競合店との共存作戦は -路麺逍遥 Vol.462 : nadaimitasoba

ン十年前、毎晩のように田町/三田の慶應仲通り界隈で飲んでいた私にとって、いろいろと思い入れの深いエリア。しかし、お店の入れ替わりも激しく、ちょっと行かないと随分と顔の変わっている街でもあります。そのど真ん中、慶應仲通りの中ほどに、新しい路麺店ができたと聞いたのが、2020年も１月の終わり頃だったか。モン・トレゾールというビストロが営業していた跡に、１０日ほどで路麺店が開店、、となんだかすごい準備万端。店名からしてもどこかの資本系が絡んでるのかな？とも思ったのですが、あまり情報が出てこず。。

平日朝８時前に訪れると、そばうどんと書かれた白地の暖簾、立喰そばうどん280円というサインも出ており、すぐにわかりました。店頭に嘉味庵の函が積まれている、ということは生麺使用ですね。表にメニューが書かれており、入店前にチェック。かけ/もり（そば/うどん）280円～、オープン当初320円と聞いていたので、値下げしたのかしら？。定番のかき揚げそばが400円。いつもならこちらを選ぶところですが、こちらのお店は朝メニューが朝かけ/朝もり230円～とリーズナブル。ってことで、朝カレーセット390円をいただいちゃいましょう。温かいそばでいただきましたが、冷たいそばの指定もOKのようです。

いただいたおそばは、濁りのないブラウンの汁にどっぷりと中細麺が沈む、ややお上品な一杯。生麺茹であげゆえ、軽い弾力とするるというのどごしが心地良良い。デフォルトでネギに加えてわかめ入りです。かけ汁は昆布由来でしょうか、わずかに甘みを感じるすっきりタイプ、朝からぜんぶ飲み干せちゃいます。

赤の福神漬けを添えられたカレーは、やや辛さがあるものの、方向としてはおうちカレーの延長線。これも、日常食べるカレーとして、安定安心の一皿です。

おそばもカレーもエキセントリックな個性は皆無だけれど、安定感とお値段設定を考えれば十分満足できる内容かと思います。ただ、この界隈は駅前に名代富士そばにそば一心たすけ、慶應仲通りの斜向いにa la 麓屋、慶応大学寄りにはがんぎ、と、個性的な競合店がそろってるんですよね。お値段的には富士そばと張り合えるけれど、さて、お手並み拝見というところ。ごちそうさまでした。