【南シェフにかかると上海蟹もこうなるのか】 : ミモザ

表参道「ミモザ」。気づいたら2年半ぶりの訪問だった。
南シェフが以前いた新宿御苑の「シェフズ」では何回か上海蟹をいただいた事があるが、ここ「ミモザ」では初めていただく。
2016年にオープンし翌年の2017年発表の2018年版から4年連続、今回の2021年版ミシュランでもひとつ星獲得。

この日は男性の知人と2人で会食。
シャンパンで乾杯、その後は冷たい烏龍茶、あったかい烏龍茶へと移行。

まずは「前菜4種」…
　　①山クラゲ…いわゆるチシャトウ。コリコリ食感が美味い。
　　②牛肉…スライスした牛肉を揚げることによって水分を飛ばしドライな食感を楽しむ。
　　　　　　そこに甘辛ソース(結構辛さの強い麻辣っぽいソース)をつけて。…辛いけどめ　　　
　　　　　　ちゃ美味しい。
　　　　　　上記の山クラゲと一緒に食べてもコリコリ食感含め美味しい。
　　③鰆…燻製をして1分ほどセイロで蒸した鰆。薫香が鼻を抜けて匂いも美味しい。
　　④上海蟹のパイ…蟹味噌たっぷり、具材と餡を包んで揚げたパイの斬新なこと。滋味深
　　　い味。

「酔蟹(上海蟹、紹興酒、ヘネシー)」…ブランデーが入ることで香りが良くなり、味がやや甘くなって奥深い味となる。味噌の濃厚さもあってかなり美味しい上海蟹を味わえた。

「湯(鱶鰭＝フカヒレとポルチーニ)」…熱々の煮込み。ポルチーニの香りが濃厚でくらくら。フカヒレとポルチーニがこんなに合うのは新しい発見、驚き。

「炒(上海蟹、豆豉、花巻)」…上海蟹を殻ごと炒め、豆鼓で味付け。ソースを最後は花巻ですくって食べる。なんだか甘さもあって複雑に美味い。

「肉(東波肉＝トンポーロー、豆苗)」…皮の付いてない豚の角煮と違って東波肉は皮付きで長時間蒸すのでコラーゲンたっぷりのとろとろ食感。とろとろ脂が甘くて美味しい。八角の香りも香ばしい。

「飯(上海蟹味噌豆腐)」…蟹味噌をたっぷり使った豆腐料理。

「甘(ライチのシャーベット)」…ライチの爽やかさが口の中、舌の上をスッキリしてくれる。

初のミモザ上海蟹。色んな手を使って新たな上海蟹の味を楽しませてくれる。
全体の料理構成でも燻製やらブランデー、ポルチーニ、八角、ライチ…。それぞれ香りを楽しませてくれる、そして香り付きで各メニューが忘れにくい料理になっている。

この店の南シェフが元々いたシェフスも好きだけど、今の店の味も好きだなぁ〜。
今日は食いしん坊の男4人で攻める、攻める。
まずは5種の前菜から。
❶-①「ちしゃとう(アトピーとか花粉症に効くと言われる)と干し豆腐麺、ネギ油和え」
❶-②「巻き湯葉」、
❶-③「クラゲ、大根、カリカリ砂糖」…カリカリの砂糖がアクセントになって、面白く美味しいひと皿。
❶-④「酔っ払い鶏」
❶-⑤「陳皮と牛肉唐辛子」…味濃くガツンとくる滋味深い一品。美味しくて箸が進む。


この店のスペシャリテ点心❷「金華ハム、大根千切りをパイ生地で包んだ一品」。
お腹にドンと来るが、絶品。これは注文マストアイテム。

この後のメイン3品もこの店のスペシャリテ。来たらオーダーすべきマストアイテム。

❸「明蝦海老の香り蒸し」…南シェフ出身店の新宿御苑「シェフス」とともにこの店でも看板メニュー。いつ食べても美味しいし、この店でこれを外したら店に来た意味がないくらい^ ^ 付け合わせのゴハンにソースを絡めて食べると至福の食に早変わり。

❹「玉子とトマトの薫香炒め」…玉子はふわふわ。調理場を見ていると時々大きな火が上がる（フランベなんて言う言葉では表せない、大きな火の塊）、この火が玉子に燻製のような味を付けていく技らしい。これまた、オーダーマストアイテム。

❺「中国干し梅入り酢豚」…梅が香りづけで使われる。舐めても美味しい^ ^。黒酢が効いた酢豚は、これまたマストアイテム。

さて、ここから〆の炭水化物3連発！まずは
❻-1「海老のしっとり炒飯」…喧嘩になりようのない量のふんだんな海老が入って、ほんと、出汁をしっかり吸い込んだしっとりチャーハン。美味。前回訪問時には注文しなかったが、これは食べるべきだったなぁ。

❻-2「アニスソースの炒麺。玉子焼き乗せ」…前回も食べたが、パリパリの焼き具合の麺と柔らか麺のコンビネーションが美味しい。お腹に余裕があれば頼むべき一品。

❻-3 「牛肉カレー麺」…牛肉入りスープが、最初は薄く感じるが、後から辛さが追いかけてくる。スープだけでも美味しいが、麺と牛肉を絡めて食べると、これもまた美味い。
さらにお腹に余裕のある方は是非。〆の〆には最高の一品だった。
そして

デザートは2種。この時点でかなりお腹がいっぱいだが、別腹に入れるべく❼「揚げプリン」、❽「杏仁豆腐」。前者はカスタードクリームを包んだ餅を焼いた感じ。食感も味も未体験ゾーンで美味しく面白い。

それにしても、少しくらいこっちを向いてくれても良いのにシェフは背中を見せて、ひたすら中華鍋をずっと振り続けている。
帰り際にだけ挨拶に出てきてくれて、ほんの少しだけお話することができた。でもシャイでカワイイんだなぁ。。

お店は相変わらず人気で満席だが、予約さえ取れれば定期的に伺いたい。全14品。大満足、大満腹のディナー。

最近人気でなかなか予約が取れない店のひとつ。と言っても有名寿司店のように次の予約は1年後…なんて事はない。

今回はライブ後の2回転目の21時過ぎにお邪魔した。23時ラストオーダーと遅くまで開いてくれているのも便利でありがたい。初訪問。

場所は表参道。路地を入って若干わかりにくい場所。新宿御苑の「シェフス」出身の南シェフの繰り出すヌーベルシノア料理はもちろん新しくて美味しい。

「玉子とトマトの薫香炒め」、「アスパラガスと筍の香麻炒め」は文字面だけ見ても美味しそうだが、この日はすでに売り切れだった。残念(>_<)。

店員さんがいたく丁寧にメニューの説明をしてくれた。全然いやらしい形でなくホント、親切に^ ^。ありがたい。

で、今日のオーダーメニューは、①「ちしゃとうの葱油あえ、干し豆腐と（1300円）」…おぉ、あの花粉症に効くと今注目のちしゃとうが出た。サッパリ健康系なお味。糖質0のロカボメニュー^ ^
②「花ニラとイカの炒め（2700円）」…華やかなニラの香りと柔らかい食感のイカが合間って美味しくなっている。若干ニラの匂いと後味がキツイかな？
③「焼売（4個1300円）」…プリプリのとびこが乗った焼売。これはオーダーマストアイテム。
④明蝦の香り蒸し（1尾2300円）…シェフスの「車海老の香り蒸し」をインスパイアした一品。やはりこれも美味しくてオーダーマストアイテム。
⑤アニスソースの炒麺（1600円）…
海老炒飯と迷ったが、海老被りになるので炒麺をセレクト。パリパリに焼いた麺と柔らかい麺の渾然一体とした食感、バルサミコを彷彿させる複雑な味のソースが美味しい。

⑥「杏仁豆腐」…揚げプリンと悩んだがこちらへ。レモンとシロップがイイ味を出している一品。

美味でありながら穏やかな味で、メニュー全体、体に優しそうな料理。
帰り際、少し南シェフともお話できて、次の予約も来月お願いした。（売り切れだったメニュー含め、次回は色々試してみたい^ ^）
話し方も優しいし、帰り際、店の外まで出て見送ってくださった。このやさしさが料理そのものに出ている感じがした。