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夢、ビッグマネー、フィリピン
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久留米の爪切り
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店名 |
クヤクヤ(KUYA KUYA)
|
---|---|
ジャンル | 東南アジア料理 |
予約・ お問い合わせ |
0942-36-5166 |
予約可否 | |
住所 | |
交通手段 |
久留米駅から1,014m |
営業時間 | |
予算(口コミ集計) |
|
席数 |
5席 |
---|---|
禁煙・喫煙 |
全席喫煙可
2020年4月1日より受動喫煙対策に関する法律(改正健康増進法)が施行されており、最新の情報と異なる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
空間・設備 | カウンター席あり |
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
初投稿者 |
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(…誰も居ねえじゃねえか)
暫しその場に佇む。夜の文化街、赤い軒テントの下に広がる世界を覗いてみたかった。どうやったらここまでぶっ壊れるのか不明なクーラー、凹んだ冷蔵庫、大きめな台所といった横長の厨房、カウンターにテープで補修された赤い丸椅子が5脚、充電器が刺さったタブレット端末、壁に英語のポスター、狭い店に人影は無い。ただ、木製の古びた階段の上に何やら気配がある。階段に向かって、すいませーん、と声を掛けると、物音が聞こえてくる。ミシミシ、ゴトゴト、そんな音の後に、一人の男が姿を現す。
首に「GIANTS」のロゴが入ったオレンジのタオルを巻き、黒いポロシャーツを着用している。浅黒い肌に精悍な顔立ちは南方の戦士を思わせるが、腹は少しぷっくり前に出ている。頬にはニキビの跡なのか窪みが散見される。日本語は余り得意ではないらしい。フィリピンからやってきたのだろう。黒いポロシャーツのバックプリントに「KUYA KUYA」と記されている。
久留米市日吉町9-21「KUYA KUYA」さんだった。日本人相手というより、夜の街で働く出稼ぎフィリピーナちゃんたちのたまり場、憩いの場、彼女たちと一緒に来日した男の雇用の場、といった雰囲気が醸し出されていた。壁の英語ポスターをよく見れば、どうやらフィリピンの不動産会社の広告であり、近代的でスタイリッシュな高層マンション、そこで紡がれるであろう豊かで幸福な家族の生活模様を表現した写真が載っている。きっと、日本で大金を稼いでフィリピンでいい生活を送りましょう、とのメッセージが盛り込まれているのだろう。
フィリピン料理、全然予備知識が無いが、「カレカレ」1000円を注文してみる。柔らかくボイルした牛肉・牛のはちのす・野菜等をピーナッツペーストで煮込んだ、マイルドな甘味のある人気の高い料理、らしい。
人気の高い、に反応してみたのだ。中華鍋で作られていた。油を結構使用しているようだ。見た目はグリーンカレーのようであり、シチューのようでもある。味は甘い。甘ったるい。きっと子どもは好きなのではないか。ブロックの骨付き肉が大きく、とろっとろだ。茄子と青梗菜、馴染みある食材のため、全く抵抗感なく食べられる。肉じゃがに近いような、シチューの一種と言った方が正確かもしれない。
カレカレには「バゴーン」という網海老で作ったペーストを味付けで加えるらしい。佃煮みたいだ。これを用いると塩気が増し、味が締まるようだ。
「シャンハイルンピア」700円も注文する。下味付けした豚挽肉・野菜のみじん切りを細目に巻いた春巻きをカリッと揚げてチリソース等につけて食べる料理だ。単純に、揚げ春巻きだ。
皮がパリパリで軽く、ハンバーガーのパティみたいな挽肉がみっちり詰まっている。普通においしい。チリソースもすっぱ辛く、今の季節、暑い夏に丁度良い。ケチャップやマヨネーズでも美味しいだろう。
男性店員は注文した食事の提供を終えると、客席カウンターに腰掛け、タブレット端末でFacebookを覗いている。友人がシェアしたらしき動画に目を凝らしている。フィリピンの一家が乱闘を繰り広げる動画だった。端末から流れる結構な音量と共に、フフフ、ヒヒヒ、と男性店員の押し殺した笑い声がすぐ隣りから漏れ聞こえる。
精算を頼むと、彼は会計が非常に苦手な様子だった。果たしてウーロン茶は無料で良かったのだろうか。