新たな成長と可能性を期待させるイタリアン : Cusa Villa

高級系の名店ひしめく東京・西麻布ですが、エルバ・ダ・ナカヒガシとして人気を博していたこちらのお店が屋号を変えていることに気づきました。もちろん、名声そのままに食べログのイタリアン百名店TOKYOにも選ばれているのですが、中東氏に代わり、若き女性のシェフが腕を振るわれていると。これは行ってみねばということで、平日の20時にネット予約しました。1人予約に対応していることも私にとっては変わらず重要でした。

1人、当日お店に入店。煌びやかな周辺エリアの中にあってさらに入口も煌びやか。お店は地下です。

黒い扉を開けるとカウンターとテーブルがあるモダンな空間。

案内を受け、これまたモダンな設えの席へ。丁寧な接客を受けつつ、元々ペアリングが付いているコースなので料理に合わせたワインをいただきます。

途中、20代半ばの若さだという鹿児島・指宿出身の帖地（ちょうち）シェフと気さくな感じで会話。お店の畑があきる野市にあるとのことで、店舗お休みの日などは専ら、食材である野菜や草を探しに赴いておられるのだとか。

■この日いただいた料理
・たんぽぽの根っこで作るお茶　たんぽぽコーヒー

・ただのサラダ
あきる野市にある畑や周辺で採れた
草はたんぽぽ、ぺんぺん草、カラスエンドウなど
花はたんぽぽや菜の花など
を梅のドレッシングで

・土筆のコンフィ　
土筆はあきる野の畑そばの河原に生えているもの
ブルスケッタ

・葉玉ねぎ　炭火焼き
オリーブオイルと塩

・ブロッコリー
ペコリーノチーズとピンクペッパー

・こごみ
黒胡麻のスポンジ
シェーブルチーズ(あきる野の畑の近くに山羊がいる)

・トマト　
ニンニクとローズマリーとオリーブ　花も

・フリッタータ
明日葉が入っている
ペコリーノチーズ、生ハムと一緒に

・桜の燻製
さくらとマヨネーズのソース
ホタルイカの春巻き

・タラの芽のフリット
コンテチーズ

・東京産野菜のミネストローネ
魚の骨や肉でとった出汁
野菜を無駄にしないコンセプトでサイフォンで炊く

・パン
蕗のとう味噌のフォカッチャ
グリッシーニと味変オリーブオイル　ハーブも食べられる

・のらぼう菜のラザニア

・南の島豚
菜の花を乳酸発酵
和芥子

・裏メニュー 猪ラグーのスパゲッティ

・ドルチェ
さくら
メレンゲドーム
桜のジェラート

■この日いただいたワイン
・北イタリアのシャルドネ主体フランチャコルタ
・プーリア州のロゼ（イタリアはロゼ大国）
・ウンブリアのオレンジワイン
・松井　さくらコックのハイボール
・大分安心院ワインのシャルドネ
など

コンセプトは野菜を中心にしたオーガニックイタリアンだけにベースラインはしっかりしつつ、ナカヒガシさんらしいエッセンスも活かされています。シェフ自らが素材を集めているだけあり、それぞれの特徴を熟知された料理の数々で、味つけも奇を衒うことなく、素朴な感じに仕上げているのは好感が持てます。

ワインもイタリア産を軸に、ハイボールを織り交ぜるなど料理合わせに徹されている感じが良いですね。

シェフの才能を買っての大抜擢だと思いますが、確かにまだお若い故の荒削り感を随所に感じます。ただ、才能は申し分無いですし、ナカヒガシさんのバックヤードを背負う重圧もあるかと思いますが、これからさらに進化されていくのは間違い無しだと思いますので、実に楽しみなお店です。