Kohは酒と本とネットで本日も引きこもり。さんが投稿した馳走 啐啄一十 (広島/富士見町5)の口コミ詳細

「美味しい」と「食べたい」は、慣れない、飽きない、すり減らない。

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馳走 啐啄一十 中電前、市役所前、袋町/日本料理

3

  • 夜の点数:4.3

    • ¥20,000~¥29,999 / 1人
      • 料理・味 4.3
      • |サービス 4.0
      • |雰囲気 4.2
      • |CP 4.4
      • |酒・ドリンク 4.3
おすすめポイント

カッコつけずに、ただただ本質的に旨い。

2023/09/27 更新

3回目

2023/10 訪問

  • 夜の点数:4.3

    • [ 料理・味4.3
    • | サービス4.0
    • | 雰囲気4.2
    • | CP4.4
    • | 酒・ドリンク4.3
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

失われて初めて人は不安を感じるもの。誰かがそれを言葉にしなければならないのなら・・

8月に続き、2ヶ月ぶりの訪問。
今年は松山の鮨屋とこの店にば
かり来てる気がします。。


謎深まる「馳走卒啄一十 別邸」。
どなたか、早くレビュー上げて
ください!


この日、女将さんと弟子くんが
「別邸」へと移ったばかりで、
どうやら新たに2名を補充した
ようでした。

ただ、残念ながら、この2人分
の穴埋めには少し時間がかかる
ように思います。

大将と唎酒師の理恵さんの負担
がかなり増してるように感じま
した。
コースの流れもいつもと違って
て、不足分を補填するための工
夫だったんだろうと思います。


「チーム平野寿将」が繰り出す、
家庭的で機微にあふれる他の店
にはない独自のホスピタリティー。
今は少しだけ翳ってしまった、
と言わざるを得ません。


写真を撮り忘れそうになるほど、
供された瞬間に齧りついた焼き
物もありました。

いりこ、カツオ、サバ、あごな
どの節の旨味が効いた牛肉のし
ゃぶは、いつも通りに出汁、肉
質ともに素晴らしいこの店のス
ペシャリテ。

前半のクライマックス、白甘鯛
の椀は、マグロ節の香りに思わ
ず目をつむってしまうほどに日
本人の細胞に染み入るようでし
た。

でも、刺し身と炙りものの中に
は、大将が手をかける時間が足
りてない品があるように思った
のも事実。
明らかに大将本来の技量ではな
いです。

口直しに出される、女将さん特
性の、氷水で締めた極薄大根の
梅肉載せ。
あれ、見た目、枯れた感があっ
てパサつきそうに見えるけど、
素晴らしい食感で目が覚めるよ
うな影の立役者なんですが、こ
れも姿が変わってしまってまし
た。

ちょっとでない程度に残念。


失われて初めて人は不安を感じ
るもの。
誰かがそれを言葉にしなければ
ならないのなら・・

「チーム平野寿将」の真の実力
を再び体験できる日を心待ちに
しています。


※刺し身2点、ハギの肝、煎茶、
 デザートの写真は撮り忘れ。


ーー
読んでいただきうれしいです。
車いすで飛行機に乗って全国の
主に鮨屋をめぐっています。
まだ食べログを始めたばかりで
すが、いいね、保存、フォロー
いただいた方々、大変、励みに
なります。
ありがとうございます!
ご参考になればうれしいです。
ーー

━ バリアフリー情報 ♿ ━
敷地手前に10cm程度が一段。
玄関までのちょっとした石畳の
小道もわずかな段差、そして店
内カウンターの足元に15cm程
度の足場があってこれが車いす
の邪魔になるかも。
カウンターも若干高く、それな
りに苦労するかもしれませんが、
大将も女将さんもスタッフもみ
んな親切なので、心地いい時間
を過ごせることは間違いない。

  • そろそろ終わりとなる赤ウニ。 海水のシュレとともに。 ウニの甘みが上品な塩分をまとって口の中で蕩けます。 甘みと塩分がケンカしないどころかお互いを高め合う関係なのは、あんこの好きな人ならわかりますよね。 ウニと言えば北から目線で見られがちですが、西日本の赤ウニの甘みと旨味もなかなかどうして素晴らしいんですよ。

  • この椀、なんだったかなぁ。。 朝から一切、食事を断って、その代わり、羽田のANAラウンジで、機内で、広島空港の立ち呑み屋で、いろいろ飲んでの訪問だったせいか、思い出せません・・ 笹がきゴボウに若干のとろみがあるような・・ メモなどとらずとも、めったに料理を忘れることなんてないんだけどなぁ。。

  • ずいぶん長く炭火で炙られてたクエ。 クエは高級魚ですが、生だと身質がかなり硬く、僕は刺し身をあまり好みません。 が、この厚切りでも炙られるだけで食感は大きく変わります。 温度のグラデーションはそのまま味わいに結びつき、バリバリの皮目からしっとりした中心まで異なる食感を楽しめます。 味付けは、優しい塩味のカラスミにて。

  • 前半のクライマックス。 炙った白甘鯛のお椀。 松茸の登場です。 利尻昆布とマグロ節の出汁が日本人の細胞を覚醒させます。 供されてから、白甘鯛の味わいが出汁の溶け出すまで、出汁の変化が明瞭に楽しめる、この店のスペシャリテの一つ。

  • 体の隅々にまで染み入るようなお椀で温まったあとは、いつもの、お刺し身オールスターズ。 まずは、ハギ。 薄切りにすれば、フグと見紛うほどのハギですが、ここは少し厚切りで熟成。 しっかりとした食感と本来この魚から感じるのは難しいイノシン酸の旨味。 熟成の成果ですね。 一部は肝と合わせていただきたかったかな。

  • 続いて新イカ。 小さいイカもしっかり熟成。 若い分、食感は淡白でエロねっとり感は薄いですが、甘みがすごい。 へぇ、新イカも熟成させるとこんなにも味が濃くなるんですね。

  • 白甘鯛。 これは、どうしたのかな、いつもになく大将らしくない出来栄えでした。 女将さん、弟子くんが抜けた分、大将の負荷が大きくなってるのかな。。

  • ノドグロ。 少し残念だった白甘鯛を見返すような素晴らしいノドグロでした。 炙り香、温度、皮目の食感、身の旨味、上品な脂。 この1切れで、多層的、重層的に口の中は幸せで満たされました。 お刺し身オールスターズのトリを担うに十分な存在感。 おかわり欲しかった・・

  • いつものミル貝。 熟成のポン酢で。 いつも通りですが、香り、食感、旨味、ともにこの店のミル貝を証明するような一品。

  • これもこの店のスペシャリテ、出汁しゃぶ。 高森和牛の、えーっと、どこの部位だったっけ・・ いりこ、カツオ、サバ、アゴの節が前面に出た出汁、牛肉にまったく負けてない。 塩分を高めずとも、昆布と節の旨味で、存在感ある牛を食べさせちゃうんだから、出汁のポテンシャル、恐るべし、です。

  • サワラの炭火炙り。 これも時間をかけて炙ってましたなぁ。 これもこの店でよく登場する醤油ベースの野菜ソース。 それにしてもデカいサワラですなぁ。 その分、ちょっと大味になってしまったかもしれません。

  • 本日の、「昭和の父ちゃんメシ」は、ほんとに昭和っぽい、卵とじ。 そして、さわらの炙り。 この料理は、箸でかきこむようにムシャムシャ食べるのが美味しいんです。 サジは置いといて、遠慮なくかきこみました。 あー、おいしかった!

2023/10/15 更新

2回目

2023/08 訪問

  • 夜の点数:4.5

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.4
    • | CP4.4
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

『肉の焼き具合はいかがいたしましょう?』『じゃぁ、しょうが焼きで。』

2ヶ月ぶりの馳走 啐啄一十さん。
こんなに短いスパンで再訪する
のは僕にはめずらしいこと。

前回、

シャシーはエンジンよりも速く。
ではなく、サービスは料理よりも
美味しく。

素晴らしいホスピタリティ。
素晴らしいもてなし。
心地いい。

なんて書き出しで、この店のポテ
ンシャルについて綴りましたが、
実は、1つモヤモヤしてしてたこ
とがあったんです。

それは、

「僕にとってどれくらい美味しか
 ったのか。」

これがモヤモヤしてて。
前回、お昼に割りとちゃんと食べ
てたせいか、18時には十分にお腹
が減ってなくて万全ではなかった
ことが悔やまれてたんです。

ということで、今回は3日前から
魚断ちし、10時頃、ANAさんの軽
い機内食と小さなワイン2本いただ
いたのち、18時まで一切、摂食せ
ず、万全を期してうかがいました。


結果から言えば、今回も完食なら
ず。
僕くらいの年齢にはちょっと多い
のかなぁ。

レビュアーとしての僕の専門は鮨
ですが、総量として鮨屋よりも多
いようです。

それでも、今回は、ここの料理の
本質を掴めた気がします。

実は今回、他の客とは異なる僕専
用メニューが用意されてたようで
す。
2ヶ月前の初訪問時、肉料理をほ
ぼ残したことを記憶いただいてた
ようで、肉抜きのメニューを用意
くださってました。。
申し訳なく思いながらも、その
気遣いに感謝です。


チーム平野寿将。
リスペクトの気持ちを込めて、こ
の店をこう呼ばせていただきます。
相変わらず、居心地がいい。

大将をセンターに、店に華やかな
にぎわいを添え、サービス全般に
心を配る可憐な女将、毎回、僕ら
素人にもわかりやすく楽しい酒の
知識を与えてくださる国際唎酒師
の理恵さん、そして、車いすの僕
をエントランスから店内までしっ
かりサポートしてくれる弟子くん。

大将が魚の切り身をのせた大きな
皿を持って、最適なタイミングで
その一切れをカウンターの客一人
一人の皿に、説明しながら供して
いく、他ではあまり見ない馳走ス
タイル。
これがなんだか楽しいんです。

時に、余った切り身を、若い客や
食欲が余ってそうな客の前で、

「もう一切れ、いける?」

なんて言いながら、皿の上に乗せ
ていく。
こういう、微笑ましく、客との距
離感がとっても素敵なこの店の風
情がすごく好きです。

本日の、昭和のとーちゃんメシ
(僕が勝手に名付けた、最後に供
される食事のこと)は、どこの家
庭でも作るような、炒り卵の上に
バフンウニの切れ端を何枚も載せ
て、これを魚をほぐしたごはんと
ともにがっつくわけです。
ごはんにのっけてもいいし、別々
に食べてもいい。
ほぐした魚がちょっとパサパサで、
こういうハズしたところもこの店
らしさと思って笑えてしまう、ア
レもコレもが微笑ましい、チーム
平野寿将。

女将が華やかで可憐なら、こちら
は、凛と爽明でジャパニーズビュ
ーティーな理恵さん。
(この女性2名、声もとても素敵
なんです)
今回も、淡麗な地物の酒から、米
香る生酒、燗酒、数種の酒を氷結
させたカクテルまで、彩り豊かな
日本酒で、料理に一層の華やぎを
与えてくれました。

ブランドもんのオンパレードだけ
ど、欠片もペアリングどころか、
まったくのミスマッチでデタラメ
な選別に5,6万円もぶっかけて
くる都内の調子こいた料理屋もめ
ずらしくない中、ローカルで小さ
い規模ながら酒造りに情熱を傾け
る酒蔵に目を向け、応援しながら
客の懐にも優しいに「おまかせ」
に感動です。
いくつ飲んだのか、もう記憶でき
ないくらいに今宵は酔っ払いまし
た。

客への心遣い、料理を供するまで
の細心の気遣い、魚を獲る人、流
通させる人まで含め、それぞれの
研ぎ澄まされた技能をもって、こ
のサプライチェーンを完成させ、
最後に大将がまとめ上げるシンプ
ルなヒトサラこそが、客が目にす
ることのない影の主役にもライト
をあてます。

この店の人たち、人生2周目じゃ
ないの?
と疑ってしまうほどに、この店は
料理屋として卓越しています。

『肉の焼き具合はいかがいたしま
 しょう?』

『じゃぁ、しょうが焼きで。』

ガッツ石松さんの名言ですが、
これですよ。
平野寿将の料理も。

カッコなんかつけずに、ただただ
本質的に旨い。

ここのメインディッシュは、間違
いなく椀。
昆布と節とここ広島の軟水で研ぎ
澄ました出汁と適切に手当した魚。
日本人の細胞に染み入るように清
廉で旨い出汁を啜って、旨味最高
潮な魚塊にかぶりつく。

これ以上の愉悦なし。


ーー
読んでいただきうれしいです。
車いすで飛行機に乗って全国の
主に鮨屋をめぐっています。
まだ食べログを始めたばかりで
すが、いいね、フォローいただ
いた方々、大変、励みになりま
す。
ありがとうございます!
ご参考になればうれしいです。
ーー

━ バリアフリー情報 ♿ ━
敷地手前に10cm程度が一段。
玄関までのちょっとした石畳の
小道もわずかな段差、そして店
内カウンターの足元に15cm程
度の足場があってこれが車いす
の邪魔になるかも。
カウンターも若干高く、それな
りに苦労するかもしれませんが、
大将も女将さんもスタッフもみ
んな親切なので、心地いい時間
を過ごせることは間違いない。

  • ナスの素揚げ。 地元のナスの素揚げを、羅臼昆布で引いた出汁とともに。 上には辛味大根、食べ進めると、ゆずの香りが立ち上る。 このナスは入店時には既に油の中にあって、低温で揚げられてたようです。 一皿目から、染み入ります。 熱々で旨い。

  • 天然うなぎ。 関東と違って、蒸しの工程がないため、口当たりがしっかり。 皮目がすごく歯ごたえがあるのは天然故か? 酒が進みます。 進みすぎます! 理恵さん、次の酒、早くー!

  • 本ミル貝。 本ミル貝、ここのスペシャリテですかね。 これは香りがいいですねー。 30数年継ぎ足しながらのぽん酢が美味しい。 でも、酒に合わせるなら、塩がいい。 炙り肝は、突然、食感、味わいに変化をもらたし、これも旨い。

  • クエ。 7年熟成させた利尻昆布とまぐろ節で出汁を引き、炙った北九州のクエとともに。 1度目のクライマックスですね。 クエは生だと身質が固くちょっと苦手ですが、炙るとほろっとした歯ごたえになり、大ぶりな身に齧りつくと野生の本能が蘇ります。 啜っては齧る。 ケダモノになってください。

  • おこぜ。 ここから刺し身の始まりです。 大将が客の前で、カウンター越しに大皿から一切れをのっけてくれる馳走サービス。 楽しいです。 まずは、3日熟成のおこぜから。 松山の大好きな鮨屋でも、おこぜはよく供されますが、店が変われば料理も変わる。 おこぜ一匹への解釈も変わるんですね。 プリプリ感を失う代わりに高まるのは香りと旨味。

  • イカ。 3日寝かせたイカ。 塩が酒を引き立てます。 剣崎のイカの旨味、甘みに加え、熟成によるねっとりとした食感。 イカは握りが常識の僕にとっても、刺し身のイカ、美味しいです。

  • カマス炙り。 サスエ前田魚店のカマスです。 ここからサスエシリーズが始まります。 カマスは独特の香りが旨い魚。 炙ると香りが際立って、もっと旨い! 焦げた皮目と脂がめちゃくちゃ旨い!!

  • キンメ。 世に出まわるキンメは、たいてい、淡いグレー。 でもこれ見てください。 赤ちゃんの肌のように、淡いピンクです。 1週間熟成させてもこの色。 サスエ前田魚店、とんでもないです。 いったい、温度や水分の管理はどうしてるんでしょう? こういう影の主役あってこその大将の料理。 熟成とは劣化でも腐敗でもない、ということがよくわかります。 香り、旨味、脂、これは、魚じゃない別のクソ旨いナニカですよ。

  • ノドグロ。 これもサスエの熟成シリーズ。 皮目だけ炙ってますが、もう脂が流れ出るようです。 熟成で食感は失われていますが、このトロけるようなほぼ液体のような旨味の塊。 理恵さん、酒、お代わり! 女将が供してくれる、この薄ーい大根が、軽く目の覚めるような酸味で脂を流してくれて、よく考えられた構成になっています。

  • 煎茶。 出汁と熟成の魔法にかかってしまった前半から後半へと続く幕間に出されたのがこれ。 理恵さんのお点前になる硬度8.5の超軟水を41℃のお湯で淹れた煎茶。 今回は、口に含んで転がすと真ん丸に甘くなる煎茶と最初から甘い煎茶の2種類が供される。 さぁ、後半へ。

  • ノドグロ。 ここからみなさんは、肉料理へ。 黒毛和牛の肉脂が苦手な僕には、これです。 大きなサイズのノドグロ。 自分自身の脂のおかげで、まるで揚げ物のよう(笑)。 サクッとした皮目。 ふわっと柔らかな白身から、上質な脂があふれます。 牛の脂は苦手というか体がうけつけません。 でも、魚の脂は大好き。 何が違うのかわかりませんが、この大ぶりな身にかぶりつく愉悦といったら。

  • マナガツオ。 炙った大ぶりなマナガツオ。 野菜を煮詰めた醤油と優しい酸味の刻んだ玉ねぎでいただきます。 見た目、ちっともカツオじゃない魚だけど、口あたりが柔らかで、ほわほわっとして上品な味わいで好きです。 この魚は握っても美味しいんだけどね。

  • キンメ。 みなさんが、肉料理2品目を召し上がってる時、僕はキンメの椀。 一品目のナスとも、三品目のクエとも異なる出汁。 そろそろ記憶が曖昧で、出汁の詳細不明。 少し甘み成分が足されてたような。 椀にぴったりのキンメで最後にふさわしい品でした。

  • 昭和のとーちゃんのメシ。 本日は、炒り卵にのっけられたバフンウニと魚の身をほぐしたメシ。 この魚、なんだったんだろう、酔っ払ってて記憶がでたらめですが、ひょっとして穴子? これがパサパサでね、でも、おおらかに笑ってスルーっできちゃうこの店の不思議。 ごはんに全部のせして、かっつくのがとーちゃんスタイル。 残念ながら、僕は、ごはんを半分残しました。 もう、お腹の隙間がないくらい満腹だったので。

  • 白胡麻プリン。 これも美味しいですねー。 魚をさんざん味わったあとの口直し。 やわやわで舌触りがとてもなめらか。 甘みもとても上品でね。 ウイスキーを一杯ひっかけたい気分。

2023/08/21 更新

1回目

2023/06 訪問

  • 夜の点数:4.4

    • [ 料理・味4.2
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.2
    • | CP4.4
    • | 酒・ドリンク4.4
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

昔、ある女優さんが言いました。「私の血はワインでできているの」と。

シャシーはエンジンよりも速く。
ではなく、サービスは料理よりも
美味しく。

素晴らしいホスピタリティ。
素晴らしいもてなし。
心地いい。
ずっとダラダラ〜と飲んでいたい。

ってわけにもいきません。
次のお客さんに席を譲らなきゃね。


それにしても、なんですかね、こ
の店の女性陣は。

美しく、親しみやすく、気持ちに
届く心遣い。
居心地がいい。
そして、美しい。
大事なとこなんで、2回言っとき
ました!

それでいて、素晴らしくプロフェ
ショナル。

これじゃぁ、主役の大将、霞んじ
ゃうじゃうんでは?
いえいえ、霞みません。
ちっとも霞みません。

大将もまた、限りなく料理人です。
本日、いただいた料理に使われた
出汁は四種。

北海道のあちこちの厳選された昆
布を福井の蔵で何年寝かしただの、
ボイスレコーダーでもなければ到
底記憶できないくらいに、「昆布」
ネタであふれるところにもってき
て、大将が縁もゆかりもないこの
地、広島に店を開くことになった
最大の理由、「水」ネタが重なり
合って、出汁を全面に、正々堂々、
真っ向勝負に出たのがこの店なん
でしょう。


なるほど、分かりやすすぎる料理
と構成。

日本料理です。

とはいえ、多くの日本料理の名店
とは全くまったく異なる料理。
創作でもなく、ましてやイノベー
ティブでもない、日本人なら誰で
も知ってる、でも、日本料理屋は
どこもやらないような料理と構成。

これは、平野寿将料理。

地元から、日本中から、大将の目
利きに叶った野菜に魚に肉。

ヘタな手数を極力省き、水と昆布
と節類からなる魔法の液体、
「出汁」の力で仕上げる平野寿将
の料理。
僕は、大切な友人、知人にこの店
を紹介すらなら、出汁料理屋だと
伝えたい。

鮨が大好きで、ほぼ、鮨しか語ら
ない僕が、今宵、思い出したんで
す。

僕ら日本人の体には、出汁が染み
込んでることを。
僕の血液はワインでもソースでも
なく、出汁でできてるんだと。


前半は、徹底して、出汁の旨み、
いや違う、出汁が、野菜を、魚を
どれだけ旨くたらしめるかという
ことを、思い知らされる構成。

長くなるし、他のレビュアーさん
たちが十分に書かれてるんで、こ
の店の肉についてはここでは省き
ます。

酒はいつものように、料理に合わ
せておまかせで。
優しい眼差しの可憐な女将に負け
ず劣らずの、話し方がとても魅力
的で日本酒マイスターの女性スタ
ッフがいい酒をセレクトしてくれ
ました。
しかも驚くほど良心的な価格。
カードが使えないので、「お金足
りるんかいな・・」と思いながら
も余計な心配でした。


鮨屋、日本料理屋、フレンチ、イ
タリアン、そしてホテル。
いずれも街の規模に見合わない、
美食不毛の地にあって、わずか8
席を、平和と祈りの彼の地から綺
羅星のことく輝かせる大将を始め
とした4人のプロフェショナルが
静かにも品よく舞うこの店が、我
が故郷、広島にあることを心から
誇りに思う一夜となりました。


雨の中、車いすの僕を親切にサポ
ートいただき、最後まで全員でお
見送りいただいたことと、故郷広
島とは縁が切れつつある僕をつな
ぎとめてくれたことに心から感謝
を。

また来ます。

ーー
読んでいただきうれしいです。
車いすで飛行機に乗って全国の
主に鮨屋をめぐっています。
まだ食べログを始めたばかりで
すが、いいね、フォローいただ
いた方々、大変、励みになりま
す。
ありがとうございます!
ご参考になればうれしいです。
ーー

━ バリアフリー情報 ♿ ━
敷地手前に10cm程度が一段。
玄関までのちょっとした石畳の小
道もわずかな段差、そして店内カ
ウンターの足元に15cm程度の足
場があってこれが車いすの邪魔し
ます。
カウンターも若干高く、それなり
に苦労するかも。
大将も女将さんもスタッフもみん
な親切なので、心地いい時間を過
ごせることは間違いない。

  • 僕くらいの年代から50歳くらいまでの方なら1度はテレビで見たことがあるんでは? リーゼントに着物にたすき掛けした料理家、平野寿将。 そう、彼が広島で開いた店が本日お邪魔した「馳走 卒啄 一十」。 広島では堂々、No.1の評価。 今もあの頃と寸分たがわない姿で厨房にお立ちです。 僕と同い歳の1960年生まれ。 その大将ご本人が手にする蓴菜。 山の麓のきれいな水で育てられてるんだとか。

  • その蓴菜を使った茄子の揚げ浸し。 ほんと、ジュルジュルの部分がぽってりと厚い存在感ある蓴菜。 本日最初の出汁です。 いろんないろんな出汁を、もう数え切れないくらいいただいてきたし、クライアントのために、昆布の実験だっていろいろやった。 出汁。 なんと奥深い魔法の液体。 料理人たちが研鑽して研鑽して研鑽の挙げ句にたどり着いた技術は、魔法と言ってもいいんではないかと思うんですよ。

  • ノドグロの炙り。 数々のノドクロをいただいてきましたが、こんなボリュームのあるやつ初めて。 大ぶりでも、ぜんぜん大味じゃないんです。 熱々、ほっこほこにトロリ感があって、皮目は自身の脂で揚げられたよう。 下には、大将自らフライパンで炒めたキャベツ。 大将曰く、これはキャベツ料理なんだとか。 ノドグロを齧りついていただく幸せ。 鮨なら、あともう3つ食べたい、、っていつも感じるからさ。

  • 白甘鯛。 炭火で炙った白甘鯛の出汁。 マグロ節ですねー。 カツオより優しく繊細な味わい。 まずは半分ほど出汁だけ飲んでねって大将。 白甘鯛の塩みが出汁に溶け出して変化するんだとか。 確かに。 僕は初めの優しい優しい出汁の味わいも好きですけどね。 白甘鯛、白身の大様ですなー。 ほーんと、目をつぶって出汁が体に染みわたる感覚を楽しめます。

  • 本ミル貝刺し身。 これは香りがいいですねー。 ミル貝自体、あまりお目にかかれないこと。 そして上質なミル貝、少ないです。 これは、香り、食感、味わいすべてに満足。 塩とワサビ、特性ポン酢で、いずれも貝そのものを楽しめます。

  • 刺し身皿。 醤油、ポン酢、岩塩、わさび、紅葉おろしをお好みで。 このあと錚々たる名店を客に抱えるサスエ前田魚店の超絶旨味と食感のカツオ、イカなどが並んだんですが、すっかり写真忘れた。 まずは、皮を炙った4日熟成のおこぜ。 旨いですねー。 おこぜ、見た目怪獣ですが、生も炙ってもほんとに美味しい。 隣は真子鰈。 3日熟成。 めちゃ甘くて熟成した旨味のかたまり。 イノシン酸がめちゃ生成されてる。

  • 硬度8.5の超軟水を41℃のお湯で淹れた煎茶。 お茶には何一つ知識を持ちませんが、なんか、昔、台湾を旅したときに煎れてもらったお茶みたいに、いろいろな手さばきで丁寧に丁寧に淹れられてました。 女将に負けず劣らずの美しい女性スタッフに淹れていただくと、そりゃ、美味しいでしょ。 口に含んで転がすと、これが真ん丸に甘くなってとても不思議です。

  • 煎茶。 出汁の魔法にかかってしまった前半から後半へと続く幕間に出されたのがこれ。 さぁ、後半へ。

  • 榊山牛生ハム#1。 牛のハム仕立て。 Jamon Sakakiyamaといったところでしょうか。 脂の融点、低そうです。 すでに皿の上でとろけてますヨ!

  • 榊山牛生ハム#2。 なんのジュレだったっけか・・ 味わいは、優しいフォンのようだったけどなぁ。 口腔内の体温で一気に溶けてなくなりました。。 牛って飲みモノ? なぜか、この頃、赤ワイン飲んでた!? 誰が注文した? 僕? 忘れてる・・

  • 高森和牛。 ミートマスター水戸肉美、、じゃなくてミートスペシャリスト沼本憲明氏が生み出した通称、沼本カットで解体。

  • それを炭火で炙って。 これ、すごく美味しいんだろうなぁ、、、と思うんですよ。 肉が少々苦手な僕でも、このくらいの量なら食べれるんです。 でも、この日、食欲がイマイチで肉がダメだった。 1口でガツンってきました。 こっそり、お弟子さんに、「ごめん、食べれそうにないんだ」って言って下げてもらったら、大将にも美しい女将さんにも、美しい酒マイスターにも伝わってて、大変、お気遣いされました。 すみません。

  • これ何だったっけか・・ おこぜの天ぷらの出汁仕立てだったのかな。 ちょっとだけ、火が通り過ぎっぽかったけど、油に負けないしっかりとした出汁とおろし大根、生姜でさっぱりとすごく美味しかった。 魚だったら大丈夫なんだけどな。。

  • 食事。 なんか、昭和の父ちゃんのごはんみたいでおかしかった。 ごはんのおかずに刺し身と焼き魚。 これでいいんだと思います。 刺し身の切り身をごはんにのせて、あるいは、焼き魚を齧ってごはんをかきこんで、お茶をすする。 あー、旨いなーって思う。

  • 白胡麻プリン。 これも美味しいですねー。 魚、肉をさんざん味わったあとの口直し。 やわやわで舌触りがとてもなめらか。 甘みもとても上品でね。 ウイスキーを一杯ひっかけたい気分。

2023/07/26 更新

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