信州から取り寄せるそばが小気味よい -路麺逍遥 Vol.673 : Sobamoto

東武東上線の大山駅から東北東に伸びる「遊座大山商店街」の、山手通りや板橋区役所に出る手前にあるのがこちらのお店。立ち食いスペースはなくカウンター席などの全席着席式ですが、券売機で食券を買って奥の受け取り口に出すスタイルからしても、広義の路麺店と考えてよいでしょう。そばは信州から取り寄せていることを謳い、またセットメニューも充実しています。ざっと見た限りうどんはおいておらずそばオンリーのようです。

いつもなら路麺店で天ぷらそば/かき揚げそばを注文する私ですが、信州そばを表に出していることもあり、それではもり系にしてみようかな、ということで野菜天もりそば650円をポチッと。食券を出すと、ワンオペの店員さんから「席でお待ち下さい」とのことで、しばらく待ちます。

どうやら天ぷらは都度揚げのようで、数分で呼ばれました。受け取り口脇のテーブルには、揚げ玉、刻み海苔等をセルフでトッピングできるようになってます。ある意味、ここなら店員さんの目が届きますし、このご時世ちょっと安心です（苦笑）。とはいえ、私は揚げ玉はいらない人なので、刻み海苔を少量。

ではいただきます。麺は細めですがぎゅっと密度があり、透明感があります。コシとはちょっと違う気もするけれど、このぱつんとした食感は結構好きかも。つけ汁は自家製とのこと、昔のお江戸風のかえし主張タイプではなくて少しおとなしめです。が、食べ進んで温度が上がっていくと、おとなしいながら立体的な風味のバランスがよいのがわかります。ボリュームもそこそこありますね。

天ぷらは春菊、まいたけ、れんこん（だったかな？）。中でも、巨大な春菊の天ぷらがいい具合です。歯を立てると、ザクザクの衣の中に閉じ込められていた春菊の香りがふわりと鼻に抜けていきます。難点は大きくて食べにくいこと。舞茸も衣の中で蒸された状態の風味がいいですね。これも食べにくいですが（苦笑）

セミ露天の立ち食い蕎麦店と、いわゆる町蕎麦店のちょうど間くらいの存在でしょうか。照明は落とし気味ですが、手入れは行き届いているからか、女性客の姿もちらほら。そうだよね、女性にとってはラーメンよりもそばのほうがヘルシーでいいかもしれませんね。いや、女性だけでなくて私のような中高年おやぢにも（笑）。ごちそうさまでした。