甘辛いくどさを抑えた、あっさり上品な鰻。 : 小柳

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3.3

¥2,000~¥2,9991人
  • 料理・味3.5
  • サービス3.4
  • 雰囲気3.9
  • CP2.7
  • 酒・ドリンク-

3.3

1人
  • 料理・味3.5
  • サービス3.4
  • 雰囲気3.9
  • CP2.3
  • 酒・ドリンク-
2014/07訪問1回目

3.3

  • 料理・味3.5
  • サービス3.4
  • 雰囲気3.9
  • CP2.7
  • 酒・ドリンク-
¥2,000~¥2,9991人

3.3

  • 料理・味3.5
  • サービス3.4
  • 雰囲気3.9
  • CP2.3
  • 酒・ドリンク-

甘辛いくどさを抑えた、あっさり上品な鰻。

(2014/07 再稿)

建て替えのために、昨年長期休業し、待望の新店舗がオープンした、浅草の老舗うなぎ「小柳」さん。
鰻の高騰は相変わらずだけれども、懐かしい建物はどうなったのか、興味津々でお伺いしてきました。

路地に入ってお店の前まで来ると、以前の昭和的名建築とは打って変わって、とてもモダンな建物が出現。
濃いブルーの艶がある、総タイル張りの外壁。
規則的に並んだ小窓からは、温かい明りが洩れてきます。
以前からお店のシンボルだった枝ぶりの良い松の木は、変わっていなくてホッとしました。
松を残しながら工事をしたのか、それとも一旦どこかに移植したのか、いずれにしても面倒な手間をかけましたね。

お店に入ってみると、照明のLED化が奏功したのか、とても明るい雰囲気。
和の清々しい雰囲気が演出されていて好感が持てます。
鰻を肴に一人で酒を飲む方をちらほらお見受けするのは、きっと昔からのお馴染みさんなのでしょうか。
以前の印象を彷彿させたのは、皮肉なコトに、あれだけ急で難儀した階段の造り。
明るく清潔感のある座敷が大小二間ある二階と階段の位置関係は昔のまま。
でも、長年使って艶の出た床板は、もうここにはないのですね・・・

頼んだ鰻は、相変わらず頼んだらすぐに出てくる小柳流。
下仕事をまとめてやっておくわけだし、炭で焼かない分、香ばしさや身のふっくら感は、それはもちろんお手軽版。
でも、小柳の鰻というのは昔からこういうもので、みんなが納得して食べに行っていたわけです。
ちょっと前まで、小柳の鰻と言えば1,000円札一枚に100円玉を何枚か足せば十分食べられる、そういう代物でした。
だから、こういうお手軽な鰻であることが、建物の渋さとも相まって、ある意味粋なものでもあったわけですね。

ところが、昭和の古き良き建物は、こんなにも立派になってしまった・・・・
それに、肝心の「お手軽鰻」たるや、肝吸い込みで3,000円でぎりぎりお釣りがくるような、そんな値段に。
建て替え前、既に鰻は高騰していましたが、昨年懸念したとおり、さらなる値上げとなってしまったわけです。

鰻の個体数激減と価格高騰の問題は、国際取引の規制がほぼ避けられそうもない状況にまで逼迫していて、この先どうなるのか、本当に予断を許しません。
このことが、浅草の「庶民の鰻」の位置づけ、バランスを大きく崩してしまった元凶であることは異論のないところでしょうね。

建て替えて昔の風情が壊れたとの話も良く聞きますが、これは致し方ないところでしょう。
建物の意匠には、昔の雰囲気を生かすべく相当に拘った跡が見受けられますし、全ての古いお店が、建築博物館のような営業ができるわけでなし。
下町の不燃化も、防災上の観点からとても大事なこと・・・

帰り際、厨房とカウンター周りを眺めていてふと思ったのは、昔の鰻屋の匂いが全くしなくなっていること。
近隣への配慮もあるのか、無煙ロースターでも導入したのかもしれませんね。
鰻は匂いで食わせるというのは、昔から鰻屋さんにとっては当たり前の話。
鰻屋の匂いだけ嗅いで飯が食えるなんて言う、江戸の小話もあったくらいで・・・・
そんなことをふと考えながら、そして鰻の将来のことも考えて、ちょっと複雑な気持ちになってしまいました。


(2013/07 初稿)

7月になったばかりだというのに、目眩がするほどの猛暑。
無情にも、異常に早い梅雨明けなのだと。
暑さを打ち負かすスタミナをつけるなら、昔から鰻と相場が決まっていますね。

ところが、一昨年あたりから、この鰻が異常に高騰しているのは周知の通り。
マリアナ海溝で産卵することがようやくわかりつつも、その生態がいまだ謎に包まれるニホンウナギ。
養殖技術も全く確立されないまま天然個体(シラス)を捕獲し続けた挙句、最近の漁獲量はピーク時(昭和36年)のおよそ20分の1にまで減ったのだとか。

さて、浅草公会堂のすぐそばにある「小柳」さん。
地元の人たちからも、好きな鰻屋として良く声が上がるのが、このお店です。
軒先に松の木が掛った木造建築は、いかにも昔懐かしい雰囲気に溢れていて、その実、建物は大正末年の築。
空襲では甚大な被害のあった浅草で、ここは奇跡的に焼け残った一角なのだと。
昔懐かしい引き戸の向こうには、古い居酒屋のような人懐こい空気が。
一見さんが多い浅草の飲食店らしからぬ、地元の常連さんが多い印象です。

頼んだのは、うな重の竹(2,100円)。
ちょっと前までは1,470円だったのですが、さすがに最近の高騰を受けた値段に。
でも、小柳さんの鰻は、昔から浅草でもかなり庶民的な部類。
安く出すからというわけでもないでしょうが、あらかじめ捌き、串に刺した鰻を蒸しておいて、注文を受ける都度、火に翳す。
これが良いとか悪いとかではなくて、小柳の鰻はこういうもの。
みんな分かっていて、足を運んできます。

注文してから15分も経っていないのに、香ばしい鰻が運ばれてきました。
お重の蓋を開けると、照りも素晴らしい鰻が。
ちょっとご飯が見える大きさですが、これが松(2,625円)だと、お重にびっしりで、ご飯は見えなくなります。
然程厚みがある鰻ではありませんが、箸を入れると、ふっくら、ふわり。
タレがかなり個性的で、甘辛いくどさを抑えた、あっさり上品なもの。

香ばしいコクが口中に溢れる至福の時・・・・・
ああ、日本人に生まれて良かった。
ちなみに、鰻は鹿児島県産、れっきとした国産ウナギなのだと。

今年の2月にはとうとう、「近い将来に野生での絶滅の危険性が高い」として、環境省から「絶滅危惧1B類」に指定されたのがニホンウナギ。
国際自然保護連合(IUCN)も調査に入っていて、ワシントン条約での規制も議論になっています。
いくら日本人に馴染深い食べ物とはいえ、いよいよ「このまま食べていてはいけない魚」になってきたようですね。
価格高騰もいたしかたなく、庶民の口には到底入らないレベルにならないと、個体数回復には結びつかないのかも。
そんなの癪だから、いっそ全面的に捕獲禁止にしてしまえとも思いますが、鰻屋さんにも生活があるし、貴重な食文化は途絶えてしまうし・・・・・
なんとも難しい問題ですね。

なお、この小柳さんは、今年2月の営業を最後に建物の建て替えに入っています。
古い建築物が密集する下町のこと、防災上は当然歓迎すべきこと。
でも、いたるところ昭和レトロに溢れた店内、あの狭くて急な階段にも、もう目にかかれないと思うと寂しい限りですね。
今度お目にかかるのは11月だそうで、いったいどんな姿になるのやら。
せっかく建物が新しくなるというのに、肝心の鰻がどうなることやらというのでは、全く洒落にもなりませんが・・・・・・

  • 小柳 - うな重竹+肝吸い(2,940円)

    うな重竹+肝吸い(2,940円)

  • 小柳 -
  • 小柳 - ふっくら、ふんわり。

    ふっくら、ふんわり。

  • 小柳 - 粋だねぇ・・・

    粋だねぇ・・・

  • 小柳 - 尊い命、いただきます。

    尊い命、いただきます。

  • 小柳 - ちょっと凝ったファサードです。

    ちょっと凝ったファサードです。

  • 小柳 - 急な階段は昔の名残?

    急な階段は昔の名残?

  • 小柳 - 新築なりました。

    新築なりました。

  • 小柳 -
  • 小柳 - 鹿児島県産鰻

    鹿児島県産鰻

  • 小柳 - うな重(竹2,100円)※値上げされています。

    うな重(竹2,100円)※値上げされています。

  • 小柳 -
  • 小柳 -
  • 小柳 - 吸い物

    吸い物

  • 小柳 - 新香

    新香

  • 小柳 -
  • 小柳 - 2013/01

    2013/01

  • 小柳 - 改装前の旧価格です。(2013/01)

    改装前の旧価格です。(2013/01)

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店舗基本情報

店名
小柳(こやなぎ)
ジャンル うなぎ、鳥料理
お問い合わせ

03-3843-2861

予約可否

予約不可

住所

東京都台東区浅草1-29-11

交通手段

地下鉄銀座線浅草駅1番出口から徒歩約4分
東武スカイツリーライン浅草駅より徒歩4分
つくばエクスプレス浅草駅5番出口より徒歩4分

浅草駅(東武・都営・メトロ)から250m

営業時間
  • 月・火・水・金・土

    • 11:30 - 14:00
    • 16:00 - 20:00
    • 11:30 - 20:00
    • 定休日

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予算(口コミ集計)
¥4,000~¥4,999 ¥4,000~¥4,999

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支払い方法

カード不可

電子マネー不可

席・設備

個室

貸切

禁煙・喫煙

全席禁煙

駐車場

空間・設備

カウンター席あり、座敷あり

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