松本近辺の雪事情他県の方からは「雪大変でしょ」と言われる信州ですが、
長野県の中でもものすごく降るのは北の端の方で、中南部では冬場毎日のように雪が降るというほどではないです。
かつては都市部でも腰の高さを超えるような降雪もちょこちょこあったようですが、ここのところは膝下くらいの降雪が1シーズンに数回ほどあるかないか、という程度です。
とはいえ、移動に差し支えるほどの雪が時々降るのは事実。
新潟や北陸のように消雪パイプによる道路融雪はありません。雪が降れば交通量の少ない深夜帯をメインに重機による除雪も入りますが、それはバスが通るような幹線道路や通学路だけのはなし。
生活道路や各アパート・マンションの駐車場などは、地域住民・各世帯が雪かきを行うことになります。
そのシーズン初めての雪が降ると、”他地域から来て除雪道具をもっていない人” と ”シーズンオフ中に劣化した道具が雪かきをはじめた途端に壊れてしまった人”が、ホームセンターやネット通販にドッと殺到します。
雪かき道具が入手できず、いっさいの道具なしで雪には太刀打ちできません。
アパート住まい、一人暮らし・・などに関わらず、あらゆる世帯で雪かき道具の準備は必須だと思います。今ご自宅に備えがないのであれば、”雪が降る前から”準備しておきましょう。
この辺りの方は雪かきに関して皆さん一家言お持ちだと思います。
個人的見解を多分に含んでいますが、雪かき道具についてまとめました。
(内容は適宜追記・変更します)
雪かき3種の神器スコップ 雪をすくい、そのまま運んだりダンプに積んだり投げ飛ばしたり
例:
スコップ・雪かき(アイリスオーヤマ)スノープッシャー(スノーラッセル・雪押し) 駐車場や道路など広くて凹凸の少ない場所で効率よく雪をかき集める
例:
雪押し・雪ハネシリーズ(コンパル)スノーダンプ(ママさんダンプ) 雪を運ぶ
例:
スノーダンプ(アステージ)この3つが、「雪かき3種の神器」です。
雪かきする範囲がそれほど広くないくてどれか一つだけということならば、まずは、
ポリカーボネート製のスコップ一択です。
雪ハネはあまりオススメしませんホームセンターの除雪用品コーナーでよく見かけるのが、メッシュ状の皿に身長くらいの長めの柄がついた「
雪ハネ」。
北海道では(除雪機などで)雪を遠くに飛ばすことを「雪をハネる」と表現するそうで、この雪ハネもすくった雪を放り投げるための道具なのだと思います。
信州の中でも比較的雪が少ない中南部で春先に降る大雪は「かみ雪」とも呼ばれ、湿気を含んだ重たい雪です。
豪雪地帯で次々と積もっていく軽い雪をじゃんじゃん投げ飛ばすには便利だと思いますが、当地のように重い雪がメインの場所で「雪ハネ」はあまり出番がないかと思いますし、硬くなった雪にはそもそも太刀打ちできません。
降雪地域でない方からみると、雪かきといえばこの道具のイメージも強いとは思いますが、この地域ではファーストチョイスにはなりにくい道具だと思います。
スコップは素材に注目 オススメはポリカーボネートスコップに使われるプラスチック系の素材は、
軽くて扱いやすい特徴をもつ
ポリエチレンや
ポリプロピレンと、
硬くて丈夫な
ポリカーボネートの2種類に大きく分けられます。
降ったばかりのサラサラした雪ならば
ポリプロピレンや
ポリエチレン素材のスコップでも十分です。しかし、硬くて重い雪にはなかなか切り込めず、スコップを蹴りこんだら割れた、というのがよくあるパターンです。
私も当初はその軽さに惹かれてポリプロピレン・ポリエチレン素材の道具を使って1-2年ごとに壊れては買い替えることを繰り返していましたが、スコップ・プッシャー・ダンプすべてを
ポリカーボネート素材の道具に変えてからは10年近く壊れずに使い続けられてます。
カチカチの雪には金属製スコップも日にちが経って融けて凍ってを繰り返し「ガリガリ君」状態になった雪や、自動車などで踏み固められて氷のように硬くなった雪には、土木工事で使うような
金属製スコップを使うこともあります。
※ JIS規格では、さじ部の手元に近い方が平らになっていて足をかけて押し込めるものを「ショベル」、そうでないものが「スコップ」と区別されていますが、巷では両者があまり区別されていなかったり、小さいのがショベル・大きいのがスコップと区別がされている場合もあります。
掘ることに特化したさじ部の先が尖っているもの(
丸ショベル・剣スコ)
と、すくいやすいように先がまっすぐなもの(
角ショベル・角スコ)があり
、普通の雪かきとしても使うなら先がまっすぐな方がオススメです。
さじ部の材質には、比較的軽くてメンテナンスも容易な
アルミ製と、丈夫な
鉄製があります。さじ部に複数の穴があいたタイプ(
パンチャースコップ)は、鉄製でありながら軽量で、さらに雪離れがよいというメリットがあります。
金象印 A柄パンチャースコップ#3(浅香工業)※ 溶けた雪が凍ってアスファルトなどに凍りついてしまったような氷にはつるはしを使うこともあります。
氷割りガン太(伊藤製作所)・
ニューらく楽ハンドボー(ノベルカンパニー)といった棒状の氷割り道具もあり試してはみたのですがうまく割ることができませんでした(日陰だったので日中も路面温度が低くガッチリ凍りついていたせいでしょうか)
腰に負担をかけないスコップの柄スコップで雪をすくうとき、一方の手はさじ部に近い部分を握るのでどうしても腰に負担がかかりやすいです。
金象印のショベル・スコップで知られる浅香工業が、
柄が曲がったスコップをラインナップしています。
金象印 ポリカスコップ BS握付(浅香工業)金象印 アルミ雪スコ BS #3(浅香工業)金象印 パンチャースコップ#3 BS柄(浅香工業)持ち手よりもさじ部が低くなることで、腰をあまりかがめなくてもすくいやすく力を水平に伝えやすい、というメリットがあります。
※"BS"は、BackSaver=「腰(背中)を守る」の略
さらに、重い雪が載ってもさじ部がひっくり返りにくいと思います。
ストレート柄のスコップに後付けできるハンドルも市場にあり、
これらにも同じようなメリットがあります
エルゴパワーグリップ MOEPG(メテックス)アシストグリップ 除雪ショベル用 SAG-2(千吉:藤原産業)らく楽グリップ 640968(メーカー扱い終了)(セフティー3:藤原産業)また、似たような設計思想の雪押しもあります。
アルミ柄らくおし君(52型)(コンパル)1台2役・3役の雪かき道具3種の神器である
スコップ・
プッシャー・
ダンプを揃えると、
1万円近くの出費になりますし、収納にもかなりのスペースをとります。
スコップは引きずってダンプのように雪を運ぶことができますし、
ポリカ素材の丈夫なプッシャーやダンプならば、スコップのように雪をすくうのも可能です。
そのような1台2役・3役を想定した商品も販売されています。
プースコ(コンパル)プッシャーの皿部分が深くなっていて、雪を掬うこともできるという道具
ダンスコ(アイリスオーヤマ)スコップとプッシャー、スノーダンプの1台3役。
見た目は、
True Temper(米国のガーデン用品メーカー)のSnoBoss(R)と似たような感じです。
ホームセンターで展示があったので持ってみました。一般的な除雪スコップが大体1.0-1.5kgなのと比べると重量が3.2kgと重いので、雪を投げ飛ばすには力がいりそう。
雪はどこに集める?積もった雪を邪魔にならないところに除けるのが除雪です。
できれば日当たりの良いところ、水がたまりにくいところ(舗装されていない場所や近くに排水のあるところ)に集めるのが理想です。
日陰だと集めた雪がなかなか溶けません。雪どけ水が流れずに水たまりを作って凍ってしまうと転倒の原因になって危険です。
・無断で他人の私有地に捨てたり、使っていないようにみえる駐車場区画に集めたり、駐車場からのの出入りに支障のある場所に捨ててトラブルになるケースがあるようです。
・住宅の外壁に接して山をつくって雪を積み上げると、壁材の損傷・汚損や建物内が冷える原因になるようなので避けましょう。
・雪を投げ込めばすぐに溶けて流れて行ってしまうような十分な流れのある水路ならともかく、あまり水が流れていない側溝に雪を捨てると、凍った雪が水をせきとめてしまいあふれる原因になります。
雪かきは助け合い早朝から職場の雪かきに従事しなければならない方は、深夜や未明から自宅近辺の雪かきを行わざるを得ない事情もあります。
除雪に慣れていらっしゃらない方が、”
朝早くから雪かきしていてうるさい”・”
みんな雪かきしてるのにあそこの家は参加してない(ようにみえる)”といったクレームを言ってしまい、ご近所関係がこじれてしまうケースを見聞きします。
除雪作業に関するクレームはトラブルのもと。
お互い様の精神で「できる範囲を、できる時間に、できるだけ」、各自・各世帯での雪かきを。