犬と猫とビャン : Diuba Saika

南荻窪の住宅街。中央線と井の頭線、いずれの駅からも軽く徒歩10分以上、お世辞にも立地が良いとは言い難いプレイスに、隠れた四川寄り中華の名店を発見！
といっても近隣在住の知人に案内してもらったんですけどね。

「酒巴」とは中国語でBARの意。しかしながらBARというよりは普通にガッツリ中華料理を楽しめるお店のような。
まずもって還暦前後と思しき日本人マスターが、調理・接客全てをワンオペでこなされていることに驚愕。
それでいて巷の町中華とは確実に一線を画す本格中華を提供されるんですから、もはやスタンディングオベーションを禁じ得ません。

ちなみにマスターはほんの少しだけお耳が遠いご様子。注文は記入式を用いますので、受け渡し等々の際には大きめトーンを心掛けましょう。
それと入店時に入り口センサーから聞こえるワンちゃんの鳴き声の電子音が微笑ましく。（知人一同は当店のことをワンワン中華と呼称しているとか。

四川風と銘打っているだけあって辛さ推しのお料理はしっかりと辛々。反面全体的には優しみの感じられる調味で好感が持てます。辛いモノもただ辛いだけじゃなくて優しみが両立しているのサ。
かつ食材使いや盛り付けも含めて上品さも纏っており、そこら辺の塩梅の良さが絶妙に洗練性を醸し出しつつ、巷の町中華と一線をry…うん、ふわふわした表現で恐縮です。

また、坦々麺に不思議な酸味（高菜ちっくな？中国のお漬け物？ともあれ濃厚リッチで美味しい坦々麺です）が付与されているなど、随所に独創性を帯びている点も面白く。こんにゃく×四川風なんて組み合わせもユニークで良きかな。そしてけっこう辛い！旨い！

にしてもマスターお一人でこれだけの種類のレパートリーを取り揃えるご苦労たるや。単純な注文後の調理以前に、一体どうやって仕込みの時間を確保しているのか。そしてそもそも食材のロスとかも大丈夫なのかしら。

話変わってビャンビャン麺（漢字が変換できない）なるお品。何でも中国の西安で一般的に食される幅広の平打ち麺を使用、山椒と唐辛子の効いた汁なしの和え麺とのことでして。ひもかわうどんみたいな幅広もちもち大好き＆カラシビ大好き人間としては大変気になる存在だったのですが、残念無念で生憎の欠品中。
代わりにチョイスしたあさり麺が、ネーミング通りあさりのお出汁がめがっさ効いていて非常に美味だったものの、次回があるのであれば是非ともビャンビャンしたく存じます。

もはや私の心の中では当店はビャンビャン中華以外の何物でもなく。

いや、よく考えたら御手洗いにニャンちゃんもいたんだった。
ニャンニャン中華だ、可愛いぞ、ニャンニャン中華。