カレーを食べるなら横須賀線ホームがおすすめ : 常盤軒 横須賀線ホーム店

ＪＲ品川駅構内、山手線ホームにある立ち食いそば店です。

歴史あるターミナル駅には、鉄道創成期に構内での駅弁販売を許可された業者があり、駅弁売店や立ち食いの軽食店などを経営しています。
品川駅におけるそれは、常盤軒で、大正１１年（１９２２年）に駅弁の立売営業件が許可されたとのこと。昭和３９年（１９６４年）に立ち食いそば店を開業し、高度経済成長期以降、モーレツ社員の胃袋を支えてきた有名店です。
東海道ホームにあった店舗限定で、かけそば、かけうどんに好みの具が盛り放題の『お好みそば』が人気でした。（現在は提供していません。）
以前は、各ホームに店舗があったものの、今は２店舗となってしまいました。

こちらの横須賀線ホーム店は、完全なる立ち食いなのは山手線ホームと変わりませんが、扉が無く外気が入るのが特徴です。駅のホームの立ち食いそば店の雰囲気ですね。
寒い日に食べる立ち食いそばが美味しいでしょう。

いただいたのは、
■コロッケカレー（６６０円）
些細なことですが、重要なことがあります。
タイトルのとおり、カレーを食べるなら山手線ホームのそば処　常盤軒ではなく、こちらの横須賀線ホーム店で食べるべきです。
カレーもコロッケも同じですが、スープが付きます。
このスープは、かけそばの汁で、そこに揚げ玉とネギを入れたものです。お椀で提供されるので、完全に和のテイストのものです。
常盤軒は歴史あるお店なので、営業スタイルにも歴史があります。店舗数が多く、各ホームにお店があった時代、不便な場所にあるお店は少しサービスが良かったのです。
先ほど紹介した『お好みそば』があるのは東海道ホームのお店でした。
その名残りとして、横須賀線ホームでカレーを食べるとこのスープが付きますが、山手線ホームで食べると付きません。
このスープですが、鍋で保温されている汁を注ぐので熱々です。これが寒い冬には染みますね。
これで口と心を温めたところでメインのカレーをいただきます。
ステンレス製の器が昭和の雰囲気を出しているカレーです。
コロッケが変わったそうで、少し厚みのあるコロッケは、ほとんどがジャガイモで少量のひき肉が入るものですが、ジャガイモの甘さが美味しいですね。
カレーとの相性もよく、その結果、カツカレーよりもコロッケカレーのほうが美味しいかもしれません。
カレーは昔から変わらない味付けで、欧風カレーのようでありつつも、なかなかスパイシーで立ち食いそばカレーとしては辛めの味わいです。
具は、小さなお肉と玉ねぎが入っているのみで、固形物は溶けてしまっているようです。
福神漬けは、カレーを注文すると冷蔵庫から取り出して、カウンターに置いてくれます。赤色の懐かしい福神漬けです。


常盤軒は、商業的に開発された令和の時代の東京の駅にあって、昭和の雰囲気、国鉄の雰囲気を残す数少ない存在ですね。
そこが魅力で、時が経てば経つほど魅力が増してきて、じわりじわりと美味しく感じるようになりますね。
派手な存在ではないですが、大切にしていきたいお店です。

ＪＲ品川駅の１３・１４番線（横須賀総武快速線）ホームにある立ち食いそば店です。

品川駅と言えば常盤軒というぐらいの知名度があり、東京における立ち食いそば店の代表のようなお店です。
最盛期には品川駅改札内に数多くのお店を構えていました。名物としては、かき揚げで作る『品川丼』、かけそばに好きな具が盛り放題の『お好みそば』などがありました。
ＪＲ東日本管内の飲食店の経営がＪＲ東日本傘下のＮＲＥによるものになり、常盤軒も徐々に勢力が縮小してきました。名物も今でも残るのはカレーぐらいでしょう。

お店は、ホームの中央にあります。今の東京ではホームにお店があること自体が珍しいでしょう。

店内は、完全な立ち食いです。お店の外に券売機が１台あり、食券を買って中に入ります。Ｌ字のカウンターは、６人ぐらいがキャパシティーでしょう。

メニューは、かけそばで３１０円、かき揚げ天玉そばで５１０円と価格は、名店の価格ですね。名物のカレーライスは５００円、他にコロッケカレー（６２０円）、カツカレー（７４０円）のバリエーションがあります。

いただいたのは、
■かき揚げ天玉そば（５１０円）
相変わらず汁は、出汁のパックが鍋に浮いたままで煮詰まり感もあり、立ち食いそばらしい濃い目の味わいです。これぞ王道ですね。また、夜になると煮詰まっており、より、大衆的な味わいになります。
麺は、茹で（厳密には蒸し）麺で温めるだけで提供されるので調理は早いです。
かき揚げは、大きいですね。丼を覆うようなこのサイズは珍しいですし、それゆえに値段も高いのでしょう。
小麦粉が多くお好み焼きのようなボリューム感があります。
今回は、卵の黄身も割れずに提供してもらえました。
ネギの量が多かったのもちょっと嬉しいポイントです。


ホームにある立地、品川駅の指定の業者が営むお店、そして、個性のあるそばと都内のＪＲの駅の中では特別な存在のお店でしょう。美味しい、まずいというより、このお店の存在に価値があるお店です。

品川丼（かき揚げが具のどんぶり飯）やお好みそば（ネギや揚げ玉などの具がが入れ放題のそばが東海道線ホーム店で売られていたが、今は無い）が有名な常盤軒ですが、徐々におしゃれなエキナカ飲食店に押されて残念な限りですが、まだまだ、品川駅構内の立ち食い蕎麦店では最大勢力です。
同じ品川駅構内でもエキュートにある吉利庵は、うどんが無くそばオンリーですが、常盤軒なら、うどんもありますし、ご飯ものでもカレーや品川丼もあり、すみわけができているのでしょう。

いただいたのは、
■かき揚げ天玉そば（５１０円）
同じ常盤軒でも、お店によって微妙に価格が異なりますね。
麺は、色が濃くて田舎そば風で、他の立ち食い蕎麦屋の麺よりは香りがする常盤軒クオリティ。
汁は、出汁のパックが鍋に浮いたままで煮詰まり感もあり、立ち食いそばらしい濃い目の味わいです。これぞ王道ですね。
かき揚げは、おおきくて小麦粉が多くお好み焼きのようなボリューム感がありますが、今日のは若干サクサク感が残っています。小さいですがタコかイカの足・小エビなどの入るちょっといいものです。
残念なことに玉子の黄身が提供された時点で割れていました。汁の熱で少し火が通ったものが好きなので、こうなってしまうと救いようがありません。

玉子の事故はちょっぴりテンションが下がりますが、それでもやはり、常盤軒は駅そばの典型と言うべきお店かと思います。
なお、今回の訪問で品川駅の現存する常盤軒４店舗をすべて制覇です。