犬魚さんが投稿したレフェルヴェソンス(東京/表参道)の口コミ詳細

犬魚の「落ち着ける料理店を探して」

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レフェルヴェソンス表参道、乃木坂、広尾/フレンチ

1

  • 昼の点数:2.5

    • ¥8,000~¥9,999 / 1人
      • 料理・味 2.5
      • |サービス 3.0
      • |雰囲気 3.0
      • |CP 2.5
      • |酒・ドリンク -
1回目

2012/05 訪問

  • 昼の点数:2.5

    • [ 料理・味2.5
    • | サービス3.0
    • | 雰囲気3.0
    • | CP2.5
    • | 酒・ドリンク-
    ¥8,000~¥9,999
    / 1人

意外に、日本的あっさりフレンチで、食べやすかったです

2012年5月3日 大雨 19℃

分子ガストロノミー(美食学)の総本山の一つ、ザ・ファット・ダックの元スーシェフ(副料理長)のお店と聞いていたので、ガチガチの実験料理かと思いきや、ヒョウシぬけするほどの食べやすさに、逆の意味でビックリでした。

あっさりした日本人向けのフレンチといったところでしょうか。

3日前にピエール・ガニェールの料理を食べたツレも、ゼンゼン食べやすかった、とのたまっておりました。

ピエールさんは、押しつけられる味、だそうです(まっ、攻めの料理ではありました)。

料理はまず、おつまみ(アミューズ・ブッシュ)から。

ホタルイカのカクテルと、液体窒素で瞬間冷凍したシャーベットです。

ホタルイカは、濃厚な味をもたらす反面、くさ味が強くてむずかしい食材。

コチラの料理も、ラ・ボンバンスと同じで、臭みがぬけていなかったです。
<ちびイカ使いたいならヴァリノールのようにミミイカが正解かも>

つづいて、このお店の特徴的な料理の一つである低温調理したアイナメ。ソースはアサリ。

ウシやブタなんかの火を入れると固くなってしまう地上動物肉には、長時間の低温調理はなっとくなのですが、なぜゆえに、やわらかい、それも白身のアイナメを低温であっためつづけるのか、よくわかりません。

くさみが、よけいに、きわだっておりましたし、アサリのソースがさらに悪い方にひっぱてるかも。

やはり、フレンチ出身のシェフは、ナマ魚の処理がヘタなような気がいたしまする。

三つ星鮨の水谷さんが請われてフランスに教えに行ったように、フレンチの専門家は、もっと鮨職人にナマ魚処理技術を学ぶべきではないでしょうか。

で、一番の特徴的料理というか、お店に賛否はあれど、コレだけはおいしいと聞いていた、カブ(蕪)。

長時間低温調理でありますが、わたくしめには、どうもピンとこず。

ニンジンとちがって、長時間低温調理しても、カブから、そんなには甘みや旨味はでてこないのでは?と(漬け物にしたほうがウマイ)。
<ちなみに、近所の鮨屋の大将は、昔から毎朝5時間かけて低温で玉子焼きを焼いております>

たしかに分子ガストロノミーの生みの親的な人、物理化学者のエルヴェ・ティスは、ナマで食べられる素材を使った料理をすすめており、その一例としてカブをあげています。
<料理という芸術で最も大切なことは、素材の力を引き出すこと。偉大な画家は質素な木炭で芸術をつくる、とエルヴェ・ティスは述べています>

アイナメといい、カブといい、共通しているのは、ナマで食べられること。

ナマで食べられる素材に、料理という技術で、どこまで挑戦できるか、というのがレフェルヴェソンスのテーマなのでしょうか?

そして、メインの仔羊のローストは、まさに、そのまんま、日本人向けのあっさりしたソースに、あぶらっこくないヒツジで申し分なし。

でも、調理としての新しさは、このメイン料理からまったく感じられませんでした。

そういえば、フォアグラのナチュラル(塩加熱)に昆布のピュレ(ソース的なもの)がついておりましたが、ザ・ファット・ダックのシェフ、ヘストン・ブルメンタールも昆布の旨味がお気に入りでしたね。

ピエール・ガニェールとレフェルヴェソンスで分子ガストロノミー(美食学)なるものに触れてみましたが、過度な科学的アプローチにそろそろ限界が見えてきた時代なのでしょうか。

分子料理の雄、レストラン世界一に君臨しつづけたフェラン・アドリアのエリ・ブリが2011年に休業、今年、2012年の世界ベスト10からザ・ファット・ダックが陥落(関連店のディナー バイ ヘストン・ブルメンタールは9位)、そしてデンマークのノーマが3年連続世界一。

素材の新たな味わいの創出をこえて、素材を育んだ自然環境そのものを料理で表現するノーマ。

シェフのレネ・レゼッピは、日本の鰹節にヒントを得て、スカンジナビア的な鰹節をつくろうとして、科学者とのコラボレートにより干し貝柱の燻製をつくった話は有名ですが、バケ(化)学的アプローチがゼロという世界の一流シェフはいない反面、そこだけにこだわる料理も、そろそろ終焉を迎えるのでしょうか?

人類は、自然がもたらす環境から身を守る方法を見つけようとしてやまない。それは、自然をよりどころとしながらも、人類が自然からかけ離れた存在だからである。自然を変性させる化学は悪魔の産物ではなく、人類の知性の開花といえないか? と、エルベ・ティスは述べています。

いかにも、寒くて自然が危険な西洋的発想のような気がいたしまする。

やはり、日本とか、東洋の、温暖なアジア・モンスーン的発想というのは、人もまた自然の一部であり、自然と共に生きる、って感じ?

まあ、世界の料理もダシとかうま味という技術だけでなく、発想が日本料理的になってきているのかも、しれませんね。


2012/05/05 更新

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