"御觸書（おふれがき）"　恐懼（おそれかしこ）み　無人境（ひとのな）き　坊（まち）に溢（あふ）るゝ　「休業（やすみ）」の告知（しらせ） : 居酒屋 ヤマヤ

先頃（さきごろ）、
『タパス』の貼紙（はりがみ）に階（きざはし）昇（のぼ）るも「完賣（うりきれ）」。
想定外（おもひのほか）に佳味（よきあぢ）なりし、
『わくわく農園』"笋（たかむな）"にも懸想（ひ）かれ再度（ふたゝび）『タパス』に、、。

ところが、『タパス』ゟ（より）商賣（あきなひ）の氣配（けはひ）漂（たゞよ）はず。
かくて、「二匹目（にひきめ）の泥鳅（どぢやう）」を狙（ねら）ひ、
前述（くだん）の"竹筍（たかむな）"需（もと）めて『わくわく農園』に嚮（むか）ふも、、
尖端（さき）の靑（あを）きものばかり。

かくて、
「"辨當（べんたう）"の貼紙（はりがみ）」存在（あ）りし『あをつ』に、、。
しかるに、勿驚（おどろくなかれ）、
「四月二十日（しがつはつか）ゟ（より）休業（やすみまする）」の告知（はりがみ）。

已（や）むことを得（え）ずして、踵（くびす）を返（かへ）し『空と絲』に、、。
嗚呼（あゝ）！、人員過剩（ひとたる）、蓋過剩（ふたゝる）、悲慘（さんたるちあ）！
「本日分（このひのもの）は完賣（うりきれ）」なる貼紙（はりがみ）。
南無三寶（なむさん）、已矣哉（やんぬるかな）！

"四一三三極印付（よいみゝさまきはめいんつき）"の『ソットテット』を覗（のぞ）き、
亭主（あるじ）に「"家苞（いへつと）"の有無（ありやなしや）」を訊（たづ）るに、
「無（ござらぬ）」の一言（ひとこと）。
階上（うへ）にも「先客（せんきやく）两組（ふたくみ）」との囘答（いら）へ。

流（なが）れ流（なが）れて、
これまた"四一三三極付（よいみゝさまきはめつき）"で高名（なだか）き『ヤマヤ』に、、。
「當家（こちら）には有（ござりまする）。」
とのことにて、"家苞（いへつと）"の"菜譜（しながき）"を貰（もら）ふ。

作置（つくりおき）ならで、その塲（ば）で烹飪（きりさきにたて）。
こちらにも先客（せんきやく）が两組（ふたくみ）居（を）り、
"メンチカツライス"を注文（たの）むや否（いな）や、疾（と）く遁走（にげわしる）。
對價（あたひ）、八百五十圓也（はつぴやくごじふゑんなり）。

外面（とのがた）にて俟（ま）つ間（あはひ）『おつゞみ園』を覘（のぞ）く。
霎時（しばし）後（のち）『ヤマヤ』に戻（もど）るや、
冩眞（ゑ）にも納（おさ）まらぬ程（ほど）巨大（いとおほき）なる紙包（かみづゝみ）。
陋屋（あばらや）に歸（かへ）りて"辨當（べんたう）"を取出（とりいだ）す。

縱横（たてよこ）大畧（およそ）九寸（きふすん、≒27cm）。
"懐石（くわいせき）"の"八寸（はつすん、≒24cm）"をも凌駕（しの）ぐ大（おほ）きさ。
"内容（なかみ）"は"冩眞（ゑ）"のごとき陣容（かほぶれ）。
"味（あぢ）"と云ふと、「無難（とりたてゝあしきところなし）！」

因（ちな）みに、上述（くだん）の"竹筍（たかむな）"はと云ふと、
"前囘（まへのもの）"とは「天地懸隔（あめつちほどのたがひ）」。
「二匹目（にひきめ）の泥鳅（どぢやう）」は儚（はかな）き幻（まぼろし）に、、。
南無阿彌陀佛（なむあみだぶ）、南無阿彌陀佛（なむあみだぶ）！

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【暗匣】：東京通信工業 索尼（Sony）α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機（みらーれす）
【鏡珠】：旭光學 賓得（Pentax）S-M-C 琢磨（Takumar）1.8/55 @F2.8～F5.6
　　　　　旭光學 賓得（Pentax）S-M-C 微距琢磨（Macro Takumar）4/50 @F5.6
　　　　　高千穗光學（Olympus）瑞光（Zuiko）Auto 3.5/21 @F8～F11

×隔墙有耳（かべにみゝあり）〇粕壁（かすかべ）に食堂（めしや）『ヤマヤ』あり。
そこの商賣（あきな）ふ『山ノ月』なる料理茶屋（れうりぢャや）には、
嘗（かつ）て敷居（しきゐ）を跨（また）ぎたる經驗（ためし）あり。
飯（めし）あれば、玉薤（さけ）も餚（さかな）もあり。

晝响（ひるどき）、食堂（めしや）は救世主（メシヤ）。
耶蘇（やそ）に天主（デウス）に瑪利亞觀音（まりあくわんのん）、
觀音樣（くわんのんさま）、辯天樣（べんてんさま）、T中H樣（ていーなかえいちさま）。
加旃（しかのみならず）、"KYTぱいせん"所緣（ゆかり）の舖（みせ）でもある。

これぞ、「聖地（せいち）」！
眞言宗（しんごんしゆう）の"高野山（かうやさん）"、
囘教徒（くわいけうにきえするともがら）の"麥加（マッカ）"のごとき存在（もの）。
南無八萬大菩薩（なむはちまんだいぼさつ）！

"食牛（うしくらひ）"→"食豬（ぶたぐらひ）"。
二日連續（ふつかもつゞけて）の神（かみ）を不畏（おそれぬ）所業（おこなひ）。
齋戒沐浴（みづをあみて、からだをきよめ、けがれをはらふ）。
禊（みそぎ）に祓（はら）ひ、裾拂（すそはらひ）に、背負投（せおひなげ）。

と云ふ次第（わけ）で、
當日（このひ）は、ω-3脂肪酸（おめがさんしばうさん）橫溢（みちてあふ）るゝ、
"油炸鮮蠔（かきフライ）の套餐（きまりめし）"、
對價（あたひ）、八百五十圓也（はつぴやくごじふゑんなり）。

植物性（しよくぶつせい）と推定（おぼし）き油（あぶら）を用（つか）ひ、
なかなかに輕（かろ）やかなる油炸（あげ）あがり。
"粳（うるのこめ）"の姫飯（ひめいひ）の佳味（よさ）は想定外（おもひのほか）。
"未醤湯（みそしる）"の溏油（だし）すら拔（ぬ）かりなし。

"小鉢（こばち）"、"葅（にらぎ）"、"沙律（サラド）"は陳腐（とるにたるものなし）。
しかはあれど、總體的（おしなべて）、この價格（ね）でこの内容（なかみ）なら、
魚介（うみやかはのさち）を攝取（と）れる日常食（ひゞのうけ）・糧（かて）として、
なでふ不平不滿（みちたらざること）やある？

開店（くちあけ）と同時（ひとし）く、
陸續（つぎつぎ）に地元民（あたりのたみ）が暖簾（のれん）を潛（くゞ）り、
軈而（やがて）、席（せき）は過半（あらかた）埋（う）まる盛況（にぎはひ）ぶり。
かくて、神速（すばや）く啖（くら）ひ、そゝくさと辭別（いとまをこふ）。

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【暗匣】：東京通信工業 索尼（Sony）α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機（みらーれす）
【鏡珠】：高千穗光學（Olympus）瑞光（Zuiko）Auto-微距（Macro）2/50 @F2～F5.6
　　　　　高千穗光學（Olympus）瑞光（Zuiko）Auto 3.5/21 @F11