『カマルプールの 2013.5.17 までのレヴューはこちら!』TO.さんの日記

TO.のレストランガイド

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日記詳細

【2013.5.17 訪問】
再訪の初対面のマイレビュアー様に、初訪では当店の真髄を食べてないじゃない!と言って訪問。鴨のレア焼と、ラム(のタンドール焼)ミックスと、海老とアサリのブナとナンを、カマルピアとスラシラーズ(赤)グラスで一杯ずつ頂いて、カレーはラマナイヤを紹介するということで、アーンドラダイニングにしました。

ラムミックスは、王様のラム(スパイスの王様カルダモン)とラムのクミン焼が2ピースずつ。一人でも、二人で多メニューをシェアしていく場合にも好都合な、心憎い気配りです。特に今回は、スパイスが知りたいと仰る方でしたので、カルダモンとクミン夫々の風味を、舌と鼻にしっかりと焼き付けて頂けました。

鴨肉のタンドール焼きは、タンドール窯のより低温部で倍ぐらいの時間をかけて焼くように、改善が施されていました。完全レアから気持ちミディアムレア側にシフトさせることで、旨みが向上してます。これでこのメニューのレシピも完成ですね。

当店名物のブナは、具材たっぷりの相変わらずの絶品。スープを絶品ナンにかけて頂くと、二度楽しめる幸せです。

21時過ぎでカウンター席を含めてもほぼ満席の店内。北村オーナーシェフに「ラマナイヤに紹介しに行くのでカレーはそちらで。会計!」と言うのも気が引けない、繁盛店の良いところです。一番美味しいところだけ頂いてちょうど五千円と大満足。忙しいのに戸口まで見送って頂き、颯爽とアーンドラダイニングに向かいました。

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【2013.3.30 訪問】
上京時のスケジュールが立て込み、5ヶ月ぶりの訪問、土曜日の18時に伺いました。若干値上げされたことと、メニューの入れ替わりもあったということで、食べたことの無い物を注文。飲み物も新規物を中心に。

カマルビア(550円) : ビールのカクテルでパクチーがびっしり。持ちも良く、結構はまりました。

鴨肉のタンドール焼き(フランス産の鴨をレアーで)(880円) : 新メニュー。丸い平皿の中央に水菜が盛られ放射状に10枚の鴨がレアーで。ソースはガラムマサラ、クミン、コリアンダー、チリ等々の複雑な配合で皿に塗られ、その上に鴨を配置。所々にミントソースも添えられてます。とても千円以下のプレートとは思えない絶品。ディルセの畑中君張りのセンスです。人気メニューとなるでしょう、というか、お客さん全席でオーダーしていたので、既に人気メニューですね。

カリー春雨(泡盛)ロック(550円) : カリーは、琉球で御目出度いという言葉らしい。単なる、春雨という名の泡盛のロックでした。

レバーとハツのグリル(650円) : 初めて頂きましたが、鶏の臭みも無く美味。レアの方が良ければ、対応可。

ナン(300円) : 「北村さんご存知の通り穀物は食べないけど、こことディルセは別。小振りでお願い」「うーん。前はディルセと同じモッチリ系だったけど、最近レシピ変えてクリスピーに変更。それで良いですか」「それも楽しみ」。で、あっという間に籠に入って出てきました。クリスピーというだけあって、表面も裏面もパリッパリ。「これも行けますよ。癖になります」ホッとしたように「有難うございます」

スラ赤グラス(600円) : 赤のグラスは、スラだけになりました。ボトルは三千円。許容範囲の値上げでしょう。

エビとアサリのブナ(750円) : テンパリング後に主食材を生で入れて炒めてそのまま出す、当店名物のブナですね。小振りの殻なしエビ10個、殻つきアサリ7個と玉葱。期待通りの旨さで、幸。最後に残っていたナンにスープを滲ませて、一滴残らず完食。

いやー、今回の上京はココまでマトン三昧だったので敢えて別の主食材にしましたが、本格インド料理に無い当店ならではの旨さで、大満足。昨年9月に入ったインドのデリーから北の地方出身のコックさん、名前をラタンといいますが、タンドール窯の焼きは全て任され、カレーやブナも分業でバッチリ調理できてます。「前回10月に来た時はタンドール窯の焼きを北村さんが指導してたのに、もう全部できるようになったのですね」「えーっ、そうでしたっけ」と、もう全幅の信頼が置けるほどに、成長された御様子。当時は元々接客がプロの北村オーナーシェフが料理に集中して、言葉少なでブッキラボウだったのが、今回は会話もできる余裕が出てきたようです。

メニューの若干の値上げについてですが、カレーはシーフードのシャクティマサラの千三百円を除き千二百円以下、焼物も王様のラムとクミン焼きの2種を合わせて八百円の皿を作るなど考慮されており、スラ赤のボトルも三千円なので、料理のレベルと満足度からして、マダマダ安く提供できていると思います。

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【2012.10.27訪問】
牡蠣が出る季節になったということで、土曜日17時に伺いました。

当店のスタッフの交代は、インド料理店デリー出身の女性が元々の知人の新規出店を手伝うということで8月末に辞めたことに伴い、代わりのコックを探していたところ、インドのデリーから北の地方出身のコックが職を探しており、来てもらったとのことです。全くの偶然とのこと。北村シェフがコックにタンドール窯で焼く肉の刺し方や向きなど丁寧に教えてたり、接客のバイトで来ていたダバのホールスタッフの奥さんにエアーブレンドを水で練習させてたりと、オープンキッチン特有の楽しいものを見せていただきました。

まずブナオイスターを頂きます。テンパリングでスパイスを炒めた後、下ごしらえした牡蠣と玉葱などの野菜を投入し、炒めていきます。その間のフライパンからの炎の上がり方が凄く、美味しい匂いも広がってきます。熱々の絶品で口では言い表せません。ホールスパイス残らず頂き、残ったスープも全部飲みました。バスマティ米と混ぜて食べる人も多いそうです。

砂肝のコンフィ。北村シェフに「これ凄い評判ですね。どうやってあんな柔らかな食感に?」「低温で長時間煮る方法ですよ」。で、ブラックペッパーやパクチーのテンパリングから始まり、低温で長時間煮た砂肝が投入され炎を上げて温めて出来上がり。いつもの通りの絶品で、残ったコリアンダーシードやブラックペッパーホールまで一粒残らず頂きました。

ラムのクミン焼きも以前のとおりミディアムレア。こんなのここで食べたら、他じゃ食べられませんね。

牡蠣チャーハン。テンパリングからバスマティ米を入れて炒めた後で、下ごしらえした生の牡蠣を投入し、強火でイッキにフィニッシュ。濃厚な牡蠣の味とスパイスがバスマティ米に染み込んで、素晴らしいチャーハンです。量はそんなに多くありませんが、そろそろ満腹ということで、半分テイクアウト。

この季節、牡蠣とカマルプールの相性は抜群ですから、是非とも一度お運びください。必ず予約して。

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【2012.7.16訪問】
このところ私の紹介でアーンドラなどへ出向かれる方も増えてきて、「本物の南インド料理を一人でも多く知ってもらいたい」との、食べログを始めた当初の目的を達成できてきているところです。どこの店のどのメニューと紹介すれば、間違いなく満足していただけるところが、南インド料理に限らずダバ・アーンドラ・カマルプール・ディルセなど、ラマナイヤ氏と一緒に仕事をしたことのある方々がやっておられる店の素晴らしいところです。

ところが、インド料理は好きでマトン料理も食べたいが、辛いのが苦手と仰るマイレビュアーの方が複数出てこられました。マトン好き→インド料理好き→辛いのが好きという流れで、インド料理店のメッカ東京でも、その店の一番辛いカレーは大体マトンカレーになっています。デフォルトが辛いレシピなので、これより辛さを控える注文を受けてくれるところはありません。

唯一カマルプールだけは、どのカレーを注文しても辛さを訊ねられ、客が指定するのが必須となっています。裏返せば、スパイシーで辛くないマトンカレーを、普通に受けてくれるということなのです。

ということで、原則オフ会など企画しない&参加しない!主義ではありますが、金輪際一回限りのカマルプールでの「スパイシーで辛くないインド料理」オフ会を企画しました。私のマイレビュアー第一号で理解者の方に、後で知って「何で声をかけてもらえなかったの?」と言われる可能性も0%ではないと思い、念のため連絡したところ、是非とも参加ということで、4名となりました。

6月下旬の平日11時頃電話して北村シェフをお願いしたところ手が放せないので2時半過ぎにお願いしますとのこと。「辛いのが苦手な方にマトンを食べさせたいので、スパイシーで辛くないマトン中心のインド料理3千円4名お任せでできますか?」「ツマミ系の下ごしらえで入る辛味スパイスは抜けないけど、カレーは完璧に調整できます。それで良ければ」「ツマミは一品が少量で試して駄目ならパスすれば良いので、それで結構です。7月16日19時でお願いします」「休日夜の予約は18時までしか受けません」2、3回押し問答の末「事情はわかりますがルールなので」ダバで予約全員揃わなければ絶対入れないルールを作り日本一の繁盛店を円滑にオペレーションさせた方なので抵抗は諦め「私が鑑賞するヤマハホールのライブは前半で切り上げ、18時にします。赤のワイン予約したいのだけど」「グローバー2400円、スラ2600円」「安いねー。じゃー、1本ずつ」

当日18時10分前に着き一番乗り。「はい、ワイン代の5千円。全員初対面で飲む量がわからないので、残ったらどうしよう」「持ち帰りになります。じゃ、まず1本抜いて様子を見ましょう。最初はツマミやクルチャなので、グローバーのカベルネシラーズが合います。スラのシラーズは後のカレーの時が良いです」程無く全員そろい乾杯から。このあとの展開は、「やっぱりモツが好き」さんが詳細に書いてくださっているのでそちらをご覧ください。で、出されたメニューのリストだけ示し、全体の感想で〆ます。

前菜盛合わせ(マサラパパド、砂肝のコンフィ、蓮根のアチャール)
ひよこ豆のサラダ
ゴルゴンゾーラクルチャ
タンドール料理盛合わせ(ラム肉のクミン焼き、王様のラム、ラムシークケバブ)
カレー4種(ラムミントカレー、ホワイトラムキーマ、海老と帆立のカマルマサラ、ダルサーグ)
ナン、バスマティライス
ラムチャーハン

メニューを眺めてみると全部ラムと命名されていますが、赤身だけで出す店もある中でしっかり脂やゼラチンが付いたラムなので、所謂マトン臭は適度にあります。

また、以前夜にラムミントカレーを頂いた時「このミディアムレアな感じが最高!」「こういうマリネした生を火が完全に通る前までソテーして出すのは少数派。ダバインディアで出しているこれより少しだけ多く火を通すミディアムぐらいまでは対応しますが、今日はTO.さんの好みそうなミディアムレアにしてみました」「いやー、これが絶妙ですよ。これからは何時もこれで」。今回も予約時にラムはミディアムレアと添えておきました。

この状態で出されたラムはシークケバブを除き全く辛くなく、各々の料理が主張するスパイスとラム自体の風味の融合が、たまりません。
モツやマトンの臭いを消すためにスパイスや辛味スパイスを効かせて素晴しい、等のレビューがありますが、これは別次元で、ラム本来の味にスパイスが花を添えているとか、スパイスが味を引き出しているとか、そんな作用だと思います。

辛さが足りないことを危惧してアーンドラキッチンで分けてもらったホールのグリーンチリをスライスして用意したものの、一番辛さを感じたシークケバブの辛さアップに使った程度(中途半端に辛いのは激辛にしたほうが私には良)で、必要ありませんでした。マイレビュアー1号の方も、途中でスライスを1ピース口にされましたが、しばらく舌が麻痺されたようなので、必要なかったようです。

今回の結論ですが、「インド料理はマトンを美味しく食べるためにある」との持論で、「激辛&活きたスパイス&マトン大好き人間」の私でしたが、持論は確信に昇華した上で、激辛ではなくてもOKということにしたいと思います。

タイトルに興味を持たれて最後までお読みいただいた「辛いの苦手でもマトンカレーが食べてみたい」皆様、是非とも予約の上、カマルプールにお出かけください。

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私が本物の南インド料理と出会ったのは、ダバインディア。それまで東京駅からパテックフィリップの時計の調整に某店に行くすがら入り口は目にしていたものの、まさかそんな世界があるとは。フィギュアスケートの関係者のブログで、ここが本物との紹介があり、門を叩いたときに爽やかに迎えてくれたのが、当時フロアマスターの北村さん。以来、ラマナイヤシェフや現マスターとも懇意にさせていただき、私の世界を広げてくれた恩人です。

震災までは上京の機会も多く、現マスターの代になっても、北村さんは自分の店を探しているけどなかなか良い物件が無いなどフォローしておりましたが、震災以降私の方から情報も途絶えておりました。最近ダバやブログで当店を知り、何としてでもと思い、1泊2日で、当店、ディルセ、ラマナイヤの銀座店を巡ることにしました。

11時半に入店、どちらともなく「お久しぶり」

「ランチメニューだけですか?」「そうです。ブラックペッパーのラムカレー、海老カレー、豆カレーの3種ですが」「2種や、3種にすると、1種あたりが小さくなりますよね。料金追加で良いので、ラムを1種類と同じ大きさ、海老を小さいターリでお願いします。それと百円でナンをチーズクルチャに。ライス無しで」「じゃ1種の基本の700円に2種目のカレー200円追加でいきましょう」

北村さんがチーズクルチャをタンドリーに張り付け、デリー出身の女性が大鍋を暖めて小鍋やターリにカレーを取りわけ、金属の盆に乗せて、そこに直にサラダ用野菜を装いドレッシングかけ、最後にクルチャをのせて、出来上がり。

まずはラムカレーのスープ一口。辛くないけど目に見える贅沢で多様なホールのスパイスの活きた香りが凄い。ラムの肉汁も程よく溶け出してます。ラムを一つ口にすると、崩れる少し手前の状態で柔らか&ジューシー。私的にはもうちょっと手前の噛み応えが最高ですが、万人向けにはこれ以上ないでしょう。このカレーは、北のマトンローガンジョシュに一番近い。しかも南インド風にスパイスが立つ。こんな凄いカレーを、こんな多く、1種だと700円でいただいて良いのか。良くないという声が聞こえそうです(笑)

海老カレーもプリプリが2匹、ココナッツとレッドチリのバランスが絶妙なカレーに仕上がってます。

チーズクルチャはガーリックを隠し味に濃厚で絶品。

千円ポッキリでこのレベルは凄い。

で、私は北村さんに聞きました。「ダバのフロアマスターの他に料理やってたんでしょう」「全ぜーん」

福井へ帰るまでに一度は夜にも伺う約束をして去りましたが、修行もしないで何故あんな凄いカレーが作れるのか、デリーの彼女の仕事か、なども含めて聞いてみたいと思います。なにせ、開店20分で満席、行列状態ですから、話すのも気が引けるほどでした。

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引き続き土曜の17時過ぎに伺いました。昨日のマトンカレーを褒めると、北村さん自身が作られていて、特にこの店は南に拘るとかそういうことはなく、美味い物を作りたいということです。本日いただいたものは以下の通り。

ラムシークカバブ(780円):昨日のディルセと似ているがリーフ以外のスパイスは練り込み。絶品

アサリのブナ(680円):酒蒸しをスパイス風味で作ったイメージ。アサリも美味しいが最後に残ったスープが絶品。それを伝えると、これでご飯を食べる人もいるそうです。有りそうでない、チャレンジメニューです。

ラムミントカレー(1200円):マリネした生のラムを加熱しすぎに気をつけて柔らかいまま出すラマナイヤ製法。加えるスパイスをミントを引き立てるものにした、代表的定番メニュー。もも肉だけでなく、脂身やゼラチンが混ざっており、風味や食感を際立たせます。

ラッサムスープ(300円):タマリンドのオーソドックスなラッサム。食後の一杯には欠かせません。

インドワイン カルベネ(650円)

キングフィッシャー(630円)

レモンサワー(450円)

メニューはほとんど北村さんが作られていると言うことで、ラマナイヤレシピの守るべき基本は守りつつ、色々とチャレンジされていることが分かります。アーンドラダイニングで見たタンドールに近い大きさの物を使っておられるので尋ねたところ、このキャパでは大きすぎるかなと思ったけど、今のところ良い、とのことで、昼のラマナイヤとのタンドールは大きい方が良いとの話をすると、そうですかと、納得されていました。

帰るときには外まで見送られ、これからもチャレンジしていきますとのことで、再訪をお約束しました。木場と言っても、東京駅から日本橋に出て東西線で数駅、そこから歩いてすぐなので、是非ともお立ち寄りください。
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