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店名 |
たまる
|
---|---|
ジャンル | あんこう、海鮮、あなご |
予約・ お問い合わせ |
03-3357-8820 |
予約可否 |
予約可 |
住所 | |
交通手段 |
丸の内線 四谷3丁目駅から徒歩5分 四谷三丁目駅から195m |
営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
予算(口コミ集計) |
¥10,000~¥14,999
|
支払い方法 |
カード不可 電子マネー不可 |
個室 |
無 |
---|---|
貸切 |
可 |
禁煙・喫煙 |
全席喫煙可
2020年4月1日より受動喫煙対策に関する法律(改正健康増進法)が施行されており、最新の情報と異なる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
駐車場 |
無 |
ドリンク | 日本酒あり |
---|
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
初投稿者 | |
最近の編集者 |
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こちらは、四谷三丁目(荒木町)の車力門通りから一本入った小道にある、昔ながらの割烹です。
昔からお店の前を通る度に気になっておりました。
なにせ、入り口の低い場所に瓦が敷かれており、夏は「あなご」、冬は「あんこう鍋」と書かれた提灯が掲げられているので。
感覚的に「食べさせる店」の匂いを、20代の頃でも感じた次第です。
そう、こちらは季節によって看板メニューを変えるお店。
4~9月は穴子、10~3月は鮟鱇と食材を絞っており、食べるのが好きな人間には堪らない魅力があります。
そして、調理法は今は稀有となった江戸料理の仕事を用いておられます。
親方は奥様と二人三脚でお店を営んでおられ、御年80歳になるとの事です。
営業終了後にテニスラケットを肩に掛けてコートに行かれてもおかしくない風貌でしたので、お年には驚きました。
とは言え、先代の親父さんより20代の頃から料理を仕込まれたそうで、筋金入りの職人さんだと感じました。
御料理の特徴としては、形容するのが少々難しいところです。
こちらの御料理は食材に施された手数が少なく、大変素朴。
メニュー数も決して多くはありません。
しかし、問答無用に旨く、シンプルなのに個性と存在感を感じさせる味。
なかば「専門料理店」として営んでこられた説得力を感じます。
「食材に施された手数が少なく、大変素朴」と記載しましたが、下処理は徹底しており、席に座るとテンポ良く提供してくださります。
また、焼きものの熱源は、当たり前のように炭火。
見栄えの良いお店でも、ガス火のサラマンダーや炭であってもオガ炭である事が多いので、炭火はもてなしの温かみを感じさせてくれます。
基本的に予約を受けておらず、常連さんがメインであるため、いつ来られても出せるよう、日々仕込まれているそう。
職人さんの矜持を感じさせます。
半世紀以上の歴史があるお店ですが、メディアの取材は断ってこられたそう。
写真の撮影許可を取った際、「メディアじゃなければ良いよ」と冗談めかして言われました。
こちらは御料理の味に加えて、ご夫妻の味が魅力と感じました。
今後このようなお店が少なくなっていくのは、本当に寂しい事です。
今回は旬の穴子に狙いを定めての訪問となります。
お酒はビールは赤星、日本酒は白鷹純米のみ。
ひらめ昆布〆
バシッと〆て、昆布の旨味も香りも浸透させている。
一日〆た程度ではこうはならないだろう。
とは言え、鮃の香りも楽しませてくれる。
醤油を付けずとも旨い昆布〆だが、付け合わせの自家製醤油は昆布〆専用との事で、邪魔をしない味わい。
素焼
一般的に言うところの、白焼き。
噛みしめた瞬間に、誰しもが笑顔になる。
ぷりっ!と身は弾け、じゅわっ!と旨味が滲む。
ひたすらジューシーで、香りが良い。
肉厚で香りの良い穴子なので、産地が気になったが、親方は「産地にはこだわらない」、「自分が美味いと思ったものを使い、それで良い」との談。
恐らく今回は江戸前のものだろうと推察。
対馬産は使った事が無いそうである。
付け合わせは肝の山椒煮。
すずめ焼き
雉焼きはよく聞くところだが、雀焼きとは。
魚を背開きにして串に刺し、醤油ベースのタレで焼いた料理。
白焼きとは異なる香ばしい香りが良い。
タレには砂糖を用いていないため、大変スッキリしている。
醤油と穴子の骨や頭などの出汁を合わせたタレとの事。
照り焼き
こちらは【すずめ焼き】のタレに甘みをつけたものを使用。
甘みのある醤油ダレは日本人ならば誰しもが好きな味わいだが、こちらのタレは甘みの塩梅が非常に良い。
上品な甘みなので、穴子の旨味、風味を楽しめる。
そして、最初からブレる事無く、ぷりっ!じゅわっ!と良い焼き加減。
焼きは奥様の手によるが、熟練の腕前を見せてくれる。
穴ざく
酢の強い酸味が昔ながら。
それでも嫌味ではなく、最後には飲めるほど。
独活と胡麻が独特な組み合わせ。
酢と甘みを付けて焼いた穴子は鉄板の組み合わせで、うざくよりも軽やかな味わいである。
素揚
ありそうで無い逸品。
カリッと弾けて、繊維質がほろっとほどけてゆく。
皮はバリバリ食感で、香ばしい。
穴子めし
甘みを付けて炊いた椎茸と白焼きの混ぜご飯。
椎茸の甘みと風味が郷愁を誘う。
肉厚な穴子をたっぷりと使用されており、見た目はざくばらんだが、贅沢な締めとなる。
以上とビール1本、日本酒2合を頂き、9,000円弱。
価格については賛否両論あるかと思うし、確かに安くはないと思います。
ただ、個人的には舌と心に沁み渡る料理であり、本質的な「うまいもんや」はこう言ったお店だよな…と感じました。