【恵比寿】懐石料理出身の技が活きる肴、厳選素材の握り。 : 鮨 くまくら

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GW初日のこの日、大好きな鮨を食べようとこちらに。

お店は2022年7月オープン、大将の熊倉氏は懐石料理からキャリアを開始され、鮨の名店でも長いキャリアをお持ちとのことで、懐石 x 鮨の経験がどう活きるのかを楽しみに伺いました。

お店は6Fにあり、エレベータを降りると黒基調でまとめられた恵比寿らしい内装と静かに流れるジャズが迎えてくれます。
カウンターの黒い御影石を寿司台と活用しており、黒と鮨のコントラストで目でも楽しめるようになっていました。
ちなみに奥には個室カウンターもあることから会食などにも使いやすそうです。

「おまかせコース」は、彩が美しい先付けから開始し、肴と握りが交互に出てくるようなスタイルでした。
肴には懐石料理の技が活かされており、握りも見ただけで旨さが伝わってくるようなネタばかり。

いずれも手抜かり無しの内容でしたが、特に好みだったのは上品な脂の「中トロ」、素揚げの桜エビが入った「茶碗蒸し」、ねっとりと口腔をくすぐる「アオリイカ」、脂と大葉のバランスが楽しい「頭肉サンド」、ほろ苦さが日本酒を誘う「ホタルイカ」、身の旨さが際立つ「甘鯛/シラカワ」、鱒の旨さと個性を凝縮したような「マスノスケ」、洗練された旨さの「ダイセンのウニ」あたり。

居心地の良さを大切にされているという熊倉氏の作るお店の空気感も良し。
美味しいものを良い雰囲気の中で楽しむという幸せに包まれ、GWのスタートに相応しいお店でした。

■おまかせコース 22,000円
【肴】先付、黄身酢和え(赤貝、ホタテ)、岩もずく、鯛の白子
【握り】中トロ (那智勝浦)
【肴】桜エビの茶碗蒸し
【肴】真鯛
【握り】アオリイカ (3日熟成)
【握り】鯵 (舞鶴)
【肴】頭肉サンド
【肴】ホタルイカ
【握り】甘鯛/シラカワ
【握り】金目鯛 (銚子)
【肴】生ザーサイ
【肴】太刀魚の塩焼き (江戸前)
【握り】赤身/漬け
【握り】マスノスケ/キングサーモン (青森)
【握り】小肌
【握り】車海老
【握り】トリガイ
【握り】雲丹軍艦巻き (大間/ダイセンのウニ)
【肴】トラフグの白子ごはん
【握り】穴子
【肴】玉
【肴】しじみ汁
【肴】自家製わらび餅

■飲んだモノ
・ビール エビス小瓶 x2
・日本酒 観音下 (かながそ、農口尚彦研究所)
・日本酒 くどき上手 Jr. 純米大吟醸
・ウーロン茶

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印象に残ったところをピックアップすると下記。
お店のコダワリの一部しか気づけていないとは思いますけどね。

最初の「先付」として「黄身酢和え」、「岩もずく」、「鯛の白子」が登場し、美しい彩で気分が一気に盛り上がります。
きれいなだけではなく穏やかな酸味の使い方も好み。
白子はフグや鱈がメジャーだと思うのですが、初めて食べた「鯛の白子」はまるで牡蠣のような風味をまとっていました。
こんな味わいなのですね。

握りの一貫目は那智勝浦の「中トロ」。
大トロに寄っているのかと思うくらいの贅沢な脂であり、ネタの良さが実感できます。

「桜エビの茶碗蒸し」は桜エビを素揚げすることで風味が膨らみ、サクサクとした食感も心地良し。
これを茶碗蒸しにのせてくるあたりも面白いです。

「真鯛」は身のしまった豊かな食感であり、力強い旨さゆえに、スダチ、ワサビを多めに添えてもバランスしていました。

「アオリイカ」は3日熟成のねっとり感が良く、塩は控えめなのも良し。
イカってやっぱり旨いなぁ。

舞鶴の「鯵」はプリっとした食感であり、まるでクエのようでもありました。
この食感と「鯵」の旨さが交わっているような感じでしょうか。

名物とも言える「頭肉サンド」は頭肉の溢れる脂と大葉、ワサビを海苔でまとめ上げます。
脂を楽しんだあとに辛口の日本酒を流し込むと、口が喜びます。

「ホタルイカ」のミソのほろ苦さは、この日の日本酒のアテ No.1。
プリプリとした食感で焼き上げているのも見事です。

「シラカワ」と聞いて最初は分からなかったのですが「白甘鯛」のことらしく、甘鯛の中でも高級なものだそうです。
10日間寝かしたことで、旨さがギュッと凝縮していました。

「太刀魚の塩焼き」は皮の美しさが秀逸。
皮はしっかりと焼き上げられてパリッとしているのに、身は柔らかくホロホロなのもプロの技かと思います。

「マスノスケ」は最も印象に残った握りの一つ。
鱒は時として苦手に感じることもある素材なのですが、こちらのは、鱒ってこんなに旨いのね、と思えるレベル。
個性が旨さにつながるような感じでしょうか。
これはスゴイ。

茹で立ての「車海老」はやはり海老の王様。
茹で加減もよく、プリっとした食感は安定安心の味わいでした。

「雲丹軍艦巻き」は大間にあるダイセンという銘柄のウニが使われており、通常はさらにランクが上の鮨屋さんで使うモノだそうです。
確かにびっくりするような洗練された旨さのウニ、贅沢とはこういうことです。

大好きな「穴子」はツメも上品でホロホロ感も良き。
握りとしてはこちらが最後でした。

最後に「自家製わらび餅」まで頂いてフィニッシュ。
滑らかな食感と甘すぎないタレがやはり好みでした。

途中からおまかせで頼んだ日本酒は「観音下」「くどき上手 Jr.」を選んで頂き、さすがコースにフィットしていました。
鮨にワインをあわせてくるお店もあるのですが、やっぱり日本酒だよな、と思います。

肴、握り、サービスがバランスして抜群の居心地に。
楽しい夜でした。

ごちそうさま。