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食べログ 寿司 TOKYO 百名店 2022 選出店
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『四六八(よおろつぱ)』 東都(えど)に違(たが)へど 星鳗(はかりめ)と 舎利(しやり)を簾(す)に卷(ま)きャ 鮓(すし)は「おすもじ」
紆餘曲折(なんやかんや、あれやこれや)ありて、
『ストロバヤ』を辭別(いとまごひ)し當家(こちら)『468』に、、。
西洋時辰儀(せいやうどけい)十一字五十八分(じふいちじごじふはちふん)。
暖簾(のれん)懸(かゝ)りしが正午(うまのこく、≒0PM)。
肆内(なか)より現(あらは)れ出(いで)しは、
當肆(こちら)の東道(あるじ)その人(ひと)。
白髮(しらが)こそ増(ふ)えたものゝ、見憶(みおぼ)えある顏(つらまがへ)。
兒(こ)の年齢(よはひ)から惟(おもんみ)るに、八年(やとせ)ぶり。
近傍(ちかく)に存在(あ)る飮食(をしもの)など拜聽(うかゞふ)に、
『木村洋食店』は老板(あるじ)死去(みまか)りて廢業(みせじまひ)、
『色川』六代目(ろくだいめ)急死(にはかにみまか)りしも數年前(すこしまへ)。
『橋口』先代親方(さきつおやかた)は當家(こちら)の常連(なじみ)なりしとか、、。
賈内(なか)は八年前(やとせまへ)と無所大差(おほきくことなるところなし)。
短册(たんざく)の菜單(しながき)より、
"星鳗棒鮓(はかりめぼうずし)"、二分之一(にぶんのいち)、
對價(あたひ)、二千一百六十圓也(にせんいッぴやくろくじふゑんなり)。
家苞(いへつと)ゝして贖之(これをもと)む。
佛前(ほとけ)に供(そな)へたる後(のち)、銜之(これをついばむ)。
正(まさ)しくこの味(あぢ)!
これまた、往古(かつて)と無所大異(おほきくことなるところなし)。
江戸生艷氣樺燒(えどうまれうはきのかばやき)、
否(いな)!
この老生(おひぼれ)、
江戸生星鳗握鮓(えどうまれあなごのにぎり)を偏愛(こよなくこのむ)。
舎利(すめし)は、
甜(あまみ)を抑制(おさ)へ、粒(つぶ)が立(た)ちて、平滑(したになめらか)。
口中(くち)に抛(はう)り込(こ)むや、須臾(たちまち)解(ほど)けて、
臼齒(おくば)に數粒(すうつぶ)殘存(のこる)が理想(のぞましきすがた)。
星鳗(はかりめ)も、
漿醤(しやうゆ)と、酒(さけ)・沙糖(さたう)を用(つか)ひ、
溶融(とろ)けんばかりに嫩(やはらか)に煮(に)るを吉(よし)とす。
小骨(こぼね)を感(かん)じさせぬが技倆(うで)の披露(み)せどころ。
その觀點(みかた)からすると、
當舖(こちら)の"星鳗棒鮓(あなごぼうずし)"、
あれも惡(あ)し、これも不束(ふつゝか)、潛航艇(なみのした)、、、、、、
の筈(はづ)なれど、舌(した)打鼓(つゞみをう)ちて已(や)むことなし。
一箇(ひとつ)、また一箇(ひとつ)、さらにまた一箇(ひとつ)、、、
無際限(とゞまることな)く筯(はし)が伸(の)び、
胃腑(いぶくろ)から手(て)出(いづ)る心持(こゝち)。
實(げ)に、"河童牌蝦片(かはのわらんべじるしえびせんべい)"に同(おな)じ。
甜(あま)き舎利(すめし)は堅(かた)く黏着(ねばりつ)き、
骨切(ほねぎり)されたる星鳗(はかりめ)は舌(した)に頼哩(あらが)ふ。
「向溶融(とろけなん)」
とは眞逆(まさかしま)の荒(あら)ぶる食感(はごたへ、したざはり)。
一點(ひとつ)一點(ひとつ)微視(こまかにみる)と粗(あら)だらけ。
然(しか)るに、それが集合(あつまる)や俄頃(にはか)に美味(よきあぢ)となるは、
旣(すで)に白面書生(あをにさい)の砌(みぎり)、
『桂花』"太肉麪(たあろめん)"にて實感濟(よくしるところ)。
『ラチュレ』、"雷鳥(らいてう)の膀胱包(ヴェッシーづゝ)み"も同樣(おなじ)。
膀胱(ばうくわう)と雷鳥(らいてう)と云ふ惡臭(あしきかをり)の共演(きそひあひ)。
實言(まこと)、
「毒(どく)以(も)て毒(どく)を制(せい)す」 と演述(い)ふべき歟(か)?
理屈(ことわり)は菟(と)も角(かく)、
この"星鳗棒鮓(あなごぼうずし)"、老生(それがし)が味覺(した)に適合(あふ)。
原來(そもそも)、
東都(えど)煮星鳗(にあなご)と關西(あちら)の燒星鳗(やきあなご)は另(べつ)。
宛然(あたかも)、
宮本武藏(むさし)と雷電爲右衞門(らいでん)を競(くら)ぶるがごとし。
相撲(すまふ)と劍術(けんじゆつ)では規則(きそく)からして睽(こと)なる。
局所最適解(いとよきこたへ)、必(かなら)ずしも唯一(ひとつ)にあらず。
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :旭光學 超琢磨(Super Takumar)(8 ele.) 1.4/50 @F2.8~F4
極太(ごくぶと)の 穴子(あなご)ゴリッパ ヨウロッパ その手は六八(ろッぱ) 始終たちッぱ
【2010-10-23追記】:
この日(ひ)は"SHOTT Glass"にて掃愁箒(さけ)を愉(たのし)しむ。
『SHOTT』の創業(あきなひのはじめ)は獨逸(どいつ)"Otto Shott"に"Carl Zeiss"、"Ernst Abbe"。
その光(ひかり)は遍(あまね)く四海(しかい)を照(て)らし、その名(な)を知(し)らざる者(もの)なし。
用(つか)ふ理由(わけ)を訊(たづ)ぬるに、『最(いと)頑丈(ぐわんじやう)なれば、、』と囘答(いら)ふ。
【2010-08-22追記】:
江都(えど)には江戸前(えどまへ)の魚(うを)あり。
鰻(むなぎ)に鮨(すし)天麩羅(てんぷら)の種(たね)は何(いづ)れも江戸(えど)前海(まへうみ)のもの。
鰻(むなぎ)、車蝦(くるまえび)、白魚(しらうを)、白鱚(しろぎす)、小鰭(こはだ)、 女鯒(めごち)、
眞鯵(まあぢ)、銀寶(ぎんぱう)、など、何(いづ)れも然(しか)り。
わだつみの海(うみ)遠(とほ)き洛(みやこ)では、鮎(あゆ)など川魚(かはうを)のほかは、
若狹(わかさ)鹽鯖(しほさば)に、兵庫(ひやうご)近邊(あたり)に揚(あ)がる海鰻(はむ)。
海鰻(はむ)をさまざまに用(もち)ゐる例(ためし)は、
古(ふる)く寛政(かんせい)七乙卯歳八月「海鰻百珍(はむひやくちん)」に詳(つまび)らかなり。
この頃(ころ)既(すで)に骨切(ほねぎ)りを施(ほどこ)す技藝(わざ)こそあれ、
百珍(ひやくちん)の中(なか)で一際(ひときは)目立(めだ)つは摺(す)り身(み)を用(つか)ふもの。
生憎(あやにく)、完(まる)の儘(まゝ)骨切(ほねき)りして用(もち)ゐる料理(れうり)の中(なか)に、
「海鰻鮓(はむすし)」の行(くだり)は見出(みいだ)せず。
しかはあれど、この書籍(しよじやく)には、「蒲炙(かばやき)」として、
『右「骨切(ほねきり)」醤油(しやうゆふ)附炙(つけやき)にしたるを「骨切炙(ほねきりやき)」とも
又「蒲炙(かばやき)」ともいふ』
とあらば、 あと「海鰻鮓(はむすし)」に足(た)らざるは纔(わづ)かに酢(す)めしのみ。
海鰻(はむ)は「落(お)とし」が一際(ひときは)名高(なだか)しと云ふとも、
僕(やつかれ)嗜(この)むは、「葛叩(くづたゝ)き椀(わん)」に「鱧皮(はもかは)のざく」。
「落(お)とし」は見(み)た目(め)こそ涼(すゞ)やかながら、
徒(いたづら)に湯水(ゆみず)に晒(さら)し梅(むめ)で啖(くら)ふは旨味(あぢ)を損(そこ)なふ。
書中(ふみ)に、皮(かは)を蘿蔔(すゞしろ)・南瓜(かぼちや)と和(あ)へた「膾(なます)」こそあれ、
胡瓜(きうり)と和(あ)へた「鱧皮(はもかは)のざく」は見當(みあ)たらず。
皮(かは)の旨(うま)きは、獨(ひと)り魚(うを)のみにあらず。
豕(ぶた)、鶏(とり)、蛇(くちなは)、蛙(かはづ)、鼈(すつぽん)全(すべ)てこれに同(おな)じ。
皮(かは)の美味(うまさ)に比(くら)ぶれば、身(み)の蒲炙(かばやき)などものゝ數(かず)にあらず。
値(ね)の廉(やす)く、小骨(こぼね)飫(おびたゞ)しき海鰻皮(はむかは)。
最(もつと)も卑(いや)しきものこそ美味(びみ)なるは、鶏(とり)の手羽先(てばさき)に彷彿(さもにた)り 。
書籍(しよじやく)にあるとほり、毛拔(けぬ)きで小骨(こぼね)を去(さ)りて用(つか)ふ。
小骨(こぼね)を抜(ぬ)き去(さ)るに、一尾(いちび)當(あた)りおよそ一時(いッとき)。
さすれば、「鱧皮(はもかは)ざく」は「鰻(う)ざく」に勝(まさ)る佳味(よきあぢ)とならん。
なじか、豫(あらかじ)め小骨(こぼね)を拔(ぬ)き去(さ)りて賣(う)る者(もの)多(おほ)し。
手間隙(てまひま)かけねば、可惜(あたら)肉(しゝ)を失(うしな)ひ、旨味(うまみ)を損(そこ)なふ。
案下某生再説(それはさておき)、こちらの「鱧(はも)棒鮓(ばうずし)」。
姿形(すがたかたち)は「穴子(あなご)棒鮓(ばうずし)」に寸毫(つゆ)違(たが)ふところなく、
味(あぢ)もまた相似(あひに)たり。
箸休(はしやす)めは、附(つ)け合(あは)せの「山椒(さんしよ)有馬煮(ありまに)」。
主人(あるじ)呟(つぶや)くは「間(ま)もなく二人目(ふたりめ)の嬰兒(みどりご)生(う)まれんとす」。
「いよいよ値上(ねあ)げなるや?」と訊(たづ)ぬれば、すかさず應答(いら)へて曰(いは)く、
「値上(ねあ)げにあらず、已(や)むを得(え)ぬ値上(ねあ)がりなり」と。
骨折(ほねをり)癒(い)えてより後(のち)、商(あきな)ひは西洋土圭(せいやうどけい)十三字より。
【2010-03-11追記】:
季節(きせつ)改(あらた)まりて、切繪(きりゑ)は花(はな)と蝶(てふ)に。
この日(ひ)は勿驚(おどろくなかれ)先客(せんきやく)五個(いつたり)。
主人(あるじ)、「かゝる日(ひ)もござりまする」と獅子奮迅(しゝふんじん)の働(はたら)きぶり。
客(きやく)齊(ひと)しく傾(かたぶ)くるは細身(ほそみ)で背(せ)の高(たか)き玻璃盞(ぐらす)。
これぞ紛(まが)ふ方(かた)なき獨逸(どいつ)「SCHOTT社1)」製。
遍(あまね)く三千世界(さんぜんせかい)を照(て)らしたまふ聖(ひぢり)三位一體(さんみいつたい):
光機構(ひかりからくり)Carl Zeiss、究理家(きうりか)Ernst Abbe、硝子師(びいどろし)Otto Schott 2)。
主人(あるじ)にその理(ことわり)を訊(たづ)ぬれば、「丈夫(ぢやうぶ)でござれば」と膠(にべ)もなし。
【2010-03-05追記】:
「初小川」で晝食(ちうじき)を濟(す)ませ、足(あし)の向(む)く先(さき)またもやこちら。
この日(ひ)も僕(やつがれ)のほか一人(ひとり)として客(きやく)の姿(すがた)あらざり。
扉(とびら)の外(そと)に人影(ひとかげ)迫(せま)りて、「御客(おきやく)ならん」と告(つ)ぐるや、
主人(あるじ)、「否(いな)、家内(うちのもの)にてござる」と鰾膠(にべ)もなし。
此度(こだみ)の穴子(あなご)は對馬(つしま)産。
十八に切(き)られ長(なが)さ一尺二寸餘(あまり)。
皮(かは)聊(いさゝ)か硬(かた)めで、微(かす)かに骨(ほね)も觸(さは)り、
穴子(あなご)らしき匂(にほ)ひの殘(のこ)れるは前(まへ)につゆ異(こと)なるところなし。
伊勢志摩(いせしま)の物(もの)と云ふ鯖(さば)は仕込(しこ)みの最中(さなか)。
斜(なゝ)めに傾(かたぶ)けた金皿(かなざら)に鯖(さば)を置(お)き輕(かろ)めの鹽(しほ)。
こちらで名のある店(みせ)なれば鹽竈(しほがま)かと見紛(みまが)ふばかりの鹽(しほ)を用(つか)ふ。
酢(す)は纔(わづ)かに十五分から二十分と、小鰭(こはだ)なみ。
【2010-02-25記、抜粋】:
夥(おびたゞ)しき數(かず)の道具屋(だうぐや)軒(のき)を連(つら)ねし合羽(かつぱ)者゛し、
その外(はづ)れ、晝(ひる)なほ暗(くら)き人影(ひとかげ)疎(まば)らなこの界隈(あたり)。
僕(やつがれ)晝(ひる)の淺草で鮨(すし)となれば、「鮨 橋口」か「紀文壽司」。
眉(まゆ)に唾(つば)しつゝ足(あし)を運(はこ)ぶはこの日(ひ)が初(はじ)めて。
店開(みせびら)きより暇(いとま)を乞(こ)ふまで主人(あるじ)一個(ひとり)に客(きやく)一個(ひとり)。
先(ま)づは茶(ちや)を貰(もら)ひて、主人(あるじ)の爲人(ひとゝなり)を窺(うかゞ)ふ。
日向守(ひむかのかみ)明智光秀で名高(なだか)き丹波龜山(たんぱかめやま)の出身(で)。
京師(みやこ)で鮓(すし)の技藝(わざ)を習(なら)ひ覺(おぼ)へ、勇(いさ)みて東京(とうけい)に。
熟々(つらつら)鮨種(すしだね)を檢(あらた)むるに、穴子(あなご)は常州、鯖(さば)は伊勢志摩。
主人(あるじ)云へけるは、穴子(あなご)は通年(つふねん)數(かず)の揃(そろ)ふ常州か九州。
身(み)頗(すこぶ)る厚(あつ)く、長(なが)さ一尺二寸有餘(あまり)*)。
捉(とら)へられ割(さ)かれて火炙(ひあぶ)りに遭(あ)ひたる蛇(くちなは)を髣髴(おもは)す。
五分刻(ごぶきざ)みに庖丁(はうちやう)の入(はい)る姿(すがた)は、鱧(はむ)に生(い)き冩(うつ)し。
およそ穴子(あなご)には、「煮穴子(にあなご)」と「燒(や)き穴子(あなご)」とあり。
江都(えど)は煮穴子(にあなご)で、時季(じき)を選(えら)み、産地(さんち)にこだはる。
京坂(けいはん)にては明石(あかし)に揚(あ)がりしものを最上(さいじやう)とし、これを炙(あぶ)る。
主人(あるじ)に據(よ)らば、「これほどの大(おほ)きさなれば通年(つふねん)さほどの違(たが)ひなし」。
豫(あらかじ)め骨切(ほねき)りが施(ほどこ)され、炙(あぶ)りた燒(や)き目(め)までも。
この上(うへ)に細長(ほそなが)く延(の)した舎利(しやり)を載(の)せて海苔(のり)を敷(し)き、
更(さら)に舎利(しやり)を載(の)せ卷(ま)き簾(す)で成形(かたちをとゝのふ)。
その後(のち)、圓(まろ)き刄(やひば)の疱丁(はうちやう)で絶(た)ち「煮詰(につ)め」を施(ほどこ)す。
「煮詰(につ)め」の名(な)と色艶(いろつや)、江戸(えど)の穴子(あなご)につゆ異(こと)なるところなし。
土産(みやげ)なればこれを竹(たけ)の皮(かは)にて包(つゝ)む。
今(いま)は昔(むかし)、十八屋(にくや)ゝ、遠足(ゑんそく)の握(にぎ)り飯(めし)にはこれ。
鯖(さば)、そろそろ時季(じき)に外(はづ)るゝとは云へ聊(いさゝ)か小振(こぶ)り。
身(み)を厚(あつ)く拵(つく)るは京師(みやこ)の鯖鮓(さばずし)なれど、昆布(こぶ)は白板(しらいた)。
海苔(のり)を挾(はさ)むは穴子(あなご)に同(おな)じ。
惜(を)しむらくは筥鮓(はこずし)に用(つか)ふ蝦(えび)が冷凍物(れいとうもの)なること。
皿(さら)に敷(し)かれしは手間隙(てまひま)かけた錺(かざ)り切(ぎ)りの葉蘭(はらん)。
江戸(えど)の熊笹(くまざゝ)に等(ひと)しく、能(よ)く職人(しよくにん)の力量(うで)を表(あらは)す。
つぶさにその技藝(わざ)を檢(あらた)むれば、値段(ね)に似(に)つかはしからざる出來榮(できば)え。
鶴(つる)、松(まつ)、不二(ふじ)、寶舟(たからぶね)の錺(かざ)り切(ぎ)りも秀逸(みごと)。
生姜(しやうが)は自(みづか)ら製(こしら)へたるもの。
甘(あま)さも酢(す)も強(つよ)きに過(す)ぎず、ほどよき味(あぢ)はひ。
僕(やつがれ)の知(し)る京師(みやこ)の鮓(すし)は「いづう」、「いづ重」くらゐなれど、
その姿(すがた)、こちら468の棒鮓(ばうずし)とは著(いちじる)しき違(たが)ひ。
扨(さて)、肝腎要(かんじんかなめ)はその口味(あぢ)。
穴子(あなご)、江都(えど)の煮穴子(にあなご)は云ふに不及(およばず)、
明石(あかし)の濱(はま)の燒(や)き穴子(あなご)、京師(みやこ)の海鰻(はむ)とも異(こと)なる。
舌觸(したざは)り京師(みやこ)の海鰻(はむ)のごとく、味(あぢ)明石(あかし)の穴子(あなご)に似たり。
固有(もとよりそなは)る仄(ほの)かな匂(にほ)ひこそあれ、惡(あ)しき臭(にほ)ひにあらず。
冬場(ふゆば)の棒鮓(ばうずし)とは云へ、舎利(しやり)、聊(いさゝ)か冷(つめ)たきに過(す)ぐ。
巧(たく)みに施(ほどこ)された骨切(ほねぎ)りも、此處彼處(こゝかしこ)で口(くち)に觸(さは)る。
とは云へ、舎利(しやり)・穴子(あなご)・煮詰(につ)め、三者渾然一體(さんしやこんぜんいつたい)**)。
二日前(ふつかまへ)に〆たと云ふ鯖(さば)は生(なま)かと見紛(みまが)ふ淺(あさ)き締(し)め。
淺(あさ)きこと、「いづう」は勿論(いふをまたず)、東京(とうけい)の〆鯖(さば)をも上廻(うはまは)る。
酢(す)こそ弱(よは)めながら、確(たし)かな鹽(しほ)效(き)ゝて臭(くさ)みの類(たぐひ)あらざり。
夫(それ)鹽梅(あんばい)は料理(れうり)の要(かなめ)、なんでふ疎(おろそ)かに扱(あつか)ふべき。
大(おほ)きさと脂(あぶら)の乘(の)りを重視(おも)んずる東都(えど)とは異(こと)なり小振(こぶ)り。
こちらで妄(みだ)りに眞冬(まふゆ)の金華鯖(きんくわさば)求(もと)むるは、
宛然(あたかも)、貧乏神(びんぼふがみ)ゆすりて錢(ぜに)を毟(むし)るがごとし。
とまれ、京師(みやこ)傳來(わたり)の鯖鮓(さばずし)にして、かゝる味(あぢ)は初(はじめて)。
「いづう」など京師(みやこ)の棒鮓(ぼうずし)、
大坂(おほざか)の筥鮓(はこずし)、「すし萬」、「吉野すし」、
江都(えど)の筥鮓(はこずし)、麻布霞町「梅好」、表參道「八竹」、赤坂「福槌」、
神田の老舖(しにせ)「笹卷けぬきすし」、その何(いづ)れとも異(こと)なる。
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**)「三者婚前一體」にあらず
1)http://www.schott.com/english/index.html
2)http://www.schott.com/english/company/corporate_history/biography/
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店名 |
468(ヨーロッパ)
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受賞・選出歴 |
寿司 百名店 2022 選出店
食べログ 寿司 TOKYO 百名店 2022 選出店 |
ジャンル | 棒寿司、寿司、日本料理 |
予約・ お問い合わせ |
03-3843-6964 |
予約可否 |
予約可 |
住所 | |
交通手段 |
銀座線田原町駅、日比谷線入谷駅から徒歩10分ほど 浅草駅(つくばEXP)から330m |
営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
予算(口コミ集計) |
¥3,000~¥3,999
¥2,000~¥2,999
|
支払い方法 |
カード不可 電子マネー不可 QRコード決済不可 |
席数 |
6席 (カウンターのみ) |
---|---|
個室 |
無 |
貸切 |
可 |
禁煙・喫煙 |
全席禁煙 |
駐車場 |
無 最寄りにコインパーキング幾つかあり。 |
空間・設備 | オシャレな空間、カウンター席あり |
ドリンク | 日本酒あり、焼酎あり |
---|
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
サービス | テイクアウト |
お子様連れ |
子供可 |
ホームページ | |
公式アカウント | |
オープン日 |
2005年6月8日 |
備考 |
夏場のハモ棒ずしは予約制。 |
初投稿者 | |
最近の編集者 |
|
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貯古齢糖製造工程(ショコラづくり)に許容(ゆるさ)るゝ温度誤差(おんどごさ)は、
「上下(うへした)攝氏一度以内(せつしいちどいない)」と云ふ。
他方(かたや)、"牛肉犂炙(すきやき)"のごとく、
素人(しらうと)にも×田安門(たやすもん)〇容易(たやす)き菜(もん)も、、。
愚按(やつがれおもふに)、
素人(しらうと)に六借(むつかし)きものは、
上記(くだん)の"巧克力制作(ショコラづくり)"のほか、
"宴席菜(うたげめし)"、"鮓(すし)"、"天麩羅(てんぷら)"、"鰻(むなぎ)"。
茲(こゝ)で"宴席菜(うたげめし)"とは、
異朝(もろこし)なら"鮑參翅肚(あはび、きんこ、ふかひれ、うきぶくろ)"、
本朝(わがくに)では"會席料理(くわいせきれうり)"などを指(さ)す。
かゝるもの、玄人(くろうと)に一任(まか)すが最善(なにより)。
"犂炙(すきやき)"は"頑健性(Robustness、たくましさ)"が高(たか)く、
"巧克力制作(ショコラづくり)"は"頑健性(Robustness、たくましさ)"が低(ひく)い。
一槪(おしなめ)て、容易(たやす)きものは"頑健性(Robustness)"高(たか)く、
六ヶ敷(むつかしき)ものは"頑健性(Robustness)"低(ひく)し。
扨(さて)、星鳗(はかりめ):
"天麩羅(てんぷら)なら"、油温(あぶらのあつさ)、煠時間(あげじかん)、など、
細心留意(こまやかなるこゝろくばり)と熟練廚藝(たしかなるわざ)が要(い)り、
「一℃(いちど)、一秒(いちべう)を爭(あらそ)ふほど」ゝも云ふ。
一方(かたや)、"鮓(すし)"となると、
何方(いづち)の?、如何(いか)ほどの重量(めかた)の?物(もの)を用(つか)ひ、
何分間(どれほどながく)烹(に)る歟(か)?、調味(あぢつけ)は?
と、面倒(やゝこし)さこそあれ、"頑健性(Robustness、たやすさ)"は高(たか)め。
何(なに)より、
厚顏無恥(あつかましく)も怪(あや)しげなる鰕(えび)を用(つか)ひ、
粉山葵(こなわさび)をも恥(は)ぢぬ老舖待塲鮓店(しにせまちばずしや)ですら、
星鳗(あなご)ばかりは佳味(うま)き例(ためし)あるがその證左(あかし)。
とは云へ、愚老(やつがれ)、
「鮓(すし)の星鳗(あなご)はかくあるべし」
との確乎不動(ゆるぎな)き嗜好(このみ)あり。
臭氣(くさみ)なく、炙(あぶ)らずとも蕩(とろ)けんばかりに嫩(やはらか)なること。
"爽煮(さはに)"は得手(えて)とせず、
醬油(しやうゆ)以て慢(ゆる)り煮(に)る烹飪法(やりかた)を喜歓(この)む。
i.e.,(すなはち)、廚藝(わざ)に"頑健性(Robustness、たやすさ)"こそあれど、
「"最適解(Optimal solution、こたへ)"は唯一無二(たゞひとつ)」、と云ふこと。
加旃(しかのみならず)、
近會(ちかごろ)、暴(にはか)に温度管理(おんどくわんり)が囂(かまびす)しく、
剩(あまッ)さへ、
鮨種(すしだね)と舎利(しやり)の温度(あたゝかさ)まで嘯(うた)ふ輩(やから)も。
統計學(とうけいがく)の觀點(みかた・たちば)からすると、
誤差(ごさ)を含(ふく)まぬ數値(あたひ)は無意味(まるでいみがな)く、
かゝる數値(あたひ)以(も)て虚假脅(こけをおど)す鼠輩(ねづみのともがら)は、
眉唾(まゆにつば)して白眼視(かほをしかめてながむ)るべき。
日々(ひゞ)、全客人(すべてのまれびと)に、
能書(なうがき)どほりの温度(あたゝかさ)で提供(いだ)せる道理(ことわり)もなし。
ともあれ、
東都(えど)の鮓(すし)は時々刻々(じゝこくこく)かくのごとく進歩(すゝみゆく)。
反之(これにひきかへ)、
傳統的(いにしへよりつたはる)京坂(けいはん)の"鮓(すし)"なるもの:
作(つく)りて霎時(しばし)抛擲(うちやり)、
常温(へやのあたゝかさ)にて餐(くら)ふが風習(ならひ)。
東都(えど)に比較(くら)べ、三周(みめぐり)・四周(よめぐり)遲(おく)れ、
、、、、のごとく思(おも)へる。
江戸(えど)でも華屋與兵衞(はなやよへゑ)の頃(ころ)は、
屋臺鮓以外(やたいずしをのぞき)、「持歸(もちかへ)り」が常態(つね)。
勿論(いふまでもなく)、當家(こちら)の"星鳗鮓(あなごずし)"は棒鮓(ぼうずし)。
温(あたゝ)むることもなく、その儘(まゝ)餐(くら)ふ。
舎利(すめし)と鮓種(すしだね)に無温度差(あたゝかさのたがひなし)。
蓋し、三周(みめぐり)・四周(よめぐり)遲(おく)れの貨物(しろもの)なるべし。
然(しか)るに、然(しか)るに、鹿(しか)ル~ニィ、
「旨(うま)しッ!」
と絶句(ことばをうしな)ひ、唸(うな)るほか方策(すべ)を不知(しらず)。
「"最適解(Optimal solution、こたへ)"、唯一無二(たゞひとつ)」に非(あら)ず!
"大域最適解(Global optimal solution、このうへなきこたへ)"ならで、
"局所最適解(Local optimal solution、よきこたへのひとつ)"と號(い)ふべき。
當家(こちら)の"星鳗鮓(あなごのぼうずし)"もまた、
星鳗鮓(はかりめずし)の"局所最適解(Local optimal solution、よきこたへのひとつ)"。
毎度毎度(そのたび)に、かく確信(おもふ)。
小賢(こざか)しくも小手先(こてさき)の廚藝(わざ)を弄(もてあそ)び、
衆人(もろびと)を誑(たぶら)かす流行最尖端(いまをときめ)く奴儕(やつばら)!
謙虚(こゝろし)て、當家(こちら)の流儀(やりかた)を見習(みなら)へ!
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【暗匣】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:旭光學 S-M-C 微距琢磨(Macro Takumar)4/50 @F4.5