【大阪】レトロな姿のカレーライス【西洋料理】
日本人の食卓に欠かせない根強い人気メニュー、カレーライス。しかしその黎明期は高級西洋料理でした。大阪がモダンでハイカラだった時代に思いを馳せ、高級な西洋料理の面影を残すレトロなカレーライスをご紹介します。
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このまとめ記事は食べログレビュアーによる3689件の口コミを参考にまとめました。
目次
インド発祥ながら、イギリス経由で日本に伝わったカレーは、インドカレーとは異なった欧風カレーとして日本で独自に進化を遂げてきました。現在では国民食として気軽に食することのできる料理のひとつですが、黎明期はモダンでハイカラ、高級な西洋料理でした。この西洋料理が庶民の手に届くようになったことに、大阪は深く関わっています。
大阪・道修町の薬種商・今村弥兵衛は、それまで高級な舶来品を使うしかなかったカレー粉を国産化することに成功し、主に業務用のカレーを生産している「ハチ食品」の礎を築きました。小林一三が率いる梅田の「阪急百貨店」は、大食堂の目玉メニューとして当時高級品だったライスカレーをコーヒー付き25銭で提供、庶民に広めました。
松屋町の薬種商・浦上靖介が創業した現在の「ハウス食品」は、固形ルウタイプカレー「印度カレー」を作り、家庭での調理を簡単にしました。そして大阪に本社を置く「大塚食品」は、世界で初めてレトルトカレーを開発。「ボンカレー」と名付けて大ヒットさせました。
大阪がモダンでハイカラだった時代に想いを馳せながら、この由緒深い場所でクラシカルなカレーを味わってみませんか。

出典: kurodaさん
千日前通りの一筋南、ビックカメラの裏手にある老舗洋食店です。創業は明治43年(1910年)、戦災で一度焼け出されたものの、創業の地で再建されて現在に至っています。
店内はテーブル席ばかりの全38席、ベテランの店員がせわしなく給仕しています。
ここの看板メニューの「名物カレー」(750円)は、織田作之助が自らの作品「夫婦善哉」で、主人公に「自由軒のライスカレーはご飯にカレーがあんじょうまぶしてあるよって美味い」と言わしめた、もはや説明の必要もない大阪名物です。
カレールーとライスが、あらかじめグチャグチャに混ざっているこのカレー、具はもはや形を失ったタマネギと牛肉のみ。それでも味にしっかり肉の存在を主張してきます。カレーの真ん中に生卵が落としてあって、これが半熟気味になって、味に深みが増しますね。
この名物カレーはレトルト化されていて、スーパーなどで手に入れることができますが、レトルトながらフライパンで炒める必要があります。
レトルトのパッケージにはオリジナルのウスターソースも添付されていて、これを掛けることによってさらにレトロな味わいになります。



2036人
42656人
06-6631-5564
出典: kurodaさん
地下鉄・淀屋橋駅の13号出口を南へ少し歩いたところ、大阪ガスの本社ビル、いわゆる「ガスビル」の8階にある、本格欧風料理のレストランです。
ここは昭和8年(1933年)、ガスビルの竣工と同時に誕生、当時、モダンシティー大阪を代表するレストランとして市民の人気を集めたところです。
「ビーフカレー」(1,980円)は、平皿に盛られたライスとともに、シルバーのソースポットで出されます。
10数種のスパイスを配合して長時間煮込まれたというカレーソースには、立方体のビーフがころころ沈んでいます。
カレーはコク深い仕上がりで、適度な酸味とスパイス感を持たせています。ビーフの肉質も良好で、柔らかくて旨味も強いですね。付け合わせのらっきょうや福神漬との相性も抜群です。
料理だけでなく、建物全体が醸す雰囲気も上質です。



245人
15566人
06-6231-0901
出典: kurodaさん
御堂筋と道頓堀の交わる角にある精肉・肉料理の老舗「はり重」。このお店から、御堂筋を少し南に下ったところにある、「はり重」のカレーショップです。ここはなかなかの人気店で休日には行列ができるほどです。
10坪ほどの昭和臭漂うホールに4人掛けと2人掛けのテーブルがズラッと並んでいて、手馴れた店員がゆったりと給仕しています。
楕円の深皿に横掛けされた「ビーフカレー」(750円)は、歴史を感じさせるやや黄色がかった懐かしのスタイル。スパイス感は薄いがブイヨンの旨味が際立つ欧風カレーです。
クリーミーな食感で、激辛で目くらましをしている昨今の風潮とは一線を隔した、完成された味わいですね。カレーの中にゴロンと転がるビーフは意外に大量。しかも実に柔らかく煮込まれています。さすがは精肉店。
はり重の各店舗ではカレーソースの販売もされています。湯煎で簡単に自宅ではり重のカレーを味わうことができます。



685人
17692人
06-6213-4736
出典: kurodaさん
大阪の老舗料理店が集まる法善寺横丁の手前にある、関西を中心に10店舗ほど展開している、もはや説明の必要もない大阪の人気カレーショップです。この南店はその中でも1947年創業のその場所にある、いわば総本山です。
店内はたった12席のカウンター席のみ。飴色に輝く調度は老舗の喫茶店のような、シックでレトロな雰囲気です。
インデアンカレーの他の店舗はピラフやスパゲティーなど、カレーの派生商品があるが、ここでは頑なにカレーライス一本で営業されています。
「インデアンカレー」(750円)は、楕円形の平皿に カレールウが天掛けされています。一口目を口に入運ぶとそフルーティな甘さが口の中に広がり、そして一瞬の間をおいてスパイシーな辛さが襲ってくる。そしてお皿半分ぐらい進んだ頃には頭頂部に汗がにじんできます…これぞインデアンカレー。
辛さで口の中が麻痺してきた頃にキャベツのピクルスを口に運ぶと、その甘さと酸っぱさで辛さがリセットできる。よくできていますね。
この中毒性のある味わいこそインデアンカレーの真骨頂。このほど東京にも進出したという大阪を代表するカレー、総本山でいただいたら気のせいか一層おいしく感じます。



475人
12116人
06-6211-7630
出典: kurodaさん
近鉄と地下鉄の日本橋駅の南東方向に広がっている大阪の台所・黒門市場。この商店街の南の縁のところにあるカレー専門店です。
開業は昭和22年(1947年)、昭和の香りが漂う店内は、カウンターのみの10席程度の大変狭いお店。キッチンの真ん中に黒電話が鎮座していて、歴史の重みを感じさせるレトロ感が溢れています。
ビーフカレー(600円)は、ドロっとしたところのないサラサラ系。ポタージュスープのような質感は実に上品です。一匙口に運ぶと実にマイルド!ややパンチに欠けるものの、辛さ・甘さ・酸っぱさのバランスがいいですね。
野菜や果物がすべて溶け込んで形を失っているが、唯一形を残しているのがビーフです。このビーフがよく煮込まれて柔らかくなっているのに、肉の味を失っていないのがさすが。
後から後から旨さが襲ってきて、皿まで舐める勢いで一気に食べてしまいました。激辛に走りがちな現在の流れに反して、あくまでも昔ながらのスタイルを守っているところがいいですね。
店頭で販売しているテイクアウトのカレーソースも優れもの。自宅でも美味しいカレーを味わうことができます。



114人
3977人
06-6633-4080
出典: kurodaさん
近鉄・大阪阿部野橋駅の直上、各線・天王寺駅に隣接。あべのハルカス近鉄本店のレストラン街・14階にある洋食店です。
店内はカジュアルな意匠で、テーブル席ばかりの全90席。メニューはハンバーグ、ポークカツ、タンシチュー、ステーキ重、カレーなど、割とシンプルな構成です。
「スパイシーブラックカレー」(1,400円)はソースポットで出されるクラシックなスタイル。
レーソースはその名の通り黒色に近い濃褐色で、クリームが回し掛けられています。慎重にカレーをご飯に掛けて口に含むと、名称に反してスパイス感はマイルドだが濃厚なコクを感じます。
極めてオーソドックスなカレーながら、ほんのり苦みを感じるあたり、大人な仕上がりになっています。ビーフも柔らかく煮込まれていて口の中でとろけます。
ライスは艶よくふっくら炊かれています。



53人
764人
06-6625-2731
出典: kurodaさん
大阪メトロ・駒川中野駅から東方向、いまざとらいなー、および大阪シティバス・中野中学校前BSのすぐ近く。今里筋沿いにあるフジオフードシステムの運営する洋食レストランです。
店内は老舗洋食屋のようなレトロな雰囲気で、テーブル席ばかりの全70席。キッチンはオープンスタイルです。
「牛肉カレーライス」(880円)は、やや大きめの平皿にライスがたっぷり盛られ、カレーソースが横掛けされています。そして赤い福神漬が添えられています。
やや濃い色をしたカレーソースは本格的な欧風カレーといった風体で、牛肉がごろごろ転がっています。カレー自体はマイルドなスパイス感で、玉ねぎの甘みを持ち、深いコクが感じられます。
そしてなんといっても牛肉の存在感。肉塊は大ぶりで柔らかい。これはかなり煮込まれているようです。



81人
1015人
06-6760-7560
※本記事は、2025/12/25に更新されています。内容、金額、メニュー等が現在と異なる場合がありますので、訪問の際は必ず事前に電話等でご確認ください。