆に会議資料が電子になればいいと思う。あれこそ神の、いや紙の無駄遣いだ。
先に届くハイボール。
重たい大きなグラスのなかを泳ぐ大きな氷が琥珀色の泡沈む星の質量途切れ途切れ
浮かんでは消え浮かんでは消え並々と注がれた冷気を纏い世界を型抜くための融点
熱帯からの返答を待たずに日記に書き記していた宿題を速度から導く博物誌、故に
そこにあるものとして世界が裏返る
ナチョスにはチーズが。
酸味!と思えば後味は苦い夕立が追いかけてくる郵便局の屋根の上ではラインダンス
ついぞはおかしいと思っていた天井裏の猫たちは無事にネズミに出会えたのだろうか
頭の上を地下鉄が奔る夢を見た朝に畑で採れたものを欲しがるなんて時がたつにつれ
かたまっていく夜の帳を誰が下すのかで世界はいつも混沌としている
久しぶりになかなかの読書酒である。
数年前女の子とよく飲みに行っていたころに「読書酒」シリーズをレビューで上げていたが
またやってみようかな。
お会計をしてもらうと1700円。
ちょっと長居しすぎたかもしれない。
ポンコ。