店主さんの腕と 感性と 炎の織りなすライヴを堪能しながら 食材の命をたしかにいただいている幸せを味わった夜 : 野口太郎

公式

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野口太郎

(ノグチタロウ)
2024年Bronze受賞店

The Tabelog Award 2024 Bronze 受賞店

日本料理WEST百名店2023選出店

食べログ 日本料理 WEST 百名店 2023 選出店

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4.5

1人
  • 料理・味4.8
  • サービス4.5
  • 雰囲気4.0
  • CP-
  • 酒・ドリンク4.8
2012/11訪問1回目

4.5

  • 料理・味4.8
  • サービス4.5
  • 雰囲気4.0
  • CP-
  • 酒・ドリンク4.8

店主さんの腕と 感性と 炎の織りなすライヴを堪能しながら 食材の命をたしかにいただいている幸せを味わった夜

上弦の月が白く輝く晩秋の夜。
ほぼ1年ぶりに北新地にやってきました。

この日のお目当ては、野口太郎 さん。
ずっと憧れていたお店。

近くのお店で 軽くシャンパンで時間待ち。
昂まっていく気分。
そして、お店へ。

簡素なエレベーターでビルの3階に上がると、小さなエレベーターホールになっていました。
ホール正面の窓の向こうには、堂島アバンザ。そして喧噪。
左は、シャンパンの名店。
そして右には・・・渋いタイルの壁。毛筆でシンプルに 野口太郎 と書かれた看板。

「こんばんは・・・。」
引き戸を開けると黒と煌かりの世界。
目の前には朱い塗の美しい1枚板のカウンター。
中央には炭火の炉。
壁には華やかだけど土の香りがする 陶のオブジェ。
そして、軽やかに流れるジャズ。


お席に座ると 飲み物をきかれました。
お友達はビール。
私は日本酒。
それだけ言っただけなのに 紅い一升瓶に入ったお酒が来ました。

日下無双です。」
いろっぽい外観。
勇ましい名前。
まずそのギャップに魅了されます。
1930年代のバカラのグラスに並々と。
ひと口含むとたおやかに広がり のっけから蠱惑的な夢を見させてくれました。

ああ・・・ココロが躍る。


お料理は おまかせのみ、というこちらのお店。
ご紹介いただいた方が お店にどのようにお話してくださったのかはわからないけど
今夜は自分の好みをきいてもらう、のではなく ただただこちらのお店の采配に身をゆだねたい。


いちばん最初は、くえのお刺身
薄く薄く引かれた美しいくえの身に、山わさび、そして大根。
大根は真ん中は赤いのに 皮は緑で 美しい。
器には 白い肌に墨一色で大胆な文字。

絹のように舌にまとわりつくくえ。
清冽な歯触りの大根。
目で、舌で、その妙に、酔いました。


壬生菜のおひたし は、彩りのピンクと黄色の花びらが とっても可憐。
でもかすかに菜っ葉辛くて。
お茶目やわあ。


岐阜のぎんなん は、熱々!


北海道の生牡蠣
ぷっくり ふっくら つるんとひと口。
小さい粒の中に宿る海の恵みを愉しみました。


さてさて 最初のお酒もなくなって。
今度は辛口で、というリクエストに出してきてくださったのは
純米大吟醸 三千盛 

キリッ!とうまい。
清廉なお酒。

うん、まだまだのみたい。まだまだ食べたい


今度は 金時にんじんのきんぴら です。
丁寧に細く切られたにんじん。
薄い味付けと まぶされた博多の明太子、ごま油の絶妙なバランスが かえってにんじんそのものの甘さを引き立てています。
おいしい!
ちょっとごはんがほしい と思ってしまったのは、ヒミツ・・・。


北海道の本ししゃも
焼く前に 生のお魚をまず見せていただきました。
透明感のあるキラキラしたお魚が炭火の網に運ばれて

時折 耀く炎。
あがる煙。
見つめる店主さんの、真剣な目。

焼きあがったししゃもが来ました。
ピンとまっすぐな、凛々しい姿。
頭から丸のままいただきます。

ふっくらした瑞々しい身。
そして 歯触りやかすかな苦みに 一匹を丸のままいただいていることを実感します。
あぁ 命を頂戴するとはこういうことなのか。
おおげさかもしれないけど 一瞬、そんな神妙な心持ちになりました。


次に来たお酒は、八海山
大吟醸かな?

グラスも変わりました。
気品あるスッとした立ち姿が、美しい。

豊かなお酒に男前なグラス。
お友達と はずむお話。
秘密の会話。

ああ ステキすぎる。


さて。
私たちにとってのこの日のメインは、まぐろの目のまわりの筋肉の焼き物 でした。

店主さんのお心遣いと いろいろな偶然も重なって
ごく少量しか手にはいらなかったというこの素材をいただける幸運が、
こちらのお店は初めてだという私たちに廻ってきたのです。

串に刺した身を見せていただき あ、炭火で焼きはるんや・・・と思った瞬間。
店主さん、お店の片隅の藁束を手にして 折って 炭火の上に。

たちまち立ち昇る炎。
パチパチと藁の焼ける音。

そこでまぐろの身を炙り
凛々しいお顔で炎と対峙される店主さん。
そのお姿を見、そして出された炙りを味わい 昂まった気持ちは
まさしくライヴの昂揚感そのもの。

官能的でさえある炙りの熱情を
清純な笹の葉のお皿が浄化するかのようにしっかりと受け止めて。
この響きあう対比にゾクッとしました。
ああ・・・昇天してしまいそう。


でもライヴはまだまだ終わらない。
続いては きんきの煮付けが来ました。
染付の豪奢な紅葉の鉢。
味がようしゅんだ、でも魚の圧倒的なうまみを感じる煮付け。
ただ素直に味わいました。


ここでお酒は、隣の方がのんでおられた 秋鹿 を。
バージョンとかそういうのは、わかれへんけど
あ、お米の味がする!
そう思わせてくれた、おいしいお酒。


次は スナップえんどうのごまよごし
お豆と皮との 食感のハーモニーがすてきです。
そして 大地の力を感じるとでもいうのでしょうか、野菜の味が濃い!


野口太郎の焼き印が入った名物だというさつま揚げ
白いキラキラ光る練り地をつるんと丸め するりと油の中に。
揚がったさつま揚げに焼き印をジュッ!

揚げたてのさつま揚げを ふうふうしながらいただく至福。
くせになる、豊かな味。


お料理も、もうそろそろお終いに近づいてきたかな・・・。
これで最後のお酒にします、と選んだのは
誉麒麟 生酛 1998年 でした。
飴色のお酒。
とろんっ うまっ!

あ~今夜は、ほんまに酔っぱらっちゃった。


次に出していただいた三河の鰻の炙り と、最後のお酒。
これは相性抜群でした!

パルミジャーノが直前にシャシャッとかけられて。
熱くてふっくら、でも皮は香ばしい鰻と、風味豊かなチーズ。
そして、時を旅した芳醇なお酒。

まさに、オトナの悦楽。
野口太郎、お主 攻めてくるな・・・。
ココロ奪われてしまいそうやん。


留め碗、になるのかな。
濃厚な 白味噌のお椀
まったりまったり。
おなかに 祭りももう終わりですよ、もう少しだけがんばりなさいや、と話しかけてくれているかのような
包容力を感じるお椀。


ごはんは数種類。
お友達は カレー を選びました。
芙蓉手の金彩の器に 陰陽の太極図のようにくっきり盛り付けられた、妖しささえ感じる美しいカレー。
ちょっといただいたけど スパイスのハーモニーが絶妙でした。

私はしらすごはん
新鮮なしらすに元気をいただいて、
満足、満足。

お茶もおいしい。


ほんとうに最後の最後のデザートは 
淡いブルーの染付のかわいいお皿の上に

シンプルに りんごの輪切りが、1枚

こみつ という名の 蜜が断面いっぱいに入った りんごの輪切りが、1枚。

でもその1枚が圧倒的な存在感で。
官能的に甘くて。
この夜の〆にふさわしいりんごでした。
うん、甘い あまい 禁断の味・・・。


時が流れていることすら忘れた夜。
お店を出て時計を見たら 4時間が過ぎていました。

よういただきました。
お友達とも よう話しました。


こちらのお店にずっと憧れて、店主さんの采配に ただ身をゆだねようと訪れたけど
まさしくそれは大正解で
店主さんの腕と 感性と 炎の織りなすライヴを堪能しながら 食材の命をたしかにいただいている幸せを 味わえた夜。
満たされました。


お店を出るときにもらったカイロは・・・袋から出したてでなく、熱々でした。
そこに、店主さんの お店への お客さんへの心が集約されているかのようで。

最後の最後に また、ノックアウトされたなァ・・・!


ありがとうございました!
また、おじゃまします。

必ず!

  • 野口太郎 - ただ飾ってあるだけかと思ったら・・・。

    ただ飾ってあるだけかと思ったら・・・。

  • 野口太郎 - まぐろの目のまわりの筋肉、を炙っておられるとこ

    まぐろの目のまわりの筋肉、を炙っておられるとこ

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店舗情報(詳細)

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店舗基本情報

店名
野口太郎(ノグチタロウ)
受賞・選出歴
2024年Bronze受賞店

The Tabelog Award 2024 Bronze 受賞店

2019年Bronze受賞店

The Tabelog Award 2019 Bronze 受賞店

2018年Bronze受賞店

The Tabelog Award 2018 Bronze 受賞店

2017年Bronze受賞店

The Tabelog Award 2017 Bronze 受賞店

日本料理 百名店 2023 選出店

食べログ 日本料理 WEST 百名店 2023 選出店

日本料理 百名店 2021 選出店

食べログ 日本料理 WEST 百名店 2021 選出店

ジャンル 日本料理
予約・
お問い合わせ

06-4796-8222

予約可否

予約可

住所

大阪府大阪市北区曽根崎新地1-3-1 大橋ビル 3F

交通手段

JR東西線北新地駅より徒歩10分

北新地駅から139m

営業時間
  • 月・火・水・木・金・土

    • 18:00 - 00:00
  • 日・祝日

    • 定休日
予算

¥20,000~¥29,999

予算(口コミ集計)
¥30,000~¥39,999

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支払い方法

カード可

(JCB、AMEX、Diners、VISA、Master)

電子マネー不可

QRコード決済不可

席・設備

席数

10席

(カウンターのみ)

個室

貸切

(20人以下可)

禁煙・喫煙 全席禁煙

玄関入口に灰皿設置

駐車場

空間・設備

オシャレな空間、落ち着いた空間、カウンター席あり

メニュー

ドリンク

日本酒あり、焼酎あり、ワインあり、日本酒にこだわる、焼酎にこだわる

料理

野菜料理にこだわる、魚料理にこだわる

特徴・関連情報

利用シーン

知人・友人と

こんな時によく使われます。

ロケーション

隠れ家レストラン、一軒家レストラン

お子様連れ

子供可ですが、料理を食べて頂けることが前提らしいです。

ホームページ

https://noguchitaro.com/

公式アカウント
オープン日

2010年4月

備考

「アバンザ堂島」の北東(堂島上通り)の十字路、西側のビル3F

アメックスが使えます(情報提供元:アメックス)

初投稿者

ソニー・クロケットソニー・クロケット(2606)

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