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本年の結論。
あ、どーもどーも、いらっしゃいまし。
迎えられた店内は、「夜の部」が始まったばかりなのに、中高年の同輩、先輩酔客諸君で満席。
まあ、みなさん、休みの日、早い時間からやってるバーをよくご存じで、コレを類は友を呼ぶ、という、あれ? 意味が違うかな、はは、と、おしぼりを貰いながら口の中でぶつぶつ。
ま、自分も「同類」なんであるが。
今年一年注文し続けた、ドライマティーニ・ノンオリーブ・レモンツイスト。
相変わらず手が少なく、しかしカチリとした仕上がり、旨し。
グラスを干すうち、ひとり、又ひとり、「お先に失礼」「良いお年を」を口々に、店を出て行く。
気がつくと、高坂店主と二人きり。
今年の締めだからね、と、オールドファションド、角砂糖ではなく麦芽糖(だったかな? )を用い、ベースにデュワーズを持ってくるのが、実に「ここの店っぽい」
腕時計にチラリと目をやる。
新幹線に乗るまでに「ほんのちょっと」だけ余裕がある。
あといっぱい、なんか下さい
という、いい加減なリクエストに、莞爾として出してくれたのが、オン・ザ・ロック式のギムレット。(シャシンなし)
ストレイトの時に使うゴードンではなく、氷で程よく香りの立つNO.3ドライジンがベース。
先の酒でトロリと甘くなっていた舌先が、綺麗に洗い流されたような心地の良さ。
年嵩のご夫婦客が入ってこられたので、少しだけ談笑して、ようやく腰を上げる。1820時。
今年もお世話になりました。
来年もよろしくです
型通りの挨拶を交わし、店を出る。
コレで今年の「バーおさめ」もおしまい。今年もかなり飲んだね、どのくらい飲んだか思い出してみると
…おっかなくなるからやめましょう。それでは年明けまでチャオチャオ、あばよザギン!
と、腹の中で啖呵を切り、片手を上げてタクシを拾い、東京駅を目指さない、事もない。
沈黙、充足。
お取引先主催の忘年会。
円卓でフル・コースのご馳走を頂き、方々に愛想を振りまきながら談笑、その後、会場を出て親しい社長さんとふたりで二次会。
先さまをタクシーで送り出し、あぁ、今日はチョイ、沢山話しすぎたな、ひとりで黙っていっぱい、と、いきたいな、という気分になり、並木通りをトコトコ歩いてこちらにたどり着く。
店主独特の、限りなく自然体に「見える」シェイクでヂャックローズ、舌の倦怠を酸味で振り解いてやってから
あ、カルバドスの奥にある壜、ポールジローですか?
ええ、当店では15年もの
高いの?
いえいえ、いっぱい凹凸です
それは結構。ではプリーズ!
ストレイトで?
はいはい
…比較的若い陳年モノであるが、さすがはグランドシャンパーニュ 、鼻で嗅ぎ、口に含み、腔内で遊ばせてやると、丸く広がり、嚥下すると重厚でありながら優しい味わいが、やや人当たりして、ささくれだっていた神経を鎮め、しかるのち酒精が膨れ上がった胃の腑の働きを助け出し、ひとごこち。
余計なものが置かれていない、シムプルな店内、どこか東洋を感じさせる往年のスターのポートレイト、琥珀の壜、強い酒
そしてふんわりとした佇まいながら「要るべくして有る」店主の姿
なにを話す必要もなく、ヴォリュームを落とした旧い映画のサウンドトラックが、気持ちの上に浮かんでいたトゲのようなものを平らかにし、アタマのなかみをほぐしていく。
滞在時間、一時間弱。
28年前に手に入れ、ようやく最近、茶番ではなくなってきた「ような気がする」コットン・ギャバヂン・トレンチコートの袖に腕を突っ込みながら、酒場の酒は、味蕾でだけ、味わっているモンでもなさそうだねと、「いかにも」な感想を思い浮かべ、実際、オールド・ファションドな男だネ、オレも、はは。と、ニガ笑いを浮かべない、事もない。
酒は静かに飲むべかりけり、なんて、ね。http://www.kodawari.co.jp/bokusui/shougai.htm
タウンウエア。
1.ここに、Town Wear というのは、ある会社の従業員が、よその会社に事務上の打ち合わせのため訪問するときの服装であると思っていただいてよい。
つまり、着飾っていない程度の「訪問着」である。
2.このような Town Wear とは、男子ならば、上下、色ちがいでよいし、ワイシャツも、色ものや柄ものでよいから、ネクタイを着用し、サンダルでなく、靴を履いた形である。
3.女子ならば、パンタロンまでということ。
ブーツでもよい。
4.礼服と Casual Wear との中間に、この Town Wear がある。
(作法心得/林實 著 「美容と服装」より)
…なんにでも「定義」があるモンだねえ。
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イナカの会社に勤めている時は、スポーツコート(ぢゃけっと)か作業着の上衣、トラウザーズ(ずぼん)で通してしまう事が多い。
社にいるときは事務所と工場を行ったりきたりだし、来訪される/こちらから赴くお取引先さまは、共に製造メーカーばかりだからだ。
これから雪が降る季節になれば尚更で、茶色の目の詰まったハリスツウィードの上衣にオクスフォード地のポロカラーシャツ(ぼたんだうん)、霜降りのトラウザーズに泥濘地対応チロリアンシューズ。
その上に防寒用LLビーンメインハンティングコートなど羽織ろうものなら、典型的なカンツリーヂェントルマンないし「イナカの校長先生」の姿そのもので、我ながらメンズファッションの極北にいるなぁ、と、ニガ笑いするばかり。
しかしながら。
年の半分を占める「旅商い」においては、一応、カッコつける訳です。
何しろ旅先=需要地ですから、原則、都市の中。
ここでご案内のカンツリースタイルを通すと、ロサンゼルス に現れたクロッコダイル・ダンディもビックリな悪目立ち、どこの馬太郎馬之助がやってきたのかと周りが騒がしくなる。
と、なれば、旅の空の下にあっては冒頭で引用した「タウンウエア」をシティライフ? の制服よろしく身にまとう、というのが、道理であり、社会通念であり、ワールド・ヴァリュー(世界基準©️副島隆彦)である事、いうを待たぬ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
旅装束の背広がくたびれ始める。
背広は基本、毎日着替え、なか何日か休ませるものであるが、二泊三日程度の軽出張だと、持ち物を軽くしたいばかりについ、ガーメントバッグやスーツケースの携行を怠り、「着た切り雀」になりがち。
結果、社会一般の事務系サラリーマンに比べ、服の傷みが早くなり、しかも「おんなじ頃に買った服はおんなじ頃にバタバタとダメになる」という #冷酷な現実 に向かい合わなければならなくなる。
かくして30何年の付き合いになるザギンの服屋に顔を出し、ここ数年面倒を見てくれている馴染みの店員氏(女性)に向かい、
今日はスーツだ、無地暖色でオレのサイズのを二着、適当に見繕ってくれ、子猫ちゃん!
と、叩きつけるように(実際は「子猫ちゃん」なんてアテレコの野沢那智さんみたいな事言わないし、「お願いしま〜す」と柔らかく)申しつける。
あー、MSSBサンのサイズは確か…で、イタリアの柔らかな生地に英国風の仕上げがお好みでしたね、じゃ、これ、と、これ
…それにしても体型、変わりませんね、お腹の中に蟲でも飼って(…とは、言わなかった)
はい、袖の直しは不要でパンツの裾は4㌢折り返し、糸どめでっと。あ、お着替えの間に宅急便の宛名と住所も書いておきました、〆て凹凸円です。毎度、ありがとうございます。
店に入ってから二着を試着.サイズ直し、宅配の手続きと勘定を済ませ、「子猫ちゃん」に見送られて店を出るまで30分足らず。
現代に合わせた服のデザインは店に丸投げ、合う合わないのセンスは此方の購買履歴を知り尽くした優秀な店員氏にオマカセ、こちらが痩せず肥えず、姿勢が悪くならなければ、服選びなど至極単純。
ま、カッコつける、シャレこく(エチゴ弁)ったって、カンツリーな侠の「化けの皮」なんて、こんなモンです、はは。
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店を出ると外はもう暗い。
丁度、サンダウナー、晩酌の時間だね、と、並木通りを歩き出し、無印良品やABCマート、ロフト…など「あんまり」ザギンっぽくない店を横目に見ながらこちらに至る。
頼むものは「いつもの」マティニ。
ノー・オリーブ、レモンツイスト
…と、注文した途端、懐のスマートフォンがブルブルと震えだし、画面を見ると自宅から。
高坂店主に断り、店を出て、エレベータに至る踊り場部分で電話に応えると
・先に買った服屋から
・冬のバーゲン前、常連用限定割引期間(シークレット・セールスと言うんだそうな)で○割引であるのを忘れてうっかりプロパーで買ってもらってしまった
・もし店に戻ってくれたらカードの切り直しをするが如何
・連絡が欲しい
と、「子猫ちゃん」から泣きそうな声で連絡があった、との事。
その場で店に返信、と、すぐに電話口にくだんの店員氏
あー、今夜の一杯目を始めちゃったからさ、店に行くの、40分後でいい?
いえ、もし不都合でなければ、現金書留で差額分をお送りさせてもらえないでしょうか
うむ、スマートだ。それで頼むゼ!
問題は解決した。
トラブル発生からクロージングまでが鮮やかだね、子猫ちゃん…
口の中で呟きながらニヤリとし、席に戻り、改めて酒を作ってもらう。
手数が少ない、さらりとした、処方で出てくるグラスの中身も、媚のない、キリリとしながら程よく円やかな高坂流。
背後にうっすらと流れる、60〜70年代映画音楽のサントラ集の音色と、うっすらと身体を回り出した酒精に身を委ね
時代も町並みも、流行りの店も変わるけれど、そこでの商い、サービスは、服屋も酒場も変わらぬ「銀座」だよな、これも亦、佳し。
と、わかった風なことを嘯きながら、さて二杯目はどうしようか、と考え出さない、事もない。
レモンツイスト・ノーオリーブ。
夕方の、まだ日が暮れる前のひとときに一杯やる事を英口語ではSundownerと言うらしい。
日本語では「晩酌」が近いかしら。
後者はどっしりと腰を落ち着けて始めるイメージが強い一方、英語のそれは、その時間帯のバー、パブがサーヴィスで行うことが多いHappy Hourの風俗と相まって、もう少し軽い、というかさらりとした感じがする。
1700時ザギン。
外回りの仕事が終わり、事務所に帰る必要はなく、夜は珍しくフリー。
サッときた通り雨の後で、蒸し暑かった外気も、ややAnnealing *1 された風で心地よい。
と、なれば、お気に入りの酒場でサンダウナーと洒落のめす*2 のは道理であり、社会通念であり、ワールド・ヴァリュー(世界基準©️副島隆彦)である事、いうを待たぬ。
旧いビルのエレベーターで六階に昇り、1500時より開いている店に入り、入り口から程近いカウンタ席に腰をおろす。
マティニを、オリーブはなしで、レモンピールは絞ってからグラスに入れてしまってください。
言いながら、あ、そういえばこちらのご主人のマティニって飲んだ事なかったナ、と気がつく。
ご主人が以前働いていた店に出入りしていた10年チョッと前は、こちら(わたくし自身)が少し自意識過剰で万事斜に構えていた時期で、カクテルの王様と称される「逆三角形のグラスに入った透明な酒」を頼むのがなんとなく恥ずかしい「ような気が」していた頃、だったから
…かもしれない。
よく冷やしたカクテルグラス、ミクシング・グラス、大量の氷、冷凍庫から取り出した、壜に霜が浮かんだゴードン・ドライジン
…と、ここまではいつもの風景。
なのだけれど、時間差で出てきたフレンチ・ヴェルモットが何やら見慣れぬ銘柄。思わず「あ、」という声が漏れてしまう。
「マンチーノといいます。開発したバーテンダーの名前だそうです。以前は型通りにノイリー*3 を使っていたのですが、ある時から味が変わって甘くなってしまい、チンザノ*4 やマルティニ*5 に切り替えてみたものの、思ったようなコクが出ない。そうして試行錯誤しているうちに出会いました、さ、どうぞ」
話しながら高坂店主、酒を合わせ、バースプーンの使い方も必要最小限な、シェイク同様「氷をいじめない」作法でささっと作り上げ、グラスの上でレモンの皮を一絞り、そして液面にイン!
すかさず口を運び、含む。
最小限のステアでもしっかりと冷えてい、ジンの強酒精由来な調子が高く、同時にご案内の「コク」が舌の上にフワリと立ち昇り消えていく。
いいなぁ。
店内には、有るか無きかに音量を絞った旧い映画音楽。外に向いたステンドグラスから差し込む夕陽の赤橙。
これ以上の寛ぎがこの世に存在するだろうか、いや、ない、と、古文の定法「二重否定は強い肯定」で呟きながら、さて、今夜は何を食べようかな、と考え出すのは、なかなかに得難いCircumstances*6 であるな、と、自然、頰が緩まない、事もない。
*1 鉄鋼用語。「焼鈍」熱硬化、或いは/及び加工硬化した素材のストレスを除去し、組織を平くする熱処理のひとつ。
*2 「洒落のめす」とはそもそもなんでも冗談、洒落に持っていこうとするティピカル・マナー・オーヴ・ヲヂサンをあらわす言葉であるが、平凡出版がマガジンハウスになった頃からエチゴ弁でいうところの「シャレこく」と同意に用いられるようになったキガシマス©️KYTパイセン
*3 https://www.sapporobeer.jp/product/wine/C618/
*4 https://www.cinzano.com/jp/ja/vermouth/aperitif-classics/bianco/
*5 https://www.bacardijapan.jp/products/items/martini-bianco/
*6 何でもかんでも英単語にすりゃいいってモンでもない。オマエはトニー谷か?!
氷をいじめない。
「あのー、高坂さんのギムレットやダイキリって、お砂糖もシロップもコーディアルも使いませんよね」
「ええ、入れませんね」
「でも酸味がギュギュッと前面には来ないし、薄くも感じないし、仄かに甘いですよね」
「そうですか、ありがとうこざいます」
「モノの本には、ライムコーディアルではなくフレッシュなライムを使うと自然な酸味が強すぎるから、軽い甘味でその野性味を抑える、なんて書いてありますけど、そんな事しなくてもこうしてカクテルとして立脚してる、ナンでですかあ? 」*1
…なんて酒場以外では交わし用のない会話を投げたり受け取ったり、しかも温泉旅館の卓球的に、ユルいけどコントロールを外さず、相手が受け取りやすく、フンワリと返しやすいように手心を加えて、なんていうのが、ひとりで呑んでいる時には心地よい。
銘柄だ処方だ出来栄えだ、なんていう事にメクジラ立てていた酒場十番勝負、道場破り、ムシャシュギョーといった年周りでもないので、コレでいーんじゃなーい、と、自分をまぁ、「甘やかし」てるンですけどね、はは。
甘やかす店ではマルガリータに決めている。
決めているのに理由はない、あったとしても忘れてしまった。
もしあるとすれば、世の中には夏なら夏、冬なら冬にしか頼まない飲み物というモノがあり、これを嗜み、花鳥風月、季節の移ろいを愛でるのが、成熟した侠のダンディズムだから、とは、オトウサン、ダンディ、ダンディズムって発祥の英国はもとより、イタリーではダメリーノ、フランス語ではドンヂーと対訳はあるものの、ダイバーシティの喧しい昨今、とうに死語になっていて、使ってるのって徳大寺有恒さんか北方謙三さんくらいっスよ、と、ご指摘を受けると、ついウロタえて「ソープへ行け! 」*2 と叫びそうだから黙っている。
そう思いながらホワイトラムにホワイトキュラソ(こあんとろ)ライムを氷とともにシェイカーに容れ、ガシャガシャでもガチャガチャでもなく、シュシュっと振られた末、スノースタイル仕立てのカクテルグラスに注がれる半透明な白い飲み物に口をつけると、舌には材料それぞれの持ち味を、それと感じさせながらも過剰は訴えず、アルトラ(うるとら)スムーズに喉を下る調子にウットリとし、夏には夏にしか頼まない飲み物があり、コレを頼んで飲むと、改めて夏を感じるなあ、あ、こーゆーの、マッチポンプって言うんでしたっけ、はは、と、しまいにはやはり、滑稽と諧謔で場の空気をかき混ぜなければ気が済まなくならない、事もない。
*1 答はぜひお店で聞いてください。なんでもかんでも書いちゃったら、面白くないでしょ、はは。
*2 北方謙三人生相談「試みの地平線」での決め台詞。https://www.excite.co.jp/news/article/OhtaBooks_010542/
男らしいとは、この事である。#ポリティカリーインコレクト
あの、と言っても鬼籍に入られて久しいので、若いよい子のおともだちはご存知なかろうが、稲田春夫氏の愛弟子にしてミカサ方面の地下の店(仮もとチーフバーテンダー、高坂壮一氏が一年ほど前に開いた酒場
…だそうな。
だそうな、というのは、他の店でバーテンダー氏と「ザギンの酒場新旧談」という、生産性が「あんまり」ない話をしていた折、
「そういえば稲田さんにはお世話になったし高坂さんも好きだったんだけど、なんというかミカサ方面とは、あー、うー、そのいわゆる『方角が違う』関係になっちゃって『地下の店』もご無沙汰なんですよね、いや、若気の至りで面目無い」
と一言、漏らしたところ
「いやMSSBさん、高坂さんなら独立されて、二丁目にお店出してますよ」
と聞き、ミカサ方面と縁が切れれば訪問になにを遠慮する事があろうか、いや、ない、と、古文の定法「二重否定は強い肯定」で心極めをし、義を見てせざるは勇なきなり、スウェーデン食わぬは侠のハジ! とばかりに、先の店を飛び出し、駆けつけた次第。
無印とロフトの並んでいる道、一丁目と二丁目の交差点のビル、6階。
イマドキ珍しい、ショーワの洋菓子屋さんかパーマ屋さん(死語 の店頭にありそうな磨りガラスのついた扉を開く
…と、まごう事なき氏の笑顔
「わぁMSSBさん、ご無沙汰してます」
「覚えていてくださいましたか、こちらこそ不義理でご無沙汰しまして申し訳なく」
「いえいえ、どうぞ」
店内はバー、酒場としては照明が明るめ、というか「あっけらかん」とした風。
内装も「安普請ではないが万事こざっぱり」といった色合い。
バックバーの品揃えも、とりわけ凝った感じではないが、必要十分。
いわゆるマニア受けする設えではないし、男女二人で来て、アタマから湯気を立てながら「親密な会話」を交わす、といったムードでもない。
…が、コレがいい!
そもそも酒場とは、ジャングルにある、ケダモノたち共通の「水飲み場」みたいなものだと思っている。
普段は年功や仕事での地位、色々な意味での腕っ節の強さ…などで、とかく上下、とまでは言わぬものの、なんとなく「序列」をつけたり、つけられたり、食ったり食われたりする浮世において、唯一、パーソナルに、自分を振り返り、立ち戻り、ボーっとしていられるのが、酒場のある種の「効用」である、といった切り口で向かい合った場合、こちらのあれこれは実に「具合が佳い」
しかも土日営業(月曜日が休み)、ワーキング・アワは1500時~2400時、ときたら、これはもう、
「ひとりでフラリとやってきて、好きに、勝手に呑んで頂戴よ」
と言ってもらえているようで、喜ばしい限りデハナイノ!
喜ばしい店ではギムレットに決めている。
決めているのに理由はない、あったとしても忘れてしまった。
もしあるとすれば、お師匠さんの著書にある通り
「強烈に振り回し、なかの温度がマイナス何℃、などという講釈を垂れなくとも、シェイカーは、しっかり確実に振れば、酒は十分に冷え、佳く混ざる」
を、実際に目の前で確認したいから、とは、ヲトコのタコ踊り* ファンを敵に回すから黙っている。
そう思いながら、予め冷やしておいたビフィータと、都度絞られるフレッシュライム、氷がシェイカーに放り込まれるや、すばやく無駄なく短時間にシュシュシュと切られ、これもよく冷やしてあるカクテルグラスに注ぎこまれ、目の前に置かれた白濁する半透明な酒に口をつけると、酸味をしっかりと感じながらも(甘味を一切用いていないのに)尖っておらず、そうかといって薄っぺらくもなっていない、つまり
「キリリとしながらハードすぎぬ」
シャンとした出来栄えに
「そうこれ、高坂さんの味だぁ! 」
と、つい口から洩れてしまい、苦笑いされ、目を細め嚥下すると、廿年近く前、雌伏時代をひたすら飲み歩いて(は、失敗ばかりして)いた自分のナサケない姿や、お世話になった店、バーテンダー氏たちの姿が次々と思い出され、あの時があって今がある、とアタマを掻きながら、うむ、これを機会に、又、通わせてもらおう! と、思い定めない、事もない。
*:敢えて言及を避ける。お察しください
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ムササビヒンソー
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店名 |
Barたか坂
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ジャンル | バー |
お問い合わせ |
03-6228-7087 |
予約可否 |
予約不可 席数が少ないので、ご予約は承っておりません。 |
住所 | |
交通手段 |
JR 有楽町駅 銀座一丁目駅から59m |
営業時間 |
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予算 |
¥4,000~¥4,999 ¥4,000~¥4,999 |
予算(口コミ集計) |
|
支払い方法 |
カード可 (VISA、Master、JCB、AMEX、Diners) 電子マネー不可 QRコード決済可 (PayPay) |
サービス料・ チャージ |
サービス料10%。席料はいただいておりません。 |
席数 |
12席 (現在は、席数を減らしております) |
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個室 |
無 |
貸切 |
可 |
禁煙・喫煙 |
全席喫煙可
2020年4月1日より受動喫煙対策に関する法律(改正健康増進法)が施行されており、最新の情報と異なる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
駐車場 |
無 |
空間・設備 | カウンター席あり、立ち飲みができる、無料Wi-Fiあり |
ドリンク | カクテルあり |
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利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
ホームページ | |
公式アカウント | |
オープン日 |
2018年4月24日 |
備考 | |
お店のPR |
14時開店のショットバー。土日も営業しています。
カウンター主体の気軽にご利用いただける、バーとして2018年4月にオープンしました。午後2時からカクテルをお楽しみください。 |
初投稿者 |
このレストランは食べログ店舗会員等に登録しているため、ユーザーの皆様は編集することができません。
店舗情報に誤りを発見された場合には、ご報告をお願いいたします。報告フォーム
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ダイニングアウト趣味、外食千本ノック、レストラント千人斬り? には「あんまり」執着はないものの、はしご酒、バーへ巡り、バーホッピング、バーフライ(Bar Fly)の悪癖は治まることを知らない
……のだが、例の病災禍で強制的に行動が制限され、コチラにも久しぶり。
いつもの店、いつもの顔、いつもの酒。
ここしばらくオカミからは酒も酒場も
「なくてもなくてもいいもの」
扱いされていたけれど、その辛苦をカケラも見せず、変わらぬいっぱいを提供してくれるバーテンダーという名の酒匠諸兄には、尊敬の念を持たずにいられない、と、やや大仰な言い方で日常の再来を祝わない、事もない。
尚、具体的な飲料の詳細は、別掲のシャシンないし、シャシンのコメント欄に当たって頂きたい。